JP2012103093A - 簡易線下明示器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単かつ短時間に架空電線の線下位置を求めることができる小型、軽量の簡易線下明示器を提供する
【解決手段】 中央領域に1条の基準線を備える視準窓を一端部に有し、水準器を他端部に有するとともに、光学的情報合成部を内蔵する円筒状の本体部と、その長さ方向略中間にて前記基準線と平行に延設され前記本体部に連通する接眼部とを備えており、前記光学的情報合成部は、前記視準窓の前方における視準対象物および前記基準線の間の光学的位置情報と、前記水準器で得られる水平度情報とを合成して接眼部を通して出力するように構成されてなることを特徴とする簡易線下明示器。前記光学的情報合成部は、前記光学的位置情報および前記水平度情報を受け入れて、それぞれを前記接眼部に向けて略直角に反射する複数のハーフミラーの組み合わせとすることができる。前記水準器としては気泡管式水準器などを使用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、架空送電線と建造物などの工作物との水平距離を測定する際に必要な架空電線直下位置を簡易に求めるために使用される小型の線下明示器に関する。
電気事業者が施設する架空電線は、「電気設備の技術基準」に基づいて維持されているが、当該技術基準のなかに架空電線付近での工作物の設置に関して、接近状態(第1次接近状態及び第2次接近状態)の規定がある。この規定に該当するか否かを判断するためには、現地において工作物と送電線との水平距離を求める必要があり、そのために架空電線直下を確定する必要がある。なお、以下では、この架空電線直下を「線下」と呼ぶこととする。また以下では、「線下位置」ということがあるが、この用語は、線下における1地点(地上)およびその鉛直方向の任意の高さ位置をも含むこととする。
線下位置を確定するために、従来よりトランシットなどの精密測量機器が主に用いられている。しかし、このような精密測量機器の操作は困難であり、熟練が必要とされるだけでなく、山間部などにおいて送配電線の線下を確認するような場合には、作業者がかなりの重量物となる測量機器その他の機器を線下測定地点まで運搬しなければならないという問題がある。
また、実際の現場では、前記規定に該当するか否かを正確に確認することが必要とされる場合は少なく、通常はむしろ極力短時間で線下位置を確認して水平距離を確認する場合の方が多く、前記精密測量機器よりもさらに軽量で簡単に操作できる簡易線下明示器の開発が作業者からは望まれていた。
特開平11−211478号公報 特開2000−329555号公報 特開平8−210853号公報
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、簡単かつ短時間に架空電線の線下位置を求めることができる小型、軽量で携帯性に富む簡易線下明示器を提供することを目的とする。
前記目的は、本発明によれば、中央領域に1条の基準線を備える視準窓を一端部に有するとともに、少なくとも当該基準線とは直角な方向における水平度を検出可能な水準器を他端部に有し、光学的情報合成部を内蔵する円筒状の本体部と、その長さ方向略中間にて前記基準線と平行に延設され前記本体部に連通する接眼部とを備えており、前記光学的情報合成部は、前記視準窓の前方における視準対象物および前記基準線の間の位置情報および前記水準器での前記水平度についての情報を合成して得られる光学的情報を前記接眼部を通して出力するように構成されてなることを特徴とする簡易線下明示器によって達成される。
前記光学的情報合成部は、前記光学的位置情報および前記水平度情報を受け入れ、それぞれの情報を合成して前記接眼部に向けて出力可能なものであり、ハーフミラーやプリズムの組み合わせの他、従来公知の画像合成装置などが含まれる。また、前記本体部の軸線方向前記水準器の外方には、地上における線下位置を示す線下位置表示器を備えることができる。
本発明の簡易線下明示器は、円筒状の本体部の両端で得られる光学的位置情報と光学的水平度情報とをそれぞれ合成して接眼部を通して出力するようにしたので、機器自体の小型化、軽量化が可能であり、運搬労力の低減が図られる。また、本発明の簡易線下明示器は、作業者が接眼部を覗きながら、その位置や傾きを変えるだけの簡単な操作により、視準対象物と基準線とを合致させ水平度が調整でき、短時間で線下位置の特定が可能になる。
本発明の簡易線下明示器の実施形態の一例を示す図である。 図1の簡易線下明示器の視準窓及び水準窓の視野を示す図である。 図1の簡易線下明示器を用い、精度を向上させることを目的とした装置例を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の簡易線下明示器の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の各図では、同一または共通の各部については同一の符号を用い、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の簡易線下明示器の実施形態の一例を示しており、(a)は斜視図、(b)は内部構造を説明するための縦断面図である。この図に示すように、本発明の簡易線下明示器1は、本体部10と、その長さ方向中間領域から当該方向に垂直な方向に延設される接眼部20とを備える略T字型の外形形状を有している。本体部10の長さ方向一端部には視準窓12が、また他端部には水準器15がそれぞれ設けられている。
本体部10及び接眼部20は、いずれも適宜の硬質遮光材料で形成された円筒状のケーシングを備えており、互いに連通状態とされている。これら各部は一体的に固定されていてもよく、例えばネジ留め、嵌合などの従来公知の方法で着脱自在に装着されるものであってもよい。本体部10は、水準器15側の端部寄りに重錘を取り付けるなどの従来公知の適宜の方法で、その重心位置を当該端部の近傍に下げることができる。なお、図1の例では、この重錘などを図示していないが、本体部10の重心位置は、水準器15側の端部近傍にあるものとする。視準窓12および水準器15はともに、本体部10の長さ方向両端にそれぞれ設けられている。
視準窓12は、透明な円板状を呈し、本体部10の長さ方向に直角に本体部10の一端部を閉塞するように取り付けられている。視準窓12の取り付けは、それが離脱しなければ特に制限されず、例えば本体部10成形時に一体的に組み込むようにしてもよく、着脱自在に固定するようにしてもよい。この視準窓12は、例えば、ガラス、硬質合成樹脂などの素材で形成することができる。
視準窓12の片面または内部には、線描きその他の公知の方法により直線状の基準線13が円板12の中心を通り径方向に設けられている。この基準線13の向きは、接眼部20の軸線に対して平行とされている。
水準器15は、一面が上方に膨出して湾曲面に形成された透明な円板状を呈しており、本体部10の他方の端部にその長さ方向に直角に当該端部を閉塞するように取り付けられている。取り付けは、離脱しないように強固なものであってもよく、着脱自在なものであってもよい。この水準器15としては、樹脂又はガラスなどの素材で中空に形成され、内部にアルコールまたはエーテルと1つの気泡17が封入されているいわゆる気泡管式水準器が使用できる。水準器15の上部における湾曲面の中央領域には、視準窓12の基準線13と一致する向きに2本の平行な基準線16(16a、16b)が帯状に設けられている。この2本の基準線16a、16bは、水準器15の上下面または内部に設けられており、両者間の距離は気泡の直径と略同等か又はそれよりも僅かに大きく設定されている。なお、水準器15は、視準窓12の基準線13の方向に直交する方向の本体部の水平が確保できれば、前記のような形態のものに限定されず、例えば従来公知の円盤状の気泡管式水準器は制限なく使用できる。
接眼部20は、その先端側に接眼窓21が設けられている。この接眼窓21は、視準窓12と同様の透明な素材で形成されており、作業者はこの接眼部20を通して内部から出射される光学的情報を見ることになる。
接眼部20の先端には、鉛直姿勢付与部21が設けられ、両者は互いに対して回動自在とされている。鉛直姿勢付与部21としては、例えば接眼部20の先端に外嵌め可能な内径を有するベアリングなどが挙げられる。作業者は、接眼部20の先端に外嵌めしたベアリングなどの鉛直姿勢付与部21を摘んで本発明の簡易線下明示器1の接眼部20をその軸線が略水平になるように把持することで、本体部10がその重心位置が低いことにより絶えず鉛直な姿勢を保とうとするようになる。なお、重心位置を変える重錘を備えず、重心が略中間位置にあるような本体部10の場合には、接眼部に鉛直姿勢付与部21を設ける必要はない。
本体部10の内部には、図1(b)に示すように、その長さ方向略中間の接眼部20との交差部分に光学的情報合成部24が設けられている。この光学的情報合成部24は、光学的情報合成部24は、視準窓10からの入射光と外部から水準器15を透過する透過光とをそれぞれ受け入れ、両者を重ねあわせ(合成し)、接眼部20内に導き、接眼窓22を通して外部に出射する機能を備えるものである。光学的情報合成部24は、このような機能を備える装置であれば、画像情報合成装置などの他、複数のハーフミラーの組み合わせ、複数のプリズムの組み合わせ、これら両者の組み合わせのさらなる組み合わせなどで構成することができる。特に、前記複数のハーフミラーの組み合わせは、本体部10内の構造を簡素化でき、結果として本発明の簡易線下明示器1の軽量化を図れるので、好適に使用できる。
本実施形態においては、光学的情報合成部24は、2枚のハーフミラー25、26の組み合わせで構成されている。ハーフミラー25は、視準窓10よりの光の入射方向に対して斜めに(好適には約45°程度の角度で)取り付けられており、これによって視準窓10より入射光を略直角な方向に反射し、接眼部20内に導いている。また、ハーフミラー26は、外部から下側の水準器15を透過する入射光に対して斜め(好適には約45°程度の角度)となるように、ハーフミラー25の略中間領域にこれに対して略垂直に当接固定されている。このハーフミラー26によって前記水準器の入射光を略直角な方向に反射し、ハーフミラー25を透過させて同様に接眼部20に導いている。
図2は、本体部10の視準窓12から入射される光学的位置情報と、水準器からの水平度情報とをそれぞれ示しており、(a)、(c)、(e)は光学的位置情報を、(b)、(d)、(f)は水平度情報をそれぞれ示している。この図を参照しながら、本発明の簡易線下明示器の使用方法について説明する。まず、作業者は、目視により架空電線Wの直下近傍の地点に移動し、鉛直姿勢付与部21を摘んだ状態で本発明の簡易線下明示器1の接眼部20を略水平に保ち、接眼部20を覗きこむ。その際に、架空電線Wと視準窓12の基準線13との位置関係は平行でなく(図2(a)参照)、簡易線下明示器1自体も水平でないものとする(図2(b)参照)。その状態で、作業者が簡易線下明示器1を本体部10の軸線を中心にして回転させると、架空電線Wは基準線13と略平行となるが(図2(c)参照)、水平度は変化しない(図2(d)参照)。次に、作業者は接眼部20をのぞき込みながら自ら左右いずれかに移動して架空電線Wと基準線13とが重なり合って見えるようにするとともに、簡易線下明示器1を僅かに傾けて気泡17が水準器15の略中心で帯状の2条の第2基準線16a、16b内に収まるように調整する。これにより、本発明の簡易線下明示器1はその高さ位置で線下に位置することになる。あとは、その当該線下位置と測定対象の工作物との間の水平距離を測定すればよい。また、水準器15の気泡17に重なるように、地上にマーカーを置きまたは下げ振りを垂らし、そのマーカーや下げ振りの指す地点を線下位置として確定し、工作物と地上における水平距離を測定するようにしてもよい。
次に、本発明の簡易線下明示器1の精度を向上させる方法について説明する。1つには、本体部10の長さを上方又は上下両方向に延長する方法がある。その場合、さらに長い本体部10に取り換えるようにしてもよく、本体部10の長さ方向両端部にそれぞれ延長筒体を接合するようにしてもよい。これらの接合の方法に特に制限はないが、例えばネジ込み、嵌合などの従来公知の方法で行うことができる。この延長筒体の内部には、適宜集光レンズなどの光学機器を配置し、本体部10への接合端とは反対側の端部から入射した光学的位置情報を明瞭に認識できるようにするのがよい。
また、もう1つの方法として、測量用の三脚などに本発明の簡易線下明示器1を固定して用いる方法がある。図3(a)は、本発明の簡易線下明示器の測量用の三脚への取り付け状態を示している。この図における三脚30は、その脚頭台30aの上部に整準台32を備えている。この整準台は、図3(b)の平面図に示すように、正三角形の板体の中央領域に正三角形の開口を有しており、その下側の各頂角寄りには脚頭台30aとの間に整準ネジ32a、32b、32cがそれぞれ設けられている。また、整準台32の上面には、互いに直角な方向に取り付けられた水準器33、34とともに、本発明の簡易線下明示器1を固定するための取付金具31が取り付けられている。この取付金具31に本発明の簡易線下明示器1を固定し、現地において、前記と同様の方法により目視にて線下位置を求めるが、この場合には測量用の三脚により本発明の簡易線下明示器の水平度が確実に維持されるので、その分精度向上に貢献することになる。また、この2つ目の方法に、前記した本体部を延長する1つ目の精度向上策を組み合わせることで、さらに精度向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明の簡易線下明示器は、円筒状の本体部の両端で得られる、架空電線と基準線との位置関係に関する光学的位置情報と水準器で得られる光学的水平度情報とをそれぞれ合成して接眼部を通して出力する簡単な構造であるので、機器自体の小型化、軽量化が可能であり、運搬労力の低減が図られる。また、本発明の簡易線下明示器は、作業者が接眼部を覗きながら、その位置や傾きを変えるだけの簡単な操作により、視準対象物と基準線とを合致させ水平度が調整でき、短時間で線下位置の特定が可能になる。また、本体部を延長し、若しくは測量用の三脚にセットし、またはこれらを組み合わせることで、さらに本発明の簡易線下明示器の精度向上が図られる。
なお、前記実施形態では、光線の照準合わせのために常用される集光レンズなどの光学系については特に図示していないが、必要に応じて従来公知の集光レンズなどの光学系を単独でまたは適宜組み合わせて適宜使用できることは言うまでもない。
1 簡易線下明示器
10 本体部
12 視準窓
13 基準線
15 水準器
16(16a、16b) 基準線
17 気泡
20 接眼部
21 鉛直姿勢付与器部
22 接眼窓
24 光学的情報合成部
30 三脚
30a 脚頭台
31 取付金具
32 整準台
32a、32b、32c 整準ネジ
33、34 水準器

Claims (3)

  1. 中央領域に1条の基準線を備える視準窓を一端部に有するとともに、少なくとも当該基準線とは直角な方向における水平度を検出可能な水準器を他端部に有し、光学的情報合成部を内蔵する円筒状の本体部と、その長さ方向略中間にて前記基準線と平行に延設され前記本体部に連通する接眼部とを備えており、前記光学的情報合成部は、前記視準窓の前方における視準対象物および前記基準線の間の位置情報および前記水準器での前記水平度についての情報を合成して得られる光学的情報を前記接眼部を通して出力するように構成されてなることを特徴とする簡易線下明示器。
  2. 前記水準器は1の気泡を封入した気泡管式であり、当該気泡の見かけの直径と略同等かそれよりも大きい距離だけ離して平行に設けられた2条の第2基準線がそれぞれ前記基準線の方向に平行に設けられてなる請求項1に記載の簡易線下明示器。
  3. 前記光学的情報合成部は、前記光学的位置情報および前記水平度情報を受け入れて、それぞれを前記接眼部に向けて略直角に反射する複数のハーフミラーの組み合わせからなる請求項1または2に記載の簡易線下明示器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5878230B1 (ja) * 2014-12-24 2016-03-08 中国電力株式会社 簡易線下明示器

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