JP2012101986A - Coの製造方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】COを低コストでCOに還元する。
【解決手段】CO製造装置10は、第1照射室14及び第2照射室16と、反応室18とを有する。第1照射室14に導入された炭素材、及び第2照射室16に導入されたCOには、太陽光が照射される。これにより、炭素材及びCOが予備加熱されて活性炭素及び活性COとなる。活性COは、反応室18において、活性炭素によってCOに還元される。この反応は、紫外線ランプ34から照射された紫外線によって活発化される。
【選択図】図1

Description

本発明はCOの製造方法及びその装置に関し、一層詳細には、2種類以上の出発原料を加熱する手段として太陽光を用いるCOの製造方法及びその装置に関する。
近時、環境保護の観点から、地球温暖化ガスの排出量を低減することに関心が払われている。大気中の地球温暖化ガスの濃度が高くなると、いわゆる温室効果が大きくなり、平均気温が上昇してしまうからである。これを回避するべく、各国において、1997年議決の京都議定書に定められた地球温暖化ガスの削減目標を達成する努力がなされている。さらに、日本では、2007年にクールアース50計画が発表され、世界全体の地球温暖化ガスの排出量を2050年までに現在の半分にするべきことが提案されている。
その一環として、COの排出量を低減することが試みられている。現況、COは、火力発電プラント、製鉄プラント、セメントプラント、化学プラント等から大気に排出された後、安定に存在して温室効果を高めているからである。
COの排出量を低減する一方策としては、排出されたCOを他の物質と反応させ、反応生成物(好適には、各種有機物の出発原料となるCO)を得ることが想起される。この場合、排出されたCOを出発原料として消費するので、COの排出量を低減することができる。
例えば、特許文献1には、炭素源である木質系バイオマス等を収容した容器に対して酸素含有ガスを吹き込むとともに前記容器を加熱することで一旦COを発生させ、このCOを、木質系バイオマス等に含まれる炭素と反応させてCOに還元することについての記載がある。
この特許文献1記載の技術では、雰囲気を980℃以上の高温とする必要があるが、特許文献2には、COとHを反応させてCOを得る技術において、逆COシフト触媒を用いることにより、反応温度を500〜850℃の比較的低温に設定することが可能となる、との報告がなされている。
さらに、特許文献3には、Hの存在下にCOを太陽光によって加熱し、これによりCOを還元してCOを得る技術が開示されている。この特許文献3記載の技術では硫化モリブデン触媒が用いられており、反応温度は500℃程度に設定される。
特開2005−330452号公報 特開2000−233917号公報 特公平7−23207号公報
特許文献1記載の技術は、COを発生させた後、そのCOを還元するものであり、はじめから存在するCOを消費するものではない。従って、上記したようなプラント等から排出されるCOや、大気中に存在するCOを低減し得るものではない。
また、特許文献2、3の技術は、比較的高価なHを使用するため、COの処理コストを低廉化することが容易ではない。また、Hを使用する関係上、反応装置等を十分な防爆仕様とする必要がある。このことも、COの処理コストを低廉化し得ない一因となる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、COを低コストで得ることが可能であり、また、COを工業的規模で連続生産するに適切なCOの製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の構成により達成される。
[1]COを炭素によって還元することで、反応生成物としてのCOを得るCOの製造方法であって、
太陽光をCO及び炭素に照射することで活性CO及び活性炭素を得る工程と、
前記活性COと前記活性炭素を混合した後に紫外線を照射して還元反応を生起させ、COを得る工程と、
を有するCOの製造方法。
[2]COを炭素によって還元することで、反応生成物としてのCOを得るCOの製造装置であって、
加熱源である太陽光を集光してCO及び炭素に照射する太陽光照射手段と、
太陽光を照射することで得られた活性炭素及び活性COを導入する反応部と、
還元反応を生起してCOを得るために前記反応部に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
を有するCOの製造装置。
前記製造装置は、前記反応部に連通してCOと炭素を個別に流通するための第1及び第2の流通路と、
前記第1の流通路を通過するCOに太陽光を照射して活性COを得るための第1の照射室と、
前記第2の流通路を通過する炭素に太陽光を照射して活性炭素を得るための第2の照射室と、
を備えるものとして構成することができる。この場合、前記反応部内では、前記第1及び前記第2の照射室を通過した前記活性CO及び前記活性炭素が合流して反応する。
さらに、内管と外管の二重管から形成される空間からなる前記第1及び第2の流通路を含む第1の部位と、単管から形成される空間からなる前記反応部を含む第2の部位とを有する管状部材を備えるものであってもよい。
この場合、前記第1の部位が前記第1及び前記第2の照射室を兼ねる。そして、前記第1の部位でCOに太陽光を照射して得た活性COと、炭素に太陽光を照射して得た活性炭素とを、前記第2の部位で合流させて前記還元反応を生起させる。
なお、前記還元反応を、周期律表第4周期〜第6周期中の第5族〜第10族の元素からなる触媒によって促進するようにしてもよい。この場合、500℃近傍の比較的低温であっても、COの還元反応が容易に進行する。勿論、反応温度を、1100℃程度の比較的高温域に設定することも可能である。
また、CO及び炭素を流通しながら前記還元反応を生起させることにより、COを連続的に得ることが可能となる。すなわち、COを工業的規模で継続生産することができる。
炭素を流通状態とするためには、キャリアガスを用いればよい。キャリアガスとしては、COが好適である。この場合、キャリアガスであるCOを、炭素とは別に供給されたCOとともに前記還元反応によって消費することができるからである。
さらに、前記活性COと前記活性炭素とが反応する反応部を、太陽光を透過することが可能な被覆部材で囲繞し、且つ前記反応部と前記被覆部材の間を真空状態とすることが好ましい。これにより、いわゆる真空断熱効果によって反応部から熱が放出することが抑制される。
本発明によれば、COと炭素材に太陽光を照射してこれらの予備加熱を行った後、炭素材によるCOの還元反応を行う際には、紫外線を照射するようにしている。このため、COと炭素材の温度を効率よく上昇させることができるとともに、還元反応を活発化させることができる。
また、安価であり、且つ防爆仕様の装置を用いる必要のない炭素材を使用するので、COの処理コストを低廉化することも容易である。
本発明の第1実施形態に係るCO製造装置を模式的に示す要部概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係るCO製造装置の長手方向に沿う要部斜視側面図である。
以下、本発明に係るCOの製造方法につき、それを実施するCO製造装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係るCO製造装置10を模式的に示した要部概略構成図である。このCO製造装置10は、ケーシング12内に、第1照射室14及び第2照射室16と、反応部としての反応室18とが区画形成されて構成される。
ケーシング12は、太陽光及び紫外線を透過可能な素材で形成される。そのような素材の好適な例としては、サファイヤガラスが挙げられる。また、第1照射室14、第2照射室16及び反応室18を形成するための壁も、サファイヤガラス等、太陽光及び紫外線を透過可能な素材から構成される。
第1照射室14の上流側及び下流側には、第1流通路20が第1照射室14に連通するようにして設けられる。この第1流通路20を介して、第1照射室14に炭素材(C)が供給される。
一方、第2照射室16に対しては、該第2照射室16にCOを供給するための第2流通路22が連通するようにして設けられる。この第2流通路22は、第1流通路20に比して若干小径に設定される。換言すれば、第1流通路20は、第2流通路22よりも大径である。
また、第1照射室14も、第2照射室16に比して大容積に設定される。
第1照射室14及び第2照射室16の上方には、太陽光を照射するための太陽光照射手段24が設けられる。この太陽光照射手段24は、集光レンズ26と、集光部28と、光ファイバ30と、光照射部32とを有する。すなわち、集光レンズ26によって集光された太陽光は、集光部28及び光ファイバ30によって光照射部32に導かれ、該光照射部32から第1照射室14及び第2照射室16に照射される。
第1照射室14及び第2照射室16の下流側の第1流通路20、第2流通路22は、反応室18に連通する。すなわち、第1照射室14を通過した炭素材と、第2照射室16を通過したCOは、反応室18で合流する。
反応室18には、担体に担持されたブードア反応触媒(いずれも図示せず)が配置される。このブードア反応触媒は、反応転化率を向上させるとともに、反応時間を短縮し、且つ反応温度を低下させる作用を営む。
このような作用を営む具体的な物質としては、周期律表第4周期〜第6周期の第5族〜第10族元素、好適には鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、タングステン、イリジウム等を含むものが挙げられる。この中、入手が容易で比較的安価であり、しかも、触媒活性が大きいことから、鉄、コバルト、ニッケルが特に好適である。
このような元素を含む物質の代表的なものとしては、上記元素のいずれか1種からなる単体金属や、上記元素の2種以上を含む合金が挙げられる。又は、上記元素を含む有機金属化合物であってもよい。
ブードア反応触媒を担持する担体の素材は、COと炭素材とを反応させる際の温度において安定なものが選定される。そのようなものの好適な例としては、鉄、ニッケル、コバルト等の金属や、シリカ、アルミナ、ジルコニア、珪藻土、カオリナイト、スメクタイト、タルク、ゼオライト、フェライト(酸化鉄)等のセラミックスが挙げられる。
また、反応室18の近傍には、紫外線照射手段としての紫外線ランプ34が配設される。この紫外線ランプ34は、200nm以下の短波長の紫外線を照射することが可能なものである。
反応室18には、CO排出管36が連通する。COと炭素材が反応することで生成されたCOは、このCO排出管36から排出される。
CO排出管36には、後述する分離装置(図示せず)が設けられる。COに含まれる未反応のCOは、この分離装置で分離される。
このように構成されるCO製造装置10は、例えば、火力発電プラントや製鉄プラント、セメントプラント、化学プラント等に設けられる。
次に、このCO製造装置10を用いて実施されるCOの製造方法につき説明する。
上記したようなプラントの操業に伴って発生したCOは、より活性なガス等の不純物が除去された後、CO製造装置10の第2流通路22を介して第2照射室16に供給される。なお、不純物を除去するための手法としては、活性炭吸着法、膜分離、洗浄法等の公知の手法が挙げられる。
一方の炭素材としては、不純物の含有量が少ないものが好ましい。例えば、産業廃棄物を炭化して得られた炭素材、カーボンブラック、活性炭、バイオマス系の炭から得られた炭素材等である。
産業廃棄物から炭素材を得る場合には、先ず、産業廃棄物を固定型バッチ式炉、ロータリ炉、スクリュ炉等で炭化することで炭素を得る。次に、薬品賦活法や水蒸気賦活法等によって不純物を除去することにより、高純度の炭素材を得ることができる。
カーボンブラックは、周知の通り、天然ガス、石炭又は石油等の化石燃料を不完全燃焼させたり、熱分解させたりすることによって得られる数百μm程度の微細粉末であり、市販品として容易に入手可能である。
活性炭は、椰子殻、石炭、おが屑等を炭化及び賦活することによって得られるものであり、その表面には、10〜100Å程度の微細な細孔が多数形成されている。この細孔が吸着サイトとして機能することにより、活性炭に吸着作用が発現する。
残余のバイオマス系の炭は、木材や竹等を用いて得られる代表的な炭素材として公知である。
本実施の形態では、上記したような炭素材は、微細に粉砕されて微粒子として供給される。微粒子は、比表面積が大きく、このため、COとの反応領域が大きいので、バルク体に比してCOと効率よく反応するからである。すなわち、微粒子を用いることにより、COの還元反応を促進することができる。
なお、炭素材は、気流式粉砕機、縦型ローラミル、高速回転ミル、分級機内蔵型高速回転ミル、容器駆動媒体ミル、媒体撹拌式ミル、圧密剪断ミル、コロイドミル等の公知の粉砕機によって粉砕することが可能である。
ここで、カーボンブラックや活性炭は凝集粉末であり、粉砕を行うことなく使用することも可能であるが、上記したような粉砕機によって凝集を解消して一層の微粒子とし、これを使用するようにしてもよい。
炭素材の微粒子は、例えば、図示しない貯留容器からスクリュコンベアによって移送され、第1流通路20を経て第1照射室14に導入される。又は、不活性ガスやCOをキャリアガスとして流通し、このキャリアガスに微粒子を同伴させて第1流通路20から第1照射室14に導入するようにしてもよい。
以上のようにして炭素材及びCOが第1照射室14及び第2照射室16に導入されるともに、集光された太陽光が第1照射室14及び第2照射室16に対して照射される。具体的には、太陽光は、太陽光照射手段24の集光レンズ26によって集光され、集光部28及び光ファイバ30に導かれた後、光照射部32から第1照射室14及び第2照射室16に照射される。この照射に伴い、第1照射室14及び第2照射室16内の炭素材及びCOが予備加熱され、好適には500℃程度まで温度上昇して活性炭素及び活性COとなる。
ここで、上記したように、第1流通路20は第2流通路22に比して大径に設定され、第1照射室14は第2照射室16に比して大容積に設定されている。このため、炭素材の滞留時間がCOに比して長い。従って、第1照射室14に導入された炭素材が太陽光によって加熱される時間も長くなる。固体である炭素材は、気体であるCOよりも温度が上昇し難いが、このようにして加熱時間を長くすることができるため、炭素材の温度を十分に上昇させることが可能となる。
以上のようにして予備加熱された活性炭素及び活性COは、第1照射室14及び第2照射室16の下流側の第1流通路20と第2流通路22を経由し、反応室18に到達して合流する。すなわち、反応室18において、活性炭素材と活性COが混合される。
反応室18には、上記したように、担体に担持されたブードア反応触媒(いずれも図示せず)が配置されている。従って、COと炭素材が効率よく反応する。すなわち、下記の式(1)に示されるブードア反応が生起され、これによりCOが生成される。
CO+C→2CO …(1)
ブードア反応触媒の存在下では、この反応は、反応室18の温度が500℃程度の比較的低温であっても容易に進行する。
しかも、反応室18に対しては、紫外線ランプ34によって波長200nm以下の紫外線が照射される。従って、反応室18の温度が十分に高温に保たれるとともに、活性炭素と活性COが紫外線によってさらに活性化される。このため、ブードア反応が活発となる。すなわち、波長200nm以下の紫外線を反応室18に照射することにより、ブードア反応を一層促進させることができる。
炭素材及びCOが連続して供給されることにより、ブードア反応が継続して生起される。従って、COを連続的に消費する一方、COを連続的に生産することができる。このことから諒解されるように、第1実施形態によれば、COを工業規模で連続生産することが可能である。
また、炭素材は安価である。その上、ブードア反応を生起させるに際し、防爆仕様の装置を用いる必要がない。従って、COの処理コストを低廉化することが容易である。
なお、この実施の形態では、1個の太陽光照射手段24によって第1照射室14及び第2照射室16の双方に太陽光を照射するようにしているが、太陽光照射手段24を2個設け、1個の太陽光照射手段24で第1照射室14に対して太陽光を照射する一方、残余の1個の太陽光照射手段24で第2照射室16に対して太陽光を照射するようにしてもよい。
また、炭素材に対して十分な予備加熱を行うために炭素材の滞留時間を長くするには、第1流通路20を大径に設定する他、第1流通路20の内部に螺旋溝を形成し、炭素材に旋回流を生じさせた状態で移送を行うようにしてもよい。
又は、第1流通路20に乱流を生じさせるようにしてもよい。この場合、第1流通路20の内径や炭素材の供給速度(例えば、キャリアガスの流速)を、乱流が生じるような範囲に設定すればよい。乱流が生じることにより、層流である場合に比して滞留時間が長くなる。
次に、第2実施形態に係るCO製造装置につき説明する。
図2は、第2実施形態に係るCO製造装置50の長手方向に沿う要部斜視側面図である。このCO製造装置50は、内管52と外管54の二重管から形成される第1の部位56と、前記外管54のみから形成される第2の部位58とを有する管状部材60を備え、さらに、該管状部材60が被覆部材62に収容されることによって構成される。
管状部材60に含まれる第1の部位56は、外管54の内孔(空間)に内管52が挿入されることによって構成される。該内管52の内孔(空間)には、炭素材が流通される。すなわち、内管52の内孔は、炭素材を流通するための第1流通路として機能する。
一方、中空体である外管54には、その長手方向に対して直交する方向に延在する供給管64が設けられる。この供給管64は、被覆部材62に貫通形成された露出孔66から突出して露呈するとともに、その内孔が外管54の内孔に連通する。
外管54の内孔には、供給管64の内孔を介してCOが供給される。このことから諒解されるように、外管54の内孔は、COを流通するための第2流通路として機能する。なお、外管54において、内管52が挿入される側の一端部は閉塞されている。このため、該端部からCOが漏洩することはない。
第1の部位56の上方には、太陽光照射手段68が配設される。この太陽光照射手段68は、第1実施形態における太陽光照射手段24に準拠して構成されており、従って、図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
結局、第1の部位56に流通する炭素材及びCOには、太陽光照射手段68によって太陽光が照射される。すなわち、第1の部位56において、内管52の内孔は、炭素材に対して太陽光を照射する第1の照射室を兼ね、外管54の内孔は、COに対して太陽光を照射する第2の照射室を兼ねる。
内管52の長さ方向寸法は、外管54の長さ方向寸法に比して小さい。このため、内管52は、外管54の長さ方向の途中まで延在する。管状部材60において、内管52が存在せず外管54のみとなる右方側が、第2の部位58として定義される。
内管52の内孔に供給された炭素材は、第2の部位58において、外管54の内孔に放出される。一方、外管54の内孔には、第1の部位56において、供給管64を介して供給されたCOが第2の部位58に流通する。従って、炭素材とCOは、第2の部位58において、外管54の内孔で合流する。すなわち、第2の部位58は、反応室(反応部)を兼ねる。
外管54の内孔中、反応室となる第2の部位58には、上記したようなブードア反応触媒(図示せず)が、ワイヤ形状に形成された担体70に担持された状態で配置されている。なお、第2実施形態では、ブードア反応触媒及び担体70を2箇所に設けている。
第2の部位58には、紫外線ランプ72が配設される。この紫外線ランプ72も、200nm以下の短波長の紫外線を照射することが可能なものである。
被覆部材62は、太陽光及び紫外線を透過可能な素材で形成される。そのような素材の好適な例としては、サファイヤガラスが挙げられる。
被覆部材62の内孔と外管54との間には、所定のクリアランスが形成される。このクリアランスからは排気が予めなされており、従って、被覆部材62と外管54との間は真空状態である。
以上のように構成されたCO製造装置50もまた、火力発電プラントや製鉄プラント、セメントプラント、化学プラント等に設けることができる。このようなプラントの操業に伴って発生したCOは、供給管64の内孔を介して、外管54の内孔に供給される。一方、内管52の内孔には、上記したようにして炭素材の微粒子が供給される。
以上のようにして炭素材及びCOが内管52の内孔及び外管54の内孔に導入されるるともに、集光された太陽光が管状部材60の第1の部位56に対して照射される。すなわち、太陽光は、太陽光照射手段68の集光レンズ26によって集光され、集光部28及び光ファイバ30に導かれた後、光照射部32から第1の照射室及び第2の照射室に照射される。この照射に伴い、第1の部位56内の炭素材及びCOが予備加熱され、好適には500℃程度まで温度上昇して活性炭素及び活性COとなる。
活性炭素は、内管52の内孔を通過した後、第2の部位58において、外管54の内孔に排出される。また、活性COは、第1の部位56を流通して第2の部位58に到達する。すなわち、第2の部位58(反応室)において、活性炭素と活性COが混合される。
反応室には、上記したように、担体70に担持されたブードア反応触媒(図示せず)が配置されているので、COと炭素材が効率よく反応する。すなわち、上記式(1)に示されるブードア反応が生起され、これによりCOが生成される。
しかも、反応室に対しては、紫外線ランプ72によって波長200nm以下の紫外線が照射される。従って、上記と同様に、反応室の温度が十分に高温に保たれるとともに、活性炭素と活性COが紫外線によってさらに活性化され、ブードア反応が活発となる。
このように、第2実施形態においても、波長200nm以下の紫外線を反応室に照射することにより、ブードア反応を一層促進させることができる。
しかも、第2実施形態では、管状部材60と被覆部材62との間が真空状態であるために、反応室に対して真空断熱が施される。このため、反応室から熱が放出されることが抑制されるので、温度保持が容易である。このことも、ブードア反応を効率よく進行させることに寄与する。
COは、外管54の閉塞先端部に設けられたCO排出管74を介して排出される。このCO排出管74には、上記したような分離装置(図示せず)が介装されており、該分離装置の作用下に、COに含まれる未反応のCOが分離除去される。
炭素材及びCOが連続して供給されることにより、ブードア反応が継続して生起される。従って、COを連続的に消費する一方、COを連続的に生産することができる。以上のように、第2実施形態においても、COを工業規模で連続生産することが可能である。また、COの処理コストを低廉化することが容易であることも同様である。
10、50…CO製造装置 12…ケーシング
14、16…照射室 18…反応室
20、22…流通路 24、68…太陽光照射手段
26…集光レンズ 30…光ファイバ
32…光照射部 34、72…紫外線ランプ
36、74…CO排出管 52…内管
54…外管 56…第1の部位
58…第2の部位 60…管状部材
62…被覆部材 64…供給管
70…担体

Claims (10)

  1. COを炭素によって還元することで、反応生成物としてのCOを得るCOの製造方法であって、
    太陽光をCO及び炭素に照射することで活性CO及び活性炭素を得る工程と、
    前記活性COと前記活性炭素を混合した後に紫外線を照射して還元反応を生起させ、COを得る工程と、
    を有することを特徴とするCOの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記還元反応を、周期律表第4周期〜第6周期中の第5族〜第10族の元素からなる触媒によって促進することを特徴とするCOの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法において、前記活性COと前記活性炭素とが反応する反応部を、太陽光を透過することが可能な被覆部材で囲繞し、且つ前記反応部と前記被覆部材の間を真空とすることを特徴とするCOの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法において、CO及び炭素を流通しながら前記還元反応を生起させることを特徴とするCOの製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法において、炭素を流通状態とするためのキャリアガスとしてCOを用いることを特徴とするCOの製造方法。
  6. COを炭素によって還元することで、反応生成物としてのCOを得るCOの製造装置であって、
    加熱源である太陽光を集光してCO及び炭素に照射する太陽光照射手段と、
    太陽光を照射することで得られた活性炭素及び活性COを導入する反応部と、
    還元反応を生起してCOを得るために前記反応部に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    を有することを特徴とするCOの製造装置。
  7. 請求項6記載の装置において、前記反応部に連通してCOと炭素を個別に流通するための第1及び第2の流通路と、
    前記第1の流通路を通過するCOに太陽光を照射して活性COを得るための第1の照射室と、
    前記第2の流通路を通過する炭素に太陽光を照射して活性炭素を得るための第2の照射室と、
    を備え、
    前記反応部内では、前記第1及び前記第2の照射室を通過した前記活性CO及び前記活性炭素が合流して反応することを特徴とするCOの製造装置。
  8. 請求項7記載の装置において、内管と外管の二重管から形成される空間からなる前記第1及び第2の流通路を含む第1の部位と、単管から形成される空間からなる前記反応部を含む第2の部位とを有する管状部材を備え、
    前記第1の部位が前記第1及び前記第2の照射室を兼ね、
    前記第1の部位でCOに太陽光を照射して得た活性COと、炭素に太陽光を照射して得た活性炭素とを、前記第2の部位で合流して前記還元反応を生起することを特徴とするCOの製造装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の装置において、さらに、少なくとも前記反応部を囲繞し且つ太陽光を透過することが可能な被覆部材を備え、前記反応部と前記被覆部材との間が真空状態とされることを特徴とするCOの製造装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の装置において、前記反応部に、周期律表第4周期〜第6周期中の第5族〜第10族の元素からなる触媒を保持したことを特徴とするCOの製造装置。
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