JP2012101260A - 金属材の接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属材を重ね合わせて超音波振動を付加しつつ、機械的クリンチする強度が高い接合方法において、特に金属材表面に加工油が残存していても、良好な接合を行うことができる金属材の接合方法を提供する。
【解決手段】金属材の重ね継手1を、カウンタパンチ4とパンチ2との間で挟み込み、パンチ2及びカウンタパンチ4を重ね継手1にその全体の厚さの40乃至70%の深さで夫々食い込ませる。次いで、パンチ2及びカウンタパンチ4にその軸方向に、重ね継手1の接合部において振動応力が最大となる超音波振動を付与して重ね継手1を共振させると共に、パンチ2及びカウンタパンチ4を同時に下降させて重ね継手1を押し込む。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の金属材を重ね合わせて超音波により接合する金属材の接合方法に関する。
近年、自動車の軽量化等の点から、自動車の構造体等にアルミニウム又はアルミニウム合金材の使用が進められている。構造体の形成には、部材と部材をスポット溶接で点接合したり、MIG溶接又はレーザ溶接等により連続的に線接合する等の溶融溶接が一般的に採用されている。
一方、溶接による接合方法は、溶接熱による熱歪が発生することから、この熱歪みを回避するために、機械的締結方法も検討されている。例えば、この機械的締結方法として、複数の金属板を重ね合わせてダイスとポンチで挟み込み、機械的にクリンチして締結する方法(特許文献1)が提案されている。
また、この機械的クリンチ方法において、パンチの径を細くし、突起部材がついた部材をパンチの周辺に配置して圧下することにより、更に結合力を高める機械的クリンチ方法(特許文献2)も提案されている。
図6は従来の機械的クリンチ接合方法を示す図である。図6(a)に示すように、上面の中央部にクリンチ形状の凹部を有するダイ102の上に、被接合材1a、1bの重ね継手1を載置し、中央にパンチ用孔を有するストリッパ101を重ね継手1上に重ねて、ストリッパ101とダイ102とで、重ね継手1を挟持する。次いで、図6(b)に示すように、ストリッパ101の孔内にパンチ103の作動部分を挿入し、このパンチ103を下降させる。そうすると、図6(c)に示すように、重ね継手1はダイ102の凹部内に押し込まれて変形し、パンチ103がダイ102の底部との間で重ね継手1を押しつぶし、重ね継手1におけるパンチ103の作動部分の先端の隅部の近傍に、インターロック形状を形成する。これにより、重ね継手1は機械的クリンチにより接合される。
これらの機械的クリンチによる接合方法は、熱歪の問題は生じないものの、自動車等の構造体に適用するためには、更に接合強度を高める必要があった。そこで、機械的クリンチを行うに際して、超音波振動を付加する接合方法が提案されている(特許文献3、非特許文献1)。
特開昭62−77130号公報 特開2009−90354号公報 特開2003−200230号公報
水島大介、浅野禎介、佐藤隆、村上碩哉、大竹尚登 超音波援用による機械的クリンチングの高強度化 塑性加工連合講演会講演論文集(2009年10月発行)第269、270頁
特許文献3及び非特許文献1の超音波振動を付加する方法は、機械的クリンチのみの場合に比較して、かしめ力の向上効果が得られるが、特許文献3に記載の方法においては、超音波を複数の方向から付与するため、複数の方向に振動を発生する超音波振動発生装置を配置することが必要となり、接合装置が複雑化する。
また、かしめ部の振動系が水平方向に付属するため、かしめ部の突形状のように入り組んだ場所においては超音波により加振できる部位と、できない部位が出てくる(幾何学的障害)ため、接合強度の大幅な向上が望めない。その点、非特許文献1の方法では、かしめの開始から終了まで軸方向にのみ加振しているため、超音波の発生装置は一方向のみから発信するものだけで良いため、装置の構造が単純で幾何学的障害が発生せず、高い接合強度を得ることができる。
しかし、この方法によっても、プレス成形等の加工油等が金属材に残存していると、金属材が接合しないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、金属材を重ね合わせて超音波振動を付加しつつ、機械的クリンチする強度が高い接合方法において、特に金属材表面に加工油が残存していても、良好な接合を行うことができる金属材の接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属材の接合方法は、
成形用孔が形成されたダイの上に、金属材からなる複数の被接合材を重ね合わせた重ね継手を載置し、
前記成形用孔内に挿入したカウンタパンチとその上方のパンチとで前記重ね継手を挟み込み、
前記パンチ及び前記カウンタパンチを前記重ね継手に、前記重ね継手の全体の厚さの40乃至70%の深さで夫々食い込ませ、
前記パンチ及びカウンタパンチにその軸方向に超音波振動を付与して、前記重ね継手の接合部において振動応力が最大となるような振動を与えて、前記重ね継手を共振させると共に、前記パンチ及び前記カウンタパンチを同時に下降させて前記重ね継手を前記成形用孔内に押し込むことを特徴とする。
この金属材の接合方法において、
前記パンチ及び前記カウンタパンチを前記重ね継手に、前記重ね継手の全体の厚さの40乃至70%の深さで夫々食い込ませる工程は、振動系を共振状態とするため、前記パンチ及びカウンタパンチを前記重ね継手に対し75MPa以上の圧力で加圧することが好ましい。
更に、前記金属材は例えばアルミニウム又はアルミニウム合金である。更にまた、前記カウンタパンチ及び前記パンチは、夫々ホーンに締結されない状態で連結されており、前記パンチ用のホーンは、超音波振動子に接続されていて、この超音波振動子の振動を、前記ホーン(パンチ側)を通して、前記パンチ,重ね継手、カウンタパンチ、及びホーン(カウンタパンチ側)に超音波振動を付与する。そして、双方のホーンの振動がパンチ及びカウンタパンチを振動させることで、パンチ、重ね継手、及びカウンタパンチで構成された共振体が共振する。
本発明によれば、超音波を付加した機械的クリンチ接合方法において、超音波振動をパンチの軸方向のみに付与し、金属材の重ね合わせ部において応力が最大になるような応力分布を付与しているため、接合表面に加工油が残存していても、接合強度(剥離強度)を著しく高くすることができ、継手の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る接合方法に用いる超音波振動付与装置を示す模式図である。 本発明における応力分布と変位分布との関係を示す模式図である。 (a)乃至(c)は、本発明の実施形態の超音波を付与した機械的クリンチ接合の過程を示す模式図である。 (a)及び(b)は、夫々本発明の比較例及び実施例の接合部の剥離状態を示す模式図である。 ダイの内縁部の斜面の角度を示す図である。 従来の機械的クリンチ接合の過程を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金属材の接合方法に使用する超音波振動付与装置を示す模式図と、超音波振動態様を示す波形図である。また、図3(a)、(b)、(c)は、被接合材の機械的クリンチの過程を示す図である。図3に示すように、A1050アルミニウム合金材等の被接合材1a、1bの重ね継手1がダイ12の上に載置され、更に、この重ね継手1の上にストリッパ11が配置される。ダイ12はその中心部にカウンタパンチ4が挿入される成形用孔14がその軸方向にパンチ側に孔が広がるようにテーパを有して形成されており、ストリッパ11にはその中心部にパンチ2が挿入されるパンチ用孔13がその軸方向を垂直にして形成されている。成形用孔14は、パンチ2により、その内部に重ね継手1が押し込まれて、接合後の重ね継手1の形状を成形する。
図1は超音波振動付与装置を示すが、この図1には、図示の簡単のために、図3に示すダイ12及びストリッパ11は図示されていない。下方の被接合材1aの下面にはカウンタパンチ4が配設され、上方の被接合材1bの上面にはパンチ2が配設されている。そして、カウンタパンチ4はホーン5上に接続されており、パンチ2はその上にホーン3が接続されている。そして、上方のホーン3は超音波振動子6が接続されている。これらのホーン3,5は、超音波振動子6により付与される超音波振動を拡大して夫々パンチ2及びカウンタパンチ4に伝達するものである。
このようなホーンは、通常の超音波振動装置では、パンチに締結されており、ホーンとパンチとは相互に固定されている。しかし、本実施形態においては、パンチ2及びカウンタパンチ4と、夫々ホーン3及び5とは、締結されていない。これは、超音波振動の付与により、パンチのみならず、パンチを締結するボルト等の締結部材にも大きな荷重がかかる場合があり、接合開始後、短期間で締結部材が破損することがあるからである。パンチ2及びカウンタパンチ4を夫々ホーン3及び5に締結せずに、フリーの状態にしておくことにより、この問題を解決することができる。なお、この場合に、ホーン3,5からパンチ2及びカウンタパンチ4が離脱してしまう虞があるが、パンチ2及びカウンタパンチ4を適宜の治具で夫々ホーン3,5に取り付けてホーン3,5に固定しておき、パンチ2及びカウンタパンチ4が重ね継手1に当接した後、前記治具を外して、パンチ2及びカウンタパンチ4とホーン3,5とを、ホーン3,5がパンチ2及びカウンタパンチ4を支持するがホーン3,5とパンチ2及びカウンタパンチ4とを締結しない状態、即ち、上記フリーの状態にすれば良い。なお、機械的クリンチングの後、接合対象の重ね継手1にパンチ2が拘束されてしまった場合は、前記治具によりパンチ2をホーン3に固定して、このホーン3を引き上げることにより、パンチ2を重ね継手1から離脱させることができる。なお、ホーン3と超音波振動子6とはネジ等により相互に固定されている。
ダイ12の中心部分に、成形用孔14が形成されており、この孔14内にカウンタパンチ4の作動部分(先端部分)が挿入されている。また、ストリッパ11の中心部分に、パンチ用孔13が形成されており、この孔13内にパンチ2の作動部分(先端部分)が挿入されている。このカウンタパンチ4の作動部分とパンチ2の作動部分とにより、重ね継手1を挟み、重ね継手1に超音波振動を付与すると共に、図3(c)に示すように、パンチ2を下降させて重ね継手1をクリンチする。本実施形態においては、カウンタパンチ4が上下方向に可動に設置されている。従って、図3(a)〜(c)に示すように、パンチ2が下降して、重ね継手1を下方に押圧すると、カウンタパンチ4は、その反力により重ね継手1に上方への応力を印加し、パンチ2との間で重ね継手1に一定の挟持力を印加しつつ、パンチ4及び重ね継手1と共に下方に移動する。このように、パンチ2の押込によって、重ね継手1の接合部分が軸方向に移動するが、クリンチに必要な押し込み量に達したときに、パンチ2及びカウンタパンチ4の移動が停止し、カウンタパンチ4は、従来の機械的クリンチにおけるダイ底部と同様に材料の重ね継手1を押しつぶすアンビルの作用をする。
超音波振動子6から発生した超音波振動は、ホーン3によって拡大されて、パンチ2に伝達される。また、この超音波振動は、カウンタパンチ4からカウンタパンチ側のホーン5に伝達され、振動系全体が共振状態を維持する。
そして、機械的クリンチによる重ね継手1の加工中は、定常的に共振状態を維持するために、例えば、発信制御をPLL(位相同期回路)方式低振幅周波数自動追尾方式で制御する。
ダイ12とストリッパ11とは重ね継手1を挟み込んで、材料の跳ね上がりを阻止している。
次に、上述の装置を使用して本発明の実施形態の金属材の接合方法を実施する態様及び動作について説明する。ダイ12上に、A1050アルミニウム合金材等の被接合材1a、1bの重ね継手1を載置し、ストリッパ11を重ね継手1の周辺部上に下降させる。このストリッパ11及びダイ12により重ね継手1を、重ね継手1を挟み込む。そして、ダイ12及びストリッパ11の各孔内に、カウンタパンチ4及びパンチ3を挿入し、重ね継手1をカウンタパンチ4及びパンチ2で挟持する。このとき、カウンタパンチ4及びパンチ2は、孔内への挿入時には、適宜の治具により夫々ホーン5及び3に固定されており、重ね継手1に当接した後、治具を外して、ホーン3及び5とパンチ2及びカウンタパンチ4とを水平方向には相互に拘束されていない状態で垂直方向には振動が伝達されるような接続状態にする。
次に、上述のごとくパンチ2とカウンタパンチ4との間で重ね継手1を挟持した後、パンチ2とカウンタパンチ4を重ね継手1に対し、例えば、75MPa以上の圧力で加圧する。これにより、パンチ2及びカウンタパンチ4の先端の作動部分を、重ね継手1の被接合材1a、1bに、例えば、重ね継手1の全体の厚さの40乃至70%の深さだけ、食い込ませる。なお、被接合材1a、1bの表面に重ね継手1全体の厚さの40乃至70%だけ食い込ませるためには、被接合材1a、1bの品種により、その必要な応力が異なる。よって、品種によっては、75MPaではパンチ2及びカウンタパンチ4を重ね継手1に全体厚さの40乃至70%だけ食い込ませることができない場合もある。又は、75MPa未満でも上記食い込み条件を満たす場合もある。しかし、一般的なアルミニウム合金の場合には、75MPa以上の圧力を印加すれば、上記食い込み条件を満足させることができる。
このように、重ね継手1に、パンチ2とカウンタパンチ4とを食い込ませない状態で、後述するように超音波振動を付与すると、パンチ2及びカウンタパンチ4からの超音波振動が重ね継手1に有効に伝わらず、重ね継手1に共振振動が生じにくくなる。
なお、食い込み量は、前述のごとく、重ね継手1の全体の厚さの40乃至70%の深さで良いが、更に好ましくは、60%程度の食い込み量が良い。
また、前述のごとく、パンチ2とカウンタパンチ4の重ね継手1に対する圧力は75MPa以上であることが好ましい。この理由は、前述のパンチ2及びカウンタパンチ4の重ね継手1に対する食い込み量確保の目的の他に、パンチ2とカウンタパンチ4の荷重が低すぎると、パンチ2と、被接合材からなる重ね継手1と、カウンタパンチ4とが共振体として一体になりにくいからである。従って、共振状態を維持するために、超音波振動を付与する前に、パンチ2及びカウンタパンチ4により75MPa以上の圧力で重ね継手1を加圧しておくことが好ましい。なお、この加圧力として、120MPa以上の大きな応力を印加しても、上述の効果があまり向上しないため、加圧力は120MPa未満とすることが好ましい。
このように、パンチ2及びカウンタパンチ4により重ね継手1を挟持し、更に、ダイ12及びストリッパ11で重ね継手1を緩く挟み込んだ状態で、超音波振動子6により、パンチ2及びカウンタパンチ4にその軸方向に超音波振動を付与する。このとき、パンチ2及びカウンタパンチ4の先端の作動部分は、重ね継手1に食い込んでおり、この重ね継手1におけるダイ12及びストリッパ11に挟まれた部分の内側部分にのみ垂直方向に(パンチ2の軸方向に)加振するため、被接合材1a、1bの形状によらずに、パンチ2の軸方向へ共振する振動状態が得られる。
この超音波振動の付与においては、被接合部材1a、1bが接触する位置、即ち、被接合部において、応力分布が最大となるように共振させることが必要である。これは、図1に示すように、ホーン3とパンチ2との境界及びホーン5とカウンタパンチ4との境界の位置が、図2に示す振動の腹となるような振動を、超音波振動子6からホーン3に付与する。このようなホーン3とパンチ2との境界及びホーン5とカウンタパンチ4との境界の位置が振動の腹であると、その位置で変位が最大となり、この腹間の中央の位置、即ち、被接合部材1a、1bの位置が節となって、この節の位置では、変位分布が0であり、応力分布が最大となる。このように、超音波振動子6から発振された超音波振動が、ホーン3とパンチ2との境界及びホーン5とカウンタパンチ4との境界の位置が腹となるようなものであると、パンチ2とカウンタパンチ4との間の被接合部材1a、1bが接触する面の位置で、応力分布が最大となる超音波振動が得られる。
超音波振動子6から発振された超音波振動は、ホーン3により拡大されてパンチ2に伝達され、パンチ2からカウンタパンチ4に伝達され、更にカウンタパンチ4からホーン5に伝達される。そして、ホーン3,4により拡大された超音波振動は、パンチ2及びカウンタパンチ4に伝達され、被接合部材1a、1bの接合部で応力分布が最大となる定在波として、接合部に印加される。この際、変位分布は応力分布と逆位相となっている。このような振動モードで、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被接合材1a、1bの重ね継手1を振動させると、重ね継手1の金属板の厚さ方向に時計回り及び半時計回りの渦が交互に生じ、金属材料が撹拌される。これによって、被接合材1a、1bの表面に油分が残っていても、接合強度が強力な接合体が得られる。
上述のごとく、図3(a)に示すように、重ね継手1に超音波振動を付与した状態で、図3(b)に示すように、パンチ2を下降させて、パンチ2とカウンタパンチ4とを協働させて重ね継手1の接合部を下方に押し込み、図3(c)に示すように、所定の位置でパンチ2及びカウンタパンチ4の下降が停止する。このとき、重ね継手1の被接合材1aと被接合材1bとは、パンチ2の作動部分の先端で押しつぶされ、押し込まれた部分の底部において横方向に広がった部分が形成され、相互に係止され、これにより、この押し込まれた部分で、重ね継手1が機械的クリンチにより接合される。
本実施形態においては、被接合材1a,1bの表面に油分が付着していても、被接合材1a、1bの接合面が節となる波形の超音波振動を受け、この接合面で最大応力を受けるので、この接合部で重ね継手1の厚さ方向に時計回り及び反時計回りの渦が生じ、材料が撹拌され、被接合材1a、1bの界面が消失する。このため、接合強度が優れた接合部が得られる。
「ダイの成形用孔の内面の傾斜」
ダイ12に設けられた成形用孔14を規定するダイ12の内面は、図5に示すように、その上部が上方に向かって広がるように傾斜している。この傾斜は、ダイ12の縦断面において、図5に示すように例えば、7°である。このように、ダイ12の成形用孔14を規定する内面の上部を傾斜させておくと、接合後に、パンチ2を重ね継手1から引き抜きやすくなり、生産性の観点から好ましい。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。2枚のアルミニウム合金板(A1050アルミニウム合金、厚さ:0.5mm、幅:25mm、長さ:75mm)を脱脂した後に、動粘度が56mm・s−1の圧延油を十字に組み合わせて中心部を接合した。接合については、図1に示す超音波振動付与装置を使用し、超音波振動子6には日本特殊陶業製D4427PC(共振周波数27kHZ、最大入力700W)を使用した。
ホーンの端面は9μmの振幅で振動した。パンチ2と被接合材1a、1bとカウンタパンチ4とは、共に1つの共振体として振動し、被接合材1a、1bの重ね合わせ面で最大応力振動が得られるように、振動系を構成する各部材の質量及び形状を有限要素法によるコンピュータシミュレーションで、パンチ2等の形状を設計し、寸法を決定した。
なお、パンチ2、カウンタパンチ4、ストリッパ11、ダイ12は、全てロックウエル硬度HRCが58〜61のSKD11鋼材を使用した。
次に、接合部の底部板厚が0.17mmとなる位置までパンチを押し込んで、被接合材を機械的クリンチにより接合した。その後、得られた十字継手を引張り剥離強度試験して、剥離強度を測定した。この剥離強度試験の結果を下記表1に示す。表1において、実施例1乃至7は、超音波振動を印加して接合したものであり、本発明の請求項1の要件を満たすものである。一方、比較例1乃至7は、超音波振動を付与しないで接合したものであり、比較例8は実施例1乃至7と振動の位相が180°異なるようにして超音波振動を付与したものである。また、底部の厚さとは、重ね継手におけるパンチ2により押圧された部分の厚さである。
Figure 2012101260
この表1に示すように、本発明の実施例1乃至7は、いずれも、剥離強度が8.2MPa以上と高く、優れた接合強度を有していた。これに対し、超音波振動を付与せずに、重ね継手をパンチにより押し込んだ比較例1乃至7の場合は、接合強度が低かった。また、超音波振動を付与した比較例8も振動の位相が本発明と異なるため、接合強度は低い値に留まった。
次に、実施例と比較例の接合後の断面形状について説明する。実施例1は被接合材中央部で応力分布が最大になっており、比較例8は実施例と逆の位相(被接合部中央部において応力分布が0)となっている。
図4(a)に示すように、超音波振動を加えなかった比較例1乃至7は、被接合材1aが被接合材1bより抜けてしまう事態が生じ、剥離強度が低下した。これは、上側の被接合材1bと下側の被接合材1aとの間が全く接合していなかったために、抜けが生じたためである。超音波を付加した比較例8は抜けは生じなかったが、同じ底肉厚の比較例1に比較して剥離強度が1.1倍程度であり、構造材に適用できる程度の剥離強度は得られなかった。
これに対して、本発明の実施例1は、図4(b)に示すように、被接合材1bと被接合材1aとの間で接合が生じていたため、両被接合材1a、1bが接合した状態で破断が生じ、所謂ボタン破断が生じていた。このとき、この実施例1は、同じ底肉厚の比較例1に比較して、1.5倍の高い接合強度が得られた。
1:重ね継手
1a、1b:被接合材
2:パンチ
3、5:ホーン
4:カウンタパンチ
6:超音波振動子
11:ストリッパ
12:ダイ
14:成形用孔

Claims (4)

  1. 成形用孔が形成されたダイの上に、金属材からなる複数の被接合材を重ね合わせた重ね継手を載置し、
    前記成形用孔内に挿入したカウンタパンチとその上方のパンチとで前記重ね継手を挟み込み、
    前記パンチ及び前記カウンタパンチを前記重ね継手に、前記重ね継手の全体の厚さの40乃至70%の深さで夫々食い込ませ、
    前記パンチ及びカウンタパンチにその軸方向に超音波振動を付与して、前記重ね継手の接合部において振動応力が最大となるような振動を与えて、前記重ね継手を共振させると共に、前記パンチ及び前記カウンタパンチを同時に下降させて前記重ね継手を前記成形用孔内に押し込むことを特徴とする金属材の接合方法。
  2. 前記パンチ及び前記カウンタパンチを前記重ね継手に、前記重ね継手の全体の厚さの40乃至70%の深さで夫々食い込ませる工程は、前記パンチ及びカウンタパンチを前記重ね継手に対し75MPa以上の圧力で加圧することを特徴とする請求項1に記載の金属材の接合方法。
  3. 前記金属材がアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属材の接合方法。
  4. 前記カウンタパンチ及び前記パンチは、夫々ホーンに締結されない状態で連結されており、前記パンチ用のホーンは、超音波振動子に接続されていて、この超音波振動子の振動により前記パンチに超音波振動を付与して、前記ホーンにより前記重ね継手を共振させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属材の接合方法。
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