JP2012100054A - 発振装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】占有面積が小さいながらも大音量の出力が可能な発振装置を提供する。
【解決手段】発振装置である電気音響変換器100は、複数の圧電振動子110を上下方向に複数段に配置するとともに各段の圧電振動子110を平面形状で重複させて配置する。このため、複数の圧電振動子110の占有面積を削減することができ、小型で高効率なパラメトリックスピーカを実現することができる。
【選択図】図1
【解決手段】発振装置である電気音響変換器100は、複数の圧電振動子110を上下方向に複数段に配置するとともに各段の圧電振動子110を平面形状で重複させて配置する。このため、複数の圧電振動子110の占有面積を削減することができ、小型で高効率なパラメトリックスピーカを実現することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電振動子を利用した発振装置、この発振装置を利用した電子機器、に関する。
現在、電子機器である携帯電話機においては、音楽再生、ハンズフリーなどの音響機能を商品価値とした薄型スタイリッシュ携帯の開発が活発化している。この中、電気音響変換器に対しては、小型・薄型でかつ高音質への要求が高い。また、携帯電話機が情報端末として利用される昨今の状況においては、プライバシー保護の観点から、ユーザのみにしか聴こえないプライベートサウンドへの要望が大きい。
現在、上述のような電気音響変換器として各種の提案がある(特許文献1,2)。
そこで、本発明者は、小型薄型の電気音響変換器で、プライベートサウンドを実現する手段が求められていることを見出した。さらに、本発明者は、これらの要望を解決する手段として、超音波を利用したパラメトリックスピーカを想定した。しかし、携帯電話機への実用化には大きな課題がある。
本発明者が見出した課題は、効率である。複数の圧電振動子が配置される場合、放射面近傍で、音波が干渉するため、キャンセリングなどによりエネルギーロスを起こすことがあった。このため、高効率な超音波用の電気音響変換器に関する画期的な技術が必要である。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、占有面積が小さいながらも大音量の出力が可能な発振装置、このような発振装置を利用した電子機器、を提供するものである。
本発明の発振装置は、圧電素子と弾性部材とを有して空気中の疎密現象により可聴音に復調される変調された超音波を出力する圧電振動子と、複数の圧電振動子を上下方向に複数段に配置するとともに各段の圧電振動子を平面形状で重複させて配置する支持体と、を有する。
本発明の第一の電子機器は、本発明の発振装置と、発振装置に可聴域の音波を出力させる発振駆動部と、を有する。
本発明の第二の電子機器は、本発明の発振装置と、発振装置に超音波を出力させる発振駆動部と、発振装置から発振されて測定対象物で反射した超音波を検知する超音波検知部と、検知された超音波から測定対象物までの距離を算出する測距部と、を有する。
本発明の発振装置は、複数の圧電振動子を上下方向に複数段に配置するとともに各段の圧電振動子を平面形状で重複させて配置する。このため、複数の圧電振動子の占有面積を削減することができ、小型で高効率なパラメトリックスピーカを実現することができる。
本実施の形態の発振装置である電気音響変換器100は、図1に示すように、圧電素子111と弾性部材112とを有して空気中の疎密現象により可聴音に復調される変調された超音波を出力する複数の圧電振動子110と、複数の圧電振動子110を上下方向に複数段に配置するとともに各段の圧電振動子110を平面形状で重複させて配置する支持体120と、を有する。
より具体的には、支持体120は、複数の圧電振動子110を上下二段の千鳥状に配置している。圧電振動子110は、図2に示すように、例えば、圧電素子111、弾性部材112、必須ではない樹脂材料(図示せず)から構成される。圧電素子111、弾性部材112、樹脂材料は、同心円状に配置され、支持体120に接合されている。なお、複数の圧電振動子110の各々には可聴域の音波を出力させる発振駆動部であるドライバ回路130が接続されている。このため、圧電振動子110は、20kHz以上の周波数の超音波を出力する。
音波発生のメカニズムは、圧電素子111への電界の印加により発生する伸縮運動を利用する。また、超音波の周波数は20kHz以上に限定する。圧電素子111は機械品質係数Qが高いため、基本共振近傍にエネルギが集中するため、基本共振周波数では高い音圧レベルを得ることができるが、その他の周波数帯域では、音圧が減衰してしまう。
本構成では、特定周波数に限定した超音波を発振させるため、むしろ、圧電素子111の機械品質係数Qが高いことが特性として優位となる。また、圧電振動子110の基本共振周波数は圧電素子111の形状に影響を受けるため、高い周波数帯域、例えば、超音波帯域に共振周波数を調整する場合、小型化に優位となる。
なお、本構成では、FM(Frequency Modulation)やAM(Amplitude Modulation)変調させた超音波を発振させ、空気の非線形状態(疎密状態)を利用して、変調波を復調させ可聴音を再生する、いわゆるパラメトリックスピーカの原理に基づいて音響再生を行う。本実施の形態の電気音響変換器100では、圧電素子111は、高周波数帯域の発振に限定した構成になるため、小型化が可能となる。
また、支持体120は、複数の圧電振動子110ごとに音孔121が形成されている。そして、複数の音孔121の配列ピッチが圧電振動子110の超音波の波長λの1/2以下である。このように音孔121の配列ピッチを圧電振動子110の超音波の波長λの1/2以下に調整することで、音波の干渉をより抑制することが可能となる。これにより、高効率で、超指向性の音源を実現することができる。
なお、本実施の形態の電気音響変換器100の支持体120は、各々に圧電振動子110が配置される四つのボックス状の凹部が下段に形成されており、その上段に各々に圧電振動子110が配置される二つのボックス状の凹部が形成されている。
本実施の形態の電気音響変換器100は、上述のように複数の圧電振動子110を上下方向に複数段に配置するとともに各段の圧電振動子110を平面形状で重複させて配置する。このため、複数の圧電振動子110の占有面積を削減することができ、小型で高効率なパラメトリックスピーカを実現することができる。しかも、多数の圧電振動子110を密集させて配置することができるので、小型でも位相制御により指向性を調整することができる。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では複数の圧電振動子110を上下方向に二段に配置することを例示したが、三段以上に配置してもよい(図示せず)。
さらに、上記形態では一個の圧電素子111で弾性部材112の上面のみ拘束するユニモルフ構造の電気音響変換器100を例示した。しかし、二個の圧電素子111で弾性部材112の上面と下面とを拘束したバイモルフ構造の発振装置なども実施可能である(図示せず)。
また、上記形態では圧電素子111が一個の圧電層からなることを想定した。しかし、圧電素子が、圧電層と電極層とが交互に積層された積層構造からなってもよい(図示せず)。
さらに、上記形態では支持体120は、各々に圧電振動子110が配置される四つのボックス状の凹部が下段に形成されており、その上段に各々に圧電振動子110が配置される二つのボックス状の凹部が形成されていることを例示した。しかし、上段の凹部の底面を傾斜させることにより、下段の圧電振動子110の超音波を出力させやすくするようなことも可能である(図示せず)。
さらに、上記形態では電気音響変換器100に発振駆動部であるドライバ回路が接続されている電子機器を想定した。しかし、このような電気音響変換器100と、電気音響変換器100に超音波を出力させる発振駆動部と、電気音響変換器100から発振されて測定対象物で反射した超音波を検知する超音波検知部と、検知された超音波から測定対象物までの距離を算出する測距部と、を有するソナーなどの電子機器(図示せず)も実施可能である。
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
100 電気音響変換器
110 圧電振動子
111 圧電素子
112 弾性部材
120 支持体
121 音孔
130 ドライバ回路
110 圧電振動子
111 圧電素子
112 弾性部材
120 支持体
121 音孔
130 ドライバ回路
Claims (6)
- 圧電素子と弾性部材とを有して空気中の疎密現象により可聴音に復調される変調された超音波を出力する複数の圧電振動子と、
複数の前記圧電振動子を上下方向に複数段に配置するとともに各段の前記圧電振動子を平面形状で重複させて配置する支持体と、
を有する発振装置。 - 前記支持体は、複数の前記圧電振動子ごとに音孔が形成されている請求項1に記載の発振装置。
- 前記支持体は、複数の前記音孔の配列ピッチが前記圧電振動子の超音波の波長の1/2以下である請求項2に記載の発振装置。
- 前記圧電振動子は、20kHz以上の周波数の前記超音波を出力する請求項1ないし3の何れか一項に記載の発振装置。
- 請求項1ないし4の何れか一項に記載の発振装置と、
前記発振装置に可聴域の音波を出力させる発振駆動部と、
を有する電子機器。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載の発振装置と、
前記発振装置に前記超音波を出力させる発振駆動部と、
前記発振装置から発振されて測定対象物で反射した前記超音波を検知する超音波検知部と、
検知された前記超音波から前記測定対象物までの距離を算出する測距部と、
を有する電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010245683A JP2012100054A (ja) | 2010-11-01 | 2010-11-01 | 発振装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010245683A JP2012100054A (ja) | 2010-11-01 | 2010-11-01 | 発振装置および電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012100054A true JP2012100054A (ja) | 2012-05-24 |
Family
ID=46391486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010245683A Withdrawn JP2012100054A (ja) | 2010-11-01 | 2010-11-01 | 発振装置および電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012100054A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014128019A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Taiheiyo Cement Corp | 超音波素子およびパラメトリックスピーカ |
-
2010
- 2010-11-01 JP JP2010245683A patent/JP2012100054A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014128019A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Taiheiyo Cement Corp | 超音波素子およびパラメトリックスピーカ |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131009 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20140409 |