JP2012099999A - Vox機能付き無線端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者に入力音声のレベルを変えるなどの処置を強要することなく、一時的な音に対しても簡単な構成で誤動作を軽減することができるようにしたVOX機能付き無線端末を提供する。
【解決手段】第2ホルマントに対応する周波数帯域から消防車における警鐘の周波数帯域を削除した特定周波数帯域を通過する帯域通過フィルタ5を使用し、マイク4からの入力音のうち消防車のモーターサイレン音、警鐘音、救急車のサイレン音をほぼカットして第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の入力信号の有無を検出部6で検出し、この検出部6での検出があったときに、帯域通過型フィルタ5を通過した音声信号のレベルと、基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較し、入力信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にしVOX機能部を作動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、狭帯域デジタル通信方式(ARIBSTD−T61)の全国消防用等で使用されるVOX機能付き無線端末に関する。
特定小電力用無線端末や業務用無線端末では、音声信号が検出されないときにはPTT(Push to Talk)スイッチをOFF状態に保持するが、音声信号が検出されたときにはPTTスイッチをON状態にして送信系を作動するように構成したVOX(Voice Operation Transmission)機能を有している。このようなVOX機能付き無線端末は、その使用者が消火作業や救急作業等を行っているためにPTTスイッチを自分で操作できない場合でも、VOX機能を用いて送信系を作動させることができるので、消防関係や救急関係で非常に有用である。
従来のVOX機能付き無線端末では、VOX機能への入力信号のレベルを検出し、その入力信号のレベルがある基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチをON状態にするように構成していたため、背景雑音のある使用環境では音声以外の背景雑音によって誤動作してしまう。これを防止するために、入力信号から所定周波数帯域の背景雑音成分信号を抽出し、この抽出した背景雑音成分信号に基づいて基準閾値レベルを制御し、例えば背景雑音成分信号のレベルが大きい場合には基準閾値レベルを上げて背景雑音成分信号による誤動作を低減するようにしたものが知られている(特許文献1を参照)。
特開平3−49322号公報
しかしながら、従来のVOX機能付き無線端末では、ほぼ一定の背景雑音が継続的に存在する場合、入力信号から所定周波数帯域の背景雑音成分信号を抽出し、この抽出した背景雑音成分信号に基づいて基準閾値レベルを制御することで対応することができるが、その後の使用では、基準閾値レベルを上げることに伴って使用者が入力する音声のレベルを上げるなどの処置が強要されることになる。また、例えば、消防車や救急車のサイレン音のような一時的に生じる音に対しては誤動作を低減することが難しかった。
そこで本発明の目的は、使用者に入力音声のレベルを変えるなどの処置を強要することなく、一時的な音に対しても簡単な構成で誤動作を軽減することができるようにしたVOX機能付き無線端末を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、入力信号の検出によってPTTスイッチをON状態にするVOX機能部を有するVOX機能付き無線端末において、前記入力信号に、人間の音声の第2ホルマントに対応する周波数帯域から消防車における警鐘の周波数帯域を削除した特定周波数帯域が含まれていることを検出する特定周波数帯検出機能と、この特定周波数帯検出機能による検出があったとき前記PTTスイッチをON状態にするON−OFF機能とを設けたことを特徴とする。
本発明のVOX機能付き無線端末によれば、使用者に音声レベルを変更するなどの処置を強要することなく、一時的な消防車のモーターサイレン音、警鐘音、救急車のサイレン音の各周波数帯域をカットしながら、第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の音声信号を検出することができるので、VOX機能部の誤動作を防止もしくは軽減しながら音声信号を送信することができるようになる。しかも、従来のように基準閾値レベルを制御する時間を要することなく、応答性の良いVOX機能部とすることができる。
本発明の一実施の形態によるVOX機能付き無線端末の要部を示すブロック構成図である。 図1に示した無線端末を使用した無線システムの概略構成図である。 本発明の他の実施の形態によるVOX機能付き無線端末の要部を示すブロック構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施の形態によるVOX機能付き無線端末を使用する無線システムを示す概略構成図である。無線基地局2と無線端末3の間の無線方式はSCPC(Single−Channel Per Carrier)方式で、その通信方法はPTT(Push to Talk)による一斉通信が使用されている。無線端末3は、その入力音声信号を検出したときPTTスイッチをON状態にするVOX機能部を有して構成しているため、無線端末3の使用条件として近傍に消防署1等が存在したりすると、VOX機能部の誤動作の原因となり得る入力信号を受信することがある。この誤動作を防止するために、無線端末3のVOX機能部を次にように構成している。
図1は、無線端末3のVOX機能部の一例を示すブロック構成図である。
マイク4を通しての入力信号は、詳細を後述する特定の周波数帯域、例えば、1300〜2200Hzの周波数帯域を通過させる帯域通過型フィルタ5を通して検出部6に導いている。検出部6では、この特定の周波数帯域の入力信号が存在しない場合にはPTTスイッチ7をOFF状態に保持するが、この特定の周波数帯域の入力信号が存在する場合には、検出部6において入力信号レベルと、基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較し、入力信号レベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にするようにしている。
無線端末3の使用形態では、その使用場所によって継続的に生じている背景雑音や、その使用者の音声以外に、マイク4を通して一時的に検出される音、つまり消防車のモーターサイレン音、消防車の警鐘音、救急車のサイレン音等が入力されることが考えられる。
先ず、無線端末3のマイク4を通して使用者の音声入力があった場合について考慮すると、人の音声には共鳴により強められた周波数が存在し、その周波数のことをホルマントと称して、低い周波数から、第1ホルマント、第2ホルマント……と呼ばれている。第1ホルマントは、240〜約800Hzに存在し、また、第2ホルマントは、男性の場合は1000〜2200Hz、女性の場合は1250〜2800Hz、男女を区別しない場合は1000〜2800Hzに存在する。
一方、マイク4を通して検出されてVOX機能部の誤動作の要因となる他の入力信号について考慮すると、消防車のモーターサイレン音の周波数は、300〜850Hzである。また消防車の警鐘の発振周波数は1180Hz及び3000Hzの複合音である。さらに救急車のサイレンは、低音が770Hz、高音が960Hzの高低2音による繰返し音である。
上述した第1ホルマント(240〜約800Hz)は、消防車のモーターサイレン音の周波数(300〜850Hz)、救急車のサイレン音の低音周波数(770Hz)と同じ帯域になっているので、この第1ホルマントの周波数帯域を利用して、これらサイレン音と人間の声とを区別することができない。しかし、上述した第2ホルマント(1000〜2800Hz)は、消防車のモーターサイレン音の周波数(300〜850Hz)、救急車のサイレン音の低音周波数(770Hz)と異なる周波数帯域となっているので、この帯域では、これらサイレン音と人間の声とを区別することができるものの、消防車における警鐘の一方の発振周波数(1180Hz)は含まれるのでこれを区別することができない。
そこで、上述した帯域通過型フィルタ5としては、第2ホルマント(1000〜2800Hz)に対応する周波数帯域から、消防車における警鐘の周波数帯域を削除した周波数帯域を通過するものを使用している。例えば、1300〜2800Hz、男性による無線端末の使用が多いことを考慮するとより限定的には1300〜2200Hzの周波数帯域を通過させる帯域通過型フィルタ5としている。このような帯域通過型フィルタ5を使用すると、消防車のサイレン音や救急車のサイレン音は勿論、消防車の警鐘を排除して人間の音声信号を検出部6に送ることができる。特に、後者のように1300〜2200Hzの周波数帯域を通過させる帯域通過型フィルタ5とした場合、消防車における警鐘の一方の発振周波数(1180Hz)と、警鐘の他方の発振周波数(3000Hz)とは明確に区分した周波数帯域を通過させることになるので、消防車のサイレン音や救急車のサイレン音は勿論、消防車の警鐘から人間の音声信号を明確に区別して検出部6へと送ることができる。
従って、検出部6は、マイク4からの入力信号のうち消防車のモーターサイレン音、警鐘音、救急車のサイレン音をほぼカットして第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の入力信号のみを受けることになり、この受信によって無線端末3の使用者の音声入力があったことを確実に精度良く検出することができる。この検出によってPTTスイッチ7をON状態にすることもできるが、ここでは、帯域通過型フィルタ5を通過した音声信号のレベルと、基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較し、入力信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にしVOX機能部を作動させるようにしている。
無線端末3の通常の使用形態では、消防車のモーターサイレン音、警鐘音、救急車のサイレン音等の突発的な音以外にも、通常の背景雑音の中に含まれた音声等も存在する。しかし、そのような背景雑音がマイク4からの入力信号に混入しても、無線端末3の使用者による音声と比べて低いレベルである。このため、上述したように検出部6で、帯域通過型フィルタ5を通過した音声信号のレベルを検出し、この音声信号のレベルと、基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較し、音声信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にするようにすることにより、背景雑音による影響を阻止することができる。尚、この背景雑音に対しては、従来のようにその入力信号のレベルに応じて基準閾値レベルを変更しても良い。
上述した説明から分かるように無線端末3の検出部6は、第2ホルマントに対応する周波数帯域から消防車における警鐘の周波数帯域を削除した特定の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタ5からの入力信号の有無によって特定の周波数帯域を検出する周波数帯検出機能と、この周波数帯検出機能によって上述した特定の周波数帯域を抽出したときその入力信号のレベルを検出するレベル検出機能と、このレベル検出機能によって検出した入力信号のレベルと基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較する比較機能と、この比較機能による比較の結果、入力信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にするON−OFF機能とを有して構成している。
このような構成のVOX機能付き無線端末3によれば、帯域通過フィルタ5および検出部6によって、入力信号に、人間の音声の第2ホルマントに対応する周波数帯域から消防車における警鐘の周波数帯域を削除した特定周波数帯域が含まれていることを検出する特定周波数帯検出機能と、この特定周波数帯検出機能による検出があったとき前記PTTスイッチをON状態にするON−OFF機能とを設けたため、消防車のモーターサイレン音、警鐘音、救急車のサイレン音の各周波数帯域をカットしながら、第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の音声信号を検出することができるので、誤動作を防止もしくは低減することができる。しかも、継続的に存在する背景雑音とは異なるこれらの一時的な音に対しては、従来のように基準閾値レベルの変更に伴って使用者の入力音声レベルを変更するなどの処置を強要することもない。
従って、消防車や救急車搭載の無線システムの中で無線端末3を使用する場合でも、無線端末の使用者が防火手袋をしているためにPTTスイッチが押しにくかったり、両手で消火作業や救急作業を行っているためにPTTスイッチが押せないという状況が存在しても、無線端末の使用者の主たる活動を制限することなく、VOX機能部の誤動作を防止もしくは軽減しながら音声信号を送信することができるようになる。また、従来のように入力信号から所定周波数帯域の背景雑音成分信号を抽出し、この抽出した背景雑音成分信号に基づいて基準閾値レベルを制御する方式に比べて、予め、第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の音声信号を検出するため、基準閾値レベルを制御する時間が不要であり、直ちにVOX機能部の誤動作を防止もしくは軽減しながら作動させることができる。
また、上述したVOX機能付き無線端末は、第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の音声信号を検出したとき、その検出した音声信号のレベルを検出するレベル検出機能と、このレベル検出機能によって検出した入力信号のレベルと基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較する比較機能と、この比較機能による比較の結果、入力信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にするON−OFF機能とを有して構成したため、先の効果に加えて、継続的に生じている背景雑音に音声が含まれていても、その背景雑音による誤動作を容易に防止することができる。
さらに、上述したVOX機能付き無線端末における特定周波数帯検出機能は、男性によるこの種の無線端末の使用が多いことを考慮して、第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域として1300〜2200Hzの周波数帯域を検出するものとすることにより、消防車の警鐘の発振周波数1180Hz及び3000Hzを入力音声信号と明確に区別し、VOX機能部の誤動作を防止することができる。
図3は、本発明の他の実施の形態によるVOX機能付き無線端末の要部を示すブロック構成図であり、先の実施の形態において帯域通過フィルタ5および検出部6で構成した各機能を、本実施の形態ではDSP(Digital Signal Processer)によって実現したものである。
マイク4を通しての入力信号はADコンバータ9でデジタル信号に変換した後、DSP10に入力し、このDSP10によってPTTスイッチ7をON−OFF制御するように構成している。このDSP10は、図2に示した実施の形態の場合と同様に、ADコンバータ9からの取り込んだデジタル入力信号に含まれた第2ホルマントに対応する周波数帯域から、消防車における警鐘の周波数帯域を削除した周波数帯域1300〜2800Hz、または使用者を考慮して1300〜2200Hzの周波数帯域を検出する特定周波数帯検出機能と、この特定周波数帯検出機能によって上述した特定の周波数帯域を抽出したときデジタル入力信号のレベルを検出するレベル検出機能と、このレベル検出機能によって検出したデジタル入力信号のレベルと基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較する比較機能と、この比較機能による比較の結果、入力信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にするON−OFF機能とを有して構成している。
このように、マイク4を通しての入力信号はADコンバータ9でデジタル信号に変換した後、DSP10の特定周波数検出機能によって所定の周波数帯域を検出するようにすると、第2ホルマントから消防車の警鐘音における低い方の発振周波数1180Hzを除いた所定の周波数帯域を精度良く容易に検出することができ、全体としての構成も簡略することができる。また、急峻な特性を持つ特定周波数検出機能のフィルタ特性は、アナログ方式よりデジタル方式で実現する方が容易であるから、DSP10による特定周波数検出機能によって望むような急峻な特性を持つフィルタ特性を得ることが可能であれば、第2ホルマントに対応する周波数帯域から消防車における警鐘の周波数帯域を削除した周波数帯域の一方である1300Hzを1200Hzにするなど、1180Hzに近づけることも可能である。
この実施の形態のVOX機能付き無線端末によれば、先の実施の形態の場合と同様に、消防車のモーターサイレン音、警鐘音、救急車のサイレン音の周波数帯域をカットしながら、特定周波数帯検出機能によって第2ホルマントに対応する特定周波数帯域を検出することができので、簡単な構成で誤動作がなく、また応答性の良いVOX機能部を得ることができる。また第2ホルマントに対応する特定の周波数帯域の入力信号を検出したとき、その検出した入力信号のレベルを検出し、この入力信号のレベルと、基準閾値レベル管理部8で予め設定した基準閾値レベルとを比較し、入力信号のレベルが基準閾値レベルを超えたときPTTスイッチ7をON状態にするようにしているため、先の効果に加えて、背景雑音に音声信号が含まれていても、その背景雑音による誤動作を容易に防止することができる。
尚、上述した各実施の形態では、消防車の警鐘音と合致することを避けるために第2ホルマントにおける低い方の周波数を検出していないため、この周波数においては第2ホルマントを検出してVOX機能によりPTTスイッチをON動作させることができない。しかしながら、人の音声は、一音ではなく複数の音のつながり、つまり文として成り立つような言葉となることを考えると、第2ホルマント中の特定周波数のみに偏ることはないので第2ホルマントの一部の周波数を検出できないとしても、何等問題なく第2ホルマントを検出してVOX機能によりPTTスイッチをON動作させることが可能である。
本発明によるVOX機能付き無線端末は、図1および図2に示した構成に限らず、他の構成のものにも適用することができる。
1 消防署
2 無線基地局
3 無線端末
4 マイク
5 帯域通過フィルタ
6 検出部
7 PTTスイッチ
8 基準閾値レベル管理部
9 ADコンバータ
10 DSP

Claims (1)

  1. 入力信号の検出によってPTTスイッチをON状態にするVOX機能部を有するVOX機能付き無線端末において、前記入力信号に、人間の音声の第2ホルマントに対応する周波数帯域から消防車における警鐘の周波数帯域を削除した特定周波数帯域が含まれていることを検出する特定周波数帯検出機能と、この特定周波数帯検出機能による検出があったとき前記PTTスイッチをON状態にするON−OFF機能とを設けたことを特徴とするVOX機能付き無線端末。
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