JP2012099698A - 光半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

光半導体素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光半導体素子及びその製造方法に関し、キャリアの再捕獲、緩和時間を早め、熱的平衡状態を創出してスペクトル幅を狭小化する。
【解決手段】 活性層が量子ドットと前記量子ドットを上下方向で挟む面内全領域に形成される第1の半導体層及び第2の半導体層と、前記量子ドットの周囲に設けられた第3の半導体層とからなる量子ドット構造体を有し、前記量子ドット構造体を構成する第1の半導体層は、前記量子ドットと接する側と反対の面で第4の半導体層と接するとともに、前記量子ドット構造体を構成する第2の半導体層は、前記量子ドットと接する側と反対の面で第5の半導体層と接し、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅は、量子ドットの禁制帯幅と同じか或いは大きく、前記第3の半導体層の禁制帯幅は、前記量子ドット、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅より大きく、前記、第4の半導体層及び前記第5の半導体層の禁制帯幅は、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅より大きくする。
【選択図】 図1

Description

本発明は光半導体素子及びその製造方法に関するものであり、例えば、活性層を構成する量子ドットにおける発光スペクトル幅を狭くするための手段に関するものである。
近年の半導体プロセスの進歩に伴い、ナノスケールの結晶成長技術や微細加工技術が半導体素子の製造に使われるようになっている。このような技術を用いて従来の半導体集積回路の更なる集積度向上を図ることに加えて、量子効果を利用した素子、例えば半導体量子井戸レーザや赤外線検出素子などが開発され実用化している。
半導体量子ドットはキャリアを3次元的に極微細な領域に閉じ込め、エネルギーを完全に量子化したものである。このような量子ドットを活性層に適用した量子ドットレーザでは注入した電子と正孔が効率良く相互作用し、レーザ発振に寄与することから光学利得が効率的に増加し、低しきい値電流発振や微分利得増大による高速変調が可能となる。
また、量子ドットにおいては、エネルギー準位が完全に離散化しているため、熱による影響を受けにくく、レーザ発振特性が温度に影響しないなど従来の半導体バルクや量子井戸レーザにはない優れた特性を示すことが知られている。
このような量子ドットの形成方法としては電子線リソグラフィーによる選択エッチングを利用して選択的に作製する方法やSTM(Scanning Tunnel Microscopy)技術を応用した原子マニピュレーションによる方法などがある。これらの手法は、半導体材料を人為的に加工しているため、量子ドット形成位置を自由に制御できるなどの利点があるが、その一方で、結晶品質が悪く、形成密度も小さいなどの問題もある。
近年、下地層原子と量子ドット原子の格子定数の不整合を利用した自己形成化また自己組織化と呼ばれる結晶成長技術の発見があり、この手法を用いることでサイズが小さく、十分な量子効果が得られる量子ドットが密度良く形成できるようになった。
図9は、従来の自己形成型量子ドットレーザの概念的断面図である。(001)面を主面とするn型GaAs基板51上に分子線エピタキシー (Molecular Beam Epitaxy:MBE)法を用いてn型AlGaAsクラッド層52、GaAs光閉じ込め層53、量子ドット活性層54、GaAs光閉じ込め層60、p型AlGaAsクラッド層61及びp型GaAsコンタクト層62を順次エピタキシャル成長させて基本構造を構成したものである。
この場合、図9(b)に示すように、GaAs光閉じ込め層53上に格子定数の異なるInAsを成長し、二次元的に拡がるInAsウェッティング(Wetting)層56と島状に形成されるInAs量子ドット57で構成する量子ドット層55が形成される。これはStranski−Krastnovモードと呼ばれる成長モードである。活性層内では面内方向にこのような量子ドット層55が3×1010cm−2程度の密度で分布している。
また、量子ドット層55を構成するInAsウェッティング層56とInAs量子ドット57の周りに接するようにInAsウェッティング層56とバンドギャップが異なるキャップ層58が形成されている。そして、キャップ層58上にはGaAs障壁層59を介して量子ドット層55とキャップ層58とが繰り返し形成されて量子ドット活性層54を構成している。
図10は、量子ドット活性層の構成説明図であり、図10(a)は、量子ドット層近傍の伝導帯と価電子帯のバンドダイアグラムであり、図10(b)はウェッティング層近傍の伝導帯側のバンドダイアグラムである。また、図10(c)はキャリアの拡散を示す模式図である。なお、ここでは、図示を簡単にするために、量子ドット層が一層の場合を示している。
図10(a)に示すように、InAs量子ドット57内には量子準位と呼ばれる離散化したエネルギー準位が形成されている。また、図10(b)に示すように、InAsウェッティング層56は、GaAs光閉じ込め層53からのGaとの固相相互拡散により部分的にInGaAsの3元構造になっている。したがって、InAs量子ドット57内の量子準位QE0は、InAsウェッティング層56の伝導帯Ev1よりエネルギー的に低くなっている。
ここで、InAs量子ドット57を覆うキャップ層58はそのバンドギャップがInAsウェッティング層56のバンドギャップと異なり、InAs量子ドット57のバンドギャップより大きい。したがって、InAs量子ドット57内には一つの量子準位QE0、即ち、基底準位QE0しか存在しない。
図10(c)に示すように、n型AlGaAsクラッド層52からGaAs光閉じ込め層53に電子63が注入されると、拡散によりInAs量子ドット57の近傍のInAsウェッティング層56に達し、InAs量子ドット57に捕獲・緩和される。即ち、量子ドット活性層54の近傍に注入されたキャリアは、オージェ過程を経てInAs量子ドットの基底準位QE0に、緩和時間τで緩和する。
この時、InAs量子ドット57内に高次量子準位が存在しないので、離散化した量子準位間に存在するフォノンボトルネックの影響を抑制することが可能となり、エネルギー緩和時間τ=10ps程度の高速緩和を達成することができる。
特開2006−295219号公報
M.Sugawara et al., Physical Rev.Vol.B61, p.7595,2000
上述のように、自己組織化成長技術を利用して量子ドットを形成する場合、ウェッティング層が形成された後、結晶の弾性限界を超える臨界膜厚以上に堆積することで歪みエネルギーが増大し、その結果結晶学的に安定成長ができる方向に量子ドットが成長する。このとき活性層内の量子ドットサイズが統計学的ガウス分布(この分布は不均一幅分布という)を示すことが知られている。
量子ドットにオージェ過程を経て基底準位QE0に捕獲、緩和された伝導帯側の電子63と価電子帯側の量子準位Qh0に捕獲された正孔64は、そこからτの時間で再結合して光を発振する。
その一方で、一旦捕獲されたキャリアは,図10(a)及び図10(c)に示すように、再結合せずに基底準位QE0から放出時間τでInAsウェッティング層56に再放出される。再放出された電子63は、そこから時間τをかけて他のInAs量子ドット57を探し、再びオージェ過程を経て、基底準位に捕獲、緩和するプロセスが存在する。
ここで、ある量子ドットからキャリアが放出され、他の量子ドットに捕獲緩和されるまでの時間τ+τが、キャリアが再結合する時間τよりも長ければ、即ち、(τ+τ)>τであれば、この量子ドットをもつ系は熱的に非平衡な状態となっていることになる。
熱的に非平衡な系においては、個々の量子ドットはその不均一幅分布の中で各エネルギー幅(この分布は均一幅という)を持って独立に発振する。したがって、このような量子ドット活性層を持つ量子ドットファブリペローレーザを作製した場合、図11に示すように、特に、室温以下の低温領域において、スペクトル幅が広くなる傾向にある(例えば、上記の非特許文献1参照)。
このような量子ドットファブリペローレーザを光通信用光源として用いた場合、長距離伝送における分散耐性が良くないため、レーザ発振におけるスペクトル幅を狭くする必要がある。
したがって、本発明は、キャリアの再捕獲、緩和時間を早め、熱的平衡状態を創出してスペクトル幅を狭小化することを目的とする。
開示する一観点からは、活性層が量子ドットと前記量子ドットを上下方向で挟む面内全領域に形成される第1の半導体層及び第2の半導体層と、前記量子ドットの周囲に設けられた第3の半導体層とからなる量子ドット構造体を有し、前記量子ドット構造体を構成する第1の半導体層は、前記量子ドットと接する側と反対の面で第4の半導体層と接するとともに、前記量子ドット構造体を構成する第2の半導体層は、前記量子ドットと接する側と反対の面で第5の半導体層と接し、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅は、量子ドットの禁制帯幅と同じか或いは大きく、前記第3の半導体層の禁制帯幅は、前記量子ドット、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅より大きく、前記第4の半導体層及び前記第5の半導体層の禁制帯幅は、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅より大きいことを特徴とする光半導体素子が提供される。
また、開示する別の観点からは、第4の半導体層上に自己組織化成長技術により第1の半導体層及び量子ドットを形成する工程と、前記第1の半導体層上及び前記量子ドットの周囲に前記量子ドットを完全に埋め込まないように前記第1の半導体層及び前記量子ドットより禁制帯幅の大きな第3の半導体層を形成する工程と、前記第3の半導体層及び前記量子ドットを覆うように前記第3の半導体層より禁制帯幅の小さな第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層上に、第5の半導体層を形成する工程とを少なくとも有することを特徴とする光半導体素子の製造方法が提供される。
開示の光半導体素子及びその製造方法によれば、キャリアの再捕獲、緩和時間を早め、熱的平衡状態を創出してスペクトル幅を狭小化することが可能になる。
本発明の実施の形態の光半導体素子の構成説明図である。 キャリアの拡散を示す模式図である。 量子ドットファブリペローレーザの発振スペクトルである。 本発明の実施例1の光半導体素子の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の光半導体素子の図4以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の光半導体素子の図5以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の光半導体素子の図6以降の製造工程の説明図である。 本発明の実施例2の光半導体素子の概念的斜視図である。 従来の自己形成型量子ドットレーザの概念的断面図である。 量子ドット活性層の構成説明図である。 従来の量子ドットファブリペローレーザの発振スペクトルである。
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態の光半導体素子を説明する。図1は、本発明の実施の形態の光半導体素子の構成説明図であり、図1(a)は概念的断面図であり、図1(b)は量子ドット活性層の概念的拡大図である。
図1(a)に示すように、(001)面を主面とする一導電型半導体基板1上に一導電型クラッド層2、第4の半導体層3、量子ドット活性層10、第6の半導体層4、逆導電型クラッド層5及び逆導電型コンタクト層6を順次堆積したものである。なお、第1導電型がn型である場合には、逆導電型はp型であり、第1導電型がp型である場合には、逆導電型はn型である。
図1(b)に示すように、量子ドット活性層10は、第1の半導体層12と量子ドット13とからなる量子ドット層11と、量子ドット13の周囲を埋め込む第3の半導体層14と、その上に全面に設けられた第2の半導体層15を有している。量子ドット層11を多層に設ける場合には、第2の半導体層15上に第5の半導体層16を介して再び量子ドット層11、第3の半導体層14及び第2の半導体層15を設け、必要とする積層数だけ繰り返す。なお、量子ドット層11が一層のみである場合には、第5の半導体層16と第6の半導体層4とは同じものになる。
この場合、量子ドット層11は、自己組織化成長技術、即ち、Stranski−Krastnovモードで形成されるものであり、第1の半導体層12は二次元的に拡がるウェッティング層である。また、第2の半導体層15は典型的には量子ドット13の成長温度より高温において、真空中で熱処理することによるマストランスポートにより形成したものであり、ウェッティング層と同様に一次元閉じ込め量子井戸層を構成する。なお、第2の半導体層15は通常の成膜工程で形成したものでも良い。
また、第5の半導体層16は、量子ドット層11の自己形成が可能な格子定数を有する半導体からなり、典型的には、第4の半導体層3及び第6の半導体層4と同じ組成の半導体層を用いる。
第1の半導体層12と量子ドット13は、典型的にはInGa1−xAs(0<x≦1)からなるが、第1の半導体層12には第4の半導体層3から構成原子が拡散してきてInAsより禁制帯幅が大きくなる。また、第3の半導体層14は、典型的にはGaAs或いはAlGaAsからなり、量子ドット13を覆うキャップ層として機能する。
図2は、キャリアの拡散を示す模式図である。本発明の実施の形態では、一旦捕獲された基底準位のキャリア17は放出時間τの速さで第1の半導体層12及び第2の半導体層15の両方の薄膜層に再放出される。このとき、放出されたキャリア17が第1の半導体層12及び第2の半導体層15内を動きまわり、他の量子ドットに再捕獲され、基底準位にエネルギー緩和する。
したがって、ウェッティング層が下側だけにある従来例と比べてτ+τが大幅に速くなる。そのため、τ+τ<τとなり、量子ドット間で熱的平衡状態(擬フェルミ状態)になりやすい。
その結果、図3に示すように、不均一幅分布内の中心モードで発振し、特に室温以下の低温領域で量子ドットファブリペローレーザのスペクトル幅が狭くなる。
以上を前提として、次に、図4乃至図9を参照して、本発明の実施例1の光半導体素子を説明する。まず、図4(a)に示すように、(001)面を主面とするn型GaAs基板21上にMBE法を用いて、厚さが、例えば、1mmのn型Al0.4Ga0.6Asクラッド層22、厚さが、例えば、50nmのi型GaAs光閉じ込め層23を形成する。
次いで、図4(b)に示すように、In原子とAs原子を供給し、ウェッティング層24を1原子層乃至2原子層成長したあと、自己形成現象を利用してInAs量子ドット25を成長する。このときIn原料温度は例えば、750℃、Ga原料温度900℃、As原料温度300℃、基板成長温度は500℃である。ここでウェッティング層24の厚さは例えば5nm程度である。一方、InAs量子ドット25の面内方向の大きさは約10nm程度であり、高さは5nm〜10nm程度である。
次いで、図4(c)に示すように、GaAsキャップ層26を基板成長温度500℃で成長する。この時、GaAsキャップ層26はInAs量子ドット25の途中の高さまで、例えば、4nm成長したところで中断する。
次いで、図5(d)に示すように、真空中で、例えば、550℃で5分間フラッシングする。この時、GaAsキャップ層26によって被覆されていないInAs量子ドット25の頂上部のIn原子やAs原子がマストランスポートにより、拡散し、面内方向にInAs薄膜層27が形成される。このInAs薄膜層27の厚さは0.1nm〜0.2nmである。
次いで、図5(e)に示すように、InAs薄膜層27上に厚さが、例えば、50nmのi型GaAs障壁層28を形成する。次いで、図5(f)に示すように、図4(b)乃至図5(d)の工程を繰り返すことによって、ウェッティング層24、InAs量子ドット25、GaAsキャップ層26及びInAs薄膜層27からなる量子ドット構造を形成する。
次いで、図6(g)に示すように、同様な手法を繰り返すことで量子ドットの上下両側に薄膜層をもつ量子ドット構造をi型GaAs障壁層28を介して10層積層することによって、量子ドット活性層29とする。
次いで、図6(h)に示すように、量子ドット活性層29上に、厚さが、例えば、50nmのi型GaAs光閉じ込め層30、厚さが、例えば、2μmのp型Al0.4Ga0.6Asクラッド層31を順次成長させる。最後に、厚さが、例えば、400nmのp型GaAsコンタクト層32を順次成長させる。
次いで、図7(i)に示すように、SiOやSiN、レジストなどをマスクとしてp型GaAsコンタクト層32とp型Al0.4Ga0.6Asクラッド層31の上部をエッチングして幅が例えば、2μmのストライプ状のリッジ33を形成する。このエッチングは塩素などを用いたドライエッチングでもリン酸やアンモニアを使ったウェットエッチングでも良い。
次いで、図7(j)に示すように、リッジ33の表面にSiOやSiNなどの保護膜34を堆積させたのち、例えば、BCB(ベンゾシクロブテン)など低誘電率材料をスピンコートなどにより塗布し、高温度でキュアを行う。次いで、導波路上に形成された過剰なBCB層を酸素等を利用した反応性イオンエッチングなどで除去してリッジ33の側面に低誘電率埋込層35を形成する。
次いで、メサ導波路構造の頭出しを行い、Au/Zn/Au層を蒸着してp側電極36を形成するとともに、n型GaAs基板21の裏面にAuGe/Au層を蒸着してn側電極37を形成することで、本発明の実施例1の光半導体素子が完成する。
本発明の実施例1においては、量子ドットの上下をウェッティング層とそれと等価な層で挟み込んでいるので、キャリアの再捕獲、緩和時間を早め、熱的平衡状態を創出してスペクトル幅を狭小化することが可能になる。
次に、図8を参照して本発明の実施例2の光半導体素子を説明するが、基本的な成膜工程は上記の実施例1と全く同様であるので、最終的な構造斜視図のみを示す。図8は、本発明の実施例2の光半導体素子の概念的斜視図であり、実施例1と同様にウェッティング層24とInAs量子ドット25とInAs薄膜層27を含む量子ドット構造を積層した量子ドット活性層29を形成する。
次いで、その上にi型GaAs光閉じ込め層30、厚さが、例えば、2μmのp型Al0.4Ga0.6As層31と厚さが、例えば、400nmのp型GaAsコンタクト層32が形成される。
次いで、SiOやSiN、レジスト等をマスクとしてp型GaAsコンタクト層32乃至i型GaAs光閉じ込め層23をエッチングして幅が、例えば、2μmのストライプ状のハイメサ構造38を形成する。このエッチングはリン酸、アンモニアなどを用いたウェットエッチングでも良いし、塩素等を利用したドライエッチングでも良い。
次いで、ハイメサ構造38の表面にSiOやSiNなどの保護膜39を堆積させたのち、例えば、BCBなど低誘電率材料をスピンコートなどにより塗布し、ハイメサ構造38の脇のトレンチ箇所を充填する。次いで、高温度でキュアを行なったのち、導波路上に形成された過剰なBCB層を酸素等を利用した反応性イオンエッチングなどで除去してハイメサ構造38の側面に低誘電率埋込層40を形成する。
次いで、メサ導波路構造の頭出しを行い、Au/Zn/Au層を蒸着してp側電極36を形成するとともに、n型GaAs基板21の裏面にAuGe/Au層を蒸着してn側電極37を形成することで、本発明の実施例2の光半導体素子が完成する。
本発明の実施例2においては、導波路構造はハイメサ構造であり、ハイメサ構造の脇のトレンチ箇所には低誘電体材料が充填されているので、強い光閉じ込め効果が得られる。
上述の実施の形態及び各実施例における光半導体素子の構造、材料組成などは、一例に過ぎず、上述した構造、材料組成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することができる。例えば、GaAsキャップ層はAlGaAsやInAlAsでもよく、障壁層はAlGaAsでも構わない。また、InAs量子ドットはInGaAs量子ドットでも構わない。
また、上述の実施の形態及び各実施例では、n型GaAs基板上にGaAs系化合物半導体層を積層した構造として使用しているが、これに限られるものではなく、その他の基板や半導体材料の組み合わせを採用することも可能である。例えば、InP基板にInGaAsP系化合物半導体層やAlGaInAs系化合物半導体層を成長させた量子ドット構造を採用することも可能である。
また、各実施例においては、低誘電率材料としてBCBを用いているが、BCBの他にポリイミド系有機化合物、エポキシ系有機化合物、アクリル系有機化合物や空気などを用いても良い。
1 一導電型半導体基板
2 一導電型クラッド層
3 第4の半導体層
4 第6の半導体層
5 逆導電型クラッド層
6 逆導電型コンタクト層
10 量子ドット活性層
11 量子ドット層
12 第1の半導体層
13 量子ドット
14 第3の半導体層
15 第2の半導体層
16 第5の半導体層
17 キャリア
21 n型GaAs基板
22 n型Al0.4Ga0.6Asクラッド層
23 i型GaAs光閉じ込め層
24 ウェッティング層
25 InAs量子ドット
26 GaAsキャップ層
27 InAs薄膜層
28 i型GaAs障壁層
29 量子ドット活性層
30 i型GaAs光閉じ込め層
31 p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層
32 p型GaAsコンタクト層
33 リッジ
34,39 保護膜
35,40 低誘電率埋込層
36 p側電極
37 n側電極
38 ハイメサ構造
51 n型GaAs基板
52 n型AlGaAsクラッド層
53 GaAs光閉じ込め層
54 量子ドット活性層
55 量子ドット層
56 InAsウェッティング層
57 InAs量子ドット
58 キャップ層
59 GaAs障壁層
60 GaAs光閉じ込め層
61 p型AlGaAsクラッド層
62 p型GaAsコンタクト層
63 電子
64 正孔

Claims (6)

  1. 活性層が量子ドットと前記量子ドットを上下方向で挟む面内全領域に形成される第1の半導体層及び第2の半導体層と、前記量子ドットの周囲に設けられた第3の半導体層とからなる量子ドット構造体を有し、
    前記量子ドット構造体を構成する第1の半導体層は、前記量子ドットと接する側と反対の面で第4の半導体層と接するとともに、前記量子ドット構造体を構成する第2の半導体層は、前記量子ドットと接する側と反対の面で第5の半導体層と接し、
    前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅は、前記量子ドットの禁制帯幅と同じか或いは大きく、
    前記第3の半導体層の禁制帯幅は、前記量子ドット、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅より大きく、
    前記第4の半導体層及び前記第5の半導体層の禁制帯幅は、前記第1の半導体層及び第2の半導体層の禁制帯幅より大きい
    ことを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記量子ドット、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層が、InGa1−xAs(0<x≦1)からなることを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 前記量子ドット内に形成される量子準位が、基底準位のみであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光半導体素子。
  4. 前記第1の半導体層及び第2の半導体層が、一次元閉じ込め量子井戸層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光半導体素子。
  5. 第4の半導体層上に自己組織化成長技術により第1の半導体層及び量子ドットを形成する工程と、
    前記第1の半導体層上及び前記量子ドットの周囲に前記量子ドットを完全に埋め込まないように前記第1の半導体層及び前記量子ドットより禁制帯幅の大きな第3の半導体層を形成する工程と、
    前記第3の半導体層及び前記量子ドットを覆うように前記第3の半導体層より禁制帯幅の小さな第2の半導体層を形成する工程と、
    前記第2の半導体層上に、第5の半導体層を形成する工程と
    を少なくとも有することを特徴とする光半導体素子の製造方法。
  6. 前記第2の半導体層の形成工程が、前記第3の半導体層から露出する前記量子ドットの突出部を真空中で前記量子ドットの形成温度より高温で熱処理することによって、前記量子ドットの突出部を面内拡散する工程であることを特徴とする請求項5に記載の光半導体素子の製造方法。
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