JP2012097915A - 熱交換器の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 その補強部材(5)として、連結部(6)の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部(7a)または平面L字状部(7)を形成し、その両先端部を、連結部(6)側に折り返し且つ重ね合わせて、その折返し端縁を偏平チューブ(1)の半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)とする。そしてその重合部(8)を連結部(6)の平面に直交して断面L字状に曲折して4つまたは2つの挿入部(9)を形成する。それらの各挿入部(9)を、偏平チューブの並列方向の両最外列の偏平チューブ(1)の開口に挿入し、その挿入部をろう付けする。
【選択図】 図1
Description
特に寒冷地等の外気温が一例としてマイナス40度である条件の下で、エンジンを始動すると、そのサーモスタッドバルブが開いて熱交換器のチューブ内に急激に50度〜80度程度の温水が流れ、各チューブ間でおおきな熱歪みが生じる。即ち、エンジン始動時に過渡的におおきな熱歪みが発生する。
また、本発明者の実験によれば、二列型熱交換器においては、その前列の偏平チューブの前側弧状部と、後列の後ろ側弧状部に亀裂が生じることが明らかとなっている。そのため、その部分を集中的に補強することが必要である。また3列以上ではその最前列と最後列の偏平チューブに同様の問題が生じる。
そこで、本発明は係る知見に基づいて創作されたものである。
前記偏平チューブ(1)は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5)を有し、
その補強部材(5)は、その細長い連結部(6)の長手方向の両端部に展開状態で平面L字状部(7)が形成され、そのL字状部(7)の両先端部が、連結部(6)側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1)の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8)を有し、その重合部(8)が前記連結部(6)の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の2つの挿入部(9)を有し、
その補強部材(5)の前記2つの各挿入部(9)は、偏平チューブの並列方向の両最外側列の偏平チューブ(1)の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1)の開口の長軸方向の両端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造である。
前記偏平チューブ(1)は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5)を有し、
その補強部材(5)は、その細長い連結部(6)の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部(7a)がその開口側を外向きに形成され、そのコ字状部(7a)の両先端部が、連結部(6)側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1)の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8)を有し、その重合部(8)が前記連結部(6)の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の4つの挿入部(9)を有し、
その補強部材(5)の前記4つの各挿入部(9)は、前記コアの隅における最前列と最後列のみの隣り合う一対づつの偏平チューブ(1)の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1)の開口の長軸方向の最前端部および最後端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造である。
前記補強部材(5)の各挿入部(7)の先端縁が先細り面(17)に形成された熱交換器の補強構造である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器の補強構造において、
熱交換器コアの平面の中央位置で、その一方のヘッダープレート(4)に2パス用の仕切り(11)が設けられ、その仕切り(11)に隣接した両側の偏平チューブ(1) に前記補強部材(5)がろう付けされた熱交換器の補強構造である。
上記構成において、請求項4に記載のように、2パス用の仕切り11が設けられたものにおいては、それに隣接した両側の偏平チューブ1に補強部材5をろう付けしたので、特に仕切り11近傍の偏平チューブ1に集中する熱応力を効果的に支持し、補強効果の高いものとすることができる。
本発明はエンジン冷却水冷却用の熱交換器であって、一般に自動車用ラジエータと言われているものに関し、特に偏平チューブが二列以上に並列されたものの補強構造に関する。図2はその熱交換器の要部斜視図であり、二列に並列された多数の偏平チューブ1とフィン2とが交互に配置され、各偏平チューブ1の両端が一対のヘッダープレート4(図5参照)に挿通されている。そのヘッダープレート4には予め多数のチューブ挿通孔が穿設され、その孔縁部が内面側にバーリング加工されている。
偏平チューブとフィンの並列方向両端にはサポート材19が配置され、そのサポート材19の両端がヘッダープレート4に固定される。
その補強部材5は、図1(A)に示す如く、細長い連結部6の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部7aがその開口側を外向きに一対形成されている。そして、(B)に示す如く、各コ字状部7aの両先端部が、谷折り線8aで連結部6側に折り返され且つ重ね合わされる。すると、その折返し端縁が板厚wを曲率半径とする断面半円弧状に形成されて、そこに湾曲面5aを形成する。
なお、図1(A)の平面コ字状部7aの谷折り線8aは、連結部6の端縁6aより外側に位置して、湾曲面5aをその端縁6aより外側に配置し、挿入部9を偏平チューブ1の開口の長軸側の縁部に挿入したとき、その湾曲面5aと偏平チューブ1の半円弧状内面1bとの接触状態およびそのろう付け状態を容易に確認できるようにしている。
そして、各挿入部9の横断面は図5に示すごとく、その幅方向の縁の湾曲面5aが偏平チューブ1の長軸側の端部内面の半円弧状内面部1bに整合する。
この例では、樹脂製のタンク本体12の小フランジ部21が図示しないOリングを介して、ヘッダープレート4の環状溝24に嵌着され、かしめ用爪部20をカシメることにより熱交換器を完成する。
なお、上記実施例における各部品の寸法は必要に応じて設計変更することができる。
次に、図6〜図8は本発明の補強構造の他の例であり、これらが前記第1実施例と異なる点は、補強材5のコ字状部7aの折り曲げ方向である。この例では図6に示す如くコ字状部7aが山折り線8bの回りに、図1とは逆向きに曲折されたものである。
また、本説明では、樹脂製のタンク本体とOリングを用いた熱交換器を例にしたものであるが、タンク本体と熱交換器コアを一体ろう付けしたものも同様である。
1a 平面部
1b 半円弧状内面部
2 フィン
3 熱交換器コア
4 ヘッダープレート
5 補強部材
5a 湾曲面
6 連結部
6a 端縁
7 L字状部
7a コ字状部
8a 谷折り線
8b 山折り線
9 挿入部
10 補強溝
11 仕切り
12 タンク本体
13 入口パイプ
14 出口パイプ
19 サポート材
20 かしめ用爪部
21 小フランジ部
22 冷却水
23 側面
24 環状溝
25 ろうフィレット
Claims (4)
- 1列に並列された多数の偏平チューブ(1) とフィン(2) と、各偏平チューブ(1) の両端が挿通され、その挿通部がろう付けされた一対のヘッダープレート(4)とを具備する熱交換器コアの補強構造において、
前記偏平チューブ(1) は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5) を有し、
その補強部材(5) は、その細長い連結部(6) の長手方向の両端部に展開状態で平面L字状部(7) が形成され、そのL字状部(7) の両先端部が、連結部(6) 側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1) の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8) を有し、その重合部(8) が前記連結部(6) の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の2つの挿入部(9) を有し、
その補強部材(5) の前記2つの各挿入部(9) は、偏平チューブの並列方向の両最外側列のみの偏平チューブ(1)の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1) の開口の長軸方向の両端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造。 - 複数列に並列された多数の偏平チューブ(1) とフィン(2) と、各偏平チューブ(1) の両端が挿通され、その挿通部がろう付けされた一対のヘッダープレート(4) とを具備する熱交換器コアの補強構造において、
前記偏平チューブ(1) は、一対の対向する平行な平面部(1a)と、その各平面部(1a)の両縁間を夫々連結する一対の半円弧状内面部(1b)と、を具備し、
前記偏平チューブ(1) の開口の前記対向する平面部(1a)間距離Sの1/2に整合する板厚wの金属板の曲折体からなる補強部材(5) を有し、
その補強部材(5) は、その細長い連結部(6) の長手方向の両端部に展開状態で平面コ字状部(7a)がその開口側を外向きに形成され、そのコ字状部(7a)の両先端部が、連結部(6) 側に折り返され且つ重ね合わされて、その折返し端縁が前記偏平チューブ(1) の前記半円弧状内面部(1b)に整合する湾曲面(5a)となる重合部(8) を有し、その重合部(8) が前記連結部(6) の平面に直交して断面L字状に延在された前記偏平チューブの長軸の半分に満たない幅の4つの挿入部(9) を有し、
その補強部材(5) の前記4つの各挿入部(9) は、前記コアの隅における最前列と最後列のみの隣り合う一対づつの偏平チューブ(1) の開口に挿入されて、その湾曲面(5a)が偏平チューブ(1b)の半円弧状内面部(1b)に接し且つ、各偏平チューブ(1) の開口の長軸方向の最前端部および最後端部のみに嵌着され、その嵌着部がろう付けされてなることを特徴とする熱交換器の補強構造。 - 請求項1または請求項2に記載の熱交換器の補強構造において、
前記補強部材(5) の各挿入部(9) の先端縁が先細り面(17)に形成された熱交換器の補強構造。 - 請求項1〜請求項3に記載のいずれかの熱交換器の補強構造において、
熱交換器コアの平面の中央位置で、その一方のヘッダープレート(4) に2パス用の仕切り(11)が設けられ、その仕切り(11)に隣接した両側の偏平チューブ(1) に前記補強部材(5)がろう付けされた熱交換器の補強構造。
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