JP2012096823A - 液体貯蔵容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器本体2及び蓋3、4を有する液体貯蔵容器であって、容器本体はその内側表面に本体側フッ化処理層2bを有し、蓋はその内側表面に内蓋側フッ化処理層3bを有し、蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、液体貯蔵容器とした。
【選択図】図1
Description
例えば、このような液体として、クロルピクリン又は該クロルピクリンを含有する農薬などを挙げることができる。この薬剤を保管又は輸送する容器として、特許文献1は、金属容器内側をフェノール樹脂を塗布して被覆した容器を開示する。また、特許文献2は、内側から順にガスバリヤ性の高い樹脂へと変化する多層構造を有する容器を開示する。さらに、特許文献3は、高ニトリル樹脂を延伸ブロー成形した容器の口部に高ニトリルフィルムが接する様にヒートシールした容器を開示する。
具体的には、本発明の目的は、バリヤ性及び/又はシール性を向上させ、且つ該バリヤ性及び/又はシール性が繰り返し使用に耐える液体貯蔵容器を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的以外に、又は上記目的に加えて、上記容器の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的以外に、又は上記目的に加えて、上記容器による液体の保管方法及び/又は輸送方法を提供することにある。
<1> 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器。
内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有し、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<3> 上記<2>において、外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有し、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<5> 上記<4>において、内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
a)容器本体の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に本体側フッ化処理層を設ける工程;
b)蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に蓋側フッ化処理層を設ける工程;
を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb)工程を行う、上記方法。
b)工程が、b’)内蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に内蓋側フッ化処理層を設ける工程;であり、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb’)工程を行うのがよい。
<9> 上記<8>において、さらにc)外蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に外蓋側フッ化処理層を設ける工程;を有するのがよい。
b)工程が、b”)外蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に外蓋側フッ化処理層を設ける工程;であり、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb”)工程を行うのがよい。
<11> 上記<10>において、さらにc’)内蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に内蓋側フッ化処理層を設ける工程;を有するのがよい。
容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、液体を入れて蓋をして輸送する、液体の輸送方法。
容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、液体を入れて蓋をして保管する、液体の保管方法。
内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有し、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<16> 上記<15>において、外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有し、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
<18> 上記<17>において、内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有するのがよい。
また、本発明により、上記効果以外に、又は上記効果に加えて、上記容器の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明により、上記効果以外に、又は上記効果に加えて、上記容器による液体の保管方法及び/又は輸送方法を提供することができる。
本願は、容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器を提供する。
以下、個々について説明する。
容器本体の形状は、蓋、特に内蓋及び外蓋が設けられる形状であれば、その形状は問わない。
また、その製法により、容器本体の材質に依存しない本体側フッ化処理層として、フッ化ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、該フッ化ポリマーを含む化合物、フッ素加工ポリエチレンを含む化合物などを容器本体の表面に積層して得られるものを挙げることができる。
容器本体の外側表面のフッ化処理層は、内側表面の本体側フッ化処理層と同じであっても異なってもよく、同じである方が製造コストの点から好ましい。
蓋は、好ましくは内蓋及び外蓋を有するのがよい。これらの内蓋及び外蓋も、容器本体の開口部に蓋をする形状であれば、どのような形状であってもよい。
例えば、図1は、本願の液体貯蔵容器を模式的に示す図であるが、図1(a)に示すように、内蓋は、内蓋3のような形状であっても、他の形状であってもよい。なお、図1(a)及び(b)において、容器本体2と外蓋4とは、相互に螺合するように、それぞれにネジ6及びネジ7が設けられる。また、容器本体2は、上述のように、及び図1(b)に示すように、容器本体の2aの層の内側表面に、本体側フッ化処理層2bを設けてなる。なお、外蓋の内側表面に外蓋側フッ化処理層を有する場合、容器本体は、ネジ6の外側にフッ化処理層を有する(この場合は図示していない)のが、シール性及び/又はバリヤ性を向上させる点で、よい。
なお、後に詳述するが、外蓋も、その内側、即ち内蓋設置側にフッ化処理層を有するのが、シール性及び/又はバリヤ性を向上させる点で好ましい。また、その外側にもフッ化処理層を有するのが、シール性及び/又はバリヤ性を向上させる点でより好ましい。
図1(b)において、内蓋の層3aの内側表面、即ち容器に液体が入り該液体が内蓋と接触し得る表面に、内蓋側フッ化処理層3bが設けられる。
また、その製法により、蓋、内蓋又は外蓋の材質に依存しない蓋側(もしくは内蓋側又は外蓋側)フッ化処理層として、フッ化ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、該フッ化ポリマーを含む化合物、フッ素加工ポリエチレンを含む化合物などを容器本体の表面に積層して得られるものを挙げることができる。
なお、蓋が、上述のように、内蓋及び外蓋を有する場合、内蓋側フッ化処理層表面分析値A’とB(本体側フッ化処理層の表面分析値)の比A’/Bが、0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
また、外蓋が外蓋側フッ化処理層を有する場合、外蓋側フッ化処理層表面分析値A”とB(本体側フッ化処理層の表面分析値)の比A”/Bが、0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満であるのがよい。
本体内側から5mm角切り出し、全反射測定法(Attenuated Total Reflection、ATR法)で測定を行った。また、蓋、特に内蓋又は外蓋については、蓋(もしくは内蓋又は外蓋)の内側中央部分から5mm角切り出し、ATR法で測定を行った。
該製造方法は、
a)容器本体の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に本体側フッ化処理層を設ける工程;
b)蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に蓋側フッ化処理層を設ける工程;
を有し、
蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb)工程を行う。
b’)内蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に内蓋側フッ化処理層を設ける工程;を設けるのがよく、
内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb’)工程を行うのがよい。
b”)外蓋の内側表面をフッ化処理して、該内側表面に外蓋側フッ化処理層を設ける工程;を設けるのがよい、
外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピーク、具体的には1200cm−1辺りでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満、好ましくは0.8を越えて1未満となるように、上記a)工程及び/又はb”)工程を行うのがよい。
なお、本方法は、上記以外の工程を有してもよい。
a)工程及び/又はb)工程(もしくはb’)工程及び/又はb”)工程)におけるフッ化処理は、従来より公知のフッ化処理を行うことができる。例えば、バッチ式処理、インライン式処理等を挙げることができる。
該方法は、液体を上述の液体貯蔵容器に入れ、保管及び/又は輸送する方法である。これにより、例えば催涙性を有する揮発性液体であっても、安全に保管及び/又は輸送することができる。また、本発明の液体貯蔵容器は、バリヤ性及び/又はシール性について、繰り返し使用に耐えることができるため、たとえ一度開封したとしても、安全に保管及び/又は輸送することができる。
フッ化処理専用チャンバ(以下、単に「チャンバ」と略記する)内に、容器本体A1と内蓋C1を静置し、チャンバ内を真空後、窒素とフッ素ガスとの混合ガスを導入し、所定時間、容器本体A1の表面全体及び内蓋C1の表面全体をフッ化処理し、フッ化処理した容器本体A1−F1と内蓋C1−F1を得た。
フッ化処理済み容器本体A1−F1とフッ化処理済み内蓋C1−F1とについて、その表面をFT−IRによりフッ化処理レベルを測定した。
その結果、内蓋C1−F1の表面の1196cm−1での表面分析値は、0.105である一方、容器本体A1−F1の表面の1204cm−1での表面分析値は0.125であった。また、その比は0.84であった。
フッ化処理済み容器本体A1−F1にクロルピクリン500mLを入れ、フッ化処理済み内蓋C1−F1をし、その後、外蓋B1をすることによりシールした。
クロルピクリン透過量は、40℃保存中の累積透過量と日数とのグラフにおいて、連続5点プロットを結んだ際、直線が見られ、その直線の相関係数が0.95以上になった時点で測定を行った。その結果、クロルピクリン透過量は、0.098g/m2/日であった。
実施例1と同じ容器本体A1、外蓋B1及び内蓋C1を準備した。フッ化処理しない容器本体A1にクロルピクリン500mLを入れ、フッ化処理しない内蓋C1をし、その後、外蓋B1をすることによりシールし、実施例1と同様に、クロルピクリン透過量を測定したところ、10.98g/m2/日であった。実施例1と比較例1との結果から、フッ化処理により、クロルピクリン透過量が格段に減ること、即ちバリヤ性及び/又はシール性が格段に向上することがわかった。
内蓋C1−F2の表面の、FT−IRによる1200cm−1での表面分析値は、0.08である一方、容器本体A1−F2の表面の、FT−IRによる1203cm−1での表面分析値は0.125であり、その比は0.64であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、0.147g/m2/日であり、十分に満足する値であった。
内蓋として、ポリエチレン製の内蓋C2を用いた以外、実施例1と同様に、容器本体A1及び内蓋C2をフッ化処理し、フッ化処理済み容器本体A1−F3及び内蓋C2−F3を得た。
内蓋C2−F3の表面の、FT−IRによる1198cm−1での表面分析値は、0.188である一方、容器本体A1−F3の表面の、FT−IRによる1203cm−1での表面分析値は0.125であった。また、その比は1.5であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、4.8g/m2/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては十分な値ではなかった。
実施例1とフッ化処理条件を代えた以外、実施例1と同様に、フッ化処理した容器本体A1−F4と内蓋C1−F4を得た。
内蓋C1−F4の表面の、FT−IRによる1201cm−1での表面分析値は、0.029である一方、容器本体A1−F4の表面の、FT−IRによる1200cm−1での表面分析値は0.073であった。また、その比は0.4であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、6.0g/m2/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては十分な値ではなかった。
特許文献3に開示される内容に基づいて、容器口部にヒートシールを有する容器(以下、「特許文献3の容器」と略記する)を調製した。この特許文献3の容器について、ヒートシールを剥がす前の透過量を、実施例1と同様に測定したところ、0.06g/m2/日であり、十分に満足する値であった。しかし、この特許文献3の容器について、ヒートシールを剥がし保管をした後、透過量を実施例1と同様に測定したところ、5.2g/m2/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては十分な値ではないことが分かった。
一方、実施例1において、内容物であるクロルピクリンを内容量500mLから250mLまで使用した後、再度、蓋を閉め、実施例1と同様に、透過量を測定したところ、0.102g/m2/日であった。この透過量は、液体貯蔵容器としては十分に満足する値であった。また、透過量0.102g/m2/日は、実施例1での値(0.098g/m2/日)からは増えているが、繰り返し使用によっても、本実施例の液体貯蔵容器は、十分なバリヤ性及び/又はシール性を有することがわかる。
実施例1において、内蓋C1の代わりに外蓋B1をフッ化処理した以外、実施例1と同様に、フッ化処理済み容器本体A1−F5及び外蓋B1−F5を得た。なお、内蓋は、上述のように、フッ化処理せず、そのまま用いた。
外蓋B1−F5の表面の、FT−IRによる1205cm−1での表面分析値は、0.119である一方、容器本体A1−F5の表面の、FT−IRによる1202cm−1での表面分析値は0.122であった。また、その比は0.98であった。
また、クロルピクリン透過量を、実施例1と同様に測定したところ、1.04g/m2/日であり、その値は、液体貯蔵容器としては満足する値であった。
Claims (5)
- 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器。 - 前記蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
前記内蓋は、その内側表面に内蓋側フッ化処理層を有し、
前記内蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値A’と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A’/Bが0.6を越えて1未満である請求項1記載の液体貯蔵容器。 - 前記蓋が、内蓋及び外蓋を有し、
前記外蓋は、その内側表面に外蓋側フッ化処理層を有し、
前記外蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値A”と前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A”/Bが0.6を越えて1未満である請求項1又は2記載の液体貯蔵容器。 - 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、
液体を入れて前記蓋をして輸送する、液体の輸送方法。 - 容器本体及び蓋を有する液体貯蔵容器であって、
前記容器本体は、その内側表面に本体側フッ化処理層を有し、
前記蓋は、その内側表面に蓋側フッ化処理層を有し、
前記蓋側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Aと前記本体側フッ化処理層のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による1400cm−1〜900cm−1ベースライン間での最大ピークでの表面分析値Bとの比、A/Bが0.6を越えて1未満である、上記液体貯蔵容器に、
液体を入れて前記蓋をして保管する、液体の保管方法。
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