JP2012096604A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】周方向主溝の両側縁部での接地圧の増加を抑制して氷雪上性能を向上させる。
【解決手段】周方向主溝の少なくとも一方の溝壁は、溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けたくびれ付き溝壁とした。くびれ付き溝壁は、溝底からくびれ部までのびる溝底側の溝壁部と、くびれ部からトレッド踏面まで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部とからなる。くびれ部の溝底からの高さhは、溝深さHの10〜50%の範囲である。前記溝底側の溝壁部は、トレッド踏面に向かって溝巾が減じる向きに傾斜しかつ前記くびれ部に連なる減溝巾傾斜部分を含み、かつ前記減溝巾傾斜部分におけるトレッド踏面の法線に対する角度θsの最大角度θsmax は、前記トレッド踏面側の溝壁部のくびれ部におけるトレッド踏面の法線に対する角度θtより大である。
【選択図】図2
【解決手段】周方向主溝の少なくとも一方の溝壁は、溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けたくびれ付き溝壁とした。くびれ付き溝壁は、溝底からくびれ部までのびる溝底側の溝壁部と、くびれ部からトレッド踏面まで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部とからなる。くびれ部の溝底からの高さhは、溝深さHの10〜50%の範囲である。前記溝底側の溝壁部は、トレッド踏面に向かって溝巾が減じる向きに傾斜しかつ前記くびれ部に連なる減溝巾傾斜部分を含み、かつ前記減溝巾傾斜部分におけるトレッド踏面の法線に対する角度θsの最大角度θsmax は、前記トレッド踏面側の溝壁部のくびれ部におけるトレッド踏面の法線に対する角度θtより大である。
【選択図】図2
Description
本発明は、氷雪上性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
例えば、スタッドレスタイヤでは、氷路面でのグリップ力を確保するため、トレッド面に複数のサイピングを設け、そのエッジによる路面堀り起こし力(エッジ効果という場合がある。)を増大させる以外に、トレッド面と路面との間の粘着摩擦力を高めることが重要である。そしてこの粘着摩擦力を高めるためには、接地面積を増大させて接地圧を相対的に減じる一方、接地分布をできるだけ均一化させることが必要である。
そのため、従来から種々のトレッドパターンが提案されているが、トレッドパターンの改良だけでは、近年の氷雪上性能へのより高い要求に対応することが難しくなって来ている。
このような状況に鑑み本発明者が研究した結果、トレッド部に形成する周方向主溝の両側縁部で、接地圧が不均一に増加する傾向があり、このことが氷上性能に悪影響を及ぼしていることを究明し得た。
詳しくは、図6(A)に示すように、タイヤを加硫成形する際、金型a内でタイヤを膨張させ、前記金型aの内面に突出させた突リブa1を、生タイヤbのトレッド面csに埋入させることにより周方向主溝dが形成される。このとき、突リブa1の埋入により、トレッド部cに配されるベルト層eにも凹状の変形e1が発生する。その結果、このようなタイヤをリム組みして内圧充填した場合、前記ベルト層eの変形e1がフラットに戻る分だけ、トレッド面csでは、周方向主溝dの両側縁部が凸状に変形して接地圧を高めると推測される。又図6(B)に示すように、内圧充填時にトレッド部cが膨張するが、このとき周方向主溝dが開くことも、周方向主溝dの両側縁部の接地圧を高める原因の一つとなっている。
そして、周方向主溝dの少なくとも一方側の溝壁に、溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けるとともに、前記くびれ部に連なる溝底側の溝壁部分の傾斜角度、及びくびれ部に連なるトレッド踏面側の溝壁部分の傾斜角度を特定することにより、前記周方向主溝の両側縁部での接地圧の増加を抑制でき、氷上性能、ひいては氷雪上性能を向上しうることを見出し得た。
なお周方向主溝の溝壁にくびれ部を設けるものとしては、下記の特許文献1がある。
そこで本発明は、周方向主溝の少なくとも一方側の溝壁に、溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けることを基本として、周方向主溝の両側縁部での接地圧の増加を抑制でき、氷上性能、ひいては氷雪上性能を向上させうる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向にのびる周方向主溝を具える空気入りタイヤであって、
前記周方向主溝のうちの少なくとも1本の周方向主溝は、溝長さ方向と直角な溝断面において、溝底からトレッド踏面までのびる両側の溝壁のうちの少なくとも一方側の溝壁を、該溝壁に溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けたくびれ付き溝壁としたくびれ付き周方向主溝からなり、
前記くびれ付き溝壁は、前記溝底からくびれ部までのびる溝底側の溝壁部と、前記くびれ部からトレッド踏面まで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部とからなるとともに、
前記くびれ部の溝底からの高さhは、溝底からトレッド踏面までの溝深さHの10〜50%の範囲であり、
しかも前記溝底側の溝壁部は、トレッド踏面に向かって溝巾が減じる向きに傾斜しかつ前記くびれ部に連なる減溝巾傾斜部分を含み、かつ前記減溝巾傾斜部分におけるトレッド踏面の法線に対する角度θsの最大角度θsmax は、前記トレッド踏面側の溝壁部のくびれ部におけるトレッド踏面の法線に対する角度θtより大であることを特徴としている。
前記周方向主溝のうちの少なくとも1本の周方向主溝は、溝長さ方向と直角な溝断面において、溝底からトレッド踏面までのびる両側の溝壁のうちの少なくとも一方側の溝壁を、該溝壁に溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けたくびれ付き溝壁としたくびれ付き周方向主溝からなり、
前記くびれ付き溝壁は、前記溝底からくびれ部までのびる溝底側の溝壁部と、前記くびれ部からトレッド踏面まで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部とからなるとともに、
前記くびれ部の溝底からの高さhは、溝底からトレッド踏面までの溝深さHの10〜50%の範囲であり、
しかも前記溝底側の溝壁部は、トレッド踏面に向かって溝巾が減じる向きに傾斜しかつ前記くびれ部に連なる減溝巾傾斜部分を含み、かつ前記減溝巾傾斜部分におけるトレッド踏面の法線に対する角度θsの最大角度θsmax は、前記トレッド踏面側の溝壁部のくびれ部におけるトレッド踏面の法線に対する角度θtより大であることを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記トレッド踏面側の溝壁部の前記角度θtは、5〜40°の範囲であることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記トレッド踏面側の溝壁部は、直線状にのび、かつ該トレッド踏面側の溝壁部とトレッド踏面との交差部に、直線状又は曲線状の面取りを設けたことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記減溝巾傾斜部分の角度θsの最大角度θsmax は30〜75°の範囲であることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記溝底側の溝壁部の最大幅点と、トレッド踏面側の溝壁部がトレッド踏面に交わる交差点との間の溝巾方向の距離を0.5〜2.0mmの範囲であることを特徴としている。
又請求項6の発明では、前記溝底側の溝壁部は、曲率半径Rが0.5〜3.5mmの円弧を用いた円弧状曲線で形成されることを特徴としている。
又請求項7の発明では、前記トレッド部は、複数の周方向主溝を含み、かつ車両装着時にタイヤ赤道面よりも車両内側に向く内のトレッド半部分と、車両外側に向く外のトレッド半部分とでトレッドパターンを違えた非対称パターンを具えるとともに、前記複数の周方向主溝のうち、少なくとも前記外のトレッド半部分に配されかつ最もトレッド端側に配される周方向主溝を、前記くびれ付き周方向主溝とするとともに、このくびれ付き周方向主溝の両側の溝壁のうち、少なくともトレッド端側の溝壁を前記くびれ付き溝壁としたことを特徴としている。
又請求項8の発明では、前記くびれ付き周方向主溝は、両側の溝壁を前記くびれ付き溝壁としたことを特徴としている。
本発明は叙上の如く、周方向主溝のうちの少なくとも1本を、くびれ付き溝壁を有するくびれ付き周方向主溝としている。又前記くびれ付き溝壁は、溝壁に溝巾を減じる向きに突出するくびれ部と、溝底からくびれ部までのびる溝底側の溝壁部と、くびれ部からトレッド踏面まで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部とを具える。
そして、前記溝底側の溝壁部のうちでくびれ部に連なりかつトレッド踏面に向かって溝巾が減じる向きに傾斜する減溝巾傾斜部分におけるトレッド踏面法線に対する角度θsの最大角度θsmax を、トレッド踏面側の溝壁部の前記くびれ部におけるトレッド踏面法線に対する角度θtよりも大としている。
これにより、減溝巾傾斜部分が変形しやすくなって、その側縁部での接地圧を低減する機能が発揮される。その結果、接地圧の均一化を図ることができ、氷上性能、ひいては氷雪上性能を向上しうる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤ1が、スタッドレスタイヤである場合のトレッドパターンの一例を示す展開図であって、トレッド部2に、タイヤ周方向にのびる周方向主溝3を具える。本例では、前記周方向主溝3として、タイヤ赤道面Co側に配される一対の内の周方向主溝3cと、そのタイヤ軸方向外側に配される一対の外の周方向主溝3sとの4本のものが配される。又前記内の周方向主溝3c、3c間の領域は、横溝4iによって複数のブロック5iに区分され、又前記内外の周方向主溝3c、3s間の領域は、横溝4mによって複数のブロック5mに区分され、又前記外の周方向主溝3eとトレッド端Teとの間の領域は、横溝4oによって複数のブロック5oに区分されている。即ち本例では、トレッド部2に、5列のブロック列からなるトレッドパターンが形成された場合が例示されている。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤ1が、スタッドレスタイヤである場合のトレッドパターンの一例を示す展開図であって、トレッド部2に、タイヤ周方向にのびる周方向主溝3を具える。本例では、前記周方向主溝3として、タイヤ赤道面Co側に配される一対の内の周方向主溝3cと、そのタイヤ軸方向外側に配される一対の外の周方向主溝3sとの4本のものが配される。又前記内の周方向主溝3c、3c間の領域は、横溝4iによって複数のブロック5iに区分され、又前記内外の周方向主溝3c、3s間の領域は、横溝4mによって複数のブロック5mに区分され、又前記外の周方向主溝3eとトレッド端Teとの間の領域は、横溝4oによって複数のブロック5oに区分されている。即ち本例では、トレッド部2に、5列のブロック列からなるトレッドパターンが形成された場合が例示されている。
又前記トレッドパターンは、本例では、車両装着時にタイヤ赤道面Coよりも車両内側に向く内のトレッド半部分2Aと、車両外側に向く外のトレッド半部分2Bとでパターンが相違する非対称パターンをなしている。具体的には、外のトレッド半部分2Bに配される内外の周方向主溝3c、3sは、内のトレッド半部分2Aに配される内外の周方向主溝3c、3sよりも溝巾Wgが小であり、これにより、外のトレッド半部分2Bのランド比LBを、内のトレッド半部分2Bのランド比LAよりも大に設定している。これによって、内のトレッド半部分2Aの排水性を相対的に高める一方、外のトレッド半部分2Bのトレッド剛性を相対的に高め、タイヤ全体としてウエット性能とドライ路面での操縦安定性(ドライ操縦安定性という場合がある。)との両立を図っている。
なお前記周方向主溝3は、溝巾Wgが5.0mm以上の溝を意味し、又溝巾Wgは、溝長さ方向と直角な溝断面におけるトレッド踏面2Sでの開口巾を意味する。又各ブロック5i、5m、5oには、サイピング6、及び溝巾4.0mm以下の細溝7などを、従来的な手法で適宜形成することができる。
そして本実施形態では、少なくとも1本の周方向主溝3を、くびれ付き周方向主溝10によって形成している。本例では、4本の周方向主溝3c、3sの全てを、くびれ付き周方向主溝10とした場合が示される。
このくびれ付き周方向主溝10は、図2に溝長さ方向と直角な溝断面を示すように、溝底11からトレッド踏面2Sまでのびる両側の溝壁12、13のうちの少なくとも一方側の溝壁、本例では両側の溝壁12、13を、該溝壁12、13に溝巾を減じる向きに例えばV字状に突出するくびれ部14を設けたくびれ付き溝壁15としている。
前記くびれ付き溝壁15は、前記くびれ部14と、前記溝底11からくびれ部14までのびる溝底側の溝壁部16と、前記くびれ部14からトレッド踏面2Sまで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部17とからなる。このとき、前記くびれ部14の溝底11からの高さhは、溝底11からトレッド踏面2Sまでの溝深さHの10〜50%の範囲である。なお前記溝深さHは、特に規制されないが、従来的な周方向主溝の溝深さ、例えば4〜13mmが好適に適用できる。
又前記溝底側の溝壁部16は、トレッド踏面2Sに向かって溝巾が減じる向きに傾斜しかつ前記くびれ部14に連なる減溝巾傾斜部分16Aを含む。ここで前記溝底11は、溝深さが最も深い最深部Pを意味し、本例の如く溝底側が曲線をなす場合は、溝底11(最深部P)は点として表れる。従って、前記溝底側の溝壁部16は、本例の場合、溝底11(最深部P)から溝巾が増加する向きに傾斜して拡幅位置18までのびる増溝巾傾斜部分16Bと、この拡幅位置18からくびれ部14まで溝巾が減じる向きに傾斜してのびる前記減溝巾傾斜部分16Aとから形成される。又前記拡幅位置18は、前記溝底側の溝壁部16の最大幅点Qとなる。
これに対して前記トレッド踏面側の溝壁部17は、溝壁部17全体が、前記くびれ部14からトレッド踏面2Sまで溝巾を増加する向きに傾斜してのび、本例では、溝壁部17が直線状に傾斜する場合が示される。
そして前記くびれ付き溝壁15では、前記減溝巾傾斜部分16Aにおけるトレッド踏面2Sの法線Nに対する角度θsの最大角度θsmax を、前記踏面側の溝壁部17のくびれ部14におけるトレッド踏面2Sの法線Nに対する角度θtよりも大に設定されている。これにより、前記減溝巾傾斜部分16Aが、溝深さ方向に撓みやすくなる。その結果、くびれ付き溝壁15の側縁において増加傾向となる接地圧を、前記減溝巾傾斜部分16Aの撓みによって低減させる(以下、接地圧低減効果という場合がある。)ことができ、接地圧を均一化させることが可能となる。
前記くびれ部14の高さhが溝深さHの10%未満では、前記減溝巾傾斜部分16Aが占める割合が小となるため、それに伴って減溝巾傾斜部分16Aの撓み量自体も少なくなり、接地圧低減効果を充分発揮させることができなくなる。逆に50%を越える場合には、減溝巾傾斜部分16Aの撓み量自体が過大となるなど接地圧低減効果が高過ぎとなる。その結果、何れの場合にも、接地圧の不均一化が充分解消されずに氷上性能の向上が見込めなくなる。なお本例の如く、両側の溝壁12、13をくびれ付き溝壁15とする場合、溝壁12におけるくびれ部14の高さhと、溝壁13におけるくびれ部14の高さhとを相違させることができるが、本例の如く、双方の高さhを互いに等しく設定するのが好ましく、さらには、両側のくびれ付き溝壁15を、左右対称に形成するのがより好ましい。
なお前記減溝巾傾斜部分16Aの角度θsの最大角度θsmax は30〜75°の範囲であることが好ましく、又前記踏面側の溝壁部17の角度θtは、5〜40°の範囲であることが好ましい。前記最大角度θsmax が30°を下回る場合、減溝巾傾斜部分16Aが撓み難くなって、接地圧低減効果が充分に発揮されなくなり、逆に75°を上回る場合には、接地圧低減効果が高過ぎとなり、何れの場合にも、接地圧の不均一化が充分解消されずに氷上性能の向上が見込めなくなる。又前記角度θtが40°を上回ると溝容積が減じて雪上性能の低下を招き、逆に、角度θtが5°を下回ると内圧充填時に周方向主溝3が拡開する度合いが大きくなって側縁部の接地圧がより高まる傾向となり、前記接地圧低減効果が発揮されなくなる。又接地圧低減効果の観点から、前記最大角度θsmax と角度θtとの差(θsmax −θt)は、10〜50°さらには20〜50°とするのが好ましい。
なお減溝巾傾斜部分16Aの前記角度θsは、減溝巾傾斜部分16Aの接線の法線Nに対する角度を意味し、この角度θsは、本例では前記くびれ部14に近づくにつれて漸増している。又減溝巾傾斜部分16Aは、滑らかな曲線で形成されるのが好ましく、特に本例の如く、溝底側の溝壁部16の全体を、曲率半径Rが0.5〜3.5mmの円弧を用いた円弧状曲線で形成するのが、溝壁部16全体を滑らかに撓ます上で好ましい。なお前記円弧を用いた円弧状曲線とは、曲率半径Rの単一円弧、及び曲率半径Rが異なる複数の円弧を組み合わせた複合曲線を意味する。前記曲率半径Rが0.5mm未満の場合、その部位に撓みが集中してクラックの発生原因となり得る。又曲率半径Rが3.5mmを越えると、撓み変形し難くなって、接地圧低減効果を充分発揮できなくなる。
又溝底側の溝壁部16の前記最大幅点Qと、踏面側の溝壁部17がトレッド踏面2Sに交わる交差点Jpとの間の溝巾方向の距離Lは0.5〜2.0mmの範囲であるのが好ましい。前記距離Lが2.0mmを越えると、接地圧低減効果が充分に発揮されなくなり、逆に0.5mmを下回るとくびれ部14が接地面側に寄ることになり、接地圧が逆に高くなってしまうという不利を招く。なお、最大幅点Qは、前記交差点Jpよりも溝巾中心側に位置している。
又前記くびれ付き周方向主溝10の側縁部での接地圧を低減するために、図2に一点鎖線で示すように、前記踏面側の溝壁部17とトレッド踏面2Sとが交わる交差部Jに、直線状又は曲線状の面取り20を形成することができる。係る場合、面取り20が大きすぎると、エッジ効果や接地面積が減少して氷上性能に不利を招く傾向がある。従って、前記交差点Jpからの前記面取り20の巾W20を3.0mm以下に規制するのが好ましい。
前記複数の周方向主溝3のうち、少なくとも前記外のトレッド半部分2Bに配されかつ最もトレッド端Te側に配される外の周方向主溝3sを、前記くびれ付き周方向主溝10とするのが好ましく、その時、このくびれ付き周方向主溝10の両側の溝壁12、13のうちの少なくともトレッド端Te側の溝壁12を前記くびれ付き溝壁15とするのが好ましい。これはタイヤ旋回時、外のトレッド半部分2Bかつトレッド端Te側に、大きな荷重が作用するなど、このトレッド端Te側の領域が、走行性能への影響が最も強いからである。従って、少なくともこのトレッド端Te側の領域に配される周方向主溝3に、くびれ付き周方向主溝10を採用する一方、該くびれ付き周方向主溝10の溝壁12、13のうち少なくともトレッド端Te側の溝壁12に、くびれ付き溝壁15を採用することで、氷上性能の向上効果をより有効に発揮させることができる。
前記、くびれ付き周方向主溝10としては、図3に示すように一方の溝壁のみを、くびれ付き溝壁15とすることもできる。
又本例の如く、両側の溝壁12、13をくびれ付き溝壁15とした場合には、例えば旋回時など大きな荷重が作用した時、図4に示すように、くびれ部14、14間が当接して溝壁12、13同士を支え合わすこともできる。これにより、トレッドゴムに粘着摩擦力の高い軟質のゴムを使用しながら、ブロック5の過度の変形を抑制することができ、ドライ操縦安定性を確保することが可能となる。この場合にも、走行性能への影響が最も強くなる領域に配される周方向主溝3、即ち、少なくとも外のトレッド半部分2Bに配される外の周方向主溝3sに、くびれ付き周方向主溝10を採用するのが好ましい。
又図5に示すように、くびれ付き溝壁15にくびれ部14を横切って溝深さ方向にのびる例えばサイピングなどのスリット21を溝長さ方向に沿って隔設することができる。この場合には、くびれ部14、14同士が当接して支え合うときの安定性が増し、ブロック5の過度の変形の抑制効果を高めることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示すトレッドパターンを基本パターンとした乗用車用のスタッドレスタイヤ(195/65R15)を、表1の仕様にて試作するとともに、各試供タイヤの氷上性能、雪上性能、及びドライ操縦安定性についてテストし、その結果を表1に記載した。周方向主溝の溝断面形状以外、溝巾、溝深さは全て同仕様である。なお従来例は、周方向主溝の溝断面形状が略U字状をなし、かつ溝壁の法線に対する傾斜角度を2°としている。又比較例2、実施例1〜9は、4本の周方向主溝の全てをくびれ付き周方向主溝とし、実施例10は外のトレッド半部分に配される外の周方向主溝のみをくびれ付き周方向主溝とした。又実施例8は、トレッド端側(T端側)の溝壁のみくびれ付き溝壁とした。
(1)氷上性能:
試供タイヤを、リム(6×15JJ)、内圧(200kPa)の基で、乗用車(FR車:2000cc)の四輪に装着し、気温0゜Cの環境下のミラーバーン状の氷盤路において速度40km/hからABS付にて急ブレーキをかけ、車が停車するまでの制動距離の逆数を指数表示している。なお指数は、従来例を100としたものであり、指数値が大なほど、氷上性能が優れている。
試供タイヤを、リム(6×15JJ)、内圧(200kPa)の基で、乗用車(FR車:2000cc)の四輪に装着し、気温0゜Cの環境下のミラーバーン状の氷盤路において速度40km/hからABS付にて急ブレーキをかけ、車が停車するまでの制動距離の逆数を指数表示している。なお指数は、従来例を100としたものであり、指数値が大なほど、氷上性能が優れている。
(2)雪上性能:
前記(1)の車両を用い、気温0゜Cの環境下のシャーベット状の雪質路上で時速40km/hからABS付にて急ブレーキをかけ、車が停車するまでの制動距離の逆数を指数表示している。なお指数は、従来例を100としたものであり、指数値が大なほど、雪上性能が優れている。
前記(1)の車両を用い、気温0゜Cの環境下のシャーベット状の雪質路上で時速40km/hからABS付にて急ブレーキをかけ、車が停車するまでの制動距離の逆数を指数表示している。なお指数は、従来例を100としたものであり、指数値が大なほど、雪上性能が優れている。
(3)ドライ操縦安定性:
前記(1)の車両を用い、乾燥舗装道路のテストコースを走行し、操縦安定性をプロドライバーによる官能評価によって従来例を100とし指数で判定した。指数値が大なほど、ドライ操縦安定性が優れている。
前記(1)の車両を用い、乾燥舗装道路のテストコースを走行し、操縦安定性をプロドライバーによる官能評価によって従来例を100とし指数で判定した。指数値が大なほど、ドライ操縦安定性が優れている。
表の如く、実施例のタイヤは、周方向主溝の側縁部での接地圧の増加を抑制し、氷上性能を向上させうるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2A 内のトレッド半部分
2B 外のトレッド半部分
2S トレッド踏面
3 周方向主溝
10 くびれ付き周方向主溝
11 溝底
12、13 溝壁
14 くびれ部
15 くびれ付き溝壁
16 溝底側の溝壁部
16A 減溝巾傾斜部分
17 トレッド踏面側の溝壁部
20 面取り
J 交差部
Jp 交差点
N 法線
Q 最大幅点
2 トレッド部
2A 内のトレッド半部分
2B 外のトレッド半部分
2S トレッド踏面
3 周方向主溝
10 くびれ付き周方向主溝
11 溝底
12、13 溝壁
14 くびれ部
15 くびれ付き溝壁
16 溝底側の溝壁部
16A 減溝巾傾斜部分
17 トレッド踏面側の溝壁部
20 面取り
J 交差部
Jp 交差点
N 法線
Q 最大幅点
Claims (8)
- トレッド部に、タイヤ周方向にのびる周方向主溝を具える空気入りタイヤであって、
前記周方向主溝のうちの少なくとも1本の周方向主溝は、溝長さ方向と直角な溝断面において、溝底からトレッド踏面までのびる両側の溝壁のうちの少なくとも一方側の溝壁を、該溝壁に溝巾を減じる向きに突出するくびれ部を設けたくびれ付き溝壁としたくびれ付き周方向主溝からなり、
前記くびれ付き溝壁は、前記溝底からくびれ部までのびる溝底側の溝壁部と、前記くびれ部からトレッド踏面まで溝巾を増加する向きに傾斜してのびる増溝巾傾斜のトレッド踏面側の溝壁部とからなるとともに、
前記くびれ部の溝底からの高さhは、溝底からトレッド踏面までの溝深さHの10〜50%の範囲であり、
しかも前記溝底側の溝壁部は、トレッド踏面に向かって溝巾が減じる向きに傾斜しかつ前記くびれ部に連なる減溝巾傾斜部分を含み、かつ前記減溝巾傾斜部分におけるトレッド踏面の法線に対する角度θsの最大角度θsmax は、前記トレッド踏面側の溝壁部のくびれ部におけるトレッド踏面の法線に対する角度θtより大であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記トレッド踏面側の溝壁部の前記角度θtは、5〜40°の範囲であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド踏面側の溝壁部は、直線状にのび、かつ該トレッド踏面側の溝壁部とトレッド踏面との交差部に、直線状又は曲線状の面取りを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- 前記減溝巾傾斜部分の角度θsの最大角度θsmax は30〜75°の範囲であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記溝底側の溝壁部の最大幅点と、トレッド踏面側の溝壁部がトレッド踏面に交わる交差点との間の溝巾方向の距離を0.5〜2.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記溝底側の溝壁部は、曲率半径Rが0.5〜3.5mmの円弧を用いた円弧状曲線で形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド部は、複数の周方向主溝を含み、かつ車両装着時にタイヤ赤道面よりも車両内側に向く内のトレッド半部分と、車両外側に向く外のトレッド半部分とでトレッドパターンを違えた非対称パターンを具えるとともに、前記複数の周方向主溝のうち、少なくとも前記外のトレッド半部分に配されかつ最もトレッド端側に配される周方向主溝を、前記くびれ付き周方向主溝とするとともに、このくびれ付き周方向主溝の両側の溝壁のうち、少なくともトレッド端側の溝壁を前記くびれ付き溝壁としたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記くびれ付き周方向主溝は、両側の溝壁を前記くびれ付き溝壁としたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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2010
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