JP2012095456A - 非接触電力伝送システム、一次側機器及び二次側機器 - Google Patents

非接触電力伝送システム、一次側機器及び二次側機器 Download PDF

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祐樹 牧田
Toshiyuki Hirata
俊之 平田
Masaaki Konofuji
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Abstract

【課題】コイル間の位置合わせ容易化と高電力伝送効率を両立する。
【解決手段】一次側コイル101及び二次側コイル201を用いた電磁誘導により非接触で電力伝送を行うシステムにおいて、一次側機器100a及び二次側機器200aに永久磁石103及び特性磁性体MMを設け、コイル101及び201の結合度合いが最大化されるように永久磁石103及び特性磁性体MM間の磁気吸引力を利用して機器の位置合わせを行う。位置合わせ後、実際に電力伝送を行う際には、電磁石104によって永久磁石103の直流磁界を打ち消し、永久磁石103の直流磁界が電力伝送用の交流磁界に与える影響を抑制する。
【選択図】図5

Description

本発明は、非接触にて電力伝送を行う非接触電力伝送システムに関する。また、非接触電力伝送システムを形成する一次側機器及び二次側機器に関する。
一次側コイル及び二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて電力伝送を行うシステムでは、一次側コイルと二次側コイルを正対させるなどして一次側コイル及び二次側コイルの結合度合いをなるだけ高めることが、電力伝送効率の向上等にとって重要である。
一次側コイル及び二次側コイルの結合度合いを高める方法として幾つかの方法が提案されているが、代表的な方法の1つとして、磁石を利用した方法が挙げられる。例えば、一次側機器及び二次側機器の双方に永久磁石を挿入しておき、永久磁石によって、二次側コイルを一次側コイルの正対する位置に吸引する。
このような永久磁石を利用した位置合わせ方法として、下記特許文献1の方法が開示されている。特許文献1の方法では、図25に示す如く、一対の永久磁石911及び921間の磁気吸引力を利用して一次側コイル912及び二次側コイル922間の位置関係を最適化し、これによって一次側コイル912及び二次側コイル922間の結合度合いを最大化しようとしている。一次側コイル912及び二次側コイル922は、夫々、一次側コア及び二次側コアとしての磁性体913及び923に巻かれている。
特開2008−215028号公報
一次側機器及び二次側機器間の位置合わせを行う際、即ち、一次側コイル及び二次側コイル間の位置関係を所望の位置関係に合わせる際には、上述のような永久磁石は有益に機能する。しかしながら、位置合わせの後、電力伝送を行う際には、永久磁石による直流磁界が電力伝送に悪影響を及ぼすことがある。電力伝送用の交流磁界に永久磁石の直流磁界が重畳される結果、一次側コア又は二次側コアに磁気飽和が発生したり、磁気飽和の発生に至らないまでも一次側コイル又は二次側コイルのインダクタンスが所望の設計値からずれたりするからである。図25に示す構成の場合、例えば、図26の部分931及び932において磁性体913及び923が磁気飽和を起こす可能性が高い。特に、二次側機器の小型化を図ろうとした場合、二次側コアとして比透磁率が高く且つ薄い磁性体が使われることが多いため、その分、磁性体の飽和磁束密度及び断面積も小さくなり、磁気飽和が起こり易くなる。
磁性体が飽和すると、一次側コイル及び二次側コイルのインダクタンスが低下し、電磁誘導による電力伝送量及び電力伝送効率が低下する。加えて、一次側コイル及び二次側コイルがコンデンサと共に共振回路を形成している場合には、インダクタンスの低下によって共振周波数が上昇し、結果として、更なる電力伝送量及び電力伝送効率の低下を招き、安全面においても懸念(例えば、過電流の懸念)が増大する。
そこで本発明は、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせの容易化と高い電力伝送効率との両立に寄与する非接触電力伝送システム並びに非接触電力伝送システムにおける一次側機器及び二次側機器を提供することを目的とする。
本発明に係る非接触電力伝送システムは、一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備え、前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、電力伝送中において前記吸引磁界を抑制する抑制手段を更に備えたことを特徴とする。
この構成によれば、吸引磁界により一次側コイルと二次側コイルとの位置関係が所望の位置関係に導かれ易くなる。即ち、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせが容易となる。一方において、電力伝送中には吸引磁界が抑制されるため、電力伝送に対する吸引磁界の影響が抑制され、結果、高い電力伝送効率を得ることが可能となる(換言すれば、吸引磁界による電力伝送効率の低下を抑制することが可能となる)。
具体的には例えば、前記吸引磁界は、永久磁石によって発生し、前記抑制手段は、前記一次側コイル又は前記一次側コイルと異なる第2のコイルを用いて前記吸引磁界の全部又は一部を打ち消すための打ち消し磁界を電力伝送中に発生させることにより、前記吸引磁界を抑制する。
電力伝送中に打ち消し磁界を発生させることにより吸引磁界を適切に抑制することが可能となる。結果、電力伝送に対する吸引磁界の影響を抑制することが可能となる。
或いは例えば、前記吸引磁界は、永久磁石によって発生し、前記抑制手段は、前記永久磁石を移動又は回転させる磁石駆動部を有し、電力伝送中において前記吸引磁界による前記一次側機器及び二次側機器間の磁気吸引力が減少するように前記磁石駆動部を用いて前記永久磁石を移動又は回転させることで、前記吸引磁界を抑制する。
永久磁石に対する上記の移動又は回転により電力伝送中に吸引磁界を適切に抑制することが可能となる。結果、電力伝送に対する吸引磁界の影響を抑制することが可能となる。
更に或いは例えば、前記吸引磁界は、前記一次側コイル又は前記一次側コイルと異なる第3のコイルに電流を供給することで発生し、前記抑制手段は、電力伝送中において前記電流を抑制することにより又は前記電流の向きを反転させることにより、前記吸引磁界を抑制する。
電力伝送中に吸引磁界発生用の電流を抑制することにより吸引磁界を適切に抑制することが可能となる。結果、電力伝送に対する吸引磁界の影響を抑制することが可能となる。
また例えば、前記打ち消し磁界は、前記一次側コイル又は前記第2のコイルに打ち消し電流を供給することによって発生し、前記抑制手段は、前記一次側コイルへの入力電力に関する第1情報または前記二次側コイルからの出力電力に関する第2情報に基づいて前記打ち消し電流を制御し、前記抑制手段を前記一次側機器に設ける場合には、前記第2情報を前記一次側機器に送信する第1通信部を前記二次側機器に設ける一方で前記第2情報を受信する第2通信部を前記一次側機器に設けることにより前記第2情報を前記抑制手段に伝達し、前記抑制手段を前記二次側機器に設ける場合には、前記第1情報を前記二次側機器に送信する第3通信部を前記一次側機器に設ける一方で前記第1情報を受信する第4通信部を前記二次側機器に設けることにより前記第1情報を前記抑制手段に伝達する。
これにより、実際の入力電力及び出力電力に基づき、電力伝送効率がより高められるように打ち消し電流を制御するといったことが可能となる。
或いは例えば、前記打ち消し磁界は、前記一次側コイル又は前記第2のコイルに打ち消し電流を供給することによって発生し、前記抑制手段は、前記一次側機器及び前記二次側機器間の磁界を測定する磁界測定手段の測定結果に基づいて前記打ち消し電流を制御しても良い。
これにより、永久磁石の個体差などをも加味して打ち消し電流の最適化を図ることができ、打ち消し電流の最適化によって、電力伝送に対する吸引磁界の影響の抑制最適化を図ることも可能となる。
本発明に係る一次側機器は、一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける一次側機器であって、電力伝送中において前記吸引磁界を抑制する抑制手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、吸引磁界により一次側コイルと二次側コイルとの位置関係が所望の位置関係に導かれ易くなる。即ち、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせが容易となる。一方において、電力伝送中には吸引磁界が抑制されるため、電力伝送に対する吸引磁界の影響が抑制され、結果、高い電力伝送効率を得ることが可能となる(換言すれば、吸引磁界による電力伝送効率の低下を抑制することが可能となる)。
本発明に係る二次側機器は、一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける二次側機器であって、電力伝送中において前記吸引磁界を抑制する抑制手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、吸引磁界により一次側コイルと二次側コイルとの位置関係が所望の位置関係に導かれ易くなる。即ち、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせが容易となる。一方において、電力伝送中には吸引磁界が抑制されるため、電力伝送に対する吸引磁界の影響が抑制され、結果、高い電力伝送効率を得ることが可能となる(換言すれば、吸引磁界による電力伝送効率の低下を抑制することが可能となる)。
本発明に係る他の一次側機器は、一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける一次側機器であって、前記吸引磁界発生手段、又は、前記吸引磁界発生手段に対応する磁性体を備え、電力伝送中において前記吸引磁界は抑制されることを特徴とする。
この構成によれば、吸引磁界により一次側コイルと二次側コイルとの位置関係が所望の位置関係に導かれ易くなる。即ち、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせが容易となる。一方において、電力伝送中には吸引磁界が抑制されるため、電力伝送に対する吸引磁界の影響が抑制され、結果、高い電力伝送効率を得ることが可能となる(換言すれば、吸引磁界による電力伝送効率の低下を抑制することが可能となる)。
本発明に係る他の二次側機器は、一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける二次側機器であって、前記吸引磁界発生手段、又は、前記吸引磁界発生手段に対応する磁性体を備え、電力伝送中において前記吸引磁界は抑制されることを特徴とする。
この構成によれば、吸引磁界により一次側コイルと二次側コイルとの位置関係が所望の位置関係に導かれ易くなる。即ち、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせが容易となる。一方において、電力伝送中には吸引磁界が抑制されるため、電力伝送に対する吸引磁界の影響が抑制され、結果、高い電力伝送効率を得ることが可能となる(換言すれば、吸引磁界による電力伝送効率の低下を抑制することが可能となる)。
本発明によれば、一次側機器及び二次側機器間の位置合わせの容易化と高い電力伝送効率との両立に寄与する非接触電力伝送システム並びに非接触電力伝送システムにおける一次側機器及び二次側機器を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係り、互いに離れている一次側機器及び二次側機器の外観斜視図(a)と、一次側機器及び二次側機器に一次側コイル及び二次側コイルが設けられている様子を示す図(b)と、密接配置された一次側機器及び二次側機器の外観斜視図(c)と、非接触電力伝送システムの概略ブロック図(d)である。 本発明の実施形態に係り、準備期間と電力伝送期間との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る一次側機器の上面図及び二次側機器の底面図である。 本発明の第1実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る非接触電力伝送システムの動作フローチャートである。 通信用期間中における図5のスイッチのオンオフ状態と一次側コイルへの入力電流との関係を示す図(a)と、電力伝送期間と通信用期間との関係を示す図(b)と、バイフェーズ方式利用時におけるスイッチのオンオフ状態を示す図(c)である。 本発明の第1実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の変形断面図である。 本発明の第1実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の断面図である。 本発明の第1実施形態に係り、部材の配置例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、部材の配置例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の変形機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の変形断面図である。 本発明の第2実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の変形断面図である。 本発明の第2実施形態に係る非接触電力伝送システムの動作フローチャートである。 本発明の第2実施形態に係り、部材の配置例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、部材の配置例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の機能ブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る非接触電力伝送システムの動作フローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の変形断面図である。 本発明の第3実施形態に係る一次側機器及び二次側機器の変形機能ブロック図である。 従来の非接触電力伝送システムの構成を表す断面図である。 従来の非接触電力伝送システムの構成を表す断面図であって、磁気飽和の発生しやすい部分を図示するための図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。本明細書では、記述の簡略化上、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を付記することによって該記号又は符号に対応する名称を省略又は略記することがある。例えば、一次側コイルを符号101によって表す場合、一次側コイル101をコイル101と表記する場合もある。後に第1〜第3実施形態を説明するが、まず、各実施形態に共通する事項又は各実施形態にて参照される事項について説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る一次側機器100及び二次側機器200の外観斜視図である。一次側機器100及び二次側機器200によって、非接触電力伝送システムが形成される。図1(b)に示す如く、一次側機器100には一次側コイル101が設けられている一方で、二次側機器200には二次側コイル201が設けられている。非接触電力伝送システムでは、一次側コイル101及び二次側コイル201を用いた電磁誘導により非接触にて一次側機器100から二次側機器200への電力の伝送(以下、単に電力伝送ということがある)を成すことができる。
図1(c)に示す如く、一次側機器100と二次側機器200とを適切に接近させることにより、コイル101及び201の結合度合いが増加して電力伝送効率が増加する。コイル101及び201の結合度合いが最大化されるときの、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係を基準位置関係と呼ぶ。コイル101及び201の結合度合いはコイル101及び201の結合係数kCCによって表現され、コイル101及び201の結合度合いが最大化される状態は、コイル101及び201の結合係数kCCが最大化される状態に相当する。一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係が基準位置関係からずれればずれるほど、結合係数kCCは低下してゆき、これに伴って電力伝送効率も低下してゆく。
一次側機器100及び二次側機器200の筐体の外形形状は任意であるが、ここでは、それらの外形形状が略矩形形状であることを想定する。また、説明の具体化のため、一次側機器100が机等の上に設置されており、一次側機器100の筐体の上面における中央部分と二次側機器200の筐体の底面における中央部分とが接触するように一次側機器100上に二次側機器200を設置することで結合係数kCCが最大化されるものとする。勿論、このような、結合係数kCCを最大化するための設置方法は例示であり、様々に変形されうる。図1(d)は、後に参照される。
図2に示す如く、一次側機器100から二次側機器200に対して実際に電力伝送が行われている期間を電力伝送期間と呼び、電力伝送期間前の期間を準備期間と呼ぶ。準備期間では、電力伝送は行われていない。準備期間では、例えば、ユーザが二次側機器の設置作業を行う。二次側機器の設置作業とは、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係が基準位置関係になることを目指して、ユーザが二次側機器200を一次側機器100上に設置する作業を指す。
以下、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係が基準位置関係になっている状態を基準設置状態と呼ぶ。また、以下の説明において、単に一次側機器100に二次側機器200を設置するといった場合、それは、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係が基準位置関係又はそれに類似する位置関係となるよう一次側機器100上に二次側機器200を設置することを意味する。
準備期間の開始タイミングは、例えば、一次側機器100の電源がオンとされるタイミング、非接触電力伝送システムの全体に電力が投入されるタイミング、二次側機器200が一次側機器100に設置されていることが検出されたタイミング、二次側機器200が一次側機器100に接近したことが検出されたタイミング、又は、ユーザによる所定指示が成されたタイミングである。或いは、それらの何れかのタイミング以降において準備期間を開始することができる。二次側機器200が一次側機器100に設置されているか否かの検出は、後述の設置検出によって実現可能である。後述の設置検出と同様の原理にて、二次側機器200が一次側機器100に接近したか否かの検出を行うこともできる。ユーザによる所定指示とは、例えば、非接触電力伝送システムに設けられたスイッチに対する押下操作である。
電力伝送期間の終了タイミングは、二次側機器200に電力需要がないことが通信を介して一次側機器100に伝達されたタイミング、二次側機器200から所定の終了コマンドが通信を介して一次側機器100に伝達されたタイミング、一次側機器100のタイマが計測した電力伝送の実行時間長さが所定値に達したタイミング、二次側機器200が一次側機器100から取り除かれたことが検出されたタイミング、二次側機器200が一次側機器100の近傍に存在していないことが検出されたタイミングである。或いは、それらの何れかのタイミング以降において電力伝送期間を終了することができる。二次側機器200が一次側機器100から取り除かれたか否かの検出、及び、二次側機器200が一次側機器100の近傍に存在しているか否かの検出は、後述の設置検出によって実現可能である。尚、電力伝送期間を終了した後は、再び準備期間に戻るようにしても良いし、非接触電力伝送システムの動作を終了するようにしても良い。
本実施形態に係る非接触電力伝送システムには、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係の最適化を支援する第1機能(即ち、二次側機器の設置作業を支援する機能)と、第1機能が電力伝送に与えうる影響を抑制する第2機能と、が設けられている。
第1機能は、一次側機器100と二次側機器200とを互いに引き合わせる吸引磁界によって実現される。従って、図1(d)に示す如く、本実施形態に係る非接触電力伝送システムに、吸引磁界を発生させるための吸引磁界発生部(吸引磁界発生手段)MG及び吸引磁界発生部MGに対応する特定磁性体MMを設けておくことができる。吸引磁界発生部MGに対応する特定磁性体MMとは、吸引磁界と協働して一次側機器100及び二次側機器200間に磁気吸引力を発生させる磁性体であり、吸引磁界によって特定磁性体MMが吸引磁界発生部MGに引き寄せられる。例えば、一次側機器100及び二次側機器200の何れか一方に吸引磁界発生部MGを設け、他方に特定磁性体MMを設けておくことによって、一次側機器100及び二次側機器200の位置を基準位置関係に近づけることができる(換言すれば、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係を基準位置関係に近づけることができる)。
一次側機器100及び二次側機器200の小型化等を目的として、一次側コイル101又は二次側コイル201の近くに吸引磁界発生部MGを設けられる。このため、一次側コイル101及び二次側コイル201間の磁路と、吸引磁界発生部MG及び特定磁性体MM間の磁路とは交錯しあい、両者の磁路は互いに影響を及ぼしあう。即ち、吸引磁界発生部MGにて吸引磁界を発生させているとき、吸引磁界は一次側コイル101及び二次側コイル201をも通過し、電力伝送用の交流磁界を一次側コイル101にて発生させているとき、その交流磁界は吸引磁界発生部MG及び特定磁性体MMをも通過する。
準備期間中における吸引磁界は、一次側機器100及び二次側機器200間の位置関係の最適化に有益であるが、電力伝送期間中の吸引磁界は電力伝送効率に悪影響を与えうる。電力伝送用の交流磁界に直流の吸引磁界が重畳される結果、一次側コイル101に対応して設けられた一次側コア又は二次側コイル201に対応して設けられた二次側コアに磁気飽和が発生したり、磁気飽和の発生に至らないまでも一次側コイル101又は二次側コイル201のインダクタンスが所望の設計値からずれたりするからである。これを考慮し、図1(d)に示す如く、本実施形態に係る非接触電力伝送システムには、電力伝送期間中において吸引磁界を抑制する抑制部が設けられる。この抑制部により、上記第2機能が実現される。即ち、第1機能が電力伝送に与えうる影響(例えば、吸引磁界による電力伝送効率の低下)が抑制される。
上記の第1及び第2機能を実現する実施形態として、以下、第1〜第3実施形態を説明する。矛盾なき限り、或る実施形態にて説明した事項を他の実施形態に適用することも可能である。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態における一次側機器100及び二次側機器200を、夫々、一次側機器100a及び二次側機器200aと呼ぶ。図3(a)は、一次側機器100aの筐体の上面を取り外したときの、一次側機器100aの上面図である。図3(b)は、二次側機器200aの筐体の底面を取り外したときの、二次側機器200aの底面図である。図4は、基準設置状態における一次側機器100a及び二次側機器200aの断面図である。但し、図4に代表される断面図では、一次側機器100a及び二次側機器200aの構成する部材の一部(電気的部品を実装する基板等)の図示は割愛されている(後述の他の断面図についても同様)。また、断面図における断面は、図3(a)及び(b)の一点鎖線401及び402に沿った断面であって且つZ軸に平行である。尚、図4では、一次側機器100aの筐体の上面110と二次側機器200aの筐体の底面210との間に隙間が存在しているが、その隙間は存在しないこともある(後述の他の実施形態においても同様)。
一次側機器100aには、一次側磁性体102が設けられており、且つ、一次側機器100aの上面110と一次側磁性体102との間に一次側コイル101、永久磁石103及び電磁石104が設けられている。図4の例において、コイル101の内側に電磁石104が配置され且つ電磁石104の内側に永久磁石103が配置されているが、それらの配置関係は図4の例に限定されない。
二次側機器200aには、二次側磁性体202が設けられており、且つ、二次側機器200aの底面210と二次側磁性体202との間に、二次側コイル201及び突出磁性体203が設けられている。図4の例において、コイル201の内側に突出磁性体203が配置されているが、それらの配置関係は図4の例に限定されない。
一次側磁性体102、二次側磁性体202及び突出磁性体203は、板状の磁性材料(例えば、フェライトや鉄)から成る。突出磁性体203は、二次側磁性体202から底面210側に突出するように二次側磁性体202に接合されている。一次側磁性体102、二次側磁性体202及び突出磁性体203を形成する磁性材料は互いに同じであっても良いし、互いに異なっていても良い。また、二次側磁性体202と突出磁性体203は、継ぎ目のない一つの磁性体を形成していても良い。尚、言うまでも無いが、永久磁石103のような任意の永久磁石も磁性体の一種である。
コイル101の中心軸をZ軸と呼ぶ。従って、コイル101はZ軸周りに巻かれている。基準設置状態において、コイル201の中心軸はZ軸と一致し、コイル201はZ軸周りに巻かれることになる。従って、基準設置状態又はそれに類似する状態において、一次側コイル101に交流電流を流せば一次側コイル101にて発生した磁束がZ軸方向に沿って二次側コイル201を鎖交し、二次側コイル201に誘導起電力が生じる。つまり、一次側コイル101及び二次側コイル201を用いた電磁誘導により一次側機器100aから二次側機器200aへ非接触で電力を伝送することができる。
この電力伝送に利用される磁気回路は、主として、一次側コイル101、一次側磁性体102、永久磁石103、二次側コイル201、二次側磁性体202及び突出磁性体203によって形成される。一次側磁性体102は、一次側コイル101のインダクタンスを増大させるための一次側コアとして機能し、二次側磁性体202は、二次側コイル201のインダクタンスを増大させるための二次側コアとして機能する。二次側コアは、二次側磁性体202及び突出磁性体203によって形成されていると考えても良い。
任意の永久磁石に関し、永久磁石のN極及びS極間方向を磁極間方向と呼ぶ。永久磁石103の磁極間方向はZ軸と平行であり、永久磁石103は、一次側機器100aと二次側機器200aとを互いに引き合わせる直流磁界、即ち吸引磁界を発生する。吸引磁界により、二次側磁性体202及び突出磁性体203を永久磁石103側に引き寄せる磁気吸引力が発生する。永久磁石103は一次側機器100a内の所定位置に固定されていると共に二次側磁性体202及び突出磁性体203は二次側機器200a内の所定位置に固定されているため、この磁気吸引力は、一次側機器100aと二次側機器200aとの間の吸引力となる。二次側機器200aには、二次側磁性体202の底面210側に突出磁性体203が設けられているため、準備期間においてユーザが底面210を上面110側に向けて二次側機器200aを一次側機器100a上に置こうとすると、突出磁性体203が永久磁石103に引き寄せられる。
図3(a)、図3(b)及び図4に示す如く、例えば、永久磁石103はZ軸を中心軸とする円筒形状の永久磁石であり、突出磁性体203は、二次側コイル201の中心軸と同じ中心軸を有する円筒形状の磁性体である。従って、準備期間においてユーザが底面210を上面110側に向けて二次側機器200aを一次側機器100a上に置こうとしたとき、永久磁石103による磁気吸引力は、二次側コイル201の中心軸を一次側コイル101の中心軸であるZ軸に一致させる力として機能する、換言すれば一次側機器100a及び二次側機器200a間の位置関係を基準位置関係へと導く力として機能する。結果、ユーザは二次側機器200aの設置状態を基準設置状態に設定しやすくなる。
永久磁石103は常に直流磁界を発生するため、電力伝送期間中においては、永久磁石103からの磁界を抑制する必要がある。ここでは、この抑制を電磁石104により実現する。即ち、電力伝送期間において、電磁石104は、永久磁石103による吸引磁界と反対向きの直流磁界を発生させることができる。図4の例では、電磁石104としてのコイル(第2のコイル)が、Z軸を中心軸として持つようにZ軸周りに巻かれている。電磁石104にて発生される直流磁界を打ち消し磁界と呼ぶ。打ち消し磁界の向きは吸引磁界のそれと異なり、典型的には例えば、打ち消し磁界の向きは吸引磁界のそれと反対とされる。このため、電力伝送期間において電磁石104が打ち消し磁界を発生すると、打ち消し磁界によって吸引磁界の全部又は一部が打ち消され、吸引磁界は抑制される。即ち、電力伝送期間において、打ち消し磁界における磁束と吸引磁界における磁束が全部又は部分的に相殺しあい、結果、吸引磁界が抑制される。吸引磁界の強さ及び打ち消し磁界の強さは一致していても良いし、一致していなくても良い。吸引磁界の強さに応じて打ち消し磁界の強さを決定することができる。
図5に、一次側機器100a及び二次側機器200aの機能ブロック図を示す。図5に示す如く、一次側機器100aには、一次側コイル101、永久磁石103及び電磁石104に加えて、電源部111、交流生成部112、電流供給部113、通信解読部114及び制御部115が設けられている。二次側機器200aには、二次側コイル201に加えて、整流回路211、スイッチ212、抵抗213、負荷214、制御部215及び特定磁性体MMが設けられている。特定磁性体MMは、準備期間において吸引磁界と作用して一次側機器100a及び二次側機器200a間の位置関係を基準位置関係へと導きやすくするための磁性体である。特定磁性体MMは突出磁性体203であると考えることもできるし、二次側磁性体202及び突出磁性体203によって特定磁性体MMが形成されていると考えても良い。
電源部111は、商用交流電圧又は電池等から出力される直流電圧より所定の電圧値を有する直流電圧を生成し、生成した直流電圧を交流生成部112、電流供給部113及び制御部115に送る。電源部111から交流生成部112、電流供給部113及び制御部115に送られる直流電圧は、共通であっても良いし、互いに異なっていても良い。交流生成部112は、電源部111からの直流電圧を交流電圧に変換し、該交流電圧を一次側コイル101に印加することによって一次側コイル101に交流電流を供給する。電流供給部113は、電源部111からの直流電圧に基づく直流電流を電磁石104に供給する。電流供給部113から電磁石104に供給される直流電流を電磁石電流と呼ぶ。電磁石104に電磁石電流を供給することで打ち消し磁界が発生する。
通信解読部114は、一次側コイル101の電流状態等に基づき、二次側機器200aから送られてくる通信情報を解読する。制御部115は、電源部111からの直流電圧を電源電圧として用いて駆動し、必要に応じて通信解読部114の解読結果に基づきつつ、交流生成部112及び電源供給部113を制御する。制御部115は、交流生成部112を制御することによって、一次側コイル101に交流電流を供給するか否かを制御することができると共に、一次側コイル101に印加される交流電圧の振幅及び周波数又は一次側コイル101に供給される交流電流の振幅及び周波数を指定することもできる。制御部115は、電流供給部113を制御することによって、電磁石104に電磁石電流を供給するか否かを制御することができると共に、電磁石電流の大きさを指定することもできる。
一次側コイル101に交流電流を供給することで発生した交流磁界により二次側コイル201に交流電圧が誘起される。二次側コイル201に誘起された交流電圧は整流回路211により整流され、この整流によって得られた直流電圧は、回路216と負荷214の並列回路に供給される。負荷214は、整流回路211からの直流電圧にて駆動する任意の回路であっても良いし、二次電池等の蓄電体であっても良い。回路216は、半導体スイッチ又は機械的スイッチであるスイッチ212と抵抗213との直列回路である。制御部215は、負荷214の駆動状態などを制御すると共に、スイッチ212のオンオフ状態を制御する。スイッチ212がオンのとき、スイッチ212は短絡されて整流回路211からの直流電圧は抵抗213及び負荷214の並列回路に印加される。スイッチ212がオフのとき、スイッチ212は開放されて整流回路211からの直流電圧は負荷214にのみ印加される。スイッチ212の利用方法は後述される。
図6を参照して、第1実施形態に係る非接触電力伝送システムの動作手順を説明する。図6は、このシステムの一次側機器100a側の動作手順を表すフローチャートである。まず、一次側機器100aの電源がオンとされて一次側機器100aが作動開始すると、ステップS11において、一次側機器100aは設置検出機能をオンに設定する。設置検出機能は、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されているか否かを検出する機能である。一次側機器100aに二次側機器200aが設置されているか否かの検出を、単に設置検出とも言う。設置検出を、例えば制御部115に実行させることができる。設置検出機能がオンに設定されているときのみ、設置検出機能は有効となって設置検出が実際に実行される。
設置検出を、公知の方法を含む任意の方法にて実現できる。例えば、一次側コイル101に間欠的に交流電流を流したときの一次側コイル101のインピーダンスを測定することにより、設置検出を成すことができる。一次側コイル101のインピーダンスの測定を、一次側コイル101に流れる電流(以下、一次側入力電流とも言う)の電流値検出によって実現することができる。一次側機器100aに二次側機器200aが設置されておらず一次側コイル101及び二次側コイル201間の距離が十分に大きいときと比べて、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されているときには、一次側入力電流は大きくなる。従って例えば、所定の交流電圧を一次側コイル101に印加したときに一次側入力電流の値を検出し、検出電流値を所定の閾値と比較することで設置検出を成すことができる。設置検出を成すための交流電圧の印加を間欠的に実行することができる。また例えば、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されているか否かを検出するための機械的スイッチ又は専用センサ等を一次側機器100aに設けておくことで、設置検出を実現してしても良い。
設置検出機能をオンに設定した後、ステップS12において、制御部115は新たに二次側機器200aが一次側機器100aに設置されたか否かを設置検出により確認し、二次側機器200aの設置が確認された場合にのみ処理をステップS12からステップS14に進める。その設置が確認されない場合には、ステップS13にて一定時間だけ待機した後、ステップS12の確認を繰り返す。
一次側機器100aの電源がオンとされてからステップS14に至るまで、電磁石104に電磁石電流は供給されていない。ステップS14において、制御部115は、電流供給部113を用いて電磁石電流の供給を開始し、続くステップS15において、交流生成部112による一次側コイル101への交流電流の供給を開始させることにより電力伝送を開始する。図4及び図5の構成例の如く、電磁石104によって打ち消し磁界を発生させる場合、電磁石電流が打ち消し磁界を発生させるための打ち消し電流として機能する。一次側機器100aは、電力伝送に対する吸引磁界の影響が抑制されるように(理想的には完全になくなるように)、永久磁石103による吸引磁界を電磁石104による打ち消し磁界によって相殺する。尚、図5の構成のように一次側機器100aに永久磁石103が設けられている場合には永久磁石103の磁力から電磁石電流の初期値を定めるようにしても良い。図5の構成とは異なるが、仮に一次側機器100aに永久磁石103が設けられていないのであれば上記初期値はゼロでもよい。
ステップS15にて電力伝送を開始した後、ステップS17又はS18からステップS22へと移行するまで、ステップS16〜S21の処理が繰り返し実行される。ステップS11〜S13の処理が実行される期間が準備期間に含まれ、ステップS15にて電力伝送を開始した後、ステップS22にて電力伝送が停止されるまでの期間が電力伝送期間に含まれる(図2参照)。
制御部215は、スイッチ212を用いて、一次側機器100aに対し通信情報を伝達することができる。図7(a)及び(b)を参照して、スイッチ212を用いた通信情報の伝達方法を説明する。通常、スイッチ212はオフに維持されているが、通信情報を伝達するときのみスイッチ212がスイッチングされる(即ち、スイッチ212においてオン及びオフ間の切り替えが成される)。スイッチ212のスイッチングが成される期間を通信用期間と呼ぶ。1又は複数の通信用期間を電力伝送期間中に挿入することができ、典型的には例えば、図7(b)に示す如く一定間隔で通信用期間を電力伝送期間中に挿入することができる。
スイッチ212のオンに論理値「1」を割り当て、スイッチ212のオフに論理値「0」を割り当てることができる。例えば、6ビットの二進数データが通信情報である場合、各通信用期間が第1〜第6単位区間に切り分けられる。そして、二進数データ「101010」を通信情報として一次側機器100aに伝達したい場合、制御部215は、第1、第2、第3、第4、第5及び第6単位区間において、夫々、スイッチ212を、オン、オフ、オン、オフ、オン及びオフとする。図7(a)に示す如く、スイッチ212がオフであるときと比べて、スイッチ212がオンであるとき、一次側コイル101にとっての負荷が重くなり、一次側入力電流が大きくなる。この特性を利用し、通信解読部114は、通信用期間における一次側入力電流の検出電流値から通信情報を解読することができる。今の例の場合、通信解読部114は、解読によって通信情報が二進数データ「101010」である認識とする。認識された通信情報は制御部115に伝達される。制御部115は、通信情報に応じて様々な処理を実行することができる(詳細は後述)。尚、スイッチ212のオン及びオフと論理値との関係を上述したそれの逆にすることもできるし、通信情報のビット数は6ビット以外であっても良い。
また、図7(a)に示す方式に代えて、図7(c)に示すようなバイフェーズ方式にて通信情報を伝達しても良い。バイフェーズ方式においても、図7(a)に示す方式と同様、各通信用期間が複数の単位区間に切り分けられ、各単位区間に「1」又は「0」の論理値が割り当てられる。但し、バイフェーズ方式では、単位区間中にスイッチ212がオンからオフ又はオフからオンへ切り替えられたときに当該単位区間に「1」の二進数データが割り当てられ、単位区間中にスイッチ212がオンからオフ又はオフからオンへ切り替えられないときには当該単位区間に「0」の二進数データが割り当てられる。
図6を参照した説明に戻る。ステップS16では、通信解読部114による通信情報の解読が成される。例えば、電力伝送中において通信解読部114が一次側入力電流の状態を監視し、一次側入力電流に一定以上の変化が検知された場合に、通信情報の解読を行う。解読の結果、一次側入力電流の変化パターンが一次側機器100a及び二次側機器200aにおいて定められた通信規格に則ったものであれば、ステップS16の解読に続いてステップS17以降の処理を実行する。ステップS17において、制御部115は、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されているか否かの確認を行う。例えば、一定時間、二次側機器200aから一次側機器100aに対して通信情報が送られてきていない場合、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されていないと判断することができる。また例えば、上述の設置検出によって一次側機器100aに二次側機器200aが設置されているのかを判断するようにしても良い。ステップS17において、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されていると判断された場合にはステップS17からステップS18に進むが、一次側機器100aに二次側機器200aが設置されていないと判断された場合にはステップS17からステップS22に移行する。
ステップS18において、制御部115は、二次側機器200aに電力需要が存在しているのか否かを確認する。二次側機器200aに電力需要がある否かを表す電力需要情報を通信情報に含めることができる。二次側機器200aに電力需要があることが電力需要情報によって示されている場合、ステップS18からステップS19に進んで電力伝送が継続されるが、二次側機器200aに電力需要がないことが電力需要情報によって示されている場合、ステップS18からステップS22に移行して電力伝送が停止される。
ステップS19において、制御部115は、電磁石電流の調整を行う、即ち打ち消し電流の調整を行う。
打ち消し電流の調整を、例えば、入力電力情報及び出力電力情報に基づいて行うことができる。入力電力情報は、電力伝送のために一次側コイル101に供給される入力電力PINの検出値を表す情報又は入力電力PINの算出元となる情報(例えば、一次側コイル101への入力電流値及び印加電圧値)である。出力電力情報は、電力伝送によって二次側コイル201から得られる出力電力POUTの検出値を表す情報又は出力電力POUTの算出元となる情報(例えば、二次側コイル201の出力電流値及び出力電圧値)である。一次側コイル101の入力電力PINを検出する入力電力検出部(不図示)を一次側機器100aに設けておくことができると共に、二次側コイル201の出力電力POUTを検出する出力電力検出部(不図示)を二次側機器200aに設けておくことができる。二次側機器200aは、出力電力情報を通信情報に含めておくことができる。制御部115は、入力電力情報及び出力電力情報に基づき、“PE=POUT/PIN”によって表現される電力伝送効率PEを算出することができる。制御部115は、打ち消し電流の大きさを様々に変化させながら、逐次、電力伝送効率PEを算出し、電力伝送効率PEを最大化させる打ち消し電流の大きさを探索する。そして、実際の打ち消し電流の大きさが電力伝送効率PEを最大化させる大きさとなるように、打ち消し電流を調整することができる。これにより、永久磁石103の個体差や一次側機器100a及び二次側機器200a間の位置関係の基準位置関係からのずれ等を考慮した高精度の磁束相殺が可能となる。
また例えば、図8に示す如く、一次側機器100a及び二次側機器200a間の直流磁界を測定する磁界測定素子105を一次側機器100aに設けておき、磁界測定素子105の測定結果に基づいて打ち消し電流の調整を行うようにしても良い。磁界測定素子105は、具体的には例えば、吸引磁界と打ち消し磁界との合成磁界を測定するホール素子である。磁界測定素子105を、例えば一次側機器100aの筐体の上面110上又は上面110内に配置しておくことができる。但し、二次側機器200a側に磁界測定素子105を設置しておくことも可能である。制御部115は、磁界測定素子105による磁界の測定値が、電力伝送に対する吸引磁界の影響を抑制するのに適した所定値(理想的には該影響を完全になくならせるための所定値)となるように、打ち消し電流を調整することができる。これにより、永久磁石103の個体差等を考慮した高精度の磁束相殺が可能となる。
尚、打ち消し電流の大きさを、予め定めた一定値にて固定するようにしても良い。この場合、ステップS19における調整処理は割愛される。
ステップS19に続くステップS20において、制御部115は、伝送電力制御を行う。具体的には例えば、一次側コイル101に印加される交流電圧の振幅及び周波数又は一次側コイル101に供給される交流電流の振幅及び周波数を、通信情報に含まれる伝送電力情報に基づいて調整することができる。この調整によって、一次側機器100aから二次側機器200aに伝送される電力量を制御することができる。二次側機器200aは、一次側コイル101に印加される交流電圧の振幅及び周波数又は一次側コイル101に供給される交流電流の振幅及び周波数を指定する情報を、伝送電力情報として通信情報に含めておくことができる。
尚、一次側コイル101に印加される交流電圧の振幅及び周波数又は一次側コイル101に供給される交流電流の振幅及び周波数を、予め定められた一定振幅及び一定周波数にて固定するようにしても良い。この場合、ステップS20における伝送電力制御は割愛される。
ステップS20における伝送電力制御の後、ステップS21において、一次側機器100aは新たな通信情報が二次側機器200aから伝達されることを待機する。そして、新たな通信情報が二次側機器200aから伝達されると、ステップS16に戻ってステップS16以降の処理が繰り返し実行される。
ステップS17又はS18から移行しうるステップS22では、電力伝送が停止される。即ち、一次側コイル101に対する交流電流の供給が停止される。ステップS22における電力伝送の停止に続き、ステップS23にて打ち消し電流としての電磁石電流の供給も停止され、その後、ステップS12に戻る。尚、ステップS15にて電力伝送を開始した後、一定時間が経過したら無条件に電力伝送を停止するようにしても良い。
本実施形態によれば、準備期間において永久磁石103及び特定磁性体MM間の磁気吸引力によりユーザは二次側機器200aの設置状態を基準設置状態に設定しやすくなる。この際、仮に電磁石104が存在しなかったならば、電力伝送中において電力伝送用の交流磁界に永久磁石103による直流磁界(吸引磁界)が重畳されて一次側コア又は二次側コアの飽和等が起こり、電力伝送に影響を与えるおそれがある。そこで本実施形態では、電力伝送中において、磁気吸引力を発生させるための吸引磁界を打ち消し磁界によって打ち消し、吸引磁界が電力伝送に与える影響を抑制する。結果、永久磁石103の存在に関わらず高効率の電力伝送を実現できる。
ところで例えば、図9に示す如く、二次側磁性体202の底面210の反対側(図9の上方側)には、反磁性体が二次側磁性体202に密着又は近接して配置されることもある。反磁性体は、例えば二次側機器200a内に設置された電池の筐体部材であり、二次側機器200aの小型化を図ろうとすると、このような反磁性体を二次側磁性体202に密着又は近接して配置する必要性が高くなる。上記の如く反磁性体が配置されると、二次側磁性体202に入射した永久磁石103等からの磁束(図9の矢印付き線411及び412に対応)は反磁性体の存在する方向へ抜けることができない。この場合において仮に、電力伝送中に打ち消し磁界を発生させなかったならば、電力伝送用の交流磁界と永久磁石103の直流磁界による磁束が二次側磁性体202内に集中し、二次側磁性体202が飽和し易くなる。このような事情をも勘案すると、打ち消し磁界の有益性が極めて高いことが理解される。
図3(a)等を参照しつつ上述した一次側機器100a及び二次側機器200aの構成及び動作は、本発明の実施の形態の一例に過ぎず、それらを様々に変形できることは言うまでもない。
例えば、図4の例では、一次側コイル101、二次側コイル201及び電磁石104が同心円状に配置されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、一次側コイル101の中心軸を上面110と平行にすると共に二次側コイル201の中心軸を底面210と平行にすることも可能である。
また、スイッチ212を用いることなく一次側機器100a及び二次側機器200a間の通信を行う通信部(不図示)を一次側機器100a及び二次側機器200aに設け、これによって通信情報の伝送を行うようにしても良い。
また、二次側機器200aの負荷214が整流を必要としない負荷である場合には、二次側機器200aから整流回路211を割愛し、二次側コイル201からの交流電力を交流のまま負荷214に供給することも可能である。
また、図4及び図5の構成例では、図10(a)に示す如く、吸引磁界を発生させるための永久磁石103が一次側機器100aに設けられている一方で該吸引磁界と協働して一次側機器100a及び二次側機器200a間に磁気吸引力を発生させる特定磁性体MMが二次側機器200aに設けられているが、これとは逆に、図10(b)に示す如く、永久磁石103を二次側機器200aに設ける一方で特定磁性体MMを一次側機器100aに設けるようにしても良い。図10(a)及び(b)に示す例の場合、永久磁石103が吸引磁界発生部MG(図1(d)参照)として機能する。
或いは、図10(c)に示す如く、永久磁石103を一次側機器100aに設けておく一方で永久磁石103’を二次側機器200aに設けておくようにしても良い。この場合、一次側機器100a及び二次側機器200a間の位置関係を基準位置関係へと導く磁気吸引力(一次側機器100aと二次側機器200aを互いに引き合わせる磁気吸引力)が永久磁石103及び103’によって発生するように、永久磁石103’の位置及び磁極方向を設定しておく。つまり例えば、永久磁石103’の磁極間方向が二次側コイル201の中心軸方向と一致するように二次側コイル201の中心軸上に永久磁石103’を配置すると共に、永久磁石103’の底面210側の極を、永久磁石103の上面110側の極と反対にする。図10(c)に示す例の場合、永久磁石103又は103’が吸引磁界発生部MG(図1(d)参照)であると捉えることもできるし、永久磁石103及び103’の夫々が吸引磁界発生部MGの構成要素であると捉えることもできる。
本実施形態において、電磁石104は、電力伝送中に吸引磁界を抑制する抑制部(抑制手段)の構成要素である。この抑制部は、打ち消し電流を制御する部位(例えば電流供給部113及び制御部115)を他の構成要素として更に含んでいると考えても構わない。図4及び図5の構成例では、図11(a)に示す如く、電磁石104を含む抑制部が一次側機器100aに設けられているが、図11(b)に示す如く、電磁石104を含む抑制部を一次側機器100aではなく二次側機器200aに設けるようにしても良い。
図11(a)に示す構成を採用する場合、二次側機器200aから一次側機器100aに対して出力電力情報を含む通信情報を伝達することができ、一次側機器100a内の抑制部は、二次側機器200aから伝達された出力電力情報と一次側機器100a内で求められた入力電力情報とに基づいて打ち消し電流の調整を行うことができる。図11(a)に示す構成を採用する場合、出力電力情報を含む通信情報を一次側機器100aに送信する第1通信部が二次側機器200aに設けられると共に、出力電力情報を含む通信情報を受信する第2通信部が一次側機器100aに設けられることとなる。図5の構成例においては、回路216又は回路216と制御部215の組み合わせが第1通信部に相当し、通信解読部114又は一次側コイル101と通信解読部114の組み合わせが第2通信部に相当する。第1通信部は、一次側機器100aからの任意の通信情報を受信することをも可能な送受信部であっても良い。同様に、第2通信部は、二次側機器200aに対して任意の通信情報の送信をも行うことのできる送受信部であっても良い。
図11(b)に示す構成を採用する場合、一次側機器100aから二次側機器200aに対して入力電力情報を含む通信情報を伝達することができ、二次側機器200a内の抑制部は、一次側機器100aから伝達された入力電力情報と二次側機器200a内で求められた出力電力情報とに基づいて打ち消し電流の調整を行うことができる。図11(b)に示す構成を採用する場合、入力電力情報を含む通信情報を二次側機器200aに送信する第3通信部が一次側機器100aに設けられると共に、入力電力情報を含む通信情報を受信する第4通信部が二次側機器200aに設けられることとなる。第3通信部は、二次側機器200aからの任意の通信情報を受信することをも可能な送受信部であっても良い。同様に、第4通信部は、一次側機器100aに対して任意の通信情報の送信をも行うことのできる送受信部であっても良い。
第1通信部及び第2通信部を用いて又は第3通信部及び第4通信部を用いて一次側機器100a及び二次側機器200a間で伝達される通信情報に、一次側機器100aの特徴情報(固有機器番号、製造メーカ名、定格など)、二次側機器200aの特徴情報(固有機器番号、製造メーカ名、定格など)、一次側機器100a及び二次側機器200a間の適合性を認証するための認証情報、及び、磁力情報などを含めることができる。磁力情報は磁力に関する情報であり、磁力情報に、一次側コイル101の発生磁力の強度、一次側コイル101が発生する交流磁界の磁束密度変化率、及び、二次側コイル201が受けることのできる磁力の定格などを含めることができる。通信情報に基づき実際に電力伝送を行ってよいかを判断し、実際に電力伝送を行ってよいと判断された場合にのみ、電力伝送を行うようにしても良い。
また、図6の動作例では、ステップS15に至る前に電力伝送が一切成されていないが、ステップS15にて本格的に電力伝送を開始する前に、通信情報伝達用の電力伝送を成すことも可能である。例えば、ステップS12の設置検出により二次側機器200aの設置が確認された場合、ステップS15に至る前に通信情報伝達用の電力伝送を成すことができる。通信情報伝達用の電力伝送とは、図5の回路216等を用いて二次側機器200aから一次側機器100aに通信情報を伝達するために成される電力伝送であり、その通信情報に認証情報を含めておくことができる。通信解読部114は、伝達された認証情報から二次側機器200aが一次側機器100aに適合しているか否かを判断し、二次側機器200aが一次側機器100aに適合している場合にのみ本格的な電力伝送を開始することができる(ステップS15)。認証情報から二次側機器200aが一次側機器100aに適合していないと判断される場合、ステップS18にて電力需要が無いと判断されたときと同様、電力伝送を停止してステップS12に戻るようにするとよい。
図10(a)〜(c)及び図11(a)及び(b)を参照して、吸引磁界及び打ち消し磁界の発生等に関与する部位の構成例を説明したが、二次側機器200aの小型軽量化を希望する場合には、図10(a)及び図11(a)に示す構成例の採用が最も望ましい。
また、図12に示す如く、一次側機器100aから電磁石104を削除し、電力伝送中において打ち消し磁界を発生させるための直流の打ち消し電流を電力伝送のための交流電流に重畳して一次側コイル101に供給するようにしても良い。この場合、電力伝送中において、一次側コイル101から直流磁界である打ち消し磁界と電力伝送用の交流磁界が発生し、一次側コイル101が発生する打ち消し磁界と永久磁石103が発生する直流磁界とが相殺しあうことで、吸引磁界が抑制されることとなる。
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態における一次側機器100及び二次側機器200を、夫々、一次側機器100b及び二次側機器200bと呼ぶ。第2実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2実施形態にて特に述べない事項に関しては、矛盾なき限り第1実施形態にて述べた事項が第2実施形態にも適用される。この適用の際、第1実施形態の説明文中の一次側機器100a及び二次側機器200aは夫々一次側機器100b及び二次側機器200bに読み替えられる。
図13(a)及び(b)の夫々は、基準設置状態における一次側機器100b及び二次側機器200bの断面図である(後述の図15(a)及び(b)並びに図16(a)及び(b)も同様)。但し、図13(a)は準備期間におけるそれらの断面図であり、図13(b)は電力伝送期間におけるそれらの断面図である。図13(a)及び(b)の断面図における断面はZ軸に平行である(後述の図15(a)及び(b)並びに図16(a)及び(b)も同様)。図14は、一次側機器100b及び二次側機器200bの機能ブロック図である。二次側機器200bは、第1実施形態に係る二次側機器200aと同じものである。
一次側機器100aにおける一次側磁性体102(図4参照)が一次側機器100bにおいては一次側磁性体102’に置き換えられている点と、
図5の一次側機器100aと異なり、図14の一次側機器100bには電磁石104及び電流供給部113が設けられておらず代わりに磁石駆動部106が設けられている点とを除き、基本的に一次側機器100bの構成及び動作は一次側機器100aのそれらと同様である。
一次側磁性体102’は、永久磁石103及び磁石駆動部106を設置するための穴部を、第1実施形態の一次側磁性体102に設けたものに等しい。この穴部は、例えば、Z軸を中心とする所定形状(例えば円形又は四角形)の穴である。磁石駆動部106は、電源部111からの電力を元に駆動するモータ等から成り、制御部115の制御の下で、必要なときに永久磁石103を駆動する。図13(a)及び(b)の構成例では、磁石駆動部106による永久磁石103の駆動によって、永久磁石103が位置421及び422間で平行移動せしめられる。図13(a)及び(b)の構成例では、永久磁石103の位置に関わらず永久磁石103の磁極間方向はZ軸と平行である。故に、第1実施形態と同様、永久磁石103は、一次側機器100bと二次側機器200bとを引き合わせる直流の吸引磁界を発生する。
但し、基準設置状態において、突出磁性体203及び位置421間の距離は、突出磁性体203及び位置422間の距離よりも短い。故に、二次側磁性体202及び突出磁性体203と永久磁石103との間の磁気吸引力、並びに、一次側機器100b及び二次側機器200b間の磁気吸引力は、永久磁石103を位置422に配置しているときの方が永久磁石103を位置421に配置しているときよりも弱くなる。即ち、一次側機器100bと二次側機器200bとを引き合わせる吸引磁界は、永久磁石103を位置421から位置422へ移動させることで抑制される。従って、準備期間においては永久磁石103を位置421に配置させる一方で、電力伝送期間には永久磁石103を位置422に配置させるとよい。換言すれば、準備期間を基準として、電力伝送期間中には永久磁石103を二次側機器200bから遠ざけると良い。尚、永久磁石103を位置421に配置する又は移動させるとは、例えば、永久磁石103の中心又は重心を位置421に配置する又は移動させることを意味する(位置422についても同様)。
永久磁石103の駆動方法は、図13(a)及び(b)に示すそれらに限定されない。例えば、図15(a)及び(b)に示す如く、磁石駆動部106によって永久磁石103を一次側機器100b内で回転できるようにしておいても良い。図15(a)及び(b)には、磁石駆動部106の構成要素である回転軸106aが示されている。具体的には例えば、準備期間においては図15(a)に示す如く永久磁石103の磁極間方向がZ軸と平行となるように且つ電力伝送期間においては図15(b)に示す如く永久磁石103の磁極間方向がZ軸と直交するように、磁石駆動部106に永久磁石103を駆動させるようにしても良い。二次側磁性体202及び突出磁性体203と永久磁石103との間の磁気吸引力、並びに、一次側機器100b及び二次側機器200b間の磁気吸引力は、永久磁石103の磁極間方向をZ軸と直交させているときの方が永久磁石103の磁極間方向をZ軸と平行にしているときよりも弱くなる。即ち、一次側機器100bと二次側機器200bとを引き合わせる吸引磁界は、図15(a)の状態から図15(b)の状態へと永久磁石103を回転させることで抑制される。
また、永久磁石103を2つの永久磁石103及び103に分割し、図16(a)及び(b)に示す如く、磁石駆動部106によって永久磁石103及び103を一次側機器100b内で回転できるようにしておいても良い。図16(a)及び(b)には、磁石駆動部106の構成要素である回転軸106及び106が示されている。具体的には例えば、準備期間においては図16(a)に示す如く永久磁石103及び103の磁極間方向がZ軸と平行となるように且つ電力伝送期間においては図16(b)に示す如く永久磁石103及び103の磁極間方向がZ軸と直交するように、磁石駆動部106に永久磁石103及び103を駆動させるようにしても良い。これによっても、図15(a)及び(b)の構成例と同様の作用が得られる。図15(a)及び(b)に示す構成例との比較において、図16(a)及び(b)に示す構成例では、永久磁石駆動用のスペースを縮小できる可能性がある。永久磁石103の分割数は3以上であっても良い。
尚、磁石駆動部106に永久磁石103又は永久磁石103及び103を回転させる場合、電力伝送期間中の永久磁石103、103及び103の磁極間方向は、Z軸に直交していなくても良く、Z軸と平行でなければ良い。即ち、電力伝送期間において永久磁石103、103及び103の発生磁束の方向を一次側コイル101の発生磁束の方向と異ならせればよい。
図17を参照して、第2実施形態に係る非接触電力伝送システムの動作手順を説明する。図17は、このシステムの一次側機器100b側の動作手順を表すフローチャートである。まず、一次側機器100bの電源がオンとされて一次側機器100bが作動開始すると、第1実施形態と同様のステップS11〜S13の処理が実行される。ステップS11〜S13の処理が実行されている段階では、永久磁石103の状態は標準状態STである。永久磁石103の状態が標準状態STであるとき、図13(a)及び(b)の構成例における永久磁石103は位置421に配置されており、或いは、図15(a)及び(b)の構成例における永久磁石103の磁極間方向はZ軸と平行とされており、或いは、図16(a)及び(b)の構成例における永久磁石103及び103の磁極間方向はZ軸と平行とされている。
ステップS12にて二次側機器200bの設置が確認されるとステップS12からステップS30へ移行する。ステップS30において、磁石駆動部106は、制御部115による制御の下、永久磁石103に対する第1駆動処理を実行する。第1駆動処理は、永久磁石103の駆動によって永久磁石103の状態を標準状態STから退避状態STへと変化させる処理である。永久磁石103の状態が退避状態STであるとき、図13(a)及び(b)の構成例における永久磁石103は位置422に配置されており、或いは、図15(a)及び(b)の構成例における永久磁石103の磁極間方向はZ軸と直交せしめられており、或いは、図16(a)及び(b)の構成例における永久磁石103及び103の磁極間方向はZ軸と直交せしめられている。
ステップS30における第1駆動処理の後、ステップS15において、交流生成部112による一次側コイル101への交流電流の供給を開始し、これによって電力伝送を開始する。
ステップS15にて電力伝送を開始した後、ステップS17又はS18からステップS22へと移行するまで、ステップS16、S17、S18、S20及びS21の処理が繰り返し実行される。ステップS11〜S13の処理が実行される期間又はステップS11〜S13及びS30の処理が実行される期間が準備期間に含まれ、ステップS15にて電力伝送を開始した後、ステップS22にて電力伝送が停止されるまでの期間が電力伝送期間に含まれる。ステップS16、S17、S18、S20及びS21の処理は第1実施形態のそれと同様である。
ステップS22にて電力伝送を停止した後、制御部115は、ステップS31及びS32にて、二次側機器200bが一次側機器100bから取り除かれたか否かを周期的に検出し、二次側機器200bが一次側機器100bから取り除かれたことが確認されると磁石駆動部106に永久磁石103の第2駆動処理を行わせる(ステップS33)。第2駆動処理の後、ステップS12に戻り、ステップS12以降の各処理が再び実行される。第2駆動処理は、永久磁石103の駆動によって永久磁石103の状態を退避状態STから標準状態STへと変化させる処理である。制御部115は、第1実施形態にて述べた設置検出を行うことで、二次側機器200bが一次側機器100bから取り除かれたか否かを検出することができる。設置検出によって、一次側機器100bに二次側機器200bが設置されていないと判断されるとき、二次側機器200bが一次側機器100bから取り除かれたと判断することができる。
本実施形態によっても、準備期間において永久磁石103及び特定磁性体MM間の磁気吸引力によりユーザは二次側機器200bの設置状態を基準設置状態に設定しやすくなる。一方、電力伝送中には、磁気吸引力を発生させるための吸引磁界が永久磁石103の駆動によって抑制されるため、吸引磁界が電力伝送に与える影響が抑制される。結果、永久磁石103の存在に関わらず高効率の電力伝送を実現できる。
尚、上述の第1実施形態では、電力伝送期間中に吸引磁界の影響を抑制するために電磁石に電流を供給するという方法を採用している。従って、第1実施形態では吸引磁界の抑制状態を維持するために電力が常時必要となる。これに対し、第2実施形態では、吸引磁界の抑制状態を維持するための電力は不要である。故に、第2実施形態では、永久磁石103の状態を標準状態STへ戻す第2駆動処理(S33)を、二次側機器200bが一次側機器100bから取り除かれた後に実行するようにしている。これにより、ユーザが二次側機器200bを一次側機器100bから取り除こうとする時の磁気吸引力は比較的小さくなり、ユーザは容易に二次側機器200bを一次側機器100bから取り除くことができる。但し、ステップS22にて電力伝送を停止した後、直ちにステップS33の第2駆動処理を実行するようにしても良い。
また、第2実施形態において上述した各構成例では(図14参照)、図18(a)に示す如く永久磁石103が一次側機器100bに設けられている一方で特定磁性体MMが二次側機器200bに設けられているが、これとは逆に、図18(b)に示す如く永久磁石103を二次側機器200bに設ける一方で特定磁性体MMを一次側機器100bに設けるようにしても良い。或いは、図18(c)に示す如く、永久磁石103を一次側機器100bに設けておく一方で永久磁石103’を二次側機器200bに設けておくようにしても良い。
本実施形態において、磁石駆動部106は、電力伝送中に吸引磁界を抑制する抑制部(抑制手段)の構成要素である。この抑制部は制御部115を他の構成要素として更に含んでいると考えても構わない。
永久磁石103が一次側機器100bに設けられる場合、図19(a)に示す如く、磁石駆動部106を含む抑制部を一次側機器100bに設けておくことができ、永久磁石103が二次側機器200bに設けられる場合、図19(b)に示す如く、磁石駆動部106を含む抑制部を二次側機器200bに設けておくことができる。永久磁石103が一次側機器100bに設けられる一方で永久磁石103’が二次側機器200bに設けられる場合、永久磁石103を駆動する磁石駆動部106を一次側機器100bに設けるか、又は、永久磁石103’を駆動する磁石駆動部106’(不図示)を二次側機器200bに設けると良い。或いは、図19(c)に示す如く、永久磁石103を駆動する磁石駆動部106を一次側機器100bに設けると同時に永久磁石103’を駆動する磁石駆動部106’を二次側機器200bに設けるようにしても良い。この場合、磁石駆動部106及び106’によって抑制部が形成されていると考えることができる。
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態における一次側機器100及び二次側機器200を、夫々、一次側機器100c及び二次側機器200cと呼ぶ。第3実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第3実施形態にて特に述べない事項に関しては、矛盾なき限り第1実施形態にて述べた事項が第3実施形態にも適用される。この適用の際、第1実施形態の説明文中の一次側機器100a及び二次側機器200aは夫々一次側機器100c及び二次側機器200cに読み替えられる。
図20は、基準設置状態における一次側機器100c及び二次側機器200cの断面図である。図20の断面図における断面はZ軸に平行である。図21は、一次側機器100c及び二次側機器200cの機能ブロック図である。二次側機器200cは、第1実施形態に係る二次側機器200aと同じものである。
図4の一次側機器100aにおける永久磁石103が一次側機器100cに設けられていない点と、図4の一次側機器100aにおける電磁石104の代わりに一次側機器100cには電磁石108が設けられている点とを除き、基本的に一次側機器100cの構成及び動作は一次側機器100aのそれらと同様である。
電磁石108を、例えばZ軸を中心軸としてZ軸周りに巻かれたコイル(第3のコイル)にて形成することができる。図20に示す如く、例えば、一次側磁性体102と上面110との間であって、且つ、一次側コイル101の内側に電磁石108を配置することができる。勿論、電磁石108の配置位置は、これに限定されない。例えば、一次側コイル101の外側に電磁石108を配置するようにしてもよい。
一次側機器100cに電磁石108が設けられたことに伴い、電流供給部113は、電源部111からの直流電圧に基づく電磁石電流を電磁石108に供給する。本実施形態における電磁石電流とは、第1実施形態で述べた電磁石104に供給される電流ではなく、電磁石108に供給される電流を指す。
電流供給部113は、制御部115の制御の下、準備期間中において直流の電磁石電流を電磁石108に供給し、これによって直流磁界を電磁石108に発生させる。電磁石108が発生した直流磁界により、二次側磁性体202及び突出磁性体203を電磁石108側に引き寄せる磁気吸引力が発生する。電磁石108は一次側機器100c内の所定位置に固定されていると共に二次側磁性体202及び突出磁性体203は二次側機器200c内の所定位置に固定されているため、この磁気吸引力は、一次側機器100cと二次側機器200cとの間の吸引力となる。従って、電磁石108により発生する直流磁界を、一次側機器100cと二次側機器200cとを互いに引き合わせる吸引磁界と呼ぶことができる。
準備期間中において直流磁界を発生している電磁石108は、第1実施形態の永久磁石103と同等の作用をもたらす。即ち、準備期間においてユーザが底面210を上面110側に向けて二次側機器200cを一次側機器100cに置こうとしたとき、電磁石108による磁気吸引力は、二次側コイル201の中心軸を一次側コイル101の中心軸であるZ軸に一致させる力として機能する、換言すれば一次側機器100c及び二次側機器200c間の位置関係を基準位置関係へと導く力として機能する。結果、ユーザは二次側機器200cの設置状態を基準設置状態に設定しやすくなる。
一方、電力伝送期間において、電流供給部113は、制御部115の制御の下、電磁石108への電磁石電流の供給を停止する(即ち、電磁石電流の大きさをゼロにする)ことができる。或いは、電力伝送期間において電磁石108に供給される電磁石電流の大きさを準備期間におけるそれから減少させても良い。電磁石電流の供給停止も電磁石電流の大きさの減少も、電磁石電流の抑制に含まれる。電磁石電流の抑制に伴って、吸引磁界も抑制されて二次側磁性体202及び突出磁性体203と電磁石108との間の磁気吸引力が弱くなり、ひいては一次側機器100c及び二次側機器200c間の磁気吸引力も弱くなる。
図22を参照して、第3実施形態に係る非接触電力伝送システムの動作手順を説明する。図22は、このシステムの一次側機器100c側の動作手順を表すフローチャートである。まず、一次側機器100cの電源がオンとされて一次側機器100cが作動開始すると、ステップS10において電磁石電流の供給が開始され、その後、第1実施形態と同様のステップS11〜S13の処理が実行される。上述の説明から明らかなように、ステップS10にて供給開始される電磁石電流は、吸引磁界を発生させるための電流(以下、吸引磁界電流と呼ぶ)として機能する。
ステップS12にて二次側機器200cの設置が確認されるとステップS12からステップS40へ移行する。ステップS40において、電流供給部113は、電磁石108に対する電磁石電流(吸引磁界電流)の供給を停止する。電磁石電流の供給を完全に停止するのではなく、ステップS11〜S13の処理実行時に電磁石108に供給していた電流よりも小さな電磁石電流をステップS40の後に流し続けるようにしても構わない。
ステップS40にて電磁石電流を抑制した後、ステップS15において、交流生成部112による一次側コイル101への交流電流の供給を開始し、これによって電力伝送を開始する。
ステップS15にて電力伝送を開始した後、ステップS17又はS18からステップS22へと移行するまで、ステップS16、S17、S18、S20及びS21の処理が繰り返し実行される。ステップS11〜S13の処理が実行される期間が準備期間に含まれ、ステップS15にて電力伝送を開始した後、ステップS22にて電力伝送が停止されるまでの期間が電力伝送期間に含まれる。ステップS16、S17、S18、S20及びS21の処理は第1実施形態のそれと同様である。
本実施形態では、二次側機器の設置作業を支援するために、二次側機器200cが一次側機器100cに設置される前の状態でも電磁石108を通電しておく必要がある。この通電による待機電力を抑制するため、図22の動作例では、ユーザが二次側機器200cを一次側機器100cに設置する前に一次側機器100cの電源をオンにするという使用形態を想定している。よって、図22の動作例では、ステップS22にて電力伝送を停止した後、一次側機器100cの電源をオフにする(ステップS23)。但し、ステップS22にて電力伝送を停止した後、一次側機器100cの電源をオフにすることなくステップS10に戻るようにしても構わない。
本実施形態によっても、準備期間において電磁石108及び特定磁性体MM間の磁気吸引力によりユーザは二次側機器200cの設置状態を基準設置状態に設定しやすくなる。一方、電力伝送中には、電磁石電流の供給停止等により磁気吸引力を発生させるための吸引磁界が抑制されるため、吸引磁界が電力伝送に与える影響が抑制される。結果、高効率の電力伝送を実現できる。
図20及び図21の構成例において、例えば、電磁石電流の供給を制御する制御部115は、電力伝送中に吸引磁界を抑制する抑制部(抑制手段)の構成要素であると考えることができ、電磁石108は吸引磁界発生部MG(図1(d)参照)の構成要素であると考えることができる。
図20及び図21の構成例では、電磁石108が一次側機器100cに設けられている一方で特定磁性体MMが二次側機器200cに設けられているが、これとは逆に、電磁石108を二次側機器200cに設ける一方で特定磁性体MMを一次側機器100cに設けるようにしても良い。
また、特定磁性体MMは磁石であっても良い。特定磁性体MMとしての磁石は、永久磁石であっても良いし電磁石であっても良い。特定磁性体MMとしての磁石を、磁石MMと表記する。例えば、図23(a)及び(b)に示す如く、突出磁性体203の位置に磁石MMを配置させる。基準設置状態において、磁石MMの磁極間方向はZ軸と平行であって、且つ、磁石MMのS極は底面210側に位置すると共に磁石MMのN極は二次側磁性体202側に位置する。
この場合、準備期間においては、図23(a)に示す如く、電磁石108の上面110側に電磁石108のN極が現れると共に磁石108の一次側磁性体102側に電磁石108のS極が現れるように電磁石電流を電磁石108に供給する。これにより、準備期間においては電磁石108のN極と磁石MMのS極が引き寄せ合い、二次側機器の設置作業が支援される。電磁石108又は磁石MMが吸引磁界の発生主体であると考えることもできるし、電磁石108及び磁石MMの双方が吸引磁界の発生主体であると考えることもできる。
一方、電力伝送期間においては、図23(b)に示す如く、電磁石108の上面110側に電磁石108のS極が現れると共に磁石108の一次側磁性体102側に電磁石108のN極が現れるように電磁石電流を電磁石108に供給する。即ち、電磁石電流の向きを準備期間及び電力伝送期間で反対にする(図22の動作例においては、ステップS40において電磁石電流の向きを反転させることなる)。電磁石電流の大きさは、準備期間と電力伝送期間との間で同じであっても良いし、異なっていても良い。準備期間と電力伝送期間との間で電磁石電流の向きを反対にすることにより、電力伝送期間中において、電磁石108の発生磁界と磁石MMの発生磁界が相殺し合い、結果、一次側機器100c及び二次側機器200c間の磁気吸引力及び吸引磁界は抑制されることになる。尚、磁石MMのN及びS極の位置は上述したものの逆であっても良く、それらを逆にする場合、電磁石108のN及びS極の位置も上述したものの逆とされる。
また、一次側コイル101を電磁石108として流用することも可能である。即ち、図24に示す如く、一次側機器100cから電磁石108を削除し、準備期間中において吸引磁界を発生させるための直流の吸引磁界電流を一次側コイル101に供給するようにしても良い。この場合、電力伝送期間中においては一次側コイル101に対する吸引磁界電流の停止し、電力伝送用の交流電流のみを一次側コイル101に供給すればよい。この方法によれば、直流電流を交流電流に重畳する必要もないため、回路の追加必要量も少ない。
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1及び注釈2を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
二次側機器200は、任意の電子機器である又は任意の電子機器に搭載されうる。電子機器は、例えば、携帯電話機、情報端末装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータである。
[注釈2]
本発明に係る一次側機器及び二次側機器の夫々を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。
100、100a、100b、100c 一次側機器
101 一次側コイル
102 一次側磁性体
103 永久磁石
104 電磁石
105 磁界測定素子
106 磁石駆動部
108 電磁石
110 上面
200、200a、200b、200c 二次側機器
201 二次側コイル
202 二次側磁性体
203 突出磁性体
210 底面

Claims (10)

  1. 一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備え、前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、
    電力伝送中において前記吸引磁界を抑制する抑制手段を更に備えた
    ことを特徴とする非接触電力伝送システム。
  2. 前記吸引磁界は、永久磁石によって発生し、
    前記抑制手段は、前記一次側コイル又は前記一次側コイルと異なる第2のコイルを用いて前記吸引磁界の全部又は一部を打ち消すための打ち消し磁界を電力伝送中に発生させることにより、前記吸引磁界を抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触電力伝送システム。
  3. 前記吸引磁界は、永久磁石によって発生し、
    前記抑制手段は、前記永久磁石を移動又は回転させる磁石駆動部を有し、電力伝送中において前記吸引磁界による前記一次側機器及び二次側機器間の磁気吸引力が減少するように前記磁石駆動部を用いて前記永久磁石を移動又は回転させることで、前記吸引磁界を抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触電力伝送システム。
  4. 前記吸引磁界は、前記一次側コイル又は前記一次側コイルと異なる第3のコイルに電流を供給することで発生し、
    前記抑制手段は、電力伝送中において前記電流を抑制することにより又は前記電流の向きを反転させることにより、前記吸引磁界を抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触電力伝送システム。
  5. 前記打ち消し磁界は、前記一次側コイル又は前記第2のコイルに打ち消し電流を供給することによって発生し、
    前記抑制手段は、前記一次側コイルへの入力電力に関する第1情報または前記二次側コイルからの出力電力に関する第2情報に基づいて前記打ち消し電流を制御し、
    前記抑制手段を前記一次側機器に設ける場合には、前記第2情報を前記一次側機器に送信する第1通信部を前記二次側機器に設ける一方で前記第2情報を受信する第2通信部を前記一次側機器に設けることにより前記第2情報を前記抑制手段に伝達し、
    前記抑制手段を前記二次側機器に設ける場合には、前記第1情報を前記二次側機器に送信する第3通信部を前記一次側機器に設ける一方で前記第1情報を受信する第4通信部を前記二次側機器に設けることにより前記第1情報を前記抑制手段に伝達する
    ことを特徴とする請求項2に記載の非接触電力伝送システム。
  6. 前記打ち消し磁界は、前記一次側コイル又は前記第2のコイルに打ち消し電流を供給することによって発生し、
    前記抑制手段は、前記一次側機器及び前記二次側機器間の磁界を測定する磁界測定手段の測定結果に基づいて前記打ち消し電流を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の非接触電力伝送システム。
  7. 一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける一次側機器であって、
    電力伝送中において前記吸引磁界を抑制する抑制手段を備えた
    ことを特徴とする非接触電力伝送システムにおける一次側機器。
  8. 一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける二次側機器であって、
    電力伝送中において前記吸引磁界を抑制する抑制手段を備えた
    ことを特徴とする非接触電力伝送システムにおける二次側機器。
  9. 一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける一次側機器であって、
    前記吸引磁界発生手段、又は、前記吸引磁界発生手段に対応する磁性体を備え、
    電力伝送中において前記吸引磁界は抑制される
    ことを特徴とする非接触電力伝送システムにおける一次側機器。
  10. 一次側コイルを有する一次側機器と二次側コイルを有する二次側機器とを引き合わせる吸引磁界を発生する吸引磁界発生手段を備えた非接触電力伝送システムであって且つ前記一次側コイル及び前記二次側コイルを用いた電磁誘導により非接触にて前記一次側機器から前記二次側機器に電力伝送を行う非接触電力伝送システムにおける二次側機器であって、
    前記吸引磁界発生手段、又は、前記吸引磁界発生手段に対応する磁性体を備え、
    電力伝送中において前記吸引磁界は抑制される
    ことを特徴とする非接触電力伝送システムにおける二次側機器。
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