JP2012094658A - 発光装置および照明装置 - Google Patents

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泰雄 深井
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Abstract

【課題】蛍光体が高温になるのを抑制するとともに、光の取出し効率を向上させることが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】この発光装置1は、直線偏光のレーザ光を出射する半導体レーザ素子2と、半導体レーザ素子2からのレーザ光が照射される蛍光体5と、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光の通過領域に配置されるフィルタ部材4とを備える。蛍光体5は、フィルタ部材4に接触されており、フィルタ部材4は、レーザ光の直線偏光を透過し、レーザ光の直線偏光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、発光装置および照明装置に関し、特に、レーザ発生器と蛍光体とを備えた発光装置および照明装置に関する。
従来、レーザ発生器と蛍光体とを備えた発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図14は、上記特許文献1に開示された光源装置(発光装置)の構造を示した断面図である。上記特許文献1には、図14に示すように、紫外線LD素子(レーザ発生器)1001と、紫外線LD素子1001の前方に設けられたコリメートレンズ1002と、コリメートレンズ1002の前方に設けられたアパーチャ1003と、アパーチャ1003の前方に設けられたコンデンサレンズ1004と、コンデンサレンズ1004の前方に設けられた蛍光体1005と、蛍光体1005の前方に設けられた紫外線反射鏡1006と、放物反射面の内側にコンデンサレンズ1004、蛍光体1005および紫外線反射鏡1006が配置されるように設けられた可視光反射鏡1007とを備えた光源装置が開示されている。
この光源装置では、紫外線LD素子1001から出射したコヒーレントな光であるレーザ光1010は、コリメートレンズ1002を通過することによって平行光線束となる。また、コリメートレンズ1002を通過したレーザ光1010は、アパーチャ1003、可視光反射鏡1007の孔(貫通穴)1007aおよびコンデンサレンズ1004を通過することによって蛍光体1005に集光される。
レーザ光1010が蛍光体1005に入射されると、蛍光体1005内で励起が起こり、レーザ光1010は蛍光体1005内で吸収され強度が弱められて、蛍光体1005からはインコヒーレントな光である自然放出光1011aが全方向に放出される。ここで、蛍光体1005に吸収されなかった光は蛍光体1005から漏れ出すが、この光は紫外線反射鏡1006で反射され、再び蛍光体1005に入射して吸収作用を受け、自然放出光1011aが全方向に放出される。
そして、蛍光体1005から自然放出されたインコヒーレントな光である自然放出光1011aは、可視光反射鏡1007で反射され、所定の方向に進む平行光線束1011bとなる。
なお、「コヒーレントな光」とは、時間的、空間的に位相がそろったコヒーレンス(干渉性)の高い光のことである。
特開2003−295319号公報
しかしながら、上記特許文献1の光源装置(発光装置)では、自然放出光1011aは、蛍光体1005から全方向に放出されるので、自然放出光1011aの一部は、可視光反射鏡1007の孔(貫通穴)1007aを通過して、紫外線LD素子1001側に戻って(逃げて)しまう。このため、光の取出し効率(利用効率)を向上させるのが困難であるという問題点がある。
また、上記特許文献1のような光源装置(発光装置)では、レーザ光1010を蛍光体1005に照射すると、発生する熱により蛍光体1005が高温になり過ぎる場合があるという問題点がある。そして、蛍光体1005が高温になり過ぎると、熱飽和により光の変換効率が低下したり、蛍光体1005が劣化する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、蛍光体が高温になるのを抑制するとともに、光の取出し効率を向上させることが可能な発光装置および照明装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による発光装置は、直線偏光のレーザ光を出射するレーザ発生器と、レーザ発生器からのレーザ光が照射される蛍光体と、レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に配置される反射型偏光フィルタ部材とを備え、蛍光体は、反射型偏光フィルタ部材に接触されており、反射型偏光フィルタ部材は、レーザ光の直線偏光を透過し、レーザ光の直線偏光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成されている。
この第1の局面による発光装置では、上記のように、レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に反射型偏光フィルタ部材を配置し、反射型偏光フィルタ部材を、レーザ光の直線偏光を透過し、レーザ光の直線偏光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成する。これにより、蛍光体から出射し、レーザ発生器側(反射型偏光フィルタ部材)に向かって進行する光のうち、レーザ光の直線偏光の偏波面と交差する偏波面を有する直線偏光を反射することができる。すなわち、レーザ発生器から出射するレーザ光が、例えばTE(Transverse Electric)波である場合、反射型偏光フィルタ部材は、TE波を透過し、TM(Transverse Magnetic)波を反射するので、蛍光体から出射しレーザ発生器側(反射型偏光フィルタ部材)に向かって進行する光のうちのTM波成分を反射することができる。これにより、蛍光体から出射しレーザ発生器側(反射型偏光フィルタ部材)に向かって進行する光が、レーザ発生器側に戻って(逃げて)しまうのを抑制することができるとともに、その光の一部(TM波成分)を反射型偏光フィルタ部材により反射して利用することができる。その結果、光の取出し効率(利用効率)を向上させることができる。
また、第1の局面による発光装置では、上記のように、蛍光体を、反射型偏光フィルタ部材に接触させることによって、蛍光体で発生する熱を、反射型偏光フィルタ部材に放熱させることができる。これにより、蛍光体が高温になり過ぎるのを抑制することができる。その結果、熱飽和により光の変換効率が低下するのを抑制することができるとともに、蛍光体が劣化するのを抑制することができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、光を反射または導光する部材をさらに備え、反射型偏光フィルタ部材は、光を反射または導光する部材に接触されている。このように構成すれば、蛍光体で発生し反射型偏光フィルタ部材に放熱させた熱を、光を反射または導光する部材にさらに放熱させることができるので、蛍光体が高温になり過ぎるのを、より抑制することができる。
上記光を反射または導光する部材を備える発光装置において、好ましくは、光を反射または導光する部材は、蛍光体からの光を所定の方向に反射する反射鏡を含む。このように構成すれば、反射鏡は金属材料を用いて形成されているので、蛍光体で発生する熱を効率的に放熱させることができる。また、反射鏡を予め備えた発光装置においては、蛍光体で発生する熱を放熱させるための部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに、発光装置が大型化するのを抑制することができる。
上記光を反射または導光する部材を備える発光装置において、好ましくは、光を反射または導光する部材は、レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に配置され、レーザ光を導光する導光部材を含む。このように構成すれば、導光部材を予め備えた発光装置においては、蛍光体で発生する熱を放熱させるための部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに、発光装置が大型化するのを抑制することができる。
上記第1の局面による発光装置において、蛍光体からの光を所定の方向に反射する反射鏡をさらに備えてもよい。
上記反射鏡を備える発光装置において、好ましくは、反射鏡は、レーザ発生器から出射したレーザ光が通過する貫通穴を含み、反射型偏光フィルタ部材は、貫通穴を塞ぐように配置されている。このように構成すれば、蛍光体から出射した光が反射鏡の貫通穴を通過してレーザ発生器側に戻ってしまうのを容易に抑制することができる。これにより、光の取出し効率を容易に向上させることができる。
上記反射型偏光フィルタ部材が貫通穴を塞ぐように配置されている発光装置において、好ましくは、反射型偏光フィルタ部材は、貫通穴に、隙間がないように嵌め込まれている。このように構成すれば、反射型偏光フィルタ部材に入射した光が、反射型偏光フィルタ部材の側面(外周面)から漏れ出すのを抑制することができる。これにより、光の取り出し効率が低下するのをより抑制することができる。
上記反射型偏光フィルタ部材が貫通穴を塞ぐように配置されている発光装置において、好ましくは、反射型偏光フィルタ部材は、反射鏡の内側から貫通穴を塞ぐように配置されている。このように構成すれば、反射型偏光フィルタ部材に入射した光が、反射型偏光フィルタ部材の側面(外周面)から反射鏡の外側(レーザ発生器側)に漏れ出すのを抑制することができる。これにより、光の取り出し効率が低下するのをより抑制することができる。
上記反射型偏光フィルタ部材が貫通穴を塞ぐように配置されている発光装置において、好ましくは、反射型偏光フィルタ部材は、反射鏡の外側から貫通穴を塞ぐように配置されている。このように構成すれば、蛍光体と反射鏡の反射面との間に反射型偏光フィルタ部材が配置されることがないので、反射型偏光フィルタ部材の面積を大きくしても、光の取り出し効率が低下することがない。
上記反射型偏光フィルタ部材が貫通穴を塞ぐように配置されている発光装置において、好ましくは、反射型偏光フィルタ部材は、レーザ光が入射される光入射面と、レーザ光が出射する光出射面と、光入射面および光出射面に対して交差するように配置された側面とを含み、光入射面および光出射面の少なくとも一方と、側面とは、反射鏡に接触されている。このように構成すれば、蛍光体で発生し反射型偏光フィルタ部材に放熱させた熱を、反射鏡にさらに放熱させることができるので、蛍光体が高温になり過ぎるのを、より抑制することができる。また、反射型偏光フィルタ部材の光入射面および光出射面の少なくとも一方と、側面とを、反射鏡に接触させることによって、反射型偏光フィルタ部材と反射鏡との接触面積を大きくすることができるので、蛍光体で発生する熱を、効率的に反射鏡に放熱させることができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、蛍光体からの光を所定の方向に反射する反射鏡をさらに備え、反射鏡は、レーザ発生器から出射したレーザ光が通過する貫通穴を含み、蛍光体の少なくとも一部は、貫通穴に挿入されており、蛍光体は、貫通穴の内面に接触されている。このように構成すれば、蛍光体で発生する熱を、反射鏡にも放熱させることができるので、蛍光体が高温になり過ぎるのをより効果的に抑制することができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に配置され、レーザ光を導光する導光部材をさらに備える。このように構成すれば、レーザ発生器から出射したレーザ光を容易に蛍光体に導光することができるので、レーザ発生器を所望の位置に配置することができる。このため、例えば、レーザ発生器を既存の放熱部材に取り付けることもできる。この場合、新たに放熱部材を設けることなく、レーザ発生器の放熱性を向上させることができる。
上記導光部材を備える発光装置において、好ましくは、導光部材は、偏波保持ファイバを含む。このように構成すれば、レーザ発生器から出射したレーザ光を、偏波面を保持した状態で、反射型偏光フィルタ部材に入射させることができる。これにより、反射型偏光フィルタ部材は、容易に、レーザ光の直線偏光を透過することができる。
上記導光部材を備える発光装置において、好ましくは、導光部材は、レーザ光入射面と、レーザ光入射面よりも小さい面積を有するレーザ光出射面とを含む。このように構成すれば、導光部材の内部を通過するレーザ光を、集光することができる。これにより、例えば、複数のレーザ発生器から出射したレーザ光を、導光部材により集光して、1つの蛍光体に照射させることができる。その結果、複数のレーザ発生器を用いる場合にも、蛍光体の数が多くなるのを抑制することができるので、発光装置を、小型化・軽量化することができる。
上記導光部材を備える発光装置において、好ましくは、導光部材は、金属部材により覆われており、反射型偏光フィルタ部材は、金属部材に接触されている。このように構成すれば、蛍光体で発生し反射型偏光フィルタ部材に放熱させた熱を、金属部材および導光部材にさらに放熱させることができるので、蛍光体で発生する熱を、より効率的に放熱させることができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、レーザ発生器は、半導体レーザ素子を含む。このように、レーザ光源(レーザ発生器)として半導体レーザ素子を用いれば、レーザ光源(レーザ発生器)を小型化・軽量化することできるので、発光装置を小型化・軽量化することできる。
上記レーザ発生器が半導体レーザ素子を含む発光装置において、好ましくは、半導体レーザ素子は、反射型偏光フィルタ部材に接触されている。このように構成すれば、半導体レーザ素子、反射型偏光フィルタ部材および蛍光体を一体的に形成することができるので、発光装置をより小型化することができる。また、半導体レーザ素子で発生する熱を、反射型偏光フィルタ部材に放熱させることができるので、半導体レーザ素子が高温になるのを抑制することができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、反射型偏光フィルタ部材は、多層膜偏光子を含む。このように構成すれば、反射型偏光フィルタ部材を、例えば細かい(面積の小さい)部分や、曲面上にも、容易に形成することができる。
上記第1の局面による発光装置において、好ましくは、反射型偏光フィルタ部材は、ワイヤーグリッドを含む。このように構成すれば、反射型偏光フィルタ部材を、容易に形成することができる。また、反射型偏光フィルタ部材が多層膜偏光子を含む場合に比べて、反射型偏光フィルタ部材の厚みを小さくすることができるので、反射型偏光フィルタ部材内のレーザ光の光路長が大きくなるのを抑制することができる。これにより、レーザ光の伝搬ロス(反射型偏光フィルタ部材を透過する際のレーザ光の損失)を低減することができる。
この発明の第2の局面による照明装置は、上記の構成の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。このように構成すれば、蛍光体が高温になるのを抑制するとともに、光の取出し効率を向上させることが可能な発光装置を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、蛍光体が高温になるのを抑制するとともに、光の取出し効率を向上させることが可能な発光装置および照明装置を容易に得ることができる。
本発明の第1実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 図1に示した本発明の第1実施形態による発光装置のフィルタ部材の構造を説明するための図である。 図1に示した本発明の第1実施形態による発光装置のフィルタ部材の構造を説明するための拡大図である。 本発明の第2実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 図4に示した本発明の第2実施形態による発光装置のフィルタ部材の構造を説明するための図である。 図4に示した本発明の第2実施形態による発光装置のフィルタ部材の構造を説明するための拡大図である。 本発明の第3実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 本発明の第4実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 本発明の第5実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 本発明の第6実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 本発明の第7実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 本発明の第8実施形態による発光装置の構造を示した断面図である。 本発明の変形例による発光装置の構造を示した断面図である。 上記特許文献1に開示された光源装置(発光装置)の構造を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、断面図であってもハッチングを施さない場合もある。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による発光装置1の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による発光装置1は、車両用前照灯などの照明装置としても用いることができるもので、図1に示すように、半導体レーザ素子2と、半導体レーザ素子2の前方に配置されたコリメートレンズ3と、コリメートレンズ3の前方に配置されたフィルタ部材4と、フィルタ部材4に接触された蛍光体5と、フィルタ部材4の後述する側面4c上に配置された接着層6と、反射鏡7とを備えている。これら、半導体レーザ素子2、コリメートレンズ3、フィルタ部材4および蛍光体5は、一直線上に配置されている。なお、発光装置1は、本発明の「照明装置」の一例であり、半導体レーザ素子2は、本発明の「レーザ発生器」の一例である。また、フィルタ部材4は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例であり、反射鏡7は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。
半導体レーザ素子2は、例えば青紫色のレーザ光を出射(発振)し、レーザ光源として機能する。また、半導体レーザ素子2は、直線偏光のレーザ光を出射する。なお、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光は、コヒーレントな光である。
コリメートレンズ3は、例えば平凸レンズにより形成されており、半導体レーザ素子2からのレーザ光を、平行光にして前方に透過させる機能を有する。なお、コリメートレンズ3を透過したレーザ光のビームスポット径は、例えば約5mmである。
フィルタ部材4は、反射鏡7の後述する貫通穴7aと略同じ形状(例えば円柱(円盤)形状)に形成されている。そして、フィルタ部材4は、貫通穴7aに、隙間がないように嵌め込まれており、貫通穴7aを塞いでいる。また、フィルタ部材4は、反射鏡7の後述する貫通穴7aから突出しないように配置されている。また、フィルタ部材4は、空気の熱伝導率(例えば100℃において、約9.22mW/(m・K))よりも高い熱伝導率(例えば、約250W/(m・K))を有する。
また、フィルタ部材4は、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光が入射される光入射面4aと、レーザ光が出射する光出射面4bと、光入射面4aおよび光出射面4bに対して交差するように配置された側面(外周面)4cとを含んでいる。
また、フィルタ部材4は、図2に示すように、透光部材4dと、透光部材4dを挟み込む2つのフィルタ4eとにより形成されている。
透光部材4dは、例えば、サファイア基板により形成されている。なお、透光部材4dは、空気よりも高い熱伝導率を有し、かつ、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明であればよく、例えば、AlN基板、TiO基板、SiO基板またはポリマー基板などを用いることが可能である。なお、透光部材4d(フィルタ部材4)の厚みが小さくなるにしたがって、レーザ光の伝搬ロス(透光部材4d(フィルタ部材4)を透過する際のレーザ光の損失)が低減される。
ここで、第1実施形態では、フィルタ4eは、反射型偏光フィルタであり、半導体レーザ素子2からのレーザ光(直線偏光)を透過し、レーザ光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成されている。すなわち、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光が、例えばTE波であるとすると、後述するように、フィルタ4eは、蛍光体5からの光のTM波成分を反射するように形成されている。
具体的には、第1実施形態では、図3に示すように、フィルタ4eは、複屈折率を有する誘電体材料を用いた多層膜偏光子により形成されており、透光部材4d側から順に、CaCO層4fとSiO層4gとが、交互に50層ずつ積層されることにより形成されている。なお、CaCO層4fおよびSiO層4gは、本発明の「多層膜偏光子」の一例である。
また、フィルタ4eは、真空蒸着法やスパッタリング法といった一般的に知られている薄膜形成方法を用いて、透光部材4dの表面上に形成されている。
ここで、CaCO(CaCO層4f)は、直線偏光の偏波面の違いにより異なる屈折率を有するとともに、TE波に対して約1.48の屈折率を有し、TM波に対して約1.66の屈折率を有する。SiO(SiO層4g)は、約1.45の屈折率を有する。
また、CaCO層4fおよびSiO層4gは、反射しようとする光(蛍光体5からの白色光(可視光))の中心波長をλ(例えば510nm)とし、層(CaCO層4fおよびSiO層4g)の屈折率をnとした場合、λ/(4n)の厚みに形成されている。
すなわち、CaCOのTM波に対する屈折率は約1.66であるから、CaCO層4fの厚みは、λ/(4n)=510/(4×約1.66)=約76.8nmである。その一方、SiOの屈折率は約1.45であるから、SiO層4gの厚みは、λ/(4n)=510/(4×約1.45)=約87.9nmである。
なお、2つのフィルタ4eは、透光部材4dを中心として対称の構造に形成されている。
そして、フィルタ4e(フィルタ部材4)が、半導体レーザ素子2からのレーザ光(TE波)を透過し、レーザ光の偏波面と直交する偏波面を有するTM波を反射するように、半導体レーザ素子2とフィルタ4e(フィルタ部材4)とが角度調節されている。言い換えると、半導体レーザ素子2およびフィルタ4e(フィルタ部材4)は、半導体レーザ素子2からのレーザ光の直線偏光の偏波面と、フィルタ4e(フィルタ部材4)が透過させる直線偏光の偏波面とが一致するように、配置されている。
なお、第1実施形態では、図2に示すように、フィルタ4eを、透光部材4dの半導体レーザ素子2側と蛍光体5側との両方に設けているが、フィルタ4eは、透光部材4dの半導体レーザ素子2側および蛍光体5側のいずれか一方のみに設けてもよい。ただし、TM波に対するフィルタ4eの反射率は、例えば90%程度であるので、フィルタ4eを、透光部材4dの半導体レーザ素子2側と蛍光体5側との両方に設ける方が好ましい。
また、第1実施形態では、フィルタ部材4を、透光部材4dとフィルタ4eとにより形成しているが、フィルタ4eの機械的強度が確保できるのであれば、透光部材4dを設けなくてもよい。また、透光部材4dを設けず、フィルタ4eを、蛍光体5の表面上に直接形成することも可能である。ただし、第1実施形態では、後述するように、蛍光体5で発生する熱は、フィルタ部材4の側面4cから反射鏡7に放熱されるので、フィルタ部材4の側面4cの面積(フィルタ部材4の厚み)は、大きい方が好ましい。このため、第1実施形態では、フィルタ部材4を、透光部材4dと2つのフィルタ4eとにより形成することが好ましい。
なお、フィルタ4eを透光部材4dの半導体レーザ素子2側および蛍光体5側のいずれか一方のみに設けてもよいこと、および、透光部材4dを設けなくてもよいことは、後述する第2〜第8実施形態も同様である。
蛍光体5は、半導体レーザ素子2からのレーザ光を、例えば青色光、緑色光および赤色光などからなる可視光に変換し出射する機能を有する。この蛍光体5から出射される可視光は、TE波成分だけでなくTM波成分も含んでいるとともに、全方向に出射される。また、蛍光体5から出射される青色光、緑色光および赤色光は、混色されると白色光になるので、白色の可視光が外部に向かって出射されることになる。なお、蛍光体5から出射される可視光は、インコヒーレントな光である。
また、蛍光体5は、蛍光体粒子(蛍光物質)をガラスや樹脂などに混ぜて固めたものや、蛍光体粒子を加圧または焼結したものなどを用いることが可能である。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、蛍光体5は、フィルタ部材4に接触されている。具体的には、蛍光体5とフィルタ部材4と間に、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明な接着層(図示せず)が設けられていてもよい。また、フィルタ部材4の光出射面4b上に、蛍光体粒子(蛍光物質)を含有するガラスや樹脂などを固めることにより、蛍光体5が形成されていてもよい。また、上述したように、フィルタ4eが、蛍光体5の表面上に直接形成されていてもよい。
接着層6は、導電性を有する。また、接着層6は、フィルタ部材4の側面4c上に配置されており、フィルタ部材4を、反射鏡7の後述する貫通穴7aの内面に接着している。すなわち、側面4c(フィルタ部材4)は、接着層6を介して、反射鏡7に接触されている。なお、フィルタ部材4が反射鏡7に接触されていれば、接着層6は、設けられていなくてもよい。
反射鏡7は、例えば金属板(金属材料)により形成されている。また、反射鏡7は、フィルタ部材4よりも大きいまたは同じ厚みを有する。
また、反射鏡7の中央部(頂点部分)には、半導体レーザ素子2からのレーザ光を通過させるための貫通穴7aが形成されている。すなわち、貫通穴7aおよびフィルタ部材4は、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光の通過領域に配置されている。
また、反射鏡7の内面7bは、蛍光体5からの光を前方に反射する機能を有する反射面で形成されている。この内面7bは、例えば放物面に形成されている。なお、内面7bは、楕円面の一部であってもよいし、上下方向や左右方向に非対称な面であってもよい。
この発光装置1では、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光は、コリメートレンズ3を透過することにより平行光になる。そして、コリメートレンズ3を透過したレーザ光は、フィルタ部材4を透過し、蛍光体5に照射される。
そして、レーザ光は、蛍光体5により、インコヒーレントな可視光に変換され、全方向に出射する。蛍光体5から出射する可視光の大部分は、そのまま前方に出射し、または、反射鏡7により反射されて前方に出射する。その一方、蛍光体5から出射する可視光の一部は、反射鏡7の貫通穴7aに向かって出射する。
そして、第1実施形態では、反射鏡7の貫通穴7aに向かって出射した可視光のTM波成分は、フィルタ4eにより反射されて、蛍光体5を介して前方に出射する。
第1実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光の通過領域にフィルタ部材4を配置し、フィルタ部材4を、レーザ光の直線偏光を透過し、レーザ光の直線偏光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成する。これにより、蛍光体5から出射し、半導体レーザ素子2側(反射鏡7の貫通穴7a)に向かって進行する光のうち、レーザ光の直線偏光の偏波面と交差する偏波面を有する直線偏光を反射することができる。すなわち、半導体レーザ素子2から出射するレーザ光が、例えばTE波である場合、フィルタ部材4は、TE波を透過し、TM波を反射するので、蛍光体5から出射し半導体レーザ素子2側(反射鏡7の貫通穴7a)に向かって進行する光のうちのTM波成分を反射することができる。これにより、蛍光体5から出射し半導体レーザ素子2側(反射鏡7の貫通穴7a)に向かって進行する光が、貫通穴7aを通過して半導体レーザ素子2側に戻って(逃げて)しまうのを抑制することができるとともに、その光の一部(TM波成分)をフィルタ部材4により反射して利用することができる。その結果、光の取出し効率(利用効率)を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、蛍光体5を、フィルタ部材4に接触させることによって、蛍光体5で発生する熱を、フィルタ部材4に放熱させることができる。これにより、蛍光体5が高温になり過ぎるのを抑制することができる。その結果、熱飽和により光の変換効率が低下するのを抑制することができるとともに、蛍光体5が劣化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フィルタ部材4を、反射鏡7に接触させることによって、蛍光体5で発生しフィルタ部材4に放熱させた熱を、反射鏡7にさらに放熱させることができるので、蛍光体5が高温になり過ぎるのを、より抑制することができる。また、反射鏡7は金属材料を用いて形成されているので、蛍光体5で発生する熱を効率的に放熱させることができる。
また、第1実施形態では、蛍光体5で発生する熱を放熱させるための部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに、発光装置1が大型化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フィルタ部材4を、貫通穴7aを塞ぐように配置することによって、蛍光体5から出射した光が反射鏡7の貫通穴7aを通過して半導体レーザ素子2側に戻ってしまうのを容易に抑制することができる。これにより、光の取出し効率を容易に向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フィルタ部材4は、貫通穴7aに、隙間がないように嵌め込まれている。このように構成すれば、フィルタ部材4に入射した光が、フィルタ部材4の側面4cから漏れ出すのを抑制することができる。これにより、光の取り出し効率が低下するのをより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、レーザ光源(レーザ発生器)として半導体レーザ素子2を用いることによって、レーザ光源を小型化・軽量化することできるので、発光装置1を小型化・軽量化することできる。
また、第1実施形態では、上記のように、フィルタ4e(フィルタ部材4)を、多層膜偏光子により形成することによって、フィルタ部材4を容易に形成することができる。
(第2実施形態)
この第2実施形態では、図4〜図6を参照して、上記第1実施形態と異なり、フィルタ部材14が、反射鏡7の内側から貫通穴7aを塞いでいる場合について説明する。
本発明の第2実施形態による発光装置11では、図4に示すように、フィルタ部材14は、反射鏡7の貫通穴7aの穴径よりも大きい外形(直径)を有しており、反射鏡7の内側から貫通穴7aを塞いでいる。なお、フィルタ部材14は、貫通穴7aと異なる形状に形成されていてもよい。また、フィルタ部材14は、上記第1実施形態のフィルタ部材4と同様、空気の熱伝導率(例えば100℃において、約9.22mW/(m・K))よりも高い熱伝導率(例えば、約1.47W/(m・K))を有する。なお、発光装置11は、本発明の「照明装置」の一例であり、フィルタ部材14は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例である。
また、フィルタ部材14は、光入射面14aと、光出射面14bと、側面14cとを含んでいる。
また、フィルタ部材14は、図5に示すように、透光部材14dと、透光部材14を挟み込む2つのフィルタ14eとにより形成されている。
透光部材14dは、例えば、SiO基板により形成されている。なお、透光部材14dは、空気よりも高い熱伝導率を有し、かつ、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明であればよく、例えば、サファイア基板、AlN基板、TiO基板、アルミナ基板またはポリマー基板などを用いることが可能である。また、透光部材14dを、例えばサファイア基板により形成した場合、フィルタ部材14の熱伝導率は、約250W/(m・K)になる。
また、フィルタ14e(フィルタ部材14)は、上記第1実施形態のフィルタ4eと同様、半導体レーザ素子2からのレーザ光(直線偏光)を透過し、レーザ光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成されている。すなわち、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光が、例えばTE波であるとすると、フィルタ14e(フィルタ部材14)は、蛍光体15からの光のTM波成分を反射するように形成されている。
ここで、第2実施形態では、フィルタ14eは、ワイヤーグリッドにより形成されている。具体的には、フィルタ14eは、図6に示すように、例えばAl(アルミニウム)からなる複数の金属細線14fにより形成されている。なお、金属細線14fは、本発明の「ワイヤーグリッド」の一例である。この複数の金属細線14fは、例えば、水平方向(図6の紙面に対して垂直方向)に延びるように形成されている。また、複数の金属細線14fは、例えば、約100nmの線幅を有するとともに、可視光の波長(例えば約510nm)よりも小さいピッチ(例えば200nm)で配置されている。また、複数の金属細線14fは、例えば約100nmの厚みを有するように形成されている。このため、フィルタ14e(フィルタ部材14)は、上記第1実施形態のフィルタ4e(フィルタ部材4)よりも小さい厚みを有する。
なお、複数の金属細線14f(フィルタ14e)は、金属細線14fの延びる方向(水平方向)と直交する方向に振動する直線偏光(例えばTE波)を透過し、金属細線14fの延びる方向に振動する直線偏光(例えばTM波)を反射させる機能を有する。
より詳細に説明すると、金属細線14fの線幅は小さいので、金属細線14fの延びる方向と直交する方向に振動する光(例えばTE波)は、金属細線14fの自由電子に吸収されない。このため、金属細線14fの延びる方向と直交する方向に振動する光は、フィルタ14eを透過する。その一方、金属細線14fの延びる方向に振動する光(例えばTM波)は、金属細線14fの自由電子に吸収され、自由電子は、再び電磁波を生成する。このため、金属細線14fの延びる方向に振動する光は、金属細線14fで反射される。
また、第2実施形態では、金属細線14f(フィルタ14e)は、真空蒸着法やスパッタリング法といった一般的に知られている薄膜形成方法を用いて、透光部材14dの、半導体レーザ素子2側および蛍光体15側の表面上に形成されている。
具体的には、真空蒸着法やスパッタリング法などを用いて、透光部材14dの、半導体レーザ素子2側および蛍光体15側の表面上に、約100nmの厚みを有するAl層(図示せず)が形成される。そして、フォトリソグラフィ技術などを用いて、Al層のうちの金属細線14fとなる領域以外の領域上に、レジストパターン層(図示せず)が形成される。なお、レジストパターン層は、電子線露光またはナノプリントや、その他の方法により形成することも可能である。
その後、RIE(Reactive Ion Etching)法などを用いて、Al層の所定領域が除去されることによって、金属細線14fが形成される。なお、金属細線14fは、RIBE(Reactive Ion Beam Etching)法、ICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング法、または、ウェットエッチング法や、その他の方法により形成することも可能である。
また、第2実施形態では、図4に示すように、蛍光体15は、上記第1実施形態と同様、フィルタ部材14に接触されている。具体的には、蛍光体15とフィルタ部材14と間に、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明な接着層(図示せず)が設けられていてもよい。また、フィルタ部材14の光出射面14b上に、蛍光体粒子を含有するガラスや樹脂などを固めることにより、蛍光体15が形成されていてもよい。また、フィルタ14e(金属細線14f)が、蛍光体15の表面上に直接形成されていてもよい。
また、第2実施形態では、接着層16は、フィルタ部材14の光入射面14a上に配置されており、フィルタ部材14を、反射鏡7の内面7bに接着している。そして、第2実施形態では、蛍光体15で発生する熱は、フィルタ部材14の光入射面14aから反射鏡7に放熱される。このため、フィルタ部材14の外形(光入射面14aの面積)を大きくすれば、蛍光体15で発生する熱を、効率よく反射鏡7に放熱させることが可能であり、フィルタ部材14の厚みを大きくする必要はない。
第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、フィルタ部材14を、反射鏡7の内側から貫通穴7aを塞ぐように配置することによって、フィルタ部材14に入射した光が、フィルタ部材14の側面14cから反射鏡7の外側(半導体レーザ素子2側)に漏れ出すのを抑制することができる。これにより、光の取り出し効率が低下するのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、フィルタ14e(フィルタ部材14)を、ワイヤーグリッドにより形成することによって、フィルタ部材14を、容易に形成することができる。また、フィルタ14e(フィルタ部材14)を多層膜偏光子により形成する場合に比べて、フィルタ部材14の厚みを小さくすることができるので、フィルタ部材14内のレーザ光の光路長が大きくなるのを抑制することができる。これにより、レーザ光の伝搬ロス(フィルタ部材14を透過する際のレーザ光の損失)を低減することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
この第3実施形態では、図7を参照して、上記第1および第2実施形態と異なり、フィルタ部材24が、反射鏡7の外側から貫通穴7aを塞いでいる場合について説明する。
本発明の第3実施形態による発光装置21では、図7に示すように、フィルタ部材24は、反射鏡7の貫通穴7aの穴径よりも大きい外形(直径)を有しており、反射鏡7の外側から貫通穴7aを塞いでいる。なお、フィルタ部材24は、貫通穴7aと異なる形状に形成されていてもよい。また、発光装置21は、本発明の「照明装置」の一例であり、フィルタ部材24は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例である。
また、フィルタ部材24は、光入射面24aと、光出射面24bと、側面24cとを含んでいる。
また、フィルタ部材24は、上記第2実施形態と同様、ワイヤーグリッドを用いて形成されている。なお、フィルタ部材24は、上記第1実施形態と同様に、多層膜偏光子を用いて形成されていてもよい。
蛍光体25は、反射鏡7の貫通穴7aの穴径と同じ、または、少しだけ小さい外形(直径)を有しており、貫通穴7aに挿入されている。また、蛍光体25は、貫通穴7aの深さよりも大きい厚み(高さ)を有しており、反射鏡7の内側に突出している。なお、蛍光体25は、反射鏡7の内側に突出していなくてもよい。
また、第3実施形態では、接着層26は、フィルタ部材24の光出射面24b上に配置されており、フィルタ部材24を反射鏡7の外面に接着している。そして、第3実施形態では、蛍光体25で発生する熱は、フィルタ部材24の光出射面24bから反射鏡7に放熱される。
また、蛍光体25は、貫通穴7aの内面に接着(接触)されていてもよく、この場合、蛍光体25で発生する熱を、蛍光体25の側面からも反射鏡7に放熱させることが可能である。これにより、蛍光体25が高温になり過ぎるのをより効果的に抑制することが可能である。
第3実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第1および第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、フィルタ部材24を、反射鏡7の外側から貫通穴7aを塞ぐように配置することによって、蛍光体25と反射鏡7の内面(反射面)7bとの間にフィルタ部材24が配置されることがないので、フィルタ部材24の面積を大きくしても、光の取り出し効率が低下することがない。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
この第4実施形態では、図8を参照して、上記第1〜第3実施形態と異なり、フィルタ部材34が反射鏡37の凹部(段差部)37cに配置されている場合について説明する。
本発明の第4実施形態による発光装置31では、図8に示すように、反射鏡37の貫通穴37aの内面37b側の部分に、凹部(段差部)37cが形成されている。なお、発光装置31は、本発明の「照明装置」の一例であり、反射鏡37は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。
フィルタ部材34は、光入射面34aと、光出射面34bと、側面34cとを含んでいる。なお、フィルタ部材34は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例である。
ここで、第4実施形態では、フィルタ部材34は、反射鏡37の凹部37cに配置され(埋め込まれ)ており、反射鏡37の内側から貫通穴37aを塞いでいる。
また、フィルタ部材34は、上記第2実施形態と同様、ワイヤーグリッドを用いて形成されている。なお、フィルタ部材34は、上記第1実施形態と同様に、多層膜偏光子を用いて形成されていてもよい。
また、第4実施形態では、接着層36は、フィルタ部材34の光入射面34a上の一部と、側面34c上とに配置されており、フィルタ部材34を貫通穴37aの内面に接着している。そして、第4実施形態では、蛍光体35で発生する熱は、フィルタ部材34のフィルタ部材34の光入射面34aの一部と、側面34cとから、反射鏡37に放熱される。
なお、蛍光体35は、その一部が凹部37c内に配置されていてもよいし、凹部37c内に配置されていなくてもよい。
また、蛍光体35は、凹部37cの内面に接着(接触)されていてもよく、この場合、蛍光体35が高温になり過ぎるのをより効果的に抑制することが可能である。
第4実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、フィルタ部材34の光入射面34aと、側面34cとを、反射鏡37に接触させる。これにより、フィルタ部材34と反射鏡37との接触面積を大きくすることができるので、蛍光体35で発生する熱を、効率的に反射鏡37に放熱させることができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
(第5実施形態)
この第5実施形態では、図9を参照して、上記第1〜第4実施形態と異なり、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光を、導光部材43を用いて蛍光体25に導光する場合について説明する。
本発明の第5実施形態による発光装置41は、図9に示すように、半導体レーザ素子2と、半導体レーザ素子2の前方に配置された集光レンズ42と、集光レンズ42の前方に配置された導光部材43と、導光部材43の前方に配置されたフィルタ部材24と、蛍光体25と、接着層26と、反射鏡7とを備えている。なお、発光装置41は、本発明の「照明装置」の一例であり、導光部材43は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。
集光レンズ42は、例えば両凸レンズにより形成されており、半導体レーザ素子2からのレーザ光を、集光して導光部材43に入射させる機能を有する。
導光部材43は、半導体レーザ素子2側(集光レンズ42側)に配置されるレーザ光入射面43aと、蛍光体25側(フィルタ部材24側)に配置されるレーザ光出射面43bとを含む。
また、導光部材43は、レーザ光入射面43aに入射したレーザ光を、全反射させながらフィルタ部材24および蛍光体25に導光する機能を有する。
また、導光部材43は、例えば、約0.1mm〜約3.0mmの直径を有する光ファイバにより形成されている。このように、導光部材43を光ファイバにより形成することによって、半導体レーザ素子2の配置位置の自由度を向上させることが可能である。
また、レーザ光入射面43a、集光レンズ42および半導体レーザ素子2は、一直線上に配置されている。また、レーザ光出射面43b、フィルタ部材24および蛍光体25は、一直線上に配置されている。
また、第5実施形態では、レーザ光出射面43bは、フィルタ部材24に接触されている。例えば、レーザ光出射面43bとフィルタ部材24との間に、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明な接着層(図示せず)が設けられていてもよい。
また、第5実施形態では、導光部材43は、偏波保持ファイバにより形成されており、半導体レーザ素子2からのレーザ光は、偏波面が保持された状態で、フィルタ部材24に導光される。
また、フィルタ部材24が、導光部材43を通過したレーザ光(直線偏光)を透過し、レーザ光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように、半導体レーザ素子2(または導光部材43)とフィルタ部材24とが角度調節されている。
なお、第5実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第1〜第4実施形態と同様である。
第5実施形態では、上記のように、フィルタ部材24を、導光部材43に接触させることによって、蛍光体25で発生しフィルタ部材24に放熱させた熱を、反射鏡7および導光部材43にさらに放熱させることができるので、蛍光体25が高温になり過ぎるのを、より抑制することができる。また、蛍光体25で発生する熱を放熱させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数が増加するのを抑制することができるとともに、発光装置1が大型化するのを抑制することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、レーザ光を導光する導光部材43を設けることによって、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光を容易に蛍光体25に導光することができるので、半導体レーザ素子2を所望の位置に配置することができる。このため、例えば、半導体レーザ素子2を既存の放熱部材に取り付けることもできる。この場合、新たに放熱部材を設けることなく、半導体レーザ素子2の放熱性を向上させることができる。
また、第5実施形態では、上記のように、導光部材43を、偏波保持ファイバにより形成する。これにより、半導体レーザ素子2から出射したレーザ光を、偏波面を保持した状態で、フィルタ部材24に入射させることができる。これにより、フィルタ部材24により、レーザ光の直線偏光を、容易に透過させることができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1〜第4実施形態と同様である。
(第6実施形態)
この第6実施形態では、図10を参照して、上記第1〜第5実施形態と異なり、集光機能を有する導光部材53を用いる場合について説明する。
本発明の第6実施形態による発光装置51では、図10に示すように、複数の半導体レーザ素子2と、導光部材53と、フィルタ部材54と、蛍光体55と、接着層56と、反射鏡57とを備えている。なお、発光装置51は、本発明の「照明装置」の一例であり、導光部材53は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。また、フィルタ部材54は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例であり、反射鏡57は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。
導光部材53は、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明な材料により形成されているとともに、集光機能を有する。
具体的には、導光部材53は、例えば台形状(四角錐台形状)に形成されており、レーザ光入射面53aと、レーザ光入射面53aよりも面積の小さいレーザ光出射面53bとを含む。
また、第6実施形態では、導光部材53のレーザ光入射面53aに対向するように、複数の半導体レーザ素子2が配置されている。そして、複数の半導体レーザ素子2から出射した光は、導光部材53に入射した後、導光部材53の表面部分で全反射されながら、レーザ光出射面53bに集光される。なお、複数の半導体レーザ素子2は、共振器(図示せず)の延長線が略一点に集中するように配置されていてもよい。
また、フィルタ部材54は、上記第2実施形態と同様、ワイヤーグリッドを用いて形成されている。なお、フィルタ部材54は、上記第1実施形態と同様に、多層膜偏光子を用いて形成されていてもよい。
また、第6実施形態では、フィルタ部材54は、導光部材53のレーザ光出射面53bに接触されている。なお、レーザ光入射面53aがフィルタ部材54と同程度の面積を有する場合は、フィルタ部材54(ワイヤーグリッドまたは多層膜偏光子)をレーザ光出射面53b上に直接形成することも可能である。
蛍光体55は、反射鏡57の貫通穴57aの穴径と同じ、または、少しだけ小さい外形(直径)を有しており、貫通穴57aに挿入されている。また、蛍光体55は、貫通穴57aの深さよりも大きい厚み(高さ)を有しており、反射鏡57の内側に突出している。なお、蛍光体55は、反射鏡57の内側に突出していなくてもよい。
また、第6実施形態では、接着層56は、フィルタ部材54の光出射面54b上に配置されており、フィルタ部材54を、反射鏡57の外面に接着している。そして、第6実施形態では、蛍光体55で発生する熱は、フィルタ部材54から反射鏡57および導光部材53に放熱される。
また、蛍光体55は、貫通穴57aの内面に接着(接触)されていてもよく、この場合、蛍光体55が高温になり過ぎるのをより効果的に抑制することが可能である。
第6実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第1〜第5実施形態と同様である。
第6実施形態では、上記のように、導光部材53に、レーザ光入射面53aと、レーザ光入射面53aよりも小さい面積を有するレーザ光出射面53bとを設けることによって、導光部材53の内部を通過するレーザ光を、集光することができる。これにより、複数の半導体レーザ素子2から出射したレーザ光を、導光部材53により集光して、1つの蛍光体55に照射させることができる。その結果、複数の半導体レーザ素子2を用いる場合にも、蛍光体55の数が多くなるのを抑制することができるので、発光装置51を、より小型化・軽量化することができる。
なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第1〜第5実施形態と同様である。
(第7実施形態)
この第7実施形態では、図11を参照して、上記第6実施形態と異なり、導光部材53の表面が金属部材63で覆われている場合について説明する。
本発明の第7実施形態による発光装置61では、図11に示すように、導光部材53の、レーザ光入射面53aおよびレーザ光出射面53b以外の表面全面が、金属部材63で覆われている。なお、発光装置61は、本発明の「照明装置」の一例である。
そして、第7実施形態では、フィルタ部材64は、レーザ光出射面53bおよび金属部材63に接触されている。なお、フィルタ部材64は、レーザ光出射面53bおよび金属部材63上に直接形成されていてもよい。また、フィルタ部材64は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例である。
また、フィルタ部材64は、上記第2実施形態と同様、ワイヤーグリッドを用いて形成されている。なお、フィルタ部材64は、上記第1実施形態と同様に、多層膜偏光子を用いて形成されていてもよい。
蛍光体65は、反射鏡67の貫通穴67aの穴径と同じ、または、少しだけ小さい外形(直径)を有しており、貫通穴67aに挿入されている。また、蛍光体65は、貫通穴67aの深さよりも大きい厚み(高さ)を有しており、反射鏡67の内側に突出している。なお、蛍光体65は、反射鏡67の内側に突出していなくてもよい。また、蛍光体65は、貫通穴67aの内面に接着(接触)されていてもよい。また、反射鏡67は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。
また、第7実施形態では、接着層66は、フィルタ部材64の光出射面64b上に配置されており、フィルタ部材64を、反射鏡67の外面に接着している。そして、第7実施形態では、蛍光体65で発生する熱は、フィルタ部材64から金属部材63、導光部材53および反射鏡67に放熱される。
第7実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第6実施形態と同様である。
第7実施形態では、上記のように、導光部材53を、金属部材63で覆い、フィルタ部材64を、金属部材63に接触させる。これにより、蛍光体65で発生しフィルタ部材64に放熱させた熱を、金属部材63、導光部材53および反射鏡67にさらに放熱させることができるので、蛍光体65で発生する熱を、より効率的に放熱させることができる。
また、第7実施形態のその他の効果は、上記第6実施形態と同様である。
(第8実施形態)
この第8実施形態では、図12を参照して、上記第1〜第7実施形態と異なり、半導体レーザ素子2がフィルタ部材74に接触されている場合について説明する。
本発明の第8実施形態による発光装置71は、図12に示すように、半導体レーザ素子2と、フィルタ部材74と、蛍光体75と、接着層76と、反射鏡77とを備えている。なお、発光装置71は、本発明の「照明装置」の一例であり、フィルタ部材74は、本発明の「反射型偏光フィルタ部材」の一例である。また、反射鏡77は、本発明の「光を反射または導光する部材」の一例である。
第8実施形態では、半導体レーザ素子2は、フィルタ部材74に接触されている。例えば、半導体レーザ素子2とフィルタ部材74との間に、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光に対して透明な接着層(図示せず)が設けられていてもよい。
また、半導体レーザ素子2は、反射鏡77の貫通穴77aに挿入されている。なお、半導体レーザ素子2は、貫通穴77aの内面に接着(接触)されていてもよい。
また、フィルタ部材74は、上記第2実施形態と同様、ワイヤーグリッドを用いて形成されている。なお、フィルタ部材74は、上記第1実施形態と同様に、多層膜偏光子を用いて形成されていてもよい。
また、第8実施形態では、接着層76は、フィルタ部材74の光入射面74a上に配置されており、フィルタ部材74を、反射鏡77の内面77bに接着している。そして、第8実施形態では、蛍光体75および半導体レーザ素子2で発生する熱は、フィルタ部材74および反射鏡77に放熱される。
なお、第8実施形態では、フィルタ部材74は、反射鏡77の内側から貫通穴77aを塞いでいるが、上記第1実施形態のようにフィルタ部材74が貫通穴77aに嵌め込まれていてもよいし、上記第2実施形態のように反射鏡77の外側から貫通穴77aを塞いでいてもよい。
第8実施形態のその他の構造および製造方法は、上記第1〜第7実施形態と同様である。
第8実施形態では、上記のように、半導体レーザ素子2を、フィルタ部材74に接触させる。これにより、半導体レーザ素子2、フィルタ部材74および蛍光体75を一体的に形成することができるので、発光装置71をより小型化・軽量化することができる。また、半導体レーザ素子2で発生する熱を、フィルタ部材74および反射鏡77に放熱させることができるので、半導体レーザ素子2が高温になるのを抑制することができる。
また、第8実施形態のその他の効果は、上記第1〜第7実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、本発明の発光装置は、インジケータランプ(表示灯)、イルミネーションランプ(電球)、プロジェクタまたはレーザポインタや、その他の各種発光装置に適用可能である。また、本発明の発光装置は、自動車(車両)等の移動体用前照灯、表示装置用のバックライト、室内用照明装置、サーチライトまたは内視鏡用照明装置や、その他の各種照明装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、レーザ光を可視光に変換した例について示したが、本発明はこれに限らず、レーザ光を可視光以外の光に変換してもよい。例えば、レーザ光を赤外光に変換する場合には、セキュリティ用CCDカメラの夜間照明装置や、赤外線暖房機の赤外線発光装置などにも適用可能である。
また、上記実施形態では、レーザ発生器として、半導体レーザ素子を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子以外のレーザ発生器を用いてもよい。
また、上記実施形態では、青紫色のレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、レーザ光を青色光、緑色光、赤色光からなる可視光に変換して出射する蛍光体とを設け、青色光、緑色光および赤色光が混色されることにより白色光を出射するように構成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、青色光のレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、青色光の一部を黄色光に変換して出射する蛍光体とを設けてもよいし、他の色の光を出射する半導体レーザ素子および蛍光体を設けてもよい。また、白色光以外の光を出射するように、半導体レーザ素子および蛍光体を構成してもよい。
また、上記実施形態では、フィルタ部材(反射型偏光フィルタ部材)を、多層膜偏光子やワイヤーグリッドにより形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、フィルタ部材を、多層膜偏光子およびワイヤーグリッド以外により形成してもよい。
また、例えば上記第1実施形態では、多層膜偏光子を、CaCOおよびSiOを用いて形成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、多層膜偏光子を、例えばアルミナやポリマーなどの、CaCOおよびSiO以外の材料を用いて形成してもよい。
また、例えば上記第1実施形態では、CaCO層とSiO層とを50層ずつ積層して多層膜偏光子を形成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、CaCO層およびSiO層の層数は、任意の数に設定可能である。
また、例えば上記第2実施形態では、ワイヤーグリッド(金属細線)を、Alにより形成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、ワイヤーグリッドを、ステンレス、Au、AgまたはCuなどの他の金属材料により形成してもよい。
また、例えば上記第6および第7実施形態では、複数の半導体レーザ素子と、集光機能を有する導光部材とを設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、半導体レーザ素子を1つだけ設ける場合であっても、集光機能を有する導光部材を用いてもよい。この場合、レーザ光を集光することにより、蛍光体を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、蛍光体の前方に反射鏡を設けない例について説明したが、本発明はこれに限らず、図13に示した本発明の変形例による発光装置81のように、蛍光体55の前方に反射鏡82を設けてもよい。この場合、反射鏡82を、蛍光体55からの光を蛍光体55に反射させるように構成してもよい。このように構成すれば、蛍光体55から出射した光がそのまま発光装置81から出射されることがない。すなわち、蛍光体55から出射した光は、一旦反射鏡57に反射されて発光装置81から出射されるので、発光装置81の照射範囲を制御することができる。
また、蛍光体55の厚みが小さい場合には、蛍光体55に変換されずに蛍光体55を透過してしまうレーザ光が発生する場合があるが、蛍光体55の前方に反射鏡82を設けることによって、蛍光体55を透過したレーザ光を再度蛍光体55に入射させ、可視光に変換させることができる。
また、上記実施形態では、フィルタ部材を、少なくとも反射鏡に接触させた例について説明したが、本発明はこれに限らず、フィルタ部材を、導光部材のみに接触させてもよい。
また、例えば、上記第1実施形態では、フィルタ部材を貫通穴に嵌め込む場合に、フィルタ部材を多層膜偏光子により形成し、第2実施形態では、フィルタ部材により反射鏡の内側から貫通穴を塞ぐ場合に、フィルタ部材をワイヤーグリッドにより形成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、フィルタ部材を貫通穴に嵌め込む場合に、フィルタ部材をワイヤーグリッドにより形成し、フィルタ部材により反射鏡の内側から貫通穴を塞ぐ場合に、フィルタ部材を多層膜偏光子により形成してもよい。
また、上記第4実施形態では、フィルタ部材の光入射面および側面を反射鏡に接触させた例について示したが、本発明はこれに限らず、フィルタ部材の光出射面および側面を反射鏡に接触させてもよい。この場合、フィルタ部材を、蛍光体よりも大きい断面積を有するように形成してもよい。また、フィルタ部材の光入射面、光出射面および側面を反射鏡に接触させてもよい。
また、上記第5〜第7実施形態では、導光部材を用いる場合に、フィルタ部材が反射鏡の外側から貫通穴を塞ぐ例について示したが、本発明はこれに限らず、導光部材を用いる場合に、上記第1実施形態のようにフィルタ部材が反射鏡の貫通穴に嵌め込まれていてもよいし、上記第2実施形態のようにフィルタ部材が反射鏡の内側から貫通穴を塞いでいてもよい。
また、上記第5〜第7実施形態と異なり、導光部材を、例えば、レンズにより形成してもよい。そして、フィルタ部材をレンズに接触させてもよい。
1、11、21、31、41、51、61、71、81 発光装置(照明装置)
2 半導体レーザ素子(レーザ発生器)
4、14、24、34、54、64、74 フィルタ部材(反射型偏光フィルタ)
4f CaCO層(多層膜偏光子)
4g SiO層(多層膜偏光子)
5、15、25、35、55、65、75 蛍光体
7、37、57、67、77 反射鏡(光を反射または導光する部材)
7a、37a、57a、67a、77a 貫通穴
14f 金属細線(ワイヤーグリッド)
34a 光入射面
34b 光出射面
34c 側面
43、53 導光部材(光を反射または導光する部材)
53a レーザ光入射面
53b レーザ光出射面
63 金属部材

Claims (20)

  1. 直線偏光のレーザ光を出射するレーザ発生器と、
    前記レーザ発生器からのレーザ光が照射される蛍光体と、
    前記レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に配置される反射型偏光フィルタ部材とを備え、
    前記蛍光体は、前記反射型偏光フィルタ部材に接触されており、
    前記反射型偏光フィルタ部材は、前記レーザ光の直線偏光を透過し、前記レーザ光の直線偏光の偏波面と直交する偏波面を有する直線偏光を反射するように形成されていることを特徴とする発光装置。
  2. 光を反射または導光する部材をさらに備え、
    前記反射型偏光フィルタ部材は、前記光を反射または導光する部材に接触されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記光を反射または導光する部材は、前記蛍光体からの光を所定の方向に反射する反射鏡を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記光を反射または導光する部材は、前記レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に配置され、前記レーザ光を導光する導光部材を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  5. 前記蛍光体からの光を所定の方向に反射する反射鏡をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記反射鏡は、前記レーザ発生器から出射したレーザ光が通過する貫通穴を含み、
    前記反射型偏光フィルタ部材は、前記貫通穴を塞ぐように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記反射型偏光フィルタ部材は、前記貫通穴に、隙間がないように嵌め込まれていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記反射型偏光フィルタ部材は、前記反射鏡の内側から前記貫通穴を塞ぐように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  9. 前記反射型偏光フィルタ部材は、前記反射鏡の外側から前記貫通穴を塞ぐように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  10. 前記反射型偏光フィルタ部材は、前記レーザ光が入射される光入射面と、前記レーザ光が出射する光出射面と、前記光入射面および前記光出射面に対して交差するように配置された側面とを含み、
    前記光入射面および前記光出射面の少なくとも一方と、前記側面とは、前記反射鏡に接触されていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  11. 前記蛍光体からの光を所定の方向に反射する反射鏡をさらに備え、
    前記反射鏡は、前記レーザ発生器から出射したレーザ光が通過する貫通穴を含み、
    前記蛍光体の少なくとも一部は、前記貫通穴に挿入されており、
    前記蛍光体は、前記貫通穴の内面に接触されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. 前記レーザ発生器から出射したレーザ光の通過領域に配置され、前記レーザ光を導光する導光部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光装置。
  13. 前記導光部材は、偏波保持ファイバを含むことを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記導光部材は、レーザ光入射面と、前記レーザ光入射面よりも小さい面積を有するレーザ光出射面とを含むことを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
  15. 前記導光部材は、金属部材により覆われており、
    前記反射型偏光フィルタ部材は、前記金属部材に接触されていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の発光装置。
  16. 前記レーザ発生器は、半導体レーザ素子を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光装置。
  17. 前記半導体レーザ素子は、前記反射型偏光フィルタ部材に接触されていることを特徴とする請求項16に記載の発光装置。
  18. 前記反射型偏光フィルタ部材は、多層膜偏光子を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光装置。
  19. 前記反射型偏光フィルタ部材は、ワイヤーグリッドを含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光装置。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101557404B1 (ko) * 2013-12-17 2015-10-12 한국광기술원 레이저 조명장치

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