JP2012093606A - 光変調装置及びプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】光の利用効率に優れた光変調装置及びプロジェクターを提供する。
【解決手段】入射した光束を変調して画像を形成する光変調装置は、画像を構成する画素毎に変調部80Aがそれぞれ設けられた構成を有する。変調部80Aは、入射した光束を通過させる第1の位置または入射した光束を遮断する第2の位置に移動可能に構成されたシャッター88と、シャッター88に力を加えることでシャッター88を第1の位置または第2の位置に移動させる圧電素子87とを備える。シャッター88は、光変調装置に入射する光束の光軸に直交する平面に対して面外方向に回転することで第1の位置または第2の位置に移動する。
【選択図】図4
【解決手段】入射した光束を変調して画像を形成する光変調装置は、画像を構成する画素毎に変調部80Aがそれぞれ設けられた構成を有する。変調部80Aは、入射した光束を通過させる第1の位置または入射した光束を遮断する第2の位置に移動可能に構成されたシャッター88と、シャッター88に力を加えることでシャッター88を第1の位置または第2の位置に移動させる圧電素子87とを備える。シャッター88は、光変調装置に入射する光束の光軸に直交する平面に対して面外方向に回転することで第1の位置または第2の位置に移動する。
【選択図】図4
Description
本発明は、光変調装置及びプロジェクターに関する。
従来、プロジェクターにおいて、入射した光束を画像情報に応じて変調して画像を形成する光変調装置として、液晶を用いた光変調装置の他、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により製造した光変調装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光変調装置は、画素毎に微小なミラーが配設され、当該微小なミラーの入射角度を制御することにより、光源から出射された光束を光変調して画像を形成するDMD(米国テキサスインスツルメンツ社の商標)で構成されている。
そして、このようなMEMS技術により製造した光変調装置では、液晶の熱劣化等の問題が生じることがなく、長寿命化が図り易いという利点がある。
特許文献1に記載の光変調装置は、画素毎に微小なミラーが配設され、当該微小なミラーの入射角度を制御することにより、光源から出射された光束を光変調して画像を形成するDMD(米国テキサスインスツルメンツ社の商標)で構成されている。
そして、このようなMEMS技術により製造した光変調装置では、液晶の熱劣化等の問題が生じることがなく、長寿命化が図り易いという利点がある。
しかしながら、光変調装置としてDMDを用いた場合には、光源から出射された光束を微小なミラーで反射するため、その反射時に入射した光束の一部が微小なミラーによって吸収されてしまう。
すなわち、微小なミラーによって一部の光束が吸収された分、プロジェクターからの投影画像の輝度が低下することとなり、光源から出射された光束を効率的に利用することが難しい、という問題がある。
すなわち、微小なミラーによって一部の光束が吸収された分、プロジェクターからの投影画像の輝度が低下することとなり、光源から出射された光束を効率的に利用することが難しい、という問題がある。
本発明の目的は、光の利用効率に優れた光変調装置及びプロジェクターを提供することにある。
本発明の光変調装置は、入射した光束を変調して画像を形成する光変調装置であって、前記光変調装置は、前記画像を構成する画素毎に変調部がそれぞれ設けられ、前記変調部は、入射した光束を通過させる第1の位置または入射した光束を遮断する第2の位置に移動可能に構成されたシャッターと、前記シャッターに力を加えることで前記シャッターを前記第1の位置または前記第2の位置に移動させる駆動手段とを備え、前記シャッターは、前記光変調装置に入射する光束の光軸に直交する平面に対して面外方向に回転することで前記第1の位置または前記第2の位置に移動することを特徴とする。
本発明では、光変調装置は、シャッター及び駆動手段を備える変調部を画素毎に設けた構成を有する。そして、この光変調装置は、各駆動手段により各シャッターを第1の位置または第2の位置に位置付けて入射した光束の通過または遮断を切り替えることで光変調を実施し、画像を形成する。このように、光束の通過または遮断を切り替えるシャッターを用いて光変調を行うため、従来のDMDを用いて光変調を行う場合と比較して、画像を構成する光がミラー等で吸収されることがなく、光の利用効率を向上できる。
本発明の光変調装置では、前記変調部は、前記シャッターに対して光路上流側に位置し、入射した光束を集光する集光レンズを備えることが好ましい。
本発明では、シャッターに対して光路上流側に集光レンズが位置していることで、シャッターは、第2の位置で入射した光束を遮断する際、集光レンズで集光された光束を遮断すればよいため、集光レンズを用いない構成と比較して、シャッター自体を小型化できる。
本発明では、シャッターに対して光路上流側に集光レンズが位置していることで、シャッターは、第2の位置で入射した光束を遮断する際、集光レンズで集光された光束を遮断すればよいため、集光レンズを用いない構成と比較して、シャッター自体を小型化できる。
本発明の光変調装置では、前記シャッターは、前記第2の位置での光束の遮断を前記集光レンズの焦点位置で行うことが好ましい。
本発明では、集光レンズの焦点位置で光束を遮断するため、シャッターは、第2の位置で入射した光束を遮断する際、最も集光された光束を遮断すればよいため、シャッターを最小の構成にできる。
本発明では、集光レンズの焦点位置で光束を遮断するため、シャッターは、第2の位置で入射した光束を遮断する際、最も集光された光束を遮断すればよいため、シャッターを最小の構成にできる。
本発明の光変調装置では、前記シャッターは、光入射側の端面に第1のミラーを備え、前記第1のミラーは、前記シャッターが前記第2の位置に移動した際に、入射した光束を反射することが好ましい。
本発明では、シャッターが第2の位置に位置付けられた際に、第1のミラーが光束を反射するため、シャッターへの光の吸収を防止でき、第1のミラーを有していないシャッターによって単に光束を遮断した場合と比較して、シャッターの温度上昇を防止できる。
本発明では、シャッターが第2の位置に位置付けられた際に、第1のミラーが光束を反射するため、シャッターへの光の吸収を防止でき、第1のミラーを有していないシャッターによって単に光束を遮断した場合と比較して、シャッターの温度上昇を防止できる。
本発明の光変調装置では、前記変調部は、前記第1のミラーで反射された光束を前記第1のミラーに向けて反射する第2のミラーを備えることが好ましい。
本発明では、第1のミラーで反射された光を第2のミラーが第1のミラーに向けて反射する。このため、この第2のミラーで反射された光を第1のミラーで反射して、光束の光路に戻すことができる。
したがって、光路に戻った光束を再利用することができ、光の利用効率を向上できる。
本発明では、第1のミラーで反射された光を第2のミラーが第1のミラーに向けて反射する。このため、この第2のミラーで反射された光を第1のミラーで反射して、光束の光路に戻すことができる。
したがって、光路に戻った光束を再利用することができ、光の利用効率を向上できる。
本発明のプロジェクターは、前述した本発明の光変調装置を備えることを特徴とする。
本発明では、プロジェクターが前述した本発明の光変調装置を備えるため、前述した本発明の光変調装置と同様の効果を奏する。
本発明では、プロジェクターが前述した本発明の光変調装置を備えるため、前述した本発明の光変調装置と同様の効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、プロジェクター1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクター1は、光源から出射された光束を変調して画像を形成し、該画像をスクリーン等の投射面上に投射する。このプロジェクター1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2と、この外装筺体2内部に収納配置される光学ユニット3と、制御装置11とで概略構成される。
なお、具体的な図示は省略するが、外装筺体2内部には、光学ユニット3及び制御装置11の他、プロジェクター1の構成部材に外部からの電力を供給する電源ユニット、プロジェクター1内部を冷却する冷却ユニット等が配置されるものとする。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、プロジェクター1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクター1は、光源から出射された光束を変調して画像を形成し、該画像をスクリーン等の投射面上に投射する。このプロジェクター1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2と、この外装筺体2内部に収納配置される光学ユニット3と、制御装置11とで概略構成される。
なお、具体的な図示は省略するが、外装筺体2内部には、光学ユニット3及び制御装置11の他、プロジェクター1の構成部材に外部からの電力を供給する電源ユニット、プロジェクター1内部を冷却する冷却ユニット等が配置されるものとする。
光学ユニット3は、外装筺体2内部に配置され、画像を形成して投射する。この光学ユニット3は、図1に示すように、光源ランプ4A及びリフレクター4Bを有する光源装置4と、レンズアレイ5A,5B、及び重畳レンズ5Cを有する照明光学装置5と、ダイクロイックミラー6A,6B、及び反射ミラー6Cを有する色分離光学装置6と、入射側レンズ7A、リレーレンズ7C、及び反射ミラー7B,7Dを有するリレー光学装置7と、3つのフィールドレンズ8Aと、3つの光変調装置8R,8G,8B(赤色光側の光変調装置を8R、緑色光側の光変調装置を8G、青色光側の光変調装置を8Bとする)、及び色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム8Cを有する光学装置8と、投射光学装置としての投射レンズ9と、各光学部品4〜8を収納するとともに投射レンズ9を支持する光学部品用筐体10とを備える。
そして、光学ユニット3では、上述した構成により、光源装置4から出射され照明光学装置5を介した光束は、色分離光学装置6にてR,G,Bの3つの色光に分離される。また、分離された各色光は、フィールドレンズ8Aで各々略平行光とされ、各光変調装置8R,8G,8Bにてそれぞれ変調される。変調された各色光は、プリズム8Cにて合成されてカラー画像となり、投射レンズ9にてスクリーンに投射される。
制御装置11は、外装筺体2内部に配置され、プロジェクター1全体を制御する。具体的に、制御装置11は、光学ユニット3が備える光変調装置8R,8G,8Bを制御して、画像情報(画像信号)に基づく画像を光変調装置8R,8G,8Bに形成させる。
そして、光学ユニット3では、上述した構成により、光源装置4から出射され照明光学装置5を介した光束は、色分離光学装置6にてR,G,Bの3つの色光に分離される。また、分離された各色光は、フィールドレンズ8Aで各々略平行光とされ、各光変調装置8R,8G,8Bにてそれぞれ変調される。変調された各色光は、プリズム8Cにて合成されてカラー画像となり、投射レンズ9にてスクリーンに投射される。
制御装置11は、外装筺体2内部に配置され、プロジェクター1全体を制御する。具体的に、制御装置11は、光学ユニット3が備える光変調装置8R,8G,8Bを制御して、画像情報(画像信号)に基づく画像を光変調装置8R,8G,8Bに形成させる。
〔光変調装置の構成〕
図2は、光変調装置8Rを模式的に示す正面図である。具体的に、図2は、光変調装置8Rの光入射側を部分的に平面視したものである。なお、以下、代表して光変調装置8Rについて説明するが、光変調装置8G,8Bについても同様の構成である。また、図2では、便宜上、後述する図4に示すマイクロレンズ84,85は図示を省略している(以下の図3及び図5についても同様である)。
図2は、光変調装置8Rを模式的に示す正面図である。具体的に、図2は、光変調装置8Rの光入射側を部分的に平面視したものである。なお、以下、代表して光変調装置8Rについて説明するが、光変調装置8G,8Bについても同様の構成である。また、図2では、便宜上、後述する図4に示すマイクロレンズ84,85は図示を省略している(以下の図3及び図5についても同様である)。
光変調装置8Rは、図2に示すように、複数の変調部80A、支持部材81、複数の走査(ゲート)線82、及び複数の信号線83を備える。
支持部材81は、シリコン基板、ガラス基板または金属製の基板等によって構成されており、マトリクス状に配された複数の矩形状の開口部81Aを有している。
支持部材81は、シリコン基板、ガラス基板または金属製の基板等によって構成されており、マトリクス状に配された複数の矩形状の開口部81Aを有している。
この支持部材81には、複数の走査線82と、複数の信号線83とが形成されている。
複数の走査線82は、支持部材81において、行方向(図2中、左右方向)に延びるようにそれぞれ形成され、列方向(図2中、上下方向)に並設されている。そして、複数の走査線82は、図1に示す制御装置11から出力される制御信号を、後述する各基台86に設けられた回路部(図示略)に供給する。
複数の信号線83は、支持部材81において、列方向に延びるようにそれぞれ形成され、行方向に並設されている。そして、複数の信号線83は、制御装置11から出力される駆動信号を前記回路部に供給する。
複数の走査線82は、支持部材81において、行方向(図2中、左右方向)に延びるようにそれぞれ形成され、列方向(図2中、上下方向)に並設されている。そして、複数の走査線82は、図1に示す制御装置11から出力される制御信号を、後述する各基台86に設けられた回路部(図示略)に供給する。
複数の信号線83は、支持部材81において、列方向に延びるようにそれぞれ形成され、行方向に並設されている。そして、複数の信号線83は、制御装置11から出力される駆動信号を前記回路部に供給する。
変調部80Aは、支持部材81の複数の開口部81A毎に配置されている。なお、この変調部80A(開口部81A)は、画像を構成する画素毎にそれぞれ設けられている。例えば、光変調装置8Rによって1024×768画素の画像を生成する場合には、光変調装置8Rは、1024×768個の変調部80Aを備える。
図3は、変調部80Aを模式的に示す側面図である。なお、図3では、走査線82及び信号線83を省略している。以下の図についても同様である。
変調部80Aは、図2ないし図4に示すように、マイクロレンズ84,85(図4)と、基台86と、駆動手段としての圧電素子87(図3、図4)と、シャッター88と、反射部材89とを備える。
変調部80Aは、図2ないし図4に示すように、マイクロレンズ84,85(図4)と、基台86と、駆動手段としての圧電素子87(図3、図4)と、シャッター88と、反射部材89とを備える。
集光レンズとしての第1のマイクロレンズ84は、支持部材81の光入射側(後述するシャッター88に対して光路上流側)に配設され、フィールドレンズ8Aから出射された光束を焦点位置P(図4)に集光する。
第2のマイクロレンズ85は、支持部材81の光出射側に配設されている。より具体的に、第2のマイクロレンズ85は、焦点位置が第1のマイクロレンズ84の焦点位置Pに一致するように配設されている。そして、第2のマイクロレンズ85は、第1のマイクロレンズ84が集光した光束を略平行光として出射する。
第2のマイクロレンズ85は、支持部材81の光出射側に配設されている。より具体的に、第2のマイクロレンズ85は、焦点位置が第1のマイクロレンズ84の焦点位置Pに一致するように配設されている。そして、第2のマイクロレンズ85は、第1のマイクロレンズ84が集光した光束を略平行光として出射する。
基台86は、図3に示すように、支持部材81の開口部81Aの下面81Bに設けられている。この基台86における上面86Aは、光入射側から光出射側に向かって開口部81Aが次第に狭くなるような傾斜面となっている。この上面86Aには、スイッチング素子等を有する前記回路部が形成されており、このスイッチング素子を介して、前述した駆動信号に応じて圧電素子87に駆動電圧を印加可能に構成されている。なお、このスイッチング素子は、前述した制御信号に応じて導通状態と非導通状態とを切り替える。すなわち、圧電素子87の駆動(圧電素子87への駆動電圧の印加)は、制御装置11により制御される。
圧電素子87は、前記回路部による電圧の印加状態に応じて伸縮する。
そして、圧電素子87は、外縁部分が基台86の上面86Aに固定され、前記回路部による電圧の印加状態に応じて、上面86Aに沿う形状、または、上方側に向う凸形状に変形する。
そして、圧電素子87は、外縁部分が基台86の上面86Aに固定され、前記回路部による電圧の印加状態に応じて、上面86Aに沿う形状、または、上方側に向う凸形状に変形する。
シャッター88は、矩形板状に構成され、マイクロレンズ84で集光された光束の通過または遮断を行う。
シャッター88は、光入射側(図3における左側)の端縁にヒンジ部88Aを有している。そして、シャッター88は、このヒンジ部88Aを中心として回転移動を可能に基台86に支持されている。なお、このヒンジ部88Aの回転軸Aは、光変調装置8Rに入射する光束の光軸に直交するように設けられている。これにより、シャッター88は、当該光軸に直交する平面Sに対して面外方向(図3中の矢印方向)に回転可能に構成されている。つまり、シャッター88の端縁(本実施形態では、光出射側の端縁)が、この平面Sに対して近接隔離するように(平面Sに対する角度が変化するように)回転可能に構成されている。
シャッター88は、光入射側(図3における左側)の端縁にヒンジ部88Aを有している。そして、シャッター88は、このヒンジ部88Aを中心として回転移動を可能に基台86に支持されている。なお、このヒンジ部88Aの回転軸Aは、光変調装置8Rに入射する光束の光軸に直交するように設けられている。これにより、シャッター88は、当該光軸に直交する平面Sに対して面外方向(図3中の矢印方向)に回転可能に構成されている。つまり、シャッター88の端縁(本実施形態では、光出射側の端縁)が、この平面Sに対して近接隔離するように(平面Sに対する角度が変化するように)回転可能に構成されている。
また、シャッター88は、光入射側の端面(図3中、斜め左上方を向く面)に第1のミラー88Bを有する。つまり、シャッター88は、光入射側の端面が反射面となっている。例えば、この第1のミラー88Bは、シャッター88にアルミニウム等の光反射率の高い部材を成膜することで形成できる。なお、この第1のミラー88Bは、シャッター88自体をアルミニウム等の光反射率の高い部材として構成してもよい。
反射部材89は、開口部81Aの上面81Cに設けられており、第1のミラー88Bで反射された光を反射させる第2のミラー89Aを備える。具体的に、第2のミラー89Aは、凹状の反射面で構成されており、反射した光が焦点位置P(図4)に集光するように設置されている。
図4及び図5は、変調部80Aの動作を説明するための図である。具体的に、図4は、変調部80Aの側面図であり、図5は、変調部80Aの背面図である。また、図4(A)及び図5(A)は、圧電素子87に電圧が印加されていない状態を示し、図4(B)及び図5(B)は、圧電素子87に電圧が印加されている状態を示す。
圧電素子87は、電圧が印加されていない場合には、図4(A)及び図5(A)に示すように、上面86Aに沿う形状を保持する。これにより、シャッター88は、第1のマイクロレンズ84によって集光された光束を通過させる第1の位置に位置付けられる。そして、この通過した光束は、第2のマイクロレンズ85に入射し、第2のマイクロレンズ85で平行化されてプリズム8Cに出射される。
一方、圧電素子87は、電圧が印加された場合には、図4(B)及び図5(B)に示すように、上方側に向う凸形状に変形する。これにより、シャッター88は、第1のマイクロレンズ84によって集光された光束を遮断する第2の位置に位置付けられる。そして、シャッター88によって遮断された光束は、図4(B)に示すように、第1のミラー88Bで反射された後、第2のミラー89Aで反射されてシャッター88に戻り、さらに第1のミラー88Bで反射されてフィールドレンズ8A側の光束の光路に戻される。
なお、本実施形態では、第1の位置から第2の位置までのシャッター88の移動量、すなわち回転角を小さく構成している。具体的に、シャッター88を焦点位置Pの近傍に設置し、第1の位置においてマイクロレンズ84が集光する光束に沿い、第2の位置において第1のミラー88Bが焦点位置Pと一致するように設置することで回転角を小さくしている。なお、本実施形態では、このシャッター88の回転角を20度に設定している。
この変調部80Aを備える光変調装置8Rは、以下のように画像の階調を制御して光変調を行う。なお、以下の制御は、制御装置11が、圧電素子87の駆動を制御すること、すなわちシャッター88の位置を制御することで行う。
図6は、光変調装置8Rでの階調制御を説明するための図である。図6(A)は、赤色光の階調を100%に制御する場合を示し、図6(B)は、赤色光の階調を50%に制御している場合を示し、図6(C)は、赤色光の階調を0%に制御している場合を示している。なお、図6(A)〜(C)の横軸は時間軸であり、縦軸は、シャッター88の状態を示している。シャッター88は、「ON」の場合には、第1の位置に位置し、「OFF」の場合には、第2の位置に位置する。
図6は、光変調装置8Rでの階調制御を説明するための図である。図6(A)は、赤色光の階調を100%に制御する場合を示し、図6(B)は、赤色光の階調を50%に制御している場合を示し、図6(C)は、赤色光の階調を0%に制御している場合を示している。なお、図6(A)〜(C)の横軸は時間軸であり、縦軸は、シャッター88の状態を示している。シャッター88は、「ON」の場合には、第1の位置に位置し、「OFF」の場合には、第2の位置に位置する。
図6(A)に示すように、制御装置11の制御の下、単位時間あたりのシャッター88の状態を、常時「ON」とすることで、当該単位時間における赤色光の階調を100%とすることができる。図6(B)に示すように、「ON」の時間と「OFF」の時間を50%ずつとすることで、赤色光の階調を50%とすることができる。また、図6(C)に示すように、常時「OFF」とすることで、赤色光の階調を0%とすることができる。このように、光変調装置8Rでは、「ON」と「OFF」とを時間変調すること、すなわち、「ON」と「OFF」の時間の比率を変化させることで、画像の階調を制御することができる。
以上のように、光変調装置8Rでの階調制御は、「ON」と「OFF」の二値によるパルス幅変調(PWM)で行うことができる。
以上のように、光変調装置8Rでの階調制御は、「ON」と「OFF」の二値によるパルス幅変調(PWM)で行うことができる。
上述した一実施形態では、以下の効果がある。
本実施形態では、各光変調装置8R,8G,8Bは、圧電素子87及びシャッター88を備える変調部80Aを画素毎に設けた構成を有する。そして、この光変調装置8R,8G,8Bは、各圧電素子87により各シャッター88を第1の位置または第2の位置に位置付けて入射した光束の通過または遮断を切り替えることで光変調を実施し、画像を形成する。
本実施形態では、各光変調装置8R,8G,8Bは、圧電素子87及びシャッター88を備える変調部80Aを画素毎に設けた構成を有する。そして、この光変調装置8R,8G,8Bは、各圧電素子87により各シャッター88を第1の位置または第2の位置に位置付けて入射した光束の通過または遮断を切り替えることで光変調を実施し、画像を形成する。
圧電素子87でシャッター88が第1の位置に移動されている場合には、入射された光束は変調部80Aを通過する。圧電素子87でシャッター88が第2の位置に移動されている場合には、入射された光束はシャッター88で遮断される。光変調装置8R,8G,8Bは、第1の位置と第2の位置を時間変調するため、第1の位置を長くすれば画像の階調を高くでき、第2の位置を長くすれば画像の階調を低くできる。
このように、光変調装置8R、8G,8Bは、光変調にシャッター88を用いるため、従来のDMDを用いた場合と比較して、画像を構成する光がミラー等で吸収されることはなく、光の利用効率を向上できる。
また、このような構成とすることで、従来のDMDを用いた場合と同様に、液晶の熱劣化等の問題が生じることがなく、長寿命化が図り易い。
また、このような構成とすることで、従来のDMDを用いた場合と同様に、液晶の熱劣化等の問題が生じることがなく、長寿命化が図り易い。
さらに、シャッター88に対して光路上流側にマイクロレンズ84が位置していることで、シャッター88は、第2の位置で入射した光束を遮断する際、マイクロレンズ84で集光された光束を遮断すればよいため、マイクロレンズ84を用いない構成と比較して、シャッター88自体を小型化できる。
特に、シャッター88は、マイクロレンズ84の焦点位置Pで光束を遮断するため、シャッター88は、第2の位置で入射した光束を遮断する際、最も集光された光束を遮断すればよいため、シャッター88を最小の構成にできる。
特に、シャッター88は、マイクロレンズ84の焦点位置Pで光束を遮断するため、シャッター88は、第2の位置で入射した光束を遮断する際、最も集光された光束を遮断すればよいため、シャッター88を最小の構成にできる。
また、シャッター88を、第1の位置においてマイクロレンズ84が集光する光束に沿い、第2の位置において第1のミラー88Bが焦点位置Pと一致するように設置し、第1の位置から第2の位置までの回転軸Aを中心とするシャッター88の回転角を小さく構成しているため、圧電素子87の変位量が小さくても、シャッター88を駆動できる。このように、シャッター88の回転角及び圧電素子87の変位量が小さくてよいことから、変調部80Aの耐久性を向上できる。
さらに、ヒンジ部88Aで回転移動可能に支持されたシャッター88を、圧電素子87の伸縮により第1の位置、または、第2の位置に移動させるため、圧電素子87の動きを応答性よく精確にシャッター88に伝達できる。
また、変調部80Aは、入射した光束をマイクロレンズ84によって開口部81A内で集光し、集光された光束の通過または遮断をシャッター88で切り替えるので、支持部材81(開口部81Aを除く部位)によって遮られる光束の割合を低減させ、開口率を向上させることができ、光の利用効率をさらに向上させることができる。
さらに、シャッター88が第1の位置に移動されている場合に、フィールドレンズ8Aから出射される光束を、マイクロレンズ84で無駄なく集光して変調部80Aを通過させることができるため、開口率略100%を実現することができる。
さらに、シャッター88が第1の位置に移動されている場合に、フィールドレンズ8Aから出射される光束を、マイクロレンズ84で無駄なく集光して変調部80Aを通過させることができるため、開口率略100%を実現することができる。
また、シャッター88が第2の位置に位置付けられた際に、第1のミラー88Bが光束を反射するため、シャッター88への光の吸収を防止でき、第1のミラーを有していないシャッターによって単に光束を遮断した場合と比較して、シャッター88の温度上昇を防止できる。
さらに、第1のミラー88Bで反射された光を第2のミラー89Aが第1のミラー88Bに向けて反射し、この第2のミラー89Aで反射された光を第1のミラー88Bで反射して、光束の光路に戻している。これにより、第2の位置で遮断された光束を、リフレクター4Bまで戻して再度リフレクター4Bで反射させ、画像を形成する光として再利用できるので、光の利用効率をより向上できる。
さらに、第1のミラー88Bで反射された光を第2のミラー89Aが第1のミラー88Bに向けて反射し、この第2のミラー89Aで反射された光を第1のミラー88Bで反射して、光束の光路に戻している。これにより、第2の位置で遮断された光束を、リフレクター4Bまで戻して再度リフレクター4Bで反射させ、画像を形成する光として再利用できるので、光の利用効率をより向上できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態における光変調装置8R,8G,8Bを構成する各部材の形状、位置等は、図示したものに限定されず、種々の変形が可能である。
前記実施形態では、支持部材81に複数の開口部81Aをマトリクス状に形成したが、各開口部81Aを行単位または列単位でまとめて直線状に構成し、この直線状の開口に各変調部80Aを並べるように設置してもよい。
例えば、前記実施形態における光変調装置8R,8G,8Bを構成する各部材の形状、位置等は、図示したものに限定されず、種々の変形が可能である。
前記実施形態では、支持部材81に複数の開口部81Aをマトリクス状に形成したが、各開口部81Aを行単位または列単位でまとめて直線状に構成し、この直線状の開口に各変調部80Aを並べるように設置してもよい。
前記実施形態では、第1のマイクロレンズ84、第2のマイクロレンズ85として、点集光(図4及び図5参照)するマイクロレンズ84を採用したが、これに限らず、シリンドリカルレンズのように線集光するレンズを採用してもよい。具体的に、行方向または列方向に線状に集光するようにシリンドリカルレンズを配置した場合には、線状に集光された光束の反射に適した半円筒の凹形状等の第2のミラーを採用すればよい。
なお、前述したように、開口部81Aを行単位または列単位でまとめて直線状に構成した場合には、この直線状の開口に沿う行方向または列方向に延びるシリンドリカルレンズ及び第2のミラーによって変調部80Aを構成してもよい。
前記実施形態では、駆動手段として、圧電素子87を用いて説明したが、シャッター88を移動させることができるのであれば、これに限らない。例えば、駆動手段として、静電力を利用した静電アクチュエーターを採用してもよい。
なお、前述したように、開口部81Aを行単位または列単位でまとめて直線状に構成した場合には、この直線状の開口に沿う行方向または列方向に延びるシリンドリカルレンズ及び第2のミラーによって変調部80Aを構成してもよい。
前記実施形態では、駆動手段として、圧電素子87を用いて説明したが、シャッター88を移動させることができるのであれば、これに限らない。例えば、駆動手段として、静電力を利用した静電アクチュエーターを採用してもよい。
前記実施形態では、マイクロレンズ84,85を用いたが、これに限らず、マイクロレンズ84,85を省略してもよい。マイクロレンズ84,85を省略した場合には、光変調装置8R,8G,8Bを構成する部材を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
図7は、前記実施形態におけるプロジェクターの変形例を説明するための図である。
前記各実施形態では、RGB毎に3つの光変調装置8R,8G,8Bを用いる三板式のプロジェクター1に適用したが、これに限らず、図7に示すような単板式のプロジェクターに適用してもよい。
この変形例によるプロジェクターでは、照明光学装置5の後段に色切替光学装置12を設ける。色切替光学装置12は、円盤状に形成され、回転することにより照明光学装置5から出射された光束をR,G,Bの3つの色光に切り替えるカラーホイール13と、照明光学装置5から出射された光束をカラーホイール13近傍に集光する第1コンデンサーレンズ14と、カラーホイール13を透過した発散光を略平行光にする第2コンデンサーレンズ15とを備えて構成される。
前記各実施形態では、RGB毎に3つの光変調装置8R,8G,8Bを用いる三板式のプロジェクター1に適用したが、これに限らず、図7に示すような単板式のプロジェクターに適用してもよい。
この変形例によるプロジェクターでは、照明光学装置5の後段に色切替光学装置12を設ける。色切替光学装置12は、円盤状に形成され、回転することにより照明光学装置5から出射された光束をR,G,Bの3つの色光に切り替えるカラーホイール13と、照明光学装置5から出射された光束をカラーホイール13近傍に集光する第1コンデンサーレンズ14と、カラーホイール13を透過した発散光を略平行光にする第2コンデンサーレンズ15とを備えて構成される。
カラーホイール13は、図8(カラーホイール13正面図)に示すように、回転方向に沿って区切られた4つの扇形の領域に3つの透過型色フィルター16R,16G,16Bと1つの透光領域16Wを備えている。色フィルター16R、16G,16Bは、各々赤色、緑色、青色の光のみを透過させ、透光領域16Wは、照明光学装置5から出射された光束をそのまま通過させる。
このような構成を設けることで、図7に示すように、1つの光変調装置8Dによってプロジェクターを構成することができる。
このような構成を設けることで、図7に示すように、1つの光変調装置8Dによってプロジェクターを構成することができる。
図9は、光変調装置8Dでの階調の制御を説明するための図である。横軸の「W」は透光領域16Wでの光束の光路上の時間を示し、「R」,「G」,「B」は、各々、色フィルター16R,16G,16Bが光束の光路上を占める時間(各色光の単位時間)を示す。図示するように、カラーホイール13の回転と同期させ、各色光の単位時間においてシャッター88の「ON」の時間と「OFF」の時間とを時間変調することで、画像の階調を制御することができる。
本発明の光変調装置は、光の利用効率を向上できるため、プロジェクター等の表示装置の光変調装置に利用できる。
1・・・プロジェクター、8D,8R,8G,8B・・・光変調装置、80A・・・変調部、84・・・第1のマイクロレンズ(集光レンズ)、87…圧電素子(駆動手段)、88・・・シャッター、88B・・・第1のミラー、89A・・・第2のミラー、A・・・回転軸、P・・・焦点位置、S・・・平面。
Claims (6)
- 入射した光束を変調して画像を形成する光変調装置であって、
前記光変調装置は、
前記画像を構成する画素毎に変調部がそれぞれ設けられ、
前記変調部は、
入射した光束を通過させる第1の位置または入射した光束を遮断する第2の位置に移動可能に構成されたシャッターと、
前記シャッターに力を加えることで前記シャッターを前記第1の位置または前記第2の位置に移動させる駆動手段とを備え、
前記シャッターは、
前記光変調装置に入射する光束の光軸に直交する平面に対して面外方向に回転することで前記第1の位置または前記第2の位置に移動する
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1に記載の光変調装置において、
前記変調部は、
前記シャッターに対して光路上流側に位置し、入射した光束を集光する集光レンズを備える
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項2に記載の光変調装置において、
前記シャッターは、
前記第2の位置での光束の遮断を前記集光レンズの焦点位置で行う
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光変調装置において、
前記シャッターは、
光入射側の端面に第1のミラーを備え、
前記第1のミラーは、
前記シャッターが前記第2の位置に移動した際に、入射した光束を反射する
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項4に記載の光変調装置において、
前記変調部は、
前記第1のミラーで反射された光束を前記第1のミラーに向けて反射する第2のミラーを備える
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光変調装置を備えることを特徴とするプロジェクター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010241852A JP2012093606A (ja) | 2010-10-28 | 2010-10-28 | 光変調装置及びプロジェクター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010241852A JP2012093606A (ja) | 2010-10-28 | 2010-10-28 | 光変調装置及びプロジェクター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012093606A true JP2012093606A (ja) | 2012-05-17 |
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ID=46386989
Family Applications (1)
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JP2010241852A Withdrawn JP2012093606A (ja) | 2010-10-28 | 2010-10-28 | 光変調装置及びプロジェクター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012093606A (ja) |
-
2010
- 2010-10-28 JP JP2010241852A patent/JP2012093606A/ja not_active Withdrawn
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