JP2012093324A - 原子力発電プラントの運転制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力発電プラントの発電機負荷遮断事象中に原子炉冷却材インベントリを極力維持し、原子炉圧力容器内最大圧力を低減する。
【解決手段】主蒸気管4と、逃し安全弁10と、主蒸気管4と復水器7をつなぐバイパス管22に設けたタービンバイパス弁16と、タービン5の無負荷状態を検出する第1の検出手段による検出結果に基づいて蒸気加減弁15を閉止しタービンバイパス弁16を開放する信号を発生させる装置とを備え、無負荷状態において蒸気加減弁15を閉止しタービンバイパス弁16を開放する沸騰水型軽水炉の運転制御装置において、タービンバイパス弁16の開度を検出する第2の検出手段と、原子炉圧力容器2内の圧力を検出する第3の検出手段と、前記第1,第2,第3の各検出手段の検出結果を判定要素として逃し安全弁10の開閉制御を司る制御装置とを備えたことを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、沸騰水型原子炉を用いた原子力発電プラントの運転制御に係る。
原子力発電プラントにおいては、沸騰水型原子炉(以下、BWR)の過渡事象の一つとして、発電機負荷遮断,タービンバイパス弁作動(もしくは不作動)事象がある。本事象発生時の事象推移を図4,図5を用いて説明する。
図4にBWRプラント構成の一部を示す。炉心1は原子炉圧力容器2内に設置され、原子炉圧力容器2は原子炉格納容器3内に設置される。炉心1で発生した蒸気は主蒸気管4を経由してタービン5に導かれ、発電機駆動用のタービン5を回転させることで発電機6を回して発電する。
タービン5でエネルギーを消費した後の蒸気は復水器7に導かれて凝縮される。復水器内の水は給水ポンプ8によって昇圧され、給水管9を経由して原子炉圧力容器2内に戻る。通常運転時には主蒸気管4から流出する蒸気量と給水管9から流入する給水量が一致するように制御するため、原子炉圧力容器2内水位はほぼ一定となる。
主蒸気管4上にはいくつかの弁が設置されている。原子炉格納容器3内の弁として、逃し安全弁10,主蒸気隔離弁11が設置される。逃し安全弁10は、原子炉圧力容器2内の圧力が設定値を超えた場合に開き、原子炉圧力容器2内の蒸気を圧力抑制プール12に導くことで蒸気を凝縮させて圧力増加を抑制し、原子炉圧力容器2の健全性を維持する機能を有する。主蒸気隔離弁11は、原子炉格納容器3外で主蒸気管4が破断した場合に閉じることで冷却材流出を防止する機能を有する。
原子炉格納容器3外の弁として、主蒸気隔離弁13,主蒸気止め弁14,蒸気加減弁15、及びタービンバイパス弁16が設置される。主蒸気隔離弁13は原子炉格納容器3内で主蒸気管4が破断した場合に閉じることで格納容器圧力バウンダリを形成して原子炉格納容器3外部への放射性物質の放出を防止するために設置する。
主蒸気止め弁14は非常時に速やかにタービン5への蒸気流入を遮断するために設置する。蒸気加減弁15はタービン5のオーバースピードの保護,通常運転中のタービン5の保護及びスピード制御,原子炉圧力の制御、及び負荷制御に用いられる。タービンバイパス弁16は、原子力発電プラントの起動,停止,タービントリップ時等において、原子炉圧力容器2の圧力制御を行うために用いられる。
現行BWRでは、発電機負荷遮断時のプラント健全性を確実に確保するため、タービンバイパス弁16の不作動を仮定した保守的な条件を用いたプラント健全性評価を行っている。
以下、タービンバイパス弁16の不作動を仮定した場合の発電機負荷遮断事象発生時の時間進展について説明する。発電機6の負荷遮断、即ち負荷が喪失すると、無負荷状態となったタービン5のオーバースピードを防止する必要がある。無負荷状態は、圧力検出器で検出するタービン下流圧力17(タービン出力、即ち原子炉熱出力に依存)と発電機出力18の不平衡(出力/負荷不平衡)によって検出する。
第1の検出手段である速度,負荷,圧力制御装置19で出力/負荷不平衡と判定すると、蒸気加減弁急閉信号20,タービンバイパス弁開信号21が発生する。タービンバイパス弁16の不作動を仮定しているので、蒸気加減弁15が急閉した後もタービンバイパス弁16が開かないため、バイパス流路22を使用することができない。そのため、蒸気加減弁15が閉じた後は主蒸気管4が閉鎖されて原子炉圧力容器2圧力が増加する。
原子炉圧力容器2内の圧力が逃し安全弁10の開設定圧力まで増加すると逃し安全弁10が開いて原子炉圧力容器2内の蒸気を圧力抑制プール12に導き凝縮させる。これにより原子炉圧力容器2圧力は減少に転じる。本事象はタービンバイパス弁16の不作動を仮定しているのでタービンバイパス弁16の作動時に比べると圧力増加速度が早い。
図5に発電機負荷遮断事象発生時の原子炉圧力容器2内の圧力の時間変化を示す。タービンバイパス弁16が作動すると炉心1で発生した蒸気を復水器7に導いて凝縮させることで圧力増加率を緩和できるが、タービンバイパス弁16の不作動時には復水器7による蒸気凝縮が行えないので原子炉圧力容器2圧力の増加率及び圧力の最大値が大きくなる。
ところで、発電機負荷遮断事象発生時の原子炉圧力容器2内の圧力の最大値を低減するために早期に逃し安全弁10を開ける方法が考えられる。係る具体的事例として例えば特許文献1が知られている。
特開昭60−36987号公報
発電機負荷遮断事象が発生しても、タービンバイパス弁16が作動すれば原子炉圧力容器2圧力の増加はタービンバイパス弁16の不作動時に比べると緩やかであり、逃し安全弁10を早期に開ける必要はない。
しかし、特許文献1では、発電機負荷遮断事象発生時には、タービンバイパス弁16の開放の成否によらず早期に逃し安全弁10を開く事で原子炉圧力容器2内の蒸気を圧力抑制プール12に導き凝縮させる構成となっている。
図4から分かるように、逃し安全弁10を開くと原子炉圧力容器2内の冷却材インベントリが圧力抑制プール12に移行してしまい、原子炉圧力容器2内に戻らない。原子炉圧力容器2内の冷却材インベントリは炉心1の冷却性能確保の観点から可能な限り維持する方が望ましい。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、発電機負荷遮断事象発生時に、原子炉圧力容器内から原子炉圧力容器外への冷却材インベントリ流出量が小さく、かつ原子炉圧力容器内最大圧力を低減することが可能な原子力発電プラントの運転制御装置を提供することを目的とする。
本発明の課題を解決するための手段は、原子炉圧力容器と発電機駆動用のタービンとの間を蒸気加減弁を介して接続した主蒸気管と、前記主蒸気管と圧力抑制プールをつなぐ主蒸気逃し管に設けた逃し安全弁と、前記主蒸気管と復水器をつなぐバイパス管に設けたタービンバイパス弁と、前記タービンの無負荷状態を検出する第1の検出手段による検出結果に基づいて前記蒸気加減弁を閉止し前記タービンバイパス弁を開放する信号を発生させる装置とを備え、前記無負荷状態において前記蒸気加減弁を閉止し前記タービンバイパス弁を開放する沸騰水型軽水炉の運転制御装置において、前記タービンバイパス弁の開度を検出する第2の検出手段と、前記原子炉圧力容器内の圧力を検出する第3の検出手段と、前記第1,第2,第3の各検出手段の検出結果を判定要素として前記逃し安全弁の開閉制御を司る制御装置とを備えたことを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置であって、発電機駆動用タービンの無負荷状態時に冷却材インベントリを極力失わないように逃し安全弁の開閉タイミングを制御しながら原子炉圧力容器内の圧力を減圧するものである。
本発明の原子力発電プラントの運転制御装置を用いれば、発電機負荷遮断事象発生時に逃し安全弁の開閉を適切に制御することができるので、原子炉圧力容器内の冷却材インベントリ流出量が小さく、かつ原子炉圧力容器内最大圧力を低減することが可能となる。
本発明の第1実施例に係る原子力発電プラントの運転制御装置の説明図である。 本発明の第1実施例に係る運転制御装置のフローチャートである。 本発明の第1実施例適用時の効果を説明するための圧力グラフである。 従来例の発電機負荷遮断事象を説明するための模式図である。 従来例の圧力トレンドを説明するための圧力グラフである。 本発明の第2実施例に係る原子力発電プラントの運転制御装置の説明図である。 本発明の第2実施例に係る運転制御装置のフローチャートである。
以下、本発明の実施例を、図を引用して説明する。
本発明の第1実施例を図1,図2,図3に基づいて以下に説明する。
原子力発電プラントは、沸騰水型原子炉(BWR)で発生させた高温高圧蒸気を原子炉圧力容器2から発電機6の駆動用タービン5へタービン駆動用蒸気として供給し、そのタービン5で発電機6を駆動して発電している。
具体的には、図1のように、BWRの炉心1は原子炉圧力容器2内に設置され、原子炉圧力容器2は原子炉格納容器3内に設置される。炉心1で発生した蒸気は原子炉圧力容器2とタービン5を接続する主蒸気管4を経由してタービン5に導かれ、発電機駆動用のタービン5を回転させることで発電機6を回して発電する。
タービン5でエネルギーを消費した後の蒸気は復水器7に導かれて凝縮される。復水器内の水は給水ポンプ8によって昇圧され、給水管9を経由して原子炉圧力容器2内に戻る。通常運転時には主蒸気管4から流出する蒸気量と給水管9から流入する給水量が一致するように制御するため、原子炉圧力容器2内の冷却材である水の水位は定常状態となり、冷却材インベントリはほぼ一定に維持される。
主蒸気管4上にはいくつかの弁が設置されている。原子炉格納容器3内の弁として、逃し安全弁10,主蒸気隔離弁11が設置される。逃し安全弁10は、原子炉圧力容器2内の圧力が設定値を超えた場合に開き、原子炉圧力容器2内の蒸気を圧力抑制プール12に導くことで蒸気を凝縮させて圧力増加を抑制し、原子炉圧力容器2の健全性を維持する機能を有する。主蒸気隔離弁11は、原子炉格納容器3外で主蒸気管4が破断した場合に閉じることで冷却材流出を防止する機能を有する。
原子炉格納容器3外の弁として、主蒸気隔離弁13,主蒸気止め弁14,蒸気加減弁15、及びタービンバイパス弁16が設置される。主蒸気隔離弁13は原子炉格納容器3内で主蒸気管4が破断した場合に閉じることで格納容器圧力バウンダリを形成して原子炉格納容器3外部への放射性物質の放出を防止するために設置する。
主蒸気止め弁14は非常時に速やかにタービン5への蒸気流入を遮断するために設置する。蒸気加減弁15はタービン5のオーバースピードの保護,通常運転中のタービン5の保護及びスピード制御,原子炉圧力の制御、及び負荷制御に用いられる。タービンバイパス弁16は、原子力発電プラントの起動,停止,タービントリップ時等において、原子炉圧力容器2の圧力制御を行うために用いられる。
本実施例でも、発電機6の負荷遮断、即ち負荷が喪失すると、無負荷状態となったタービン5のオーバースピードを防止する必要があるので、従来どおり、無負荷状態は、圧力検出器で検出するタービン下流圧力17(タービン出力、即ち原子炉熱出力に依存)と発電機出力18の不平衡(出力/負荷不平衡)によって検出してその状態の発生を検出するように監視している。
その検出に用いられる第1の検出手段である速度,負荷,圧力制御装置19が装備され、その制御装置は、出力/負荷不平衡と判定すると、蒸気加減弁急閉信号20,タービンバイパス弁開信号21が発生する制御構成となっている。
タービンバイパス弁16の不作動を仮定した場合、蒸気加減弁15が急閉した後もバイパス流路22に設置されたタービンバイパス弁16が開かないため、主蒸気管4と復水器7を接続するバイパス流路22を使用することができない。そのため、蒸気加減弁15が閉じた後は主蒸気管4が閉鎖されて原子炉圧力容器2内の圧力が増加する。
このとき、逃し安全弁10を早期に開いて原子炉圧力容器2内の蒸気を圧力抑制プール12に導き凝縮させる必要があり、本実施例では、以下の構成が従来例の構成に追加されている。
即ち、図4のように、図1で示した従来の構成に追加した新たな制御装置として負荷遮断,タービンバイパス弁不作動用制御装置23が付加されたことである。
図2に負荷遮断,タービンバイパス弁不作動用制御装置23のロジックを示す。負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置23は、タービンバイパス弁開失敗検出装置29,原子炉圧力低検出装置30,逃し安全弁開信号生成装置31、及び逃し安全弁閉信号生成装置32の4つから構成される。
タービンバイパス弁開失敗検出装置29は、第2の検出手段として採用した弁開度検出装置44でタービンバイパス弁16の開度を検出して取得したタービンバイパス弁開度信号25とタービンバイパス弁の開度の設定値を比較し、タービンバイパス弁開度信号25の開度が設定値よりも小さい場合にタービンバイパス弁開失敗信号33(論理信号)を出力する。
速度,負荷,圧力制御装置19で出力/負荷不平衡が検出されて発生した出力/負荷不平衡信号24とタービンバイパス弁開失敗信号33が入力されると、逃し安全弁開信号生成装置31は逃し安全弁開信号27(論理信号)を出力する。原子炉圧力低検出装置30は、原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26が定格圧力より低くなった場合に原子炉圧力容器圧力低信号34(論理信号)を出力する。その圧力の測定値26は原子炉圧力容器2に接続した第3の検出手段としての圧力計45にて計測されたものである。出力/負荷不平衡信号24と原子炉圧力容器圧力低信号34が入力されると、逃し安全弁閉信号生成装置32は逃し安全弁閉信号28(論理信号)を出力する。
以下、発電機負荷遮断かつタービンバイパス弁不作動時の過渡事象を想定した事象進展を説明する。発電機6の負荷遮断、即ち負荷が喪失すると、無負荷状態となったタービン5のオーバースピードを防止するため、速度,負荷,圧力制御装置19から出力/負荷不平衡信号24が発生する。
出力/負荷不平衡信号24が発生すると同時に、蒸気加減弁急閉信号20,タービンバイパス弁開信号21が発生する。タービンバイパス弁不作動を仮定するので、蒸気加減弁15が急閉し、タービンバイパス弁16開に失敗する。このため、蒸気加減弁15が閉じた後は主蒸気管4が閉塞して原子炉圧力容器2圧力が増加する。同時に、負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置23内のタービンバイパス弁開失敗検出装置29がタービンバイパス弁16開失敗を検出してタービンバイパス弁開失敗信号33を出力する。
出力されたタービンバイパス弁開失敗信号33と出力/負荷不平衡信号24とを入力として逃し安全弁開信号生成装置31は逃し安全弁開信号27を出力して逃し安全弁10を強制的に開く。これにより、原子炉圧力容器2内で発生した蒸気を圧力抑制プール12で凝縮することで原子炉圧力容器2圧力上昇を早々に抑制できる。
逃し安全弁10が開き続けることによって原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26が定格圧力より低くなると、原子炉圧力低検出装置30が原子炉圧力容器圧力低信号34を出力する。出力された原子炉圧力容器圧力低信号34と出力/負荷不平衡信号24とを入力として逃し安全弁閉信号生成装置32は逃し安全弁閉信号28を出力して逃し安全弁10を閉止する。これにより原子炉圧力容器2の過剰な減圧を防止できる。
図3に、本発明適用時の発電機負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時の原子炉圧力容器2圧力の時間変化を、従来例と共に示す。本発明を適用することで原子炉圧力容器2圧力の増加率及び圧力の最大値を抑制することができる。
以上、本発明によれば発電機負荷遮断事象発生時にタービンバイパス弁16の作動,不作動に応じて逃し安全弁10の開閉を適切に制御することができるので、原子炉圧力容器2内の冷却材インベントリ流出量が小さく、かつ原子炉圧力容器2内最大圧力を低減することが可能となる。
また、本実施例では全ての逃し安全弁10を強制的に開閉するロジックとしたが、いくつかの逃し安全弁のみに対するロジックとしても良い。
本発明の第1実施例では、原子炉圧力容器と発電機駆動用のタービンとの間を蒸気加減弁を介して接続した主蒸気管と、主蒸気管と圧力抑制プールをつなぐ主蒸気逃し管に設けた逃し安全弁と、主蒸気管と復水器をつなぐバイパス管に設けたタービンバイパス弁と、タービンの無負荷状態を検出する第1の検出手段による検出結果に基づいて蒸気加減弁を閉止しタービンバイパス弁を開放する信号を発生させる装置とを備え、無負荷状態において蒸気加減弁を閉止しタービンバイパス弁を開放する原子力発電プラントの運転制御装置において、タービンバイパス弁の開度を検出する第2の検出手段と、原子炉圧力容器内の圧力を検出する第3の検出手段と、第1,第2,第3の各検出手段の検出結果を判定要素として逃し安全弁の開閉制御を司る制御装置とを備えたことを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置を提供でき、これにより、発電機負荷遮断事象発生時に、原子炉圧力容器内から原子炉圧力容器外への冷却材インベントリ流出量が小さく、かつ原子炉圧力容器内最大圧力を低減可能な原子力発電プラントの運転制御が可能と成る効果が得られる。
なお、本実施例では、定格圧力より低い時に逃し安全弁閉信号28が出力されるように逃し安全弁閉信号生成装置32を設定したが、信号発生のしきい値は定格圧力に限らず、逃し安全弁開信号生成装置31が逃し安全弁開信号27を出力する瞬間の原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26よりも小さい任意の圧力値に変更しても同等の効果が得られる。
図6は、本発明の第2実施例に係る原子力発電プラントの運転制御装置の説明図である。第1実施例である図1と構成が相違する点は、負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置35の出力が、逃し安全弁開圧力設定値36及び逃し弁閉圧力設定値37で、これらの信号が既存の制御装置である逃し弁制御装置38に対して出力されることである。その他の構成や動作は既述の実施例1と同等なので以下ではその説明を省略する。
逃し弁制御装置38は、原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26と逃し安全弁圧力設定値とを比較し、原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26が逃し安全弁開圧力設定値よりも大きい時に逃し安全弁10を開き、原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26が逃し安全弁閉圧力設定値よりも小さい時に逃し安全弁10を閉じるように逃し安全弁10を制御する。
図7に負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置35のロジックを示す。負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置23は、タービンバイパス弁開失敗検出装置29,逃し安全弁圧力設定変更判定回路39,逃し安全弁開圧力設定値生成装置40,及び逃し安全弁閉圧力設定値生成装置41の4つから構成される。
タービンバイパス弁開失敗検出装置29は実施例1に同じである。逃し安全弁圧力設定変更判定回路39は、出力/負荷不平衡信号24とタービンバイパス弁開失敗信号33が入力された時にトリガ信号42を出力する。
逃し安全弁開圧力設定値生成装置40は、トリガ信号42が入力されるまでは外部に信号を出力しないが、トリガ信号42が入力されると、入力された時点における原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26の値を、逃し安全弁開圧力設定値36として出力する。
同様に、逃し安全弁閉圧力設定値生成装置41は、トリガ信号42が入力されるまでは外部に信号を出力しないが、トリガ信号42が入力されると、原子炉圧力容器2の定格圧力設定値43を、逃し安全弁閉圧力設定値37として出力する。
以下、発電機負荷遮断かつタービンバイパス弁不作動時の過渡事象を想定した事象進展を説明する。タービンバイパス弁不作動を仮定しているので、実施例1同様、発電機6の負荷遮断、即ち負荷が喪失すると、蒸気加減弁15が急閉した後は、主蒸気管4が閉塞して原子炉圧力容器2圧力が増加する。
同時に、負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置35内のタービンバイパス弁開失敗検出装置29がタービンバイパス弁16開失敗を検出してタービンバイパス弁開失敗信号33を出力する。出力されたタービンバイパス弁開失敗信号33と出力/負荷不平衡信号24とを入力として逃し安全弁圧力設定変更判定回路39はトリガ信号42を出力する。
トリガ信号42を受けて、逃し安全弁開圧力設定値生成装置40はトリガ信号入力時点における原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26を逃し安全弁開圧力設定値36として出力する。これにより、逃し安全弁開圧力設定値36が原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26に等しくなるため、逃し安全弁10が強制的に開かれ、原子炉圧力容器2内で発生した蒸気を圧力抑制プール12で凝縮することで原子炉圧力容器2圧力上昇を抑制できる。
同時にトリガ信号42を受けて、逃し安全弁閉圧力設定値生成装置41は原子炉圧力容器2の定格圧力設定値43を逃し安全弁閉圧力設定値37として出力する。逃し安全弁10が開き続けることによって原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26が定格圧力より低くなると、逃し安全弁10が強制的に閉止される。これにより原子炉圧力容器2の過剰な減圧を防止できる。
以上、本実施例によれば発電機負荷遮断事象発生時にタービンバイパス弁の作動,不作動に応じて逃し安全弁の開閉を適切に制御することができるので、原子炉圧力容器内の冷却材インベントリ流出量が小さく、かつ原子炉圧力容器内最大圧力を低減することが可能となる。
なお、本実施例では、トリガ信号入力時点における原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26を逃し安全弁開圧力設定値36としたが、逃し安全弁開圧力設定値36はこれに限らず、トリガ信号入力時点における原子炉圧力容器2内の圧力の測定値26よりも小さい任意の圧力設定値を用いても本発明の効果が得られる。
なお、本実施例では、原子炉圧力容器2の定格圧力設定値43を逃し安全弁閉圧力設定値37としたが、逃し安全弁閉圧力設定値37はこれに限らず、逃し安全弁開圧力設定値36よりも小さい任意の圧力設定値を用いても良い。
また、本実施例では全ての逃し安全弁を強制的に開閉するロジックとしたが、いくつかの逃し安全弁のみに対するロジックとしても良い。
本実施例では、逃し安全弁の開要求信号を発生させると判定した場合に、逃し安全弁開圧力設定値を判定した瞬間の圧力計測値もしくは判定した瞬間の圧力計測値よりも低い値に変更することで逃し安全弁の開要求信号を発生させ、かつ逃し弁閉圧力設定値を原子力発電プラントの定格圧力値もしくは逃し安全弁開圧力設定値よりも低い値に変更することで逃し安全弁の閉要求信号を発生させれば既存の逃し安全弁の逃し弁制御装置38を活用することができる。
本発明は、原子力発電プラントの運転制御装置に利用可能性を有する。
1 炉心
2 原子炉圧力容器
3 原子炉格納容器
4 主蒸気管
5 タービン
6 発電機
7 復水器
8 給水ポンプ
9 給水管
10 逃し安全弁
11 主蒸気隔離弁(原子炉格納容器2内)
12 圧力抑制プール
13 主蒸気隔離弁(原子炉格納容器2外)
14 主蒸気止め弁
15 蒸気加減弁
16 タービンバイパス弁
17 タービン下流圧力
18 発電機出力
19 速度,負荷,圧力制御装置
20 蒸気加減弁急閉信号
21 タービンバイパス弁開信号
22 バイパス流路
23 負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置(実施例1)
24 出力/負荷不平衡信号
25 タービンバイパス弁開度信号
26 原子炉圧力容器2内の圧力の測定値
27 逃し安全弁開信号
28 逃し安全弁閉信号
29 タービンバイパス弁開失敗検出装置
30 原子炉圧力低検出装置
31 逃し安全弁開信号生成装置
32 逃し安全弁閉信号生成装置
33 タービンバイパス弁開失敗信号
34 原子炉圧力容器圧力低信号
35 負荷遮断,タービンバイパス弁不作動時用制御装置(実施例2)
36 逃し安全弁開圧力設定値
37 逃し安全弁閉圧力設定値
38 逃し弁制御装置
39 逃し安全弁圧力設定変更判定回路
40 逃し安全弁開圧力設定値生成装置
41 逃し安全弁閉圧力設定値生成装置
42 トリガ信号
43 原子炉圧力容器2の定格圧力設定値
44 弁開度検出装置
45 圧力計

Claims (5)

  1. 原子炉圧力容器と発電機駆動用のタービンとの間を蒸気加減弁を介して接続した主蒸気管と、
    前記主蒸気管と圧力抑制プールをつなぐ主蒸気逃し管に設けた逃し安全弁と、
    前記主蒸気管と復水器をつなぐバイパス管に設けたタービンバイパス弁と、
    前記タービンの無負荷状態を検出する第1の検出手段による検出結果に基づいて前記蒸気加減弁を閉止し前記タービンバイパス弁を開放する信号を発生させる装置とを備え、前記無負荷状態において前記蒸気加減弁を閉止し前記タービンバイパス弁を開放する沸騰水型軽水炉の運転制御装置において、
    前記タービンバイパス弁の開度を検出する第2の検出手段と、
    前記原子炉圧力容器内の圧力を検出する第3の検出手段と、
    前記第1,第2,第3の各検出手段の検出結果を判定要素として前記逃し安全弁の開閉制御を司る制御装置とを備えたことを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置。
  2. 請求項1において、前記制御装置は、前記第1の検出手段が前記無負荷状態を検出し、前記第2の検出手段が前記タービンバイパス弁の開度が設定値以下であることを検出したことを検出した条件にて、前記逃し安全弁を開放し、
    前記第1の検出手段が前記無負荷状態を検出し、前記第3の検出手段が設定値未満を検出した条件にて、前記逃し安全弁を閉止する開閉制御を司る制御手段であることを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置。
  3. 請求項1において、前記制御装置は、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の検出結果を用いて前記逃し安全弁の開圧力設定値及び閉圧力設定値の変更を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定に基づいて、前記逃し安全弁の開閉各圧力設定値として、前記逃し安全弁の開圧力設定値を前記判定手段の判定時に前記第3の検出手段で検出した圧力値以下の設定値に、前記逃し安全弁の閉圧力設定値を変更後の前記開圧力設定値未満の設定値に変更する制御手段を有することを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置。
  4. 請求項1において、前記制御装置は、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の検出結果を用いて前記逃し安全弁の開圧力設定値の変更を判定する判定手段を有し、
    前記判定手段の判定に基づいて、前記逃し安全弁の開圧力設定値を前記第3の検出手段で検出した圧力値以下の設定値に更新し、前記逃し安全弁の閉圧力設定値は予め設定した設定値に維持して前記逃し安全弁の開閉制御を司る制御手段を有することを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記逃し安全弁は、全ての逃し安全弁であることを特徴とする原子力発電プラントの運転制御装置。
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