JP2012092708A - 電動アシストターボチャージャ - Google Patents

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翔吾 坂下
Tomohiro Sugano
知宏 菅野
Yoshiyuki Abe
義幸 阿部
Haruyo Kimura
治世 木村
Yukari Mizushima
由加利 水島
Akira Iijima
章 飯島
Isao Kitsukawa
功 橘川
Tomoyuki Ito
朝幸 伊藤
Naoki Ishibashi
直樹 石橋
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Abstract

【課題】電動機の鉄損を低減でき、且つ、電動機の停止時における無駄な仕事を無くした電動アシストターボチャージャを提供する。
【解決手段】ターボチャージャ11と電動機12とを減速ギア機構13で連結して構成した電動アシストターボチャージャ10であって、減速ギア機構13は、ターボチャージャ11のターボ軸16に取り付けられたターボ側ギア19と、電動機12のロータ20に取り付けられると共にターボ側ギア19に連結され、且つ、ターボ側ギア19よりも歯数が多い電動機側ギア21とを有し、ターボ側ギア19が、ワンウェイクラッチ22を介してターボ軸に取り付けられたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターボチャージャに電動機(モータ)を組み合わせた電動アシストターボチャージャに関するものである。
エンジンにターボチャージャを付加したシステムでは、エンジン回転速度が低くトルクが低いときには排気ガスエネルギが小さいことから排気タービンの回転速度が低く、吸気コンプレッサにて過給される吸気量が少ない。このため、エンジン低回転時に高トルクが要求されると、吸気量が燃料噴射量からくる要求に対して不足してしまう。また、エンジン状態が変動する過渡運転時に、ターボ軸の回転慣性により、ターボチャージャの回転がエンジン状態の変動に対して応答遅れするため、例えば、車両が加速のために燃料噴射量を急速に増加させたいときに、ターボチャージャの回転が上がるのが遅く吸気量が迅速に増加しない。
これに対し、ターボチャージャに電動機を組み合わせた電動アシストターボチャージャが知られている。電動アシストターボチャージャは、エンジン低回転時や過渡運転時に電動機の力でターボ軸の駆動を補助することで、排気タービンの駆動力が小さいときでも自由に過給圧をコントロールすることができる。
従来の電動アシストターボチャージャは、排気ガスにより回転される排気タービンと排気タービンにターボ軸を介して接続された吸気コンプレッサとを有するターボチャージャに、ターボ軸に一体に設けられたロータとロータの外周に位置するステータとを有する電動機を組み合わせてなる。
この電動アシストターボチャージャでは、電動機のロータがターボ軸に一体に設けられるので、ロータはターボ軸と同じ回転速度で回転する。
特開2004−169629号公報 特開2006−320143号公報
ところが、一般の電動機には、回転速度が低い領域に銅損が大きい領域があり、回転速度が高い領域に鉄損が大きい領域がある。銅損は、巻線に流れる電流によるものである。鉄損は、鉄心に流れる渦電流により電気エネルギが消費されるために生じる。更に詳しくは、鉄損には、渦電流損とヒステリシス損とがあるが、両者とも回転速度に応じて大きくなる。
一般の電動機は、回転速度が高いと鉄損が大きいので、数千rpmから2万rpmの範囲が適切な使用回転速度とされている。
これに対し、ターボチャージャは排気ガスが多くなればなるほど高速で回転されるものであり、例えば、小型エンジンに搭載されるターボチャージャでは回転速度が10万〜20万rpmにもなることがある。この回転速度は、一般の電動機においては渦電流損が大きい領域に相当する。
このように、従来の電動アシストターボチャージャでは、電動機のロータがターボ軸と同じ回転速度となることから、電動機が推奨されない回転速度領域で使用されることになり、鉄損による電力の無駄な消費が避けられない。
なお、10万rpmを超える超高速回転でも鉄損増加を抑制できる超高速モータがあるが、特殊な材料や構造を採用しているので高価であり、普及車への搭載には適さない。
また、電動機を使用しない場合、ロータは作動する必要がないが、ロータがターボ軸に一体に設けられるので、電動機を使用しない場合であっても、ターボ軸が回転するとロータも回転し、無駄な仕事が発生しているという問題もある。
そこで、本発明の目的は、電動機の鉄損を低減でき、且つ、電動機の停止時における無駄な仕事を無くした電動アシストターボチャージャを提供することにある。
この目的を達成するために創案された本発明は、ターボチャージャと電動機とを減速ギア機構で連結して構成した電動アシストターボチャージャであって、前記減速ギア機構は、前記ターボチャージャのターボ軸に取り付けられたターボ側ギアと、前記電動機のロータに取り付けられると共に前記ターボ側ギアに連結され、且つ、前記ターボ側ギアよりも歯数が多い電動機側ギアとを有し、前記ターボ側ギアが、ワンウェイクラッチを介して前記ターボ軸に取り付けられた電動アシストターボチャージャである。
本発明によれば、電動機の鉄損を低減でき、且つ、電動機の停止時における無駄な仕事を無くした電動アシストターボチャージャを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電動アシストターボチャージャを示す側面図である。 図1の電動アシストターボチャージャの減速ギア機構を示す正面図である。 ワンウェイクラッチの原理を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施の形態に係る電動アシストターボチャージャを示す側面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る電動アシストターボチャージャ10は、ターボチャージャ11と電動機12とを減速ギア機構13で連結して構成したものである。
ターボチャージャ11は、排気ガスにより回転される排気タービン14と、回転により空気を圧縮する吸気コンプレッサ15と、排気タービン14と吸気コンプレッサ15とを同軸上で接続すると共に排気タービン14側から吸気コンプレッサ15側へ回転を伝達するターボ軸16とを備える。ターボ軸16は、排気タービン14側の軸受け17と吸気コンプレッサ15側の軸受け18とにより、2箇所で軸承されている。
図2に示すように、減速ギア機構13は、ターボチャージャ11のターボ軸16に取り付けられたターボ側ギア19と、電動機12のロータ20に取り付けられると共にターボ側ギア19に連結され、且つ、ターボ側ギア19よりも歯数が多い電動機側ギア21とを有する。
ターボ側ギア19は、ワンウェイクラッチ22を介してターボ軸16に取り付けられる。ワンウェイクラッチ22は、図3(a)に示すように、電動機12が駆動しているときには、ローラ23が楔形の隙間に押しつけられて電動機12の駆動力がターボ軸16に伝達され、図3(b)に示すように、電動機12が停止しているときには、ローラ23がスプリング24に押しつけられて空転するようになっている。
次に、電動アシストターボチャージャ10の動作を説明する。
電動アシストターボチャージャ10において、ターボ軸16の回転速度が低く、吸気コンプレッサ15から過給される吸気量が少ない状態のとき、燃料噴射量を多くするには、吸気量を多くする必要がある。
このような場合に、電動機12を回転させることにより、電動機側ギア21からターボ側ギア19、及びワンウェイクラッチ22を介してターボ軸16の回転を補助する。このとき、電動機12の回転が増速されてターボ軸16に伝達されるので、電動機12は所望するターボ軸16の回転速度よりも低回転速度で回転させれば良いことになる。
ターボ軸16の回転速度が高い状態にて、エンジン状態を更に高負荷なエンジン状態にさせるような過渡運転時(例えば、追い越し運転時)、電動機12を回転させることにより、ターボ軸16の回転を補助する。このときは、ターボ軸16の回転速度は高いが、電動機12の回転速度は所望するターボ軸16の回転速度よりも低回転速度となるので、鉄損が小さい回転速度領域で電動機12が使用される。
一方、高負荷運転時であってターボ軸16の回転速度がターボ側ギア19の回転速度よりも早くなった場合、或いは電動機12が停止している場合には、ワンウェイクラッチ22が空転するので、ロータ20とターボ軸16との間で駆動力が伝達されない。これにより、高負荷運転時、或いは電動機12が作動していないときは、ターボ軸16の駆動力がロータ20に伝達されることはなく、無駄な仕事をしないため、排気タービン14の駆動力をより効率的に吸気コンプレッサ15に伝達することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る電動アシストターボチャージャ10は、電動機12を所望するターボ軸16の回転速度よりも低回転速度で回転させれば良く、電動機12の鉄損を低減することができる。つまり、電動アシストターボチャージャ10によれば、鉄損による電力の無駄な消費が節減され、結果的に燃料消費が抑制されるので、燃費を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る電動アシストターボチャージャ10は、電動機12が低回転速度で運転されるので、超高速モータを採用する必要がなく、材料や構造が一般的な電動機を採用でき、コストの上昇を抑えることができる。
更に、ターボ側ギア19が、ワンウェイクラッチ22を介してターボ軸16に取り付けられるため、電動機12の停止時における無駄な仕事を無くすことができ、このような構成の電動アシストターボチャージャ10をエンジンに搭載した場合、フリクション低減により燃費改善が期待できる。
なお、電動機側ギア21とターボ側ギア19のギア比としては、5:1〜20:1が望ましく、例えば10:1にすれば、ターボ軸16の回転速度が20万rpmのとき、電動機12の回転速度は2万rpmで良いことになる。
また、ワンウェイクラッチ22は、図2(b)に示した構成に限定されず、ワンウェイクラッチとしての機能を果たすものであればどのような構成のものであっても良い。
10 電動アシストターボチャージャ
11 ターボチャージャ
12 電動機
13 減速ギア機構
14 排気タービン
15 吸気コンプレッサ
16 ターボ軸
17 軸受け(排気タービン側)
18 軸受け(吸気コンプレッサ側)
19 ターボ側ギア
20 ロータ
21 電動機側ギア
22 ワンウェイクラッチ
23 ローラ
24 スプリング

Claims (1)

  1. ターボチャージャと電動機とを減速ギア機構で連結して構成した電動アシストターボチャージャであって、
    前記減速ギア機構は、
    前記ターボチャージャのターボ軸に取り付けられたターボ側ギアと、
    前記電動機のロータに取り付けられると共に前記ターボ側ギアに連結され、且つ、前記ターボ側ギアよりも歯数が多い電動機側ギアとを有し、
    前記ターボ側ギアが、ワンウェイクラッチを介して前記ターボ軸に取り付けられたことを特徴とする電動アシストターボチャージャ。
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