JP2012092700A - フィルタ故障検出装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタの小さな故障も含むフィルタの故障をより精度良く検出する技術を提供する。
【解決手段】内燃機関1の排気通路2に設けられ、内燃機関1から排出される排気中のPMを捕集するDPF3と、DPF3よりも下流の排気通路2に設けられ、DPF3をすり抜けたPMを帯電させる帯電部4と、帯電部4よりも下流の排気通路2に設けられ、帯電部4で帯電されたPMを遠ざけるように斥力を発生させる斥力発生部5と、斥力発生部5からの斥力で排気通路2を流通する排気の慣性力に抗って移動するPMを検出するPM検出部6と、PM検出部6での検出結果に基づきDPF3の故障を検出するECU7と、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関1の排気通路2に設けられ、内燃機関1から排出される排気中のPMを捕集するDPF3と、DPF3よりも下流の排気通路2に設けられ、DPF3をすり抜けたPMを帯電させる帯電部4と、帯電部4よりも下流の排気通路2に設けられ、帯電部4で帯電されたPMを遠ざけるように斥力を発生させる斥力発生部5と、斥力発生部5からの斥力で排気通路2を流通する排気の慣性力に抗って移動するPMを検出するPM検出部6と、PM検出部6での検出結果に基づきDPF3の故障を検出するECU7と、を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、フィルタ故障検出装置及びフィルタ故障検出方法に関する。
内燃機関から排出される排気中のPM(Particulate Matter)等の粒子状物質を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter(PMトラッパ))の前後差圧を検出する差圧セ
ンサを備え、差圧センサの雰囲気温度が所定の温度範囲に入るような内燃機関の2つの異なる運転状態におけるDPFの前後差圧の変化量に基づいてDPFの故障を検出する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の技術によると、差圧センサの雰囲気温度の変化に起因する差圧センサのオフセット誤差の変動が抑制されるので、より精度良くDPFの前後差圧の変化量を検出し、より精度良くDPFの故障を検出するようにしていた。
ンサを備え、差圧センサの雰囲気温度が所定の温度範囲に入るような内燃機関の2つの異なる運転状態におけるDPFの前後差圧の変化量に基づいてDPFの故障を検出する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の技術によると、差圧センサの雰囲気温度の変化に起因する差圧センサのオフセット誤差の変動が抑制されるので、より精度良くDPFの前後差圧の変化量を検出し、より精度良くDPFの故障を検出するようにしていた。
しかしながら、特許文献1の技術のようにDPFの故障を検出する場合には、DPFの前後差圧を用いているため、DPFの前後差圧が変化しない場合やDPFの前後差圧が誤差範囲に含まれるような微小に変化する場合が生じるDPFの小さな故障は検出することができなかった。
本発明の目的は、フィルタの小さな故障も含むフィルタの故障をより精度良く検出する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタよりも下流の前記排気通路に設けられ、前記フィルタをすり抜けた粒子状物質を帯電させる帯電部と、
前記帯電部よりも下流の前記排気通路に設けられ、前記帯電部で帯電された粒子状物質を遠ざけるように斥力を発生させる斥力発生部と、
前記斥力発生部からの斥力で前記排気通路を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質を検出する粒子状物質検出部と、
前記粒子状物質検出部での検出結果に基づき前記フィルタの故障を検出する故障検出部と、
を備えたことを特徴とするフィルタ故障検出装置である。
内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタよりも下流の前記排気通路に設けられ、前記フィルタをすり抜けた粒子状物質を帯電させる帯電部と、
前記帯電部よりも下流の前記排気通路に設けられ、前記帯電部で帯電された粒子状物質を遠ざけるように斥力を発生させる斥力発生部と、
前記斥力発生部からの斥力で前記排気通路を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質を検出する粒子状物質検出部と、
前記粒子状物質検出部での検出結果に基づき前記フィルタの故障を検出する故障検出部と、
を備えたことを特徴とするフィルタ故障検出装置である。
フィルタが故障する場合にフィルタをすり抜け易くなる粒子状物質が存在する。この粒子状物質は、フィルタの小さな故障であってもフィルタをすり抜け易くなる。そして、この粒子状物質は、帯電部で帯電されると斥力発生部からの斥力で排気の慣性力に抗って移動する。よって、この粒子状物質を検出することでフィルタの故障を精度良く検出するこ
とができる。したがって本発明によると、フィルタの小さな故障も含むフィルタの故障をより精度良く検出することができる。
とができる。したがって本発明によると、フィルタの小さな故障も含むフィルタの故障をより精度良く検出することができる。
前記粒子状物質検出部は、検出したい粒子状物質の粒径に合わせて、前記排気通路の排気流れ方向の設置位置が定められているとよい。
粒子状物質の粒径が異なると、帯電部で帯電された後に斥力発生部からの斥力で排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質の移動方向が異なる。例えば、粒子状物質の粒径が小さい程、排気流れ方向のより上流側で斥力発生部から遠ざかる方向に移動する。このことに鑑み、検出したい粒子状物質の粒径の、帯電部で帯電された後に斥力発生部からの斥力で排気の慣性力に抗って移動する移動方向を予め求めておけば、検出したい粒子状物質の当該移動方向に合わせて粒子状物質検出部の排気流れ方向の設置位置を定めることができる。これにより、粒子状物質検出部は、検出したい粒子状物質を検出することができる。この検出したい粒子状物質が、フィルタが故障する場合にフィルタをすり抜け易くなる粒子状物質であれば、フィルタの故障を精度良く検出することができる。
前記粒子状物質検出部が検出する粒子状物質の粒径は、前記フィルタが故障した場合に前記フィルタをすり抜ける量が増加し易い粒径であるとよい。
本発明によると、粒子状物質検出部が、フィルタが故障する場合にフィルタをすり抜け易くなる粒子状物質をより多く検出することができる。これにより、フィルタの故障を精度良く検出することができる。なお、フィルタが故障した場合にフィルタをすり抜ける量が増加し易い粒子状物質の粒径は、10〜30nmである。
また本発明は、
内燃機関の排気通路に設けられたフィルタであって前記内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタをすり抜けた粒子状物質を帯電部で帯電させるステップと、
前記帯電部で帯電された粒子状物質を遠ざけるように斥力を斥力発生部で発生させるステップと、
前記斥力発生部からの斥力で前記排気通路を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質を粒子状物質検出部で検出するステップと、
前記粒子状物質検出部での検出結果に基づき前記フィルタの故障を故障検出部で検出するステップと、
を含むことを特徴とするフィルタ故障検出方法である。
内燃機関の排気通路に設けられたフィルタであって前記内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタをすり抜けた粒子状物質を帯電部で帯電させるステップと、
前記帯電部で帯電された粒子状物質を遠ざけるように斥力を斥力発生部で発生させるステップと、
前記斥力発生部からの斥力で前記排気通路を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質を粒子状物質検出部で検出するステップと、
前記粒子状物質検出部での検出結果に基づき前記フィルタの故障を故障検出部で検出するステップと、
を含むことを特徴とするフィルタ故障検出方法である。
本発明によっても、フィルタの小さな故障も含むフィルタの故障をより精度良く検出することができる。
本発明によると、フィルタの小さな故障も含むフィルタの故障をより精度良く検出することができる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
(内燃機関)
図1は、本発明の実施例1に係るフィルタ故障検出装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、気筒を4つ有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンである。内燃機関1は、車両に搭載されている。なお、内燃機関1は、ガソリンエンジン等の他の内燃機関であってもよい。
(内燃機関)
図1は、本発明の実施例1に係るフィルタ故障検出装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、気筒を4つ有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンである。内燃機関1は、車両に搭載されている。なお、内燃機関1は、ガソリンエンジン等の他の内燃機関であってもよい。
内燃機関1には、排気通路2が接続されている。排気通路2には、フィルタとしてのDPF3が配置されている。DPF3は、内燃機関1から排出され排気通路2内を流通する排気中の粒子状物質(以下、PMという)を捕集する。DPF3は、ハニカム状となるコーディエライト等の耐熱性セラミックスの基材を用い、排気の流路となる多数のセルを入口側又は出口側が互い違いとなるように目封じされて構成されている。DPF3のセル壁は多孔性を有する。DPF3に流入した排気は、セル壁を通過しながら下流へ流れ、その間にPMがセル壁の孔部やセル壁面に捕集されて堆積していく。
DPF3よりも下流の排気通路2には、帯電部4が配置されている。帯電部4は、DPF3をすり抜けたPMを帯電させる。帯電部4では、排気流れ方向に対して直交方向の排気通路壁内周に複数点在させた電極間に電圧を印加して排気通路2内に電界を形成している。PMは、帯電部4を通過する際に帯電部4が形成する電界で帯電される。これにより、PMは荷電粒子となる。
帯電部4よりも下流の排気通路2には、斥力発生部5が配置されている。斥力発生部5は、排気通路2内の中心に設けられ排気流れ方向に延びる棒状電極であり、帯電部4で帯電され荷電粒子となったPMを遠ざけるように斥力を発生させる。つまり、斥力発生部5は、荷電粒子となったPMの電荷と同極となる電極である。このため、荷電粒子となったPMの一部は、斥力発生部5からの斥力で排気通路2を下流方向へ流通しようとする排気通路2を流通する排気の慣性力に抗って、斥力発生部5の存在する排気通路2内の中心から排気通路壁のある外側へ向かって移動する。なお、斥力発生部5に印加する電圧は、内燃機関1の運転状態に応じて可変する。
斥力発生部5が配置された排気通路2は、上流の排気通路壁とつながり排気が流通する内管21と、内管21の外側に広がり内管21を覆う外管22と、の二重管構造に形成されている。内管21の下流端はどこにもつながっておらず、外管22の下流端が下流の排気通路壁とつながっている。この二重管構造の排気通路2の内管21には、PM検出部6が配置されている。PM検出部6は、排気流れ方向に対して直交方向の内管壁に沿って円環状に配置され、斥力発生部5からの斥力で排気通路2を流通する排気の慣性力に抗って移動するPMを検出する。PM検出部6は、荷電粒子となったPMが衝突する検出板を有し、検出板にPMが衝突するとPMの電荷によって検出板を流れる電流が生じ、この検出板を流れる電流量から衝突したPMの量を検出することができる。つまり、PM検出部6の検出板に衝突するPMが多くなる程、電流量が増大し、検出するPMの量が増加したと判断できる。PM検出部6が本発明の粒子状物質検出部に対応する。PM検出部6の検出板に衝突したPMは、PM検出部6を通過して内管21と外管22との間の環状通路を流通し、下流の排気通路2へ流出する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU7が併設されている。ECU7は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。ECU7には、PM検出部6、クランクポジションセンサ8、アクセルポジションセンサ9等の各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU7に入力される。ECU7は、クランクポジションセンサ8、アクセルポジションセンサ9等の出力信号を受けて内燃機関1の運転状態を判別し、判別された機関運転状態に基づいて内燃機関1等を電気的に制御する。
例えば、ECU7は、燃料噴射制御などの既知の制御の他に、DPF3を再生する制御(以下、フィルタ再生制御という)を実行する。フィルタ再生制御は、DPF3にPMが規定量以上に捕集された場合に、排気通路2に配置される燃料添加弁から排気中へ燃料添加することや、内燃機関1での主噴射とは別のポスト噴射をすること等によって燃料をDPF3の前段の酸化触媒に供給し、燃料の酸化反応によってDPF3を例えば600℃等に昇温させ、DPF3に捕集されているPMを酸化及び除去する。
また、ECU7は、斥力発生部5に印加する電圧を、クランクポジションセンサ8、アクセルポジションセンサ9等の出力信号を受けて判別された内燃機関1の運転状態に応じて制御する。
(故障検出制御)
DPF3が破損や溶損等により故障すると、DPF3をすり抜けるPMが増大し、多くのPMが大気に排出されてしまい排気エミッションの悪化を招く。この排気エミッションの悪化する状態を早期に回避するため、従来からDPFの故障を検出することが行われていた。従来のDPFの故障を検出する手法としては、DPFの前後差圧を検出し、この前後差圧が著しく低下した場合にDPFの故障であると判定する手法等がある。しかしながら、このようなDPFの前後差圧を用いる手法では、DPFの前後差圧が変化しない場合、或いは、DPFの前後差圧の変化が誤差範囲に含まれるような微小な場合が生じる、例えばDPFに微小なクラックが生じた場合等のDPFの小さな故障までをも検出することができるものではなかった。
DPF3が破損や溶損等により故障すると、DPF3をすり抜けるPMが増大し、多くのPMが大気に排出されてしまい排気エミッションの悪化を招く。この排気エミッションの悪化する状態を早期に回避するため、従来からDPFの故障を検出することが行われていた。従来のDPFの故障を検出する手法としては、DPFの前後差圧を検出し、この前後差圧が著しく低下した場合にDPFの故障であると判定する手法等がある。しかしながら、このようなDPFの前後差圧を用いる手法では、DPFの前後差圧が変化しない場合、或いは、DPFの前後差圧の変化が誤差範囲に含まれるような微小な場合が生じる、例えばDPFに微小なクラックが生じた場合等のDPFの小さな故障までをも検出することができるものではなかった。
ところで、本発明者の知見によると、DPF3が故障したときに変化が生じる、DPF3の前後差圧、DPF3をすり抜けるPM重量、DPF3をすり抜けるPM粒子数のうち、DPF3をすり抜けるPM粒子数がDPF3の小さな故障に対しても変化し易いことが判明した。つまり、DPF3をすり抜けるPM粒子数は、DPF3の小さな故障も含むDPF3の故障に対する感度が最も高いことが判明した。図2は、DPF3が正常な場合とDPF3が故障した場合とのPMの粒径(nm)に対するDPF3でのPMの捕集効率(%)を示す図である。図2に示すように、DPF3が故障した場合には、粒径10〜30nmの微小粒子のPMがDPF3のクラックを容易にすり抜けるため、このようなPMの捕集効率が低下する。すなわち、DPF3をすり抜ける粒径10〜30nmの微小粒子のPMの捕集効率は、DPF3が正常な場合には93%であったのに対し、DPF3が故障すると20〜60%に低下する。つまり、粒径10〜30nmの微小粒子のPMは、DPF3が故障した場合にDPF3をすり抜ける量が増加し易い粒径のPMである。
上記のように、DPF3をすり抜けるPM粒子数を検出すれば、DPF3の故障を最も精度良く検出することができる。しかしながら、従来では、全粒径の平均値のPM粒子数を検出していたため、DPF3をすり抜ける全粒径の平均値のPMの捕集効率は、DPF3が正常な場合には93%であったのに対し、DPF3が故障しても約80%に低下するだけであった。よって、DPF3が正常な場合とDPF3が故障した場合との捕集効率の差が13%程度でしかなく、検出精度として明確な差ではなかった。そのため、従来のよ
うにDPF3をすり抜ける全粒径の平均値のPM粒子数を検出しても、DPF3の故障を精度良く検出することができなかった。
うにDPF3をすり抜ける全粒径の平均値のPM粒子数を検出しても、DPF3の故障を精度良く検出することができなかった。
そこで、本実施例では、帯電部4で帯電された後に斥力発生部5からの斥力で排気通路2を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒径10〜30nmの微小粒子のPM(以下、微小PMという)をPM検出部6で検出し、PM検出部6での検出結果に基づきDPF3の故障を検出するようにした。
図3は、実施例1に係るフィルタ故障検出装置の動作概要を示す図である。図3に示すように、先ず、DPF3をすり抜けるPMを帯電部4で帯電させる。帯電させたPMのうち、微小PMを斥力発生部5の発生させる斥力で排気の慣性力に抗って排気通路2内の中心から排気通路壁のある外側へ向かって移動させる。この移動してくる微小PMをPM検出部6で検出する。そして、PM検出部6で検出した電流量から微小PMの量を判断し、微小PMの量が予め定められた閾値よりも多くなるとDPF3に故障が生じたと判定する。なお、PM検出部6に移動した微小PMは、PM検出部6を通過して内管21と外管22との間の環状通路を流通し、下流の排気通路2へ流出する。
ここで、本実施例では、微小PMだけをPM検出部6に移動させ、その他の粒径の大きなPMを排気通路の下流へ流出させるようにする。このために、微小PMが斥力発生部5の発生させる斥力で排気の慣性力に抗って排気通路2内の中心から排気通路壁のある外側へ向かって移動するように、斥力発生部5に電圧を印加する。排気の慣性力は、PMの粒径が大きい程、大きくなるので、斥力発生部5に印加する電圧を小さめにすることで、微小PMだけを斥力でPM検出部6に移動させ、その他の粒径の大きなPMを斥力が働いても排気の慣性力で排気通路2の下流へ流出させることができる。なお、斥力発生部5の斥力が、排気の慣性力が大きい程、大きくする必要があることを考慮して、ECU7によって斥力発生部5に印加する電圧は、排気の慣性力と相関関係のある排気流量が多くなる程、増加させるようにする。ここで、排気流量は、吸入空気量、空燃比、空気密度、及び排気温度から算出することができる。例えば、排気流量F(m3/s)は、吸入空気量Ga
(g/s)、空燃比A/F、空気密度ρ(g/m3)、排気温度T(℃)を用いて、F=Ga・(1+1/(A/F))・1/ρ・T/T0で算出される。なお、斥力発生部5は、検出したいPMの粒径が異なれば、それに応じて斥力発生部5に印加する電圧を変更するとよい。
(g/s)、空燃比A/F、空気密度ρ(g/m3)、排気温度T(℃)を用いて、F=Ga・(1+1/(A/F))・1/ρ・T/T0で算出される。なお、斥力発生部5は、検出したいPMの粒径が異なれば、それに応じて斥力発生部5に印加する電圧を変更するとよい。
また、微小PMだけをPM検出部6に衝突させるために、PM検出部6は、検出する微小PMに合わせて排気通路2の排気流れ方向の設置位置が定められている。PMの粒径が異なると、帯電部4で帯電された後に斥力発生部5からの斥力で排気の慣性力に抗って移動するPMの移動方向が異なる。例えば、PMの粒径が小さい程、排気流れ方向のより上流側で斥力発生部5から遠ざかる方向に移動する。このことに鑑み、微小PMの、帯電部4で帯電された後に斥力発生部5からの斥力で排気の慣性力に抗って移動する移動方向を予め求めておけば、微小PMの当該移動方向に合わせてPM検出部6の排気流れ方向の設置位置を定めることができる。これにより、PM検出部6は、微小PMを検出することができる。なお、PM検出部6は、検出したいPMの粒径が異なる場合には、上記と同様に検出したいPMの粒径に合わせて、排気通路2の排気流れ方向の設置位置を定めるとよい。
以上のようにDPF3の小さな故障を含むDPF3が故障する場合にDPF3をすり抜け易くなるPMとして、微小PMが存在する。この微小PMは、小さなクラックが生じたようなDPF3の小さな故障であってもDPF3をすり抜け易くなる。そして、この微小PMは、帯電部4で帯電されると斥力発生部5からの斥力で排気の慣性力に抗って移動する。よって、DPF3が故障した場合により多く検出されるこの微小PMを検出すること
でDPF3の故障を精度良く検出することができる。したがって本実施例によると、DPF3の小さな故障も含むDPF3の故障をより精度良く検出することができる。
でDPF3の故障を精度良く検出することができる。したがって本実施例によると、DPF3の小さな故障も含むDPF3の故障をより精度良く検出することができる。
(故障検出制御ルーチン)
ECU7における故障検出制御ルーチンについて、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。図4は、故障検出制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返しECU7によって実行される。本ルーチンを実行するECU7が、本発明の故障検出部に対応する。
ECU7における故障検出制御ルーチンについて、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。図4は、故障検出制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返しECU7によって実行される。本ルーチンを実行するECU7が、本発明の故障検出部に対応する。
図4に示すルーチンが開始されると、S101では、PM検出部6での検出結果である、単位時間当たりのPM検出部6で検出する微小PMの量を取得する。
S102では、S101で取得した微小PMの量が閾値よりも多いか否かを判別する。ここで、閾値は、実験や検証等により予め定められた値であり、それよりも多いとDPF3が故障したと判定できる値である。ここで、フィルタ再生制御の直後等の場合には、PMがDPF3からすり抜け易くなり、またフィルタ再生制御の直前のようにDPF3に多量のPMが捕集されている場合には、PMがDPF3からすり抜け難くなる。よって、この閾値は、内燃機関1の運転状態や制御状態や制御の経過状態等に適合するように適宜変更される変動値である。S102において、微小PMの量が閾値よりも多いと肯定判定された場合には、S103へ移行しDPF3が故障したと判定する。一方、S102において、微小PMの量が閾値以下であると否定判定された場合には、S104へ移行しDPF3が正常であると判定する。S103、S104のステップの後、本ルーチンを一旦終了する。
以上の本ルーチンであると、取得した微小PMの量に基づいてDPF3の故障を検出することができる。DPF3をすり抜ける微小PMの量は、DPF3の故障に対する感度が高いので、DPF3の小さな故障も含むDPF3の故障をより精度良く検出することができる。
<その他の実施例>
図5は、実施例2に係るフィルタ故障検出装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図5に示すように、DPF3よりも下流の排気通路2から排気を分流させる分流通路10を設ける。この分流通路10に、上記実施例1と同様に、帯電部4、斥力発生部5、及びPM検出部6を設けるようにしてもよい。分流通路10の上流からは外部空気を流入させ、分流通路10に排気を常時一定流量分流させる。これによると、分流通路10に分流された排気だけを用いてDPF故障検出ができるので、排気通路2での排気の流通を阻害することがない。
図5は、実施例2に係るフィルタ故障検出装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図5に示すように、DPF3よりも下流の排気通路2から排気を分流させる分流通路10を設ける。この分流通路10に、上記実施例1と同様に、帯電部4、斥力発生部5、及びPM検出部6を設けるようにしてもよい。分流通路10の上流からは外部空気を流入させ、分流通路10に排気を常時一定流量分流させる。これによると、分流通路10に分流された排気だけを用いてDPF故障検出ができるので、排気通路2での排気の流通を阻害することがない。
図6は、実施例3に係るフィルタ故障検出装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図6に示すように、斥力発生部5を排気通路壁内周に円環状に設け、PM検出部6を排気通路2内の中心の内筒11に設ける。これによると、微小PMを斥力発生部5の発生させる斥力で排気の慣性力に抗って排気通路壁内周から排気通路内の中心のある内側へ向かって移動させることができる。
図7は、実施例4に係るフィルタ故障検出装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図7に示すように、斥力発生部5を排気通路壁内周に一部を覆わないように断面円弧状に設け、PM検出部6をその斥力発生部5で覆われなかった排気通路壁内周の一部に設ける。なお、DPF3や帯電部4の構成は実施例1と同様である。これによると、微小PMを斥力発生部5の発生させる斥力で排気の慣性力に抗って排気通路2内全体から排気通路壁内周の一部のPM検出部6へ向かって移動させることができる。よって、排気通
路2内の中心に部材を設置する必要が無く、排気の流通を阻害することがない。
路2内の中心に部材を設置する必要が無く、排気の流通を阻害することがない。
<その他>
本発明に係るフィルタ故障検出装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上記実施例は、フィルタ故障検出装置だけでなくフィルタ故障検出方法の実施例でもある。
本発明に係るフィルタ故障検出装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上記実施例は、フィルタ故障検出装置だけでなくフィルタ故障検出方法の実施例でもある。
1:内燃機関、2:排気通路、3:DPF、4:帯電部、5:斥力発生部、6:PM検出部、7:ECU、8:クランクポジションセンサ、9:アクセルポジションセンサ、10:分流通路、11:内筒、21:内管、22:外管
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタよりも下流の前記排気通路に設けられ、前記フィルタをすり抜けた粒子状物質を帯電させる帯電部と、
前記帯電部よりも下流の前記排気通路に設けられ、前記帯電部で帯電された粒子状物質を遠ざけるように斥力を発生させる斥力発生部と、
前記斥力発生部からの斥力で前記排気通路を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質を検出する粒子状物質検出部と、
前記粒子状物質検出部での検出結果に基づき前記フィルタの故障を検出する故障検出部と、
を備えたことを特徴とするフィルタ故障検出装置。 - 前記粒子状物質検出部は、検出したい粒子状物質の粒径に合わせて、前記排気通路の排気流れ方向の設置位置が定められていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ故障検出装置。
- 前記粒子状物質検出部が検出する粒子状物質の粒径は、前記フィルタが故障した場合に前記フィルタをすり抜ける量が増加し易い粒径であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタ故障検出装置。
- 内燃機関の排気通路に設けられたフィルタであって前記内燃機関から排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタをすり抜けた粒子状物質を帯電部で帯電させるステップと、
前記帯電部で帯電された粒子状物質を遠ざけるように斥力を斥力発生部で発生させるステップと、
前記斥力発生部からの斥力で前記排気通路を流通する排気の慣性力に抗って移動する粒子状物質を粒子状物質検出部で検出するステップと、
前記粒子状物質検出部での検出結果に基づき前記フィルタの故障を故障検出部で検出するステップと、
を含むことを特徴とするフィルタ故障検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010239624A JP2012092700A (ja) | 2010-10-26 | 2010-10-26 | フィルタ故障検出装置及び方法 |
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JP2010239624A JP2012092700A (ja) | 2010-10-26 | 2010-10-26 | フィルタ故障検出装置及び方法 |
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JP (1) | JP2012092700A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016052734A1 (ja) * | 2014-10-02 | 2016-04-07 | 株式会社デンソー | フィルタの故障検出装置、粒子状物質検出装置 |
JP2016075668A (ja) * | 2014-10-02 | 2016-05-12 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | フィルタの故障検出装置、粒子状物質検出装置 |
-
2010
- 2010-10-26 JP JP2010239624A patent/JP2012092700A/ja not_active Withdrawn
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WO2016052734A1 (ja) * | 2014-10-02 | 2016-04-07 | 株式会社デンソー | フィルタの故障検出装置、粒子状物質検出装置 |
JP2016075668A (ja) * | 2014-10-02 | 2016-05-12 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | フィルタの故障検出装置、粒子状物質検出装置 |
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