JP2012091560A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Yutaka Takamura
Hiroyuki Ashizawa
裕之 芦沢
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晴久 土川
Munetoshi Ueno
宗利 上野
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Abstract

【課題】入力トルクのバラツキを精度よく抑制する。
【解決手段】内燃機関10と、電動機20と、前記内燃機関の出力軸及び前記電動機の出力軸に直接的又は間接的に接続された駆動車輪54と、ワンウェイクラッチを含む自動変速機40と、を備えたハイブリッド車両に対し、前記内燃機関を少なくとも駆動源とするHEV走行モードであるか否かを検出する走行モード検出手段602と、前記自動変速機の変速条件の成否を検出する変速条件検出手段613と、前記自動変速機の変速段状態が前記ワンウェイクラッチを含む変速段であるか否かを検出する変速段検出手段613と、前記走行モードがHEV走行モードであり、前記自動変速機の変速条件が非成立であり、前記自動変速機の変速段状態が前記ワンウェイクラッチを含む変速段であることを検出した場合に、前記電動機の出力トルクを補正する制御手段616と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来のガソリン内燃機関を駆動源とする車両において、内燃機関(以下、エンジン)による回転数制御を行う際に、予めトルクのばらつきや負荷を補正するためにスロットルを開いてトルク容量を増加させるものが知られている(特許文献1)。
特開平10−2246号公報
ところで、エンジンとモータジェネレータとを駆動源とするパラレルハイブリッド車両において、自動変速機の変速段のうちのワンウェイクラッチ特性を有する変速段にて走行中に入力トルクがゼロに近づくと、エンジントルクとモータジェネレータトルクとの和がゼロになるようにモータジェネレータトルク指令を生成するが、エンジントルクのばらつきにより入力トルクが負になってワンウェイクラッチが外れることがある。
このため、上記従来技術を適用してエンジンの回転数を制御すると、エンジン回転数が吹け上がり傾向になる。これに対してはフィードバック制御でスロットルを閉じようとするが、空気量によるフィードバック制御は応答が遅いので、駆動力よりも大きな入力トルクとなって車両を押し出したり減速しなくなったりして、結果的に運転者に違和感を与えるので、エンジンの回転数制御は問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、入力トルクのバラツキを精度よく抑制することにある。
本発明は、内燃機関とモータジェネレータとを駆動源とし、変速機を備えるハイブリッド車両において、変速機の変速段のうちワンウェイクラッチ特性を有する変速段にて走行中は、当該ワンウェイクラッチの状態に応じてモータジェネレータのトルクを補正することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、モータジェネレータは内燃機関より応答駆動が早いので、モータジェネレータのトルクを補正することにより、非線形なトルク伝達特性を有するワンウェイクラッチに対しても入力トルクのバラツキを高精度に抑制できる。
本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係るハイブリッド車両のパワートレーンを示す図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係るハイブリッド車両のパワートレーンを示す図である。 図1の自動変速機を示す図である。 図4の自動変速機の締結作動表である。 図4の自動変速機の変速線図である。 図1の統合コントロールユニットの細部を示す制御ブロック図である。 図7の目標駆動トルク演算部で参照される目標駆動力マップの一例を示す図である。 図7の目標走行モード演算部で参照される走行モードマップの一例を表す図である。 HEV走行モード中にアクセルを放した場合に生じるエンジン回転数の低下の課題を説明する図である。 図7の統合コントロールユニットの制御内容を示すフローチャートである。 図11のステップS7のサブルーチンを示すフローチャートである。 図11のステップS8のサブルーチンを示すフローチャートである。 図7の目標入力トルク演算部の制御内容を示す図である。 図7の回転低下補正部の制御内容を示す図(その1)である。 図7の回転低下補正部の制御内容を示す図(その2)である。 図7の回転低下補正部の制御内容を示す図(その3)である。 図15のオフセット回転数の演算手順を示すフローチャートである。 図7の統合コントロールユニットの制御内容を示すタイムチャートである。
本発明の実施形態に係るハイブリッド車両1は、内燃機関とモータジェネレータといった複数の動力源を車両の駆動に使用するパラレル方式自動車であり、図1に示す本例のハイブリッド車両1は、内燃機関(以下、「エンジン」という)10、第1クラッチ15、モータジェネレータ(電動機・発電機)20、第2クラッチ25、バッテリ30、インバータ35、自動変速機40、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、ドライブシャフト53、および左右の駆動輪54を備える。
エンジン10は、ガソリン、軽油その他の燃料を燃焼させて駆動エネルギを出力する駆動源の一つであり、エンジンコントロールユニット70からの制御信号に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度や燃料噴射バルブの燃料噴射量等を制御する。
第1クラッチ15は、エンジン10の出力軸とモータジェネレータ20の回転軸との間に介装され、エンジン10とモータジェネレータ20との間の動力伝達を断接(ON/OFF)する。第1クラッチ15としては、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチなどを例示することができる。第1クラッチ15において、統合コントロールユニット60からの制御信号に基づいて油圧ユニット16の油圧が制御され、これにより第1クラッチ15のクラッチ板が締結(スリップ状態も含む。)又は解放する。なお、第1クラッチ15に乾式クラッチを採用してもよい。
モータジェネレータ20は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルが巻きつけられた同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータ20には、ロータ回転角を検出するレゾルバなどの回転角センサ21が設けられている。モータジェネレータ20は、電動機としても機能するし発電機としても機能する。インバータ35から三相交流電力が供給されている場合には、モータジェネレータ20は回転駆動する(力行)。
一方、外力によってロータが回転している場合には、モータジェネレータ20は、ステータコイルの両端に起電力を生じさせることで交流電力を生成する(回生)。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、インバータ35によって直流電力に変換された後に、バッテリ30に充電される。また、回生中においてモータジェネレータ20には負のトルクが発生するので、駆動輪に対して制動機能をも奏する。
バッテリ30は、複数のリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などを直列又は並列に接続した組電池を例示することができる。バッテリ30には電流・電圧センサ31が取り付けられ、これらの検出結果をモータコントロールユニット80に出力する。
第2クラッチ25は、モータジェネレータ20と左右の駆動輪54との間に介装され、モータジェネレータ20と左右の駆動輪54との間の動力伝達を断接(ON/OFF)する。第2クラッチ25は、上述の第1クラッチ15と同様に、たとえば湿式多板クラッチなどを例示することができる。第2クラッチ25において、トランスミッションコントロールユニット90からの制御信号に基づいて油圧ユニット26の油圧が制御され、これにより第2クラッチ25のクラッチ板が締結(スリップ状態も含む。)/解放する。
自動変速機40は、前進7速、後退1速などといった変速比を段階的に切り換える有段式変速機であり、車速やアクセル開度等に応じて変速比を自動的に切り換える。自動変速機40の変速比は、トランスミッションコントロールユニット90からの制御信号に基づいて制御される。
第2クラッチ25は、図1に示すように、自動変速機40の各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用したものとすることができる。またこれに代えて第2クラッチ25を自動変速機40とは別の専用のクラッチとしてもよい。たとえば図2に示すように、第2クラッチ25を、モータジェネレータ20の出力軸と自動変速機40の入力軸との間に介装した専用のクラッチとしてもよい。あるいは、図3に示すように、第2クラッチ25を、自動変速機40の出力軸とプロペラシャフト51との間に介装した専用のクラッチとしてもよい。なお、図2及び図3は、他の実施形態に係るハイブリッド車両の構成を示す図であり、図2及び図3においては、パワートレーン以外の構成は図1と同様であるため、パワートレーンのみを示す。
図4は、本例の自動変速機40の構成を表すスケルトン図である。自動変速機40は、第1遊星ギヤセットGS1(第1遊星ギヤG1、第2遊星ギヤG2)、第2遊星ギヤセットGS2(第3遊星ギヤG3、第4遊星ギヤG4)を備える。これら第1遊星ギヤセットGS1(第1遊星ギヤG1、第2遊星ギヤG2)、第2遊星ギヤセットGS2(第3遊星ギヤG3、第4遊星ギヤG4)は、入力軸Input側から軸方向出力軸Output側に向けて、この順に配置されている。
また、自動変速機40は、摩擦締結要素として複数のクラッチC1、C2、C3、複数のブレーキB1、B2、B3、B4、および複数のワンウェイクラッチF1、F2を備える。ワンウェイクラッチF1,F2は一方向のみに回転力を伝達するクラッチであり、以下、ワンウェイクラッチをOWCと略すこともある。
第1遊星ギヤG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、これら両ギヤS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を支持する第1キャリヤPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。第2遊星ギヤG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、これら両ギヤS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリヤPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。また、第3遊星ギヤG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、これら両ギヤS3,R3に噛み合う第3ピニオンP3を支持する第3キャリヤPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。第4遊星ギヤG4は、第4サンギヤS4と、第4リングギヤR4と、これら両ギヤS4,R4に噛み合う第4ピニオンP4を支持する第4キャリヤPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギヤである。
入力軸Inputは、第2リングギヤR2に連結され、エンジン10からの回転駆動力が入力する。出力軸Outputは、第3キャリヤPC3に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪54に伝達する。第1連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第2キャリヤPC2と第4リングギヤR4とを一体的に連結するメンバである。第2連結メンバM2は、第3リングギヤR3と第4キャリヤPC4とを一体的に連結するメンバである。第3連結メンバM3は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体的に連結するメンバである。
第1遊星ギヤセットGS1は、第1遊星ギヤG1と第2遊星ギヤG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3により連結してなり、4つの回転要素から構成される。また、第2遊星ギヤセットGS2は、第3遊星ギヤG3と第4遊星ギヤG4とを、第2連結メンバM2により連結してなり、5つの回転要素から構成される。
第1遊星ギヤセットGS1は、入力軸Inputから第2リングギヤR2に入力されるトルク入力経路を有する。第1遊星ギヤセットGS1に入力されたトルクは、第1連結メンバM1から第2遊星ギヤセットGS2に出力される。第2遊星ギヤセットGS2は、入力軸Inputから第2連結メンバM2に入力されるトルク入力経路と、第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に入力されるトルク入力経路とを有する。第2遊星ギヤセットGS2に入力されたトルクは、第3キャリヤPC3から出力軸Outputに出力される。
なお、後述するH&LR(ハイ&ローリバース)クラッチC3が解放され、第3サンギヤS3よりも第4サンギヤS4の回転数が大きい時は、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4は独立した回転数を発生する。よって、第3遊星ギヤG3と第4遊星ギヤG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギヤが独立したギヤ比を達成する。
インプットクラッチC1は、入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接(ON/OFF)するクラッチである。ダイレクトクラッチC2は、第4サンギヤS4と第4キャリヤPC4とを選択的に断接するクラッチである。H&LR(ハイ&ローリバース)クラッチC3は、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とを選択的に断接するクラッチである。なお、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4の間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。フロントブレーキB1は、第1キャリヤPC1の回転を選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、フロントブレーキB1と並列に配置されている。ローブレーキB2は、第3サンギヤS3の回転を選択的に停止させるブレーキである。2346ブレーキB3は、第3連結メンバM3(第1サンギヤS1および第2サンギヤS2)の回転を選択的に停止させるブレーキである(2速、3速、4速及び6速で使用するため2346ブレーキと称する)。リバースブレーキB4は、第4キャリヤPC4の回転を選択的に停止させるブレーキである。
図5は、図4に示す自動変速機40での前進7速、後退1速の締結作動表を示す図である。図5の○印は、該当するクラッチもしくはブレーキが締結(ON)している状態を示し、空白はこれらが解放(OFF)している状態を示す。また、図5の(○)印は、エンジンブレーキ作用時にのみ締結することを示す。なお、上述したように、本例の第2クラッチ25は、自動変速機40内の変速摩擦締結要素を流用した構成とされ、変速摩擦締結要素のうち現変速段で締結させるべき変速摩擦要素、具体的には図5の太い実線で囲まれた変速摩擦締結要素を第2クラッチ25とすることができる。本例では、第1速から第3速まではローブレーキB2が第2クラッチ25として流用され、第4速から第7速まではH&LRクラッチC3が第2クラッチ25として流用される。
なお、自動変速機40として、上述した前進7速、後退1速の有段階の変速機に特に限定されず、その他のたとえば前進5速、後退1速の有段階の変速機であってもよい。図6に本例の自動変速機40の変速線図の一例を示し、実線がアップシフト、点線がダウンシフトの変速線をそれぞれ示す。そして、同図において、「1⇒2」は1速から2速へのアップシフトを示し、「1←2」は2速から1速へのダウンシフトを示す。
図1に戻り、自動変速機40の出力軸は、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、および左右のドライブシャフト53を介して、左右の駆動輪54に連結されている。なお、図1において55は左右の操舵前輪である。また、図1〜図3においては、後輪駆動のハイブリッド車両を例示したが、前輪駆動のハイブリッド車両や四輪駆動のハイブリッド車両とすることも可能である。
本実施形態におけるハイブリッド車両1は、駆動源をエンジン10及び/又はモータジェネレータ20に設定することにより、換言すれば第1および第2のクラッチ15,25の締結/スリップ/解放状態に応じて、以下に説明する各走行モードに切り換えることができる。
モータジェネレータ使用走行モード(以下、EV走行モード)は、第1クラッチ15を解放させると共に第2クラッチ25を締結させて、モータジェネレータ20の動力のみを駆動源として走行するモードである。
エンジン使用走行モード(以下、HEV走行モード)は、第1クラッチ15および第2クラッチ25をいずれも締結させて、少なくともエンジン10の動力を駆動源に含みながら走行するモードである。
上記EV走行モード及びHEV走行モード以外に、第1クラッチ15を締結させると共に第2クラッチ25をスリップ状態にして、エンジン10の動力を駆動源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下、WSC走行モード,Wet Start Clutch)を設定してもよい。WSC走行モードは、特にバッテリ30の充電状態SOC(State of Charge)が低下している場合や、エンジン10の冷却水の温度が低い場合にクリープ走行を達成することができるモードである。
また、上記EV走行モード及びHEV走行モード以外に、エンジン10を作動させた状態で第1クラッチ15を解放させると共に、第2クラッチ25をスリップ状態として、モータジェネレータ20の動力のみを動力源として走行するモータ使用スリップ走行モード(以下、MWSC走行モード)を設定してもよい。上述したWSC走行モードにおいて、路面勾配が所定値以上における登坂路等である場合に、ドライバがアクセルペダルを調整し車両停止状態または微速発進状態を維持する状態(いわゆるストール停車状態)が継続すると、第2クラッチ25のスリップ量が過多である状態が継続し、そのため、第2クラッチ25が過熱するおそれがある。エンジン回転数をアイドル回転数よりも小さくすると、エンジンストールが発生するためである。そのため、本実施形態では、このような場合において、第2クラッチ25が過熱されてしまうことを防止するためにMWSC走行モードが選択される。
なお、EV走行モードからHEV走行モードに移行する際には、解放していた第1クラッチ15を締結し、モータジェネレータ20のトルクを利用することで、エンジン始動を行なうことができる。
また、HEV走行モードには、エンジン走行モード、モータアシスト走行モード、および走行発電モードが設定されている。エンジン走行モードでは、モータジェネレータ20を駆動させずに、エンジン10のみを動力源として駆動輪54を動かす。モータアシスト走行モードでは、エンジン10とモータジェネレータ20との両方を駆動させて、これら2つを動力源として駆動輪54を動かす。走行発電モードでは、エンジン10を動力源として駆動輪54を動かすと同時に、モータジェネレータ20を発電機として機能させ、バッテリ30を充電する。
なお、以上に説明したモードの他に、停車時において、エンジン10の動力を利用してモータジェネレータ20を発電機として機能させ、バッテリ30を充電したり電装品へ電力を供給したりする発電モードを備えてもよい。
本実施形態におけるハイブリッド車両1の制御系は、図1に示すように、統合コントロールユニット60、エンジンコントロールユニット70、モータコントロールユニット80、およびトランスミッションコントロールユニット90を備える。これらの各コントロールユニット60,70,80,90は、たとえばCAN通信を介して相互に接続されている。
エンジンコントロールユニット70は、統合コントロールユニット60からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(エンジン回転数Ne、エンジントルクTe)を制御する指令を、エンジン10のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Ne、エンジントルクTeの情報は、CAN通信線を介して統合コントローラ60へ出力される。
モータコントロールユニット80は、モータジェネレータ20に設けられた回転角センサ21からの情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標モータジェネレータトルク指令値等に応じて、モータジェネレータ20の動作点(モータ回転数Nm、モータトルクTm)を制御する指令をインバータ35に出力する。また、モータコントロールユニット80は、電流・電圧センサ31により検出された電流値および電圧値に基づいてバッテリ30のSOCを演算および管理する。このバッテリSOC情報は、モータジェネレータ20の制御情報に用いられると共に、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に送出される。さらに、モータコントロールユニット80は、モータジェネレータ20に流れる電流値(電流値の正負によって力行制御トルクと回生制御トルクを区別している)に基づいて、モータジェネレータトルクTmを推定する。このモータジェネレータトルクTmの情報は、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に送出される。
トランスミッションコントロールユニット90は、アクセル開度センサ91、車速センサ92、第2クラッチ油圧センサ93、およびドライバの操作するシフトレバーの位置に応じた信号を出力するインヒビタスイッチ94からのセンサ情報を入力し、統合コントロールユニット60からの第2クラッチ制御指令に応じ、第2クラッチ25の締結・解放を制御する指令を、油圧ユニット26に出力する。なお、アクセル開度APO、車速VSP、およびインヒビタスイッチの情報は、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に送出される。
統合コントロールユニット60は、ハイブリッド車両1全体の消費エネルギを管理することで、ハイブリッド車両1を効率的に走行させるための機能を司る。統合コントロールユニット60は、第2クラッチ25の出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ61、第2クラッチ25の伝達トルク容量TCL2を検出する第2クラッチトルクセンサ62、ブレーキ油圧センサ63、第2クラッチ25の温度を検知する温度センサ64、および車両の前後加速度および横加速度を検出するGセンサ65からのセンサ情報を取得する。また、統合コントロールユニット60は、これらの情報に加えて、CAN通信を介して得られたセンサ情報の取得も行なう。
そして、統合コントロールユニット60は、これらの情報に基づいて、エンジンコントロールユニット70への制御指令によるエンジン10の動作制御、モータコントロールユニット80への制御指令によるモータジェネレータ20の動作制御、トランスミッションコントロールユニット90への制御指令による自動変速機40の動作制御、第1クラッチ15の油圧ユニット16への制御指令による第1クラッチ15の締結・解放制御、および第2クラッチ25の油圧ユニット26への制御指令による第2クラッチ25の締結・解放制御を実行する。
次いで、統合コントロールユニット60により実行される制御について説明する。図7は、統合コントロールユニット60の制御ブロック図である。なお、以下に説明する制御は、たとえば、10msecごとに繰り返し実行される。図7に示すように、統合コントロールユニット60は、目標駆動トルク演算部601、目標走行モード演算部602、目標入力トルク演算部603、目標入力回転数演算部604及び目標クラッチトルク演算部605を備える。
目標駆動トルク演算部601は、予め定められた目標駆動力マップを用いて、アクセル開度センサ91により検出されたアクセル開度APO、および車速センサ92により検出された車速VSPに基づいて、目標駆動トルクtFo0を演算する。図8に目標駆動力マップの一例を示す。
目標走行モード演算部602は、図9に示す走行モードマップを参照し、目標走行モードを演算し、選択する。図9の走行モードマップには、車速VSPとアクセル開度APOに応じて、EV走行モード、WSC走行モードおよびHEV走行モードの領域がそれぞれ設定されている。なお、この走行モードマップにおいて、EV走行モードまたはHEV走行モードからWSCモードへの切り替え線は、所定アクセル開度APO1未満の領域では、自動変速機40が1速段のときに、エンジン10のアイドル回転数よりも小さな回転数となる下限車速VSP1よりも低い領域に設定されている。また、所定アクセル開度APO1以上の領域では、大きな駆動力が要求されることから、下限車速VSP1よりも高い車速VSP1‘領域までWSC走行モードが設定されている。なお、システム状態検出部606により検出されるバッテリ30のSOC(又は目標充放電電力tP)や車両の勾配をも考慮して目標走行モードが演算される。
目標入力トルク演算部603、目標入力回転数演算部604及び目標クラッチトルク演算部605は、アクセルペダル開度APO、目標駆動トルクtFoO、目標走行モード、車速VSP、クラッチスリップ回転数検出部607によるクラッチスリップ回転数、出力軸回転数検出部608による出力軸回転数および目標充放電電力tPに基づいて、これらの動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルク、目標モータジェネレータトルク、目標クラッチトルク容量をそれぞれ演算する。
そして、目標エンジントルク/目標モータトルク演算部609は、目標入力トルク演算部603にて演算された目標入力トルクと目標走行モード演算部602にて演算された目標走行モードとに基づいて、エンジントルク制御部610に目標エンジントルクを出力するとともに、モータトルク/回転数制御部611へ目標モータトルクを出力する。
また、目標入力回転数演算部604により演算された目標入力回転数は、モータトルク/回転数制御部611へ出力されるが、モータトルク/回転数制御部611は、MG制御モード選択部615にて選択されたモータジェネレータ20の制御モードがトルク制御か速度制御(回転数制御)かに応じて、モータジェネレータ20へ目標入力回転数又は目標モータトルクのいずれかを出力する。なお、本例のMG制御モード選択部615は、目標走行モードがHEV走行モードである場合はトルク制御を選択する。
目標クラッチトルク演算部605により演算された目標クラッチトルクは目標クラッチトルク容量制御部612へ出力され、第1及び第2クラッチの伝達トルクが制御される。
さて、上述したハイブリッド車両においては、HEV走行モードにて自動変速機40のセレクタ位置が走行レンジにある場合にアクセルを放すと(アイドル自走中)、図10(A)に示すようにOWCを使用した変速段において入力トルクが負になるとOWCが解放する。このため、エンジン回転数が低下しエンストの原因となるが、このエンジン回転数の低下を防止するために同図(B)に示すように予めトルクのばらつきや負荷を補正するためにトルク容量を増加すると、エンジン回転数が吹け上がり気味になり、エンジンの空気量によるフィードバック制御では応答が遅いため、駆動力よりも大きな入力トルクとなって車両を押し出したり減速しなくなったりして運転者に違和感を与える。特にOWCは非線形なトルク伝達特性を有するので急激な入力トルクの変化が違和感を助長する。
このため本例の制御装置は、図7に示すように回転数低下防止判定部613、OWC状態判定部614、および回転低下補正部616を備える。
回転数低下防止判定部613は、走行モードがHEV走行モードであり、自動変速機40の変速条件が非成立であり、自動変速機40の変速段状態がワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段であることを検出し、この条件が成立した場合に、エンジン10の回転数が低下するのを防止するための制御を実行する制御実行フラグをONにする。この条件が成立しない場合は当該制御実行フラグをOFFにする。
なお、走行モードの検出は上記目標走行モード演算部602からの演算結果に基づいて判断する。また、自動変速機40の変速条件が非成立とは、現在の車速VSPとアクセル開度APOが変速条件を満たさない状態、換言すれば図6の変速線を横切らない走行条件である状態をいい、この自動変速機40の変速条件の成否は図6の変速線図によるトランスミッションコントロールユニット90からの演算結果に基づいて判断する。また、自動変速機40の変速段状態がワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段であるか、すなわち図5に示す締結作動表でいえば第1速、第2速または第7速であるか検出は、トランスミッションコントロールユニット90からの演算結果に基づいて判断する。制御内容の詳細は図12を参照して後述する。
OWC状態判定部614は、クラッチスリップ回転数検出部607からの第2クラッチ25のスリップ回転数と、予めワンウェイクラッチF1,F2それぞれの機械特性に応じて設定されたOWC解放閾値とを比較し、ワンウェイクラッチF1,F2の状態を判定する。制御内容の詳細は図13を参照して後述する。
回転低下補正部616は、上記回転数低下防止判定部613による制御実行フラグがONである場合に、目標エンジントルク/目標モータトルク演算部609にて演算された目標モータトルクの補正量を演算し、その結果である補正後の目標モータトルクをモータトルク/回転数制御部611へ出力する。制御内容の詳細は図 14乃至図19を参照して後述する。
次に制御内容を説明する。図11は統合コントロールユニット60の制御内容を示すフローチャートであり、統合コントロールユニット60は、ステップS1にてエンジンコントロールユニット70、モータコントロールユニット80及びトランスミッションコントロールユニット90の各コントロールユニットからのデータを受信するとともに、ステップS2にて第2クラッチ出力回転数センサ61、第2クラッチトルクセンサ62、ブレーキ油圧センサ63、温度センサ64、Gセンサ65CAN通信を介して送出される各センサからのセンサ値を読み込む。
統合コントロールユニット60の目標駆動トルク演算部601は、ステップS3にてアクセル開度センサ91からのアクセル開度APOと車速センサ92からの車速VSPとから図8の駆動力マップを参照し、ハイブリッド車両に要求されている目標駆動トルクを演算する。なお、この目標駆動トルクは、次のステップS4にて求められる走行モードに応じて、ステップS11にて目標エンジントルクと目標モータトルクとに分配される。
統合コントロールユニット60の目標走行モード演算部602は、ステップS4にて目標駆動トルク、バッテリ30のSOC、アクセル開度APO、車速VSP、車両の勾配等から図9の走行モードマップを参照し、EV走行モード、HEV走行モード又はWSC走行モードのいずれかを選択する。
そして、統合コントロールユニット60の目標入力トルク演算部603、目標入力回転数演算部604及び目標クラッチトルク演算部605は、ステップS5にて、ステップS4で選択された走行モードになるように、過渡的な目標エンジントルク、目標モータジェネレータトルク、目標クラッチトルク容量をそれぞれ演算し、エンジンコントロールユニット70、モータコントロールユニット80及びトランスミッションコントロールユニット90のそれぞれに出力する。
統合コントロールユニット60のMG制御モード選択部615は、ステップS6にて、ステップS4で選択された走行モードに応じてモータジェネレータ20の制御モード(速度制御又はトルク制御)を選択し、モータコントロールユニット80へ出力する。HEV走行モードが選択された場合は、モータジェネレータ20をトルク制御する。
統合コントロールユニット60の回転数低下防止判定部613は、ステップS7にて回転低下補正部616による補正を実行するか否かを判定する。この判定サブルーチンを図12に示す。同図に示すように、ステップS701にてワンウェイクラッチF1,F2の変速状態が成立したか否かを判断し、成立した場合(すなわちワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段へ切り換える条件が成立した場合)はステップS703へ進んでOWC変速終了カウンタを初期化する。ステップS701にてワンウェイクラッチF1,F2の変速状態が成立しなかった場合(すなわちワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段へ切り換える条件が成立しなかった場合)はステップS702へ進んでOWC変速終了カウンタを更新(カウントアップ)する。これらステップS701〜S703は後述するステップS707のOWC変速終了カウンタに関連する。
回転数低下防止判定部613は、続くステップS704にて現在の走行モードがHEV走行モードか否かを判断し、HEV走行モードでない場合はステップS709へ進み、回転数低下防止実施フラグをOFFに設定し、後述するステップS12の回転数低下補正演算は実行しない。これに対し、HEV走行モードである場合はステップS705へ進み、現在自動変速機40の変速条件が成立しているか否かを判断する。現在自動変速機40が変速状態にある場合はステップS709へ進んで後述するステップS12の回転数低下補正演算は実行しない。
これに対し、現在自動変速機40の変速条件が成立していない状態(非変速状態)である場合はステップS706へ進み、自動変速機40の変速段がワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段、本例の図5で言えば第1速、第2速又は第7速である場合はステップS707へ進む。自動変速機40の変速段がワンウェイクラッチF1,F2を含まない変速段である場合はステップS709へ進み、後述するステップS12の回転数低下補正演算は実行しない。
回転数低下防止判定部613は、ステップS707にてOWC変速終了カウンタが予め設定された所定時間以上に達したか否かを判断し、所定時間以上経過していない場合はステップS709を介してステップS701へ戻り、ワンウェイクラッチの変速状態が継続している限りステップS702によるカウントアップを繰り返す。そして、このカウントアップの途中でワンウェイクラッチの変速条件が成立したらステップS709にて回転数低下防止実施フラグをOFFに設定し、後述するステップS12の回転数低下補正演算は実行しないが、上述したステップS702→ステップS704→ステップS705→ステップS706→ステップS707が所定時間以上継続したらステップS708へ進み、回転数低下防止実施フラグをONに設定する。
図11へ戻り、統合コントロールユニット60のOWC状態判定部614は、ステップS8にて、ステップS5の過渡走行モードの演算結果からワンウェイクラッチF1,F2の状態を判定する。この判定サブルーチンを図13に示す。同図に示すように、OWC状態判定部614は、ステップS801にて、ステップS7による回転数低下防止実施フラグがONに設定されているか否かを判断し、当該フラグがOFFの場合はステップS802へ進み、OWC状態を締結とする。
これに対し、ステップS801にて回転数低下防止実施フラグがONに設定されている場合はステップS803へ進み、クラッチスリップ回転数検出部607(図1の第2クラッチ出力回転数センサ61に相当する)により検出される第2クラッチ25のスリップ回転数が予め設定されたOWC解放閾値以下であるか否かを判断する。そして、第2クラッチ25のスリップ回転数がOWC解放閾値以下である場合はステップS804へ進み、OWC状態を解放とする。
なお、ステップS803にて第2クラッチ25のスリップ回転数がOWC解放閾値を越える場合はステップS805へ進み、当該第2クラッチ25のスリップ回転数が、OWC解放閾値に正のヒステリシス値を加えた値より大きい場合はステップS802へ進んでOWC状態を締結とするが、頻繁な切換によるハンチング現象を防止するために、第2クラッチ25のスリップ回転数が、OWC解放閾値に正のヒステリシス値を加えた値以下である場合はステップS806へ進んでOWC状態を前回と同じ状態(締結または解放)とする。
図11へ戻り、統合コントロールユニット60の目標入力回転数演算部604は、ステップS9にて出力軸回転数検出部608によるモータジェネレータ20の出力軸回転数に基づいて目標モータ入力回転数を演算し、モータトルク/回転数制御部611へ出力する。
統合コントロールユニット60の目標入力トルク演算部603は、ステップS10にて目標駆動トルク演算部601で演算された目標駆動トルクやモータジェネレータ20を構成する各種デバイスの保護を考慮し、目標入力トルクを演算する。その制御の一例を図14に示す。同図の例では、目標駆動トルクに対し、ゲインが1/τ(τ:OWC解放状態におけるエンジントルクの学習時定数)の比例増幅器と、ゲインが1/s(s:ラプラス演算子)の積分器と、ワンウェイクラッチF1,F2が解放状態と締結状態で目標入力トルクの変化率を変更する変換マップ演算器とを有するフィードバック補償器で構成され、これに各種デバイスや回転数保護のための制限回路が付加されている。変換マップによりワンウェイクラッチF1,F2が解放状態のときの入力トルクの変化率を、締結状態のときの入力トルクの変化率に比べて相対的に小さくすることで、当該ワンウェイクラッチが解放状態から締結状態へ切り換わる際の衝撃を低減することができる。
図11のステップS11にて、統合コントロールユニット60の目標エンジントルク/モータトルク演算部609は、ステップS10で演算された目標入力トルクやモータコントロールユニット80からの発電要求などに基づいてエンジン10とモータジェネレータ20とに配分すべきトルクの目標値を演算する。
統合コントロールユニット60の回転低下補正部616は、続くステップS12にて、ステップS7の回転数低下防止実施フラグがONに設定されている場合は、モータジェネレータ20のトルク補正量を演算する。図15に回転低下補正部616を比例積分(PI)補償器によるフィードバック補償器で構成した一例を示す。
回転低下補正部616による補正後の目標モータトルクは、目標エンジントルク/モータトルク演算部609により演算された補正前の目標モータトルクに、補正トルクを加算することにより算出する。またこの補正トルクの演算は、ステップS8においてワンウェイクラッチF1,F2が解放状態になってから実行し、補正中にワンウェイクラッチF1,F2が締結状態と解放状態との間の中立状態になった場合は補正トルク量を徐々にゼロになるように設定する。
図15に示すように、目標回転数は、モータジェネレータ20の出力軸回転数とアイドル回転数との最大値を求め、これとオフセット回転数との差を求める。そして、目標回転数が設定されると入力回転数との偏差を算出し、比例積分補償器などのフィードバック補償器を用いて補正トルクを演算する。オフセット回転数の設定手順の一例を図18に示す。回転低下補正部616は、ステップS1201にて、ステップS7による回転数低下防止実施フラグがONかOFFかを判断し、OFFの場合はステップS1202へ進んでオフセット回転数をコースト(惰性)走行時の回転数に設定する。
ステップS1201において回転数低下防止実施フラグがONの場合はステップS1203へ進み、車両が駆動走行状態(ドライブ状態)か否かを判断する。車両が、アクセルが放されたコースト状態である場合はステップS1204へ進み、オフセット回転数を暫定的にコースト走行時の回転数に設定する。これに対して車両が、アクセルが踏まれたドライブ状態である場合はステップS1205へ進み、オフセット回転数を暫定的に駆動走行時の回転数に設定する。
そして、ステップS1206にて暫定的なオフセット回転数を入力値として最終的なオフセット回転数の変化率を制限する。以上の手順により、オフセット回転数は車両が駆動走行状態か惰性走行状態かによって異なる値に設定されるので、図15の目標回転数も互いに異なる2つの値(目標回転数1及び2)となり、その間にエンジン10にトルク脈動が生じても制御には影響を与えない不感帯が設定される。
この様子を図16及び図17に示す。図16は比例積分補償器により構成されるフィードバック補償器の比例項と積分項それぞれの補正量が、目標回転数1,2がそれぞれの場合に対してどのような出力になるかを示す概念図である。たとえば、ワンウェイクラッチが解放すると入力回転数<目標回転数1となり、このときの補正トルクは正の値となる。このトルク補正後にワンウェイクラッチが締結すると入力回転数>目標回転数2となるのでトルク補正を元に戻す(このときの補正トルクはゼロに戻る方向に変化する)。なお、積分項は下限値が0になるように演算する。
なお、ワンウェイクラッチF1,F2が解放状態になった場合にはエンジントルクの学習を実行してもよい。たとえば、図15に示すフィードバック補償器の積分項に1/(τs+1)のフィルタを用いて学習することができる。
図11のステップS13及びS14では、第1クラッチCL1及び第2クラッチ25のクラッチトルク容量を演算し、ステップS15にて油圧ユニット16,26へ出力する。
以上のとおり本例のハイブリッド車両の制御装置によれば、図19のP1に示すようにHEV走行モードであり、自動変速機40の変速条件が非成立であり、ワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段である場合は、モータジェネレータ20によるトルク補正を実行するので、エンジン10のトルク補正に比べて応答性がよく、入力トルクのバラツキによって生じるエンジン回転数の低下を防止できる。
このモータジェネレータ20によるトルク補正にあたり、図19のP2に示すような駆動走行時には、ワンウェイクラッチF1,F2が締結状態になる方向にモータジェネレータ20の出力トルクを補正するので、可能な限りの発電量を実現しつつ入力トルクのバラツキによるワンウェイクラッチの解放状態を低減することができる。
また、図19のP3に示すような惰性走行時には、ワンウェイクラッチF1,F2が解放状態を維持する方向にモータジェネレータ20の出力トルクを補正するので、機械的な惰性走行が実現でき、入力トルクのバラツキによる減速のバラツキを抑制することができる。
上記モータジェネレータ20の補正トルクを演算するにあたり、図15〜図17に示すように、車両が駆動走行か惰性走行かによって異なるオフセット回転数を設定し、これにより異なる目標回転数が設定されるので、その間がモータトルク補正の不感帯となり、その結果、エンジン10の出力トルクのバラツキによる制御不良を抑制することができる。
また、モータジェネレータ20によるトルク補正を実行する際に、HEV走行モードであり、自動変速機40の変速条件が非成立であり、自動変速機40の変速段状態がワンウェイクラッチF1,F2を含む変速段であるといった状態が所定時間継続した場合にトルク補正を実行するので、自動変速機40がダウンシフトする際の摩擦要素の架け替え時間が確保され、円滑なトルク補正が実行できる。
また、モータジェネレータ20によるトルク補正を実行する際に、図19のP4及び図14に示すように、ワンウェイクラッチF1,F2が解放状態である場合のモータジェネレータ20の出力トルクの時間的変化率を、ワンウェイクラッチが締結状態である場合のモータジェネレータ20の出力トルクの時間的変化率より相対的に小さく(遅く)設定するので、ワンウェイクラッチが解放状態から締結状態に移行する際の衝撃を抑制することができる。
なお、ワンウェイクラッチF1,F2が解放状態になった場合には補正後のモータトルク値を用いてエンジントルクの学習を実行すれば、エンジン10のトルクのフィードバック制御がモータジェネレータ20のトルク補正に漸近するので、エンジントルクのバラツキが抑制でき、低燃費や運転性の向上につながる。
上記エンジン10が本発明に係る内燃機関に相当し、上記モータジェネレータ20が本発明に係る電動機に相当し、上記目標走行モード演算部602が本発明に係る走行モード検出手段に相当し、上記回転数低下防止判定部613が本発明に係る変速条件検出手段及び変速段検出手段に相当し、上記回転低下補正部616が本発明に係る制御手段及び走行状態検出手段に相当する。
1…ハイブリッド車両
10…エンジン
15…第1クラッチ
20…モータジェネレータ
25…第2クラッチ
30…バッテリ
35…インバータ
40…自動変速機
60…統合コントロールユニット
70…エンジンコントロールユニット
80…モータコントロールユニット
90…トランスミッションコントロールユニット

Claims (7)

  1. 内燃機関と、電動機と、前記内燃機関の出力軸及び前記電動機の出力軸に直接的又は間接的に接続された駆動車輪と、ワンウェイクラッチを含む自動変速機と、を備えたハイブリッド車両に対し制御信号を出力する制御装置であって、
    前記内燃機関を少なくとも駆動源とするHEV走行モードであるか否かを検出する走行モード検出手段と、
    前記自動変速機の変速条件の成否を検出する変速条件検出手段と、
    前記自動変速機の変速段状態が前記ワンウェイクラッチを含む変速段であるか否かを検出する変速段検出手段と、
    前記走行モードがHEV走行モードであり、前記自動変速機の変速条件が非成立であり、前記自動変速機の変速段状態が前記ワンウェイクラッチを含む変速段であることを検出した場合に、前記電動機の出力トルクを補正する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記車両が駆動走行中であることを検出した場合に、前記ワンウェイクラッチが締結状態になる方向に前記電動機の出力トルクを補正するハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記車両が惰性走行中であることを検出した場合に、前記ワンウェイクラッチが解放状態を維持する方向に前記電動機の出力トルクを補正するハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記制御手段は、前記電動機の出力トルクの補正量を演算するにあたり、前記車両が駆動走行中であるか惰性走行中であるかに応じて異なる目標回転数を設定するハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記制御手段は、前記走行モードがHEV走行モードであり、前記自動変速機の変速条件が非成立であり、前記自動変速機の変速段状態が前記ワンウェイクラッチを含む変速段である状態が所定時間継続した場合に、前記電動機の出力トルクを補正するハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記制御手段は、前記ワンウェイクラッチが解放状態である場合の前記電動機の出力トルクの時間的変化率を、前記ワンウェイクラッチが締結状態である場合の前記電動機の出力トルクの時間的変化率より相対的に小さく設定するハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記制御手段は、前記補正後の電動機の出力トルクを用いて前記内燃機関の出力トルクを学習制御するハイブリッド車両の制御装置。
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