JP2012089775A - サセプタおよび半導体基板加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コールドウォール型加熱装置であっても、被加熱物における端部温度低下を抑制し、面内温度分布の均等化を図ることのできるサセプタを提供する。
【解決手段】課題を解決するためのサセプタは、垂直方向に複数、積層配置された上で誘導加熱されるサセプタ14(14a〜14f)であって、熱伝導により加熱を行なう被加熱物載置面15aと、被加熱物載置面15aの裏面側に位置し、被加熱物載置面15aに載置されるウエハ30よりも大きな開口と、ウエハ30の外縁部30aに向けて傾けられた側壁15cとを有する凹部からなる輻射加熱面15bとを備えることを特徴とする。また、このような特徴を有するサセプタ14における前記凹部は、サセプタ14の中心に近づくにつれて深さが深くなるように形成すると良い。
【選択図】図1
【解決手段】課題を解決するためのサセプタは、垂直方向に複数、積層配置された上で誘導加熱されるサセプタ14(14a〜14f)であって、熱伝導により加熱を行なう被加熱物載置面15aと、被加熱物載置面15aの裏面側に位置し、被加熱物載置面15aに載置されるウエハ30よりも大きな開口と、ウエハ30の外縁部30aに向けて傾けられた側壁15cとを有する凹部からなる輻射加熱面15bとを備えることを特徴とする。また、このような特徴を有するサセプタ14における前記凹部は、サセプタ14の中心に近づくにつれて深さが深くなるように形成すると良い。
【選択図】図1
Description
本発明は、誘導加熱を利用した半導体基板加熱装置に係り、特に大径のウエハ等の基板を大量に処理する場合に好適なサセプタ、およびこれを利用した半導体基板加熱装置に関する。
半導体基板におけるバッチ式の熱処理は従来、ホットウォール型の恒温炉にて行われていた。このような装置では、抵抗加熱などにより、炉壁も含めて全体を加熱していたこともあり、昇降温速度が遅いという問題があった。また、このような加熱装置を成膜に用いた場合には、壁面温度も高温となることより、炉壁も成膜されることを考慮しなければならなかった。また、壁面からの輻射により加熱するため、基板の端部温度が高くなり、面内温度分布が悪くなるという問題もあった。
このような問題を鑑み、昇降温速度の急速化を望むことができ、かつコールドウォール化にも対応した誘導加熱を利用した半導体熱処理方法が注目されてきた。
このような問題を鑑み、昇降温速度の急速化を望むことができ、かつコールドウォール化にも対応した誘導加熱を利用した半導体熱処理方法が注目されてきた。
誘導加熱を利用して半導体ウエハ等の基板を熱処理する装置としては、特許文献1や特許文献2に開示されているようなものが知られている。特許文献1に開示されている半導体基板加熱装置は、ソレノイド状のコイルを利用したバッチ式のものであり、ホットウォール型である。特許文献2に開示されている半導体基板加熱装置は、同心円状に配置した複数の円形コイルを利用した枚葉式のものである。
しかしこのような構成の半導体基板加熱装置ではいずれも、発熱体となるサセプタに対して垂直方向に磁束が作用することとなる。このため、ウエハ表面に金属膜を有する場合には、ウエハが直接加熱されてしまい、温度分布制御が乱れる虞があった。
これに対し、特許文献3に開示されているような技術がある。特許文献3に開示されている半導体基板加熱装置は図9に示すように、複数のサセプタ2を垂直方向に積層配置し、各サセプタ2上に被加熱物となるウエハ3を配置した、バッチ式の加熱装置1である。図9に示す加熱装置1では、サセプタ2における被加熱物載置面2aと平行な方向に交流磁場を形成する誘導加熱コイル4を備える。このような構成の加熱装置1であれば、ウエハ3の表面に金属膜が形成されている場合であっても、ウエハ3表面の金属膜が直接加熱され、温度分布制御が乱れる虞が無い。
確かに、上記特許文献3に開示されているような、いわゆる水平磁束を用いた加熱装置であれば、被加熱物であるウエハの仕様に係わらず加熱処理を実施することができると考えられる。しかし、特許文献2、3のいずれにも該当することとなるコールドウォール型の加熱装置では、被加熱物端部からの放熱が大きいという問題がある。
このため、円板状のウエハでは一般に、中心部に比べて外縁部の温度が低くなってしまう。このような問題に対し、特許文献2に開示されているような枚葉式の加熱装置であれば、各円形コイルに対する投入電力を調整し、サセプタの面内温度を任意に調整することで、ウエハ外縁部の温度低下を抑制することは可能となる。一方特許文献1や3に開示されているバッチ式の加熱装置では、サセプタの外縁側からのみの磁束投入となるため、枚葉式のような任意の面内温度分布制御というものができない。
そこで本発明では、バッチ式のコールドウォール型加熱装置であっても、被加熱物における端部温度低下を抑制し、面内温度分布の均等化を図ることのできるサセプタ、および半導体基板加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るサセプタは、垂直方向に複数、積層配置された上で誘導加熱されるサセプタであって、熱伝導により加熱を行なう被加熱物載置面と、前記被加熱物載置面の裏面側に位置し、前記被加熱物載置面に載置される被加熱物よりも大きな開口と、前記被加熱物の外縁部に向けて傾けられた側壁とを有する凹部からなる輻射加熱面とを備えることを特徴とする。
また、上記のような特徴を有するサセプタにおいて、前記凹部は、サセプタの中心に近づくにつれて深さが深くなるように形成されていると良い。
また、上記のような特徴を有するサセプタにおいて、前記凹部は、サセプタの中心に近づくにつれて深さが深くなるように形成されていると良い。
このような特徴を有することにより、サセプタの中心側は、外縁側に比べて熱容量が小さくなる。このため、サセプタの外縁部が誘導加熱された際に、熱伝導により中心部が加熱されるまでのタイムラグが小さくなる。
さらに、上記のような特徴を有するサセプタにおいて、前記側壁は、断面形状を円弧状とし、前記円弧は、サセプタを積層配置した際に、下部側に配置されたサセプタの被加熱物載置面に載置された被加熱物の外縁部に法線が集中するように曲率が定められていることが望ましい。
このような特徴を有することにより、ウエハ外縁部の放熱量に見合った輻射熱を、ウエハ外縁部に供給することが可能となる。よって、ウエハの外縁部の温度が低下し、均一加熱ができなくなるということを避けることができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る半導体基板加熱装置は、上記いずれかの特徴を有するサセプタと、前記サセプタを複数、積層配置するボートと、前記サセプタの外周側に配置され、前記サセプタにおける前記被加熱物載置面と平行な方向に交流磁束を形成する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに投入する電力を調整する電源部とを備えることを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する半導体基板加熱装置において前記ボートは、積層配置された複数の前記サセプタを水平回転させる事を可能な構成とすると良い。
また、上記のような特徴を有する半導体基板加熱装置において前記ボートは、積層配置された複数の前記サセプタを水平回転させる事を可能な構成とすると良い。
このような特徴を有することにより、誘導加熱コイルを1箇所に配置した場合であっても、サセプタを均等加熱することが可能となる。また、誘導加熱コイルを1箇所とすることで、加熱装置全体の小型化を図ることも可能となる。
また、上記のような特徴を有する半導体基板加熱装置では、前記ボートには、複数の前記サセプタを積層方向に挟み込むようにして配置する補助サセプタを備えると共に、前記誘導加熱コイルを前記サセプタの積層方向に挟み込むように補助加熱コイルを備え、前記誘導加熱コイルと前記補助加熱コイルとは、前記誘導加熱コイルは複数の前記サセプタの加熱割合が高く、前記補助加熱コイルは前記補助サセプタの加熱割合が高くなるように配置することもできる。
このような特徴を有することで、積層配置されたサセプタの上端側、または下端側における温度低下を抑制することが可能となる。
さらに、このような特徴を有する半導体基板加熱装置では、前記電源部は、前記誘導加熱コイルと前記補助加熱コイルに投入する電力割合を個別に制御するゾーンコントロール手段を有するようにすると良い。
このような特徴を有することで、積層方向に配置されたサセプタにおける積層方向の温度分布制御を行うことが可能となる。よって、より高精度に温度分布制御を行いつつ、半導体基板の加熱を行なうことが可能となる。
上記のような特徴を有するサセプタによれば、バッチ式のコールドウォール型加熱装置であっても、被加熱物における端部温度低下を抑制し、面内温度分布の均等化を図ることが可能となる。また、上記のような特徴を有する半導体基板加熱装置によれば、上記サセプタにおける効果の他に、被加熱物となる基板の表面上に金属膜が形成されている場合であっても、ウエハが直接加熱されて温度分布が乱れるといった虞が無い。
以下、本発明のサセプタ、および半導体加熱装置に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る半導体加熱装置(以下、単に加熱装置と称す)の概要構成について説明する。なお、図1は加熱装置の側面構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る加熱装置10は、被加熱物としてのウエハ30と発熱体としてのサセプタ14(14a〜14f,・・・)を多段に重ねて熱処理を行うバッチ式のものとする。
加熱装置10は、ウエハ30とサセプタ14を多段に重ねて配置することを可能とするボート12と、サセプタ14を加熱する誘導加熱コイル20、および誘導加熱コイル20に電力を供給する電源部24とを基本として構成される。
サセプタ14は、導電性部材で構成されれば良く、例えばグラファイト、SiC、SiCコートグラファイト、および耐熱金属等により構成すれば良い。
サセプタ14は、導電性部材で構成されれば良く、例えばグラファイト、SiC、SiCコートグラファイト、および耐熱金属等により構成すれば良い。
本実施形態におけるサセプタ14は上述したように、ボート12を介して垂直方向に積層配置される。サセプタ14単体としては、一方の主面を被加熱物載置面15aとすると共に他方の主面を輻射加熱面15bとし、平面形態は円形としている。被加熱物載置面15aは平坦面とし、ウエハ30などの被加熱物(半導体基板)を載置することを可能としている。一方、輻射加熱面15bは、すり鉢状の凹部を有する。凹部は、少なくとも側壁15cを傾斜させて構成されている。側壁15cの傾斜は、側壁15cを構成する面が、直下に配置されるサセプタ14(例えばサセプタ14aに対するサセプタ14b)における被加熱物載置面15aに載置されるウエハ30の外縁部30aへ向けられるような角度とする(図2参照)。よって、側壁15cの傾斜角度は、上部側に配置されるサセプタ14(例えばサセプタ14a)と下部側に配置されるサセプタ14(例えばサセプタ14b)との配置間隔や、ウエハ30の外径と凹部の開口径との関係等を考慮して定められる。また、本実施形態に係るサセプタ14における輻射加熱面15bを構成する凹部は、サセプタ14の中心に近づくにしたがって深くなるように形成されている。このため、サセプタ14の厚みは、中心に近づくにつれて薄くなる。なお、このような構成となるサセプタ14では当然、載置対象とされるウエハ30の外径よりも、被加熱物載置面15a、並びに輻射加熱面15bの外径が大きくなるように構成される。
図1に示すような形態のサセプタ14を外周側から誘導加熱した場合、磁束の到達範囲はサセプタ14の外縁部が主となり、中心部付近には到達し難い。しかし、本実施形態に係るサセプタ14は上述したように、中心部に近づくにつれて厚みが薄くなるように構成されている。このように、加熱割合の大きい外縁部の熱容量が大きい場合、熱容量の小さな中心部には、熱伝導により熱が伝わり易くなる。従って、磁束が到達し難い中心部であっても、十分な発熱量を得ることが可能となる。
実施形態に係るサセプタ14を積層配置した場合におけるサセプタ14とウエハ30における断面の温度分布は、図3に示す破線T1〜T3のようになる。図3によれば、サセプタ14は、ウエハ30の外縁部30aよりも外側と、中心部30b付近の温度が低くなっているが(T1,T2参照)、ウエハ30の温度分布(T3参照)は、略均等となっていることが判る。
ウエハ30に対し、T3に示すような温度分布を与えることができる要因は、上側サセプタ14aからの輻射によるウエハ30の受熱量(Q1参照)と、下側サセプタ14bからの熱伝導によるウエハ30の受熱量(Q2参照)、およびウエハ30からの放熱量(Q3参照)の関係にある。すなわち、上側サセプタ14aからの輻射熱量Q1は、側壁15cの傾斜角度に従って、熱線が集中するウエハ30の外縁部30a近傍が最も高くなる。そして、すり鉢状とした内周面の形状に起因して、その法線に沿って放射される熱線は、中心付近で重複することとなるため、ウエハ30の中心部30b近傍で若干増加する。
ウエハ30が受ける下側サセプタ14bからの熱伝導による熱量Q2は、ウエハ30を実際に載置している領域においては放熱の影響が殆ど無く、ウエハ30の外縁部30a側が最も大きくなる。これは、サセプタ14bの外縁部側が、最も熱容量が大きいためである。そして、肉薄化され、熱容量が小さく、かつ熱伝導により加熱される中心部30b付近は、外縁側に比べて発熱量が小さい。また、ウエハ30からの放熱量は、中心部30bから外縁部30a近傍までにおいては略均一なのに対し、外縁部30aにおいて急激に増加する。
そして、このような関係を示す輻射熱量Q1と熱伝導による熱量Q2、および放熱量Q3を合成した熱収支は、ウエハ30における実際の発熱分布(Q参照)を示すこととなる。具体的には、輻射熱量Q1と熱伝導による熱量Q2を合成すると、中央部30bの熱量は平坦となるが、外縁部30aの熱量は極端に高いものとなる。これに対し、ウエハ30の放熱量Q3を合成すると、外縁部30aの熱量との間で熱量が相殺される。これにより、ウエハ30の熱量(熱収支)Qは、中心部30bから外縁部30aにかけて、略均等なものとなる。
このような熱収支を得られる本実施形態に係るサセプタ14に対し、従来のサセプタ114(114a,114b)で得られる熱収支Qは、図4に示すようなものとなる。従来のサセプタ114は、被加熱物載置面15aと輻射加熱面15bとが互いにフラットであるため、輻射熱をウエハ30の外縁部30aへ集中させることはできない。このため、輻射熱量Q1は、中心部30bから外縁部30a近傍までは一定であるものの、放熱量の大きくなる外縁部30a近傍では、その熱量が小さくなっていることが判る。これに対し熱伝導による熱量Q2は、サセプタ114の厚みが一定であることより、熱容量が等しくなり、中心部30bから外縁部30aにかけて、略一定となる。また、ウエハ30の放熱量Q3は、上述した本実施形態に係るサセプタ14上のウエハ30と同様に、外縁部30aにて急激に増加する傾向にある。
こうした関係を示す従来のサセプタ114における輻射熱量Q1と熱伝導による熱量Q2、および放熱量Q3を合成した場合の熱収支Qは、図4に示すように、ウエハ30の外縁部30a側にて熱量が低下するといったものになる。すなわち、輻射熱量Q1と熱伝導による熱量Q2とを合成した時点で外縁部30aの熱量が低下する傾向を示すこととなる。このため、外縁部30aの放熱量が急激に増加する放熱量Q3を合成することで、熱収支Qは、ウエハ30の外縁部30aにて熱量が急激に低下する傾向を示すこととなるのである。
本実施形態に係る加熱装置10では、従来、熱量の低下に伴い温度分布が下がる傾向にあったウエハ30の外縁部30aについて、ウエハ30の外縁部30aに輻射熱の熱線を集中させることで、放熱による熱量低下分を補う構成とした。これによりウエハ30の外縁部30aにおいても、略均一な温度分布を得ることが可能となる。
なお、サセプタ14の積層には、上下に配置されるサセプタ14間に支持部材16を配置することで対応すれば良い。ここで、支持部材16には、電磁誘導による加熱の影響を受けない石英などで構成したものを採用することが望ましい。
また、本実施形態におけるボート12は、図示しないモータを備えた回転テーブル18を備えており、熱処理工程中のサセプタ14及びウエハ30を回転させることができる。このような構成とすることにより、サセプタ14を加熱する際の発熱分布の偏り(一点加熱となること)を抑制することができる。さらに、誘導加熱コイル20をサセプタ14の外周に均等配置しない場合であっても、サセプタ14の発熱分布の偏りを抑えることが可能となる。これにより、誘導加熱コイル20をサセプタ14の外周側に1つだけ配置するといった形態を採ることが可能となり、加熱装置10の小型化を図ることが可能となる。
誘導加熱コイル20は、ボート12の外周側に配置されたコア22に導線を巻回されて構成される。コア22は、フェライト系セラミックなどにより構成すると良く、粘土状の原料を形状形成した上で焼成して成るようにすれば良い。このような部材により構成すれば、形状形成を自由に行うことが可能となるからである。また、コア22を用いることにより、誘導加熱コイル20単体の場合に比べて磁束の拡散を防止することができ、磁束を集中させた高効率な誘導加熱を実現することができる。
また、誘導加熱コイル20の巻回方向の中心軸とウエハ30又はサセプタ14の載置状態における中心軸とは直行する方向を向くように構成することで、サセプタ14に対向するコア22の先端面が磁極面となる。このような構成から、誘導加熱コイル20が巻回された磁極面からは、サセプタ14の被加熱物載置面に平行な方向に交流磁束が生ずることとなる。
また、各誘導加熱コイル20は、内部を中空とした管状部材(例えば銅管)とすることが望ましい。熱処理中に銅管内部に冷却部材(例えば冷却水)を挿通させることにより、誘導加熱コイル20自体の加熱を抑制することが可能となるからである。
誘導加熱コイル20は、電源部24に接続される。電源部24には図示しないインバータと図示しない交流電源が設けられ、電源部24には図示しない電力制御部が接続されており、誘導加熱コイル20に供給する電流や電圧、および周波数等を調整することができるように構成されている。
ここでインバータとして共振型のものを採用する場合、周波数の切り替えを行うためには、想定される制御周波数に合わせた共振回路を並列接続し、これを図示しない電力制御部からの信号に応じて切り替えることができるように構成すれば良い。
また、インバータとして非共振型のものを採用する場合には、例えばPWM型のインバータを採用することで、電力制御部からの信号に応じた周波数での運転ができるようになる。
出力電力の制御は、電力制御部に設けられた図示しない記憶手段(メモリ)に記憶された制御マップや、図示しない温度検出センサにより検出される信号に基づいて行うようにすれば良い。例えば制御マップに基づいて電力制御を行う場合には、加熱開始からの経過時間単位に、電流周波数の切り替えや電流値を変化させる信号を電源部24に出力すれば良い。なお、制御マップは、加熱開始から熱処理終了に至るまでの積層配置されたサセプタ14の温度変化を補正し、任意の温度分布(例えば均一な温度分布)を得るために誘導加熱コイルに与える電力値や電流の周波数切り替えタイミングを、熱処理開始からの経過時間と共に記録したものであれば良い。なお、制御マップを得るためには、予めサセプタの径時的な温度変化や、周波数切り替えによる影響を計測しておく必要がある。
また、温度検出センサによって検出された信号に基づく制御の場合、検出信号に基づいて、周波数切り替えや、出力電流を変化させるようにすれば良い。
また、温度検出センサによって検出された信号に基づく制御の場合、検出信号に基づいて、周波数切り替えや、出力電流を変化させるようにすれば良い。
電源部24では、電力制御部からの信号に基づいて誘導加熱コイル20に投入する電流の周波数の切り替えを行うと共に、誘導加熱コイル20に供給する電流値の調整を行うことで、積層されたサセプタ14(ウエハ30)の温度分布を任意の温度分布または均一な温度分布に制御する。
また、磁極面を構成するコア22の先端側には、図示しない断熱材を配置し、コア22や誘導加熱コイル20が加熱されることを抑制するようにしても良い。なおこのような構成とする場合、断熱材としては、セラミック板などであれば良く、例えば多孔質アルミナにより構成された板部材などが好ましい。
上記のような構成の加熱装置10によれば、ウエハ30の表面に金属膜等の導電性部材が形成されていた場合であっても、金属膜内では電流の打ち消しが生ずるため、発熱はサセプタ14のみに生じ、ウエハ30の温度分布が乱れる虞が無い。
次に、本発明の加熱装置に係る第2の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、図5に示す加熱装置の殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係る加熱装置と同様である。よって、その構成を同一とする箇所には、図面に同一符号を附して、詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係る加熱装置10aと、第1の実施形態に係る加熱装置10との相違点は、ボート12に配置されたサセプタの形態にある。具体的には、第1の実施形態に係る加熱装置10では、サセプタ14における輻射加熱面15bを単純なすり鉢状としていたのに対し、本実施形態に係る加熱装置10aでは、輻射加熱面15bより照射される熱線を、第1の実施形態に係るサセプタ14よりも一層、ウエハ30の外縁部30aに集中させることを可能な構成としたのである(図6参照)。
本実施形態に係る加熱装置10aにおけるサセプタ214(214a〜214e)は輻射加熱面15bの外縁部に、円弧状の断面を有するザグリ部15dを備え、ザグリ部15dの内周側にすり鉢状の凹部を配置する形態とした。ザグリ部15dの円弧は、サセプタ214を積層配置した際、その円弧部からの法線が、下部側に配置されたサセプタ214(例えばサセプタ214b)における被加熱物載置面15aに載置されたウエハ30の外縁部30aに集中するように曲率が定められている(図6参照)。このような構成とすることで、放熱量が大きく、温度低下を生じさせ易いウエハ30の外縁部30aにおける温度低下を抑制し、温度分布の均一化を図ることが可能となる。
このような構成のサセプタ214では図7に示すように、熱伝導による熱量Q2と放熱量Q3については、上述した第1の実施形態に係る加熱装置10のサセプタ14と近似しているものの(対比対象としては図3参照)、輻射熱量Q1については、第1の実施形態におけるサセプタ14よりも、ウエハ30の外縁部30aにおける上昇が急激となっていることが判る。輻射熱量Q1がこのような傾向を示すことより、これらの合成である熱収支Qは、ウエハ載置範囲において、第1の実施形態に係る加熱装置10よりも、高精度に均一性を確保することができることとなる。
その他の構成、作用、効果については、上述した第1の実施形態に係る加熱装置10と同様である。
その他の構成、作用、効果については、上述した第1の実施形態に係る加熱装置10と同様である。
次に、本発明の加熱装置に係る第3の実施形態について、図8を参照して説明する。なお、図8に示す加熱装置の殆どの構成は、上述した第1、第2の実施形態に係る加熱装置10,10aと同様である。よって、その構成を同一とする箇所には、図面に同一符号を附して、詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係る加熱装置10bと、第1、第2の実施形態に係る加熱装置10,10aとの相違点は、補助サセプタ40(40a〜40c)、および補助加熱コイル42(42a,42b)を備えた点にある。積層配置され、外周側から誘導加熱されるサセプタ14は、その配置形態の特性により、上端に配置されたサセプタ14a、および下端に配置されたサセプタ14fからの放熱量が多くなる傾向がある。このため、本実施形態に係る加熱装置10bでは、加熱対象とする複数のサセプタ14を積層方向に挟み込むように、サセプタ14aの上側とサセプタ14fの下側に、補助サセプタ40を配置した。補助サセプタ40は、少なくとも1つ、望ましくは2つ以上ずつ設けるようにすると良い。補助サセプタを2つ設けた場合には、最端部(上端部または下端部)に配置された補助サセプタ40a,40cが、加熱対象とされるサセプタ14の放熱を抑え、最端部から1つ内側に配置された補助サセプタ40bが、その内側に位置するサセプタ14上に配置されたウエハ30、またはサセプタ14fを輻射加熱し、放熱の影響による温度低下を防ぐことができるからである。
なお、図8に示す例では、輻射熱源としてのみ機能することとなるサセプタ14aを補助サセプタ兼用として機能させている。このような構成とした場合であっても、補助サセプタ40を上端に2つ配置した場合と同様な効果を得ることができるからである。
また、本実施形態に係る加熱装置10bは、補助加熱コイル42(42a,42b)を有する。補助加熱コイル42は、サセプタ14を加熱する誘導加熱コイル20を、サセプタ14の積層方向に挟み込むように配置される一対の加熱コイルである。このような配置形態とされる誘導加熱コイル20と補助加熱コイル42との関係は、次のようなものである。すなわち、誘導加熱コイル20は、実施形態に係るサセプタ14(ウエハ30を載置するもの)を加熱する割合が高くなるように配置される。一方、補助加熱コイル42は、補助サセプタ40の加熱割合が高くなるように配置される。
誘導加熱コイル20と、これを挟み込むように配置される補助加熱コイル42とは、電源部24内において各々個別のインバータ(不図示)に接続されることで、個別に投入電力を制御することが可能となる。電源部24には、近接配置された誘導加熱コイル20と補助加熱コイル42との間に生ずる相互誘導の影響を抑制し、誘導加熱コイル20と補助加熱コイル42に投入する電力割合を個別に制御するゾーンコントロール手段46が接続されている。このような構成とすることで、誘導加熱コイル20と補助加熱コイル42に投入する電力の制御を任意に行うことが可能となり、ボート12に配置された複数のサセプタ14における積層方向の温度分布を制御することが可能となる。
誘導加熱コイル20と補助加熱コイル42の制御は、上端側のサセプタ14(例えば、サセプタ14aやサセプタ14b)の温度が低い場合には、誘導加熱コイル20の上部側に位置する補助加熱コイル42aに投入する電力を増やせば良い。逆に、下端部側のサセプタ14(例えばサセプタ14fやサセプタ14e)の温度が低い場合には、誘導加熱コイル20の下部側に位置する補助加熱コイル42bに投入する電力を増やせば良い。このような制御を可能とすることで、バッチ式の加熱装置において、より精度良くウエハを加熱することが可能となる。
なお、上記実施形態ではいずれも、誘導加熱コイル20は、サセプタ14の外周側に1つのみ配置する構成としていたが、これを複数とした場合であっても、本実施形態の一部とみなすことができる。
また、上記実施形態ではいずれも、加熱装置として、いわゆる水平磁束を利用する形態のものを例に挙げて説明した。しかしながら本発明に係るサセプタは、従来より知られているような、ソレノイド型の誘導加熱コイル(ボートを螺旋状に取り囲む形態)を用いた加熱装置にも適用することができる。
10………半導体加熱装置(加熱装置)、12………ボート、14(14a〜14f)………サセプタ、15a………被加熱物載置面、15b………輻射加熱面、15c………側壁、15d………ザグリ部、16………支持部材、18………回転テーブル、20………誘導加熱コイル、22………コア、24………電源部、30………ウエハ、30a………外縁部、30b………中心部。
Claims (7)
- 垂直方向に複数、積層配置された上で誘導加熱されるサセプタであって、
熱伝導により加熱を行なう被加熱物載置面と、
前記被加熱物載置面の裏面側に位置し、前記被加熱物載置面に載置される被加熱物よりも大きな開口と、前記被加熱物の外縁部に向けて傾けられた側壁とを有する凹部からなる輻射加熱面とを備えることを特徴とするサセプタ。 - 前記凹部は、サセプタの中心に近づくにつれて深さが深くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサセプタ。
- 前記側壁は、断面形状を円弧状とし、
前記円弧は、サセプタを積層配置した際に、下部側に配置されたサセプタの被加熱物載置面に載置された被加熱物の外縁部に法線が集中するように曲率が定められていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサセプタ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のサセプタと、
前記サセプタを複数、積層配置するボートと、
前記サセプタの外周側に配置され、前記サセプタにおける前記被加熱物載置面と平行な方向に交流磁束を形成する誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルに投入する電力を調整する電源部とを備えることを特徴とする半導体基板加熱装置。 - 前記ボートは、積層配置された複数の前記サセプタを水平回転させる事を可能な構成とすることを特徴とする請求項4に記載の半導体基板加熱装置。
- 前記ボートには、複数の前記サセプタを積層方向に挟み込むようにして配置する補助サセプタを備えると共に、前記誘導加熱コイルを前記サセプタの積層方向に挟み込むように補助加熱コイルを備え、
前記誘導加熱コイルと前記補助加熱コイルとは、前記誘導加熱コイルは複数の前記サセプタの加熱割合が高く、前記補助加熱コイルは前記補助サセプタの加熱割合が高くなるように配置したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体基板加熱装置。 - 前記電源部は、前記誘導加熱コイルと前記補助加熱コイルに投入する電力割合を個別に制御するゾーンコントロール手段を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体基板加熱装置。
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