JP2012089454A - 光源制御装置及び方法並びにプロジェクター - Google Patents

光源制御装置及び方法並びにプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】大幅なコストの上昇を伴わない簡易な構成で高分解能の調光を実現することができる光源制御装置及び方法等を提供する。
【解決手段】光源制御装置1は、複数の固体光源11aを有する固体光源アレイ11から射出されるべき光の光量である目標光量を示す目標光量信号S1に基づいて、固体光源アレイ11の制御周期内における固体光源11aの発光時間と非発光時間との比の基準値である基準デューティー比を決定するデューティー比決定部2と、複数の固体光源11aのうちの少なくとも1つの固体光源を、基準デューティー比とは異なる補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号S11〜S14を生成して複数の固体光源11aの駆動制御を行う駆動制御部(PWM信号生成部3及び光源駆動部4a〜4d)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源制御装置及び方法並びにプロジェクターに関する。
近年、高精細な画像を大画面に表示することが可能な薄型の画像表示装置の研究開発が盛んに行われている。このような画像表示装置の一種に、光源、光変調装置、及び投射光学系を備えており、光源から射出された光を光変調装置で変調し、変調した光(画像光)を投射光学系でスクリーンに投射することにより、スクリーン上に画像を表示するプロジェクターがある。
プロジェクターは、投射光学系等の光学系で生ずる光漏れや迷光が原因で十分なコントラストが得られず、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた画像表示装置に比べて表示可能な階調範囲(ダイナミックレンジ)が狭くなる傾向がある。また、プロジェクターは、スクリーンに画像光を投射することにより画像を表示するものであるため、周辺の照明環境に応じて、明部や暗部の階調つぶれやコントラストの低下等が引き起こされて表示画像の視認性が低下し、或いは、表示画像が明るすぎてしまうことがある。
このような不具合を改善すべく、光源から射出される光を表示すべき画像に応じて調光するプロジェクターが開発されている。ここで、光源から射出される光を調光している最中に急激な輝度変化が生ずると、ユーザにちらつきが視認されて違和感を与えてしまう可能性がある。以下の特許文献1には、単位時間(例えば1/30秒)当たりの輝度変化に制限を設けることでちらつきの発生を抑止する技術が開示されている。
特開2005−107009号公報
ところで、上記の特許文献1に開示された技術を用いてちらつきの発生を防止する場合において、全体的に暗い画像を表示するときには、全体的に明るい画像を表示するときよりも高分解能の制御が求められる。例えば、単位時間当たりの輝度変化が5%に制限されている場合を考える。かかる場合に、あるフレームにおける表示画像輝度が100%である場合(例えば、白色画像が表示されている場合)には、次のフレームで輝度を95〜100%にする調光が許容される。これに対し、あるフレームにおける表示画像輝度が1%である場合(例えば、黒画像が表示されている場合)には、次のフレームで輝度を0.95〜1%にする調光が許容される。
つまり、上記の特許文献1に開示された技術では、先のフレームにおける表示画像輝度を基準として次のフレームの輝度変化が5%に制限されるため、先のフレームにおける表示画像輝度が低ければ許容される輝度変化の絶対量が小さくなり高分解能の制御が求められることになる。このような高分解能の制御を行うためには、高精度のD/A(ディジタル/アナログ)コンバータが必要になるとともに、高分解能の制御を行うための高性能のCPU(中央処理装置)が必要になり、コストが上昇させてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、大幅なコストの上昇を伴わない簡易な構成で高分解能の調光を実現することができる光源制御装置及び方法、並びに、当該装置を備えることで周辺の照明環境に応じた画像を表示することが可能なプロジェクターを提供することを目的とする。
本発明の光源制御装置は、複数の固体光源を有する光源装置の駆動制御を行う光源制御装置であって、前記光源装置から射出されるべき光の光量である目標光量を示す信号に基づいて、前記光源装置の制御周期内における前記固体光源の発光時間と非発光時間との比の基準値である基準デューティー比を決定する決定部と、前記複数の固体光源のうちの少なくとも1つの固体光源を、前記基準デューティー比とは異なる補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号を生成して前記複数の固体光源の駆動制御を行う駆動制御部とを備えることを特徴としている。
この発明によると、目標光量を示す信号に基づいて決定された基準デューティー比とは異なる補間デューティー比を有する制御信号を生成し、複数の固体光源のうちの少なくとも1つの固体光源を補間デューティー比で発光及び非発光とする駆動制御を行っているため、大幅なコストの上昇を伴わない簡易な構成で高分解能の調光を実現することができる。
また、本発明の光源制御装置は、前記決定部が、発光及び非発光が個別に制御可能な前記固体光源の数で前記目標光量を除算する演算を行い、該演算によって得られる商に基づいて前記基準デューティー比を決定することを特徴としている。
また、本発明の光源制御装置は、前記決定部が、前記基準デューティー比に加えて、前記演算によって得られる剰余に基づいて、前記補間デューティー比で発光及び非発光とする固体光源の数を示す補間制御数を決定し、前記駆動制御部が、前記複数の固体光源のうちの前記補間制御数分の固体光源を、前記補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号を生成することを特徴としている。
また、本発明の光源制御装置は、前記駆動制御部が、前記光源装置の制御周期毎に、前記補間デューティー比で発光及び非発光とする固体光源を異ならせる制御信号を生成することを特徴としている。
また、本発明の光源制御装置は、前記補間デューティー比が、設定し得る最小のデューティー比を前記基準デューティー比に加えたデューティー比であることを特徴としている。
本発明の光源制御方法は、複数の固体光源を有する光源装置の駆動制御を行う光源制御方法であって、前記光源装置から射出されるべき光の光量である目標光量を示す信号に基づいて、前記光源装置の制御周期内における前記固体光源の発光時間と非発光時間との比の基準値である基準デューティー比を決定し、前記複数の固体光源のうちの少なくとも1つの固体光源を、前記基準デューティー比とは異なる補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号を生成して前記複数の固体光源の駆動制御を行うことを特徴としている。
本発明のプロジェクターは、光源装置と、表示すべき画像の画像信号に基づいて該光源装置からの光を変調する光変調装置と、該光変調装置で変調された光をスクリーンに投射する投射光学系とを備えるプロジェクターにおいて、前記光源装置を制御する上記の何れかに記載の光源制御装置を備えることを特徴としている。
この発明によると、大幅なコストの上昇を伴わない簡易な構成で高分解能の調光を実現することができる光源制御装置を備えており、固体光源を高分解能で調光することができるため、先のフレームの輝度が低い場合であっても、先のフレームからの輝度変化が規定値(例えば、5%)内に収まるような調光を実現することができ、この結果として周辺の照明環境に応じたちらつきのない画像を表示することができる。
また、本発明のプロジェクターは、前記画像信号から前記目標光量を示す信号を求める目標光量算出部を備えることを特徴としている。
また、本発明のプロジェクターは、前記目標光量算出部で求められた前記目標光量に応じて、前記光変調装置の変調に用いられる画像信号の伸張処理を行う伸張処理部を備えることを特徴としている。
本発明の一実施形態による光源制御装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による光源制御方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による光源制御装置で生成される駆動信号の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による光源制御装置で生成される駆動信号の他の例を示す図である。 本発明の一実施形態によるプロジェクターの構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による光源制御装置及び方法並びにプロジェクターについて詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
《光源制御装置》
図1は、本発明の一実施形態による光源制御装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の光源制御装置1は、デューティー比決定部2(決定部)、PWM信号生成部3(駆動制御部)、及び光源駆動部4a〜4d(駆動制御部)を備えており、外部から入力される目標光量信号S1に基づいて固体光源アレイ11(光源装置)を駆動制御する。ここで、上記の目標光量信号S1は、固体光源アレイ11から射出されるべき光の光量である目標光量を示す信号である。尚、目標光量信号S1は、固体光源アレイ11から射出されるべき光の明るさを示す信号であっても良い。
固体光源アレイ11は、図1に示す通り、略矩形形状の基板SB上に面状(マトリクス状)に配列された複数の固体光源11aを備えており、光源制御装置1によって駆動制御されることにより例えば青色光を射出する。基板SBは、固体光源素子11aが搭載される略矩形形状の板状部材であり、固体光源素子11aは、例えば発光強度のピークが約460nmである青色光を射出する半導体レーザーである。
図1に示す例では、24個の固体光源11aが基板SB上に6行4列のマトリクス状に配列されており、同じ列に配置された固体光源11aが直列接続されている。つまり、符号C1が付された列に配置された6個の固体光源11aが直列接続され、符号C2が付された列に配置された6個の固体光源11aが直列接続されている。符号C2,C4が付された列に配列された固体光源11aについても同様である。
このように、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aは、列C1〜C4毎に設けられた6個を単位として4つのブロックに区分されており、このブロックを単位として(つまり、列C1〜C4毎に)発光及び非発光が制御可能である。尚、固体光源アレイ11に設けられる固体光源11aの数は、必要となる光量に応じて適宜増減することが可能である。
光源制御装置1に設けられるデューティー比決定部2は、目標光量信号S1に基づいて基準デューティー比及び補間制御数を決定する。ここで、基準デューティー比とは、固体光源アレイ11の制御周期内における固体光源11aの発光時間と非発光時間との比の基準値をいい、固体光源アレイ11をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御する際の基準となるデューティー比である。尚、上記の制御周期とは、光源制御装置1による固体光源アレイ11のPWM制御周期であって、PWM制御周波数(数百Hz程度)の逆数である。
また、補間制御数とは、固体光源アレイ11に設けられた発光及び非発光が個別に制御可能な複数の固体光源11aのうち、基準デューティー比とは異なる補間デューティー比で発光及び非発光を行う固体光源11aの数をいう。尚、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aは、列C1〜C4毎に発光及び非発光が制御可能に構成されているため、補間制御数は、補間デューティー比で発光及び非発光を行う列の数を意味し、0〜3の整数値をとる。
ここで、上記の補間デューティー比とは、光源制御装置1が設定し得る最小のデューティー比を基準デューティー比に加えたデューティー比である。例えば、光源制御装置1のデューティー比の分解能が「256」であり、基準デューティー比が50%である場合(PWM制御周期内における発光時間と非発光時間とが同じ場合)には、補間デューティー比は(50+1/256)%である。
デューティー比決定部2で決定される基準デューティー比及び補間制御数は、光源制御装置1のデューティー比の分解能よりも細かな分解能の調光を可能にするために用いられるものである。例えば、デューティー比の分解能が「256」である光源制御装置1で「1024」の分解能の調光を可能にするために用いられる。
具体的に、デューティー比決定部2は、目標光量信号S1で示される目標光量を固体光源アレイ11の列数(発光及び非発光が個別に制御可能な固体光源の数)で除算する演算を行い、この演算によって得られた商に基づいて基準デューティー比を決定し、得られた剰余に基づいて補間制御数を決定する。例えば、目標光量信号S1で示される目標光量が1〜1024の整数値をとるとすると、デューティー比決定部2は以下の目標光量の各々に対して以下の通り基準デューティー比及び補間制御数を決定する。
目標光量が「4」である場合
基準デューティー比:1
補間制御数:0
目標光量が「1」である場合
基準デューティー比:0
補間制御数:1
目標光量が「63」である場合
基準デューティー比:15
補間制御数:3
尚、デューティー比決定部2における基準デューティー比及び補間制御数の決定方法は、上記の演算による方法以外の方法を用いることも可能である。例えば、目標光量と基準デューティー比及び補間制御数との関係を示すテーブルをデューティー比決定部2に予め用意しておき、このテーブルを用いて基準デューティー比及び補間制御数の決定を行っても良い。
PWM信号生成部3は、デューティー比決定部2で決定された基準デューティー比及び補間制御数に基づいて、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aを駆動するPWM信号を生成する。具体的には、周波数が上記のPWM制御周波数であって基準デューティー比を有するPWM信号と、周波数が上記のPWM制御周波数であって補間デューティー比を有するPWM信号とを含むPWM信号S11〜S14(制御信号)を生成する。
上記のPWM信号S11〜S14には、補間デューティー比を有するPWM信号が補間制御数分だけ含まれ、基準デューティー比を有するPWM信号が固体光源アレイ11の列数から補間制御数を減じた分だけ含まれる。尚、PWM信号生成部3で生成されるPWM信号S11〜S14の周波数を規定する上記のPWM制御周波数は、ユーザにちらつき(フリッカー)が視認されることがないよう数百Hz程度に設定される。
光源駆動部4a〜4dは、PWM信号生成部3で生成されるPWM信号S11〜S14に基づいて、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aを列C1〜C4毎に駆動する駆動信号D1〜D4をそれぞれ生成する。尚、駆動信号D1〜D4は、PWM信号S11〜S14に基づいて周波数、デューティー比、及び位相が規定され、PWM信号S11〜S14の信号レベルが「H(ハイ)」レベルのときの電流が一定であるパルス状の信号である。
次に、上記構成における光源制御装置1の動作について説明する。図2は、本発明の一実施形態による光源制御方法を示すフローチャートである。まず、外部からの目標光量信号S1が光源制御装置1に入力されることにより、光源制御装置1において固体光源アレイ11から射出されるべき光の光量である目標光量が決定されることになる(ステップS11)。
次に、目標光量信号S1がデューティー比決定部2に入力されると、目標光量信号S1で示される目標光量を固体光源アレイ11の列数で除算する演算が行われる。すると、デューティー比決定部2において、演算によって得られた商に基づいて基準デューティー比が決定されるとともに(ステップS12)、剰余に基づいて補間制御数が決定される(ステップS13)。
デューティー比決定部2で決定された基準デューティー比及び補間制御数はPWM信号生成部3に出力され、このデューティー比に基づいて固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aを駆動するPWM信号S11〜S14が生成される(ステップS14)。具体的には、周波数が上記のPWM制御周波数であり、基準デューティー比又は補間デューティー比を有するPWM信号S11〜S14が生成される。ここで、PWM信号S11〜S14には、補間デューティー比を有するPWM信号が補間制御数分だけ含まれ、基準デューティー比を有するPWM信号が固体光源アレイ11の列数から補間制御数を減じた分だけ含まれる。
PWM信号生成部3で生成されたPWM信号S11〜S14は、光源駆動部4a〜4dにそれぞれ出力され、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aを列C1〜C4毎に駆動する駆動信号D1〜D4がそれぞれ生成される。これらの駆動信号D1〜D4は固体光源アレイ11に供給され、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aの発光及び比発光が列C1〜C4を単位として行われる(ステップS15)。
図3は、本発明の一実施形態による光源制御装置で生成される駆動信号の一例を示す図である。尚、図3に示す駆動信号D1〜D4は、目標光量信号S1で示される目標光量が「1」である場合のものである。目標光量が「1」である場合には、デューティー比決定部2において、基準デューティー比が0に決定されるとともに補間制御数が1に決定される。よって、光源制御装置1からは、(1/256)%の補間デューティー比を有する1つの駆動信号D1のみが出力され、固体光源アレイ11の列C1に配列された6個の固体光源11aがPWM制御周期Twを基準として駆動され、他の列C2〜C4に配列された固体光源11aは駆動されない。
以上の駆動が行われることにより、固体光源アレイ11からは、目標光量信号S1で示される最小の目標光量(1/1024)を有する光が射出される。つまり、デューティー比の分解能が「256」である光源制御装置1において、「1024」の分解能の調光を実現することができる。このように、本実施形態では、目標光量信号S1で示される目標光量から基準デューティー比及び補間制御数を決定し、この基準デューティー比及び補間制御数に基づいて基準デューティー比又は補間デューティー比を有するPWM信号S11〜S14を生成して固体光源アレイ11を駆動しているため、大幅なコストの上昇を伴わずにより高い分解能の調光を行うことができる。
ここで、図3に示す例では、目標光量が「1」である場合において、固体光源アレイ11の列C1に配列された固体光源11aのみを駆動していた。しかしながら、図4に示す例のように、固体光源アレイ11の列C1〜C4の各々の列に配列された固体光源11aを、PWM制御周期Tw毎に順に駆動しても良い。図4は、本発明の一実施形態による光源制御装置で生成される駆動信号の他の例を示す図である。
図4に示す例では、PWM信号生成部3において、PWM制御周期Tw毎に、(1/256)%の補間デューティー比を有するPWM信号S11〜S4が順に生成され、このPWM信号S11〜S14に基づいて(1/256)%の補間デューティー比を有する駆動信号D1〜D4がPWM制御周期Tw毎に順に出力される。この駆動信号D1〜D4によって固体光源アレイ11が駆動されると、発光及び非発光とされる固体光源11aがPWM制御周期Tw毎に変わるため、図3に示す駆動信号D1〜D3を用いて駆動する場合に比べて、固体光源11aの寿命を延ばすことができる。
《プロジェクター》
次に、本発明の一実施形態によるプロジェクターについて説明する。図5は、本発明の一実施形態によるプロジェクターの構成を示す図である。図5に示す通り、プロジェクターPJは、照明装置10、色分離導光光学系20、液晶光変調装置30R,30G,30B(光変調装置)、クロスダイクロイックプリズム40、投射光学系50、及び信号処理部60を備えており、外部から入力される画像信号V1に応じた画像光をスクリーンSCRに向けて投射することによりスクリーンSCR上に画像を表示する。
照明装置10は、図1に示す光源制御装置1及び固体光源アレイ11と、コリメーターレンズアレイ12、集光光学系13、蛍光生成部14、コリメーター光学系15、第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、偏光変換素子18、及び重畳レンズ19とを備えており、赤色光、緑色光、及び青色光を含む白色光を射出する。コリメーターレンズアレイ12は、固体光源アレイ11に設けられた複数の固体光源11aの各々に対応する複数のコリメーターレンズを備えており、固体光源11aの各々から射出される青色光を略平行化する。
具体的に、コリメーターレンズアレイ12は、24個の平凸レンズであるコリメーターレンズを、6行4列のマトリクス状に配列してなるものである。このコリメーターレンズアレイ12は、コリメーターレンズの凸面を固体光源アレイ11に向け、且つ、各コリメーターレンズを各固体光源11aにそれぞれ対応させた状態で配置されている。集光光学系13は、第1レンズ13a及び第2レンズ13bを備えており、コリメーターレンズアレイ12で略平行化された青色光を蛍光生成部14の近傍の位置に集光する。
蛍光生成部14は、集光光学系13の集光位置の近傍に配設され、集光光学系13で集光された青色光のうちの一部から赤色光及び緑色光を含む蛍光を生成する蛍光層(図示省略)と、この蛍光層を担持する透明部材(図示省略)とを有する。具体的に、蛍光生成部14は、集光光学系13で集光された青色光がデフォーカス状態で蛍光層に入射する位置に配設される。蛍光生成部14は、蛍光の生成に関わることなく蛍光層を通過する青色光を蛍光とともに含み、全体として白色光となる光を射出する。
上記の蛍光層は、例えば、YAG系蛍光体である(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceを含有する層からなる。蛍光層は、集光光学系13で集光された青色光のうちの一部を、赤色光(発光強度のピーク:約610nm)及び緑色光(発光強度のピーク:約550nm)を含む蛍光に変換して射出する。尚、青色光のうち、蛍光の生成に関わることなく蛍光層を通過する一部の青色光は、蛍光とともに射出される。コリメーター光学系15は、第1レンズ15a及び第2レンズ15bを備えており、蛍光生成部14からの光を略平行化する。
第1レンズアレイ16は、複数の小レンズ16aを有しており、固体光源アレイ11からの光を複数の部分光束に分割する。具体的に、第1レンズアレイ16が有する複数の小レンズ16aは、照明光軸AXと直交する面内において、複数行及び複数列に亘ってマトリクス状に配列されている。尚、第1レンズアレイ16が有する複数の小レンズ16aの外形形状は、液晶光変調装置30R,30G,30Bの画像形成領域の外形形状に関して略相似形である。
第2レンズアレイ17は、第1レンズアレイ16に設けられた複数の小レンズ16aに対応する複数の小レンズ17aを有する。つまり、第2レンズアレイ17が有する複数の小レンズ17aは、第1レンズアレイ16が有する複数の小レンズ16aと同様に、照明光軸AXと直交する面内において、複数行及び複数列に亘ってマトリクス状に配列されている。この第2レンズアレイ17は、重畳レンズ19とともに、第1レンズアレイ16が有する各小レンズ16aの像を液晶光変調装置30R,30G,30Bの画像形成領域近傍に結像させる。
偏光変換素子18は、偏光分離層、反射層、及び位相差板(何れも図示省略)を有しており、第1レンズアレイ16により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する。ここで、偏光分離層は、固体光源アレイ11からの光に含まれる偏光成分のうちの一方の直線偏光成分をそのまま透過させ、他方の直線偏光成分を照明光軸AXに垂直な方向に反射する。また、反射層は、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を照明光軸AXに平行な方向に反射する。更に位相差板は、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する。
重畳レンズ19は、その光軸が照明装置10の光軸と一致するように配置されており、偏光変換素子18からの各部分光束を集光して液晶光変調装置30R,30G,30Bの画像形成領域近傍に重畳させる。上述した第1レンズアレイ16、第2レンズアレイ17、及び重畳レンズ19は、固体光源アレイ11からの光を均一化するレンズインテグレーター光学系を構成している。
色分離導光光学系20は、ダイクロイックミラー21,22、反射ミラー23〜25、リレーレンズ26,27、及び集光レンズ28R,28G,28Bを備えており、照明装置10からの光を赤色光、緑色光、及び青色光に分離して液晶光変調装置30R,30G,30Bにそれぞれ導光する。ダイクロイックミラー21,22は、所定の波長領域の光を反射して他の波長領域の光を通過させる波長選択透過膜が透明基板上に形成されたミラーである。具体的に、ダイクロイックミラー21は赤色光成分を反射して緑色光及び青色光成分を通過させ、ダイクロイックミラー22は緑色光成分を反射して青色光成分を通過させる。
反射ミラー23は赤色光成分を反射するミラーであり、反射ミラー24,25は青色光成分を反射するミラーである。リレーレンズ26はダイクロイックミラー22と反射ミラー24との間に配設され、リレーレンズ27は、反射ミラー24と反射ミラー25との間に配設される。これらリレーレンズ26,27は、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するために設けられる。集光レンズ28R,28G,28Bは、反射ミラー23で反射された赤色光成分、ダイクロイックミラー22で反射された緑色光成分、及び反射ミラー25で反射された青色光成分を、液晶光変調装置30R,30G,30Bの画像形成領域にそれぞれ集光する。
ダイクロイックミラー21で反射された赤色光は、反射ミラー23で反射され、集光レンズ28Rを介して赤色光用の液晶光変調装置30Rの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー21を通過した緑色光は、ダイクロイックミラー22で反射され、集光レンズ28Gを介して緑色光用の液晶光変調装置30Gの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー21,22を通過した青色光は、リレーレンズ26、反射ミラー24、リレーレンズ27、反射ミラー25、及び集光レンズ28Bを順に介して青色光用の液晶光変調装置30Bの画像形成領域に入射する。
液晶光変調装置30R,30G,30Bは、入射された色光を信号処理部60から出力される画像信号に応じて変調して、赤色の画像光、緑色の画像光、及び青色の画像光をそれぞれ生成する。尚、図5では図示を省略しているが、集光レンズ28R,28G,28Bと液晶光変調装置30R,30G,30Bとの間にはそれぞれ入射側偏光板が介在配置されており、液晶光変調装置30R,30G,30Bとクロスダイクロイックプリズム40との間にはそれぞれ射出側偏光板が介在配置されている。
液晶光変調装置30R,30G,30Bは、一対の透明なガラス基板の間に電気光学物質である液晶を密閉封入した透過型の液晶光変調装置であり、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)をスイッチング素子として備える。上述した不図示の入射側偏光板の各々を介した色光(直線偏光)の偏光方向が、液晶光変調装置30R,30G,30Bの各々に設けられたスイッチング素子のスイッチング動作によって変調されることにより、画像信号に応じた赤色の画像光、緑色の画像光、及び青色の画像光がそれぞれ生成される。
クロスダイクロイックプリズム40は、上述した不図示の射出側偏光板の各々から射出された画像光を合成してカラー画像を形成する。具体的に、クロスダイクロイックプリズム40は、4つの直角プリズムを貼り合わせてなる略立方体形状の光学部材であり、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。投射光学系50は、クロスダイクロイックプリズム40で合成されたカラー画像をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。
信号処理部60は、明るさパラメータ抽出部61(目標光量算出部)、伸張処理部62、及び液晶駆動部63を備えており、外部から入力される画像信号V1の信号処理を行って光源制御装置1で用いられる目標光量信号S1及び液晶光変調装置30R,30G,30Bで用いられる画像信号を生成する。
明るさパラメータ抽出部61は、画像信号V1に基づいて表示されるべき画像の明るさの代表値を示す情報である明るさパラメータを抽出する。例えば、画像信号V1を複数のブロック(例えば4画素×4画素からなるブロック)に分割し、各ブロックに含まれる画素の輝度の平均値を算出し、それら平均値の最大値を明るさパラメータとして抽出する。この明るさパラメータは、照明装置10に設けられた光源制御装置1に目標光量信号S1として出力される。ここで、図5に示す通り、光源制御装置1(正確には、光源制御装置1が備えるデューティー比決定部2)には、明るさパラメータ抽出部61からの目標光量信号S1以外に、ホワイトバランスを制御する制御信号A1も入力されている。
伸張処理部62は、明るさパラメータ抽出部61で抽出された明るさパラメータに基づいて、外部から入力される画像信号V1に伸張処理を行う。例えば、画像信号V1に基づいて表示可能な画像の階調が255階調であり、抽出された明るさパラメータが200階調目の明るさを示すものである場合には、画像信号V1に対して係数α=(255/200)を乗算する処理を行う。かかる伸張処理を行うことにより、液晶光変調装置30R,30G,30Bのダイナミックレンジを最大活かした高コントラストの画像の表示が可能になる。液晶駆動部63は、伸張処理部62で伸張処理が行われた画像信号から、液晶光変調装置30R,30G,30Bの各々を駆動する駆動信号を生成する。
上記構成のプロジェクターPJに画像信号V1が入力されると、信号処理部60の明るさパラメータ抽出部61で明るさパラメータが抽出され、目標光量信号S1として光源制御装置1に出力される。光源制御装置1に目標光量信号S1が入力されると、前述した通り、基準デューティー比及び補間制御数の決定、PWM信号S11〜S14の生成、及び駆動信号S1〜S4の生成が行われて固体光源アレイ11が駆動される。
他方、明るさパラメータ抽出部61で抽出された明るさパラメータは、画像信号V1とともに伸張処理部62に出力され、伸張処理部62において画像信号V1の伸張処理が行われる。そして、液晶駆動部63において、伸張処理が行われた画像信号に基づいて駆動信号が生成されて、液晶光変調装置30R,30G,30Bが駆動される。
ここで、本実施形態のプロジェクターPJは、デューティー比の分解能が「256」であっても、「1024」の分解能の調光を実現可能な光源制御装置1を備えている。このため、固体光源アレイ11を高分解能で調光することができ、先のフレームの輝度が低い場合であっても、先のフレームからの輝度変化が規定値(例えば、5%)内に収まるような調光を実現することができる。従って、周辺の照明環境に応じたちらつきのない画像を表示することができる。
以上、本発明の実施形態による光源制御装置及び方法並びにプロジェクターについて説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、以下に示す変形例が可能である。
(1)上記実施形態では、固体光源アレイ11に配列形成された固体光源11aが半導体レーザーである場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、固体光源が発光ダイオードである固体光源アレイにも本発明を適用することができる。
(2)上記実施形態では、固体光源が面状に配列されている例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、固体光源が線状に配列されている場合にも本発明を適用することが可能である。加えて、上記実施形態では、基板SBの縦方向及び横方向に一定の間隔で固体光源が配列されている例について説明したが、ハニカム状に配列されていても良い。ここで、ハニカム状とは、正六角形を平面上に隙間無く並べた場合の各交点に固体光源が位置する配列をいう。
(3)上記実施形態では、プロジェクターとして透過型のプロジェクターを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射型のプロジェクターにも本発明を適用することができる。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶表示装置等のように光変調装置が光を透過すものであることを意味し、「反射型」とは、反射型の液晶表示装置等のように光変調装置が光を反射するものであることを意味する。反射型のプロジェクターに本発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクターと同様の効果を得ることができる。
(4)上記実施形態では、光変調装置として液晶光変調装置を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調装置としては、一般に、画像信号に応じて入射光を変調するものであればよく、ライトバルブやマイクロミラー型光変調装置等を用いても良い。マイクロミラー型光変調装置としては、例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
(5)本発明は、投射画像を観察する側から投射するフロント投射型プロジェクターに適用することも、投射画像を観察する側とは反対の側から投射するリア投射型プロジェクターに適用することも可能である。
1…光源制御装置、2…デューティー比決定部、3…PWM信号生成部、4a〜4d…光源駆動部、11…固体光源アレイ、11a…固体光源、30R,30G,30B…液晶光変調装置、50…投射光学系、61…明るさパラメータ抽出部、62…伸張処理部、PJ…プロジェクター、S1…目標光量信号、S11〜S14…PWM信号、SCR…スクリーン、V1…画像信号

Claims (9)

  1. 複数の固体光源を有する光源装置の駆動制御を行う光源制御装置であって、
    前記光源装置から射出されるべき光の光量である目標光量を示す信号に基づいて、前記光源装置の制御周期内における前記固体光源の発光時間と非発光時間との比の基準値である基準デューティー比を決定する決定部と、
    前記複数の固体光源のうちの少なくとも1つの固体光源を、前記基準デューティー比とは異なる補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号を生成して前記複数の固体光源の駆動制御を行う駆動制御部と
    を備えることを特徴とする光源制御装置。
  2. 前記決定部は、発光及び非発光が個別に制御可能な前記固体光源の数で前記目標光量を除算する演算を行い、該演算によって得られる商に基づいて前記基準デューティー比を決定することを特徴とする請求項1記載の光源制御装置。
  3. 前記決定部は、前記基準デューティー比に加えて、前記演算によって得られる剰余に基づいて、前記補間デューティー比で発光及び非発光とする固体光源の数を示す補間制御数を決定し、
    前記駆動制御部は、前記複数の固体光源のうちの前記補間制御数分の固体光源を、前記補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2記載の光源制御装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記光源装置の制御周期毎に、前記補間デューティー比で発光及び非発光とする固体光源を異ならせる制御信号を生成することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光源制御装置。
  5. 前記補間デューティー比は、設定し得る最小のデューティー比を前記基準デューティー比に加えたデューティー比であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の光源制御装置。
  6. 複数の固体光源を有する光源装置の駆動制御を行う光源制御方法であって、
    前記光源装置から射出されるべき光の光量である目標光量を示す信号に基づいて、前記光源装置の制御周期内における前記固体光源の発光時間と非発光時間との比の基準値である基準デューティー比を決定し、
    前記複数の固体光源のうちの少なくとも1つの固体光源を、前記基準デューティー比とは異なる補間デューティー比で発光及び非発光とする制御信号を生成して前記複数の固体光源の駆動制御を行う
    ことを特徴とする光源制御方法。
  7. 光源装置と、表示すべき画像の画像信号に基づいて該光源装置からの光を変調する光変調装置と、該光変調装置で変調された光をスクリーンに投射する投射光学系とを備えるプロジェクターにおいて、
    前記光源装置を制御する請求項1から請求項5の何れか一項に記載の光源制御装置を備えることを特徴とするプロジェクター。
  8. 前記画像信号から前記目標光量を示す信号を求める目標光量算出部を備えることを特徴とする請求項7記載のプロジェクター。
  9. 前記目標光量算出部で求められた前記目標光量に応じて、前記光変調装置の変調に用いられる画像信号の伸張処理を行う伸張処理部を備えることを特徴とする請求項8記載のプロジェクター。
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JP2016161738A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 セイコーエプソン株式会社 光源装置、プロジェクター、及び色バランス調整方法
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