JP2012088994A - 広告効果分析システム及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広告配信データから広告効果を分析することができる広告効果分析システム及び当該システムを用いた、広告効果を分析する方法を提供する。
【解決手段】ネットワーク2を介して広告を配信すると共に、その配信された広告による広告効果を分析する広告効果分析システム1であって、広告毎に設定された広告配信条件に基づいて、当該広告を配信する広告配信手段と、少なくとも前記配信された広告が利用された回数を集計する集計手段と、前記集計した広告利用回数に基づいて、前記配信された広告による広告効果を分析する分析手段と、前記分析された広告効果に基づいて、最適出稿パターンを算出する算出手段とを有し、前記分析手段は、前記広告に関する構造方程式モデルを作成すると共に、当該構造方程式モデルに含まれる変数間の因果関係若しくは相関関係を抽出し、当該関係の係数を算出する構造方程式モデリングを用いて分析を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ネットワークを介して広告を配信すると共に、その配信された広告による広告効果を分析する広告効果分析システムに関する。
消費者(潜在的な消費者を含む。以下、「ユーザ」と総称する)に対して特定の商品若しくはサービス等の販売・利用を促進するための手段として、従来から、多種多様な広告が用いられている。例えば、広告手段としては、店頭や路上などで配布されるチラシ、新聞や雑誌などの折り込み広告、テレビやラジオなどのマスメディアを用いた宣伝、特定のユーザにターゲットを絞って行うダイレクトメール等が挙げられる。
近年では、デジタル家電やインターネットの普及を背景に、この広告手段の1つとして、インターネット上に開設されたwebページを利用した広告(以下、「web広告」と総称する)が、利用頻度や広告費用においても、広告市場全体において大きな割合を占めるようになっている。
このような現状に併せて、web広告によるユーザの商品・サービス販売促進効果を正確に把握し、web広告における効率的な費用分散を実現したいという広告依頼主のニーズが高まってきている。
このようなweb広告によるユーザの商品・サービス購入促進効果を測定するシステムの例としては以下のような特許文献1が知られている。
特開2003−44738号公報
ところで、ユーザによる商品・サービスの購入促進に繋がる広告効果の測定は、webページ上でのユーザの行動をログデータとして取得し、蓄積し、集計することで行われている。このとき取得できるログデータは、(1)広告配信データ、(2)広告主サイトに進入する直前のサイトURL、(3)広告主サイト内でのページ遷移ログ、(4)広告主サイトから離脱した直後のサイトURL、の4種類である。特許文献1等の従来の技術ではこの4種類のログデータの組み合わせによる効果測定が行われている。
しかしながら、上述の特許文献1等の従来の技術では、web広告の配信は複数の代理店(広告配信媒体)にまたがって管理されていたり、広告配信媒体が当該web広告に係る広告配信データを提供しないという問題点が存在していた。そのため、web広告によるユーザの商品・サービス購入促進効果の測定は、限られた広告配信データに基づいて行われ、その結果、不確かな測定しかできなかった。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、限られた広告配信データから広告効果を分析することができる広告効果分析システム及び当該システムを用いた、広告効果を分析する方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、上記分析システムを利用することにより、分析された結果に基づき、ROIを最大限にする最適広告出稿パターンを計算し、その計算結果に基づいた広告配信を行うシステム及びその方法を提供する。
本発明の第一の主要な観点によれば、ネットワークを介して広告を配信すると共に、その配信された広告による広告効果を分析する広告効果分析システムであって、広告毎に設定された広告配信条件に基づいて、当該広告を配信する広告配信手段と、少なくとも前記配信された広告が利用された回数を集計する集計手段と、前記集計した広告利用回数に基づいて、前記配信された広告による広告効果を分析する分析手段と、前記分析された広告効果に基づいて、最適出稿パターンを算出する算出手段とを有し、前記分析手段は、前記広告に関する構造方程式モデルを作成すると共に、当該構造方程式モデルに含まれる変数間の因果関係若しくは相関関係を抽出し、当該関係の係数を算出する構造方程式モデリングを用いて分析を行うものであることを特徴とする、システムが提供される。
このような構成によれば、定量的な評価が困難であったユーザの興味を構造方程式モデルにより定量的に表現することができ、これを通じて、商品・サービスのコンバージョンにおける広告効果、すなわち、配信広告による商品・サービスのコンバージョンへの促進効果を分析し、その結果を用いて、広告依頼主に対して、最適な広告の出稿パターンを提供することができる。
本発明の一の実施形態によれば、上記のシステムにおいて、前記集計手段は、前記配信された広告がウェブページ上に表示された回数を集計すると共に、前記配信された広告を介した、前記広告に係るウェブコンテンツへのアクセス回数を集計するものである。
本発明に他の実施形態によれば、上記のシステムにおいて、前記算出する手段は、前記分析手段によって作成された構造方程式モデルにおいて、前記変数間毎の関係を近似式で表し、当該構造方程式モデルにおける出発点変数から最終地点変数までの当該近似式を連続して解くことにより、前記出発地点変数の値を任意に設定したときの前記最終地点変数の増減をシミュレーションするものであり、
このシミュレーション結果から投資対効果若しくは成果が最大になる点を最適出稿パターンとして算出するものである。
また、本発明の別の実施形態によれば、上記のシステムは、さらに、広告種別、広告出稿媒体、広告掲載枠、広告閲覧者、の一部若しくは全部の情報を紐づけて格納するデータベースを有するものであり、このデータベースは、前記格納された情報から選択される1若しくは複数の情報に関連する他の情報をさらに紐づけて格納するものである。
また、本発明の他の実施形態によれば、上記のシステムは、さらに、前記分析された広告効果に基づいて算出された最適出稿パターンを、予め登録された所定の端末に送信する送信手段を有するものである。
また、本発明のさらに別の実施形態によれば、上記のシステムは、さらに、年間、月間、週間等の、前記広告利用回数を集計するための任意の期間の指定を受け付ける期間指定受付手段を有するものであり、前記集計手段は、前記期間指定受付手段によって受け付けた期間において前記配信された広告が利用された回数を集計するものである。
また、本発明のさらに別の実施形態によれば、上記のシステムにおいて、広告依頼主が実施するユーザとのコミュニケーション活動全般を示すものであり、具体的にはバナー広告、リスティング広告、メール広告、モバイル広告等によるインターネット広告、口コミ等によるソーシャルメディアにおける書き込み、TV・雑誌等のマス媒体による広告、屋外、交通広告等によるプロモーションメディアへの広告、から成る群から選択される1若しくは複数の広告を有するものである。
本発明の第二の主要な観点によれば、コンピュータシステムで構成され、ネットワークを介して広告を配信すると共に、その配信された広告による広告効果を分析する広告効果分析システムによって実行される方法であって、広告毎に設定された広告配信条件に基づいて、当該広告を配信する工程と、少なくとも前記配信された広告が利用された回数を集計する工程と、前記集計した広告利用回数に基づいて、前記配信された広告による広告効果を分析する工程と、前記分析された広告効果に基づいて、最適出稿パターンを算出する工程とを有し、前記分析する工程は、前記広告に関する構造方程式モデルを作成すると共に、当該構造方程式モデルに含まれる変数間の因果関係若しくは相関関係を抽出し、当該関係の係数を算出する構造方程式モデリングを用いて分析を行うものであることを特徴とする、方法が提供される。
なお、上記した以外の本発明の特徴及び顕著な作用・効果は、以下の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワーク構成図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る広告効果分析システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る構造方程式モデルを示すパス図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る構造方程式モデルを示すパス図である。 図5は、本発明の一実施形態における広告例及び配信条件例を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る構造方程式モデルを用いた広告効果分析の処理工程を示すフローチャートである。 図7は、本発明の一実施形態に係る構造方程式モデルの構築過程を示すフローチャートである。
以下、本願発明の一実施形態および実施例を、添付図面を参照して説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るネットワーク構成図である。本図において符号1で示す広告効果分析システム1は、図示しない広告配信会社等に設置されたホストコンピュータで構成される。この広告効果分析システム1は、公衆通信回線等の通信ネットワーク2を介して、特定の商品を購入し又は特定のサービスを受ける可能性のある世界中の消費者(ユーザ)のコンピュータ端末3と接続可能である。また、本発明の一実施形態に係る広告効果分析システム1は、公衆通信回線等の通信ネットワーク2を介して、広告配信業者4と接続可能であり、この広告配信業者4は、本システム1によって管理される広告を前記ユーザに対して配信している。ここで、「消費者(ユーザ)」とは、通信ネットワーク2上に開設されたwebページを利用した広告を利用し、又は利用する可能性のあるすべてのネットユーザ、又は本発明に係るシステムを介して配信される広告を利用し、又は利用する可能性のあるすべてのユーザの総称であり、商品・サービスの流通段階にある仲介者であるか、又は最終的な消費者であるかは問わない。なお、消費者(ユーザ)のコンピュータ端末3は、通信機能や入力機能、ブラウザ等を備えた汎用のコンピュータである。また、本発明において、「ネットワークを介して配信される広告」や「本発明に係るシステムを介して配信される広告」とは、本システム1から直接web上に配信される広告だけでなく、本システム1によって配信条件等が管理され、当該配信条件等に基づいて、広告配信業者4等が配信した広告も含む包括的な表現である。また、本図において、広告効果分析システム1に係る全機能は同一のサーバに存在するように描かれているが、各機能が個別に別サーバにあっても良い。例えば、特定の広告を配信する配信機能や当該広告による広告効果を分析する分析機能を、1または複数の別サーバが備えている構成としてもよく、この場合、各サーバは、社内の専用回線や公衆通信回線等の通信ネットワークを介して接続可能である。
また、広告効果分析システム1は、広告配信機能、広告被利用頻度の集計機能、広告効果の分析機能、最適出稿パターンの算出機能などの種々の機能を奏することで、特定の広告によって消費者(ユーザ)が当該広告に係る商品・サービスを購入する(コンバージョン)に至ったか否かを特定し、更には、その結果を基に、前記特定の広告の広告効果を分析し、広告依頼主に対して、最適な広告出稿パターンを提供することができる新規なワークフローを実現するものである。
すなわち、本実施形態に係る広告効果分析システム1は、特定の広告を、当該広告に対して設定された配信条件の下で配信し(広告配信機能)、その配信された広告が利用された回数を集計し(広告の被利用回数の管理機能)、利用された広告によってどの程度の商品・サービスのコンバージョンが成立したかを、構造方程式モデルを用いて分析し(広告効果の分析機能、)、さらに、その分析結果に基づいて、広告依頼主に対して、最適出稿パターンを提供する(最適出稿パターンの算出機能)点に特徴を有する。
(システムの概略構成)
上記した種々の機能を奏するため、本実施形態のシステム1は、図2に示すような構成を備えている。
具体的には、この広告効果分析システム1は、図2(A)に示すように、ホストコンピュータに内蔵されたCPU5にシステムバス6を介してRAM7、ROMやHDD、半導体ディスクなどの外部記憶装置8、及び入出力インタフェース(I/F)9が接続されている。入出力I/F9には、ディスプレイなどの出力装置10、キーボードやマウスなどの入力装置11、NICなどの通信デバイス12及びCD−ROMやDVD−ROMなどのリムーバブル記録媒体13用のドライブ14が夫々接続されている。外部記憶装置8は、データ格納部8aとプログラム格納部8bとを備えている。何れも、記憶装置内に確保された一定の記憶領域である。
このようなハードウェア構成において、入力装置11等から入力された各種の指令を受信することで、この外部記憶装置8にインストールされたソフトウェアプログラムがCPU5によってRAM7上に呼び出されて実行されることで、OS(オペレーションシステム)と協働してこの発明の機能を奏するようになっている。
データ格納部8aは、図2(B)に示すように、配信される広告を広告依頼主毎に格納する広告格納部20と、前記広告が配信される条件を当該広告毎に格納する広告配信条件格納部21と、前記配信された広告のwebページ上での被利用回数に関するログデータを格納するログデータ格納部22と、構造方程式モデルを用いた前記ログデータの分析結果を顧客毎に格納する構造方程式モデル分析結果格納部23と、前記分析結果に基づいて算出された最適出稿パターンを格納する最適出稿パターン格納部24とを備えている。何れの格納部20〜24も、前記外部記憶装置8内に確保された一定の記憶領域であり、後述するソフトウェアによって演算された結果や、通信デバイス12等を介して通信ネットワーク2におけるwebページ等から取得した情報が随時記述・更新される。
前記広告格納部20は、後述する広告配信機能によって配信されるすべての広告を、当該広告(広告ID)毎に、当該広告の広告依頼主情報(広告依頼主ID)に関連付けて格納する。ここで、広告とは、広告依頼主が直接又は所定の仲介者を介して間接的に、特定の人々を対象にして、広告目的である商品・サービスに関する情報を伝播する活動を指し、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されるwebページ又は通信機器端末等に配信されるあらゆる広告若しくは紹介、又はいわゆるオフライン上でのあらゆる広告若しくは紹介が含まれるものである。例えば、バナー広告、リスティング広告、メール広告、モバイル広告等によるインターネット広告、口コミ等によるソーシャルメディアにおける書き込み、TV・雑誌等のマス媒体による広告、屋外、交通広告等によるプロモーションメディアへの広告、電車・バス等における液晶モニタ広告又は中吊り広告、店舗や街頭における大型ビジョンを含む液晶モニタ広告、等が挙げられ、消費者の商品・サービス購入を惹起させるすべての宣伝活動が含まれる。また、この広告格納部20は、その格納する広告毎の広告費を、当該広告に関連付けて格納することもできる。
前記広告配信条件格納部21は、前記広告が配信される条件を、前記広告IDに関連付けて格納する。広告配信条件としては、例えば、配信数(メール通数、表示回数、等を含む)、配信期間(時間帯、曜日、表示される期間、等を含む)、配信費用(広告費)、配信手段(バナー広告、メール広告、リスティング広告、マス媒体広告、等)、配信場所(例えば、関東地域限定、webページのみ、等)が挙げられる。本実施形態では、図5に示すように、広告毎の配信条件が夫々設定されている。また、これら以外の配信条件を設定することもできる。
前記ログデータ格納部22は、バナー広告やリスティング広告等の広告種別、広告を出稿する特定の媒体(ポータルサイトや検索エンジン等)である広告出稿媒体、当該広告出稿媒体において広告が掲載される枠や場所等を規定する広告掲載枠、及び当該広告を閲覧した広告閲覧者、の一部若しくは全部の情報をIDとして管理し、紐づけて格納する。また、このログデータ格納部22は、バナー広告等のweb表示回数及びクリック回数、リスティング広告のweb表示回数及びクリック回数、特定のwebページへの来訪回数、特定のwebページへの来訪前のwebページ情報、特定のwebページへの来訪後のwebページ情報、特定のwebページにおける滞在時間、コンバージョンに至る前に歴訪していたwebページ情報、リスティング検索によって来訪したか(リスティング来訪)、自然検索によって来訪したか(自然検索来訪)、等を格納することもできる。さらに、このログデータ格納部22は、上記のようなログデータを、年間、月間、週間等の任意の期間にわけて格納することもできる。なお、このログデータ格納部22に格納さているログデータは、いずれも、上記の広告種別、広告出稿媒体、広告掲載枠、広告閲覧者のいずれか又はすべてに関連付けられて格納されることができる。
また、前記構造方程式モデル分析結果格納部23は、前記ログデータ格納部22に格納されたログデータと前記広告配信条件格納部21に格納された配信条件とから選択された必要な情報を、構造方程式モデルによって分析した結果を格納する。本実施形態において、構造方程式モデルを用いた場合には図3に示すようなパス図が得られ、前記構造方程式モデル分析結果格納部23は、この構造方程式モデルにおける相関・因果関係を示す位置関係も含めたパス図を分析結果として格納することができる。また、この構造方程式モデル分析結果格納部23は、パス係数も併せて格納することができ、図4に示すような、当該パス係数が表示された構造方程式モデルの位置関係(パス図)も格納することができる。なお、構造方程式モデルとパス係数については後述する。
また、前記最適出稿パターン格納部24は、前記構造方程式モデルによる分析結果に基づいて算出された、広告の最適出稿パターンを格納する。本実施形態において、上記構造方程式モデルの作成に利用され、当該最適出稿パターンの算出のために使用された構造方程式モデルに組み込まれた各広告について、例えば、最適配信費用や最適配信期間、最適配信手段、最適配信場所、等の各広告に適した広告配信条件を格納することができ、具体的には、特定のバナー広告について広告費用をいくらくらい掛けて、配信時間を特定の時間に限定して配信する、等の出稿パターンを格納する。なお、この最適出稿パターン格納部24は、設定に応じて多様な最適出稿パターンを格納することができ、広告依頼主ID毎に又は広告ID毎に、任意の最適出稿パターンを格納することができ、その格納形式は、広告依頼主、広告出稿媒体、広告代理店等の予め登録された端末に送付可能な所定の形式や、広告依頼主ID毎に設定された所定のwebページに表示可能な形式であっても良い。
前記ソフトウェアプログラムは、主として、広告配信手段27、広告集計手段28、広告効果分析手段29、最適出稿パターン算出手段30、及び期間指定受付手段31を備えている。何れの手段も、独立したプログラム、そのモジュール、ルーチン、若しくはサブルーチンなどである。
前記広告配信手段27は、前記広告格納部20に格納された広告について、当該広告毎に設定され且つ前記広告配信条件格納部21に格納された広告配信条件に基づいて配信する。配信種別としては、例えば、特定のwebページの特定の箇所に、一定期間、バナー広告として表示する、特定の受信者に対してメール広告を送信する、等の手段が挙げられる。また、配信条件における配信種別としてメール広告が設定されている場合には、所定期間内に特定の受信者に対して1通ずつ合計1000通のメールを配信する、等の条件に従って当該広告を配信する。また、同様に広告がリスティング広告である場合には、特定の期間内に特定のキーワードによって検索された場合に、検索結果のリスティング欄に当該広告を表示させる、等の条件に従って当該広告を配信する。また、広告が液晶モニタ広告である場合には所定の液晶モニタに当該広告を配信し、又は広告が液晶モニタ広告、中吊り広告、又はマス媒体による広告(雑誌等)である場合には、これらの広告が配信される場所や期間等の、当該広告IDに関連付けて格納された広告配信条件を前記広告配信条件格納部21から読み出し、その広告配信条件に基づいた広告配信依頼を、前記通信デバイス12を通じて所定の広告配信業者4等に発注又は指示を出すこともできる。さらに、この広告配信手段27は、通常の広告配信サーバ等で採用されるその他の配信機能を有する。
前記広告集計手段28は、前記配信された広告がwebページ上で表示された回数を集計する。例えば、この広告集計手段28は、バナー広告がwebページ上に表示された回数、メール広告が配信された通数、ソーシャルメディア等での特定の商品・サービスの書き込み又は口コミ回数、等を集計する。また、この広告集計手段28は、例えば配信された広告がバナー広告であった場合に、当該バナー広告が表示された回数に加えて、当該バナー広告がクリックされた回数(利用された回数)を集計することができ、配信された広告がリスティング広告であった場合には、当該リスティング広告が表示された回数に加えて、当該リスティング広告がクリックされた回数(利用された回数)を集計することもできる。また、必要に応じて、この広告集計手段28は、後述する期間指定受付手段31が受け付けた年間、月間、週間等の期間において、前記配信された広告が利用等された回数を集計することもできる。なお、この広告集計手段28は、広告が一部の液晶モニタ広告、中吊り広告、マス媒体による広告等のいわゆるオフライン広告である場合には、前記広告配信条件格納部21に格納された広告毎の配信条件(発行部数、放映回数、表示回数、等)を、当該広告が利用された回数(配信回数)として集計する。また、同様に広告がオフライン広告(雑誌・TVや中吊り広告)である場合、この広告集計手段28は、特定のオフライン広告が掲載又は紹介された日付以降一定期間において特定のwebページの利用回数が増加した場合に、通常(上記掲載又は紹介された日付以前)の利用回数よりも増加した分を、当該オフライン広告を利用した回数として集計することもできる。また、雑誌広告や中吊り広告用の特別なwebページ(当該雑誌広告や中吊り広告を目にしたユーザにしかわからないwebページ)を作成しておき、当該webページの利用回数を当該広告の利用回数としても良い。
また、この広告集計手段28は、特定の広告が表示又は利用等された回数に加えて、特定のwebページへの来訪回数、特定のwebページへの来訪前のwebページ情報、特定のwebページへの来訪後のwebページ情報、特定のwebページにおける滞在時間、コンバージョンに至る前に歴訪していたwebページ情報、等のログデータも集計し、前記ログデータ格納部22に格納する。なお、本発明において、「コンバージョン」とは、ウェブサイト上で得られる最終的又は一時的な成果を指すものであり、商品購入、会員登録、資料請求、問い合わせ、等を含むものである。
前記広告効果分析手段29は、前記広告集計手段28が集計し前記ログデータ格納部22に格納したログデータと、必要に応じて前記広告配信条件格納部21に格納された配信条件と、構造方程式モデルとを用いて、広告による特定の商品・サービスの広告効果を分析する。構造方程式モデル(モデリング)(Structural Equation Model(Modeling):SEM)とは、社会現象や自然現象の因果関係を調べるために開発された統計手法であり、統計手法群の中では多変量解析の一部に属する。本実施形態において、前記広告効果分析手段29は、図3に示すような、各ログデータとコンバージョンとの間の位置関係(パス図)を構築する。また、この広告効果分析手段29は、図4に示すような、パス係数を算出することができ、このパス係数を含む構造方程式モデルの位置関係(パス図)も構築することができる。
前記最適出稿パターン算出手段30は、前記広告効果分析手段29が構築し、前記構造方程式モデル分析結果格納部23に格納された構造方程式モデル分析結果に基づいて、消費者を特定の商品・サービスのコンバージョンに導く広告の影響の強さを算出する。例えば、この最適出稿パターン算出手段30は、最適出稿パターンを算出するために、広告効果を評価するのに最適な因果関係若しくは相関関係として認められた構造方程式モデルの位置関係(パス図)において、そのパス図に存在する変数間毎の関係を近似式で表すことができる。ここで、「最適な因果関係若しくは相関関係として認められた構造方程式モデル」とは、広告効果分析手段29が構築した構造方程式モデルであって、当該構造方程式モデルにおける変数の位置関係が、特定の変数が広告効果に対して与える影響を正確に又は的確に表しているものをいう。そして、この最適出稿パターン算出手段30は、上記のようにして表した複数の近似式について、出発点となる変数から最終地点となる変数まで連続して解くことにより、出発点となる変数の値を任意に設定したときの最終地点となる変数の増減をシミュレーションすることができる。前記最適出稿パターン算出手段30は、このシミュレーションにより、最適出稿パターンを算出することができる。また、この最適出稿パターン算出手段30は、その算出結果に基づき、どの広告をどの程度の費用をかけ、どの程度の期間配信すれば最も効率よく消費者を特定の商品・サービスのコンバージョンに導くことができるかという最適出稿パターンを算出することもできる。なお、この最適出稿パターン算出手段30は、特定の出発点変数(例えば、変数α)の場合における、消費者を特定の商品・サービスのコンバージョンに導く広告の影響度として、後述する各経路のパス係数をすべて掛け合わせ、その計算結果を上記各広告の影響の強さとして算出することもできる。また、この最適出稿パターン算出手段30は、上記特定の出発点変数が異なる場合であっても、その異なる出発点変数に応じて算出された複数の影響度を比較することができる。
前記期間指定受付手段31は、上述の広告集計手段28が集計する広告の利用回数等を集計する年間、月間、週間等の期間を受け付ける。この期間指定受付手段31は、広告ID毎に当該期間を受け付けることもできる。なお、期間指定受付手段31は、上述の年間、月間、週間等の期間を受け付けた場合、前記広告集計手段28に当該期間を通知し、前記広告集計手段28はその期間において、前記配信された広告が利用等された回数を集計する。また、この期間指定受付手段31は、前記広告IDに関連付けられた広告依頼主IDから当該期間を指定されたときのみに当該期間の受付をすることができるようにしても良い。
このように、本システム1は、配信された広告による特定の商品・サービスの広告効果を正確に分析することができるシステムとして機能する。さらには、ログデータを目的に応じて記録しておくことで、広告効果の分析結果から、どのような広告出稿パターンが好ましいかを算出することができ、広告活動の円滑化を図り、これを通じて、経済的負担の無駄削減を実現することができる。また、広告依頼主や広告をID等の情報で関連付けて管理することにより、最適出稿パターンを広告依頼主の目的に応じた条件の下に出力するようにすれば、使い勝手がよい。
(AISAS理論と構造方程式モデル)
次に、本発明に係る広告効果分析システムの基礎をなすAISAS理論と、このAISAS理論を用いて広告の最適出稿パターンを定量的に表現するための構造方程式モデルとについて説明する。
まず、AISAS理論について説明する。AISAS理論とは、マーケティングにおける消費行動のプロセスに関する仮説の1つであり、消費者の購買に関するプロセスを「Attention:注目・認知」、「Interest:興味」、「Search:検索」、「Action:購買」、「Share:情報共有」の5つのプロセスから成り立つとする理論である。このAISAS理論は、従来主流であったAIDMA理論に代わる理論として注目されており、購買に際して吟味したり検討したりするための「Memory:記憶」の機会が少なく、代わりに「Search:検索」と「Share:情報共有」とが購入決定の要因として重要視されており、eコマースに特徴的なプロセスが反映される。そのため、特にeコマースのマーケティングモデルとして有用である。なお、AIDMA理論は、「Attention:注目・認知」、「Interest:関心」、「Demand(Desire):欲求」、「Memory:記憶」、「Action:購買」という5つのプロセスを示す。
このAISAS理論は「Attention:注目・認知」、「Interest:興味」といった心理変容と、「Search:検索」、「Action:購買」、「Share:情報共有」という態度変容の過程に分けることができる。なお、一般的に、広告は「Attention:注目・認知」効果を得ることを目的として投入される。
「Attention:注目・認知」は広告の投下量や出稿コスト、「Search:検索」は検索サイトの検索数、「Action:購買」は購買数、「Share:情報共有」は情報共有サイトへの書き込み数をそれぞれ指標として定義することにより、定量的に計測することが可能となる。しかし、「Interest:興味」は定量的に計測できるものではないため、本発明においては、「Interest:興味」といった一般的に計測が困難な変数を扱うために構造方程式モデルを導入する。
構造方程式モデル(モデリング)(Structural Equation Model(Modeling):SEM)とは、上述のように、社会現象や自然現象の因果関係を調べるために開発された統計手法であり、統計手法群の中では多変量解析の一部に属する。このSEMの特徴の1つに、観測可能な要素と(観測変数)、直接観測ができない潜在的な要素(潜在変数)との因果関係を表現することができる点が挙げられる。ただし、ここで扱われる潜在変数は、何らかの心理変容の度合いを表す構成概念(しばしば因子とも呼ばれる)と、不確定要素を表す誤差との2種類から成る。
本発明においては、SEMにおける「Interest:興味」を潜在変数、「Attention:注目・認知」、「Search:検索」、「Action:購買」、「Share:情報共有」を観測変数として扱うことによって、AISAS理論をeコマースにおける顧客行動の理解に適用することを実現している。
続いて、具体的なSEMの計算式を説明する。
まず、構成概念からなる潜在変数の列を表すベクトルをf、観測変数の列を表すベクトルをxとする。これらを合わせたt=[f;x]Tを構造変数ベクトルと呼ぶ。ただしMTは行列Mの転置を表す。fの長さをnf、xの長さをnxと置けば、tの長さはnx+nfであり、これをntと置く。
このとき、構造方程式は以下の数式で表される。
t=At+u・・・(1)
ただし、uは外生変数(どの変数からも影響を受けない変数)の列を表すベクトルであり、Aはnf x nfの行列Aff、nf x nxの行列Afx、nx x nf の行列Axf、nx x nxの行列Axを用いて以下のように与えられるnt x ntの正方行列である。
Figure 2012088994
構造方程式(1)により、行列Aが求まれば、観測変数と潜在変数との関係を表すことができるが、その関係は、実際に観測されるデータと何らかの意味で近くなくてはならない。SEMでは、この近さの意味を、実際に観測したデータから求められる共分散行列と、観測変数を確率変数とみなしたときの共分散行列とができるだけ一致するように決めることで与える。この決定方法は、因子分析、回帰分析及び、パス解析等の手法を含むことが確かめられる。
実際のデータを用いてSEMを解くためには、ソフトウェアの使用が必要となる場合が多い。現在では、SEMを解くための有償もしくは無償のソフトウェアが多く存在している。使用方法の詳細はソフトウェア毎に異なるが、前もって観測変数と潜在変数を全て列挙しておき、それらの相関関係を最初に与える点は、どのソフトウェアも共通している。
相関関係とは、ある変数の変化に応じた、別のある変数の変化を表す関係である。つまり、SEMの準備段階で与えるべき相関関係は、全ての変数に対し影響を与える方向を決定することで与えられる。その際の判断基準は、想定される、或いは表現したい因果関係に従う。ただし、このときに用いる因果関係が最終的なものとして捉える必要はない。何故なら、上記により準備を整えたSEMを解き、その結果を検証し、必要な場合は相関関係を再構築してSEMを解くことを繰り返すことで、探索的に因果関係を求めていくからである。
使用するソフトウェアに対して具体的に相関関係を与える方法は、主に、パス図を与える方法と、構造方程式及び共分散を与える方法の二種類がある。パス図は、相関関係を考える際に決める各変数間の影響の方向に従い、全ての変数間に矢印を結ぶことで構築される。
上記で与えられたパス図に対し、ソフトウェア等を用いてSEMを解くことで、パス図の全ての矢印上にパス係数と呼ばれる値が付与される。正確に言えば、SEMを解くことで構造方程式(1)の行列(2)が求められ、その値がパス図の各矢印上に付与される。このようにして得られたパス図を俯瞰することで、変数間の関係性を視覚的かつ定量的に捉えることができる。
パス係数には二種類の表し方があり、各変数の分散が1になるように変換した場合を標準化係数と呼び、標準化していない場合を非標準化係数と呼ぶ。これらは本質的には同じものであるが、考えたい問題の目的によって使い分けると都合が良い。例えば、各外生変数が与える効果の比較を行いたい場合は、非標準化係数を用いるほうが都合が良い。また、外生変数が最終的な原因にどれだけの効果を与えるかを推定したい場合は標準化係数のほうが都合が良い。
SEMを解くことで得られた結果を最終的な因果関係の構造として採択するかどうかは、SEMに関する多くの適合度指標から判断することができる。代表的なものとしては、カイ2乗検定、GFI・IGFI、RMSEA、CFI等があり、SEMを適用する業種別にその採用すべき値を設定する必要がある。
ただし、適合度を改善する目的としてパスを引くか消すかを検討するためには、試行錯誤を要する場合が多い。何故なら、そのような検討をするための統計的な手法は幾つか存在するが(パス係数の検定、ワルド検定、LM検定など)、それらの手法に基づいて機械的に判断を下していくと、現実的に捉え難いモデルになってしまう場合もあるからである。
(SEMを用いた広告効果分析の処理工程)
次に、図5の本実施形態に係る配信条件の例、及び図6のフローチャートを参照して、SEMを用いた広告効果分析の処理工程を以下に説明する。なお、以下の各処理は、広告配信手段27、広告集計手段28、広告効果分析手段29、最適出稿パターン算出手段30、及び期間指定受付手段31によって実行される。また、図中の各符号S1〜S5は、以下の説明中の各ステップS1〜ステップS5に対応するものである。
まずステップS1において、前記広告配信手段27が、前記広告格納部20に格納された広告について、当該広告毎に設定され、且つ前記広告配信条件格納部21に格納された広告配信条件に基づいて配信する。例えば、図5に示す例においては、広告Aはバナー広告としてwebページaのバナー広告欄に1年間表示され、広告Bはメール広告として2ヶ月間にわたり計1000通配信される。なお、図5では、「広告」、「種別」、「期間」、「掲載場所、配信場所、検索ワード」、「費用」の配信条件が設定されているが、配信条件はこれらに限られるものではなく、広告を配信するための諸条件であれば何でも良い。
続いて、ステップS2において、前記広告集計手段28が、特定の広告がwebページ上で表示された回数を集計する。この広告集計手段28は、例えば広告種別がバナー広告である場合、ユーザが、その端末に当該バナー広告を表示させたときに、その表示された広告が1回利用されたものとしてカウントする。また、広告種別がメール広告である場合には、送信されたメール数を利用回数としてカウントする。また、集計された表示回数は前記ログデータ格納部22に格納される。また、同様にステップS2において、前記広告集計手段28が、配信された広告がユーザによってクリックされた回数、すなわち、当該広告が利用された回数を集計する。例えば、図5では、広告Aは約2万回表示され、そのうち約3千回クリックされていることがわかる。なお、このクリックされた回数は、特定のwebページへの来訪回数と同数となる。
前記広告集計手段28は、さらに、特定のwebページへの来訪前のwebページ情報、特定のwebページへの来訪後のwebページ情報、特定のwebページにおける滞在時間、コンバージョンに至る前に歴訪していたwebページ情報、等のログデータも集計している。
そして、前記広告集計手段28が集計しログデータ格納部22に格納されたこれらのログデータ及び必要な場合には広告配信条件格納部21に格納された配信条件に基づいて、ステップS3において、前記広告効果分析手段29が分析可能か否かを判断する。例えば、広告効果分析手段29は、集計期間が一定期間以上である場合には分析可能と判断したり、集計数が一定数以上の場合に分析する等の予め設定された条件で、分析の可否を判断する。そして分析不可と判断された場合には、前記広告集計手段28が前記集計を継続する(ステップS2)。
ステップS3において分析可能と判断された場合、広告効果分析手段29が、SEMを解くことにより、広告効果を評価するのに最適な因果関係若しくは相関関係を表した構造方程式モデル(以下、「AISAS構造」という場合がある)の構築を行う(ステップS4)。この工程については、以下に詳しく述べる。
続いて、ステップS5において、ステップS4において分析された結果に基づいて、前記最適出稿パターン算出手段30が、どの広告をどの程度の費用をかけ、どの程度の期間配信すれば最も効率よく消費者を特定の商品・サービスのコンバージョンに導くことができるかという最適出稿パターンを算出し、予め登録された所定の端末に送信することで、一連の広告効果分析に係るフローが終了する。
なお、本実施形態においては、ステップS1〜S5を特定の順番に定めて説明したが、同様の機能を奏する限り、各ステップが並行して作用することができることは言うまでもない。例えば、ステップS2におけるログデータの集計とステップS4におけるSEMによる分析とは並列処理が可能であり、ステップS1における広告配信を一定期間行なっている間にステップS4におけるSEMによる分析を所定回数行う等といった設定も可能である。
(SEM解析によるAISAS構造の構築)
次に、図3及び図4の構造方程式モデル、並びに図7のフローチャートを参照して、AISAS構造の具体的な構築の過程を以下に説明する。なお、以下の各処理は、広告効果分析手段29によって実行される。また、図中の各符号S6〜S11は、以下の説明中の各ステップS6〜ステップS11に対応するものである。
まず、ステップS6において、広告効果分析手段29が、分析に用いるログデータと必要な場合には配信条件とを、それそれ、前記ログデータ格納部22及び広告配信条件格納部21から収集する。そして、この収集されたログデータと配信条件とを用いて、SEMの因果関係・相関関係の構造を記述する(ステップS7)。このSEMの因果関係・相関関係の構造を記述したものが、図3である。本図においては、広告出稿情報と広告効果情報に対するAISAS理論の一実施例が描かれており、「Interest:興味」が潜在変数であり、それ以外の各要素が観測変数となっている。また、本図において、「リスティングコスト」は「リスティング広告」に要する広告費であり、この情報は広告配信条件格納部21に格納することができる。その他、「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」、「話題度(書き込み数)」、「マス広告(TV等)出稿量」等はログデータ格納部22に格納することができる。なお、「SM(ソーシャルメディア)来訪」とは、特定のニュースサイトや情報サイトからの来訪を指すものであり、いわゆるソーシャルメディアと呼ばれるwebページに限定されるものではない。
続いて、ステップS8において、広告効果分析手段29がSEMの計算式を解く。具体的には、図3を基にパス図を構築し、ソフトウェアを用いてSEMを解く。そして、ステップS9において、ステップS8において解いたSEMが、最適な因果関係・相関関係を示す構造となっているか否かを、上述の適合度から判断する。この適合度を満たさない場合、パスを追加又は削除し、SEMの因果関係・相関関係の構造を再構築する(ステップS10)。
そして、適合度を満たすまで再計算されたSEMの結果を用いて、最終的なパス図に係数を付与することで、最適な因果関係・相関関係を示す構造(AISAS構造)が完成し、このAISAS構造を前記構造方程式モデル分析結果格納部23に格納し(ステップS11)、一連のSEM計算に係るフローが終了する。なお、図4はパス係数を表示させたAISAS構造を示す一実施例である。また、本図におけるパス係数は標準化係数である。
標準化係数は−1〜1の値をとり、1に近いほど変数間の共変関係が強いことを、0に近いほど共変関係が弱いことを、−1に近いほど負の共変関係が強いことを示す。
例えば、図4においては「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」から「コンバージョン」までの各経路における影響度を示す。この例では、「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」と「Interest:興味」との標準化係数は0.82である。これは、「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」が「Interest:興味」に強い影響を与えていることを示している。
また、図4の「Interest:興味」から「リスティング出稿量」、「web広告(バナー広告、メール広告等)来訪」、「SM来訪」にはそれぞれ標準化係数で0.68、0.66、0.16の関係がある。これは、「Interest:興味」は「リスティング出稿量」、「web広告(バナー広告、メール広告等)来訪」、「SM来訪」の順に関係が強いことを示す。
このように、標準化係数は矢印の前後の関係の強さだけでなく、矢印同士を比較してどちらの関係がより強いのかを見ることもできる。図4で「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」から出た矢印はいくつかの経路を経て、最終的には「コンバージョン」に行き着くことがわかる。このとき、各経路の関係の強さも知ることができる。例えば、「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量→Interest→リスティング出稿量→リスティング来訪→滞在時間→コンバージョン」(経路1)という経路の関係は、0.82×0.68×0.98×0.44×0.93=0.22となる。「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量→Interest→web広告(バナー広告、メール広告等)来訪→滞在時間→コンバージョン」(経路2)という経路の関係は0.82×0.66×(−0.06)×0.93=−0.030となる。これは、経路1(0.22)の方が経路2(−0.030)よりも、「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」が「コンバージョン」に与える影響が強いということを示している。
(AISAS構造を用いた最適出稿パターンの算出)
次に、AISAS構造を用いた最適出稿パターンの算出について説明する。まず、最適出稿パターンを算出するために、上記のようにして広告効果を評価するのに最適な因果関係若しくは相関関係として認められたAISAS構造において、そのAISAS構造に存在する変数間毎の関係を近似式で表す。例えば、図4の例では、「リスティング出稿量」と「リスティング来訪」との近似式や「web広告(バナー広告、メール広告等)来訪」と「滞在時間」との近似式、等である。そして、出発点となる変数(図4の例では「web広告(バナー広告、メール広告等)出稿量」)から最終地点となる変数(同様に「コンバージョン」)までの複数の近似式を連続して解く。この結果、出発点となる変数の値を任意に設定したときの最終地点となる変数の増減をシミュレーションすることができる。具体的には、上述の近似式を連続して解いた結果として特定のグラフが描かれた場合、シミュレーションとして数値や条件を変更することができ、投資対効果や広告の成果が最大になる点や数値を最適出稿パターンとして算出する。
その他、本発明は、さまざまに変形可能であることは言うまでもなく、上述した一実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
例えば、本実施形態においては、広告配信条件格納部21とログデータ格納部22とを異なるデータベースとして区画して記載したが、上記2つの格納部は1つの格納部とすることができ、各種配信条件やログデータ等を一括して管理することも可能である。
その他、本発明は、さまざまに変形可能であることは言うまでもない。
1…広告効果分析システム
2…通信ネットワーク
3…消費者(ユーザ)のコンピュータ端末
4…広告配信業者
5…CPU
6…システムバス
7…RAM
8…外部記憶装置
8a…データ格納部
8b…プログラム格納部
9…入出力インタフェース(I/F)
10…出力装置
11…入力装置
12…通信デバイス
13…リムーバブル記録媒体
14…ドライブ
20…広告格納部
21…広告配信条件格納部
22…ログデータ格納部
23…構造方程式モデル分析結果格納部
24…最適出稿パターン格納部
27…広告配信手段
28…広告集計手段
29…広告効果分析手段
30…最適出稿パターン算出手段
31…期間指定受付手段

Claims (8)

  1. ネットワークを介して広告を配信すると共に、その配信された広告による広告効果を分析する広告効果分析システムであって、
    広告毎に設定された広告配信条件に基づいて、当該広告を配信する広告配信手段と、
    少なくとも前記配信された広告が利用された回数を集計する集計手段と、
    前記集計した広告利用回数に基づいて、前記配信された広告による広告効果を分析する分析手段と、
    前記分析された広告効果に基づいて、最適出稿パターンを算出する算出手段とを有し、
    前記分析手段は、前記広告に関する構造方程式モデルを作成すると共に、当該構造方程式モデルに含まれる変数間の因果関係若しくは相関関係を抽出し、当該関係の係数を算出する構造方程式モデリングを用いて分析を行うものである
    ことを特徴とする、システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記集計手段は、前記配信された広告がウェブページ上に表示された回数を集計すると共に、前記配信された広告を介した、前記広告に係るウェブコンテンツへのアクセス回数を集計するものである
    ことを特徴とする、システム。
  3. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記算出する手段は、前記分析手段によって作成された構造方程式モデルにおいて、前記変数間毎の関係を近似式で表し、当該構造方程式モデルにおける出発点変数から最終地点変数までの当該近似式を連続して解くことにより、前記出発点変数の値を任意に設定した場合の前記最終地点変数の増減をシミュレーションするものであり、
    このシミュレーション結果から投資対効果若しくは成果が最大になる点を最適出稿パターンとして算出するものである
    ことを特徴とする、システム。
  4. 請求項1記載のシステムにおいて、このシステムは、さらに、
    広告種別、広告出稿媒体、広告掲載枠、広告閲覧者、の一部若しくは全部の情報を紐づけて格納するデータベースを有するものであり、
    このデータベースは、前記格納された情報から選択される1若しくは複数の情報に関連する他の情報をさらに紐づけて格納するものである
    ことを特徴とする、システム。
  5. 請求項1記載のシステムにおいて、このシステムは、さらに、
    前記分析された広告効果に基づいて算出された最適出稿パターンを、予め登録された所定の端末に送信する送信手段を有するものである
    ことを特徴とする、システム。
  6. 請求項1記載のシステムにおいて、このシステムは、さらに、
    年間、月間、週間等の、前記広告利用回数を集計するための任意の期間の指定を受け付ける期間指定受付手段を有するものであり、
    前記集計手段は、前記期間指定受付手段によって受け付けた期間において前記配信された広告が利用された回数を集計するものである
    ことを特徴とする、システム。
  7. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記広告は、広告依頼主が実施するユーザとのコミュニケーション活動全般を示すものであり、具体的にはバナー広告、リスティング広告、メール広告、モバイル広告等によるインターネット広告、口コミ等によるソーシャルメディアにおける書き込み、TV・雑誌等のマス媒体による広告、屋外、交通広告等によるプロモーションメディアへの広告、から成る群から選択される1若しくは複数の広告を有するものである
    ことを特徴とする、システム。
  8. コンピュータシステムで構成され、ネットワークを介して広告を配信すると共に、その配信された広告による広告効果を分析する広告効果分析システムによって実行される方法であって、
    広告毎に設定された広告配信条件に基づいて、当該広告を配信する工程と、
    少なくとも前記配信された広告が利用された回数を集計する工程と、
    前記集計した広告利用回数に基づいて、前記配信された広告による広告効果を分析する工程と、
    前記分析された広告効果に基づいて、最適出稿パターンを算出する工程とを有し、
    前記分析する工程は、前記広告に関する構造方程式モデルを作成すると共に、当該構造方程式モデルに含まれる変数間の因果関係若しくは相関関係を抽出し、当該関係の係数を算出する構造方程式モデリングを用いて分析を行うものである
    ことを特徴とする、方法。
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