しかしながら、特許文献1に記載のナビゲーションシステムにおいては、安全度のみを考慮しているが、安全度が所定値以上の場合には、何ら風による走行負荷等を考慮していない、という問題があった。
また、特許文献2に記載のナビゲーション装置においては、地図上に表示される風向きを利用者が確認することができるものの、風向き表示を見ながら利用者自身が走行経路を考慮する必要がある、という問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、風による走行負荷を考慮した経路を提供することができる、ナビゲーションシステム、サーバ装置、端末装置、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置、および、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記サーバ装置の上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記サーバ装置の上記制御部は、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、上記経路探索手段により取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信する経路情報送信手段と、を備え、上記端末装置の上記制御部は、上記経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信手段と、上記サーバ装置から送信される、上記経路情報を受信する経路情報受信手段と、上記経路情報受信手段により受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記サーバ装置の上記記憶部は、風向および風速に関する風向風速情報を記憶する風向風速情報記憶手段、を更に備え、上記サーバ装置の上記制御部は、上記風向風速情報記憶手段に記憶された上記風向風速情報に基づいて、上記道路ネットワークデータの道路リンクを規準とした風の風量成分を分析して上記風負荷を算出し、上記風負荷情報を生成する風負荷算出手段、を更に備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記風負荷算出手段は、上記風向風速情報に基づいた上記風向および上記風速で表される風量ベクトルを、上記道路リンクに沿った進行方向の上記風量成分と当該進行方向に垂直な方向の上記風量成分に分解し、上記各風量成分に基づいて上記風負荷を算出することを特徴とする、ナビゲーションシステム。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記風負荷算出手段は、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、上記道路リンクに重み付けを行うことにより、上記風負荷を算出することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記サーバ装置の上記記憶部は、地図データを記憶する地図データ記憶手段、を更に備え、上記風負荷算出手段は、上記地図データ記憶手段により記憶された上記道路リンク周辺の上記地図データに基づいて、上記道路リンクに重み付けを行うことにより、上記風負荷を算出することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶される道路ネットワークデータは、リンクコストを含み、上記経路探索手段は、上記道路ネットワークデータの上記リンクコストに上記風負荷情報を加味して、上記経路探索条件を満たす上記経路を探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路探索手段は、上記風負荷情報の上記風負荷を、風コストとして上記道路リンクの上記リンクコストに付加して上記経路を探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路探索手段は、上記風負荷に応じた割合を示すコスト増減度を上記リンクコストに乗じて、上記経路を探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記サーバ装置の上記記憶部は、上記風負荷情報を記憶する風負荷情報記憶手段、を更に備え、上記経路探索手段は、上記道路ネットワークデータの上記リンクコスト、および、上記風負荷情報記憶手段に記憶された上記風負荷情報に基づいて、上記経路を探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記道路ネットワークデータの上記リンクコストは、上記道路リンクのコストに、上記風負荷を考慮に入れた風考慮リンクコストであり、上記経路探索手段は、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータの上記風考慮リンクコストに基づいて、上記経路を探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路情報生成手段は、上記経路探索手段により取得された上記経路の情報に加えて、当該経路の周辺における風に関する情報を付加した上記経路情報を生成することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路情報生成手段は、上記経路探索手段により取得された上記経路の情報に加えて、当該経路上の風負荷または風に関する情報を当該経路周辺の地図上に付加した上記経路情報を生成することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記風負荷算出手段は、上記経路上における複数の時間帯の風量もしくは風負荷、または、複数の経路上における風量もしくは風負荷を算出し、上記経路情報生成手段は、上記風負荷算出手段が算出した上記複数の上記風量または上記風負荷に基づいた情報を更に含む上記経路情報を生成することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路情報生成手段は、上記風負荷算出手段により算出された上記風量、上記風負荷、または上記風負荷に基づいて算出した上記走行負荷を、指標に換算して上記経路情報を生成することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置、および、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記サーバ装置の上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記サーバ装置の上記制御部は、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索手段により取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信する経路情報送信手段と、を備え、上記端末装置の上記制御部は、上記経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信手段と、上記サーバ装置から送信される、上記経路情報を受信する経路情報受信手段と、上記経路情報受信手段により受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路探索手段は、上記風負荷情報が更新された場合に、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの上記経路を再探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記経路探索手段は、上記道路ネットワークデータおよび上記風負荷情報に基づいて、移動手段を自転車とした場合の自転車用の上記経路を探索することを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、上記経路探索手段により取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーションシステムは、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索手段により取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のサーバ装置は、出力部を少なくとも備えた端末装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、上記経路探索手段により取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信することにより、上記出力部に出力させる経路情報送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のサーバ装置は、出力部を少なくとも備えた端末装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索手段により取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信することにより、当該端末装置の上記出力部に出力させる経路情報送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の端末装置は、記憶部を少なくとも備えたサーバ装置に通信可能に接続された、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部は、出発地と目的地を少なくとも含む経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信手段と、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、生成された経路情報を上記サーバ装置から受信する経路情報受信手段と、上記経路情報受信手段により受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション装置は、記憶部と制御部と出力部を少なくとも備えたナビゲーション装置であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、上記経路探索手段により取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション装置は、記憶部と制御部と出力部を少なくとも備えたナビゲーション装置であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段と、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索手段により取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成手段と、上記経路情報生成手段により生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報送信手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置、および、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記サーバ装置の上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記端末装置の上記制御部において実行される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記端末装置から送信される、上記経路探索条件を受信する経路探索条件受信ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記経路探索ステップにて取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信する経路情報送信ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記サーバ装置から送信される、上記経路情報を受信する経路情報受信ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記経路情報受信ステップにて受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置、および、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記サーバ装置の上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記端末装置の上記制御部において実行される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記端末装置から送信される、上記経路探索条件を受信する経路探索条件受信ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索ステップにて取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記サーバ装置の上記制御部において実行される、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信する経路情報送信ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記サーバ装置から送信される、上記経路情報を受信する経路情報受信ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記経路情報受信ステップにて受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、ナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーションシステムは、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段と、経路探索手段と、経路情報生成手段と、経路情報出力手段と、を備え、上記経路探索手段が、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記経路情報生成手段が、上記経路探索ステップにて取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報出力手段が、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、ナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーションシステムは、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段と、経路探索手段と、経路情報生成手段と、経路情報出力手段と、を備え、上記経路探索手段が、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記経路情報生成手段が、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索ステップにて取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報出力手段が、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、出力部を少なくとも備えた端末装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信ステップと、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記経路探索ステップにより取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信することにより、上記出力部に出力させる経路情報送信ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、出力部を少なくとも備えた端末装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信ステップと、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索ステップにて取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信することにより、当該端末装置の上記出力部に出力させる経路情報送信ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、記憶部を少なくとも備えたサーバ装置に通信可能に接続された、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、出発地と目的地を少なくとも含む経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信ステップと、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、生成された経路情報を上記サーバ装置から受信する経路情報受信ステップと、上記経路情報受信ステップにて受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、記憶部と制御部と出力部を少なくとも備えたナビゲーション装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記経路探索ステップにて取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにより生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション方法は、記憶部と制御部と出力部を少なくとも備えたナビゲーション装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索ステップにて取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報送信ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、出力部を少なくとも備えた端末装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置に実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信ステップと、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記経路探索ステップにより取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信することにより、上記出力部に出力させる経路情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、出力部を少なくとも備えた端末装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置に実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において、上記端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信ステップと、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、上記経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索ステップにて取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、上記端末装置に送信することにより、当該端末装置の上記出力部に出力させる経路情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、記憶部を少なくとも備えたサーバ装置に通信可能に接続された、制御部と出力部とを少なくとも備えた端末装置に実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において、出発地と目的地を少なくとも含む経路探索条件を上記サーバ装置に送信する経路探索条件送信ステップと、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、生成された経路情報を上記サーバ装置から受信する経路情報受信ステップと、上記経路情報受信ステップにて受信された上記経路情報を、上記出力部に出力する経路情報出力ステップと、を実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、記憶部と制御部と出力部を少なくとも備えたナビゲーション装置に実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、上記経路探索ステップにて取得された上記経路を示す経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにより生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報出力ステップと、を実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、記憶部と制御部と出力部を少なくとも備えたナビゲーション装置に実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を備え、上記制御部において、上記ネットワークデータ記憶手段に記憶された上記道路ネットワークデータに基づいて、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの経路を探索して取得する経路探索ステップと、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、上記経路探索ステップにて取得された上記経路に基づいて、経路情報を生成する経路情報生成ステップと、上記経路情報生成ステップにて生成された上記経路情報を、出力部に出力する経路情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする。
この発明によれば、サーバ装置において、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶し、端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信し、道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を探索して取得し、取得した経路を示す経路情報を生成し、生成した経路情報を、端末装置に送信し、端末装置において、サーバ装置から送信される、経路情報を受信し、受信した経路情報を、出力部に出力する。これにより、本発明によれば、風による走行負荷を考慮した経路を提供することができる、という効果を奏する。より具体的には、風向きや風速等を考慮して、向かい風になりにくく、追い風となるような、走行負荷を軽減させる経路を利用者に提供することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、風向および風速に関する風向風速情報を記憶し、風向風速情報に基づいて、道路ネットワークデータの道路リンクを規準とした風の風量成分を分析して風負荷を算出し、風負荷情報を生成する。これにより、本発明は、風向と風速に基づいて、道路リンクに対する風の風量成分を分析するので、各道路について、追い風となるか向かい風となるか横風となるか等を分析して、風負荷の少ない経路を算出することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、風向風速情報に基づいた風向および風速で表される風量ベクトルを、道路リンクに沿った進行方向の風量成分と当該進行方向に垂直な方向の風量成分に分解し、各風量成分に基づいて風負荷を算出する。これにより、本発明は、風向と風速で表される風量ベクトルを、道路リンクに沿った直交成分に分解することができ、前後の風量の成分と左右の風量の成分に従って風負荷を適切に算出することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、道路ネットワークデータに基づいて、道路リンクに重み付けを行うことにより、より実際の道路状況(体感)に近い風負荷を算出できる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、地図データを記憶し、記憶した道路リンク周辺の地図データに基づいて、道路リンクに重み付けを行うことにより、より実際の道路状況(体感)に近い風負荷を算出できる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、道路ネットワークデータは、道路リンクのリンクコストを含み、道路ネットワークデータのリンクコストに風負荷情報を加味して、経路探索条件を満たす経路を探索する。これにより、本発明によれば、時間や距離等のリンクコストに、風による走行負荷を加味して経路を探索するので、風による走行負荷を加味した適切な経路を取得して利用者に提供することが可能になる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、風負荷情報の風負荷を、風コストとして道路リンクのリンクコストに付加して経路を探索するので、距離や時間等のリンクコストのみならず、風負荷によるリンクコストも考慮して経路探索を行うことができ、風負荷が少ない適切な経路を利用者に提供することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、風負荷に応じた割合を示すコスト増減度をリンクコストに乗じて経路を探索するので、元のリンクコストを考慮して風負荷を算出できる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、風負荷情報を記憶し、道路ネットワークデータのリンクコスト、および、記憶した風負荷情報に基づいて、経路を探索するので、予め記憶した風負荷情報を用いて高速に探索結果を算出することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、道路ネットワークデータのリンクコストは、道路リンクのコストに、風負荷を考慮に入れた風考慮リンクコストであり、記憶した道路ネットワークデータの風考慮リンクコストに基づいて、経路を探索する。これにより、本発明は、時間や距離等に加えて、風負荷も考慮した風考慮リンクコストを予め記憶して、記憶した風考慮リンクコストを参照して高速に、風を考慮した経路の探索結果を利用者に提供することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、取得した経路の情報に加えて、当該経路の周辺における風に関する情報を付加した経路情報を生成するので、風を考慮した経路に加えて、周辺の風の状況を利用者に適切に提示することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、取得した経路の情報に加えて、当該経路上の風負荷または風に関する情報を当該経路周辺の地図上に付加した経路情報を生成するので、風を考慮した経路に加えて、経路上の風負荷や風の状況を利用者に適切に提示することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、経路上における複数の時間帯の風量もしくは風負荷、または、複数の経路上における風量もしくは風負荷を算出し、算出した複数の風量または風負荷に基づいた情報を更に含む経路情報を生成するので、出発時刻別等の経路上の風量や風負荷や、経路別の風量や風負荷を、利用者に提示することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、算出した風量、風負荷、または風負荷に基づいて算出した走行負荷を、指標に換算して経路情報を生成するので、風量や風負荷や走行負荷から、消費カロリー等の指標値に換算して、利用者に分かり易く提示することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、サーバ装置において、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶し、端末装置から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信し、道路ネットワークデータに基づいて、経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を探索して取得し、風による走行負荷を示す風負荷情報、および、取得した経路に基づいて、経路情報を生成し、生成した経路情報を、端末装置に送信し、端末装置において、経路情報を受信し、受信した経路情報を、出力部に出力する。これにより、本発明によれば、探索経路についての風による走行負荷を提供することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、風負荷情報が更新された場合に、経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を再探索するので、最新の風負荷情報に基づいて再度検索した経路の探索結果を利用者に提供することができる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、道路ネットワークデータおよび風負荷情報に基づいて、移動手段を自転車とした場合の自転車用の経路を探索するので、風による走行負荷を考慮しながら、自転車の速度や自転車用の道路等に応じた自転車用の経路を提供することができる、という効果を奏する。
なお、上記において、本発明のナビゲーションシステムを一例に効果の説明をしたが、サーバ装置、端末装置、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、および、プログラムにおいても同様の効果を奏する。
以下に、本発明にかかるナビゲーションシステム、サーバ装置、端末装置、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
以下、本発明の構成および処理について、第1の実施形態(ナビゲーションシステム)、第2の実施形態(ナビゲーション装置(スタンドアローン型))の順にて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
最初に、本発明の第1の実施形態(ナビゲーションシステム)について、図1から図10を参照して以下に説明する。但し、以下に示す第1の実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。例えば、第1の実施形態で例示するナビゲーションシステムにおけるサーバ側と端末側の機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[ナビゲーションシステムの構成]
まず、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。ここで、図1は、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。なお、本実施形態1においては、通信型のナビゲーションを提供するナビゲーションシステムを具体例として説明するが、本発明はこれに限ることなく、スタンドアローンタイプのナビゲーションシステムなどにも適用可能である。
図1に示すように、第1の実施形態のナビゲーションシステムは、概略的に、サーバ装置200、端末装置100、および、外部機器600を通信可能に接続して構成される。ここで、図1に示すように、通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。
図1に示すように、第1の実施形態のナビゲーションシステムにおいて、サーバ装置200は、概略的に、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えており、端末装置100は、位置取得部112と出力部114と入力部116と制御部102とを少なくとも備える。また、これらナビゲーションシステムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
[サーバ装置200の構成]
ここで、図1において、サーバ装置200は、端末装置100から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信し、道路ネットワークデータ、および、風による走行負荷を示す風負荷情報に基づいて、経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を探索して取得し、取得した経路を示す経路情報を生成し、生成した経路情報を、端末装置100に送信することにより、端末装置100の出力部114に出力する等の機能を有する。サーバ装置200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、端末装置100や外部機器600と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備える。また、ネットワーク300は、端末装置100、サーバ装置200、および、外部機器600等とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネット、または、電力線通信(PLC)等であってもよい。外部機器600(例えば、気象庁や民間気象会社等のサーバなど)は、風向や風速などの風に関する天候情報を提供する機能を有し、実測した天候情報や予測した天気予報等の天候情報をサーバ装置200に送信する。例えば、天候情報は、各地域および各時間帯の予想風向や予想風速等を示す情報等である。
また、制御部202は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、サーバ装置200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、端末装置100や外部機器600等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(ネットワークデータベース206a、地図データベース206b、風向風速データベース206c、および、風負荷データベース206d等)を格納する。
これら記憶部206の各構成要素のうち、ネットワークデータベース206aは、道路網を規定する道路ネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段である。ここで、ネットワークデータベース206aに記憶される道路ネットワークデータは、ネットワークデータベース206aに予め記憶されており、サーバ装置200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、道路ネットワークデータを提供するネットワークデータサーバなど)等からダウンロードしてネットワークデータベース206aに記憶されたネットワークデータをアップデートしてもよい。
ここで、ネットワークデータベース206aに記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、駅や交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間である道路リンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号(リンクID)、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、道路リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、所要時間、および、名称等を含んでいてもよい。また、道路ネットワークデータは、道路リンクに対応付けて、当該道路リンクのリンクコストを含んでいてもよく、例えば、当該道路リンクを通過するのに必要な時間や、距離や、利用料金データ等の料金に関するデータを含んでいてもよい。なお、リンクコストは、時間や距離や料金等の通常使用されるようなリンクコストに限らず、風による走行負荷(風負荷)をも考慮に入れた風考慮リンクコストであってもよい。また、利用料金データは、自転車、自動車、オートバイ等で移動する場合に必要な、橋梁通行料金や高速自動車国道や自動車専用道路等の有料道路の通行料金等を表す情報等であってもよい。また、道路ネットワークデータは、自転車、徒歩、オートバイ、自動車等で移動する場合の経路上に存在する施設等の地点の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。
また、地図データベース206bは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。本実施形態1において、地図データベース206bに記憶される地図データは、全国および各地方の道路地図等の地図データであってもよい。例えば、地図データベース206bに記憶される地図データは、地図上に表示される地物(例えば、ビルや住宅や駅等の建造物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線等の水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の地、行政界、行政区域、および、街区等)の形状についての形状データ、地図上に表示される注記(例えば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅等の施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林等の俗称を含む名称、道路や橋やトンネル等の名称、路線名称、地点情報、および、口コミ情報等)の注記データ、および、地図上に表示される記号(例えば、山、史跡、寺社、学校、病院、工場および墓地等の地図記号、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、レストラン、銀行および郵便局等の店舗記号、道路上の信号、有料道路の出入口、料金所、サービスエリア、パーキングエリアおよびインターチェンジ等の記号、駐車場、駅、ホテル、美術館および博物館等の施設記号、ならびに、口コミ地点記号等)の記号データ等のデータを含んでいてもよい。ここで、地図データは、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ(例えば、JIS規格の第1〜3次地域区画メッシュデータ、および、100mメッシュデータ等)等であってもよい。また、地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式等の地図描画用の画像データであってもよい。これら地図データは、地図データベース206bに予め記憶されており、サーバ装置200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータを、外部機器600(地図データを提供する地図提供サーバ等の外部機器等)からダウンロードして地図データベース206bに記憶された地図データをアップデートしてもよい。
また、風向風速データベース206cは、風向および風速等に関する風向風速情報などの風に関する情報を記憶する風向風速情報記憶手段である。本実施の形態において、「風に関する情報」とは、風速情報、風向情報、または風量情報などに例示される情報のうち、少なくとも1つまたはその組み合わせをいう。例えば、風向風速データベース206cに記憶される風向風速情報は、地域(エリア)および時間帯(単位時間ごとの時間帯)に対応付けて風向および風速を格納した情報である。なお、方位は、方位角や、方位角に基づいて数値化したもの、あるいは、各方位(方角)に付与した識別子であってもよい。ここで、風向風速情報は、各地域および各時間帯の実測の風向風速情報であってもよく、各地域および各時間帯の予測の風向風速情報であってもよい。例えば、風向風速情報は、将来の時間の経過により変化する地域ごとの風向および風速の情報である。ここで、図2は、風向風速データベース206cに記憶される風向風速情報の一例を示す図である。
図2に示すように、風向風速データベース206cには、エリアおよび単位時間に対応付けて、風向および風速の情報が格納されている。なお、このほか、風向風速データベース206cには、天気、気温、体感温度、湿度、降水確率、風、紫外線、光化学スモッグおよび黄砂飛散量などの大気汚染、花粉飛散量、気象注意報、ならびに、気象警報についての天候情報が格納されてもよい。これら風向風速情報は、風向風速データベース206cに予め記憶されており、サーバ装置200の制御部202は、定期的に又はリアルタイムで、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器600(例えば、気象庁や民間気象会社等のサーバなど)等からダウンロードして風向風速データベース206cに記憶された風向風速情報をアップデートしてもよい。なお、外部機器600から風向風速情報を受信する場合には、受信した風向風速情報に基づいて計算された風負荷情報を後述する風負荷データベース206dに格納してもよいので、必ずしも受信した風向風速情報を風向風速データベース206dに格納させる必要はなく、風向風速データベース206dを備えない構成としてもよい。なお、一例として、気象庁や民間気象会社等のサーバなどの外部機器600が提供する風向および風速に関するデータは、各地域と各時間帯で予想の風向・風速を示す表形式のデータや、文章形式のデータや、グラフ化されたデータ、グラフ元のデータ等であるが、サーバ装置200の制御部202は、外部機器からダウンロードして、これらのデータを加工し、メッシュ単位やエリア単位での予想の風向・風速に換算したものを、風向風速情報として風向風速データベース206cに格納してもよい。なお、好適には、予測の風向風速情報は、法令上気象予報業務を行う権限を有する者によって予測された情報であり、または、気象庁や民間気象会社糖による気象情報(天気予報情報)であってもよい。また、外部機器600が提供する風向・風速のデータが、代表地点(観測地点のある場所等)における風向・風速のデータである場合に、サーバ装置200の制御部202は、代表地点間の地域の風向・風速を、公知のデータ補間手法や内挿法によって算出して、風向風速データベース206cに記憶してもよい。
また、風負荷データベース206dは、風負荷情報を記憶する風負荷情報記憶手段である。ここで、本実施形態において「風負荷」とは、風に関する情報に基づいた走行負荷を示したものであって、風負荷情報は、風による走行負荷(風負荷)を示す情報である。好適には、風負荷情報は、距離や時間等の(元の)リンクコストに対して、風による走行付加を加味するための増減量または増減度(割合)である。例えば、風負荷データベース206dは、風向別および風速レベル別に予め定められた風負荷(風コスト、コスト増減度など)の情報を道路リンク毎に記憶する。ここで、図3は、風負荷データベース206dに記憶される風負荷情報の一例を示す図である。
一例として図3に示すように、風負荷データベース206dに記憶される風負荷情報は、道路リンクのリンクIDに対応づけて、風速レベルごと、および、風向ごとに、風負荷による時間コスト(単位:分)の情報である。このように、風負荷データベース206dに記憶される風負荷情報は、ネットワークデータベース206aに記憶された道路リンクのそれぞれについて、リンク方位(進行方向)に基づいて、予め算出した風負荷の一覧であり、リンク別、風速レベル別、および、風向別に、風負荷情報が記憶されている。なお、図3の例では、ネットワークデータベース206dに記憶されるリンクコストが、時間によるコストであることを想定して、風負荷を時間コスト換算で記憶するが、これに限られず、リンクコストとして用いる単位(距離、燃料費など)に応じて、これらの単位に換算した風負荷のコストを記憶してもよい。そして、リンクコストの単位に換算された風負荷情報は、後述する制御部202の経路探索部202eによる経路探索の際に利用され、元のリンクコストに増減される。例えば、図3の例において、南から北に進行するリンクであるリンク61について、リンク61の道路に吹いている風の風向が南であり、風速が1m/sである場合には、風の影響を受けて、通常(無風状態)よりも0.2分、走行コスト(時間換算)が短縮されることになる。なお、風負荷データベース206dに記憶される風負荷情報は、元のリンクコストに対する増減値に限らず、元のリンクコストに対する増減の割合(%)であってもよい。なお、上述したように、ネットワークデータベース206aに、元のリンクコストに風負荷を考慮に入れた(風負荷を風コストとして付加した)風考慮リンクコストを記憶する場合には、風負荷データベース206dを備えない構成とすることも可能である。反対に、ネットワークデータベース206aには、リンクコストを記憶させることなくネットワークデータを記憶させ、風負荷データベース206dに風考慮リンクコストを記憶させることも可能である。なお、元のリンクコストと風コストと風考慮コストの間には、以下の関係式が成り立つ。
(元のリンクコスト)+(風コスト)=(風考慮コスト)
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、現在位置情報受信部202a、経路探索条件受信部202b、風量算出部202c、風負荷算出部202d、経路探索部202e、経路情報生成部202f、および、経路情報送信部202gを備える。
このうち、現在位置情報受信部202aは、端末装置100から送信される、当該端末装置100の利用者の現在位置情報を受信する現在位置情報受信手段である。
また、経路探索条件受信部202bは、端末装置100から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段である。なお、経路探索条件受信部202bは、風向風速情報や風負荷情報が更新された場合等の所定の場合(一定期間毎等)に、端末装置100から送信される、再経路探索要求を受信してもよい。なお、経路探索条件受信部202bは、現在位置情報受信部202aにより受信される端末装置100の現在位置情報による現在位置を、経路探索条件の出発地として取得してもよい。例えば、端末装置100より送信される再経路探索要求を受信した場合等には、経路探索条件受信部202bは、最新の現在位置情報による現在位置を、経路探索条件の出発地として再設定してもよい。
また、風量算出部202cは、風向風速情報に基づいて、道路ネットワークデータの道路リンクを規準とした風の風量成分を分析する風量算出手段である。より具体的には、風量算出部202cは、風向風速データベース206cに記憶された各道路リンクに対する風向風速情報に基づいて、進行方向の風量と、進行方向の垂直方向の風量を算出してもよい。すなわち、風量算出部202cは、風向風速情報に基づいた風向および風速で表される風量ベクトルを、道路リンクに沿った進行方向の風量成分と当該進行方向に垂直な方向の風量成分に分解し、各風量成分に基づいて風負荷を算出する。例えば、進行方向が北向きの道路リンクに対して、風向が北東から風速1m/sで吹く場合、進行方向および垂直方向に対し45°傾いて吹いているので、1/√2m/sの向かい風と、1/√2m/sの横風に、風量成分を分解することができる。なお、各道路リンクに用いる風向風速情報は、ネットワークデータベース206aに記憶された走行エリアにおける風向風速情報と一致するが、これに限られず、以下の処理を行って、走行エリアにおける風向風速情報とは異なる風向風速情報を用いることも可能である。
例えば、経験則上、海岸線は風が強く、また高層ビルの谷間ではビル風が吹くことが多い。また、舗装された道路と砂利道のように、道路幅(幅員)や道路種別等によって風の影響を受ける度合いも変化する。そのため、これらの事情を考慮して、風量算出部202cは、道路リンク周辺における、地図データベース206bに記憶された地図データ(ビルや海岸線等の地物の形状データなど)、および/または、ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータ(幅員、道路種別等の情報など)に基づいて、道路リンクに対し重み付けを行ってもよい。重み付けは、ネットワークデータベース206aの道路リンク毎に対応付けて予め定めておいてもよく、風量算出部202cがその都度算出してもよい。重み付けの方法としては、例えば、海岸線沿いの道路リンクには風速を所定倍(例えば1.5倍)にしたり、ビルが密集しているエリアの道路リンクには風速を所定値(例えば1.5m/s)追加したりしてもよい。以上の処理により、気象庁や民間気象会社等が提供する風向風速情報等の気象情報に加えて、地図データ等による地形等を考慮した重み付けを組合せることで、風量算出部202cは、より実際の道路状況に近い(より利用者の体感に近い)風向風速情報を用いることができる。
また、風負荷算出部202dは、道路リンク毎に風負荷を算出して風負荷情報を生成する風負荷情報生成手段である。なお、上述の風量算出部202cと風負荷算出部202dを合わせたものが、特許請求の範囲に記載の風負荷算出手段に相当する。例えば、風負荷算出部202dは、風量算出部202cにより算出された道路リンクを規準とした風の風量成分(向かい風と横風の成分等)に基づいて風負荷を算出してもよい。より具体的には、風負荷算出部202dは、風量算出部202cにより算出された風量成分に基づいて風負荷を算出して風負荷情報を生成してもよい。風負荷の算出方法としては、(1)風向と風量に応じた(元のリンクコストに対する)追加コストとして風コストを加算する方法や、(2)風向と風量に応じた割合(コスト増減度)を定めておき、その割合に応じて元のリンクコストを増減する(リンクコストにコスト増減度を乗じる)方法や、(3)風コストやコスト増減度を予め計算して一覧とした風負荷データベース206dを参照して風負荷を算出する方法を採用してもよい。例えば、風負荷算出部202dは、道路リンクに対する風速および風向に基づいて、図3を参照して上述した風負荷データベース206dから対応する風負荷を検索することにより風負荷情報を取得してもよい。
また、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、風向風速データベース206cに記憶された風向風速情報に、予測値だけでなく実測値(実際の観測情報)が含まれている場合、現在地に近い範囲では実測値を使用して風負荷を算出し、現在地から遠い範囲では到着時刻での予測値を使用して風負荷を算出するようにしてもよい。また、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、経路探索部202eによる経路探索が行われる前に各道路リンクの風負荷を算出してもよく、経路探索部202eによる経路探索と同時に候補対象の経路について風負荷を算出してもよく、経路探索部202eによる経路探索結果の経路について風負荷を算出してもよい。また、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、リンク毎に風負荷を算出することに限らず、経路探索部202eにより取得された経路を、時間や距離等に応じて分割し、分割した経路の区間ごとに、対応する時間帯および地域の風向風速情報に基づいて、風負荷を算出してもよい。また、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、経路探索部202eにより取得された経路について、所定時間間隔(例えば1時間経過ごと)の出発時刻それぞれにおける風量や風負荷等の当該経路周辺または経路上における風に関する情報を、風向風速情報に基づいて算出してもよい。また、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、経路探索部202eにより取得された複数の経路について、それぞれの経路における風量や風負荷等の当該経路周辺または経路上における風に関する情報を、風向風速情報に基づいて算出してもよい。風負荷の算出方法は、上述のようにサーバ装置200において算出することに限られず、外部機器600(民間気象会社等のサーバなど)から、予め計算された風負荷情報を受信することにより、風負荷を取得してもよい。また、風負荷算出部202dは、生成した風負荷情報を風負荷データベース206dに格納してもよい。なお、元のリンクコストとコスト増減度と風考慮コストの間には、以下の関係式が成り立つ。
(元のリンクコスト)×(コスト増減度)=(風考慮コスト)
また、経路探索部202eは、ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータに基づいて、経路探索条件受信部202bにより受信された経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を探索して取得する経路探索手段である。ここで、経路探索部202eにより探索される経路は、一例として、経路を示す、道路リンクの組み合わせからなる。そして、経路探索部202eは、経路を示す道路リンクのリンクコストに基づいて、適切な経路を取得する。例えば、経路探索部202eは、時間や距離や燃料費等の(元の)リンクコストができるだけ小さくなるように一または複数の経路を算出する。
本実施の形態において風による走行負荷を考慮する場合、経路探索部202eは、道路ネットワークデータに加えて、風負荷算出部202dにより生成された、または、風負荷データベース206dに格納された、あるいは、外部機器600から受信された、風負荷情報に基づいて、経路探索条件を満たす経路を取得する。例えば、経路探索部202eは、道路ネットワークデータの元のリンクコストに風負荷情報を加味して、経路探索条件を満たす経路を探索してもよい。一例として、経路探索部202eは、風負荷情報が風コストを示す場合に、当該風コストを元のリンクコストに付加して(すなわち風考慮コストを算出して風考慮コストが最小となるように)経路を探索してもよい。また、経路探索部202eは、風負荷情報がコスト増減度を示す場合に、元のリンクコストにコスト増減度を乗じて、経路を探索してもよい。なお、予めネットワークデータベース206aに道路リンクに対応付けた風考慮コストが記憶されている場合、経路探索部202eは、ネットワークデータベース206aに記憶された風考慮コストに基づいて経路探索を行ってもよい。なお、経路探索部202eは、端末装置100から送信される再経路探索要求を受信した場合など、風負荷情報が更新された場合に、経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を再探索してもよい。
なお、上記においては、経路探索部202eが経路探索に用いる道路ネットワークデータのリンクコストに風負荷情報を加味する場合を一例として説明した場合があったが、本実施の形態はこれに限られず、経路探索部202eは、リンクコストに風負荷情報を加味することなく、これと独立に風負荷情報に基づいて、経路探索を行ってもよいものである。例えば、経路探索部202eは、道路ネットワークデータ中のリンク群から、風負荷情報に基づく風負荷が所定値以上であるリンクを除外して、経路探索条件を満たす経路を探索してもよい。また、反対に、経路探索部202eは、道路ネットワークデータに基づいて経路探索条件を満たす経路を探索した後、当該経路中に風負荷情報に基づく風負荷が所定値以上であるリンクを含むものを除外してもよい。
なお、一例として、経路探索部202eは、道路ネットワークデータおよび風負荷情報に基づいて、移動手段を自転車とした場合の自転車用の経路を探索してもよい。例えば、経路探索部202eは、自転車用の道路ネットワークデータ(例えば、自転車専用道や自転車が逆走可能な一方通行道路を含むネットワークデータ)に基づいて、経路探索条件を満たす自転車用の経路を探索してもよい。また、経路探索部202eは、自転車の速度や、勾配(坂道)に対するコストを加味して、自転車用の経路探索を行ってもよい。
また、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより取得された経路を示す経路情報を生成する経路情報生成手段である。ここで、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより取得された経路の情報に加えて、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された、当該経路の周辺における風に関する情報を付加した経路情報を生成してもよい。また、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより取得された経路の情報に加えて、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された、当該経路上の風負荷等の風に関する情報を、地図データベース206bに記憶された当該経路周辺の地図上に付加(重畳表示)した経路情報を生成してもよい。また、経路情報生成部202fは、風量算出部202cや風負荷算出部202dが算出した複数の風量または風負荷に基づいた情報を更に含む経路情報を生成してもよい。例えば、経路情報生成部202fは、出発時刻ごとに風量や風負荷が算出された場合に、出発時刻ごとの風量や風負荷を比較可能に示す経路情報を作成してもよい。また、経路情報生成部202fは、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された風量、風負荷、または風負荷に基づいて算出した走行負荷を、消費カロリー等の指標に換算して経路情報を生成してもよい。また、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより風を考慮せずに取得された経路と、風負荷算出部202dにより算出された風負荷情報に基づいて、経路情報を生成してもよい。例えば、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより風を考慮せずに取得された複数の経路について、算出した風負荷に応じて優先度を付けて提示する経路情報を生成してもよい。また、経路情報生成部202fは、複数の経路ごとの風量や風負荷を比較可能に示す経路情報を作成してもよい。また、経路情報生成部202fにより作成される経路情報は、風量や風負荷を、グラフや、地図上の記号、数値等で表現したものであってもよい。また、経路情報生成部202fは、算出された経路上の風量または風負荷が所定値より大きい場合、他の交通手段での移動を促す旨や、出発時刻の変更を促す旨、または、迂回を促す旨等を、文字や記号等で表示する経路情報を作成してもよい。
また、経路情報送信部202gは、経路情報生成部202fにより作成された経路情報を、端末装置100に送信する経路情報送信手段である。
[端末装置100の構成]
また、図1において、端末装置100は、経路探索条件をサーバ装置200に送信し、サーバ装置200から送信される、経路情報を受信し、受信した経路情報を出力部114に出力する等の機能を有する。端末装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末装置、および、走行経路案内等を行なうナビゲーション端末等である。ここで、端末装置100は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、経路案内アプリケーションや乗換案内アプリケーション等を搭載していてもよい。また、端末装置100は、リアルタイムに現在位置取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部112を備える。また、端末装置100は、少なくとも出力部114と入力部116と制御部102を備える。ここで、出力部114は、表示案内データ等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)のほか、サーバ装置200から受信した時刻表情報を音声として出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)であってもよい。また、入力部116としては、例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等であってもよい。また、入出力制御インターフェース部108は、位置取得部112、出力部114、および、入力部116等の制御を行う。
ここで、位置取得部112は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置500は、位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよく、また、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場等)内の各フロアや地下構造物(例えば、トンネル、地下駐車場等)の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、端末装置100が通信可能範囲に入ると、端末装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、位置取得部112は、無線LAN信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。そして、制御部102は、位置取得部112にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。また、本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。
また、位置取得部112は、例えば、位置取得部112の加速度センサにて検出した端末装置100の加速度情報、方位センサにて検出した端末装置100の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいて端末装置100の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、端末装置100の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよび端末装置100の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、端末装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、サーバ装置200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
また、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、現在位置情報取得部102a、経路探索条件送信部102b、経路情報受信部102c、および、経路情報出力部102dを備える。
このうち、現在位置情報取得部102aは、端末装置100の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部102aは、端末装置100の利用者の現在位置情報を所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部102aは、定期的に、または、更新毎に、取得した現在位置情報をサーバ装置200に送信してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、位置取得部112にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報を、端末装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。更に、位置取得部112の方位センサ等にて検出した端末装置100の進行方向等の方位情報や、位置取得部112の加速度センサにて検出した端末装置100の加速度情報を、端末装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、利用者により入力部116を介して入力された現在位置についての位置座標等を端末装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部116を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。具体的には、現在位置情報取得部102aは、入力部116を介して利用者に出力部114に表示された地図データの表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式の表示部での指定操作等)させた座標を端末装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。更に、入力部116を介して利用者に出力部114に表示された地図データの表示画面上で指定させた方位情報を端末装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、現在位置情報取得部102aは、利用者の現在位置情報とともに、当該現在位置情報を取得した日時情報を取得してもよい。
また、経路探索条件送信部102bは、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件をサーバ装置200に送信する経路探索条件送信手段である。ここで、出発地は、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報に基づく端末装置100の利用者の現在位置であってもよい。また、経路探索条件は、更に、出発時刻または到着時刻を含んでいてもよい。ここで、出発時刻は、現在時刻であってもよい。また、経路探索条件は、更に、経由地や、経由時刻を含んでいてもよい。また、経路探索条件送信部102bは、利用者に入力部116を介して経路探索条件を入力させるよう制御し、利用者により入力された経路探索条件をサーバ装置200に送信してもよい。
また、経路情報受信部102cは、サーバ装置200から送信される、経路情報を受信する経路情報受信手段である。
また、経路情報出力部102dは、経路情報受信部102cにより受信された経路情報を、出力部114に出力する経路情報表示手段である。例えば、経路情報出力部102dは、経路情報をモニタ等の出力部114に表示させてもよく、経路情報に従ってスピーカ等に音声出力してもよい。
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
[ナビゲーションシステムの処理]
次に、このように構成された本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例について、以下に図4から図10を参照して詳細に説明する。図4は、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、端末装置100の経路探索条件送信部102bは、利用者により入力部116を介して少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を設定させる(ステップSA−1)。ここで、出発地は、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報に基づく端末装置100の利用者の現在位置であってもよい。なお、経路探索条件送信部102bは、経路探索条件として、風を考慮するか否かを利用者に設定させてもよい。ここで、図5は、経路探索条件送信部102bの制御により、移動手段を自転車とする場合に、出力部114に表示される経路探索条件の設定画面の一例を示す図である。
一例として図5に示すように、自転車用の経路探索条件としてナビ条件には、自転車専用道を優先するか否か、向かい風を少ないルートを優先するか否か、上り坂が少ないルートを優先するか否か、車の交通量が少ないルートを優先するか否かが、チェックボックスにて選択可能である。このうち、利用者が、「向かい風が少ない」のチェックボックスをオンにすると、後述するステップSA−5にて風を考慮した経路探索が行われ、当該チェックボックスをオフにすると、後述するステップSA−6にて後述する風を考慮しない経路探索が行われる。なお、自転車設定として、利用者の自転車の走行速度の目安(「速め」、「標準」、「遅め」等)を選択することもでき、優先ルートとして、距離が短いルート、負荷が少ないルート、景色が良いルートのうちのいずれかを、ラジオボタンで選択することも可能である。例えば、「距離が短い」を選択すると、ステップSA−6にて距離をリンクコストとした経路探索が行われ、「負荷が少ない」を選択すると、ステップSA−5にて主に風負荷をリンクコストとした経路探索が行われ、「景色が良い」を選択すると、地図データ等に基づいて景色が良いルートが優先される。
そして、端末装置100の経路探索条件送信部102bは、設定された経路探索条件を、サーバ装置200に送信する(ステップSA−2)。
そして、サーバ装置200の経路探索条件受信部202bは、端末装置100から送信される、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を受信する(ステップSA−3)。
そして、サーバ装置200の経路探索部202eは、風を考慮した経路探索を行うか、風を考慮しない経路探索を行うかを判定する(ステップSA−4)。例えば、経路探索部202eは、経路探索条件に、風を考慮するか否かが設定されている場合は、それに従う。なお、サーバ装置200は、当該ステップSA−4を行わずに、常に風を考慮した経路探索を行うよう処理を行ってもよい。
風を考慮しない経路探索を行わない場合(ステップSA−4,No)、サーバ装置200の経路探索部202eは、ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータに基づいて、経路探索条件受信部202bにより受信された経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を探索する(ステップSA−6)。ここで、経路探索部202eは、距離や時間等の風負荷以外のリンクコストに基づいて経路を算出する。例えば、経路探索部202eは、候補となる経路を構成する道路リンクの時間や距離等のリンクコストの積算値ができるだけ小さくなるように一または複数の経路を算出する。
一方、風を考慮する経路探索を行う場合(ステップSA−4,Yes)、サーバ装置200の経路探索部202eは、ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータ、および、風負荷情報に基づいて、経路探索を行う(ステップSA−5)。なお、風負荷情報は、風負荷算出部202dにより生成されたものでもよく、風負荷データベース206dに予め記憶されたものでもよく、または、外部機器600から受信したものでもよい。一例として、経路探索部202eは、風を考慮しない場合の時間や距離等の元のリンクコストに、風負荷情報を加味して、経路探索条件を満たす経路を探索する。例えば、風負荷情報が風コストを示す場合に、経路探索部202eは、当該風コストを元のリンクコストに付加して(すなわち風考慮コストを積算して風考慮コストが最小となるように)経路を探索してもよい。また、風負荷情報がコスト増減度を示す場合に、経路探索部202eは、元のリンクコストにコスト増減度を乗じて、経路を探索してもよい。予めネットワークデータベース206aに道路リンクに対応付けた風考慮コストが予め記憶されている場合には、経路探索部202eは、ネットワークデータベース206aに記憶された風考慮コストに基づいて経路探索を行ってもよい。
ここで、ステップSA−5において用いられる風負荷情報を算出するための、風量算出処理と風負荷算出処理の一例について以下に図6を参照して説明する。ここで、図6は、風を考慮した経路探索を行うための、風量算出処理と風負荷算出処理の一例を示すフローチャートである。なお、風量算出処理および/または風負荷算出処理は、ステップSA−5における経路探索に伴って実行されてもよく、予め道路リンク毎に算出して風負荷データベース206d等に算出結果を格納しておいてもよいものである。
図6に示すように、まず、サーバ装置200の風量算出部202cは、各道路リンクについて風量を算出するために用いる風向風速情報を取得する(ステップSB−1)。例えば、風量算出部202cは、風向風速データベース206cに記憶された各道路リンクに対する風向風速情報を取得してもよく、外部機器600(気象庁や民間気象会社のサーバ等)から風向風速情報を受信してもよい。ここで、風量算出部202cは、取得した風向風速情報をそのまま風量の算出に用いるのではなく、重み付けを行ってもよい。例えば、経験則上、海岸線は風が強く、高層ビルの谷間ではビル風が吹き、道路幅(幅員)や道路種別等によっては風の影響を受ける度合いも変化する。そのため、風量算出部202cは、道路リンク周辺における、地図データベース206bに記憶された地図データ(ビルや海岸線等の地物の形状データなど)、および/または、ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータ(幅員、道路種別等の情報など)に基づいて、道路リンクに対し重み付けを行ってもよい。重み付けは、ネットワークデータベース206aの道路リンク毎に対応付けて予め定めておいてもよく、風量算出部202cがその都度算出してもよい。重み付けの方法としては、例えば、海岸線沿いの道路リンクには風速を所定倍(例えば1.5倍)にしたり、ビルが密集しているエリアの道路リンクには風速を所定値(例えば1.5m/s)追加したりしてもよい。この重み付け処理により、気象庁や民間気象会社等が提供する風向風速情報を、より実際の道路状況に近い(より利用者の体感に近い)風向風速情報に変更することができる。
そして、サーバ装置200の風量算出部202cは、取得した風向風速情報に基づいて、道路リンクを規準とした風の風量成分を分析する(ステップSB−2)。より具体的には、風量算出部202cは、風向風速情報に基づいた風向および風速で表される風量ベクトルを、道路リンクに沿った進行方向の風量成分(以下、「リンク追風風量」と呼ぶ。)と当該進行方向に垂直な方向の風量成分(以下、「リンク横風風量」と呼ぶ。)に分解する。ここで、図7は、風量算出部202cによる、風向風速情報に基づく風量成分の算出方法を模式的に示した図である。
図7に示すように、風量算出部202cは、各リンクについて取得された風速風向情報に含まれる風向情報(方位情報等)に基づいて、リンク方位を基準として、進行方向に対する風向角θ(0°≦θ≦180°とする。)を求める。そして、風量算出部202cは、風速情報と進行方向に対する風向角θとに基づいて、下記の式1および式2により、リンク追風風量とリンク横風風量とを算出する。
リンク追風風量=風速(m/s)×cosθ ・・・(式1)
リンク横風風量=風速(m/s)×sinθ ・・・(式2)
ここで、新宿エリア内に存在し南北方向に位置するリンク61について、10:30のリンク風量を求める場合を例示する。上述した図2に示した風向風速データベース206cを参照すれば、新宿エリアの風向は、該当する10:00〜11:00の時間帯で、南西の風、風速は8m/sである。図7に示すように、リンク61の進行方向が北向きの場合、北に向かって10:30に走行する場合には、風の影響を受ける進行方向の方位である北を基準として、進行方向に対する風向角θは45°となる。したがって、風量算出部202cは、リンク61を北に向かって走行した場合におけるリンク追風風量およびリンク横風風量は、上述した式1および式2を用いて、それぞれ下記のように求めることができる。
リンク追風風量:8(m/s)×cos45°=5.66
リンク横風風量:8(m/s)×sin45°=5.66
なお、ここでは、サーバ装置200の制御部202でリンク風量(リンク追風風量とリンク横風風量)を算出したが、サーバ装置200の制御部202は、リンク風量が予め計算されたリンク風量情報を外部機器600(気象庁や民間気象会社等のサーバなど)から受信することにより、リンク風量情報を受信してもよい。また、計算方法は上記に限定するものではない。
再び図6に戻り、サーバ装置200の風負荷算出部202dは、リンク風量に基づいて、道路リンク毎に風負荷を算出して風負荷情報を生成する(ステップSB−3)。例えば、風負荷算出部202dは、風量算出部202cにより算出されたリンク風量(リンク追風風量とリンク横風風量)に基づいて風負荷を算出してもよい。ここで、風負荷算出部202dによる風負荷の算出方法として、以下に、(1)風コストの算出、(2)コスト増減度の算出、および、(3)風負荷データベースによる算出について説明する。
(1)風コストの算出
風を考慮した風考慮コストを算出するために、風量算出部202cにより算出されたリンク風量に対して、風負荷算出部202dが所定の定数を乗算することによって風コストを求める方法である。リンク追風コストが正(0°≦θ<90°)の場合には、進行方向に対して追い風が吹いており、走行負荷が低くなることを意味する。逆に、リンク追風コストが負(90°<θ≦180°)の場合には、進行方向に対して向かい風となり、走行負荷が高くなることを意味する。θ=90°の場合は、真横からの風(横風のみ)を受けている場合であるため、リンク追風コストは0となり、追い風または向かい風としての影響を受けていないことを意味する。また、横風を受けるときには、車体のバランスを考慮する必要が生じて通常よりも走行しにくい状態になることから、リンク横風コストが算出された場合には、走行負荷が高くなることを意味する。
下記の式3および式4に示すように、風負荷算出部202dは、リンク追風風量およびリンク横風風量に、それぞれ所定の定数を乗算して、リンク追風コストおよびリンク横風コストを算出する。このとき、定数の値は利用者が任意に定めるようにしてもよく、利用者が状況に応じて変更できるようにしてもよい。例えば、上述の図5で例示した経路探索条件の設定画面において、利用者により「向かい風が少ない」のチェックボックスがオンに設定された場合、リンク追風風量に対する定数αを大きく設定してもよい。また、同時に定数βを変動させてもよい。
リンク追風コスト(分)=リンク追風風量×定数α ・・・(式3)
リンク横風コスト(分)=リンク横風風量×定数β ・・・(式4)
そして、風負荷算出部202dは、上記の走行負荷に対する関係を考慮して、風コストを算出する。例えば、風負荷算出部202dは、下記の式5に基づいて、リンク追風コストは減算し、リンク横風コストは加算する処理を行う。
風コスト(分)=リンク横風コスト−リンク追風コスト ・・・(式5)
リンク風量の算出処理において上述した例で説明すると、定数αを0.25、定数βを0.13としたときには、風負荷算出部202dは、風量算出部202cにより算出された風量(リンク追風風量およびリンク横風風量いずれも5.66)に基づいて、リンク追風コストおよびリンク横風コストを、それぞれ下記のように求めることができる。
リンク追風コスト:5.66×0.25=1.42(分)
リンク横風コスト:5.66×0.13=0.74(分)
したがって、風負荷算出部202dは、風コストを、以下のように求めることができるため、リンク61を北に向かって10:30に走行する場合には、通常(風を考慮しない場合)よりも0.68分短縮されることになる。
風コスト:0.74−1.42=−0.68(分)
なお、そよ風(微風)の場合は風の影響は少ないと考えられるため、所定の閾値を設けて、リンク追風風量およびリンク横風風量が閾値未満の場合には上記の算出処理を行わず、風コストを元のリンクコストに付加しなくともよい。この場合、追い風と横風に対する閾値はそれぞれに適切な値とし、異なる値を設定してもよい。また、横風が強い場合は危険であるため、所定の閾値を設けて、リンク横風風量が閾値以上の場合には更なる追加コストを付加してもよいし、通行を禁止するようにしてもよい。また、風コストの算出にあたっては、リンク追風コストおよびリンク横風コストの両方に基づいて算出してもよく、いずれか一方のみを用いて算出するようにしてもよい。
(2)コスト増減度の算出
風負荷算出部202dは、風考慮コストを、リンク風量レベルに応じて、元のリンクコストに一定割合を乗ずることにより算出してもよい。これにより、元のリンクの長短を考慮して風による走行コスト(風考慮コスト)を算出することができる。
当該(2)の計算方法は(1)の式3〜式5と同様であるが、以下の式6〜式8に示すように、算出する値が、元のコストに対する追加コストではなく、元のコストの増減割合である点が異なる。
追風コスト増減度(%)=リンク追風風量×定数γ ・・・(式6)
横風コスト増減度(%)=リンク横風風量×定数δ ・・・(式7)
コスト増減度(%)=横風コスト増減度−追風コスト増減度 ・・・(式8)
リンク風量の算出処理において上述した例で説明すると、定数γを1.5、定数δを0.5としたときには、風負荷算出部202dは、式6および式7に従って、風量算出部202cにより算出された風量(リンク追風風量およびリンク横風風量いずれも5.66)に基づいて、追風コスト増減度および横風コスト増減度を、それぞれ下記のように求めることができる。
追風コスト増減度:5.66×1.5=8.49(%)
横風コスト増減度:5.66×0.5=2.83(%)
そして、風負荷算出部202dは、式8に従って、コスト増減度を、以下のように算出する。
コスト増減度:2.83−8.49=−5.66(%)
すなわち、この例では、リンク61を北に向かって10:30に走行する場合には、通常(風を考慮しない場合)よりも5.66%分のコストが減算されることになる。なお、そよ風(微風)や強風における閾値の設定、追風と横風の組合せについては、(1)と同様に、任意に設定することができる。
(3)風負荷データベースによる算出
風負荷の算出にあたっては、風コストやコスト増減度を予め定めた一覧を風負荷データベース206dに記憶しておき、風負荷算出部202dが、対応する風負荷を取得するようにしてもよい。これにより、エリア内の道路リンクについて、経路探索の度に風負荷を計算する必要がなくなる。
上述の図3を用いて例示したように、風負荷データベース206dでは、リンク毎に、風速などでレベル分けした風速レベルと風向とにより、予め風負荷を定めておく。定める風負荷は、(1)で説明した風コストのほか、(2)で説明したコスト増減度であってもよい。なお、レベル分けについては、風速によって行ってもよく、あるいは他の方法で行ってもよい。風速によるレベル分けでは、例えば気象庁風力階級表による風力階級を用いてもよく、例えば0.5m/s単位毎などの任意の区分で細かく設定してもよい。すべてのリンクが同じ単位でレベル分けされている必要はなく、海岸線と平地など、道路状況によってレベル分けを変えてもよい。
以上、(1)〜(3)に上述したように、サーバ装置200の内部で風負荷を算出する処理の例について説明したが、予め計算された風負荷情報を外部機器600(気象庁や民間気象会社等のサーバなど)から受信することにより、風負荷情報を取得してもよい。また、算出方法は上記に限定するものではなく、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、その他の公知の手法を用いることができる。
再び図6に戻り、以上のように算出された風負荷情報に基づいて、経路探索部202eは、風による走行負荷を考慮した経路探索を行う(ステップSB−4)。なお、図6に例示した処理では、経路探索の処理前に、風量算出処理や風負荷算出処理を行う例について説明したが、経路探索と同時に又は風を考慮しない経路探索の後に、風量算出処理や風負荷算出処理を実行してもよい。例えば、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、経路探索部202eにより風を考慮しない経路探索の結果取得された複数の経路について、それぞれの経路における風量や風負荷等の当該経路周辺または経路上における風に関する情報を、風向風速情報に基づいて算出してもよい。また、風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、経路探索部202eにより取得された経路について、所定時間間隔(例えば1時間経過ごと)の出発時刻それぞれにおける風量や風負荷等の当該経路周辺または経路上における風に関する情報を、風向風速情報に基づいて算出してもよい。風量算出部202cおよび風負荷算出部202dは、リンク毎に風負荷を算出することに限らず、経路探索部202eにより取得された経路を、時間や距離等に応じて分割し、分割した経路の区間ごとに、対応する時間帯および地域の風向風速情報に基づいて、風負荷を算出してもよい。以上で、風を考慮した経路探索処理(ステップSA−5)の具体例の説明を終える。
再び図4に戻り、サーバ装置200の経路情報生成部202fは、経路探索部202eによる経路探索の結果取得された経路を示す経路情報を生成する(ステップSA−7)。ここで、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより取得された経路の情報に加えて、ステップSA−5において、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された、当該経路の周辺における風に関する情報を付加した経路情報を生成してもよい。また、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより取得された経路の情報に加えて、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された、当該経路上の風負荷等の風に関する情報を、地図データベース206bに記憶された当該経路周辺の地図上に付加(重畳表示)した経路情報を生成してもよい。ここで、図8は、経路情報生成部202fによる生成される経路情報による表示画面例を示す図である。なお、図8において、太線で描かれた経路は、案内経路を示している。
経路情報生成部202fによる生成される経路情報としては、経路探索部202eにより取得された経路に関する情報と、地図データベース206bに記憶された経路周辺の地図データと、風量算出部202cあるいは風負荷算出部202dにより算出された経路上の風負荷情報または風に関する情報(以下、「風負荷情報等」と呼ぶ。)を表示する場合が考えられる。一例として図8に示すように、経路情報生成部202fは、経路を示す情報を地図上に重畳表示する場合に、風負荷情報を対応する経路に沿うように付加して表示する経路情報を作成する。なお、風の強さ・風負荷の高さなどによって、経路に沿うように付加された風負荷情報等の表示態様(表示色、表示サイズ、線の太さなど)を変更してもよい。また、地図データ、経路を示す情報、風負荷情報等は個別の表示であってもよく、1つの表示となるように地図データ上に経路を重畳表示させてもよい。地図上に経路を重畳表示させる場合には、経路情報生成部202fは、例えば風負荷の高い道路の表示色を変えるなど、風の強さ・風負荷の高さによって、地図や経路の表示態様(表示色、表示サイズ、線の太さなど)を変更して経路情報を作成してもよい。
また、経路情報生成部202fは、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された複数の風量または風負荷に基づいた情報を更に含む経路情報を生成してもよい。例えば、経路情報生成部202fは、出発時刻ごとに風量や風負荷が算出された場合に、出発時刻ごとの風量や風負荷を比較可能に示す経路情報を作成してもよい。ここで、図9は、経路情報生成部202fにより生成された、出発時刻ごとの風負荷を比較可能に示す経路情報の一例を示す図である。
経路情報の態様として、複数の経路や時間帯での風負荷を比較できるように表示する方法が考えられ、一例として図9に示すように、経路情報生成部202fは、出発時刻別による向かい風の強さをグラフ表示する経路情報を作成してもよい。時間帯によって変動する風負荷を比較できるため、強風の予報が出ている場合などには、利用者は、ある程度風がおさまった時間帯を選択して出発することもできるようになる。向かい風を表示する経路は、経路全体が対象であってもよく、経路の一部(風の影響を受けやすい区間)のみが対象であってもよい。また、表示する向かい風の強さとは、経路上で最大となる向かい風の強さから算出してもよく、経路上のすべての向かい風成分を合計して算出してもよく、あるいは、経路全体で向かい風成分と追い風成分とに基づいて合計して算出してもよい。向かい風の強さの算出にあたっては、リンク長を考慮するようにしてもよい。比較の方法としては、複数の経路を比較する場合であってもよく、特定の経路についての時間帯ごとの比較であってもよい。また、経路情報生成部202fにより作成される経路情報は、風量や風負荷を、地図上の記号、数値等で表現したものであってもよい。
また、経路情報生成部202fは、複数の経路ごとの風量や風負荷を比較可能に示す経路情報を作成してもよい。また、経路情報生成部202fは、風量算出部202cや風負荷算出部202dにより算出された風量、風負荷、または風負荷に基づいて算出した走行負荷を、消費カロリー等の指標に換算して経路情報を生成してもよい。ここで、図10は、経路情報生成部202fにより生成された、ルート別の消費カロリーを比較可能に示す経路情報の一例を示す図である。
経路情報の態様として、走行負荷を消費カロリー等の指標に置き換えて表示する方法が考えられるが、図10に一例として示すように、経路情報生成部202fは、複数の経路におけるそれぞれの走行負荷を消費カロリーで表示する経路情報を生成してもよい。図において太線で示されている経路が、消費カロリーが少ない経路として選択されている経路(ルート[1])である。消費カロリーの計算方法の例としては、無風状態のときと比較した差分を算出するようにして、男女別・移動手段別などで、コストとして算出される1分あたりの消費カロリーを定義しておき、それに基づいて算出してもよい。また、対象とする走行負荷は、勾配などの道路状況をも考慮した走行負荷であってもよく、風負荷のみを対象としてもよい。また、換算する指標としては、消費カロリーのほかにも、運動エネルギーなどのように走行負荷をイメージできるものであればよく、あるいは独自の指標に換算してもよい。このほかにも、地図表示された経路上に風情報を記号や文字で示してもよく、地図前表示の際、あるいはテキストで表示された経路情報中に、風向風速情報、風負荷情報を含めた風に関連した情報を追記するようにしてもよい。また、経路情報生成部202fは、算出された経路上の風量または風負荷が所定値より大きい場合、他の交通手段での移動を促す旨や、出発時刻の変更を促す旨、または、迂回を促す旨等を、文字や記号等で表示する経路情報を作成してもよい。これにより、走行中に風に注意すべき箇所(所定値以上の風負荷が付加された道路リンクなど)について利用者に注意を促すことができる。
また、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより風を考慮せずに取得された経路と、風負荷算出部202dにより算出された風負荷情報に基づいて、経路情報を生成してもよい。例えば、経路情報生成部202fは、経路探索部202eにより風を考慮せずに取得された複数の経路について、算出した風負荷に応じて優先度を付けて提示する経路情報を生成してもよい。
再び図4に戻り、サーバ装置200の経路情報送信部202gは、ステップSA−7において以上のように経路情報生成部202fにより作成された経路情報を端末装置100に送信する(ステップSA−8)。
そして、端末装置100の経路情報受信部102cは、サーバ装置200から送信される、経路情報を受信する(ステップSA−9)。
そして、端末装置100の経路情報出力部102dは、経路情報受信部102cにより受信された経路情報を、出力部114に出力する(ステップSA−10)。ここで、利用者により入力部116を介して複数の経路の中から一の経路が選択された場合、経路情報出力部102dは、選択された経路に従って経路案内を実行してもよい。例えば、経路情報出力部102dは、経路情報に含まれる地図データ上に、経路、および、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報、を重畳した表示画面を出力部114に表示させてもよい。
なお、本実施の形態において、上述したステップSA−1〜ステップSA−10の処理が繰り返されるよう制御してもよい。例えば、端末装置100の経路探索条件送信部102bが、例えば所定の間隔(例えば5分)毎に、再経路探索要求等をサーバ装置200に送信することにより、上述したステップSA−1〜ステップSA−10の処理が繰り返されるよう制御してもよい。また、サーバ装置200の制御部202が、風向風速情報の更新や風負荷情報の更新を検出した場合(外部機器600等から新たな気象情報を受信した場合や、最新の実測値が得られた場合など)あるいは一定間隔ごとに、ステップSA−4〜ステップSA−8の処理を繰り返すよう処理を行ってもよい。また、比較の判定結果を端末装置100に送信して、利用者の選択によってその処理を決定するようにしてもよく、サーバ装置200の経路情報生成部202fは、更新された風負荷情報に基づいて経路に所定値以上の影響(風負荷情報の変更)があると判定したときに、風負荷情報の更新を端末装置100に通知し、再経路探索を行うか否かを、端末装置100の入力部116を介して利用者に選択させるようにしてもよい。そして、サーバ装置200は、端末装置100からの再経路探索要求を受信した場合に、経路探索部202eにより再経路探索を行ってもよい。なお、これらの場合において、経路探索条件の出発地は、現在位置情報受信部202aにより受信される最新の現在位置情報による位置としてもよい。
また、サーバ装置200の経路情報生成部202fは、再探索結果を示す経路情報を、そのまま端末装置100に送信してもよく、再探索前の経路と再探索後の経路とを比較して、その判定結果に応じた処理を行うようにしてもよい。例えば、風負荷情報が更新された場合に、経路が大きく変更されるとは限らないため、サーバ装置200の制御部202は、風負荷情報の更新による影響度と経路の変更度は、それぞれ別に判定してもよい。そして、経路情報生成部202fにより、再探索前後の経路を比較した結果、所定以上の変更があると判定した場合にのみ、経路情報を生成して、端末装置100に更新した経路情報を送信するようにしてもよい。また、経路に所定以上の変更がないと判定した場合には、サーバ装置200は、端末装置100にその旨を通知するようにしてもよく、あるいは、何らの処理を行わない態様としてもよい。以上のように、再経路探索の処理を行うことにより、走行中に風向風速情報が変化した場合でも、最新の情報に基づいて、風の影響を受けやすい経路を避けることができるようになる。
以上が、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例である。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態(ナビゲーション装置400(スタンドアローン型))について、図11および図12を参照して以下に説明する。ここで、図11は、第2の実施形態におけるナビゲーション装置400の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
なお、第2の実施形態においては、全ての機能をナビゲーション装置400に集約し、道路ネットワークデータおよび風負荷情報に基づいて、経路探索条件を満たす出発地から目的地までの経路を探索して取得し、取得した経路を示す経路情報を生成し、生成した経路情報を出力部414に表示させる。このように、第2の実施形態は、ナビゲーション装置400がスタンドアローン型に構成され単独で処理を行う点が第1の実施形態と異なる。
[ナビゲーション装置400(スタンドアローン型)の構成]
まず、第2の実施形態におけるナビゲーション装置400(スタンドアローン型)の構成の一例について、図11を参照して以下に説明する。
図11に示すように、本発明の第2の実施形態のナビゲーション装置400は、位置取得部412と出力部414と入力部416と制御部402と記憶部406とを少なくとも備える。これらナビゲーション装置400の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。例えば、ナビゲーション装置400は、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末装置、および、走行経路案内等を行なうPND(Portable Navigation Device)等のナビゲーション端末等である。
図11において、入出力制御インターフェース部408、通信制御インターフェース部404、位置取得部412、出力部414、および、入力部416、並びに、ネットワーク300、位置発信装置500、および、外部機器600の各機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、記憶部406の各部(ネットワークデータベース406a、地図データベース406b、風向風速データベース406c、および、風負荷データベース406d等)についても、サーバ装置200ではなくナビゲーション装置400に備えられている点を除き、各機能が第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
また、制御部402の各部(現在位置情報取得部402a〜経路情報出力部402g等)について、本実施形態のナビゲーション装置400がスタンドアローン型であり、制御部402が各送受信部を備えていない点を除き、各機能は第1の実施形態のナビゲーションシステムと基本的に同様である。
図11において、制御部402は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部402は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部402は、機能概念的に、現在位置情報取得部402a、経路探索条件設定部402b、風量算出部402c、風負荷算出部402d、経路探索部402e、経路情報生成部402f、および、経路情報出力部402gを備える。このうち、現在位置情報取得部402a、風量算出部402c、風負荷算出部402d、経路探索部402e、経路情報生成部402f、および、経路情報出力部402gの機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
また、経路探索条件設定部402bは、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する経路探索条件設定手段である。ここで、出発地は、現在位置情報取得部402aにより取得される現在位置情報に基づくナビゲーション装置400の利用者の現在位置であってもよい。また、経路探索条件は、更に、出発時刻または到着時刻を含んでいてもよい。ここで、出発時刻は、現在時刻であってもよい。また、経路探索条件は、更に、経由地や、経由時刻を含んでいてもよい。また、経路探索条件設定部402bは、利用者に入力部416を介して経路探索条件を入力させるよう制御し、利用者により入力された経路探索条件を設定してもよい。また、経路探索条件設定部402bは、予め記憶部406に記憶された経路探索条件を設定してもよい。
以上で、第2の実施形態におけるナビゲーション装置400の構成の一例の説明を終える。
[ナビゲーション装置400(スタンドアローン型)の処理]
次に、このように構成された第2の実施形態におけるナビゲーション装置400の処理の一例について、以下に図12を参照して詳細に説明する。ここで、図12は、第2の実施形態におけるナビゲーション装置400の処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、まず、経路探索条件設定部402bは、利用者により入力部416を介して入力された少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を設定する(ステップSC−1)。ここで、出発地は、現在位置情報取得部402aにより取得される現在位置情報に基づくナビゲーション装置400の利用者の現在位置であってもよい。
そして、風量算出部402cは、各道路リンクについて風量を算出するために用いる風向風速情報を取得する(ステップSC−2)。例えば、風量算出部402cは、風向風速データベース406cに記憶された各道路リンクに対する風向風速情報を取得してもよく、外部機器600(気象庁や民間気象会社のサーバ等)から風向風速情報を受信してもよい。ここで、風量算出部402cは、取得した風向風速情報をそのまま風量の算出に用いるのではなく重み付けを行ってもよく、道路リンク周辺における、地図データベース406bに記憶された地図データ(ビルや海岸線等の地物の形状データなど)、および/または、ネットワークデータベース406aに記憶された道路ネットワークデータ(幅員、道路種別等の情報など)に基づいて、道路リンクに対し重み付けを行ってもよい。重み付けは、ネットワークデータベース406aの道路リンク毎に対応付けて予め定めておいてもよく、風量算出部402cがその都度算出してもよい。
そして、風量算出部402cは、取得した風向風速情報に基づいて、道路リンクを規準とした風の風量成分を分析する(ステップSC−3)。より具体的には、風量算出部402cは、風向風速情報に基づいた風向および風速で表される風量ベクトルを、道路リンクに沿った進行方向の風量成分(リンク追風風量)と当該進行方向に垂直な方向の風量成分(リンク横風風量)に分解する。なお、ここでは、ナビゲーション装置400の制御部402でリンク風量(リンク追風風量とリンク横風風量)を算出したが、制御部402は、リンク風量が予め計算されたリンク風量情報を外部機器600(気象庁や民間気象会社等のサーバなど)から受信することにより、リンク風量情報を受信してもよい。
また、風負荷算出部402dは、風量算出部402cにより算出された、または、外部機器600から受信したリンク風量に基づいて、道路リンク毎に風負荷を算出して風負荷情報を生成する(ステップSC−4)。例えば、風負荷算出部402dは、風量算出部402cにより算出されたリンク風量(リンク追風風量とリンク横風風量)に基づいて風負荷を算出してもよい。風負荷算出部402dによる風負荷の算出方法は、一例として、第1の実施形態で上述した(1)〜(3)の算出方法等を用いることができる。
そして、経路探索部402eは、ネットワークデータベース406aに記憶された道路ネットワークデータ、および、風負荷情報に基づいて、経路探索を行う(ステップSC−5)。なお、風負荷情報は、風負荷算出部402dにより生成されたものでもよく、風負荷データベース406dに予め記憶されたものでもよく、または、外部機器600から受信したものでもよい。一例として、経路探索部402eは、風を考慮しない場合の時間や距離等の元のリンクコストに、風負荷情報を加味して、経路探索条件を満たす経路を探索する。例えば、風負荷情報が風コストを示す場合に、経路探索部402eは、当該風コストを元のリンクコストに付加して(すなわち風考慮コストを積算して風考慮コストが最小となるように)経路を探索してもよい。また、風負荷情報がコスト増減度を示す場合に、経路探索部402eは、元のリンクコストにコスト増減度を乗じて、経路を探索してもよい。予めネットワークデータベース406aに道路リンクに対応付けた風考慮コストが予め記憶されている場合には、経路探索部402eは、ネットワークデータベース406aに記憶された風考慮コストに基づいて経路探索を行ってもよい。
そして、経路情報生成部402fは、経路探索部402eによる経路探索の結果取得された経路を示す経路情報を生成する(ステップSC−6)。ここで、経路情報生成部402fは、経路探索部402eにより取得された経路の情報に加えて、風量算出部402cや風負荷算出部402dにより算出された、当該経路の周辺における風に関する情報を付加した経路情報を生成してもよい。また、経路情報生成部402fは、経路探索部402eにより取得された経路の情報に加えて、風量算出部402cや風負荷算出部402dにより算出された、当該経路上の風負荷等の風に関する情報を、地図データベース406bに記憶された当該経路周辺の地図上に付加(重畳表示)した経路情報を生成してもよい。なお、風の強さ・風負荷の高さなどによって、経路に沿うように付加された風負荷情報等の表示態様(表示色、表示サイズ、線の太さなど)を変更してもよい。また、地図データ、経路を示す情報、風負荷情報等は個別の表示であってもよく、1つの表示となるように地図データ上に経路を重畳表示させてもよい。地図上に経路を重畳表示させる場合には、経路情報生成部402fは、例えば風負荷の高い道路の表示色を変えるなど、風の強さ・風負荷の高さによって、地図や経路の表示態様(表示色、表示サイズ、線の太さなど)を変更して経路情報を作成してもよい。
また、経路情報生成部402fは、風量算出部402cや風負荷算出部402dにより算出された複数の風量または風負荷に基づいた情報を更に含む経路情報を生成してもよい。例えば、経路情報生成部402fは、出発時刻ごとに風量や風負荷が算出された場合に、出発時刻ごとの風量や風負荷を比較可能に示す経路情報を作成してもよい。これにより、時間帯によって変動する風負荷を比較できるため、強風の予報が出ている場合などには、利用者は、ある程度風がおさまった時間帯を選択して出発することもできるようになる。向かい風を表示する経路は、経路全体が対象であってもよく、経路の一部(風の影響を受けやすい区間)のみが対象であってもよい。また、表示する向かい風の強さとは、経路上で最大となる向かい風の強さから算出してもよく、経路上のすべての向かい風成分を合計して算出してもよく、あるいは、経路全体で向かい風成分と追い風成分とに基づいて合計して算出してもよい。向かい風の強さの算出にあたっては、リンク長を考慮するようにしてもよい。比較の方法としては、複数の経路を比較する場合であってもよく、特定の経路についての時間帯ごとの比較であってもよい。また、経路情報生成部402fにより作成される経路情報は、風量や風負荷を、地図上の記号、数値等で表現したものであってもよい。
また、経路情報生成部402fは、複数の経路ごとの風量や風負荷を比較可能に示す経路情報を作成してもよい。また、経路情報生成部402fは、風量算出部402cや風負荷算出部402dにより算出された風量、風負荷、または風負荷に基づいて算出した走行負荷を、消費カロリー等の指標に換算して経路情報を生成してもよい。消費カロリーの計算方法の例としては、無風状態のときと比較した差分を算出するようにして、男女別・移動手段別などで、コストとして算出される1分あたりの消費カロリーを定義しておき、それに基づいて算出してもよい。また、対象とする走行負荷は、勾配などの道路状況をも考慮した走行負荷であってもよく、風負荷のみを対象としてもよい。また、換算する指標としては、消費カロリーのほかにも、運動エネルギーなどのように走行負荷をイメージできるものであればよく、あるいは独自の指標に換算してもよい。このほかにも、地図表示された経路上に風情報を記号や文字で示してもよく、地図前表示の際、あるいはテキストで表示された経路情報中に、風向風速情報、風負荷情報を含めた風に関連した情報を追記するようにしてもよい。また、経路情報生成部402fは、算出された経路上の風量または風負荷が所定値より大きい場合、他の交通手段での移動を促す旨や、出発時刻の変更を促す旨、または、迂回を促す旨等を、文字や記号等で表示する経路情報を作成してもよい。これにより、走行中に風に注意すべき箇所(所定値以上の風負荷が付加された道路リンクなど)について利用者に注意を促すことができる。
なお、上記において、経路探索部402eによる経路探索の処理をステップSC−1の後に行うことにより、風を考慮せずに経路探索を行った結果取得された経路について、経路情報生成部402fは、その後、風負荷算出部402dにより算出された風負荷情報に基づいて、経路情報生成部402fは、経路情報を生成する態様としてもよい。例えば、経路情報生成部402fは、経路探索部402eにより風を考慮せずに取得された複数の経路について、算出した風負荷に応じて優先度を付けて提示する経路情報を生成してもよい。
そして、経路情報出力部402gは、経路情報生成部402fにより生成された経路情報を、出力部414に出力する(ステップSC−7)。ここで、利用者により入力部416を介して複数の経路の中から一の経路が選択された場合、経路情報出力部402gは、選択された経路に従って経路案内を実行してもよい。例えば、経路情報出力部402gは、経路情報に含まれる地図データ上に、経路、および、現在位置情報取得部402aにより取得される現在位置情報、を重畳した表示画面を出力部414に表示させてもよい。
なお、本実施の形態において、上述したステップSC−1〜ステップSC−7の処理が繰り返されるよう制御してもよい。例えば、ナビゲーション装置400は、所定の間隔(例えば5分)毎に、ステップSC−1〜ステップSC−7の処理が繰り返されるよう制御してもよい。また、制御部402が、風向風速情報の更新や風負荷情報の更新を検出した場合(外部機器600等から新たな気象情報を受信した場合や、最新の実測値が得られた場合など)あるいは一定間隔ごとに、ステップSC−2〜ステップSC−7の処理を繰り返すよう処理を行ってもよい。また、比較の判定結果を出力部414に出力して、利用者の選択によってその処理を決定するようにしてもよく、経路情報生成部402fは、更新された風負荷情報に基づいて経路に所定値以上の影響(風負荷情報の変更)があると判定したときに、風負荷情報の更新を通知し、再経路探索を行うか否かを、ナビゲーション装置400の入力部416を介して利用者に選択させるようにしてもよい。そして、ナビゲーション装置400は、利用者から再経路探索要求を入力された場合に、経路探索部402eにより再経路探索を行ってもよい。なお、これらの場合において、経路探索条件の出発地は、現在位置情報取得部402aにより受信される最新の現在位置情報による位置としてもよい。
また、経路情報生成部402fは、再探索結果を示す経路情報を、そのまま出力してもよく、再探索前の経路と再探索後の経路とを比較して、その判定結果に応じた処理を行うようにしてもよい。例えば、風負荷情報が更新された場合に、経路が大きく変更されるとは限らないため、制御部402は、風負荷情報の更新による影響度と経路の変更度は、それぞれ別に判定してもよい。そして、経路情報生成部402fにより、再探索前後の経路を比較した結果、所定以上の変更があると判定した場合にのみ、経路情報を生成して、更新した経路情報を出力するようにしてもよい。また、経路に所定以上の変更がないと判定した場合には、ナビゲーション装置400は、その旨を出力するようにしてもよく、あるいは、何らの処理を行わない態様としてもよい。以上のように、再経路探索の処理を行うことにより、走行中に風向風速情報が変化した場合でも、最新の情報に基づいて、風の影響を受けやすい経路を避けることができるようになる。
以上が、第2の実施形態におけるナビゲーション装置400の処理の一例である。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、ナビゲーション装置400がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、ナビゲーション装置400は、クライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、端末装置100、サーバ装置200、および、ナビゲーション装置400に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、端末装置100、サーバ装置200、および、ナビゲーション装置400の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100、サーバ装置200、および、ナビゲーション装置400に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部106,406などには、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100、サーバ装置200、および、ナビゲーション装置400に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等(ネットワークデータベース206a,406a〜風負荷データベース206d,406d)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、サーバ装置200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、サーバ装置200は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。