[遊技機]
以下、本発明の実施形態を、遊技機がスロットマシンの場合を例に挙げて説明する。
図1は、スロットマシン10の正面図であり、図2は、スロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図であり、図3は、スロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図4は、筐体本体11の正面図である。
図3に示すように、スロットマシン10の筐体は、正面側が開口する箱形状の筐体本体11と、その開口部を閉じる前面扉12とから構成される。
前面扉12は、左端側の上下複数カ所がヒンジによって筐体本体11に取り付けられ、ヒンジを軸として水平に揺動し、筐体本体11の開口部を開閉可能となっている。
図1に示すように、前面扉12の右端部には、筐体本体11側と協働して前面扉12を閉鎖し施錠状態とする施錠機構20が設けられている。
図4に示すように、スロットマシン10の筐体本体11は、天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d、右側板11eから構成され、筐体本体11の内部は、仕切板11fによって上下に2分割されている。
仕切板11fの上部には、前面扉12の各表示窓31L、31M、31R(以下、表示窓31とも表記する)に対して1対1で対応させて横に並べた左リール61L、中リール61M、右リール61R(以下、リール61とも表記する)を同一軸線上で回転可能に支持したリールユニット60が、取り付けられている。
さらに、正面から見て、背板11cのリールユニット60よりも上方には、制御基板収容ボックス51が取付けられており、この制御基板収容ボックス51内には、スロットマシン10の制御を行うメイン制御基板80が収容されている。
仕切板11fの下部には、ホッパ装置52と、電源装置56と、メダル収容箱57とが配置されている。
ホッパ装置52は、、メダルを貯留する貯留タンク53と、メダルを遊技者に払い出す払出装置55とにより構成され、払出装置55は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、前面扉12の裏面の排出用通路67の開口68へメダルを排出し、排出用通路67を介してメダル受け皿18(図2参照)へメダルを払い出すようになっている。
また、ホッパ装置52の右側には、貯留タンク53内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するためのメダル収容箱57が設けられている。ホッパ装置52の貯留タンク53には、この貯留タンク53からメダル収容箱57にメダルを排出する誘導プレート54が設けられており、貯留タンク53内に貯留されているメダルが過剰になると、過剰になったメダルがメダル収容箱57に排出されて貯留されるようになっている。
図1に示すように、前面扉12の上側には、遊技の進行に伴って点灯・点滅する上部ランプ13が、上辺に沿って設けられており、上部ランプ13の下方位置の左右両側には、種々の報知音(効果音)を出力する一対のスピーカ14が設けられている。
そして、これら一対のスピーカ14の間には、画像・映像等の種々の情報を表示する液晶ディスプレイ15が設けられている。
液晶ディスプレイ15の下方には、左リール61Lと中リール61Mと右リール61Rをそれぞれ透視できる表示パネル30と、略中段付近にて各種ボタン41〜44、46〜49や、スタートレバー45およびメダル投入口50が設けられた操作部40と、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16と、メダル排出口17から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿18と、が設けられている。
表示パネル30は、図1に示すように左リール61L、中リール61M、右リール61Rの停止中または回転中の様子を視認可能とする表示窓31(31L、31M、31R)と、表示窓31Lの左側に配置された5つのベットランプ32、33、33、34、34と、この表示窓31(31L、31M、31R)の下側に配設された3つの表示部(クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37)と、を備えている。
表示窓31(31L、31M、31R)は、停止中の左リール61L、中リール61M、右リール61Rのそれぞれについて、縦方向に3つの図柄を同時に視認可能とする大きさに形成されている。このため、左リール61L、中リール61M、右リール61Rのすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が、遊技者から視認可能となっている。なお、表示窓31(31L、31M、31R)は1つにまとめて、共通の露出窓とすることも可能である。
そして、図1において鎖線で示す上段、中段、下段の水平ラインa、b、cと、一対の対角ラインd、eの合計5本のラインが入賞判定用のラインとして設定されており、設定されたラインのうちの少なくともひとつ以上が、ベットされるメダル数に応じて適宜有効化される。
有効化されたラインは有効ラインであり、予め定められた賞を付与する組合せが有効ラインに揃うと「入賞」となる。例えば停止した左リール61Lの3つの図柄のうち有効ライン上の図柄に「チェリー」があると「入賞」となる。
図1に示すように1枚のメダルがベットされたときに点灯するベットランプ32は、中段水平ラインbの左横に配設され、2枚のメダルがベットされたときに点灯するベットランプ33、33は、上段水平ラインaおよび下段水平ラインcの左横に配設され、3枚のメダルがベットされたときに点灯するベットランプ34、34は、一対の対角ラインd、eの左横に配設されている。
クレジット枚数表示部35は、後述するクレジット機能が有効なときにスロットマシン10の内部に貯留されている枚数を表示する。
ゲーム数表示部36は、例えばビッグボーナス時にあと何回JAC(ジャック)インできるかのか、JACゲーム時にあと何回JAC図柄成立が残っているのかを、回数で表示する。
獲得枚数表示部37は、有効ライン上に同じ図柄が揃って入賞したときに払い出された枚数を表示する。
図1および図2に示すように、操作部40は、表示パネル30の下端から手前側に延在する平面部40aと、その平面部40aの前端部から鉛直方向に延びる縦壁部40bと、を有している。
平面部40aの左側には、1枚ベットボタン41および2枚ベットボタン42と、マックスベットボタン43と、が設けられており、右側には、メダル投入口50が設けられている。
各ベットボタン41、42、43は、ゲームスタート前にそのゲームでベットするメダル枚数を決めるためのボタンであり、ベットされたメダルの枚数に応じてベットランプ32〜34が点灯して、有効ラインが確認できるようになっている。
メダル投入口50から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ65(図3参照)によって貯留用通路66か排出用通路67の何れかへ導かれる。すなわち、セレクタ65には、メダル通路切替ソレノイド(図示せず)が設けられており、メダル通路切替ソレノイドの非励磁時には排出用通路67側にメダルが誘導され、励磁時には貯留用通路66側にメダルが誘導されるようになっている。
なお、貯留用通路66に導かれたメダルは、筐体本体11の内部に収納されたホッパ装置52へと導かれる。一方、排出用通路67に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17(図1参照)からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
図1に示すように、縦壁部40bには、左側から右側に向かって順番に、クレジット精算ボタン44と、スタートレバー45と、左リール61L用のストップボタン46と、中リール61M用のストップボタン47と、右リール61R用のストップボタン48と、返却ボタン49と、が設けられている。
クレジット精算ボタン44は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後ボタンの操作が行われるごとにオン/オフが切り替わるトグル式に構成されている。
クレジット精算ボタン44がオフ状態のときには、クレジット枚数表示部35の表示が消え、メダル投入口50から投入されたメダルや入賞したときに払い出されるメダルは、メダル排出口17からメダル受け皿18へ払い出される。
クレジット精算ボタン44がオン状態のときには、クレジット枚数表示部35に数字(オンからオフになったときには「0」)が表示され、クレジット機能が有効となる。
ここで、クレジット機能とは、メダル投入口50から投入された枚数がマックスベット数(ここでは3枚)を越えたときにその越えた枚数分をスロットマシン内部に貯留する機能であり、貯留枚数は上述したクレジット枚数表示部35に表示される。クレジット枚数表示部35に1枚以上表示されているときにクレジット精算ボタン44を押してオフ状態にすると、表示されていた枚数分のメダルがメダル排出口17からメダル受け皿18へ払い出され、メダルが払い出されるごとにクレジット枚数表示部35の数値が1ずつディクリメント(減算)され、その数値がゼロになったあと表示が消える。
スタートレバー45は、遊技者がゲームを開始するときに、下方に押し下げる、または上方に押し上げることによって操作するレバーであり、縦壁部40bから手前側に向かって突設されている。
メダルがベットされているときにこのスタートレバー45が操作されると、スタート指令が生成され、このスタート指令によって各リール61(61L、61M、61R)が一斉に回転し始める。
ストップボタン46〜48は、それぞれ回転中の左リール61L、中リール61M、右リール61Rを停止させるときに遊技者が押下するボタンである。
各ストップボタン46、47、48が押されると、停止指令が生成される。
各ストップボタン46、47、48は、各リール61(61L、61M、61R)が等速回転している間、図示しないランプにより点灯表示され、回転が停止すると消灯する。
ここで、メダルをベットする手順について説明する。
クレジット精算ボタン44がオフ状態のとき(クレジット枚数表示部35が消灯しているとき)か、クレジット精算ボタン44がオン状態で貯留枚数もベットされているメダルの枚数もゼロのとき(クレジット枚数表示部35に「0」が表示されているとき)に、メダル投入口50からメダルが投入されるとベットされる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口50に投入されると、ベットランプ32が点灯し、そしてこれに対応する中段の水平ラインbが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口50に投入されると、更に2つのベットランプ33、33が点灯すると共に、これに対応する上段および下段の水平ラインa、cを含む合計3本のラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口50に投入されると、更に2つのベットランプ34、34が点灯し、そしてこれに対応する一対の対角ラインd、eを含む合計5本のラインのそれぞれが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口50に投入されると、クレジット精算ボタン44がオフのとき(クレジット機能が有効でない)ときには、メダル排出口17からメダル受け皿18へメダルが返却されるが、クレジット精算ボタン44がオンのとき(クレジット機能が有効なとき)には、有効ラインはそのままで投入されたメダルの枚数分だけスロットマシン内部に貯留され、クレジット枚数表示部35に貯留枚数が表示される。このクレジット枚数は上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
メダルが3枚以上貯留されているときに、1枚ベットボタン41が押されるとクレジット枚数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされると共に、ベットランプ32が点灯して中段の水平ラインbが有効ラインとなり、2枚ベットボタン42が押されるとクレジット枚数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされると共に、ベットランプ32およびベットランプ33、33が点灯して合計3本の水平ラインa、b、cが有効化され、マックスベットボタン43が押されるとクレジット枚数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされると共に、全ベットランプ32、33、33、34、34が点灯して合計5本のラインa〜eが有効ラインとなる。
一方、メダルが2枚貯留されているときに、1枚ベットボタン41や2枚ベットボタン42が押されると先ほどと同様に動作するが、マックスベットボタン43が押されると2枚ベットボタン42が押されたときと同じように動作し、メダルが1枚だけ貯留されているときに、1枚ベットボタン41が押されると先ほどと同様に動作するが、2枚ベットボタン42やマックスベットボタン43が押されると1枚ベットボタン41が押されたときと同じように動作する。
[リールユニット]
リールユニット60について説明する。
図4に示すように、リールユニット60において左リール61L、中リール61M、右リール61Rは、共通の回動軸X周りに回転可能に設けられており、それぞれ専用のステッピングモータにより、回転駆動されるようになっている。
ここで、左リール61L、中リール61M、右リール61Rは同様の構成を有しているため、ここでは左リール61Lの場合を例に挙げてその構成を説明し、中リール61M、右リール61Rについての説明は省略する。
図5は、左リール61Lの分解斜視図である。
左リール61Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材70の外周面に、21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれたベルトを巻きつけた周回体である。円筒骨格部材70のボス部71は、円盤状のボス補強板72を介してステッピングモータ79の駆動軸に連結されており、左リール61Lは、ステッピングモータ79により回転駆動されるようになっている。
ステッピングモータ79は、筐体本体11(図2)の内部に垂設されるモータプレート73に、ねじ74で固定されており、スロットマシン10のメイン制御基板80から出力される駆動信号(以下、励磁信号または励磁パルスとも表記する)に基づいて、モータドライバ100により駆動されるようになっている。
[ステッピングモータ]
図6は、ステッピングモータ79の動作原理を示す接続図であり、図7は、ステッピングモータの駆動系を示す接続図である。
実施の形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータが採用されている。
ただし、ステッピングモータは、ハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを用いるようにしても良い。
ハイブリッド型のステッピングモータ79は、周知のように中央に配置されたロータ(回転子)790と、このロータ790の周囲に配された第1ポール793〜第4ポール796と、から構成される。
ロータ790は、N極に着磁された手前側ロータ791と、S極に着磁された奥側ロータ792とで構成され、手前側ロータ791の周囲に設けられた歯(小歯)と歯の間に、奥側ロータ792の周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側ロータ791と奥側ロータ792との間には筒状磁石(図示はしない)が取着されている。
図6および図7に示すように、第1ポール793と第3ポール795には、それぞれ励磁コイルL0、L2がバイファイラ巻きされており、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線されて、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加されるようになっている。
同じく、第2ポール794と第4ポール796にも、それぞれ励磁コイルL1、L3がバイファイラ巻きされており、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線されて、ここに上述した直流電源+Bが印加されるようになっている。
ここで、第1の励磁コイルL0に励磁信号を印加して、第1ポール793をS極に励磁すると共に、第3ポール795をN極に例示する相をA相とし、これとは逆に第3の励磁コイルL2に励磁信号を印加して、第1ポール793をN極に励磁すると共に、第3ポール795をS極に励磁する相をA−相とし、さらに第2の励磁コイルL1に励磁信号を印加して、第2ポール794をS極に励磁すると共に、第4ポール796をN極に励磁する相をB相とし、第4の励磁コイルL3に励磁信号を印加して、第2ポール794をN極に励磁すると共に、第4ポール796をS極に励磁する相をB−相と称する。
そして、1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、A−相およびB−相に対して順次励磁信号を印加することでロータ790を時計方向(又は反時計方向)に回転駆動することができる。
つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール793の突起と手前側ロータ791の歯、N極になった第3ポール795の突起と奥側ロータ792の歯がそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール794の突起と手前側ロータ791の歯、N極になった第4ポール796の突起と奥側ロータ792の歯がそれぞれ吸引力により向き合い、次にA−相に通電すると、N極になった第1ポール793の突起と奥側ロータ792の歯、S極になった第3ポール795の突起と手前側ロータ791の歯がそれぞれ吸引力により向き合い、次にB−相に通電すると、N極になった第2ポール794の突起と奥側ロータ792の歯、S極になった第4ポール796の突起と手前側ロータ791の歯がそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、ロータ790は図6において時計方向に回転する(1相励磁駆動)。
これに対して、この実施の形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1−2相励磁駆動が採用されている。1−2相励磁駆動では以下の1)〜8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。
すなわち、1相のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に例示するのが2相励磁であるから、図8にも示すように1−2相励磁駆動は、
(1)A相に通電し(1相励磁)、
(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様に
(3)B相に通電し、
(4)B相とA−相の両方に通電し、
(5)A−相に通電し、
(6)A−相とB−相の両方に通電し、
(7)B−相に通電し、
(8)B−相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。
この1−2相励磁駆動を採用することにより、励磁駆動の1ステップあたりのロータ790の角度変化は、約0.714°となっている。
ここで、ステッピングモータ79は、504パルスの駆動信号で左リール61Lを1回転させるように設定されており、励磁パルスによってステッピングモータ79を駆動することで、左リール61Lの回動軸X周りの回転位置が制御される。
すなわち、左リール61Lが1回転すると21個の図柄が順々に表示窓31Lから視認可能となるので、表示窓31Lの一番上の位置で視認可能となっている図柄が、左リール61Lの回転により次の図柄に切り替わるまでには、24パルス(=504パルス÷21図柄)が必要とされている。
図5に示すように、左リールの回動軸X周りの回転位置は、円筒骨格部材70に取り付けたセンサカットバン(第1センサカットバン76、第2センサカットバン77)を、モータプレート73に取り付けたリールインデックスセンサ75で検出することで特定できるようになっており、例えば、リールインデックスセンサ75の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能になっているのかを認識することができるようになっている。また、左リール61Lの回転を停止させる際には、停止時に任意の図柄が表示窓31Lから視認可能となるように、リールインデックスセンサ75の検出信号に基づいて左リール61Lの回転制御を行うことができるようになっている。
左リールの回転位置の検出について説明する。
図9の(a)は、左リール61Lにおける第1センサカットバン76と第2センサカットバン77の位置関係を示した図であって、左リール61Lの回転方向が反時計回り方向になる側から見た場合を模式的に示した図である。(b)は、左リール61Lの回転時にリールインデックスセンサ75から出力される信号(オン信号/オフ信号を)説明する図である。
図9の(a)に示すように、左リール61Lには、径方向に延びる第1センサカットバン76と第2センサカットバン77の2つのセンサカットバンが設けられている。
第1センサカットバン76と第2センサカットバン77は、軸方向から見て扇形状を有しており、図5に示すように、その基端部76b、77bが、左リール61Lと一体化されたボス補強板72にねじ78で固定されている。
図9の(a)に示すように、第1センサカットバン76および第2センサカットバン77の先端部76a、77aは、略90°屈曲されて回動軸Xの軸方向(図9の(a)の紙面に対して垂直方向)に突出しており、左リール61Lの回転軸方向から見た先端部76a、77aの形状は、左リール61Lの回転方向に沿う弧状を成している。
第1センサカットバン76および第2センサカットバン77は、先端部76a、77aが、リールインデックスセンサ75の一対のフォトセンサ(発光素子75aおよび受光素子75b)の間隙を通過できるように位置決めされている。
第1センサカットバン76の回動軸X周りの角度範囲(15°)は、第2センサカットバン77の角度範囲(30°)よりも小さく設定されており、先端部76aの弧の長さ(始端部76sから終端部76eまでの長さ)L1は、先端部77aの弧の長さ(始端部77sから終端部77eまでの長さ)L2よりも短くなっている。
左リール61Lにおいて第1センサカットバン76と第2センサカットバン77は、先端部76aの始端部76sと先端部77aの始端部77sとが、回動軸X周りの周方向で180°間隔を空けて配置されるように設けられている。
実施の形態では、左リール61Lは、回動軸X周りの周方向で30°間隔で区画されており、合計12のエリア(第1エリア〜第12エリア)が設定されている。
先端部76aの始端部76sの位置を0°(基準位置)とし、第1センサカットバン76が位置するエリアを第1エリアとすると、先端部77aは、第1エリアから時計回り方向に6つ移動した第7エリアに位置している。
前記したように、ステッピングモータ79は、504パルスの駆動信号(励磁パルス)で左リール61Lを1回転させるように設定されており、1パルスの駆動信号に基づく左リール61Lの角度変化(1ステップあたりの角度変化)は、約0.714°となっている。
ここで、駆動信号の出力は、後記するタイマ割込処理のポート出力処理(図13、ステップ214)において実行され、このタイマ割込処理の実行間隔は1.49msecであるので、左リール61Lを1回転させるのに必要な時間は、750.96msec(=1.49msec×504パルス)となる。
ここで、リールインデックスセンサ75が、図9における0°の位置で、センサカットバン(第1センサカットバン76、第2センサカットバン77)の通過を検出する場合、第1センサカットバン76が検出される時間(第1検出時間)t1は、先端部76aの始端部76sから終端部76eまでが0°の位置を通過するのに要する時間に相当する。
ここで、先端部76aの長さL1は、左リール61Lの所定回転角度15°に対応した長さであり、左リールを15°回転させるには21パルスが必要であるので、第1センサカットバン76が検出される時間t1は、31.29msec(=1.49msec×21パルス)となる。
同様に、第2センサカットバン77の先端部77aの長さL2は、左リール61Lの所定回転角度30°に対応した長さであり、左リールを30°回転させるには22パルスが必要であるので、第2センサカットバン77が検出される時間(第2検出時間)t3は、62.58msec(=1.49msec×42パルス)となる。
また、第1センサカットバン76が検出されなくなってから、第2センサカットバン77が検出されるまでの時間(第1非検出時間)t2は、第1センサカットバン76の終端部76eが0°の位置を通過してから、第2センサカットバン77の始端部77sが0°の位置を通過するまでの時間に相当する。
かかる場合、左リールを165°(180°−15°)回転させる必要があり、165°回転させるには231パルスが必要であるので、第1非検出時間t2は、344.19msec(=1.49msec×231パルス)となる。
さらに、第2センサカットバン77が検出されなくなってから、第1センサカットバン76が検出されるまでの時間(第2非検出時間)t4は、第2センサカットバン77の終端部77eが0°の位置を通過してから、第1センサカットバン76の始端部76sが0°の位置を通過するまでの時間に相当する。
かかる場合、左リールを150°(360°−210°)回転させる必要があり、150°回転させるには210パルスが必要であるので、第2非検出時間t4は、312.9msec(=1.49msec×210パルス)となる。
実施の形態では、左リール61Lが半回転するごとに、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77の何れかの先端部76a、77aが、リールインデックスセンサ75により検出され、リールインデックスセンサ75は、先端部76a、77aのうちの何れかを検出している間はオン信号を、検出していない間はオフ信号を、それぞれメイン制御基板80に出力するようになっている。
そのため、メイン制御基板80には、左リール61Lが定速で回転している間、図9の(b)に示すような波形の信号が入力されるので、オン信号が入力されている時間(オン時間t1、t3)とオフ信号が入力されている時間(オフ時間t2、t4)とに基づいて、左リール61Lの回転角度(角度位置)を特定できるようになっている。
実施の形態では、左リール61Lが定速回転している場合の、オン時間t1、t3、オフ時間t2、t4が、他のリール(中リール61M、右リール61R)のオン時間およびオフ時間と共に、ROM83に予め記憶されており、リール61(61L、61M、61R)の回転位置を検出する際に参照されるようになっている。
左リール61Lの外周には、他のリール(中リール61M、右リール61R)と同様に、図柄が描かれたベルトが取り付けられており、このベルトでは、その長辺方向(周方向)に複数個、具体的には21個の図柄が所定間隔で描かれている。
よって、例えば表示窓31Lの一番上に表示されている図柄を次の図柄に切り換えるには、左リール61Lを、24パルス(=504パルス÷21図柄)分回転させる必要がある。
そして、左リール61Lの回転位置が検出された時点(例えば第1センサカットバン76(先端部76a)の始端部76sが検出された時点等)からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識できるようになっている。さらに、パルス信号に基づいて左リール61Lの回転を停止させる制御を行うことで、任意の図柄を表示窓31Lから視認可能にした状態で左リール61Lを停止させることができる。
各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に付された図柄のうち、表示窓31(31L、31M、31R)を介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31(31L、31M、31R)の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に付される図柄について説明する。図10には、左リール61L、中リール61M、右リール61Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列と、図柄配列の組み合わせと役との関係が示されている。
図10に示すように、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に対応して番号が0〜20まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7(超)」図柄(例えば、左リール第6番目)と、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「7」図柄(例えば、左リール第20番目)がある。
また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左リール第18番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、リール第16番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール第15番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール第17番目)がある。
そして、図10に示すように、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
前記したように、表示パネル30には、各表示窓31L、31M、31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。遊技時には、これら組み合わせラインのうちの少なくとも一本以上が、メダルのベット数に応じて有効ラインとされる。
そして、ストップボタンの操作などによりリール61(61L、61M、61R)が停止した際に、有効ライン上に位置する各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の図柄の組み合わせが、図10に示す役の図柄の組み合わせと一致した場合に、予め定められた枚数のメダルの払出処理や、特定遊技状態への移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。
小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダルが払い出される。「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には10枚のメダルが払い出される。左リール61Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダルが払い出される。この場合、中リール61Mおよび右リール61Rの「チェリー」図柄はメダルの払い出しとは無関係である。
また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダルの払い出しが行われるため、左リール61Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払い出しが行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7(超)」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダルが払い出される。第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダルが払い出される。
さらに、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダルの払い出しは行われない。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール61Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、メダルの払い出しは一切行われない。
各ストップボタン46、47、48(図1参照)は、リール61(61L、61M、61R)が回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
次に、制御基板収容ボックス51内に配設されているスロットマシン10のメイン制御基板80について説明する。
図11は、スロットマシン10のメイン制御基板80の構成を説明するブロック図である。
図11に示すように、メイン制御基板80は、遊技の主な制御処理を行うものであり、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU81と、そのMPU81に接続されると共にセンサ類やスイッチ類などの各種の入出力手段に接続された入出力ポート82が搭載されている。
MPU81には、MPU81により実行される制御プログラムや固定値データなどを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行にあたって各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85等の各種回路等が内蔵されている。
このROM83には、図12〜図21、図26〜図32、図35、図37に示されたフローチャートのプログラムが、制御プログラムの一部として記憶されている。
RAM84は、上記したカウンタやフラグなどの他にも、MPU81の内部レジスタの内容やMPU81により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリア、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを備えている。
実施の形態では、RAM84は、スロットマシン10の電源の遮断後においても電源装置56からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM84に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM84に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM84に記憶される情報に基づいて、スロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。
RAM84への書き込みは、タイマ割込処理(図13)によって電源遮断時に実行され、RAM84に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図15参照)において実行される。なお、MPU81のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路56bからの停電発生信号が入力されるように構成されており、その停電発生信号がMPU81へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図12)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM84に記憶される。
入出力ポート82には、メダル投入口50(図1参照)から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ50a、ベットボタン41、42、43(図1参照)の操作を検出するベット操作検出センサ41a、42a、43a、スタートレバー45(図1参照)の操作を検出するレバー操作検出センサ45a、ストップボタン46、47、48(図1参照)の操作を検出するストップ操作検出センサ46a、47a、48a、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の第1センサカットバン76、第2センサカットバン77(図5参照)の通過を検出するリールインデックスセンサ75、クレジット精算ボタン44(図1参照)の操作によるオン/オフの切り換えを検出する切換操作検出センサ44a、ホッパ装置52(図4参照)から払い出されるメダルを検出するメダル払出検出センサ52a、リセットスイッチ123(図4参照)の操作を検出するリセット操作検出センサ123a、設定キー挿入孔124(図4参照)に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー操作検出センサ124a、などが接続されており、これら各種センサからの信号は、入出力ポート82を介してMPU81に入力される。
さらに、入出力ポート82には、電源装置56が接続されている。
電源装置56は、電源ボックス内に設けられており、メイン制御基板80の他に、スロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部56aと、電源断の発生を監視する停電監視回路56b等の各種回路を備えている。スロットマシン10の電源オフ後には、電源部56aからRAM84にバックアップ電圧が供給される。
停電監視回路56bは、停電等の発生による電源断時(電源スイッチのオフによる電源断を含む)に、メイン制御基板80のNMI端子および入出力ポート82と、サブ制御基板90のNMI端子に、停電発生信号を出力するための回路である。
停電監視回路56bは、電源装置56から出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電発生信号を出力するように構成されている。停電発生信号の出力に基づいて、メイン制御基板80は、停電の発生を認識し、停電時処理を実行するように構成されている。なお、停電監視回路56bの停電発生信号は、メイン制御基板80のNMI端子に代えて、INT端子に入力されるように構成しても良い。
また電源装置56は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。例えば、本実施の形態において30msecの間は、駆動電源が出力されるように構成されている。よって、メイン制御基板80は、停電時処理を正常に実行することができる。また、停電監視回路56bを、電源装置56ではなく、例えばメイン制御基板80に設けるようにしても良い。
また電源装置56は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。例えば、本実施の形態において30msecの間は、駆動電源が出力されるように構成されている。よって、メイン制御基板80は、停電時処理を正常に実行することができる。
さらに、入出力ポート82の出力側には、有効ラインを表示するベットランプ32、33、34、クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、モータドライバ100、ホッパ装置52、サブ制御基板90、外部集中端子板91などが接続されている。
モータドライバ100は、メイン制御基板80から入力される励磁データに基づいて、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)を回転させるステッピングモータ79を制御する。
ここで、励磁データは、RAM84に格納されており、後述するタイマ割込処理(図13)のステッピングモータ制御処理(ステップ206)において、MPU81からの指令に基づいて入出力ポート82(図11参照)に、適切な励磁データが出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ79に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
サブ制御基板90は、メイン制御基板80から送信されるコマンドを受信して遊技以外の補助的な制御処理を行うものであり、メイン制御基板80と別個に設けられている。
サブ制御基板90は、上部ランプ13の点灯・点滅制御、スピーカ14からの報知音などの出力制御、表示用制御基板(図示せず)を制御して液晶ディスプレイ15上に演出表示等を行うように構成されている。
外部集中端子板91は、複数の端子(図示せず)を有しており、メイン制御基板80と、スロットマシンの状態を監視するホールコンピュータ(図示せず)とが、外部集中端子板91の各端子を介して接続できるように構成されている。
外部集中端子板91における図示されない端子は、フォトカプラによって構成されており、フォトカプラの一次側である発光ダイオードがスロットマシン10のメイン制御基板80に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)がホールコンピュータに接続されている。
よって、この外部集中端子板91を介して行われるスロットマシン10とホールコンピュータとの間における通信は、端子を構成するフォトカプラの一次側に接続されたスロットマシン10から、フォトカプラの二次側に接続されたホールコンピュータへの一方向通信となっており、ホールコンピュータからスロットマシン10側への不正な電気信号(パルス信号など)の伝送が防止されるようになっている。
次に、図12〜図21、図26〜図32に示すフローチャートを参照して、メイン制御基板80で行われる各処理について説明する。
実施の形態では、メイン制御基板80で行われる処理として、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的(本実施の形態では、1.49ms周期)に起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電発生信号の入力により起動されるNMI割込処理が設定されている。
以下の説明では、便宜上、NMI割込処理とタイマ割込処理について説明し、その後にメイン処理について説明する。
[NMI割込処理]
図12はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。
停電の発生等により電源が遮断されると、停電監視回路56bからメイン制御基板80のMPU81に停電発生信号が入力される。MPU81は、NMI端子を介して停電発生信号が入力されると、NMI割込処理を即座に実行する。
なお、前記したようにメイン制御基板80においてNMI端子に代えてINT端子を設ける構成とした場合には、停電監視回路56bの停電発生信号はINT端子を介して入力される。
NMI割込処理では、ステップ101において、MPU81内に設けられた使用レジスタのデータをRAM84内に設けられたスタックエリアへ退避させる処理(レジスタ退避処理)が実行される。
ステップ102において、停電フラグをセットして、RAM84内に設けられた所定のワークエリアに、停電発生情報を設定する。
ステップ103において、スタックエリアへ退避させたデータを、MPU81に搭載の使用レジスタに復帰させる処理(レジスタ復帰処理)を実行して、本ルーチンの処理を終了する。
なお、使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセット処理可能な場合には、レジスタ退避処理とレジスタ復帰処理を省略することができる。
[タイマ割込処理]
図13は、メイン制御基板80で定期的(本実施の形態では1.490ms毎)に実行されるタイマ割込処理のフローチャートである。
ステップ201のレジスタ退避処理では、通常遊技処理(図16参照)で使用しているMPU81内の全レジスタの値を、RAM84のスタックエリアへ退避させる。
ステップ202では、停電フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、図14の停電時処理が実行され(ステップ203)、セットされていないときには、停電時処理は実行されずに、スキップされる。
そして、ステップ204以降の処理が順次実行される。
ステップ204において、誤動作の発生を監視するウォッチドッグタイマの値を初期化(クリア)するウォッチドッグタイマクリア処理が実行される。
ステップ205において、MPU81自身に対して割込許可を出す割込終了宣言処理が実行される。
ステップ206において、リールユニット60の各リール61(61L、61M、61R)を回転させるステッピングモータ79の駆動処理(ステッピングモータ制御処理)が実行される。
なお、ステッピングモータ制御処理では、ステッピングモータ79を駆動させる駆動信号(励磁データ)が出力されるが、この処理の詳細は、図26〜図32のフローチャートを用いて後で説明する。
ステップ207において、入出力ポート82に接続された各種スイッチやボタン41〜49の状態を読み込むスイッチ状態読込処理が実行される。
ステップ208において、入出力ポート82に接続された各種センサの状態を監視するセンサ監視処理が実行される。
ステップ209において、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理が実行される。
ステップ210において、メダル投入口50から投入されたメダルの枚数、遊技においてベットされたメダルの枚数(ベット枚数)、そしてスロットマシン10から払い出されたメダルの枚数(払い出し枚数)をカウント(計数)するIN・OUTカウンタ処理が実行される。
ステップ211において、サブ制御基板90などにコマンドを送信するコマンド出力処理が実行される。
ステップ212において、クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37の各々に表示されるセグメントデータの設定処理(セグメントデータ設定処理)が実行される。
ステップ213において、設定されたセグメントデータを、クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37に出力して、数字や記号などの文字情報を表示させる処理(セグメントデータ表示処理)が実行される。
ステップ214において、出力データ(コマンドデータ、励磁データなど)を入出力ポート82から出力させるポート出力処理が実行される。
ステップ215において、スタックエリアへ退避させた各レジスタの値を、MPU81内の対応するレジスタに復帰させる処理(レジスタ復帰処理)が実行される。
ステップ216において、その後のタイマ割込を許可する割込許可処理を行って、一連のタイマ割込処理を終了する。
[停電時処理]
図14は、メイン制御基板80で実行される停電時処理のフローチャートである。
停電時処理は、前記したように、タイマ割込処理の中(図13、ステップ203)で実行される。
この停電時処理は、タイマ割込処理のレジスタ退避処理(ステップ201)の直後に実行されるので、その他の割り込み処理を中断することなく実行できる。
そのため、復電コマンドなどの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み途中、カウンタの内容を更新中のように、それぞれの処理の途中に割り込んでこの停電時処理が実行されることはない。すなわち、イレギュラーなタイミングで停電時処理が実行されないので、イレギュラーなタイミングに実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これによって、停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。復電処理も同様である。
また、停電時処理の実行後にタイマ割込処理に復帰(リターン)することもあるが、レジスタ退避処理の直後に停電時処理が実行されるので、この停電時処理の中で上述したレジスタ退避処理やその復帰処理を行う必要がない。その分だけ、停電時処理用の処理プログラムが簡略化されて、プログラム容量を削減できる。
停電時処理では、ステップ301において、コマンド送信中であるか否かを、通常のコマンドを取り扱うコマンドカウンタ(図示せず)の値が奇数か否かに基づいて確認する。コマンド送信中である場合(ステップ301においてYes)、停電時処理を終了して、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
コマンドデータは1バイト単位で送信されるので、1つのコマンド送信は2回のタイマ割り込みで完了する。コマンドをバッファリングするときに使用されるコマンドカウンタの値が奇数であるときには、コマンドデータのうち2バイト目のコマンドデータの送信が完了していないことになるので、この場合にはコマンド送信中であると判断されて、タイマ割り込み処理にリターンし、停電時処理は実行されない。
なお、未送信となっているこの2バイト目のコマンドデータは、リターン後に実行される次のタイマ割込処理中に発生するコマンド出力処理(図13、ステップ211)の中で送信処理されるから、その次のタイマ割込処理タイミングになると、このコマンドの送信処理は完了していることになる。
このように停電時処理の最初に、コマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理が終了してから停電時処理を実行すれば、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムや復電処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してプログラムメモリ(ROM83)の小容量化を図れる。
ここで、単位コマンドの送信を完了するには2回のタイマ割込処理の実行が必要なので、少なくとも3回以上タイマ割込処理を実行でき、しかも停電時処理の後記するステップ301以降のステップ308までの処理を実行するに十分な時間の間は、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持される必要がある。
実施の形態では、タイマ割込処理の周期が1.49msecであるので、停電が発生してから(1.49msec×3回=4.47msec)+α以上、例えば30msecの間、電源装置56の電源部56aから駆動電圧が出力され続けるようになっている。
よって、メイン制御基板80は、コマンドの送信途中に停電が発生しても、停電時処理を正常に実行することができる。
ステップ301においてコマンド送信中でない場合、ステップ302以降の中断処理が実行される。
ステップ302では、MPU81のスタックポインタの値を、RAM84内のスタックポインタ保存用メモリ領域84bに保存し、ステップ303において、チェックサム補正値用メモリ領域84aの値をクリア(=0)にすると共に、ステップ304において、入出力ポート82における出力ポートの出力状態をクリアして、全てのアクチュエータ(図11において図示されていない)をオフ状態にする。
ステップ305において、RAM84の全ての値を加算してチェックサムを算出し、ステップ306において、算出したチェックサムより2の補数を求めて、これをチェックサム補正値として新たにチェックサム補正値用メモリ領域84aに書き込む。
この算出処理によって得られた補正値を使用することで、RAM84のチェックサムはゼロになる。RAM84のチェックサムをゼロにすることで、それ以後のRAM84への書き込みが禁止される(ステップ307)。
ステップ308において、停電発生信号が未だに入力されているか否かを確認する。
このステップ308の処理は、制御系の駆動電圧が安定化電圧(5ボルト)以下になるまで繰り返され、その間は無限ループ処理となる。
ステップ308において、制御系の駆動電圧が安定化電圧(5ボルト)以下になる前に停電発生信号の入力がなくなると、この場合には停電状態が復旧したことになるので、ステップ309においてRAM84への書き込みを許可すると共に、ステップ310において、停電フラグをリセットしたのち、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
この停電時処理は、タイマ割込処理のレジスタ退避処理(図13、ステップ201)の直後にされるので、MPU81に設けられた複数のレジスタからの退避処理を行わない。よって、リターン命令を実行するときもこれらレジスタへの復帰処理は不要であるので、停電時処理プログラムの小容量化を達成できる。
停電発生信号のチェックは停電時処理の実行中のみならず、その実行後でも駆動電圧が安定化電圧(5ボルト)以下になるまで行っているので、例えばノイズなどに起因して停電フラグが誤ってセットされてしまったような場合でも、制御を無限ループに突入させることなく、正常に復帰させることができる。
[メイン処理]
図15は、電源投入時にメイン制御基板80で実行されるメイン処理のフローチャートである。電源スイッチがオン操作されてスロットマシン10の電源が投入されると(停電からの復旧による電源入を含む)、この処理が実行される。
まず、初期化処理として、スタックポインタの値を設定し(ステップ401)、割込モードを設定し(ステップ402)、そしてCTC・内蔵レジスタの設定処理を行う(ステップ403)。
初期化処理が終了すると、ステップ404において、リセットスイッチ123(図4参照)がオン操作されているか否かが確認される。
オン操作されている場合には、ステップ405においてRAMクリア処理が実行されて、RAM84に書き込まれたデータが全てクリア(0クリア)される。
ステップ404においてリセットスイッチ123がオン操作されていない場合には、ステップステップ406において、設定キースイッチ122(図4参照)のオン/オフ状態が確認される。
ステップ406においてオン状態である場合には、ステップ407において、RAMクリア処理が実行されて、RAM84に書き込まれたデータが全てクリア(0クリア)され、ステップ408において、設定キースイッチ122の操作位置に対応した6段階確率設定処理が実行される。
ステップ406において設定キースイッチ122がオン状態でない、すなわちオフ状態である場合、ステップ409において、停電フラグがセットされているか否かが確認される。
RAMクリア処理(ステップ405、407)が実行されている場合には、RAM84内のバックアップデータがクリアされており、停電フラグはリセットされている。
よって、停電フラグがセットされていない(リセットされている)場合には、後記する通常遊技処理(ステップ410)に移行し、これによりスロットマシン10において通常遊技処理が繰り返し実行される。
ステップ409において、停電フラグがセットされている場合には、ステップ411以降の復電処理に移行する。
ここで、停電フラグがセットされた状態である場合には、RAMクリア処理(ステップ405、407)が実行されておらず、RAM74内のデータは全く書き替えられていないことになるので、復電処理では、RAM84のデータなどが正常であるか否かの確認を行っている。
復電処理では、ステップ411において、RAM84のチェックサムの値を調べて、その値が正常であるか否かを確認する。
具体的には、チェックサム補正値を加味したチェックサムの値がゼロであれば正常であると判断する。
これは、前記した停電時処理(図14)においてRAM84にバックアップデータを書き込む際に、RAM84のチェックサムの値がゼロになるようにその補正値が設定されており、チェックサム値がゼロであると、RAM84へのバックアップ処理は正常に行われたことになるからである。
ステップ411においてチェックサム値が正常でない、すなわちチェックサムの値がゼロでない場合、RAM84へのバックアップ処理中にデータが破壊された可能性が高いことになるので、ステップ412〜ステップ414の動作禁止処理が実行される。
具体的には、ステップ412において、次回のタイマ割込処理を禁止し、ステップ413において、入出力ポート82内の全ての出力ポートをクリアして、入出力ポート82に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御し、ステップ317において、エラー表示処理を実行して、バックアップエラーの発生を報知したのち、無限ループに入る。
ステップ411においてチェックサム値が正常であると判定された場合には、ステップ415において、RAM84のバックアップエリアに保存されたスタックポインタの値を、MPU81のスタックポインタに書き込んで、スタックの状態を電源が切断される前の状態に復帰させる処理(スタックポインタ復帰処理)が実行される。
そステップ416において、復電処理時に使用するコマンド(復電コマンド)が設定されて、RAM84に保存される。
ステップ417において、遊技状態として打ち止め、自動精算設定処理が実行されて、ステップ418において、スイッチ状態の初期化などが実行される。
そして、ステップ419において停電フラグをリセットして、停電発生情報を初期化したのち、電源断前の番地に復帰する。具体的には、タイマ割込処理(図13)に復帰して、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップ204)が実行される。
[通常遊技処理]
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常遊技処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
メダルがベットされたのちに、スタートレバー45が操作されると(ステップ501、ステップ502においてYes)、ステップ503の抽選処理と、ステップ504のリール制御処理と、ステップ505のメダル払出処理と、ステップ506の特別遊技状態処理と、が順番に実行されたのち、ステップ501の処理にリターンする。
なお、ステップ501においてメダルがベットされていない場合、ステップ501においてメダルがベットされた場合であってもステップ502においてスタートレバー45が操作されていない場合には、ステップ501の処理にリターンするようになっており、メダルのベットとスタートレバー45の操作が行われるまで、ステップ501とステップ502の判断処理が繰り返し実行されることになる。
[抽選処理]
ステップ503の抽選処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ステップ601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。
ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」の何れかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。
また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚の何れかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比べて3倍以上高い確率となっている。
さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在のメダルの払出率(出玉率)が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップ602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー45が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を実行する。そして、ステップ603において、予め設定されている複数の入賞役のうちの何れかに当選したか否かを確認し、何れの入賞役にも当選していない場合には、そのまま処理を終了する。
何れかの入賞役に当選した場合には、ステップ604において、当選した入賞役のフラグ(当選フラグ)をセットすると共に、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。よって、当選した入賞役がBB(ビッグボーナス)である場合には、BB当選フラグがセットされる。
ステップ605において、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM84のスベリテーブル格納エリアに格納する。
ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン46〜48が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄が所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
この抽選処理が終了すると、図16の通常遊技処理において、リール制御処理(ステップ504)が実行される。
[リール制御処理]
次に、通常処理のリール制御処理(図16、ステップ504)を、図18のフローチャートを参照して説明する。
リール制御処理では、始めにステップ701においてウエイト処理が実行される。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまでの間、今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。
このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー45を操作したとしても、直ちに各リール61(61L、61M、61R)が回転しないことがある。
ステップ701のウエイト処理が実行されると、ステップ702のリール回転処理が実行されて、各リール61(61L、61M、61R)が回転する。なお、リール回転処理は後で詳細に説明する。
ステップ703において、ストップボタン46〜48の何れかが押下操作されてリール61L〜61Rの停止指令が発生したか否かを確認する。停止指令が発生していない場合には、ステップ704において、予め定められた各リール61(61L、61M、61R)の最大回転時間(例えば40秒)が経過したか否かを確認する。
最大回転時間が経過していない場合にはステップ703の処理にリターンし、最大回転時間を経過している場合には、ステップ705において、回転中の全てのリール61(61L、61M、61R)を強制的に停止させる強制停止処理が実行される。
ステップ703において停止指令が発生している場合には、ステップ706においてリール停止処理を行う。
このリール停止処理では、押下操作されたストップボタン46〜48に対応するリール61(61L、61M、61R)を、ストップボタン46〜48の操作タイミングに応じて停止させる。この際、前記した役の抽選処理(図16、ステップ503)において何れかの役に当選しており、当選フラグがセットされている場合には、RAM84に記憶されたスベリテーブル84cを参照して、当選した役の図柄が有効ライン上で止まるように、リール61の停止を可能な限り制御する。
例えば、下段の水平ラインc(下段の有効ライン)上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上段の水平ラインa上に停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下段の有効ラインcに「スイカ」図柄が停止するように、図柄2つ分だけ滑らせてからリールを停止させる。すなわち、リールを多く回転させてから停止させる。
ただし、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンの押下操作のタイミングによっては、下段の有効ラインc上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。
なお、ステップ705の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行うようにしても良い。
続いて、ステップ707では今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを確認する。ここで、第1停止指令は、3つのリール61(61L、61M、61R)の全てが回転しているときにストップボタンが押下操作された時に出力される指令である。
ステップ707において停止指令が第1停止指令である場合には、ステップ708において、スベリテーブル変更処理を実行する。
このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した役の図柄を有効ライン上に停止させる場合に、役の複合が発生するか否かを確認し、役の複合が発生しない場合には、そのまま次のステップに移行し、役の複合が発生する場合には、有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に、変更後の有効ライン用のスベリテーブルに変更した後に、次のステップに移行する。
ここで、役の複合とは、例えば上段の水平ラインa上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下段の水平ラインc上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
ステップ707において、停止指令が第1停止指令でない場合には、ステップ709において、第2停止指令であるか否かを確認する。
ここで、第2停止指令は、3つのリールのうち1つのリールが停止し、2つのリールが回転しているときにストップボタンが押下操作されたときに出力される指令である。
ステップ709において停止指令が第2停止指令である場合には、ステップ710において、停止目判定処理を実行する。
この停止目判定処理では、2つの目のリールが停止したのち、停止している2つのリールの同一の有効ライン上に位置する図柄が、図柄「7」などの同一のボーナス図柄であるか否かを確認する。そして、ボーナス図柄でない場合にはそのまま次のステップに移行し、ボーナス図柄である場合には、最後に停止させるリールのボーナス図柄が有効ライン上に停止するとボーナスへの入賞が確定することを遊技者に報知するために、例えばスピーカ14から効果音等を発生させるなどの報知処理を実行したのちに、次のステップに移行する。
なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に液晶ディスプレイ15を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップ705の強制停止処理、ステップ708のスベリテーブル変更処理、
またはステップ710の停止目判定処理に続いて、若しくはステップ709において停止指令が第2停止指令でない場合には、ステップ711において、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止したか否かを確認する。
総てのリール61が停止していない場合には、ステップ703の処理にリターンし、総てのリール61が停止している場合には、ステップ712において払出判定処理を実行したのち、処理を終了する。
払出判定処理では、役の図柄が有効ライン上に並んでいるか否かを確認し、有効ライン上に並んでいない場合には、RAM84の払出予定枚数カウンタ84dの値に「0」をセットし、有効ライン上に並んでいる場合には、その図柄が、抽選処理(図16、ステップ503)において当選していた役の図柄と一致しているか否かを確認する。
そして、一致していない場合には、上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に、払出予定枚数カウンタ84dの値に「0」をセットする。
一方、一致している場合には、有効ライン上に並んだ図柄の役に対応する払出枚数を、払出予定枚数カウンタ84dの値にセットする。
図10に示すように、有効ライン上に3つのベル図柄が揃った場合には、払出予定枚数カウンタ84dの値に「10」がセットされる。
このリール制御処理が終了すると、図16の通常遊技処理において、メダル払出処理(ステップ505)が実行される。
[メダル払出処理]
メダル払出処理の詳細を、図19のフローチャートを参照して説明する。
このメダル払出処理では、ステップ801において、遊技機から払い出されるメダルの予定枚数(払出予定枚数)と、払い出されたメダルの枚数(払出枚数)とが一致しているか否かが確認される。
ここで、払出枚数は、RAM84の払出枚数カウンタ84eの値により特定され、払出予定枚数は、RAM84の払出予定枚数カウンタ84dの値により特定される。
ステップ801において、払出枚数と払出予定枚数とが一致していない場合、ステップ802において、遊技がクレジットモードで行われているか否かを確認する。
クレジットモードであるか否かは、切換操作検出センサ44aの出力信号に基づいて特定される。
クレジットモードである場合には、ステップ803において、遊技機側で電子的に記憶されているメダルの枚数(クレジット枚数)が、上限枚数(例えば50枚)に達しているか否かが確認される。
上限枚数に達していない場合、ステップ804において、クレジット枚数カウンタの値と、払出枚数カウンタ84eの値が、それぞれ「1」ずつ加算(インクリメント)される。
これにより、表示パネル30のクレジット枚数表示部35と獲得枚数表示部37に表示されているメダルの枚数が、それぞれ「1」ずつ加算されることになる。
一方、ステップ802において遊技がクレジットモードで行われていない場合(ダイレクトモードで行われている場合)、またはステップ803においてクレジット枚数が上限枚数に達している場合には、ステップ805において、ホッパ装置52のメダル払出用回転板(図示せず)を駆動して、ホッパ装置52内のメダルの前面扉12のメダル受け皿18への払い出しを実行する。
ここで、ホッパ装置52には、払い出されたメダルの枚数をカウントするためのセンサ(メダル払出検出センサ52a)が設けられているので、メダル払出検出センサ52aから出力されるメダル検出信号に応じて、メダルの払出枚数をカウントする払出枚数カウンタ84eの値が「1」加算される。これにより表示パネル30の獲得枚数表示部37に表示されているメダルの獲得枚数が「1」加算される。
ステップ804またはステップ806の処理が終了すると、ステップ801の処理にリターンする。そして、ステップ801において、払出枚数と払出予定枚数とが一致した場合には、メダル払出処理を終了する。
よって、ホッパ装置52からの払出枚数、またはホッパ装置52からの払出枚数数とクレジット枚数とを加算した枚数が、払出予定枚数と一致するまで、ステップ802からステップ804またはステップ806までの処理が繰り返し実行される。
そして、払出枚数と払出予定枚数とが一致すると、ステップ807においてホッパ装置52のメダル払出用回転板(図示せず)を停止させて、メダル払出処理を終了する。
なお、払出枚数カウンタ84eや払出予定枚数カウンタ84dの値は、次回の遊技の際にスタートレバー45が操作された時点でリセットされるようになっている。
このメダル払出処理が終了すると、図16の通常遊技処理において、特別遊技状態処理(ステップ506)が実行される。
[特別遊技状態処理]
特別遊技状態処理を、図20のフローチャートを参照して説明する。
ここで、実施の形態では、特別遊技状態の入賞役として、RB(レギュラーボーナス)と、BB(ビッグボーナス)とが設定されている。
図20の特別遊技状態処理では、ステップ901において、遊技機の遊技状態が特別遊技状態(RB、BB)であるか否かが確認される。
ここで、RB(レギュラーボーナス)は、12回のJACゲームで構成される。
JACゲームは、メダルを1枚のみベットできるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率(JAC図柄成立の確率)が非常に高いゲームである。
このJACゲームでは、JAC図柄が有効ライン上に揃う(JAC図柄が成立する)と、最大枚数(例えば15枚)のメダルが払い出される。また、JAC図柄の成立が8回あると、12回のJACゲームが消化される前であっても、RBが終了するようになっている。
BB(ビッグボーナス)は、30回の小役ゲームと、3回のJACインとから構成されている。
小役ゲームは、小役成立図柄(例えば「ベル」)が有効ライン上に揃う確率が高いゲームである。
JACインとは、12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うと、JACゲームが開始されるようになっている。
BBにおけるJACゲームの内容は、前記したRBのJACゲームと同じであり、BB中に最大で3回のJACインが可能となっている。
なお、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると、30回の小役ゲームが消化される前であっても、BBが終了するようになっている。
ステップ901において、遊技状態が特別遊技状態でない場合(ボーナスゲーム中でない場合)には、ステップ902において、ボーナス図柄判定処理が実行される。
[ボーナス図柄判定処理]
図21は、ボーナス図柄判定処理のフローチャートである。図22は、RBへの入賞が確定した際に、各カウンタに設定される値の初期値を示すテーブル(RB初期値テーブル)である。図23の(a)は、BBへの入賞か確定した際に、各カウンタに設定される値の初期値を示すテーブル(BB初期値テーブル)であり、(b)は、BB中にジャックインした際に、各カウンタに設定される値の初期値を示すテーブル(JACイン初期値テーブル)である。
図21に示すボーナス図柄判定処理では、ステップ1001において、RB当選フラグがセットされているか否かを確認される。
前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、RBに当選している場合には、RB当選フラグがセットされているからである。
RB当選フラグがセットされている場合(ステップ1001においてYes)、ステップ1002において、RBへの入賞が確定したか否かを確認するために、RB図柄(例えば図柄「7」)が有効ライン上に揃っているか否かを確認する。
内部抽選でRBに当選していても、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際にRBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていないと、RBへの入賞が確定しないからである。
ステップ1002において、RBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていない場合には、処理を終了する。
一方、有効ライン上に揃っている場合(ステップ1002においてYes)には、ステップ1003において、RB当選フラグのリセット、RBへの入賞が確定したことを示すRB設定フラグのセットが行われたのち、RB中に使用される各カウンタの値に、RB初期値テーブル(図22)に規定された初期値がセットされる。
具体的には、図22に示すように、RBには小役ゲームがないので残り小役ゲームカウンタの値が「0」にセットされ、残JACインカウンタの値が「1」にセットされ、残JAC成立カウンタの値が「8」にセットされ、残JACゲームカウンタの値が「12」にセットされる。
ステップ1001においてRB当選フラグがセットされていない場合には、ステップ1004において、BB当選フラグがセットされているか否かが確認される。
前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、BBに当選している場合には、BB当選フラグがセットされているからである。
BB当選フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。
一方、BB当選フラグがセットされている場合(ステップ1004においてYes)には、ステップ1005において、BBへの入賞が確定したか否かを確認するために、BB図柄(例えば図柄「7(超)」)が有効ライン上に揃っているか否かを確認する。
内部抽選でBBに当選していても、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際にBBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていないと、BBへの入賞が確定しないからである。
ステップ1005において、BBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていない場合には、処理を終了する。
一方、有効ライン上に揃っている場合(ステップ1005においてYes)には、ステップ1006において、BB当選フラグのリセット、BBへの入賞が確定したことを示すBB設定フラグのセットが行われたのちに、BB中に使用される各カウンタの値に、BB初期値テーブル(図23の(a))に規定された初期値がセットされる。
具体的には、残小役ゲームカウンタの値が「30」にセットされ、残JACインカウンタの値が「3」にセットされる。
ここで、RB初期値テーブル(図22)とBB初期値テーブル(図23の(a))に規定されている各カウンタの内容を説明する。
残小役ゲームカウンタは、小役ゲームの残りゲーム数を示し、残JACインカウンタは、JACイン可能な残り回数を示し、残JAC成立カウンタは、JAC図柄が成立可能な残り回数を示し、残JACゲームカウンタは、JACゲームの残りゲーム数を示している。
実施の形態では、これらカウンタの値は、表示パネル30(図1参照)のゲーム数表示部36に適宜表示されるようになっている。
ちなみに、前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、小役またはリプレイに当選して、小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされている場合には、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際に小役またはリプレイの入賞図柄が有効ライン上に揃っていないと、小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグはリセットされるようになっている。
一方、RB当選フラグおよびBB当選フラグの場合には、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際に入賞図柄が有効ライン上に揃っていない場合であっても、フラグはリセットされずに、セットされたままにされて、次のゲームに持ち越されるようになっている。
そして、BB当選フラグまたはRB当選フラグが持ち越しされた次ゲームにおける抽選処理(図16のステップ503)では、小役またはリプレイについての抽選は行われるが、BBまたはRBについての抽選は行われない。また、BB当選フラグまたはRB当選フラグが持ち越されたゲームにおいて、小役またはリプレイに当選した場合には、小役またはリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
図20の特別遊技状態処理の説明に戻って、ステップ901において特別遊技状態である場合(ボーナスゲーム中である場合)には、ステップ903において、JACゲーム中であるか否かが確認される。
JACゲーム中でない場合には、BBゲームの小役ゲーム中であることになるので、ステップ904の処理に移行して、JAC図柄が有効ライン上に揃っているか否かが確認される。
JAC図柄が有効ライン上に揃っている場合(ステップ904においてYes)には、ステップ905において、BBにおけるJACゲーム中に使用される各カウンタの値に、BB中のJACゲーム用の初期値テーブル(図23の(b))に規定された初期値がセットされて、JACゲームが開始される。
具体的には、残JAC成立カウンタの値が「8」にセットされ、残JACゲームカウンタの値が「12」にセットされる。
一方、ステップ904においてJAC図柄が有効ライン上に揃っていない場合ステップ904においてNo)には、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップ906にて残小役ゲームカウンタの値を「1」減算(ディクリメント)する。
そして、ステップ907において、小役ゲームがBBの終了を規定する所定回数実行されたか否かを確認するために、残小役ゲームカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。
ステップ907において残小役ゲームカウンタの値が「0」でない場合には、処理を終了し、「0」である場合には、ステップ908において、特別遊技状態終了処理を実行する。具体的には、各種設定フラグ(例えばBB設定フラグ)のリセットや、各種カウンタ(例えば残小役ゲームカウンタ、図23の(a)参照)の値のゼロクリア、液晶ディスプレイ15に特別遊技状態の終了を告げるための演出画面を表示させるための処理などが、実行される。
ステップ903においてJACゲーム中である場合には、ステップ909において、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを確認する。
揃っている場合には、ステップ910において、残JAC成立カウンタの値を「1」減算(ディクリメント)したのち、ステップ911の処理に移行する。
揃っていない場合には、ステップ910の処理をスキップして、ステップ911の処理に移行する。
ステップ911では、この時点においてJACゲームが1つ消化されたことになるので、残JACゲームカウンタの値を「1」減算する。
ステップ912において、残JAC成立カウンタと、残JACゲームカウンタのうちの何れかの値が「0」であるか否かを確認する。
残JAC成立カウンタと残JACゲームカウンタの何れも「0」でない場合には、JACゲームが上限回数(12回)消化されていない、JACゲーム図柄の成立が上限回数(8回)に達していないことになるので、そのまま処理を終了する。
残JACゲームカウンタが「0」である場合(JACゲームが上限回数(12回)消化された場合)、または残JAC成立カウンタが「0」である場合(JACゲーム図柄の成立回数が上限回数に達した場合)には、ステップ913において残JACインカウンタの値を「1」減算(ディクリメント)する。
そして、ステップ914において、残JACインカウンタの値が「0」であるか否かを確認し、「0」である場合には、ステップ908の特別遊技状態終了処理が実行される。
ここで、今回の特別遊技状態がRBである場合には、ステップ908の特別遊技状態終了処理において、遊技機の状態がRB中であることを示すRB設定フラグがリセットされると共に、各種カウンタ(例えば残JACゲームカウンタなど、図22参照)の値のゼロクリア、液晶ディスプレイ15に特別遊技状態の終了を告げるための演出処理を表示させるための処理などが、実行される。
ステップ914において残JACインカウンタの値が「0」でない場合、BBゲームにおいてJACインが3回消化されていないことになるので、ステップ915においてJACゲーム終了処理が実行されて、JACゲーム設定フラグがリセットされることになる。
また、今回のJACインのときに、小役ゲームを1ゲーム消化していることになるので、ステップ906において残小役ゲームカウンタの値を「1」減算(ディクリメント)する。
そして、ステップ907において、小役ゲームがBBの終了を規定する所定回数実行されたか否かを確認するために、残小役ゲームカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。
ステップ907において残小役ゲームカウンタの値が「0」である場合には、ステップ908において、特別遊技状態終了処理を実行する。具体的には、各種設定フラグ(例えばBB設定フラグ)のリセットや、各種カウンタ(例えば残小役ゲームカウンタ、図23の(a)参照)の値のゼロクリア、液晶ディスプレイ15に特別遊技状態の終了を告げるための演出処理を表示させるための処理などが、実行される。
一方、ステップ907において残小役ゲームカウンタの値が「0」でない場合には、BBにおける小役ゲーム数が上限回数(30回)に達しておらず、かつJACインが3回消化されていないことになるので、処理を終了して、次の特別遊技状態におけるゲームが継続されることになる。
次に、リールを回転させる場合と、停止させる場合におけるモータ制御処理を説明する。
始めに、スロットマシン10の駆動モータとしてステッピングモータ79を使用する場合に要求される駆動特性を、図24を参照して説明する。
この駆動特性は、スタートレバー45が操作されてからステッピングモータ79が回転を始めて一定の定速回転に至るまでの加速期間Taと、定速回転期間とに大別でき、定速回転期間は、ストップボタン46〜48が押下操作されるまで回転速度を維持しつづける維持期間(定速時間)Tbと、ストップボタン46〜48の押下操作に基づいて所定のスベリを伴いながら停止する停止期間Tcとに分けられる。
加速期間Taの長さに関する規制は設けられていないのに対して、ストップボタン46〜48が操作されていないときは、加速期間Taに定速期間Tbを加えた時間は30msec以上でなければならないという規制がある。停止期間Tcもストップボタン46〜48を操作してから最大約190msec以内にステッピングモータ79の励磁相を固定することが要求されている。
ここで、ステッピングモータ79は加速状態からできるだけ早く定速回転状態に移行させることが望ましい。そのためにはステッピングモータ79に対する励磁相への割込み(励磁相である1相励磁から2相励磁への切り替え、および2相励磁から1相励磁への切り替えをいう)を早めればよいが、そうすると前記したように脱調や回転の不安定性をもたらす恐れがある。従って、かかる懸念を伴わない範囲で最短の加速処理を実現する最適な割込み処理を行う必要がある。
割込処理によって励磁信号を励磁コイルに印加する本実施形態において、励磁相への適切な割込みタイミングを設定する必要がある。このため、まずモータ加速時におけるロータ790の回転揺れが抑えられるまでの間は、同一励磁相により励磁状態を固定する。
基本的には、初期励磁(初速ゼロのときの励磁)の状態をある程度まで維持しないと脱調や回転の不安定性が解消しにくいことを考慮する。
これは、初期励磁によって発生する吸引力によって、ロータ790の歯が第1ポール793〜第4ポール796の突起に吸引されるときに発生するロータ790の回転揺れ(往復動を伴った微小振動)の収束程度に係ってくる。
リール61(61L、61M、61R)のイナ−シャーなどによっても相違するが、実験によれば30msecで1往復(サイクル)する揺れが5〜6往復位繰り返してからロータ790が停止した。
従って、回転揺れをなくしながら加速処理を行うには、同一励磁相で固定する時間として、少なくとも初期励磁をしてから150〜180msecの時間が必要になることが判明した。
従って、初期励磁相を固定する初期励磁保持期間としてこの時間を超えた時間を設定すればよい。
実施の形態では、MPU81に対するタイマ割込処理が1.49msec毎に実行されているので、初期励磁保持期間を1.49msec×130割り込み=193.7msecに設定した加速テーブル(図25参照)に基づいて、リールの加速制御を実行している。なお、180msecを超えていれば良いので、1.49msec×121割り込み=180.29msecを初期励磁保持期間としても良い。
これにより、130割込分の初期励磁保持期間の間は、図8に示す励磁信号用の励磁データ(例えば励磁順2に示す励磁データ09H)(Hはヘキサデジマル表示)が入出力ポート82から連続してモータドライバ100に出力される。
加速期間Taのうちで、初期励磁を行う加速期間を第1の加速期間とし、定速回転に至るまでの加速期間を第2の加速期間とすれば、例えば図25に示すように、第2の加速期間では定速回転に至るべく励磁信号の励磁相への割込み処理が頻繁に行われる。
ここで、初期励磁の励磁相を1相励磁とするか、2相励磁とするかが問題となる。初期励磁は高トルクでロータ790を回転させる必要があり、初期励磁の励磁相は1相励磁よりもさらに高トルクが得られる2相励磁が好ましい。これは以下に示すような理由による。
まずステッピングモータとして1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータでは、加速時の初期励磁相としては、1相励磁の他に2相励磁が考えられる。
1相励磁は特定の励磁相のみを駆動するもので、この1相励磁によって初速時の回転トルクを得る。これに対して2相励磁は特定の2つの励磁相を同時に駆動するもので、2相励磁によって初速時の回転トルクを得る。リールの大きさやイナーシャーなどによっても相違するが、通常のスロットマシンであれば1相励磁でもリールを初速ゼロから加速させることが可能である。
しかしながら、1相励磁の場合には2相励磁と比較して発生する回転トルクが小さいため、十分な初速が得られない可能性がある。十分な初速が得られなければ脱調する可能性が高くなるため、初期励磁は2相励磁が好ましい。また、ストップボタン46〜48の押下操作に基づいてリール61(61L、61M、61R)にブレーキ(制動)をかけてから実際に停止するまでには、所定のステップ角分だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しつつ次回の加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力は大きい方が好ましい。2相励磁の場合には1相励磁よりも電磁的吸引力が大きいので、この角度のずれに伴う回転揺れを素早く吸収することができる。以上のことを総合的に勘案すると、初期励磁は1相励磁より2相励磁の方が好ましいことになる。
初期励磁を2相励磁に設定した場合で、しかも第2の加速期間内で所定の回転速度まで短時間に到達させるための割込みタイミングとしては、図25に示すようなタイミング例が好適である。また、初期励磁としての2相励磁は、図8に示した励磁順のうち最も早い励磁順2を選択することができる。もちろん、回転停止時の励磁相によっては、異なる励磁順(励磁順4、励磁順6または励磁順8)となる場合もある。1.49msecごとの割込みタイミングに同期して励磁信号を印加してからは130割込み(193.7msec)の間、この励磁状態を保持する。
第2の加速期間では、1−2相励磁を交互に繰り返すが、励磁相への割込みタイミング(相励磁の保持期間)として、図25のように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。この例では、第2の加速期間に入ると、2相励磁に続く1相励磁が8割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるというように、割込みが漸次短くなるように設定して励磁時間を漸次短縮すると共に、最後には最小の割込み間隔で励磁相が順次切り替わる通常の1−2相励磁となるように設定されている。
したがって図25に示すように、第2の加速期間における最後の励磁相が2相励磁であってこれが1割込みであるときには、次の定速回転期間における最初の励磁相は1相励磁であって割込み間隔は1割込みとなる。
このように第2の加速期間での割込み処理タイミングを、定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができると共に、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。
なお、図25に示す第2の加速期間は全体の加速期間Taが317.370msecに設定されているときの例であり、全体の加速期間Taがこれとは異なる時間に設定されているときには、その時間に応じて第2の加速期間が選定されると共に図25とは異なる割込み処理が行われることは言うまでもない。
図24のステッピングモータ79の駆動特性に関する説明に戻ると、リール61(61L、61M、61R)を停止させる際には、上述したようにスベリ処理(1〜4図柄分の回転処理)とブレーキ処理とを、所定時間ts(=190msec)以内に行う必要がある。
ブレーキ処理を行う際には、2相励磁を行った直後に4相励磁を行う。2相励磁のみにてブレーキ処理を行った場合、強い制動力によって回転速度が急激に低下して回転が乱調する可能性がある。しかし、2相励磁直後に4相励磁を行うことにより、回転を乱調させることなく滑らかにリール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)を停止させることができる。また、1相励磁よりも2相励磁のときの方が回転位置を特定し易いため、2相励磁の直後に4相励磁を行うことで停止位置精度を高めることもできる。
いため、2相励磁の直後に4相励磁を行うことで停止位置精度を高めることもできる。
ステッピングモータ79を駆動するための駆動信号の生成処理は、MPU81において定期的に実行されるタイマ割込処理(図13)で行われる。
駆動信号としては、ROM83に記憶された励磁テーブル83a(図8参照)の励磁データが利用される。励磁テーブル83aでは、図8に示すように、励磁データの使用される順番(励磁順)が規定されており、励磁データは、励磁順にしたがってモータドライバ100に供給される。
そのため、励磁テーブル83aの励磁データは、タイマ割込みが発生する度に、順番に読み出されて、入出力ポート82の出力ポートに書き込まれる。
この入出力ポート82に書き込まれた励磁データは、即座にモータドライバ100に供給されて、励磁コイルL0〜L3へ通電処理が実行される。
ここで、メイン制御基板80において実行されるリールの回転に関わる制御について説明する。
具体的には通常遊技処理のリール制御処理(図16、ステップ504)において実行されるリール回転処理(図18のステップ702)、およびタイマ割込み処理において実行されるステッピングモータ制御処理(図13のステップ206)について説明する。
なお、説明の便宜上、ステッピングモータ制御処理を先に説明し、その後リール回転処理について説明する。
[ステッピングモータ制御処理]
図26は、タイマ割込み処理において実行されるステッピングモータ制御処理(図13のステップ206)の詳細を示すフローチャートである。
このステッピングモータ制御処理では、ステップ1101においてステッピングモータ79の制御に関わる初期化処理が終了すると、ステップ1102のモータ制御処理において、ステッピングモータ79の回転制御のための駆動信号(励磁データ)の生成処理が実行され、生成された励磁データは一時的にRAM84に保存される。なお、モータ制御処理では、励磁データの生成処理の他に図柄のオフセット処理や、図柄番号の更新処理などが実行される。
回転制御のための駆動信号(励磁データ)の生成処理(RAM84からの励磁データ取得処理)などはそれぞれのリール61(61L、61M、61R)に対して順次実行される。1つのリール61、例えば左リール61Lに対する励磁データの生成処理などはRAM84の作業用エリアに設けられた左リール61L用の回転制御データ(後述する)を使用して行われ、その生成処理などが終了すると、次のリール、例えば中リール61Mに対しての励磁データ生成処理などに遷移する。
従って、ステップ1103では、ソフト的に次の作業用エリアへの遷移処理(アドレス変更処理)を行い、続くステップ1104では全てのリールに対する励磁データの生成処理などが終了したか否かを確認する。全てのリールに対する励磁データの生成処理などが終了していない場合には、ステップ1102に戻り、残りのリールに対する励磁データの生成処理などが行われる。
3つのリール61(61L、61M、61R)の全てに対する回転制御処理、つまり励磁データの生成が終了したときには、ステップ1105において、RAM84に保存されているデータのうち各リール61(61L、61M、61R)に対する励磁データが入出力ポート82に出力される。
入出力ポート82への出力は、入出力ポート82の対応する出力ポートへのデータ書き込み処理であるから、モータドライバ100には励磁データの入出力ポート82への書き込みと同時に励磁データが供給されたことになる。その結果、ステッピングモータ79は即座に励磁データによって指定された励磁相への通電処理が行われてロータ790に対する励磁処理がなされることとなる。
図27および図28は、ステッピングモータ制御処理におけるモータ制御処理(ステップ1102)の具体的な処理例である。
このモータ制御処理では、少なくともウエイトタイマ84f、加速カウンタ84gおよび励磁順ポインタ84h(何れもRAM84を利用したソフトウエア処理)が使用される。
ここに、1つのタイマ割り込み期間を単位励磁時間Tとしたとき、ウエイトタイマ84fには同一の励磁モードでの励磁時間(タイマ割り込み数)が設定される。
図25にその一例を示した。第1の加速期間では2相励磁モード(加速順序1)が130単位、つまり130割り込み分だけ連続して実行される。したがって、ウエイトタイマ84fには「130」がセットされる。ちなみに、そのときの総励磁時間は、130×1.49msec=193.7msとなる。タイマ割り込みは1.49msecごとに行われるからである。
同様に、例えば第2の加速期間にあって、加速順序2では1相励磁モードが8単位(=8割り込み=8励磁時間)に亘って連続して実行されるので、ウエイトタイマ84fには「8」がセットされる。
加速カウンタ84gは、図25において加速順序を指定するためのものである。図25の場合、加速処理は25ステップの励磁パターン(加速順序1〜25)で構成されている。特定の加速位置を指定するには、図25のように「0」から「24」までのカウンタ値(加速カウンタの値)を指定すればよいので、加速カウンタの初期値は本来「24」あるいは「0」であるが、後述するようにこの実施の形態でのソフトウエアの構成では、加速カウンタに設定される初期値は「25」となされている。
図25の加速テーブルの内容はROM83に保存されているので、図25を励磁時間および加速カウンタテーブルと呼称する場合もある。
励磁順ポインタ84hは、ステッピングモータ79に対する励磁相を決めるときに使用されるポインタである。1−2相励磁のステッピングモータ79を使用する場合、1相励磁と2相励磁を交互に行うが、そのときの相励磁パターンは、図8の励磁テーブル83aに示すように8パターンとなる。どの相励磁のときにどの励磁データを取得するのか、この励磁順ポインタの値(0〜7)によって指定される。
回転開始時の励磁順ポインタ84hの値は、後述するように直前にモータを停止させたときに使用した励磁相が、どのパターンに属する励磁相を使用したかによって相違する。回転中は順次励磁順ポインタの値を更新しながら使用する。
続いて、スタートレバー45およびストップボタン46〜48の操作に関連させてモータ制御処理を説明する。以下の説明はあくまでも1つのリールを制御するためのステッピングモータ79に対する処理例である。
[その1.スタートレバー45の操作前の処理]
スタートレバー45が操作される前のウエイトタイマ84fの値は「0(ゼロ)」であり、加速カウンタ84gの値も「0(ゼロ)」である。
そのため、モータ制御処理がコールされると、まずウエイトタイマ84fの値がゼロであるので(ステップ1201)、ステップ1211に移行して加速カウンタ84gの値をチェックする。加速カウンタ84gの値もゼロであるので、この場合にはステップ1212において出力励磁データは「0(ゼロ)」に設定されて保存される。
その後、図13のタイマ割り込み処理にリターンする。出力励磁データがゼロであるので、スタートレバー45の操作前のモードでは、ステッピングモータ79は回転停止状態となっている。
[その2.スタートレバー45が操作されたときの処理]
スタートレバー45の操作は、通常遊技処理(図16のステップ502)において検出される。スタートレバー45の操作が検出されると、後記するリール回転処理において、加速カウンタ84gの値が「25」に設定される。
スタートレバー45が操作されてもウエイトタイマ84fの値は依然として「0(ゼロ)」であるから、この場合にもステップ1201を経てステップ1211に移行して、加速カウンタ84gの値を判別する。
スタートレバー45が操作されると、加速カウンタ84gの値に「25」がセットされるので、この場合にはステップ1221で減算処理が実行される。その結果、加速カウンタ84gの値は「0(ゼロ)」でないので(ステップ1222)、ステップ1231において、ウエイトタイマ84fの設定処理が実行される。このステップ1231では、
ステップ1221で減算処理が実行された後の加速カウンタ84gの値に対応した励磁時間の値が、図25の加速テーブルから取得され、取得された励磁時間の値がウエイトタイマ84fにセットされる。
ステップ1221での減算処理は、1だけディクリメント(減算)する処理であるから、減算後の加速カウンタの値は「24」となる。この場合には図25のテーブルからも明らかなように、加速カウンタの値「24」に対応した励磁時間(130割り込み)の値(=130)がウエイトタイマ84fにセットされる。これで、第1の加速期間に相当する連続相励磁時間(=130×1.49msec)がセットされたことになる。
ウエイトタイマへのセット処理が終了すると、励磁順ポインタ84hの値を「1」だけインクリメントする更新処理が実行される(ステップ1232)。そして、更新処理された励磁順ポインタ84hの値(この例では、「5」)に対応した励磁データを、図8に示す励磁テーブル83aより取得し、その励磁データ(06H)が左リール61L用の出力励磁データとしてRAM84に保存される(ステップ1233)。
保存された励磁データはその他のリール61M、61Rのステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図26のステップ1105に示すように入出力ポート82に同時に出力されることになる。
ステップ1233の処理が終了すると、図柄オフセットの値が更新(ステップ1234)されると共に、リールの回転位置検出処理(ステップ1235)、リールインデックスセンサ75(図3参照)によるリールの回転検出処理(ステップ1236)などが行われる。
また、ステップ1244およびステップ1245はリール異常処理であって、励磁データを印加したにも拘わらずリールが正常に回転しないようなときの処理である。
またステップ1251、ステップ1252は、ステッピングモータ79に対する回転停止処理(ブレーキ処理)である。
これらの処理は後述するとして、モータ加速処理が正常であれば上記のステップ1244、ステップ1245の処理がスキップされて、図13に示すタイマ割込処理にリターンする。
以上のように、スタートレバー45が操作されると、加速カウンタ84gにカウンタ値「25」がセットされ、3つのリール61(61L、61M、61R)のそれぞれに対応するステッピングモータ79に対してモータ始動用の励磁データがそれぞれ供給されることでそれぞれのロータ790が始動する。
そして、次のタイマ割込み時間になると、再びモータ制御処理がコールされる。このときの処理を次に説明する。
この場合にはウエイトタイマ84fの値は「130」であるから(ステップ1201)、このときはウエイトタイマ84fの値を1だけ減算する減算処理(ステップ1202)を実行して、タイマ割込処理(図13)のステッピングモータ制御処理(図26)にリターンする。
その結果、加速カウンタ84gや励磁順ポインタ84hの値は、前のタイマ割込み時と同じ値で保持される。つまり、同じ励磁相(この例では2相励磁)によるモータ加速処理が継続される。この同じ励磁相を使用したモータ加速処理は、トータル130割込み分連続して行われ、ウエイトタイマ84fの値は、タイマ割込みの度に減算処理される。この結果、130割込みが行われたときウエイトタイマ84fの値はゼロとなる(ステップ1201)。
一方、加速カウンタ84gの値は、この第1の加速期間中全く変化しない。130割込みが終了してウエイトタイマ84fの値が0となることで、今度はステップ1211を介してステップ1221の処理に移行し、このステップ1221の処理において、加速カウンタ84gの値が始めて減算処理される。
そして、1だけ減算された加速カウンタ84gの値「23」に対応した励磁時間(8割り込み)が、図25の加速テーブルから取得され、取得されたこの励磁時間の値(=8)がウエイトタイマ84fにセットされる(ステップ1222、1231)。
同時に、励磁順ポインタ84h(図8参照)の値がインクリメントされて「6」となり(ステップ1232)、この励磁順ポインタ84hの値「6」に対応した励磁データ「02H」(1相励磁)が、出力励磁データとしてRAM84に格納される(ステップ1233)。
その後、他のリール61(中リール61M、右リール61R)についても同様な出力励磁データの取得処理が実行され、全てのリール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に対して出力励磁データの取得処理が終了した段階で、これら出力励磁データが入出力ポート82にそれぞれ出力されて、第2の加速期間に関する処理が開始される(図26、ステッピングモータ制御処理のステップ1104、1105)。
したがって、図25の加速テーブルから明らかなように、第2の加速期間の最初は1相励磁が8割り込み分だけ連続して行われる。
第2の加速期間の最初は、加速順序2に相当する処理である(図25参照)。この加速順序2における加速処理でタイマ割込みが8割込み分終了する(ステップ1201においてYes)と、ステップ1221において加速カウンタ84gの値が更に減算される。
これにより、励磁順ポインタ84hの値が「7」となる励磁データ「03H」が、図8の励磁テーブルより読み出されるので、7割込み分の連続加速処理が2相励磁によって実行される。
このように加速カウンタ84gを順次減算処理しながら、励磁順ポインタ84hによって指定された励磁データを順次読み出して、第2の加速期間中における加速処理が実行されるので、加速カウンタ84gの値が最終的に「0(ゼロ)」となる。
加速カウンタ84gの値が「0」になると、この値がステップ1222でチェックされるので、ステップ1223に移行して、今度は加速カウンタ84gの値を「1」にする処理が実行される。
その後、ステップ1231に移行して、ステップ1221で減算したときの加速カウンタ84gの値「0」に対応した励磁時間(1割り込み分)に相当する値(=1)がウエイトタイマ84fにセットされる。
その後、励磁順ポインタ84hが更新されてこの例では「0」のポインタに該当する励磁データ「01H」が図8の励磁テーブルより読み出されて、これが出力励磁データとしてセットされる(ステップ1232、1233)。したがって、ステップ1221での減算処理の結果、加速カウンタの値が「0」になると1回のタイマ割り込み分だけ励磁される。
ステップ1221の減算処理の結果、加速カウンタ84gの値が「0」になっても、ステップ1223の処理で、加速カウンタ84gの値に「1」がセットされる。そのため、次のタイマ割り込み処理において、励磁順である加速順序25(図25)の次の処理ステップとしては、ステップ1211を経由してステップ1221に移行して再度加速カウンタ84gの値の減算処理が実行される。
これにより、加速カウンタ84gの値は再び「0」になるから、ステップ1231では、図25の加速順序25に相当する励磁時間(=1)がウエイトタイマ84fにセットされることになる。また、励磁順ポインタ84hはステップ1232の処理で「2」に更新される結果、励磁相が2相励磁に変わると共に1割り込み分だけの励磁処理となる。
つまり、加速順序25の次からは、ステップ1221、1223において加速カウンタ84gの値が、「0」、「1」の間で交互に変更されることになり、しかも常に1割り込みによる励磁となるから、ステッピングモータ79は1相励磁と2相励磁を交互に繰り返す回転モードとなる。これは定速処理に他ならず、換言すれば、加速順序25まで励磁処理が進むと、それ以降は定速回転モードに遷移することになる。
リール61の回転中(加速中、低速回転中)に実行されるリール回転位置検出処理(図28、ステップ1235)を、左リール61Lの場合を例に挙げて説明する。
モータ制御処理(図27)において、励磁順ポインタ84hの値の更新(ステップ1232)と励磁データの取得(ステップ1233)が実行されると、図柄オフセット値84iの値の更新処理(ステップ1234)と、リール61の回転位置検出処理(ステップ1235)と、が実行される。
この回転検出処理では、リールインデックスセンサ75による第1センサカットバン76、第2センサカットバン77(図3参照)の検出と、リールの回転時に更新される図柄オフセット値84iと図柄番号84jとに基づいて、リール61の回動軸X周りの角度位置が特定される。
なお、以下の説明においては、左リール61Lの場合を例に挙げて説明する。
図29は、ステップ1235の回転位置検出処理を説明するフローチャートである。
回転位置検出処理では、ステップ1301において、リールインデックスセンサ75から入力される信号が、オン信号とオフ信号の何れであるのかを確認する。
ここで、リール61の回転位置が、第1センサカットバン76または第2センサカットバン77(以下、センサカットバン76、77とも表記する)がリールインデックスセンサ75で検出される位置にある場合には、オン信号が、検知されない位置にある場合にはオフ信号が入力される。
ステップ1301においてオン信号である場合、ステップ1302において、オン信号フラグがセットされているか否かを確認する。
前回のタイマ割込処理における回転位置検出処理の際に、センサカットバン76、77が検出されていたか否かを判別するためである。
ステップ1302においてオン信号フラグがセットされている場合、ステップ1303において、計時カウンタ84kの値を「1」インクリメントする加算処理が実行される。
オン信号フラグが既にセットされている場合には、前回の回転位置検出処理に引き続いてセンサカットバン76、77が検出されていることを意味するので、以降の回転位置検出処理においてオフ信号が入力されて、センサカットバン76、77が検出されなくなった際に、センサカットバン76、77が検出されていた時間を計数できるようにするためである。
ステップ1303の処理が実行されると、モータ制御処理(図28)におけるステップ1236の処理にリターンすることになる。
ここで、計時カウンタは、リールインデックスセンサ75で、センサカットバン76、77が検出されていた時間、または検出されていなかった時間を算出するためのカウンタである。
計時カウンタの値は、リールインデックスセンサ75から入力される信号が、オン信号からオフ信号に切り替わったとき、またはオフ信号からオン信号に切り替わったときに、後記するステップ1308またはステップ1315の処理において、「0」にリセットされる。
ステップ1302においてオン信号フラグがセットされていない場合、ステップ1304において、オン信号フラグをセットする。
以降の回転位置検出処理において、オン信号フラグが入力されていた時間を算出できるようにするためである。
ここで、オン信号が入力された時点でオン信号フラグがセットされていない場合とは、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの一方が、リール61の回転により、リールインデックスセンサ75に検出される位置に達したことを意味する。
よって、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れが検出される位置に達したのかを確認するために、ステップ1305において、オン信号が入力される前に入力されていたオフ信号の入力時間(オフ時間)を算出する。
ここで、オフ時間は、オン信号が入力される前のオフ信号が継続して入力されていた間にタイマ割込処理の実行間隔毎に加算されていた計時カウンタの値に基づいて算出される。
例えば、計時カウンタの値が「210」である場合には、312.90msec(1.49msec×210)が、ステップ1305において算出されるオフ時間となる。
ステップ1305においてオフ時間が算出されると、ステップ1306において、算出されたオフ時間に基づいて、リールインデックスセンサ75に検出されたセンサカットバンが、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れであるのかを特定する。
具体的には、ROM83に記憶されたオン/オフ時間テーブル(図示せず)を参照し、算出されたオフ時間が、図9の(b)の第1非検出時間t2(先端部76aの終端部76eから先端部77aの始端部77sまで区間に対応する時間)と、第2非検出時間t4(先端部77aの終端部77eから先端部76aの始端部76sまでの区間に対応する時間)のうちの何れと一致するのかを確認し、一致する非検出時間の次に検出されることになるセンサカットバンが、リールインデックスセンサ75に検出されたセンサカットバンであると判定する。
実施の形態では、オン/オフ時間テーブルでは、先端部76aの終端部76eから先端部77aの始端部77sまで区間に対応する第1非検出時間t2が344.19msec、先端部77aの終端部77eから先端部76aの始端部76sまでの区間に対応する第2非検出時間t4が312.90msecとして記憶されている。
そのため、ステップ1305において算出されたオフ時間が、例えば312.90msecである場合には、第2非検出時間t4であると判定される。
第2非検出時間t4の後に検出されるセンサカットバンは、図9に示すように、第1センサカットバン76であるので、ステップ1306において、第1センサカットバン76であると特定される。
センサカットバンの位置が特定されると、リールの外周に描かれた図柄の位置が特定できるので、ステップ1307において、リールの回転位置が特定されることになる。
そして、ステップ1308において、オン信号の入力時間を算出するために、計時カウンタの値が「0」にリセットされる。
一方、ステップ1301においてオン信号が入力されていない場合、すなわちオフ信号が入力されている場合には、ステップ1309において、オフ信号フラグがセットされているか否かを確認する。
ステップ1301におけるオフ信号の入力が、センサカットバン76、77がリールインデックスセンサ75を通過した直後のオフ信号の入力でるあるのかを確認するためである。
ステップ1309において、オフ信号フラグがセットされている場合、ステップ1310において、計時カウンタ84kの値を「1」インクリメントする加算処理が実行される。
オフ信号フラグが既にセットされている場合には、前回の回転位置検出処理に引き続いてセンサカットバン76、77が検出されていないことを意味するので、以降の回転位置検出処理においてオン信号が入力されて、センサカットバン76、77が検出された際に、センサカットバン76、77が検出されていなかった時間を係数できるようにするためである。
ステップ1309においてオフ信号フラグがセットされていない場合、ステップ13111において、オフ信号フラグをセットする。
以降の回転位置検出処理において、オフ信号フラグが入力されていた時間を算出できるようにするためである。
ここで、オフ信号が入力された時点でオフ信号フラグがセットされていない場合とは、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの一方が、リール61の回転により、リールインデックスセンサ75に検出される位置から外れたことを意味する。
よって、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れが検出されていたのかを確認するために、ステップ1312において、オフ信号が入力される前に入力されていたオン信号の入力時間(オン時間)を算出する。
ここで、オン時間は、オフ信号が入力される前のオン信号が継続して入力されていた間にタイマ割込処理の実行間隔毎に加算されていた計時カウンタ84kの値に基づいて算出される。
例えば、計時カウンタ84kの値が「21」である場合には、31.29msec(1.49msec×21)が、ステップ1312において算出されるオン時間となる。
ステップ1312においてオン時間が算出されると、ステップ1313において、算出されたオン時間に基づいて、リールインデックスセンサ75に検出されていたセンサカットバンが、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れであるのかを特定する。
センサカットバンの位置が特定されると、リールの外周に描かれた図柄の位置が特定できるので、ステップ1314において、リールの回転位置が特定されることになる。
そして、ステップ1308において、オン信号の入力時間を算出するために、計時カウンタの値が「0」にリセットされる。
この回転位置検出処理が終了すると、モータ制御処理(図28)のステップ1236の処理にリターンすることになる。
図28のモータ制御処理に戻って、ステップ1235では、リールの基点位置が所定検出位置(リールインデックスセンサ75)を通過したか否かを確認する。
実施の形態では、センサカットバン76の始端部76sと、終端部76e、センサカットバン77の始端部77sと、終端部77eの計4カ所が、基点位置に設定されているので、ステップ1235の処理でこれら基点位置76s、76e、77s、77eの何れかが検出されていた場合には、リールの原点位置が確定したことを意味するため、ステップ1236に進み、当該リールの原点位置が所定検出位置を通過するタイミングに合わせた図柄オフセットカウンタおよび図柄番号カウンタの更新処理を実行する。
つまり、図柄番号と図柄オフセット値とが、リールの各基点位置に応じて決まる所定値に更新される。
より詳しくは、検出された基点が、第1センサカットバン76の始端部76s(原点位置)の場合には、図柄番号の値が「0」、図柄オフセットの値が「0」にセットされる。
また、検出された基点が、第1センサカットバン76の終端部76eの場合には、図柄番号の値が「0」、図柄オフセットの値が「21」にセットされる。
また、検出された基点が、第2センサカットバン77の始端部77sの場合には、図柄番号の値が「10」、図柄オフセットの値が「12」にセットされる。
また、検出された基点が、第2センサカットバン77の終端部77eの場合には、図柄番号の値が「12」、図柄オフセットの値が「6」にセットされる。
ここで、図柄番号は、図10に示す図柄の番号を連番で示すものであり、トータル21個の図柄が用意されているので、図柄番号は「0」〜「20」の値をとる。
図柄オフセットは、1つの図柄をリール61の回転方向に24等分した値であるから、「0」〜「23」の値をとる。
図柄オフセットの値は、図柄オフセットの更新処理(図28、ステップ1234)において、「1」ずつ加算される。
ここで、図柄オフセットの値が24になる(図柄オフセットの値が25回更新される)と、表示窓31に表示されている図柄が1図柄分移動したことになるので、かかる場合には、表示窓31に表示されている図柄を特定するための図柄番号を、更新する必要がある。
実施の形態では、ステップ1241において、図柄オフセットの値が最大値(24)未満であるか否かを確認し、図柄オフセットの値が「24」になると(ステップ1241、No)、ステップ1242において、図柄番号が更新されると共に、図柄オフセットの値が、「0」にリセットされる。
[再加速処理および異常処理]
前記したように、モータ加速期間では加速カウンタの加減算に応じて図柄オフセットの値が更新され、そして定速回転中は、タイマ割り込み処理が実行されるたびに、図柄オフセットの値が更新される(ステップ1234)。
そして、更新後の図柄オフセットの値が「24」になると、図柄番号が更新されると共に、図柄オフセットの値が「0」にリセットされる(ステップ1241、ステップ1242)。
そして、図柄番号が更新された後はその値がその最大値「21」を超えないで、しかも図柄オフセットが最大値である「24」を超えるまでは、ステップ1241からステップ1244の処理ステップをそれぞれ経由して、図柄番号の更新、図柄オフセット値の更新およびリセット処理が続く。さらにリール61が1回転するごとに図柄番号と図柄オフセットがそれぞれリセットされるようになっている(ステップ1236、1237)。
この処理がなされることで、図柄番号を基準にどの図柄が表示窓31を通過しているかが判り、さらに図柄オフセットの値によってその図柄のどの位置が表示窓31に位置しているかを判定することができる。例えば図柄番号「0」、図柄オフセット「0」のときには、表示窓から図柄番号「0」〜「2」の図柄が視認可能となっている。
スタートレバー45によってステッピングモータ79が正常に加速し、定速回転に至る正常回転の場合には上述したような状況が再現される。しかし、正常に加速されずに正常回転に至らない場合や、故意にリールを押さえて回転を止めたりすると、以下のような異常回転処理となる。
まず、加速処理はリール61が1回転するまでに終了するので、通常の場合には加速処理が行われると、何れリール61の1回転目がリールインデックスセンサ75によって検出されるはずである。しかし、加速処理が異常であると、ステップ1235によってリール61の1回転目が検出されない状態でも、図柄オフセット値と図柄番号の更新処理が進んでしまう(ステップ1234、ステップ1242)。
図10から明らかなように図柄番号は「0」〜「20」までであるが、このような異常状態になると、図柄番号がさらに更新されてその値が最大値「21」になっても(ステップ1241、1242)、次の励磁相切り替えタイミングになると、ステップ1221においてカウンタ減算処理が行われてしまう。そうすると、図柄オフセットの値は今まで通りに更新処理される(ステップ1222、1234)。
その場合にはステップ1241を経て、ステップ1243において図柄番号の値がチェックされる。図柄番号は「0」から「20」までであるので、その更新最大値「21」を超えたときには異常回転状態とみなすことができる。
その場合でもステッピングモータ79の動作上のばらつきを考慮して、この例では4オフセット以上図柄オフセットが進んだとき(ステップ1244)、始めて異常回転状態と判断して異常処理が行われる(ステップ1245)。この場合には再加速設定処理が行われ、加速カウンタにはその初期値である「25」がセットされ、次のタイマ割り込み期間から再びステップ1211に戻って再加速処理が行われる。
ステッピングモータ79には動作上のばらつきがあり、理想的には1回転=504パルスとなるが、場合によっては503パルスあるいは505パルスで1回転することも考えられるので、ステップ1244では余裕をもって4オフセット分を異常検出値に設定してある。
また、リールが何らかの原因で回転しなかったとき、例えばリールの回転を故意に押さえてしまっているようなときには、上述したと同じようにステップ1235でリールインデックスセンサ75によってリールの1回転が検出されないまま、図柄オフセット値84iと図柄番号84jが更新され続けることになる。
この場合、図柄番号84jの値が最大値である「21」になったのちの次のタイマ割込処理において、加速カウンタ84gの値の減算または加算処理(ステップ1221、ステップ1222)が実行されたのちに、図柄オフセット値が更新され(ステップ1234)、更新後の図柄オフセット値84iが最大値「24」以下であるときには、ステップ1243において、図柄番号84jが最大値「21」未満であるか否かが確認される。
そして、図柄番号84jが最大値「21」以上となっているときには、異常状態とみなし、さらに、更新された図柄が回転して図柄オフセット値84iが4以上ずれたときには(ステップ1244)、前記した異常処理(ステップ1245)が実行される。そして、この異常処理はリセットスイッチ123が操作されるまで継続される。
このステップ1245における異常処理の回数が規定回数(例えば3回)を超えたときには、この異常状態を報知する処理(ホール内に設けられた異常ランプに対する点滅処理、ホール管理者へのブザー報知処理など)を講じることもできる。
[その3.ストップボタンが押されたときの処理]
さて、この定速回転モード中にユーザが任意のストップボタン46〜48を押して、リールの回転を止める操作を行うと、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の停止制御処理(ステップ1252)が実行される。
ここで、ブレーキをかけたとしても、リール61(ロータ790)のすべりがあるので3〜4ステップ分滑って停止する。また上記したように、モータ始動時の励磁相としては2相励磁であるのが好ましく、ブレーキは2相励磁直後、つまり1相励磁のタイミングに開始されるように、ストップボタン46〜48の操作タイミングに拘わらず、モータ停止時期(リール停止時期)を把握しておく必要がある。
そこで、ステップ1242の図柄番号84jの更新と図柄オフセット値84iのリセット処理に続いて、ステップ1251のようなリールの停止時期を判別する処理ステップを置いている。このステップ1251では現在の出力中の励磁相が2相励磁であり、図柄オフセット値が所定オフセット値を超えない範囲となっているかをそれぞれ判別する。
ここで、現在の励磁相が2相励磁であるかどうかは、励磁順ポインタ(図8参照)の値を参照すればよく、所定のオフセット値を超えたかどうかは図柄オフセット値84iを参照すればよい。図柄オフセット値84iを考慮するのは、図柄オフセット値84iが大きくなればなるほど、隣接するリール61の停止時における図柄位置の相対的ずれが大きくなることを意味する。人間の識別力を考慮すると4オフセット以上になると、図柄のずれがはっきり認識できるようになるので、図柄オフセット値が4以下のときにリール停止処理を実行する必要があるからである。
したがってこの条件を満たさないときには、図13のタイマ割り込み処理ルーチンに戻るが、ステップ1251のリール停止条件を満たしているときで、しかもストップボタン46〜48の何れかのボタンが押されたときには、ステップ1252において、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の回転を停止させる処理(停止制御処理)が実行される。
ここで、実施の形態のスロットマシン10では、リール61を停止させる方法として、ステッピングモータの4相に同時に励磁をして停止させる場合と、スローダウンさせながら停止させる場合とが用意されており、何れの方法により停止させるのが、前記した通常遊技処理(図16)において、ストップボタン46〜48の操作タイミングに応じて設定されるようになっている。
そこで、リール61を停止させる方法の設定処理を先に説明する。
図30は、リール制御処理(図18)におけるリール停止処理(ステップ706)の詳細を示すフローチャートである。
このリール停止処理は、スロットマシンでの遊技に関する通常遊技処理(図16)において実行され、ストップボタン46〜48の操作タイミングタイミングに応じて、ステッピングモータ79の4相に同時に励磁をしてリール61を急停止させのか、それともスローダウンさせながらリール61を停止させるのか、が設定される。
リール停止処理は、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
始めに、ステップ2001において、停止処理を実行するリール61を特定する。
実施の形態では、何れかのストップボタン46〜48が操作されると、操作されたストップボタンのフラグがセットされる。よって、セットされているフラグに対応するリール61が、停止処理を実行するリールであると特定される。
ステップ2001において停止処理を実行するリールが特定されると、ステップ2002において、ストップボタン46〜48が操作された時点におけるリール61の回転位置(現在位置)を特定する。
具体的には、RAM84に記憶された図柄番号84jと図柄オフセット値84iの値に基づいて、リール61の回転位置を特定できる。
ステップ2003において、リール61の停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置を特定する。
ここで、リールの停止時に表示される図柄は、通常遊技処理の抽選処理(図16、ステップ503)の結果、何れかの役(入賞役、小役)に当選している場合には、当選している役に応じて決まる図柄となるので、当選している役に応じて決まる図柄の位置が特定される。
例えば、左リールの下段の有効ライン上に図柄「ベル」を停止させる役に当選している場合、ストップボタン46が操作された時点で下段の有効ライン上に位置していた図柄から、左リールの回転方向において最も近い位置にある「ベル」の位置を図柄番号で特定する。
また、図10の左リールにおいて、図柄番号3の「チェリー」が下段の有効ライン上に位置している時にストップボタン46が操作された場合には、図柄番号5の「ベル」が最も近い位置にあるので、図柄番号5が、停止予定図柄の位置として特定される。
一方、抽選処理(図16、ステップ503)において何れの役にも当選していない場合には、最終的に総てのリール61が停止した時点で、何れの役も成立させない図柄の位置が特定される。
ステップ2004において、ストップボタン46が操作された時点から、停止予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでに要するステップ数(Nstep)を特定する。
例えば左リールの下段の有効ラインに停止させる図柄(停止予定図柄)が図柄番号2の「ベル」であり、ストップボタン46を押下操作したときに下段の有効ライン上に位置していた図柄が図柄番号20の「7」であって、図柄番号20の図柄オフセット値が「0」である場合には、ちょうど3図柄分離れていることになる。
ここで、実施の形態では、前記したように、図柄を1図柄分滑らせるためには24ステップが必要なので、3図柄滑らすためには72ステップ(=3×24ステップ)が必要になる。よって、「72」が停止予定図柄位置までの距離(ステップ数)Nstepとして特定されて、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)を示す残り図柄カウンタ84mの値に「72」がセットされる。
ステップ2005において、停止予定図柄までのステップ数Nstepが、21<Nstep≦91であるか否かを確認し、この範囲内である場合には、ステップ2006において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「8」がセットされる。
一方、21<Nstep≦91でない場合、ステップ2007において、停止予定図柄までのステップ数が91<Nstep≦117であるか否かを確認し、この条件を満たす場合には、ステップ2008において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「20」がセットされる。
なお、ステップ2007において91<Nstep≦117でない場合には、ステップ2009において、全相励磁停止設定処理が実行される。
この全相励磁停止設定処理では、全相励磁停止フラグがセットされたのち、スローダウン設定処理を終了する。
ここで、91<Nstep≦117でない場合とは、停止予定図柄までのステップ数Nstepが、(a)21以下、または(b)118以上ということになる。実施の形態では、(a)の場合は、早急にリールを停止させないと予定停止図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させることができないので、全相励磁でリールを停止させるようにしている。一方、(b)の場合には、停止用定図柄と所定位置とが離れており、スローダウン処理を実行すると、所定時間内に停止予定図柄を所定位置に停止させることができないので、スローダウンを実行せずに定速で回転させたのち、停止予定図柄が所定位置に達した時点で全相励磁をかけてリールを停止させるようにしている。
これにより、リール制御処理(図18)のリール停止処理(ステップ706)の結果、第1スローダウンフラグ、第2スローダウンフラグ、全相励磁フラグの何れかがセットされ、特に、第1スローダウンフラグ、または第2スローダウンフラグがセットされた場合には、減速カウンタ84nに、所定の値がセットされることになる。
図33は、第1減速テーブルを示す図であり、図34は、第2減速テーブルを示す図である。
ここでスローダウンさせながらリールを停止させる場合とは、ステッピングモータの4相に同時に励磁をかけてリールを急停止させるのではなく、励磁時間を徐々に長くして、定速で回転しているリールを徐々に減速させたのちに4相励磁によりリールを停止させる場合をいう。
実施の形態では、スローダウン期間の長い第1減速テーブルと、これよりもスローダウン期間の短い第2減速テーブルとが用意されている。
第1減速テーブルでは、減速カウンタと減速順序との関係と、各減速順序における励磁方法(1相励磁または2相励磁)および励磁時間とが規定されており、20ステップをかけて、リールを減速させる内容が規定されている。
例えば、一番最初に実行されることになる減速順序1では、1相励磁が1割り込みの間(1.49msec)実行され、次の減速順序2では2相励磁が1割り込みの間(1.49msec)実行され、その次の減速順序3では1相励磁が2割り込みの間(2.98msec)実行され、というように、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返しながら、割り込み時間を徐々に長くすることで、リール61を減速させるように設定されている。
第2減速テーブルでもまた、減速カウンタと減速順序との関係と、各減速順序における励磁方法(1相励磁または2相励磁)および励磁時間とが規定されている。第2減速テーブルは、8ステップをかけてリールを減速させるように規定されており、第1減速テーブルの場合よりも、短いステップ数でリールを減速させるようになっている。
第1減速テーブルは、前記した第1スローダウンフラグがセットされた場合に、第2減速テーブルは、前記した第2スローダウンフラグがセットされた場合に、それぞれ後記する停止制御処理において参照されるようになっており、これらテーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)の内容を読み出すための参照子として、減速カウンタ84nが用いられている。
そのため、前記したリール停止処理(図30)において、第1スローダウンフラグがセットされた場合には、ステップ2008の第1スローダウン設定処理において、減速カウンタ84nの値に「20」がセットされ、第2スローダウンフラグがセットされた場合には、ステップ2006の第2スローダウン設定処理において、減速カウンタ84nの値に「8」がセットされるようになっている(図30、ステップ2006、2008)。
そして、第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグのセットと、減速カウンタ84nの値のセットをトリガとして、モータ制御処理(図28、図29)の停止制御処理(ステップ1252)において、リール61をスローダウンさせながら停止させる処理が実行されるようになっている。
この停止制御処理(ステップ1252)を、図31のフローチャートを参照して説明する。
図31に示すように、停止制御処理では、リール61を停止させて停止予定図柄を所定値に停止表示させるタイミングであるか否かを確認するために、残り図柄ステップ数が「0」であるか否かを確認する。具体的には、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)を示す残り図柄カウンタ84mの値が、「0」であるか否かを確認し、「0」である場合には、残り図柄ステップ数が「0」であると判断される。
そして、残り図柄ステップ数が「0」である場合、ステップ2102において全相励磁停止処理が実行される。
この全相励磁停止処理では、ステッピングモータ79の4相が同時励磁されるように設定されたのち、減速ウエイトタイマ84pにブレーキ時間(励磁時間)が設定される。例えば、159割り込み分(=236.91msec)がブレーキ時間に設定されている場合には、減速ウエイトタイマ84pの値に「159」がセットされる。
そして、リール61の定速回転に関与している加速カウンタ84gの値がリセット(=0)される。
減速ウエイトタイマ84pにブレーキ時間がセットされると、ブレーキ用の励磁データがブレーキ時間の間(159割り込み分)連続して出力されて、リール61が完全に停止する。
そして、次回の回転時に使用する励磁順ポインタに対する調整処理が行われる。励磁順ポインタの調整処理はロータ790のすべりを考慮する。上述したようにブレーキ処理時、ロータ790は3〜4相分程度滑ってから停止するのが殆どであるので、例えば図8に示す励磁順ポインタ「0」でブレーキをかけたときには、励磁順ポインタ「4」の位置でロータ790が停止しているものと推定して、この例では励磁相の調整分として「4つの励磁相」分だけ進める。その結果更新後の励磁順ポインタの値は「5」となる。
ステップ2102の全相励磁処理が実行されると、ステップ2103において、第1スローダウンフラグ、第2スローダウンフラグ、全相励磁停止フラグなどがリセットされたのち、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
ステップ2101において残り図柄ステップ数が「0」でない場合、リール61をどのように停止させるのか、すなわちリール61を急停止させのか、それともリール61をスローダウンさせながら停止させるのか、を確認するために、ステップ2104において、全相励磁停止フラグがセットされているか否かを確認する。
ここで、ステップ2104において全相励磁停止フラグがセットされている場合とは、このステップ2104の前のステップ2101において残り図柄ステップ数の値が「0」でないことが確認されているのであるから、現時点が、リール61を急停止させる前であって、停止予定図柄が所定位置に達するのを待っている状態であることを意味している。
よって、ステップ2105において、全相励磁によるリール61の回転停止の開始タイミングを規定する残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算されたのち、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「0」未満になるまでの間は、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
ステップ2104において全相励磁フラグがセットされていない場合には、ステップ2106において、第1スローダウンフラグがセットされているか否かが確認される。
第1スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ2107において、現時点が、第1スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残り図柄カウンタ84mの値が「20」以下であるか否かを確認する。
実施の形態では、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)を示す残り図柄カウンタ84mの値を、第1スローダウン処理の開始タイミングを規定するカウンタとしても用いている。ここで、前記したように、第1スローダウン処理は、リール61を全相励磁により停止させる前の20ステップでリール61のスローダウンを実行するように設定されている(図33参照)。
そのため、残り図柄カウンタ84mの値が「20」よりも大きい場合は、第1スローダウン処理が実行される前の待機中であることを意味し、「20」である場合は、第1スローダウン処理の処理の開始タイミングになったことを意味し、「20」よりも小さい場合は、第1スローダウン処理が実行中であることを意味している。
よって、ステップ2107において、残り図柄カウンタ84mの値が「20」よりも大きい場合には、第1スローダウン処理が実行される前の待機中であるので、ステップ2108において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「20」以下になるまでの間は、そのステップ2108の処理により、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
そして、ステップ2107において、残り図柄カウンタ84mの値が「20」以下である場合には、第1スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第1スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ2111(図32参照)の処理に移行する。
ステップ2106において第1スローダウンフラグがセットされていない場合には、ステップ2109において、第2スローダウンフラグがセットされているか否かが確認される。
第2スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ2110において、現時点が、第2スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残り図柄カウンタ84mの値が「8」以下であるか否かを確認する。
前記したように、第2スローダウン処理は、リール61を全相励磁により停止させる前の8ステップでリール61のスローダウンを実行するように設定されている(図34参照)。
そのため、残り図柄カウンタ84mの値が「8」よりも大きい場合には、第2スローダウン処理が実行される前の待機中であるので、ステップ2108において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「8」以下になるまでの間は、このステップ2108の処理により、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
そして、ステップ2110において、残り図柄カウンタ84mの値が「8」以下である場合には、第2スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第2スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ2111(図32参照)の処理に移行する。
ステップ2109において第2スローダウンフラグがセットされていない場合には、全相励磁停止フラグ、第1スローダウンフラグ、第2スローダウンフラグの何れもセットされておらず、リール61の回転を停止させる必要がないことになるので、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
ここで、第1スローダウン処理または第2スローダウン処理の開始について説明する。
第1スローダウンフラグがセットされている場合には、前記したリール停止処理(図30参照)のステップ2008において、減速カウンタ84nの値に「20」がセットされいる。また、第2スローダウンフラグがセットされている場合には、前記したリール停止処理(図30参照)のステップ2006において、減速カウンタ84nの値に「8」がセットされている。
そして、何れの場合にも、減速ウエイトタイマ84pの値はセットされておらず、「0」である。
よって、ステップ2111(図32)において、減速ウエイトタイマ84pの値が「0」であるので、ステップ2113の処理に移行して、減速カウンタ84nの値が「1」減算処理される。
よって、第1スローダウンフラグがセットされている場合には、このステップ2113の処理により、減速カウンタ84nの値が「19」になり、第2スローダウンフラグがセットされている場合には、このステップ2113の処理により、減速カウンタ84nの値が「7」になる。
続いて、ステップ2114において、減算後の減速カウンタ84nの値に対応した励磁時間の値(図33、図34参照)を取得し、取得した励磁時間の値が、減速ウエイトタイマ84pにセットされる。
よって、第1スローダウンフラグがセットされている場合には、減算後の減算カウンタの値が「19」であるので、減速カウンタの値「19」に対応した励磁時間の値「1」(図33参照)が、減速ウエイトタイマ84pの値にセットされる。
一方、第2スローダウンフラグがセットされている場合には、減速カウンタの値「7」に対応した励磁時間の値「1」(図34参照)が、減速ウエイトタイマ84pの値にセットされる。
減速ウエイトタイマ84pの値のセットが終了すると、励磁順ポインタ(図8参照)の値を「1」だけインクリメントする更新処理が実行される(ステップ2115)。そして、更新処理された励磁順ポインタの値(例えば、「5」)に対応した励磁データを図8に示すテーブルより取得し、その励磁データ(06H)が左リール61L用の出力励磁データとしてRAM84に保存される(ステップ2116)。保存された励磁データはその他のリール61M、61Rのステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図26のステッピングモータ制御処理のステップ1105において入出力ポート82に同時に出力される。
そして、ステップ2117において、第1または第2スローダウン処理の終了タイミングを規定する残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算処理されることになる。
以上のように、ストップボタン46〜48が操作されると、操作されたボタンが対応するリール61(61L、61M、61R)の減速カウンタ84nの値に、スローダウン時間に応じて決まる所定値(第1スローダウン処理の場合は「20」、第2スローダウン処理の場合は「8」)がセットされるとともに、スローダウン処理の開始タイミングを規定する残り図柄カウンタ84mの値が、スローダウン処理の開始タイミングを規定する所定値になると、停止させようとするリールに対応するステッピングモータ79に対してモータスローダウン用の励磁データがそれぞれ供給されることでそれぞれのロータ790がスローダウンする。
そして、次のタイマ割込み時間になると、再び停止制御処理がコールされる。このときの処理を次に説明する。
この場合には、第1スローダウン処理または第2スローダウン処理の開始直後なので、残り図柄ステップ数(残り図柄カウンタ84m)の値が「0」ではない。
よって、ステップ2101を経て、最終的にステップ2111の処理に移行する。
スローダウン処理開始直後の減速ウエイトタイマの値は、前記したように「1」であるから(ステップ1211)、このときは減速ウエイトタイマの値を1だけ減算する減算処理(ステップ1212)を実行して、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
その結果、減速カウンタ84nや励磁順ポインタ84hの値は、前のタイマ割込み時と同じ値で保持される。つまり、同じ励磁相(この例では1相励磁)によるモータ減速処理が継続される。
そして、その次のタイマ割込み処理では、減速ウエイトタイマ84pの値が「0」であるので、ステップ2111からステップ2113の処理に移行し、このステップ2113において、減速カウンタ84nの値が「1」減算処理される。
よって、第1スローダウン処理の場合には、減速カウンタ84nの値が「18」になり、第2スローダウン処理の場合には、減速カウンタ84nの値が「6」になる。
そして、減算後の減速カウンタ84nの値「18」、「6」に対応した励磁時間(それぞれ1割り込み)が、図33、図34の減速テーブルから取得され、取得されたこの励磁時間の値(=1)が減速ウエイトタイマ84pにセットされる(ステップ2114)。
同時に、励磁順ポインタ(図8参照)の値がインクリメントされて「6」となり(ステップ2115)、この励磁順ポインタの値「6」に対応した励磁データ「02H」(1相励磁)が、出力励磁データとしてRAM84に格納される(ステップ1216)。
そして、ステップ2117において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算処理される。
このように減速カウンタ84nを順次減算処理しながら、励磁順ポインタ84hによって指定された励磁データを順次読み出し、さらに励磁時間を徐々に長くすることで、スローダウン処理が実行される。
そして、減速カウンタ84nの値が最終的に「0(ゼロ)」となると、これと同時に残り図柄カウンタ84mの値も「0」になる。
そうすると、前記したステップ2101の処理を経て、ステップ2102の全相励磁処理が実行されて、リール61が完全に停止することになる。
すなわち、第1スローダウン処理では、20ステップ+全相励磁の1ステップによりリールが停止するので、スローダウンした後にリールが停止するまでに、32.29msec(21×1.49msec)を要することになる。
また、第2スローダウン処理では、8ステップ+全相励磁の1ステップによりリールが停止するので、スローダウンした後にリールが停止するまでに、13.41msec(9×1.49msec)を要することになる。
以上の通り、第1の実施形態のスロットマシン10では、スタートレバー45の操作により、外周に周方向に沿って複数の図柄が描かれたリール(周回体)61(61L、61M、61R)を、ステッピングモータ79で回転駆動させたのち、ストップボタン46〜48の操作により、回転しているリール61の停止指令が出力されると、リール61の停止時に有効ライン上の所定位置に表示させる停止図柄が決定され、さらに、決定された停止予定図柄と、有効ライン上の所定位置との関係に基づいて、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行ったのちにリール61を停止させる第1の停止条件と、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行わずにリール61停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかが選択され、選択された停止条件でリール61を停止させるスロットマシン10において、第1の停止条件でリールを停止させた際に停止図柄を有効ライン上の所定位置に停止表示させることが可能である場合には、第1の停止条件を選択する構成とした。
このように構成すると、ストップボタンが操作された際の停止図柄の位置が、リール61を減速させたのちに停止させても有効ライン上の所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件によりリール61を停止させることで、リール61を減速させずにロックさせて停止させる第2の停止条件の場合よりも、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
ステッピングモータ79は、多相ステッピングモータであり、第2の停止条件では、全相に励磁をかけてリール61を停止させ、第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定してリール61を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけてリール61を停止させる構成とした。
このように構成すると、第1の停止条件でリールを停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
ここで、全相励磁により周回体を停止させる場合に、周回体の停止位置のズレを考慮して、停止予定図柄が所定の停止位置に達する直前、例えばステッピングモータにより回転する周回体の最小回転単位である1ステップ以上前に全相励磁をかけて、周回体を停止させるようにした遊技機がある。例えば1ステップ前に全相励磁をかける遊技機の場合には、この1ステップ前の位置が「所定位置」に相当する。
第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行する構成とした。
このように構成すると、ステッピングモータ79の1ステップあたりのリール61の回転角度が小さいので、リール61の回転を滑らかに見せることができる。
停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係は、停止図柄を所定位置までステッピングモータ79で移動させるのに要する時間である構成とした。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、リール61の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなくリール61を減速させたのちに停止させることができ、リール61とステッピングモータ79にかかる負荷を低減させることができる。
停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係は、停止図柄を所定位置までステッピングモータ79で移動させるのに要するステップ数である構成とした。
このように構成すると、リール61の最小回転単位であるステップ数に基づいて、リール61を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、リール61とステッピングモータ79にかかる負荷を低減させることができる。
第1の停止条件では、励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す減速カウンタ(識別番号)と関連づけられた減速テーブル(減速パターン)に基づいて、リール61の減速が実行され、減速カウンタの順番に従って、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、リール61を減速させる構成とした。
このように構成すると、リール61をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
第1の停止条件には、リール61の減速時間が異なる複数の減速テーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)が用意されており、停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係に基づいて選択されたひとつの減速テーブル(第1減速テーブルまたは第2減速テーブル)に従って、リール61を減速させたのちに停止させる構成とした。
このように構成すると、停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係に応じて決まる最適の減速テーブルが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、リールやステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
リール停止処理の第2の実施形態を、図35を参照して説明する。
第2の実施形態にかかるリール停止処理では、ストップボタンを操作した時点で有効ライン上に位置していた図柄から、停止予定図柄までの図柄数に基づいて、スローダウン処理の実行の可否を決定する。
この第3の実施形態にかかるリール停止処理もまた、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
始めに、ステップ2201において、停止処理を実行するリール61を特定する。
実施の形態では、何れかのストップボタン46〜48が操作されると、操作されたストップボタンのフラグがセットされる。よって、セットされているフラグに対応するリール61が、停止処理を実行するリールであると特定される。
ステップ2201において停止処理を実行するリールが特定されると、ステップ2202において、ストップボタン46が操作された時点におけるリール61の回転位置を特定する。
具体的には、RAM84に記憶された図柄番号84jと図柄オフセット値84iの値に基づいて、リール61の回転位置を特定できる。
ステップ2203において、リールの停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置を特定する。
ここで、リールの停止時に表示される図柄は、通常遊技処理の抽選処理(図16、ステップ503)における抽選において何れかの役(入賞役、小役)に当選している場合には、当選している役に応じて決まる図柄となるので、当選している役に応じて決まる図柄の位置が特定される。
ステップ2204において、ストップボタン46が操作された時点から、停止予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるのに必要なスベリ数を特定する。
ここで、例えば左リールの有効ラインに停止させる図柄(停止予定図柄)が「ベル」である役に入賞している場合について説明する。
実施の形態では、図37のスベリテーブルに基づいて、スベリ数を特定している。
このスベリテーブルでは、停止予定図柄毎に、ストップボタン46を押下操作したときに有効ライン上に位置していた図柄から何図柄分すべらせると、リールが停止した時点で有効ライン上に停止予定図柄を停止させることができるのかが判るようになっている。
例えば、図36のスベリテーブルでは、停止予定図柄が「ベル」である場合であって、ストップボタンが操作された時点において下段の有効ラインc(図1参照)上に位置していた図柄から、図柄「ベル」を有効ラインc上に停止させるのに必要なスベリ数が判るようになっている。
例えば、図10において図柄番号3の「チェリー」が下段の有効ラインc上に位置しているときに左リールのストップボタンが操作されると、2図柄分滑らせてリールを停止させることで、図柄番号5の「ベル」を有効ライン上に停止表示できるようになっている。
図35に戻って、ステップ2204において、スベリ数が特定されると、ステップ2205において、スベリ数が1または2であるか否かを確認され、スベリ数が「1」または「2」である場合には、ステップ2206において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタの値に「8」がセットされる。
ステップ2205において、スベリ数が「1」または「2」でない場合は、ステップ2207において、スベリ数が「3」または「4」であるか否かが確認され、スベリ数が「3」または「4」である場合には、ステップ2208において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタの値に「20」がセットされる。
なお、ステップ2207においてスベリ数が「3」または「4」でない場合、ステップ2204において特定されたスベリ数が「0」ということになる。よって、この場合には、ステップ2209において、全相励磁停止設定処理が実行される。すなわち、リール61は、減速(スローダウン)が行われることなく停止されることになる。
このように、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数に基づいて、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行ったのちにリール61を停止させる第1の停止条件と、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行わずにリール61停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する構成とし、図柄のスベリ数は、リール61の図柄毎の停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して行われるようにしたので、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減とデータの削減が可能になる。
リール停止処理の第3の実施形態を説明する。
第1の実施の形態では、リール61の減速(スローダウン)を行う場合には、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)に応じて、第1減速テーブルに基づいてリールの減速処理を実行する第1スローダウン処理と、第2減速テーブルに基づいてリールの減速処理を実行する第2スローダウン処理の何れかを選択する構成とし、2つの減速テーブル(第1減速テーブルと第2減速テーブル)を用意していた。
第3の実施形態では、第1減速テーブルのみを用いて、減速テーブルからの励磁時間の読み出し方法を、第1スローダウン処理の場合と第2スローダウン処理の場合とで、変更することで、異なる減速時間を実現させている。
図37は、第3の実施形態におけるリール停止処理のフローチャートである。
この第3の実施形態にかかるリール停止処理もまた、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
このリール停止処理では、第1の実施形態のリール停止処理(図30)の場合と同様に、停止処理を実行するリール61の特定(ステップ2301)、ストップボタン46が操作された時点におけるリール61の回転位置の特定(ステップ2302)、リール61の停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置の特定(ステップ2303)、停止予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでに要するステップ数(Nstep)の特定(ステップ2304)が実行される。
そして、ステップ2305において、停止予定図柄までのステップ数Nstepが、21<Nstep≦91であるか否かを確認し、この範囲内である場合には、ステップ2006において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「20」、減算数84qの値に「4」がセットされる。
一方、21<Nstep≦91でない場合、ステップ2007において、停止予定図柄までのステップ数が91<Nstep≦117であるか否かを確認し、この範囲内である場合には、ステップ2308において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタの値に「20」、減算数84qの値に「1」がセットされる。
なお、ステップ2009において91<Nstep≦117でない場合には、ステップ2011において、全相励磁停止設定処理が実行される。
このように、第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグのセットと、減速カウンタの値のセットが実行されると、停止制御処理(図31、図32)が実行される。
第3の実施形態では、図32のステップ2112の処理のみが、前記した第1の実施形態の場合と異なっている。
具体的には、ステップ2112において減速カウンタ84n値を減算する際に、第1の実施形態では、常に「1」ずつ減算していたが、第3の実施形態では、減算数84qにセットされている値ずつ減算される。
よって、減速時間が第1スローダウン処理よりも短い第2スローダウン処理の場合には、減算数84qの値が「4」にセットされているので、減速カウンタ84nの値は、タイマ割込処理のたびに、「20」→「16」→「12」→「8」→「4」→「0」という順序で減算される。
よって、ステップ2113からステップ2115の処理では、この減速カウンタ84nの値に対応する順番で、励磁相および励磁時間の設定と、励磁順ポインタ84hの変更が順次行われ、合計5ステップでリール61の回転が停止することになる。
このように、第1スローダウン処理では、励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す減速カウンタ84n(識別番号)と関連づけられた第1減速テーブル(図33)に基づいて、リール61の減速が実行される構成とし、さらに、停止図柄と所定位置との関係に基づいて、第1スローダウン処理と、第1スローダウン処理よりも減速時間が短い第2スローダウン処理の場合の何れにより、リール61の減速を実行するのかが決定され、第2スローダウン処理によりリール61を減速させる場合には、第1のスローダウン処理で使用する減速カウンタ84nの値を決定し、決定された減速カウンタ84nの順番に従って、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、リールを減速させる構成とした。
このように構成すると、停止図柄と所定位置との関係ごとに、複数の減速パターンを用意する必要なしに、リールをスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、リールやステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
次に、本発明の第4の実施形態を、図39〜図43を参照して説明する。
第4の実施形態では、ストップボタン46〜48が操作された時点において、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数(残り図柄ステップ数)Nstepと、前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果とに基づいて、スローダウン処理を実行するか否かを決定する。そして、スローダウン処理を実行する場合には、減速時間と減速度が異なる複数の減速テーブルの中からひとつの減速テーブルを選択し、選択した減速テーブルで規定された減速度でリール61のスローダウンを実行する。
図39は、第4の実施形態でのリール停止処理を説明するフローチャートである。図40および図41は、第4の実施形態と、後記する第5および第6の実施形態のリール停止処理で共通に用いられる減速テーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)を説明する図である。図42および図43は、第4の実施形態でのリール61の停止制御処理を説明するフローチャートである。
減速テーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)では、スローダウン期間として同じステップ数(24ステップ:図柄を1図柄分移動させるステップ数に相当)が設定されており、各ステップにおける励磁時間を異ならせることで、スローダウン時のリール61の回転角度を同じにしつつ、スローダウン時間の長さ(減速時間)と、スローダウン時のリール61の減速度を異ならせている。
図40に示すように、第1減速テーブルでは、各ステップ(減速順序)における励磁時間が、タイマ割込処理を2回実行する時間(2割込)に設定されており、48割込に相当する時間(71.52msec=1.49msec×48)をかけて、リール61を24ステップ分(1図柄分)回転させるように設定されている。
第2減速テーブルでは、各ステップ(減速順序)における励磁時間が、途中からタイマ割込処理を3回実行する時間(3割込)に設定されており、68割り込みに相当する時間(101.32msec=1.49msec×68)をかけて、リール61を24ステップ分(1図柄分)回転させるように設定されている。
ここで、スロットマシン10では、ストップボタン46〜48を操作してから190msec以内にステッピングモータ79の励磁相を固定することが要求されている。
よって、ストップボタン46〜48の操作された時点(t1)からストップボタン46〜48の操作を検出するまでに要する1回分のタイマ割込処理時間と、スローダウン期間とを考慮すると、第1減速テーブルでは、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で116.99msec(=190−(1.49+71.52))の間、リール61を定速で回転させることができるようになっている。
ここで、リール61が定速で回転している間(定速回転期間)では、1相励磁と、2相励磁とが、それぞれ1割込に相当する時間(1.49msec)ずつ交互に実行されるので、第1減速テーブルを採用する場合には、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で78ステップの定速回転期間(=116.99/1.49)が確保できるようになっている。
一方、図41に示すように、第2減速テーブルでは、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で87.19msec(=190−(1.49+101.32))の間、リール61を定速で回転させることができるようになっている。
よって、第2減速テーブルを採用する場合には、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で58ステップの定速回転期間(=87.19/1.49)が確保できるようになっている。
第4の実施形態でのリール停止処理を、図39を参照して説明する。
ここで、第4の実施形態にかかるリール停止処理もまた、前記した他の実施形態の場合と同様に、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
始めに、ステップ4001において、停止処理を実行するリール61を特定する。
実施の形態では、何れかのストップボタン46〜48が操作されると、操作されたストップボタンのフラグがセットされる。よって、セットされているフラグに対応するリール61が、停止処理を実行するリールであると特定される。
ステップ4001において停止処理を実行するリールが特定されると、ステップ4002において、ストップボタン46〜48が操作された時点におけるリール61の回転位置(現在位置)を特定する。
具体的には、RAM84に記憶された図柄番号84jと図柄オフセット値84iの値に基づいて、リール61の回転位置を特定できる。
ステップ4003において、リール61の停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置を特定する。
ここで、リールの停止時に表示される図柄は、通常遊技処理の抽選処理(図16、ステップ503)の結果、何れかの役(入賞役、小役)に当選している場合には、当選している役に応じて決まる図柄となるので、当選している役に応じて決まる図柄の位置が特定される。
ステップ4004において、ストップボタン46が操作された時点から、停止予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでに要するステップ数(Nstep)を特定する。すなわち、停止予定図柄までの距離を特定する。
ステップ4005において、ステップ数Nstepが、24<Nstep≦102であるか否かを確認する。
ステップ数Nstepが、かかる範囲内にない場合には、ステップ4012の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
第1減速テーブルまたは第2減速テーブルでは、24ステップをかけてリール61のスローダウン(減速)を行うため、停止予定図柄までのステップ数が「24」以下(Nstep≦24)である場合にスローダウンを行うと、リール61が停止したときに停止予定図柄が有効ライン上の位置(所定位置)を通過した位置に停止してしまう。
また、停止予定図柄までのステップ数が「102」よりも大きい(102<Nstep)場合には、停止予定図柄と所定位置とが大きく離れているため、かかる場合にリール61のスローダウン処理を行うと、ストップボタン46〜48の操作から所定時間(190msec)内に、停止予定図柄を所定位置まで到達させることができなくなる。
ここで、上限値の「102」は、190msec内でのステップ数(定速回転期間とスローダウン期間でのステップ数を合算したステップ数)が最も大きくなる第1減速テーブルに基づき決定される。
よって、ステップ4005において、24<Nstep≦102である場合、すなわち、リール61のスローダウンが実行可能である場合には、ステップ4006において、BB当選フラグがセットされているか否かが確認される。
第4の実施形態では、内部抽選でBB(ビッグボーナス)に当選している場合に、スローダウン処理の実行頻度が高くなるように設定されているからである。
BB当選フラグがセットされている場合、ステップ4007において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「5」の倍数でない場合には、ステップ4012の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
一方、Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ4008において、Nstepの値が「82」よりも大きいか否かが確認される。第2減速テーブルに基づくリール61のスローダウンが可能であるか否かを確認するためである。
ここで、閾値の「82」は、第2減速テーブルを採用する場合における190msec内でのステップ数(定速回転期間とスローダウン期間でのステップ数を合算したステップ数)の最大値である。
Nstepの値が「82」よりも大きい場合、ステップ4009において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2減速テーブル(図41)に基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第2スローダウンフラグ)がセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「24」がセットされる。
一方、ステップ4008において、Nstepの値が「82」よりも大きくない場合、ステップ4011において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1減速テーブル(図40)に基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第1スローダウンフラグ)がセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「24」がセットされる。
また、前記したステップ4006においてBB当選フラグがセットされていない場合、ステップ4010において、Nstepの値が「10」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「10」の倍数である場合には、ステップ4011において、前記した第1スローダウン設定処理が実行される。
一方、Nstepの値が「10」の倍数でない場合には、テップ4012の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
このように、第4の実施形態では、内部抽選でBBに当選している場合であって、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が5の倍数であり、かつ82よりも小さいとき(残り図柄ステップ数が25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80であるとき)と、BBに当選していない場合であって、残り図柄ステップ数が10の倍数であるとき(残り図柄ステップ数が30、40、50、60、70、80、90、100であるとき)に、第1減速テーブル(図40)に基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第1スローダウンフラグ)がセットされる。
そのため、ステップ4005の要件を満たしている場合には、BBに当選していない場合であっても、約18%の確率で、第1減速テーブルに基づくリール61のスローダウンが実行される。これにより、リール61のスローダウンが実行されると、BBに当選しているのではないかと遊技者に感じさせることができるようになるので、遊技者の次回以降の遊技への期待度を高めると共に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、BBに当選している場合にのみスローダウンが実行され、当選していない場合にはスローダウンが全く実行されないように設定されていると、スローダウンが実行される回数が少なくなると共に、スローダウンが実行されると必ずBBに当選していることになる。そうすると、BBに当選していない場合であってもスローダウンが実行される場合に比べて、遊技者の遊技に対する興趣を大きく向上させることが難しくなる。
また、第4の実施形態では、内部抽選でBBに当選している場合であって、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が5の倍数であり、かつ82よりも大きいとき(残り図柄ステップ数が85、90、95、100であるとき)に、第2減速テーブル(図41)に基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第2スローダウンフラグ)がセットされる。
ここで、この第2減速テーブルに基づくスローダウンでは、第1減速テーブルに基づくスローダウンよりも減速度が遅くなるように設定されている(スローダウン期間が長くなるように設定されている)。さらに、第2減速テーブルに基づくスローダウンは、BBに当選していない場合には実行されない。
そのため、遊技者は、スローダウンが実行されると、BBに当選していることを期待してスローダウンのときの減速度が遅くなる(スローダウン期間が長くなる)ことを望むようになる。すなわち、スローダウンが実行されることによってBBに当選しているかもしれないという期待が生じ、スローダウン期間が長いと、この期待が、BBに当選しているという確信に変わるので、スローダウンが実行された場合には、遊技者の関心は、スローダウン期間の長さに向かうことになる。
これにより、遊技者の関心を、ストップボタン46〜48が操作されてからのリール61の回転に引きつけることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるようになっている。
ここで、リール61が定速で回転している場合、リール61は、1.49msec毎に1ステップ分回転しているので、リール61を停止させるためにストップボタン46〜48を操作した場合、操作された時点における残り図柄ステップ数(Nstep)の値はランダムな値となる。すなわち、残り図柄ステップ数にランダム性がある。
そのため、実施の形態では、スローダウンを実行するか否かを決めるために用いるランダムな値を、遊技機の内部処理により乱数を発生させて取得する必要がないので、より簡単な処理や構成で、スローダウンを実行するか否かを決定することができるようになっている。
さらに、実施の形態では、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が所定の範囲内(24<Nstep≦102)である場合(ステップ4005においてYes)に、リール61を減速させたのちに停止させる第1の停止条件とし、その後の判定処理(ステップ4007、ステップ4010)において残り図柄ステップ数(Nstepの値)が所定の要件を満たしている場合には、リール61を減速させずに停止させる第2の停止条件に変更する構成とした。これにより、第1の停止条件が一旦選択された場合であっても、第2の停止条件に変更されることがあるので、周回体の減速のランダム性が大きくなり、遊技者の興趣をより引きつけることができるようになっている。
図39のリール停止処理の説明に戻って、ステップ4009、ステップ4011、またはステップ4012の処理が実行されると、前記したリール制御処理(図18参照)にリターンして、ステップ707以降の処理が実行されることになる。
この第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグのセットと、減速カウンタ84nの値のセットをトリガとして、モータ制御処理(図27、図28)の停止制御処理(ステップ1252)において、リール61をスローダウンさせながら停止させる処理が実行される。
第4の実施形態での停止制御処理(図28、ステップ1252)を、図42、図43のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明において、前記した第1の実施形態での停止制御処理(図31、図32)と共通する部分については、説明を適宜省略する。
ステップ4101において、リール61を停止させて停止予定図柄を所定位置に停止表示させるタイミングであるか否かを確認するために、残り図柄ステップ数が「0」であるか否かを確認する。
ここで、前記した図39のリール停止処理において、第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグがセットされた直後は、停止予定図柄までのステップ数Nstep(残り図柄ステップ数)を示す残り図柄カウンタ84mの値は「0」でない。
よって、かかる場合には、ステップ4104を経て、ステップ4106の処理に移行する。
ステップ4106では、第1スローダウンフラグがセットされているか否かが確認され、第1スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ4107において、現時点が、第1スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下であるか否かを確認する。
この残り図柄カウンタ84mの値は、前記した図39のリール停止処理の第1スローダウン設定処理(ステップ4011)においてセットされた値であり、第1減速テーブル(図40)に基づいてリール61の減速を開始するタイミングを規定している。
残り図柄ステップ数を示す残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下でない場合は、第1スローダウン処理が実行される前の待機中ということになる。かかる場合には、ステップ4108において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下になるまでの間は、そのステップ4108の処理により、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
そして、ステップ4107において、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下である場合には、第1スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第1スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ4111(図43参照)の処理に移行する。
ステップ4106において第1スローダウンフラグがセットされていない場合には、ステップ4109において、第2スローダウンフラグがセットされているか否かが確認される。
第2スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ4110において、現時点が、第2スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下であるか否かを確認する。
残り図柄ステップ数を示す残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下でない場合は、第2スローダウン処理が実行される前の待機中であるので、ステップ4108において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下になるまでの間は、そのステップ4108の処理により、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
ステップ4110において、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下である場合には、第2スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第2スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ4111(図43参照)の処理に移行する。
このように、残り図柄カウンタ84mの値が、スローダウン処理の開始タイミングを規定する所定値「24」になるまでの間は、遊技機のタイマ割込処理の実行間隔で「1」ずつ減算される。そして、残り図柄カウンタ84mの値が、スローダウン処理の開始タイミングを規定する所定値「24」になると、ステップ4111以降の処理が実行される。
ステップ4111(図43)では、減速ウエイトタイマ84pの値が「0」であるか否かが確認される。
第1スローダウンフラグと第2スローダウンフラグの何れがセットされたのちの最初にステップ4111の処理では、減速ウエイトタイマ84pの値はセットされておらず、「0」である。
よって、ステップ4113の処理に移行して、減速カウンタ84nの値が「1」減算処理される。これにより、減速カウンタ84nの値は、第1スローダウンフラグがセットされている場合と、第2スローダウンフラグがセットされている場合の何れにおいても、「23」になる。
続いて、ステップ4114において、減算後の減速カウンタ84nの値に対応した励磁時間の値を、減速テーブル(第1減速テーブル(図40)、第2減速テーブル(図41))から取得し、取得した励磁時間の値が、減速ウエイトタイマ84pにセットされる。
減速ウエイトタイマ84pの値のセットが終了すると、励磁順ポインタ(図8参照)の値を「1」だけインクリメントする更新処理が実行される(ステップ4115)。そして、更新処理された励磁順ポインタの値(例えば、「5」)に対応した励磁データを図8に示すテーブルより取得し、その励磁データ(06H)が左リール61L用の出力励磁データとしてRAM84に保存される(ステップ4116)。保存された励磁データはその他のリール61M、61Rのステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図26のステッピングモータ制御処理のステップ1105において入出力ポート82に同時に出力される。
そして、ステップ4117において、リール61を停止させるタイミング(第1または第2スローダウン処理の終了タイミング)を規定する残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算処理される。
このステップ4111からステップ4117までの処理は、残り図柄カウンタ84mの値が「24」以下なったのち、「0」になるまでの間、繰り返し実行される。
このステップ4111からステップ4117までの処理が繰り返されている間、励磁データは、減速カウンタ84nの値が変更されるたびに更新される。よって、残り図柄カウンタ84mの値が「0」になるまでの間、励磁相を交互に切換ながらリール61の減速が実行される。
そして、減速カウンタ84nの値が最終的に「0」になると、ステップ4101からステップ4102の処理に移行して、全相励磁停止処理が実行され、リール61が完全に停止することになる(ステップ4101〜ステップ4103)。
以上の通り、第4の実施形態では、遊技機のモータ制御手段が、停止図柄(停止予定図柄)を所定位置に停止表示させるときのリール61の減速度を設定する減速設定手段と、設定された減速度でリール61前記周回体を減速させたのちに停止させる減速停止手段とを備えると共に、遊技機が、停止図柄を所定位置に停止表示させるときのリール61の減速度が異なる複数の減速テーブルを記憶する記憶手段(ROM83、RAM84)を備え、減速設定手段が、記憶手段に記憶された複数の減速テーブルの中から、抽選の結果に基づいてひとつの減速テーブルを選択し、減速停止手段が、選択された減速テーブルで規定された減速度でリール61を減速させたのちに停止させる構成とし、記憶手段には、第1の減速度でリール61を減速させる第1減速テーブル(図40)と、第2の減速度でリール61を減速させる第2減速テーブル(図41)と、が記憶され、第1の減速度でリール61を減速させる第1減速テーブルが選択された場合の所定役(BB)への当選の期待度と、第2の減速テーブルが選択された場合の所定役(BB)への当選の期待度と、が異なる構成とした。
これにより、リール61は、選択された減速テーブルに規定された減速度で減速させられたのちに停止する。よって、抽選の結果に応じてリール61の減速度が異なるので、遊技者が、リール61が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。
また、第1減速テーブルが選択された場合と、第2減速テーブルが選択された場合とで、所定役(BB)への当選の期待度が異なるので、遊技者は、リールが停止する際の減速度の違いにより、所定役に当選している可能性が高いか否かが判るようになる。よって、遊技者が、リール61が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えつつ、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
特に、遊技機における内部抽選の結果、BBに当選している場合には所定の確率で第2減速テーブルまたは第1減速テーブルが選択され、BBに当選していない場合であっても、所定の確率で第1の減速テーブルが選択される構成とし、第2の減速テーブルに基づくリール61の減速度(減速期間)のほうが、第1の減速テーブルに基づくリール61の減速度(減速期間)よりも遅く(長く)なるように設定されている構成とした。
これにより、リール61のスローダウンが実行されると、BBに当選しているのではないかと遊技者に感じさせることができるようになるので、遊技者の次回以降の遊技への期待度を高めると共に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、スローダウンが実行されることによってBBに当選しているかもしれないという期待が生じ、スローダウン期間が長いと、この期待が、BBに当選しているという確信に変わるので、スローダウンが実行された場合には、遊技者の関心は、スローダウン期間の長さに向かうことになる。
これにより、遊技者の関心を、ストップボタン46〜48が操作されてからのリール61の回転に引きつけることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるようになっている。
停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速を行ったのちにリール61を停止させる第1の停止条件と、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速を行わずにリール61を停止させる第2の停止条件とが用意されており、停止条件選択手段は、第1の停止条件でリール61を停止させた際に停止図柄を所定位置に停止表示させることが可能である場合には、第1の停止条件を選択し、減速設定手段は、第1の停止条件が選択されると、抽選の結果に基づいて、複数の減速テーブルの中からひとつの減速テーブルを選択する構成とした。
これにより、停止ボタンが操作された際の停止図柄の位置が、リール61を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件でリール61を停止させることで、リール61を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
遊技機のモータは、多相ステッピングモータであり、停止条件選択手段は、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、第1の停止条件と第2の停止条件の何れかを選択する構成とした。
これにより、リール61の最小回転単位であるステップ数に基づいて、リール61を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、リール61とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
減速設定手段は、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、第1または第2の減速テーブルを選択する構成とし、第1減速テーブルと第2減速テーブルでは、減速の開始から停止予定図柄を所定位置に到達させるまでのステップ数が同じステップ数に設定されている構成とした。
このように構成すると、停止ボタンが操作されたときに決まるステップ数にはランダム性があるため、ステップ数に基づいて減速テーブルを選択することで、周回体の減速をランダムに実行できるようになる。ステップ数を用いない場合には、減速テーブルを選択する際に乱数を生成する処理などを遊技機において別途設ける必要があるが、ステップ数を用いる構成とすることで、簡単な処理で周回体の減速をランダムに実行できる。また、周回体の減速がランダムに実行されるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。さらに、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
さらに、減速の開始から停止予定図柄を所定位置に到達させるまでのステップ数が同じステップ数に設定されていると、第1減速テーブルと第2減速テーブルの何れが選択されても、リール61の減速は常に停止図柄の所定ステップ数前から開始される。よって、リール61の外周に描かれた図柄の並びを記憶しているような、遊技経験の豊富な遊技者の場合、リール61の減速が開始される位置により役に当選しているか否かが判るため、遊技者の関心は、自然と減速が開始されるタイミングに向かうことになる。よって、遊技者の興趣を引きつけることができる。
さらに、第1の停止条件が選択された場合に、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に応じて、第1の停止条件を第2の停止条件に変更する停止条件変更手段を備える構成とした。
このように構成すると、第1の停止条件が選択された場合であっても、第2の停止条件に変更されることがあるので、周回体の減速のランダム性が大きくなり、遊技者の興趣をより引きつけることができる。
さらに、第1減速テーブルと第2減速テーブルでは、減速の開始から停止図柄を前記所定位置に到達させるまでのステップ数が、リール61の外周に描かれた図柄を1図柄分(所定図柄分)移動させるのに要するステップ数である24ステップに設定されている構成とした。
これにより、リール61の減速が開始されるタイミングが、リール61の外周の周方向で隣接する図柄の切れ目となるので、リール61の減速が開始されたか否かを遊技者が認識し易くなる。
次に、リール停止処理の第5の実施形態を、図44を参照して説明する。
第5の実施形態にかかるリール停止処理では、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数Nstepと、前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、BBまたはRBの役に当選しているか否かとに基づいて、スローダウン処理を実行するか否かを決定し、スローダウン処理を実行する場合には、当選している役毎に用意された減速テーブルに基づいてリール61のスローダウンを実行し、スローダウンを実行する場合のリール61の減速度が、当選している役に応じて決まるように設定されている。
以下、第5の実施形態にかかるリール停止処理を説明する。
ここで、第5の実施形態にかかるリール停止処理もまた、前記した他の実施形態の場合と同様に、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
図44は、第5の実施形態にかかるリールの停止処理を説明するフローチャートである。なお、図44のフローチャートにおけるステップ5001〜5004の処理は、前記した第4の実施形態のリール停止処理(図39)におけるステップ4001〜4004の処理と同じであるので、ここではその説明を省略する。
ステップ5005において、ステップ数Nstepが、24<Nstep≦102である場合、ステップ5006において、BB当選フラグがセットされているか否かを確認する。
BB当選フラグがセットされている場合、ステップ5007において、Nstepの値が「82」よりも大きいか否かが確認される。第2減速テーブルに基づくリール61の減速が可能であるか否かを確認するためである。
ステップ5007において、Nstepの値が「82」よりも大きい場合、ステップ5008において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ5009の第2スローダウン設定処理において、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「24」がセットされる。
なお、ステップ5007においてNstepの値が「82」よりも大きくない場合、およびステップ5008において、Nstepの値が「5」の倍数でない場合には、ステップ5013の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
ステップ5006においてBB当選フラグがセットされていない場合、ステップ5010において、RB当選フラグがセットされているか否かが確認される。
RB当選フラグがセットされていない場合には、ステップ5013の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
第5の実施形態では、BBまたはRBに当選している場合に、一定条件のもと、スローダウン処理が実行されるように設定されているからである。
ステップ5010においてRB当選フラグがセットされている場合、ステップ5011において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。第1スローダウン処理を実行するか否かを判断するためである。
Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ5012の第1スローダウン設定処理において、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「24」がセットされる。
一方、「5」の倍数でない場合には、ステップ5013の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
このように第5の実施形態では、BBに当選している場合には、一定条件のもと第2スローダウン処理が実行され、BBに当選していなくてもRBに当選している場合には、一定要件のもと、第2スローダウン処理よりもスローダウン期間の短い第1スローダウン処理が実行される構成とした。
リール61のスローダウンが実行されると、BBまたはRBに入賞していることが判り、リール61がスローダウンするときの減速度の違いにより、BBとRBの何れに入賞しているのかが判るので、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
次に、リール停止処理の第6の実施形態を、図45を参照して説明する。
第6の実施形態にかかるリール停止処理では、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数Nstepが、スローダウン処理を実行する場合の要件を満たしている場合に、一定要件のもとスローダウン処理を実行し、スローダウン処理における減速度の違いにより、所定役(BB)への当選の期待度が表されるように設定されている。
以下、第6の実施形態にかかるリール停止処理を説明する。
ここで、第6の実施形態にかかるリール停止処理もまた、前記した他の実施形態の場合と同様に、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
図45は、第6の実施形態にかかるリールの停止処理を説明するフローチャートである。なお、図45のフローチャートにおけるステップ6001〜6004の処理は、前記した第4の実施形態のリール停止処理(図39)におけるステップ4001〜4004の処理と同じであるので、ここではその説明を省略する。
ステップ6005において、ステップ数Nstepが、24<Nstep≦82である場合、ステップ6006において、BB当選フラグがセットされているか否かを確認する。
ここで、前記した第4の実施形態では、第1減速テーブル基づくリール61の減速が実行可能であるか否かを、24<Nstep≦102であるか否か(図39、ステップ4005)に基づいて判断したのちに、第2減速テーブルに基づくリール61の減速が実行可能であるか否かを、82<Nstepであるか否か(図39、ステップ4008)に基づいて判断していた。
第6の実施形態では、第2減速テーブルに基づく減速と、第一減速テーブルに基づく減速の両方が実行可能であるか否かを、まとめて確認している。処理ステップ数を少なくすることで、より短時間でリール停止処理が完了するようにしているためである。
なお、第2減速テーブルに基づく減速と、第一減速テーブルに基づく減速の両方が実行可能であるか否かをまとめて確認することは、他の実施形態の場合にも好適に利用可能である。
図45のリール停止処理の説明に戻って、ステップ6006においてBB当選フラグがセットされている場合、ステップ6007において、Nstepの値が「10」の倍数であるか否かが確認される。Nstepの値が「10」の倍数である場合には、ステップ6008の第2スローダウン設定処理において、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「24」がセットされる。
ステップ6007においてNstepの値が「10」の倍数でない場合には、ステップ6009において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ6010の第1スローダウン設定処理において、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「24」がセットされる。
また、ステップ6006において、BB当選フラグがセットされていない場合でも、Nstepの値が「5」の倍数である場合には(ステップ6009)、ステップ6010において第1スローダウン設定処理が実行される。
このように第6の実施形態では、第2減速テーブルに規定された減速度でリール61の減速が行われた場合には、100%の確率でBBに当選しており、第2減速テーブルに規定された減速度でリール61の減速が行われた場合には、BBに当選している可能性があることを、遊技者が認識できるようにした。
すなわち、リールの減速度に応じて、所定の入賞役(BB)への期待度が異なるように、減速テーブルを選択する構成としたので、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
このように、第6の実施形態では、内部抽選でBBに当選している場合であって、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が10の倍数であるとき(残り図柄ステップ数が30、40、50、60、70、80であるとき)に、第2スローダウンフラグがセットされて、第2減速テーブル(図41)に基づく減速(スローダウン)が実行される。
また、内部抽選でBBに当選している場合であって、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が10の倍数でないときでも、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が5の倍数であるとき(残り図柄ステップ数が25、35、45、55、65、75であるとき)には、第1スローダウンフラグがセットされて、第1減速テーブル(図40)に基づく減速(スローダウン)が実行される。
さらに、内部抽選でBBに当選していない場合であっても、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が5の倍数であるとき(残り図柄ステップ数が25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80であるとき)には、第1スローダウンフラグがセットされて、第1減速テーブル(図40)に基づく減速(スローダウン)が実行される。
そのため、ステップ6005の要件を満たしている場合には、BBに当選していない場合であっても、所定の確率で、第1減速テーブルに基づくリール61のスローダウンが実行される。これにより、リール61のスローダウンが実行されると、BBに当選しているのではないかと遊技者に感じさせることができるようになるので、遊技者の次回以降の遊技への期待度を高めると共に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、この第2減速テーブルに基づくスローダウンの期間は、第1減速テーブルに基づくスローダウンの期間よりも長く設定されているので、遊技者は、スローダウンが実行されると、BBに当選していることを期待してスローダウン期間が長くなるなることを望むようになる。すなわち、スローダウンが実行されることによってBBに当選しているかもしれないという期待が生じ、スローダウン期間が長いと、この期待が、BBに当選しているという確信に変わるので、スローダウンが実行された場合には、遊技者の関心は、スローダウン期間の長さに向かうことになる。
これにより、遊技者の関心を、ストップボタン46〜48が操作されてからのリール61の回転に引きつけることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるようになっている。
次に、本発明の第7の実施形態を、図46〜図50を参照して説明する。
第7の実施形態では、ストップボタン46〜48が操作された時点において、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数(残り図柄ステップ数)Nstepと、前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果とに基づいて、スローダウン処理を実行するか否かを決定する。そして、スローダウン処理を実行する場合には、減速時間と減速時のステップ数が異なる複数の減速テーブルの中からひとつの減速テーブルを選択し、選択した減速テーブルで規定されたステップ数でリール61のスローダウンを実行する。
図46は、第7の実施形態でのリール停止処理を説明するフローチャートである。図47および図48は、第7の実施形態と、後記する第7の実施形態のリール停止処理で共通に用いられる減速テーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)を説明する図である。図49および図50は、第7の実施形態でのリール61の停止制御処理を説明するフローチャートである。
減速テーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)では、各ステップにおける励磁時間が同じであるものの、ステップ数が異なるスローダウン期間が設定されており、スローダウン時にリール61が回転する量(回転角度)が異なっている。
図47に示すように、第1減速テーブルでは、1図柄の半分だけリール61を回転させるのに必要な12ステップが、スローダウン期間として設定されており、各ステップ(減速順序)における励磁時間が、タイマ割込処理を2回実行する時間(2割込)に設定されている。よって、第1減速テーブルでは、24割込に相当する時間(35.76msec=1.49msec×24)をかけて、リール61を12ステップ分(1図柄の半分)回転させるように設定されている。
図48に示すように、第2減速テーブルでは、1図柄と半分だけリール61を回転させるのに必要な36ステップが、スローダウン期間として設定されており、各ステップ(減速順序)における励磁時間が、タイマ割込処理を2回実行する時間(2割込)に設定されている。よって、第2減速テーブルでは、72割込に相当する時間(107.28msec=1.49msec×72)をかけて、リール61を36ステップ分(1図柄と半分)回転させるように設定されている。
前記したように、スロットマシン10では、ストップボタン46〜48を操作してから190msec以内にステッピングモータ79の励磁相を固定することが要求されている。
よって、ストップボタン46〜48の操作された時点(t1)からストップボタン46〜48の操作を検出するまでに要する1回分のタイマ割込処理時間と、スローダウン期間とを考慮すると、第1減速テーブルでは、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で152.75msec(=190−(1.49+35.76))の間、リール61を定速で回転させることができるようになっている。
ここで、リール61が定速で回転している間(定速回転期間)では、1相励磁と、2相励磁とが、それぞれ1割込に相当する時間(1.49msec)ずつ交互に実行されるので、第1減速テーブルを採用する場合には、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で102ステップの定速回転期間(=152.75/1.49)が確保できるようになっている。
一方、図48に示すように、第2減速テーブルでは、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で81.23msec(=190−(1.49+107.28))の間、リール61を定速で回転させることができるようになっている。
よって、第2減速テーブルを採用する場合には、リール61のスローダウンを開始する前に、最大で54ステップの定速回転期間(81.23/1.49)が確保できるようになっている。
第7の実施形態でのリール停止処理を、図46を参照して説明する。
ここで、第7の実施形態にかかるリール停止処理もまた、前記した他の実施形態の場合と同様に、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
なお、図46のフローチャートにおけるステップ7001〜7004の処理は、前記した第4の実施形態のリール停止処理(図39)におけるステップ4001〜4004の処理と同じであるので、ここではその説明を省略する。
ステップ7005において、ステップ数Nstepが、12<Nstep≦114である場合、ステップ7006において、BB当選フラグがセットされているか否かを確認する。
第7の実施形態では、内部抽選でBB(ビッグボーナス)に当選している場合に、スローダウン処理の実行頻度が高くなるように設定されているからである。
BB当選フラグがセットされている場合、ステップ7007において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「5」の倍数でない場合には、ステップ7012の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
一方、Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ7008において、Nstepの値が「90」よりも大きいか否かが確認される。第2減速テーブルに基づくリール61のスローダウンが可能であるか否かを確認するためである。
ここで、閾値の「90」は、第2減速テーブルを採用する場合における190msec内でのステップ数(定速回転期間とスローダウン期間でのステップ数を合算したステップ数)の最大値である。
Nstepの値が「90」よりも大きい場合、ステップ7009において第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2減速テーブルに基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第2スローダウンフラグ)がセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「36」がセットされる。
一方、ステップ7008において、Nstepの値が「90」よりも大きくない(「90」以下である)場合、ステップ7011において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1減速テーブルに基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第1スローダウンフラグ)がセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「12」がセットされる。
また、前記したステップ7006においてBB当選フラグがセットされていない場合、ステップ7010において、Nstepの値が「10」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「10」の倍数である場合には、ステップ7011において、前記した第1スローダウン設定処理が実行される。
一方、Nstepの値が「10」の倍数でない場合には、テップ7012の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
このように、第7の実施形態では、内部抽選でBBに当選している場合であって、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が5の倍数であり、かつ90よりも小さいときと、BBに当選していない場合であって、残り図柄ステップ数が10の倍数であるとき(残り図柄ステップ数が20、30、40、50、60、70、80、90、100、110であるとき)に、第1減速テーブル(図47)に基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第1スローダウンフラグ)がセットされる。
また、内部抽選でBBに当選している場合であって、残り図柄ステップ数(Nstepの値)が5の倍数であり、かつ90よりも大きいとき(残り図柄ステップ数が100、110)に、第2減速テーブル(図48)に基づいてスローダウンを実行することを示すフラグ(第2スローダウンフラグ)がセットされる。
ここで、第2減速テーブルに基づくスローダウンのほうが、第1減速テーブルに基づくスローダウンよりも、1図柄分多くリール61が回転する。そして、第2減速テーブルに基づくスローダウンが実行されると、BBに当選していることが確実になる。
そのため、遊技者は、スローダウンが実行されると、BBに当選していることを期待してスローダウン期間が長くなることをと望むようになる。すなわち、スローダウンが実行されることによってBBに当選しているかもしれないという期待が生じ、スローダウン期間が長いと、この期待が、BBに当選しているという確信に変わるので、スローダウンが実行された場合には、遊技者の関心は、スローダウン期間の長さに向かうことになる。
これにより、遊技者は、スローダウンが長く実行されることを期待しながら、リールの回転に注目することになり、遊技者の関心を、ストップボタン46〜48が操作されてからのリール61の回転に引きつけることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるようになっている。
また、リール61の減速期間(スローダウン期間)は、第2減速テーブルの方が1図柄分に相当するステップ数だけ長いので、第1減速テーブルに基づくスローダウンの場合と、第2減速テーブルに基づくスローダウンの場合とでは、スローダウンが、同じ図柄の同じ位置(同じステップ数の位置)から開始されることになる。
第1減速テーブルの場合と第2減速テーブルの場合の間でのステップ数の違いが図柄単位(例えば1図柄分:24ステップ、2図柄分:48ステップ)でない場合には、スローダウンの開始時期(位置)が、第1減速テーブルが選択された場合と第2減速テーブルが選択された場合とで異なるので、スローダウンの開始時期(位置)によりどちらの減速テーブルが選択されているのかを、遊技者が知ることができる。
実施の形態のように、ステップ数の違いを図柄単位とすると、リールの停止時期(位置)を確認するまでは、何れの減速テーブルが選択されたのかを知ることができないので、遊技者の興味を、スローダウン期間の長さにより確実に引きつけることができるようになる。
図46のリール停止処理の説明に戻って、ステップ7009、ステップ7011、またはステップ7012の処理が実行されると、前記したリール制御処理(図18参照)にリターンして、ステップ707以降の処理が実行されることになる。
この第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグのセットと、減速カウンタ84nの値のセットをトリガとして、モータ制御処理(図27、図28)の停止制御処理(ステップ1252)において、リール61をスローダウンさせながら停止させる処理が実行される。
第7の実施形態での停止制御処理(図28,ステップ1252)を、図49、図50のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明において、前記した第1の実施形態での停止制御処理(図31、図32)と共通する部分については、説明を適宜省略する。
ステップ7101において、リール61を停止させて停止予定図柄を所定位置に停止表示させるタイミングであるか否かを確認するために、残り図柄ステップ数が「0」であるか否かを確認する。
ここで、前記した図46のリール停止処理において、第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグがセットされた直後は、停止予定図柄までのステップ数Nstep(残り図柄ステップ数)を示す残り図柄カウンタ84mの値は「0」でない。
よって、かかる場合には、ステップ7104を経て、ステップ7106の処理に移行する。
ステップ7106では、第1スローダウンフラグがセットされているか否かが確認され、第1スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ7107において、現時点が、第1スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残り図柄カウンタ84mの値が「12」以下であるか否かを確認する。
この残り図柄カウンタ84mの値は、前記した図46のリール停止処理の第1スローダウン設定処理(ステップ7011)においてセットされた値であり、第2減速テーブル(図47)に基づいてリール61の減速を開始するタイミングを規定している。
残り図柄ステップ数を示す残り図柄カウンタ84mの値が「12」以下でない場合は、第1スローダウン処理が実行される前の待機中ということになる。かかる場合には、ステップ7108において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「12」以下になるまでの間は、そのステップ7108の処理により、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
そして、ステップ7107において、残り図柄カウンタ84mの値が「12」以下である場合には、第1スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第1スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ7111(図50参照)の処理に移行する。
ステップ7106において第1スローダウンフラグがセットされていない場合には、ステップ7109において、第2スローダウンフラグがセットされているか否かが確認される。
第2スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ7110において、現時点が、第2スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残り図柄カウンタ84mの値が「36」以下であるか否かを確認する。
残り図柄ステップ数を示す残り図柄カウンタ84mの値が「36」以下でない場合は、第2スローダウン処理が実行される前の待機中であるので、ステップ7108において、残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残り図柄カウンタ84mの値が「36」以下になるまでの間は、そのステップ7108の処理により、残り図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
ステップ7110において、残り図柄カウンタ84mの値が「36」以下である場合には、第2スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第2スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ7111(図50参照)の処理に移行する。
このように、残り図柄カウンタ84mの値が、スローダウン処理の開始タイミングを規定する所定値(第1スローダウン処理の場合は「12」、第2スローダウン処理の場合は「36」)になるまでの間は、遊技機のタイマ割込処理の実行間隔で「1」ずつ減算される。そして、残り図柄カウンタ84mの値が、スローダウン処理の開始タイミングを規定する所定値になると、ステップ7111以降の処理が実行される。
ステップ7111(図50)では、減速ウエイトタイマ84pの値が「0」であるか否かが確認される。
第1スローダウンフラグと第2スローダウンフラグの何れがセットされたのちの最初にステップ7111の処理では、減速ウエイトタイマ84pの値はセットされておらず、「0」である。
よって、ステップ7113の処理に移行して、減速カウンタ84nの値が「1」減算処理される。これにより、減速カウンタ84nの値は、第1スローダウンフラグがセットされている場合は「11」に、第2スローダウンフラグがセットされている場合は「35」になる。
続いて、ステップ7114において、減算後の減速カウンタ84nの値に対応した励磁時間の値を、減速テーブル(第1減速テーブル(図47)、第2減速テーブル(図48))から取得し、取得した励磁時間の値が、減速ウエイトタイマ84pにセットされる。
減速ウエイトタイマ84pの値のセットが終了すると、励磁順ポインタ(図8参照)の値を「1」だけインクリメントする更新処理が実行される(ステップ7115)。そして、更新処理された励磁順ポインタの値(例えば、「5」)に対応した励磁データを図8に示すテーブルより取得し、その励磁データ(06H)がリール61用の出力励磁データとしてRAM84に保存される(ステップ7116)。保存された励磁データは総てのリール61R、61M、61Rのステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図26のステッピングモータ制御処理のステップ1105において入出力ポート82に同時に出力される。
そして、ステップ7117において、リールを停止させるタイミング(第1または第2スローダウン処理の終了タイミング)を規定する残り図柄カウンタ84mの値が「1」減算処理されることになる。
このステップ7111からステップ7117までの処理は、残り図柄カウンタ84mの値が所定値(第1スローダウン処理の場合は「12」、第2スローダウン処理の場合は「24」)以下なったのち、「0」になるまでの間、繰り返し実行される。
このステップ7111からステップ7117までの処理が繰り返されている間、励磁データは、減速カウンタ84nの値が変更されるたびに更新される。よって、残り図柄カウンタ84mの値が「0」になるまでの間、励磁相を交互に切換ながらリール61の減速が実行される。
そして、減速カウンタ84nの値が最終的に「0」になると、ステップ7101からステップ7102の処理に移行して、全相励磁停止処理が実行され、リール61が完全に停止することになる(ステップ7101〜ステップ7103)。
以上の通り、第7の実施形態では、モータ制御手段が、停止図柄(停止予定図柄)を所定位置に停止表示させるときのリール61の減速時間を、抽選結果に基づいて設定する減速設定手段と、設定された減速時間でリール61を減速させたのちに停止させる減速停止手段と、を備えると共に、遊技機が、停止図柄を所定位置に停止表示させるときのリール61の減速時間が異なる複数の減速テーブルを記憶する記憶手段(ROM83、RAM84)を備え、減速設定手段が、記憶手段に記憶された複数の減速テーブルの中から、抽選の結果に基づいてひとつの減速テーブルを選択し、減速停止手段が、選択された減速テーブルで規定された減速時間でリール61を減速させたのちに停止させる構成とし、記憶手段には、第1の減速時間でリール61を減速させる第1減速テーブル(図47)と、第2の減速時間でリール61を減速させる第2減速テーブル(図48)と、が記憶され、第1の減速度でリール61を減速させる第1減速テーブルが選択された場合の所定役(BB)への当選の期待度と、第2の減速テーブルが選択された場合の所定役(BB)への当選の期待度と、が異なる構成とした。
これにより、リール61は、抽選の結果に基づいて選択された減速テーブルに規定された減速時間で減速させられたのちに停止する。よって、抽選の結果に応じてリール61の減速時間が異なるので、遊技者が、リール61が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。
また、第1減速テーブルが選択された場合と、第2減速テーブルが選択された場合と出、所定役(BB)への当選の期待度が異なるので、遊技者は、リールが停止する際の減速時間の違いにより、所定役に当選している可能性が高いか否かが判るようになる。よって、遊技者が、リール61が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えつつ、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
特に、遊技機における内部抽選の結果、BBに当選している場合には所定の確率で第2減速テーブルまたは第1減速テーブルが選択され、BBに当選していない場合であっても、所定の確率で第1の減速テーブルが選択される構成とし、第2の減速テーブルに基づくリール61の減速時間のほうが、第1の減速テーブルに基づくリール61の減速時間よりも長くなるように設定されて、第1減速テーブルに基づくリール61のスローダウン(減速)の場合よりも、1図柄分多く回転する構成とした。
これにより、リール61のスローダウンが実行されると、BBに当選しているのではないかと遊技者に感じさせることができるようになるので、遊技者の次回以降の遊技への期待度を高めると共に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、スローダウンが実行されることによってBBに当選しているかもしれないという期待が生じ、スローダウンの際にリール61が1図柄分多く回転すると、この期待が、BBに当選しているという確信に変わるので、スローダウンが実行された場合には、遊技者の関心は、スローダウンの際のリール61の回転量(角度)に向かうことになる。
これにより、遊技者の関心を、ストップボタン46〜48が操作されてからのリール61の回転に引きつけることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるようになっている。
停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速を行ったのちにリール61を停止させる第1の停止条件と、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速を行わずにリール61を停止させる第2の停止条件とが用意されており、停止条件選択手段は、第1の停止条件でリール61を停止させた際に停止図柄を所定位置に停止表示させることが可能である場合には、第1の停止条件を選択し、減速設定手段は、第1の停止条件が選択されると、抽選の結果に基づいて、複数の減速テーブルの中からひとつの減速テーブルを選択する構成とした。
これにより、停止ボタンが操作された際の停止図柄の位置が、リール61を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件でリール61を停止させることで、リール61を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
また、抽選の結果に応じてリール61の減速時間が異なるので、遊技者が、リール61が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。
遊技機のモータは、多相ステッピングモータであり、減速テーブル選択手段は、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、第1の停止条件と第2の停止条件の何れかを選択する構成とした。
これにより、リール61の最小回転単位であるステップ数に基づいて、リール61を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、リール61とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
減速設定手段は、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、減速テーブルを選択する構成とし、第1減速テーブルと第2減速テーブルでは、減速の開始から停止図柄を前記所定位置に到達させるまでのステップ数が異なるステップ数に設定され、減速の開始から停止図柄を所定位置に到達させるまでのステップ数は、第2の減速テーブルのほうが、リール61の外周に描かれた図柄を1図柄分移動させるのに要するステップ数の分だけ、第1減速テーブルよりも多く設定されている構成とした。
このように構成すると、停止ボタンが操作されたときに決まるステップ数にはランダム性があるため、ステップ数に基づいて減速テーブルを選択することで、周回体の減速をランダムに実行できるようになる。ステップ数を用いない場合には、減速テーブルを選択する際に乱数を生成する処理などを遊技機において別途設ける必要があるが、ステップ数を用いる構成とすることで、簡単な処理で周回体の減速をランダムに実行できる。また、周回体の減速がランダムに実行されるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。さらに、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
また、リール61の減速が開始されるタイミングは同じであるものの、リール61が停止した時点での位置が、リール61の外周の周方向で隣接する1図柄分ずれるので、リール61の減速時間の違いを遊技者が認識し易くなる。
さらに、第1の停止条件が選択された場合に、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に応じて、第1の停止条件を第2の停止条件に変更する停止条件変更手段を備える構成とした。
このように構成すると、第1の停止条件が選択された場合であっても、第2の停止条件に変更されることがあるので、周回体の減速のランダム性が大きくなり、遊技者の興趣をより引きつけることができる。
次に、リール停止処理の第8の実施形態を、図51を参照して説明する。
第8の実施形態にかかるリール停止処理では、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数Nstepと、前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、BBまたはRBの役に当選しているか否かとに基づいて、スローダウン処理を実行するか否かを決定し、スローダウン処理を実行する場合には、当選している役毎に用意された減速テーブルに基づいてリール61のスローダウンを実行し、スローダウンを実行する場合のリール61の減速度が、当選している役に応じて決まるように設定されている。
以下、第8の実施形態にかかるリール停止処理を説明する。
ここで、第8の実施形態にかかるリール停止処理もまた、前記した他の実施形態の場合と同様に、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
図51は、第8の実施形態にかかるリールの停止処理を説明するフローチャートである。なお、図51のフローチャートにおけるステップ8001〜8004の処理は、前記した第4の実施形態のリール停止処理(図39)におけるステップ4001〜4004の処理と同じであるので、ここではその説明を省略する。
ステップ8005において、ステップ数Nstepが、12<Nstep≦114である場合、ステップ8006において、BB当選フラグがセットされているか否かを確認する。
BB当選フラグがセットされている場合、ステップ8007において、Nstepの値「90」よりも大きいか否かが確認される。第2減速テーブル(図48)に基づくリール61のスローダウンが可能であるか否かを確認するためである。
ステップ8007において、Nstepの値が「90」よりも大きい場合、ステップ8008において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。
Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ8009の第2スローダウン設定処理において、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「36」がセットされる。
なお、ステップ8007においてNstepの値が「90」よりも大きくない場合、およびステップ8008においてNstepの値が「5」の倍数でない場合には、ステップ8013の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
ステップ8006においてBB当選フラグがセットされていない場合、ステップ8010において、RB当選フラグがセットされているか否かが確認される。
RB当選フラグがセットされていない場合には、ステップ8013の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
第8の実施形態では、BBまたはRBに当選している場合に、一定条件のもと、スローダウン処理が実行されるように設定されているからである。
ステップ8010においてRB当選フラグがセットされている場合、ステップ8011において、Nstepの値が「5」の倍数であるか否かが確認される。第1スローダウン処理を実行するか否かを判断するためである。
Nstepの値が「5」の倍数である場合には、ステップ8012の第1スローダウン設定処理において、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「12」がセットされる。
一方、「5」の倍数でない場合には、ステップ5013の処理に移行して、全相励磁停止設定処理が実行される。
このように第8の実施形態では、BBに当選している場合には、一定条件のもと第2スローダウン処理が実行され、BBに当選していなくてもRBに当選している場合には、一定要件のもと、第2スローダウン処理よりもスローダウン期間の短い第1スローダウン処理が実行される構成とした。
リール61のスローダウンが実行されると、BBまたはRBに入賞していることが判り、リール61がスローダウンするときの減速時間(ステップ数)の違いにより、BBとRBの何れに入賞しているのかが判るので、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
以上、実施の形態では、リール61(61L、61M、61R)の回転位置を検出するためのセンサカットバンが、リール61(61L、61M、61R)の各々に2つ(第1センサカットバン76と第2センサカットバン77)ずつ設けられている場合を例示したが、センサカットバンの数は、少なくともひとつ以上設けられていれば良い。よって、作製コストや要求される回転位置の検出精度に応じて、センサカットバンの数を1つとすることや、3つ以上としても良い。
さらに、実施の形態では、リールをスローダウンさせる場合に、スローダウン期間の長い第1減速テーブル(図33参照)と、これよりもスローダウン期間の短い第2減速テーブル(図34参照)とを用いて、各励磁方法(1相励磁または2相励磁)の切り換えと、各励磁方法における励磁時間(割込み数)の設定とを実行していたが、これらのテーブルにおいてスローダウン期間における励磁相の切り換え回数を規定する「減速順序」の数と、各励磁方法(1相励磁または2相励磁)における「励磁時間(割込み数)」は、スローダウン期間の長さやリールのスローダウン方法に応じて適宜変更可能である。
また、リールをスローダウンさせる際に使用される減速テーブルの数も、実施の形態の態様に限定されるものではなく、例えば減速テーブルの数をひとつにすることや、3つ以上にすることも可能である。
よって、例えば図38の(a)、(b)に示すように、「減速順序」の数が同じで、各切り換え順序における「励磁時間(割込み数)」が異なる減速テーブル、すなわちリールをスローダウンさせるときの減速度が異なる減速テーブル(第3減速テーブル、第4減速テーブル)を用意し、停止図柄と所定位置との関係に基づいて、何れかの減速テーブルを選択して、リールをスローダウンさせるようにしても良い。
また、実施の形態では、リールのスローダウン制御をメイン制御基板80側で行うように設定したが、サブ制御基板90側で行うようにしても良い。
このようにすると、サブ制御基板90が液晶ディスプレイ15に表示される演出表示を制御する場合には、演出表示に連動させてリールのスローダウン制御を実行できるようになるので、リールへの負荷を低減させつつ、遊技における演出効果を高めることができるようになる。
さらに、実施の形態では、最終的に全相励磁を行ってリールを完全に停止させる場合を例示したが、1相励磁または2相励磁における励磁時間を長くすることで、リールを完全に停止させるようにしても良い。
スローダウン制御を実行すると、徐々にリールの回転速度が低下するので、1相励磁または2相励磁における励磁時間を長くすることでリールを停止させても、定速で回転しているリールを全相励磁で停止させる場合に比べて、脱調や回転の不安定性が生じる可能性が低いからである。
また、実施の形態では、ストップボタン46〜48が操作されて停止指令があったとき(図18、ステップ703)に、リール停止処理(ステップ706)において、リールをスローダウンさせながら停止させるのかを決定するようにしたが、停止指令があったのち所定時間経過後に、リールをスローダウンさせながら停止させるのかを決定するようにしても良い。
例えば、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数が「20」になったときに、リールをスローダウンさせながら停止させるのかを決定するようにしても良い。
前記した実施形態では、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、スローダウン処理を実行するか否かを判断する場合を例示したが、例えば内部抽選に当選している場合には、停止予定図柄が表示窓31内で視認可能なときにストップボタン46〜48が操作された場合に、スローダウン処理が実行されるようにしても良い。
このようにすると、内部抽選に当選している場合には、当選している役を構成する図柄、例えばBBの場合には図10において図柄番号6の「7(超)」が表示窓31内で視認可能なときにストップボタン46が操作されると、スローダウン処理が実行されて、停止予定図柄がスローダウンしながら表示窓31内を移動して所定位置に停止することになる。
よって、内部抽選に当選しているか否かを遊技者が把握しやすくなると共に、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
スローダウン処理は、内部抽選の結果、ボーナス(BB、RB)が内部中の場合に行うようにしても良い。内部抽選の結果、ボーナス(BB、RB)に当選している場合、当選直後の遊技においてBBへの入賞を確定させる図柄を有効ライン上に揃えることができなくても、BB、RBへの当選が次回以降の遊技に持ち越されている場合がある。この持ち越された遊技においてリール61を停止させる際に、スローダウン処理を行うようにすると、遊技者が、内部抽選の結果、ボーナス(BB、RB)に当選していることを判ることができる。また、ボーナスと小役とが同時に成立している場合でもスローダウンを行うようにしても良い。
これにより、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
前記した第5の実施形態では、BBに当選している場合には、一定要件のもと、第2スローダウン処理が実行され、RBに当選している場合には、一定要件のもと、第1スローダウンフラグ処理が実行される場合を例示したが、遊技機に設定された役毎に専用の減速テーブルを設けて、入賞している役(BB、RB、小役(スイカ、チェリー、ベルなど))毎に、リール61を停止させるときの減速度、減速時間、そしてステップ数などが異なるようにしても良い。
このようにすることによっても、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
さらに、スローダウン処理が実行される場合の役の期待度が、減速テーブル毎に異なるようにしても良い。例えば、第1減速テーブルに基づいてリール61のスローダウンが実行された場合には、90%の確率でBBに10%の確率でRBに当選しており、第2減速テーブルに基づいてリール61のスローダウンが実行された場合には、80%の確率でBBに20%の確率でRBに当選している、というようにしても良い。
このようにすることによっても、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作からリール61が停止するまでの間のリール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
上記の実施形態では、リール61を停止させるときのスローダウン処理を、左リール61Lの場合を例示して説明した。スローダウン処理は、総てのリール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)について行っても良いし、左リール61L、中リール61M、右リール61Rの中から選択されたひとつ、または2つのリールについて行うようにしても良い。
さらに、内部抽選の結果に関連づけて、特定のリールを停止させる際にスローダウン処理を行うようにしても良い。例えば、内部抽選の結果、BBに当選している場合に、中リール61Mのみがスローダウン処理により停止するように構成すると、中リール61Mがスローダウンしたのちに停止するか否かに基づいて、BBに当選しているか否かが判るようになる。このようにすることによっても、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、リール61の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
前記した実施形態では、リールをスローダウンさせる際に利用される複数の減速テーブルとして、減速テーブルにおけるステップ数が同じで、各ステップにおける励磁時間が異なる場合(第4、5、6の実施形態)と、各ステップ数における励磁時間が同じで、減速テーブルにおけるステップ数が異なる場合(第7、8の実施形態)とを例示したが、これに限定されるものではない。
減速テーブルにおけるステップ数と、各ステップにおける励磁時間が異なる複数の減速テーブルを採用し、内部抽選の結果や、当選している場合の役に応じて、減速時間、減速度、スローダウン時にリール61を回転させるステップ数の総てが異なるようにしても良い。このようにすることによっても、遊技者の関心を引きつけることができる。
第9の実施形態にかかるスロットマシン(遊技機)は、スタートレバー45操作時の抽選処理(内部抽選)によりBBに当選した場合、ストップボタン46の操作により左リール61Lが最初に停止し、かつこの場合に表示窓31内に停止表示された左リール61Lの図柄の組合せがBBに当選していることを示す図柄の組合せ、すなわちリーチ目(図57)であるときに、フリーズ処理を実行する。
そして、フリーズ処理が実行されている間にストップボタン47、ストップボタン48が操作されても、かかる操作により、中リール61M、右リール61Rが停止しないようになっている。
以下、第9の実施形態にかかる遊技機における処理を、詳細に説明する。
図52は、第9の実施形態の遊技機における抽選処理のフローチャートである。
この抽選処理では、始めに、ステップ3001において、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づいて、当否決定用の乱数テーブルが選択される。
ステップ3002では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー45が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を実行する。そして、ステップ3003において、予め設定されている複数の入賞役のうちの何れかに当選したか否かを確認し、何れの入賞役にも当選していない場合には、そのまま処理を終了する。
何れかの入賞役に当選した場合には、ステップ3004において、当選した入賞役のフラグ(当選フラグ)をセットすると共に、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。よって、当選した入賞役がBB(ビッグボーナス)である場合には、BB当選フラグがセットされる。
続いて、ステップ3005において、フリーズ判定フラグ設定処理が実行される。
このフリーズ判定フラグ設定処理では、フリーズ処理を実行するか否かを規定するフラグ(フリーズ判定フラグ)の値が設定される。
図53は、フリーズ判定フラグ設定処理の詳細を説明するフローチャートである。
このフリーズ判定フラグ設定処理では、ステップ3101において、内部抽選によりBBに当選しているか否かを確認する。
スタートレバー45操作時の抽選処理(内部抽選)によりBBに当選していることが、フリーズ処理を実行する場合の前提条件のひとつだからである。
ここで、BBに当選している場合には、前記した抽選処理(図52)のステップ3004においてBB当選フラグがセットされているので、ステップ3101では、BB当選フラグがセットされているか否かを確認する。
BB当選フラグがセットされている場合、ステップ3101(図53)の処理が肯定されてステップ3102の処理に移行する。そして、ステップ3102において、フリーズ判定フラグの値が「0」であるか否かを確認する。
実施の形態では、フリーズ判定フラグの値として、「0」、「1」、「2」が用意されている。内部抽選により特別遊技状態のうちのBBに当選した場合であって、フリーズ処理が実行される前には、フリーズ判定フラグの値に「2」がセットされ、フリーズ処理が実行された後には、フリーズ判定フラグの値に「1」がセットされる。
さらに、内部抽選によりBBに当選したのち、総てのリール61を停止させたときの図柄組合せがBBの図柄組合せと一致して、BBに入賞した場合には、「0」がセットされる。
また、スロットマシン10の状態が通常遊技状態である場合や、特別遊技状態であってもRBである場合には、フリーズ判定フラグの値に「0」がセットされる。
よって、BB当選フラグがセットされている場合(ステップ3101においてYes)であって、ステップ3102においてフリーズ判定フラグの値が「0」である場合とは、内部抽選によりBBに当選し、かつフリーズ処理が実行される前、すなわちBBに当選した直後ということになる。
この場合には、ステップ3103の処理に移行して、フリーズ判定フラグの値が「0」から「2」に書き換えられる。
後記するリール制御処理(図54)において、左リール61Lを最初に停止させたときに、表示窓31内に表示された左リール61Lの図柄の並びがリーチ目となった場合にフリーズ処理が実行されるようにするためである。
そして、ステップ3103においてフリーズ判定フラグの値に「2」がセットされると、フリーズ判定フラグ設定処理を終了する。
なお、BB当選フラグがセットされていない場合(ステップ3101においてNo)や、フリーズ判定フラグの値が「0」でない場合(ステップ3102においてNo)には、その時点でフリーズ判定フラグ設定処理を終了する。
このフリーズ判定フラグ設定処理は、前記した抽選処理(図52)の一部を成す処理であるので、フリーズ判定フラグ設定処理が終了すると、図52の抽選処理にリターンして、ステップ3006の処理が実行される。
これにより、ステップ3006において、リール停止制御用のスベリテーブルが決定されて、RAM84のスベリテーブル格納エリアに格納されたのち、抽選処理を終了する。
さらに、この抽選処理(図52)は、前記した通常遊技処理(図16)の一部を成す処理(ステップ503)であるので、抽選処理が終了すると、通常遊技処理(図16)における次の処理、すなわち、リール制御処理(ステップ504)が実行される。
このリール制御処理の詳細を、図54のフローチャートを参照して説明する。
リール制御処理では、ウエイト処理(ステップ3201)が実行されたのち、リール回転処理(ステップ3202)が実行されて各リール61(61L、61M、61R)が回転する。
ステップ3203において、ストップボタン46〜48の何れかが押下操作されてリールの停止指令があると、ステップ3206においてリール停止処理が実行される。
続いて、ステップ3207において、今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを確認する。第1停止指令は、3つのリール61(61L、61M、61R)の全てが回転しているときにストップボタンが押下操作された時に出力される指令である。
ステップ3207において停止指令が第1停止指令である場合には、ステップ3208において、スベリテーブル変更処理を実行する。
スベリテーブル変更処理が実行されると、ステップ3209において、今回の停止指令が左リール61Lを停止させるための指令であるか否かを確認する。
左リール61Lを停止させるための指令である場合には、ステップ3210の処理に移行して、確定目判定処理が実行される。
この確定目判定処理では、内部抽選によりBBに当選したのちに、左リール61Lが最初に停止させられ、かつ表示窓31内に停止表示される左リール61Lの図柄組合わせがいわゆるリーチ目の図柄組合わせである場合に、フリーズ処理を実行させる。
図55は、第9の実施形態の遊技機において、リール61(61L、61M、61R)の外周に描かれる図柄配列、そして図柄配列の組合わせと役との関係を示す図である。
図56は、確定目判定処理の詳細を説明するフローチャートである。
図57は、第9の実施形態における確定目(リーチ目)を説明する図である。
確定目判定処理では、ステップ3301において、確定目が停止したか否かを確認する。具体的には、左リール61Lが停止した際に表示窓31に表示されている図柄組合せが、リーチ目の図柄組合せと同じであるか否かを確認する。
第9の実施形態では、左リール61Lを最初に停止させた場合に、表示窓31内の上段、中段、下段に、それぞれ「7(超)」が停止表示される図柄組合わせが、内部抽選によりBBに当選していることを示す確定目(リーチ目の図柄組合わせ)として設定されている(図57参照)。
そのため、第9の実施形態にかかる遊技機では、図55に示すように、左リール61Lでは、図柄番号5から7までの総ての図柄が、「7(超)」となっている。
よって、確定目判定処理(図56)のステップ3301では、左リールの下段に図柄番号5の「7(超)」が停止表示されているか否かを確認し、停止表示されている場合に、確定目が停止していると判定する。
ステップ3301において確定目が停止していると判定されると、ステップ3302において、フリーズ判定フラグの値が「2」であるか否かを確認する。
前記したように、内部抽選によりBBに当選している場合には、前記したフリーズ判定フラグ設定処理(図53)において、フリーズ判定フラグの値に「2」がセットされている。
よって、フリーズ判定フラグの値に「2」がセットされている場合には、ステップ3302の判定が肯定され、ステップ3303において、フリーズ処理の実行時間を規定するフリーズタイマの値に「2685」がセットされる。
実施の形態では、このフリーズタイマの値は、所定時間(1.49msec)毎に繰り返し実行されるタイマ割込み処理のタイマ減算処理(図13、ステップ209)で「1」ずつ減算されるようになっている。
ステップ3303においてフリーズタイマの値がセットされると、ステップ3304において、フリーズタイマの値が「0」であるか否かかが確認される。
前記したように、フリーズタイマの値は、所定時間(1.49msec)毎に「1」ずつ減算処理されているので、フリーズタイマの値がセットされてから約4秒(1.49msec×2685)後に「0」になる。
そうすると、ステップ3304の判定が肯定されて、ステップ3305の処理に移行し、フリーズ判定フラグの値が「1」に書き換えられる。
このように、第9の実施形態では、ステップ3304において約4秒(1.49msec×2685)の間、処理が見かけ上停止し、この処理が見かけ上停止している期間が、フリーズ処理の実行時間として設定されている。
ステップ3305において、フリーズ判定フラグの値が「1」に書き換えられると、確定目判定処理を終了する。
この確定目判定処理(図56)は、前記したリール制御処理(図54)の一部を成す処理(ステップ3210)であるので、確定目判定処理が終了すると、リール制御処理における次の処理が実行される。具体的には、図54に示すように、ステップ3211の処理に移行して、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止したか否かが確認されることになる。
なお、前記したステップ3209において、今回の停止指令が左リール61Lを停止させるための指令でない場合にも、ステップ3211の処理が実行される。
そして、ステップ3211において、総てのリール61が停止していない場合には、ステップ3203の処理にリターンし、総てのリール61が停止している場合には、ステップ3214において払出判定処理を実行したのち、リール制御処理を終了する。
このリール制御処理は、前記した通常遊技処理(図16)の一部を成す処理(ステップ504)であるので、リール制御処理が終了すると、通常遊技処理における次の処理が実行される。具体的には、図16に示すように、メダル払出処理(ステップ505)と、特別遊技状態処理(ステップ506)とが、順番に実行されることになる。
この特別遊技状態処理のフローチャート(図20)に示すように、この特別遊技状態処理では、現時点における遊技機の状態が特別遊技状態(BBまたはRBに入賞している状態)でない場合には、ステップ902のボーナス図柄判定処理において、総てのリール61が停止したときに表示窓31内に表示されている図柄の組合せが、特別遊技状態(BB、RB)への入賞を確定させる図柄の組合せと一致しているか否かに基づいて、特別遊技状態に入賞したか否かを判断している。
ここで、第9の実施形態におけるボーナス図柄判定処理の詳細を、図58のフローチャートを用いて説明する。なお、図58に示すボーナス図柄判定処理は、BB図柄が揃った場合の処理が、前記した第1の実施形態のボーナス図柄判定処理(図21)と異なるので、ここでは、BB図柄が揃った場合についてのみ説明をする。
図58に示すように、ボーナス図柄判定処理では、RB当選フラグがセットされていない(ステップ3401においてNo)と、BB当選フラグがセットされているか否かが確認される(ステップ3404)。
ステップ3404においてBB当選フラグがセットされている場合、ステップ3405において、BBへの入賞が確定したか否かを確認するために、BB図柄(図柄「7(超)」が有効ライン上に揃っているか否かを確認する。
BB図柄が有効ライン上に揃っている場合には、ステップ3406において、フリーズ判定フラグの値を「0」に書き換える。
前記したように、実施の形態では、内部抽選によりBBに当選すると、フリーズ判定フラグ設定処理(図53)において、フリーズ判定フラグの値が「0」であることをトリガとして、フリーズ判定フラグの値が「2」に書き換えられる(ステップ3102、ステップ3103)。
そして、リール制御処理の確定目判定処理(図56)において、フリーズ判定フラグの値が「2」であることをトリガとして、フリーズ処理が実行され(ステップ3302、ステップ3303、ステップ3304)たのち、フリーズ判定フラグの値が「1」に書き換えられる(ステップ3305)。
フリーズ判定フラグの値が「2」のままであると、BBへの当選が持ち越された場合の次回以降の遊技において、確定目判定処理(図56、ステップ3302〜ステップ3304)により、フリーズ処理が再び実行されることになるからである。
また、フリーズ判定フラグの値を「1」でなく「0」に書き換えると、BBへの当選が持ち越された場合の次回以降の遊技において、フリーズ判定フラグ設定処理(図53)により、フリーズ判定フラグの値が「2」に書き換えられてしまい、その後実行される確定目判定処理(図56、ステップ3302〜ステップ3304)により、フリーズ処理が再び実行されることになるからである。
しかし、フリーズ判定フラグの値が「1」のままであると、現在のBBが終了し、通常遊技状態を経て、新たにBBに当選した場合に、フリーズ判定フラグの値が「2」に書き換えられなくなって(図53、ステップ3302)、その後実行される確定目判定処理において、フリーズ処理が実行されなくなってしまう。そこで、実施の形態では、ボーナス図柄判定処理において、ステップ3406の処理を設けて、フリーズ判定フラグの値を「0」に戻している。これにより、現在のBBが終了し、通常遊技状態を経て新たにBBに当選した場合には、改めてフリーズ処理が実行されるようにしている。
なお、ステップ3406において、フリーズ判定フラグの値が「0」に書き換えられると、前記した第1の実施形態の場合と同様に、ステップ3407において、BB当選フラグのリセット、BBへの入賞が確定したことを示すBB設定フラグのセットが行われたのちに、BB中に使用される各カウンタの値に、BB初期値テーブル(図23の(a))に規定された初期値がセットされることになる。
続いて、BBやRBに当選または入賞していない通常遊技状態での遊技において、内部抽選によりBBに当選した場合の処理を、スタートレバー45およびストップボタン46〜48の操作に関連させて説明する。
図16の通常遊技処理のフローチャートに示すように、通常遊技状態での遊技において、メダルがベットされたのちに、スタートレバー45が操作されると、抽選処理(内部抽選)が実行される(ステップ501、ステップ502、ステップ503)。
この抽選処理の詳細を示すフローチャート(図52)に示すように、抽選処理(ステップ3001、3002)によりBBに当選した場合(ステップ3003においてYes)には、BB当選フラグがセット(ステップ3004)されたのちに、フリーズ判定フラグ設定処理(ステップ3005)が実行される。
フリーズ判定フラグ設定処理の詳細を示すフローチャート(図53)に示すように、BBに当選している場合(ステップ3101においてYes)、ステップ3102の処理に移行して、フリーズ判定フラグの値が「0」であるか否かが確認される。
前記したように、通常遊技状態であってBBに当選していないときには、フリーズ判定フラグの値に「0」がセットされている。そのため、内部抽選によりBBに当選した直後のフリーズ判定フラグの値は、「0」である。
よって、ステップ3103の処理に移行して、フリーズ判定フラグの値が「2」に書き換えられたのち、フリーズ判定フラグ設定処理を終了する。
そうすると、フリーズ判定フラグ設定処理は、前記した抽選処理(図52)の一部を成す処理であるので、図52の抽選処理にリターンして、ステップ3006の処理が実行される。
これにより、ステップ3006において、リール停止制御用のスベリテーブルが決定されて、RAM84のスベリテーブル格納エリアに格納されたのち、抽選処理が終了する。
さらに、この抽選処理(図52)は、前記した通常遊技処理(図16)の一部を成す処理(ステップ503)であるので、抽選処理が終了すると、通常遊技処理(図16)における次の処理、すなわち、リール制御処理(ステップ504)が実行される。
第9の実施形態では、左リール61Lを最初に停止させたときに、表示窓31内に表示されている左リール61Lの図柄組合わせが、リーチ目(図57)である場合に、フリーズ処理が実行されるようになっている。
そこで、以下の説明では、左リール61Lを最初に停止させた場合について説明をする。
抽選処理(図16、ステップ503)に続いて実行されるリール制御処理(図54参照)では、ウエイト処理(ステップ3201)が実行されたのち、リール回転処理(ステップ3202)が実行されて各リール61(61L、61M、61R)が回転する。
ステップ3203において、ストップボタン46が押下操作されてリールの停止指令があると、ステップ3206においてリール停止処理が実行される。
続いて、ステップ3207において、今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを確認する。第1停止指令は、3つのリール61(61L、61M、61R)の全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されると、出力される指令である。
ステップ3207において停止指令が第1停止指令である場合には、ステップ3208において、スベリテーブル変更処理を実行する。
スベリテーブル変更処理が実行されると、ステップ3209において、停止指令が、左リール61Lを停止させる指令であか否かを確認し、左リール61Lを停止させる指令である場合には、ステップ3210において、確定目判定処理が実行される。
なお、停止指令が左リール61Lを停止される指令でない場合には、確定目判定処理を実行せずに、ステップ3211の処理に移行する。
第9の実施形態では、左リール61Lを最初に停止させた場合に、表示窓31内にリーチ目となる図柄組合せが停止表示されると、フリーズ処理を実行するからである。
第一停止指令が、左リール61Lを停止させる指令である場合に実行される確定目判定処理では、図56に示すように、ステップ3301において、左リール61Lを停止させたときに表示窓31内に表示された左リール61Lの図柄組合わせが、リーチ目であるか否かを確認する。
なお、実施の形態では、ストップボタン46の操作タイミングより、リーチ目が停止表示されるか否かが判るようになっている。
リーチ目である場合には、ステップ3302において、フリーズ判定フラグの値が「2」であるか否かを確認する。
前記したように、通常遊技状態において内部抽選によりBBに当選すると、フリーズ判定フラグの値に「2」がセットされ、BBに当選していない場合には「0」がセットされている。
よって、BBに当選した直後の確定目判定処理では、ステップ3302の判定が肯定されて、ステップ3303において、フリーズタイマの値に、「2685」がセットされる。
前記したように、フリーズタイマの値は、所定時間(1.49msec)毎に繰り返し実行されるタイマ割り込み処理のタイマ減算処理(図13、ステップ209)で「1」ずつ減算される。よって、約4秒(1.49msec×2685)が経過するまでの間、次のステップ3305の処理に移行できなくなる。
そして、フリーズタイマの値が「0」になると、ステップ3305において、フリーズ判定フラグの値が「1」に書き換えられたのち、確定目判定処理を終了して、リール制御処理(図54)のステップ3211の処理に移行する。そして、このステップ3211において、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止しているか否かが確認される。
ここで、先のストップボタン46の操作による停止指令の入力が、総てのリール61が回転しているときに入力される第1停止指令である場合であったので、最初にステップ3211の判断処理が実行されるときには、残り2つのリール61M、61Rが回転していることになる。
よって、かかる場合には、ステップ3211の判定が否定されて、ステップ3203の処理にリターンすることになる。これにより、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止するまでの間、ステップ3203移行の処理が実行されることになる。
このように、第一停止指令が、左リール61Lを停止させる指令である場合、ストップボタン46が操作されるタイミングが、左リール61Lが表示窓31にリーチ目を表示させた状態で停止するタイミングであるときには、確定目判定処理が、約4秒間長くかかることになる。
そうすると、4秒が経過するまでの間に、残りのリール61M、61Rを停止させるべくストップボタン47、48が操作されても、ステップ3203の判定が実行されないので、残りのリール61M、61Rが直ぐに停止することがない。かかる場合、遊技者がストップボタンの操作が利かない、すなわちフリーズしているように感じることになる。
よって、左リール61Lのストップボタン46、中リール61Mのストップボタン47、右リール61Rのストップボタン48というように、スロットマシンに向かって左から順番にストップボタン46、47、48を押しながらリール61(61L、61M、61R)を停止させて遊技を行う場合(順押しで遊技を行う場合)、ストップボタン46〜48をテンポ良く順番に押している場合には、左リールがリーチ目を表示させた状態で停止して、遊技者がリーチ目であることに気づいても、その時点では、2番目、3番目のリールのストップボタン47、48の操作を完了している場合がある。
かかる場合には、従来の遊技機の場合、リーチ目に気付いたあとに、ストップボタン47、48の操作をキャンセルできないので、BBへの入賞が次の遊技に持ち越されてしまう可能性が高くなる。
一方、フリーズ処理が実行されると、ステップ3203の判定が実行されないので、2番目、3番目のリール61M、61Rを停止させるストップボタン47、48の操作が検知されない。
ここで、スロットマシンでは、ストップボタンが操作されてから、所定時間(190msec)以内にリールを停止させるようになっているので、所定時間が経過してもリールが停止しないと、遊技者は、リールの挙動に違和感を覚えたのち、2回目、3回目のストップボタンの操作が機能していなかったと認識できる。
そして、遊技者が違和感を覚えているうちに、左リール61Lのみが停止することになり、その時点において遊技者は、左リールにリーチ目が表示されていることに気付くことになる。
そうすると、リーチ目が表示されていることに気付いた遊技者は、BBの入賞を確定させるべく、所定図柄が、中リール、右リールに停止表示させるように、注意を払ってストップボタン47、48を操作して、中リール、右リールを慎重に停止させることになるので、BBへの入賞確率が高くなる。
なお、フリーズ処理が実行されると、確定目判定処理の最後(図56、ステップ3305)で、フリーズ判定フラグの値が「1」に書き換えられる。
遊技機では、内部抽選によりBBに当選したゲーム(遊技)において、BB入賞図柄を揃えることができなかった場合には、BBの当選は次ゲーム以降に持ち越されるようになっている。かかる場合、再びリーチ目を停止表示させるタイミングで左リールのストップボタン46が操作されても、ステップ3302においてフリーズ判定フラグの値が「2」でないので、フリーズ処理を実行する時間を規定するフリーズタイマに値がセットされない。すなわち、BBの当選が次ゲーム以降に持ち越された場合には、フリーズ処理が実行されないようになっている。
1度目のフリーズ処理によりBBへの当選に気づいた遊技者は、BBの当選が持ち越された次回以降の遊技(ゲーム)において、BBの図柄を揃えるべくゲームを早急に進めたいという意図を一般に持つことになる。BBの当選が持ち越された次ゲーム以降においてもフリーズ処理が実行されるようになっていると、ゲームを早急に進めてBBの図柄を揃えたいという遊技者の意図に反して、ゲームの進行が一時中断されることになるので、このことが、遊技者にとって、フラストレーションとなり、遊技への興趣が削がれてしまうおそれがあるからである。
そのため、第9の実施形態では、一度のBBへの当選に際し、フリーズ処理は1度しか実行されないようになっている。
以上の通り、第9の実施形態では、外周に描かれた複数種の図柄を循環表示させる複数の循環表示手段(リール61(61L、61M、61R))と、図柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー45)と、スタートレバー45が操作された際に、役の抽選を行う抽選手段と、リール61の循環表示を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップボタン46、47、48)と、役の抽選に当選した当選役と対応する当選図柄が有効位置(有効ラインa〜d上(図1参照))に所定の組合せを形成して停止した場合に特典を付与する特典付与手段と、を備えた遊技機(スロットマシン10)において、
当選役には、当該当選役と対応する当選図柄が有効位置(有効ラインa〜d上)に所定の組合せを形成して停止するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な特別当選役(BB)が含まれており、BBに当選した場合にのみ停止可能な特定停止態様(リーチ目)を停止表示させる特定停止態様停止制御手段と、リーチ目が停止表示された場合に、遊技の進行をに関わる所定の処理が所定期間実行されないようにする所定処理実行停止手段とを備える構成とした。
これにより、リーチ目が停止表示された場合には、遊技の進行が所定期間停止するので、リーチ目が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
また、リーチ目がBBへの当選に関連づけられているので、遊技者は、リーチ目が停止表示されると、停止していない残りのリール61を停止させるためのストップボタンの操作を慎重に行うようになる。よって、当選図柄である「7(超)」を何れかの有効ラインa〜d上に並べて停止表示させて、BBへの入賞を決める可能性が高くなる。
これにより、BBへの入賞を確定させるまでに要する時間を短縮でき、遊技の進行の停止が、遊技者の興趣を引きつけるための効果的な演出となる。
特に、いわゆる目押しができる熟練した遊技者の場合には、当選図柄を有効ライン上に揃える確度がいっそう高くなるので、BBのように取りこぼしのある役であっても、取りこぼしを好適に防止できるようになる。
また、所定処理実行停止手段は、最初に停止させた左リール61Lにおいてリーチ目が停止表示されると、遊技の進行を所定期間停止させて、中リール61M、右リール61Rの停止を指示するストップボタン47、48の操作が、所定期間の間検出されないようにした。
これにより、遊技者が、ストップボタン46〜48をテンポ良く順番に操作して、対応するリール61(61L、61M、61R)を順番に停止させながら遊技を行っている場合、最初のストップボタン46の操作タイミングが、左リール61Lにおいてリーチ目を停止表示させるタイミングであるときには、最初のストップボタン46の操作から所定期間(4秒)の間、遊技の進行が停止して、その間にストップボタン47、48が操作されても、対応するリール61M、61R循環表示手段の循環表示が停止しないことになる。
そうすると、左リール61Lが停止して、リーチ目が停止表示されていることに遊技者が気付いた時点で、残りのリール61M、61Rを停止させる機会が残されていることになる。かかる場合、遊技者は、残されている機会を「得をした」と感じつつ、当選図柄(「7(超)」が何れかの有効ラインa〜d上で揃うように、再度、ストップボタン47、48を操作してリール61M、61Rを停止させることになる。
この場合、遊技者は、ストップボタン47、48の操作をいっそう慎重に行うようになり、当選図柄である「7(超)」を何れかの有効ラインa〜d上に並べて停止表示させて、BBへの入賞を決める可能性が高くなる。
また、遊技の進行の一時的な停止という演出が、遊技者にリーチ目の停止表示されたことに対する「気付きの機会」と、ストップボタン47、48の操作機会が残されていることに対する「得をした感」、そして、ストップボタン47、48の操作における「集中」をもたらすので、遊技者にとって効果的な演出となる。
特に、いわゆる目押しができる熟練した遊技者の場合には、当選図柄を有効ライン上に揃える確度がいっそう高くなるので、BBのように取りこぼしのある役であっても、取りこぼしを好適に防止できるようになる。これにより、BBへの入賞を決めるまでにベットするメダルの枚数を好適に抑えることができるようになる。
このことによっても、遊技に対する遊技者の興趣を引き立てることができる。
さらに、所定処理実行停止手段は、特別当選役(BB)と対応する当選図柄「7(超)」が有効位置(有効ラインa〜d上)に所定の組合せを形成して停止して、BBへの入賞が決まるまでの間で、遊技の進行の停止が所定回数(例えば1回)実行された場合には、当選状態が持ち越された以降の遊技においてリーチ目が停止表示されても遊技の進行を停止させないようにした。
これにより、BBに当選した場合、遊技の進行停止が起こるのは1回のみとなり、当選状態が持ち越された遊技において、遊技の進行が停止することがなくなる。
当選状態が次回以降の遊技に持ち越される場合、遊技者は、当選状態が持ち越された次回以降の遊技において、当選図柄を揃えるべく遊技を早急に進めたいという意向を持つ。
しかし、常に遊技の進行が所定期間停止するようになっていると、このことが、遊技者にとってフラストレーションとなり、遊技への興趣が削がれてしまうおそれがある。
遊技の進行の停止が所定回数(例えば1回)行われたのちは、遊技の進行が停止しないようにすることで、遊技者にフラストレーションを与えて遊技への興趣を削ぐことを防止しつつ、遊技の進行の停止を、効果的な演出として活用できるようになる。
さらに、常に遊技の進行が所定期間停止するようになっていると、当選図柄を揃えるまでの時間が長くなるが、遊技の進行の停止が所定回数(例えば1回)行われたのちは、遊技の進行が停止しないようにすることで、当選図柄を揃えるまでの時間が余計に長く係ることを防止でき、効果的な演出を行うことができる。
さらに、実施の形態では、左リール1Lを最初に停止させた際に、表示窓31内の上段、中段、下段に、それぞれ特別当選役(BB)と対応する当選図柄「7(超)」が停止表示される図柄組合わせが、内部抽選によりBBに当選していることを示す確定目(リーチ目の図柄組合わせ)として設定されている構成とした。
これにより、リーチが停止表示された時点では、特別当選役(BB)と対応する当選図柄「7(超)」が、有効ラインa〜d上に、BBへの入賞を決める所定の組合せを形成している途中になる。
よって、残りのリール61M、61Rについて、循環表示を停止させるためのストップボタン47、48の操作を慎重に行うことで、最終的に、特別当選役(BB)と対応する当選図柄「7(超)」を有効ラインa〜d上に所定の組み合わせて停止表示させて、BBへの入賞を決めることができる状態となっている。
よって、残りのリール61M、61Rを停止させるときに、当選図柄「7(超)」が有効ラインa〜d上に停止表示されるように狙ってストップボタン47、48を操作すれば、特別当選役(BB)への入賞を決めることができるということを、遊技の所定期間の停止により遊技者に気付かせることができる。
さらに、特別当選役(BB)への入賞を決めるまでにベットするメダルの枚数を好適に抑えることができるようになる。
なお、前記した第9の実施形態では、遊技の進行の停止が1回実行された場合には、当選状態が持ち越された次回以降の遊技においてリーチ目が停止表示されても、遊技の進行を停止させないようにしたが、遊技の進行の停止は、1回に限定されるものではなく、例えば2回以上実行されるようにしても良い。
さらに、第9の実施形態では、内部抽選により特別当選役(BB)に当選し、かつリーチ目が停止表示された場合に、フリーズ処理を実行する場合を例示したが、RBに当選し、かつリーチ目が停止表示された場合に、フリーズ処理を実行するようにしても良い。
さらに、スイカ、チェリーのようないわゆる小役に当選した場合にフリーズ処理を実行するようにしても良い。
このようにすることによっても、第9の実施形態の場合と同様の作用効果が奏されることになる。
また、特別当選役(BB)に当選し、かつリーチ目が停止表示された場合と、RBに当選し、かつリーチ目が停止表示された場合に、それぞれフリーズ処理を実行するようにしても良い。このようにすることによっても、第9の実施形態の場合と同様の作用効果が奏されることになる。
なお、かかる場合には、BBに当選している場合と、RBに当選している場合とで、フリーズ処理の実行時間を異ならせることで、遊技者は、当選している役が何であるのかを確認するためにフリーズ時間に着目するようになるので、遊技者の遊技への興趣をいっそう引き立てることができるようになる。
さらに、第9の実施形態では、BBに当選したのち、左リール61Lが最初に停止させられた場合にリーチ目が停止表示されることが、フリーズ処理を行うための条件となっていたが、他のリール、例えばBBに当選したのち、中リール61Mが最初に停止させられた場合、中リール61Mでリーチ目が停止表示されているときに、フリーズ処理を行うようにしても良い。
同様に、BBに当選したのち、右リール61Rが最初に停止させられた場合、右リール61Rでリーチ目が停止表示されているときに、フリーズ処理を行うようにしても良い。
このようにすることによっても、前記した実施形態の場合と同様の作用効果が奏されることになる。
さらに、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止表示する図柄の組合せがリーチ目となっている場合よりも、BBに当選した際の遊技においてBB図柄「7(超)」を揃えて、BBへの入賞を決める確率が高くなる。よって、フリーズ処理が効果的な演出となる。
さらに、第9の実施形態にかかる構成と、第1から第8の実施形態にかかる構成とを組み合わせて、スローダウン処理とフリーズ処理とを組み合わせた遊技機としても良い。このようにすることによっても、遊技者の遊技への興趣をいっそう引き立てることができるようになる。
第9の実施形態では、確定目判定処理(図54、ステップ3210)を設けて、ストップボタンの操作を検出する処理(ストップボタンの停止確認処理:ステップ3203)が、フリーズタイマ(図56)で規定された所定期間、行われないようにする構成とし、これにより、ストップボタンの停止確認処理が実行される時期が遅延して、見かけ上、遊技の進行が停止したようになる処理(フリーズ処理)が行われるようにした。
しかし、ストップボタンの停止確認処理が所定期間行われなくなるようにする代わりに、中リール61M、右リール61Rの停止を指示するストップボタン47、48の操作が、所定期間、無効になるようにして、見かけ上、遊技の進行が停止したようになるフリーズ処理が行われるようにしても良い。
また、フリーズ処理による演出(フリーズ演出)に対応させて、報知手段(液晶、音、ランプなど)を用いて、フリーズ処理が行われていることを遊技者に報知する演出(報知演出)を実行するようにしても良い。
さらに、報知手段(液晶、音、ランプなど)を用いて、フリーズ期間(ストップボタンの停止確認処理が実行されない期間やストップボタン47、48の操作が無効になる期間)が終了したことを、遊技者に報知するようにしても良い。
このようにすると、フリーズ期間が終了して中リール61Mや右リール61Rを停止させることができるようになったタイミングを、遊技者が知ることができるようになるので、遊技者の遊技に対する興趣を引き立てることができるようになる。
次に、第10の実施形態にかかる遊技機における処理を、詳細に説明する。
図59は、第10の実施形態の遊技機におけるリール制御処理のフローチャートであり、図60は、第10の実施形態の遊技機におけるリーチ目を説明する図である。
第10の実施形態にかかるスロットマシン(遊技機)は、スタートレバー45操作時の抽選処理(内部抽選)によりBBに当選し、かつストップボタン46、47の操作により左リール61Lと中リール61Mとを停止させたときにリーチ目が停止表示されると、フリーズ処理を実行するようになっている。
ここで、第10の実施形態にかかるスロットマシンでは、リール制御処理の内容が、前記した第9の実施形態のリール制御処理(図54)と異なるので、ここでは、異なる部分について説明をする。
なお、以下の説明は、ストップボタン46〜48の何れかが操作されて、1回目のリールの停止指令があったのち、さらにストップボタンが操作されて、2回目のリールの停止指令があった時点からの処理を説明をする。
かかる場合、ステップ3507の判定が否定されて、ステップ3510の判定が肯定されるので、ステップ3511の処理に移行して、停止目判定処理が実行される。
続いて、ステップ3512において、現時点において入力されている停止指令が、左リール61Lを停止させるための指令と、中リール61Mを停止させるための指令であるか否かを確認する。
ステップ3512の判定が肯定されると、ステップ3513の処理に移行して、確定目判定処理が実行される。
この確定目判定処理の詳細を示すフローチャート(図56)に示すように、この場合の確定目判定処理では、ステップ3301において、左リール61Lと中リール61Mを停止させたときに表示窓31内に表示された左リール61Lと中リール61Mの図柄組合わせが、リーチ目であるか否かを確認する。
具体的には、ストップボタン46、47が挿されるタイミングが、表示窓31内に停止表示される左リール61Lと中リール61Mの図柄組合わせがリーチ目(図59)になるタイミングである場合に、確定目が停止表示されると判定されて、ステップ3301の判定が肯定される。
そうすると、内部抽選によりBBに当選している場合には、BBに当選した時点のフリーズ判定フラグ設定処理(図53)において、フリーズ判定フラグの値に「2」がセットされているので、ステップ3302の判定が肯定されて、ステップ3303の処理に移行する。
そして、ステップ3303において、フリーズタイマの値に「2685」がセットされる。第10の実施形態でも、このフリーズタイマの値は、所定時間(1.49msec)毎に繰り返し実行されるタイマ割込み処理のタイマ減算処理(図13、ステップ209)で「1」ずつ減算されるようになっているので、フリーズタイマの値のセットから約4秒(1.49msec×2685)後に、ステップ3304の判定が肯定され、ステップ3305に移行し、フリーズ判定フラグの値が「1」に書き換えられることになる。
よって、第10の実施形態において、ステップ3304において約4秒(1.49msec×2685)の間、処理が見かけ上停止し、この処理が見かけ上停止している期間が、フリーズ処理の実行時間として設定されている。
このように第10の実施形態では、リール61(61L、61M、61R)のうち、停止していない最後のひとつのリール61Rを停止させる前に、既に停止しているリール61L、61Mにおいて、リーチ目(図60)が停止表示される場合には、遊技の進行を所定期間停止させる構成とし、リーチ目が、既に停止している左リール61Lと中リール61Mが停止表示している図柄の組合せで構成され、かつリーチ目を構成する図柄が、当選役BBに対応する当選図柄「7(超)」である構成とした。
これにより、遊技者が、複数のストップボタン46、47、48をテンポ良く順番に操作して、対応するリール61L、61M、61Rの循環表示を順番に停止させながら遊技を行っている場合、ストップボタン46とストップボタン47の操作タイミングがリーチ目(図59参照)を停止表示させるタイミングであるときには、2番目のストップボタン47の操作から所定期間の間、遊技の進行が停止して、その間に最後のストップボタン48が操作されても、対応するリール61Rの循環表示が停止しないことになる。
そうすると、リーチ目が停止表示されていることに遊技者が気付いた時点で、最後のリール61Rを停止させる機会が残されていることになる。かかる場合、遊技者は、残されている機会を「得をした」と感じつつ、当選図柄「7(超)」を有効ライン上に停止表示させるべく、再度、ストップボタン48を操作して右リール61Rを停止させることになる。これにより、前記したように、遊技の進行の一時的な停止という演出が、遊技者にとって効果的な演出となり、遊技に対する遊技者の興趣を引き立てることができる。
さらに、リーチ目を構成する図柄が、当選役BBに対応する当選図柄「7(超)」であるので、BBに当選した遊技において、当選図柄「7(超)」を有効ライン上に揃えて、BBへの入賞を決める確率が高くなるので、遊技にベットするメダルの消費枚数を抑えることができる。
次に第11の実施形態にかかる遊技機における処理を、詳細に説明する。
図61は、第11の実施形態の遊技機における確定目判定処理のフローチャートである。
第11の実施形態にかかるスロットマシン(遊技機)では、スタートレバー45操作時の抽選処理(内部抽選)によりBBに当選し、ストップボタン46の操作により左リール61Lを停止させたときにリーチ目(図57参照)が停止表示されると、フリーズ処理が実行される。そして、フリーズ処理が実行されている間にストップボタン47、48が操作されても、かかる操作により、中リール61M、右リール61Rが停止しないようになっている。
そして、BBに当選した遊技において当選図柄「7(超)」を揃えることができなかった場合には、BBへの当選状態が、当選図柄を揃えることができるまで、次回以降の遊技に持ち越されるようになっており、当選状態が持ち越された次回以降の遊技では、最大で2回、リーチ目が停止表示された場合にフリーズ処理が実行されるようになっている。
そして、当選状態が持ち越された遊技におけるフリーズ処理の実行回数が増えるにつれて、フリーズ処理の時間が短くなるように設定されている。
以下、BBに当選した遊技において、左リール61Lにおいてリーチ目が停止表示されたものの、当選図柄「7(超)」を最終的に揃えることができなくて、BB当選状態が次回以降の遊技に持ち越される場合を例に挙げて説明をする。
BBに当選した遊技において、左リール61Lが最初に停止させられると、図61の確定目判定処理が実行される。
この確定目判定処理では、左リール61Lが、図57に示す確定目(リーチ目)を停止表示している場合(ステップ3601においてYes)に、ステップ3602の処理に移行して、フリーズ判定フラグの値が「2」であるか否かが確認される。
前記したように、内部抽選によりBBに当選すると、前記したフリーズ判定フラグ設定処理(図53)において、フリーズ判定フラグの値に「2」がセットされるので、ステップ3602の処理も肯定されて、ステップ3603の処理に移行することになる。
これにより、ステップ3603において、フリーズタイマの値がセットされることになる。
ここで、本実施形態では、フリーズタイマの値として、「2685」、「2013」、「1342」が用意されており、このステップ3603では、フリーズタイマの値が、フリーズ処理の実行回数を示すフリーズカウンタの値に応じて決まるようになっている。
具体的には、フリーズカウンタの値が「0」である場合には「2685」が、「1」である場合には「2013」が、「2」である場合には、「1342」が、それぞれフリーズタイマの値としてセットされる。
BBに当選した遊技における確定目判定処理では、フリーズカウンタの値は「0」である。よって、この場合には、フリーズタイマの値に「2685」がセットされることになる。
このフリーズタイマの値は、前記した実施の形態の場合と同様に、所定時間(1.49msec)毎に繰り返し実行されるタイマ割込み処理のタイマ減算処理(図13、ステップ209)で「1」ずつ減算されるようになっている。そのため、フリーズタイマの値に「2685」がセットされた場合には、フリーズタイマの値がセットされてから約4秒(1.49msec×2685)後に、フリーズタイマの値が「0」になり、ステップ3605の処理に移行することになる。
ステップ3605では、フリーズ処理が実行された回数を計数するカウンタ(フリーズカウンタ)の値が「3」であるか否かを確認される。
フリーズカウンタの値が「3」でない場合には、ステップ3606において、フリーズカウンタの値に「1」が加算される。
本実施形態では、BBの当選状態が、BBへの入賞が決まるまで、次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。そして、BBに当選したのち、最大で3回までフリーズ処理を実行することが認められている。そのため、フリーズ処理の実行回数をカウントするために、このステップ3605と、ステップ3606の処理が設けられている。
このステップ3606の処理が実行されると、確定目判定処理が終了する。
そのため、第11の実施形態では、フリーズ処理が3回実行されて、フリーズカウンタの値が「3」になるまでは、ステップ3607の処理が実行されないので、フリーズ判定フラグの値が「2」のままで保持されることになる。
ここで、この確定目判定処理は、リール制御処理(図54)の一部を成す処理(ステップ3209)であるので、確定目判定処理が終了すると、リール制御処理における次の処理が実行される。具体的には、図54に示すように、ステップ3211の処理に移行して、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止したか否かが確認されることになる。
そして、ステップ3211において、総てのリール61が停止していない場合には、ステップ3203の処理にリターンし、総てのリール61が停止している場合には、ステップ3214において払出判定処理を実行したのち、リール制御処理を終了する。
さらに、このリール制御処理は、前記した通常遊技処理(図16)の一部を成す処理(ステップ504)であるので、リール制御処理が終了すると、通常遊技処理における次の処理が実行される。具体的には、図16に示すように、メダル払出処理(ステップ505)と、特別遊技状態処理(ステップ506)とが、順番に実行されることになる。
この特別遊技状態処理において、BBへの入賞を決める図柄組合せが揃っていないことが確認されると、BBの当選状態が次回以降の遊技に持ち越されることになる。
そうすると、BBの当選状態が持ち越された1回目の遊技において、確定目判定処理(図61)が再び実行されることになる。
以下、BBの当選状態が持ち越された1回目の遊技における確定目判定処理を、図61のフローチャートを参照して説明する。
このBBの当選状態が持ち越された1回目の遊技においても、左リール61Lが最初に停止させられると、図61の確定目判定処理が実行される。
そして、ステップ3601において確定目(図57参照)が停止している場合(ステップ3601においてYes)に、ステップ3602の処理に移行して、フリーズ判定フラグの値が「2」であるか否かが確認される。
なお、ステップ3601確定目が停止していない場合には、この確定目判定処理が終了する。そのため、かかる場合には、BBの当選状態が持ち越された1回目の遊技においてフリーズ処理は実行されないことになる。
前記したように、BBに当選した遊技における確定目判定処理では、フリーズ判定フラグの値が「2」のままで保持されている。よって、ステップ3602の判定が肯定されて、ステップ3303の処理に移行して、現時点におけるフリーズカウンタの値に応じて決まる所定値が、フリーズタイマの値としてセットされる。
ここで、前記したBBに当選したときの遊技の確定目判定処理において、フリーズカウンタの値が「1」に変更されている。
よって、BBの当選状態が持ち越された1回目の遊技では、フリーズカウンタの値「1」に対応する「2013」が、フリーズタイマの値としてセットされる。
そうすると、フリーズタイマの値は、セットされてから約3秒(1.49msec×2013)後に「0」になり、ステップ3604の判定が肯定されて、ステップ3605の処理に移行することになる。
このように、第11の実施形態では、BBの当選状態が持ち越された1回目の遊技においてフリーズ処理が実行される場合には、BBに当選したときの遊技でのフリーズ処理よりも、フリーズ処理の実行時間が短くなっている。
この場合のBBの当選状態が持ち越された1回目の遊技においても、フリーズカウンタの値は「3」でないので、ステップ3605の処理が否定されて、ステップ3606の処理に移行し、フリーズカウンタの値に「1」が加算されることになる。
これにより、BBの当選状態が持ち越された遊技がさらに繰り返されて、3回目のフリーズ処理が実行される場合には、ステップ3303において、フリーズカウンタの値「2」に対応する「1342」が、フリーズタイマの値としてセットされる。
かかる場合には、フリーズタイマの値がセットされてから約2秒(1.49msec×1342)の間、フリーズ処理が実行されることになる。
BBの当選状態が持ち越された1回目の遊技の説明に戻って、ステップ3606の処理が終了すると、確定目判定処理が終了することになる。
そうすると、前記したリール制御処理(図54)における確定目判定処理(ステップ3210)に続く処理が実行されたのち、通常遊技処理(図52)に移行して、メダル払出処理(ステップ505)と、特別遊技状態処理(ステップ506)とが、順番に実行されることになる。
そして、この特別遊技状態処理において、BBへの入賞を決める図柄組合せが揃っていないことが確認されると、BBの当選状態が持ち越された2回目の遊技において、確定目判定処理(図61)が再び実行されることになる。
このように、BBへの入賞を決める図柄組合せが揃うまで、BBの当選状態が次回以降の遊技に持ち越されることになる。
そして、BBへの入賞を決める図柄組合せが揃わないままで、BBの当選状態が持ち越された遊技が繰り返されると、フリーズ処理の実行回数が3回に達し、フリーズカウンタの値が「3」になる場合がある。
かかる場合には、フリーズカウンタの値が「3」になった後に実行される確定目判定処理のステップ3605の判定が肯定されることになる。
そうすると、初めてステップ3607の処理が実行されて、フリーズ判定フラグの値が「2」から「1」に書き換えられることになる。
これにより、BB当選図柄を揃えることができずに、BBの当選状態が持ち越された遊技がさらに繰り返されても、以降の確定目判定処理において、ステップ3602の判定が必ず否定されることになる。よって、BBの当選状態が持ち越された以降の遊技では、左リール61Lが確定目を停止表示しても、、フリーズ処理が実行されないことになる。
このように、第11の実施形態にかかる遊技機(スロットマシン10)では、当選役には、当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な特別当選役(BB)が含まれており、
所定処理実行停止手段は、BBと対応する当選図柄「7(超)」が有効ラインa〜d上に所定の組合せを形成してBBへの入賞が決まるまでの間であって、BBへの当選状態が持ち越された以降の遊技において、遊技の進行の停止が所定回数(例えば3回)実行された場合には、それ以降の遊技において前記特定停止態様が停止表示されても遊技の進行を停止させない構成とし、さらに、BBへの当選状態が持ち越された以降の遊技において遊技の進行を停止する期間を、以前の遊技の進行を停止させた期間よりも短い期間に設定する構成とした。
これにより、遊技の進行停止が所定回数行われた場合には、以降実行される遊技の進行停止期間が、所定回数実行される前よりも短くなる。
当選状態が持ち越された次回以降の遊技では、遊技者は当選図柄を揃えるべく遊技を早急に進めたいという意向を持つので、遊技の進行が停止すると、遊技者にとってフラストレーションとなり、遊技への興趣が削がれてしまうおそれがある。
遊技の進行が所定回数実行された場合には、以降に実行される遊技の進行停止期間を短くすることで、遊技者が感じるフラストレーションを抑えることができる。
遊技の進行の停止が所定回数(例えば3回)行われたのちは、遊技の進行が停止しないようにすることで、遊技者にフラストレーションを与えて遊技への興趣を削ぐことを防止しつつ、遊技の進行の停止を、効果的な演出として活用できるようになる。
上記の実施の形態では、遊技機がスロットマシンである場合を例に挙げて説明をした。
本発明は、スロットマシンとは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機、いわゆるパチンコ機などに適応しても良い。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球などの遊技機として実施するようにしても良い。
また、弾球式でない遊技機、例えば外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留および取り込み装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技玉が取り込み装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機、いわゆるパロットとして実施するようにしても良い。
以下、上記の実施形態および変形例から抽出される発明の特長を、必要に応じて効果などと共に記載する。
本発明は、
(1)複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と、
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、
前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件と、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行わずに前記周回体を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記停止条件選択手段は、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件を選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された停止条件で前記周回体を停止させることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、停止ボタンが操作された際の停止図柄の位置が、周回体を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件で周回体を停止させることで、周回体を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(2)前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記第2の停止条件では、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させ、
前記第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定して前記周回体を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
このように構成すると、第1の停止条件で周回体を停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
ここで、全相励磁により周回体を停止させる場合に、周回体の停止位置のズレを考慮して、停止予定図柄が所定の停止位置に達する直前、例えばステッピングモータにより回転する周回体の最小回転単位である1ステップ前に全相励磁をかけて、周回体を停止させるようにした遊技機がある。このような遊技機の場合には、この1ステップ前の位置が、請求項における文言「所定位置」に相当する。
(3)前記第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行する
ことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
このように構成すると、1ステップあたりの周回体の回転角度が小さいので、周回体の回転を滑らかに見せることができる。
(4)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する時間であることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の遊技機
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、周回体の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなく周回体を減速させたのちに停止させることができ、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(5)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数であることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(6)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数であり、
前記図柄のスベリ数は、前記周回体の図柄毎の前記停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して特定されることを特徴とする(1)から(3)何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減と
データの削減が可能になる。
(7)前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記モータ制御手段は、前記識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(1)から(6)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(8)前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記停止条件選択手段は、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、前記減速パターンに設定された複数の識別番号の中から、前記第1の停止条件で使用する識別番号を決定し、
前記モータ制御手段は、決定された識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(1)から(6)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄と所定位置との関係ごとに、複数の減速パターンを用意する必要なしに、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(9)前記第1の停止条件には、前記周回体の減速時間が異なる複数の減速パターンが用意されており、
前記停止条件選択手段は、前記第1の停止条件の前記複数の減速パターンの中から、前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいてひとつの減速パターンを選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された減速パターンで前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする(1)から(6)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、前記停止図柄と前記所定位置との関係に応じたひとつの減速パターンが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
本発明は、
(10)外周に複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に応じて、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件を選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記第1の停止条件には、前記周回体の減速時間と減速度のうちの少なくとも一方が異なる複数の減速パターンが用意されており、
前記停止条件選択手段は、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件の前記複数の減速パターンの中から、前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいてひとつの減速パターンを選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された減速パターンで前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、前記停止図柄と前記所定位置との位置関係に応じたひとつの減速パターンが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(11)前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定して前記周回体を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
このように構成すると、第1の停止条件で周回体を停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
ここで、全相励磁により周回体を停止させる場合に、周回体の停止位置のズレを考慮して、停止予定図柄が所定の停止位置に達する直前、例えばステッピングモータにより回転する周回体の最小回転単位である1ステップ前に全相励磁をかけて、周回体を停止させるようにした遊技機がある。このような遊技機の場合には、この1ステップ前の位置が、請求項における文言「所定位置」に相当する。
(12)前記第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行することを特徴とする(11)に記載の遊技機。
このように構成すると、1ステップあたりの周回体の回転角度が小さいので、周回体の回転を滑らかに見せることができる。
(13)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する時間であることを特徴とする(10)から(12)の何れか一項に記載の遊技機
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、周回体の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなく周回体を減速させたのちに停止させることができ、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(14)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数であることを特徴とする(10)から(12)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(15)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数であり、
前記図柄のスベリ数は、前記周回体の図柄毎の前記停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して特定されることを特徴とする(10)から(12)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減と
データの削減が可能になる。
(16)前記減速パターンでは、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられており、
前記モータ制御手段は、前記識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(10)から(15)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
本発明は、
(17)複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
役の抽選を行う抽選手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と、
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記モータ制御手段は、
前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させるときの前記周回体の減速度を、前記抽選結果に基づいて設定する減速設定手段と、
前記設定された減速度で前記周回体を減速させたのちに停止させる減速停止手段を、備えることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、周回体を減速させたのちに停止させることができる。
抽選の結果に基づいて周回体の減速度が設定されるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。また、抽選の結果に応じて周回体の減速度が異なると、周回体の減速度より抽選の結果が予測できるので、遊技者の関心は、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動にも向かうようになる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(18)前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させるときの前記周回体の減速度が異なる複数の減速テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記減速設定手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数の減速テーブルの中から、前記抽選の結果に基づいて、ひとつの減速テーブルを選択し、
前記減速停止手段は、前記選択された減速テーブルで規定された減速度で前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする(17)に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体を、抽選の結果に基づいて選択された減速テーブルに規定された減速度で減速させたのちに停止させることができる。
抽選の結果に応じて周回体の減速度が異なるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。また、抽選の結果に応じて周回体の減速度が異なると、周回体の減速度より抽選の結果が予測できるので、遊技者の関心は、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動にも向かうようになる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(19)前記複数の減速テーブルの各々は、所定役への当選の期待度と関連づけられていることを特徴とする(18)に記載の遊技機。
このように構成すると、リールが停止する際の減速度の違いにより、所定役に当選している可能性が高いか否かが判るようになるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えつつ、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(20)前記記憶手段には、第1の減速度で周回体を減速させる第1減速テーブルと、第2の減速度で周回体を減速させる第2減速テーブルと、が記憶され、
前記第1の減速テーブルが選択された場合の所定役への当選の期待度と、前記第2の減速テーブルが選択された場合の前記所定役への当選の期待度と、が異なることを特徴とする(18)に記載の遊技機。
このように構成すると、リールが停止する際の減速度の違いにより、所定役に当選している可能性が高いか否かが判るようになるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えつつ、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(21)前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件と、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行わずに前記周回体を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記停止条件選択手段は、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件を選択し、
前記減速設定手段は、前記第1の停止条件が選択されると、前記抽選の結果に基づいて、前記複数の減速テーブルの中からひとつの減速テーブルを選択することを特徴とする(18)から(20)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止ボタンが操作された際の停止図柄(停止予定図柄)の位置が、周回体を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件で周回体を停止させることで、周回体を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(22)前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記停止条件選択手段は、前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、前記第1の停止条件と前記第2の停止条件の何れかを選択することを特徴とする(21)に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(23)前記減速設定手段は、前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、前記減速テーブルを選択することを特徴とする(22)に記載の遊技機。
このように構成すると、停止ボタンが操作されたときに決まるステップ数にはランダム性があるため、ステップ数に基づいて減速テーブルを選択することで、周回体の減速をランダムに実行できるようになる。ステップ数を用いない場合には、減速テーブルを選択する際に乱数を生成する処理などを遊技機において別途設ける必要があるが、ステップ数を用いる構成とすることで、簡単な処理で周回体の減速をランダムに実行できる。また、周回体の減速がランダムに実行されるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。さらに、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(24)前記モータ制御手段は、前記第1の停止条件が選択された場合に、前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数に応じて、前記停止条件選択手段が選択した第1の停止条件を前記第2の停止条件に変更する停止条件変更手段を備えることを特徴とする(22)または(23)に記載の遊技機。
このように構成すると、停止条件選択手段により第1の停止条件が選択された場合であっても、第2の停止条件に変更されることがあるので、周回体の減速のランダム性が大きくなり、遊技者の興趣をより引きつけることができる。
(25)前記複数の減速テーブルの各々では、前記減速の開始から前記停止図柄を前記所定位置に到達させるまでのステップ数が同じステップ数に設定されていることを特徴とする(22)から(24)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、第1の停止条件で周回体を停止させる場合、複数の減速テーブルの何れが選択されても、減速の開始から停止図柄(停止予定図柄)を所定位置に到達させるまでのステップ数が常に同じであるので、周回体の減速は常に停止図柄(停止予定図柄)の所定ステップ数前から開始される。よって、周回体の外周に描かれた図柄の並びを記憶しているような、遊技経験の豊富な遊技者の場合、周回体の減速が開始される位置により役に当選しているか否かが判るため、遊技者の関心は、自然と減速が開始されるタイミングに向かうことになる。よって、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(26)前記複数の減速テーブルの各々では、前記減速の開始から前記停止図柄を前記所定位置に到達させるまでのステップ数が、前記周回体の外周に描かれた図柄を所定図柄分移動させるのに要するステップ数に設定されていることを特徴とする(22)から(25)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の減速が開始されるタイミングが、周回体の外周の周方向で隣接する図柄の切れ目となるので、周回体の減速が開始されたか否かを遊技者が認識し易くなる。
(27)複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
役の抽選を行う抽選手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と、
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記モータ制御手段は、
前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させるときの前記周回体の減速時間を、前記抽選結果に基づいて設定する減速設定手段と、
前記設定された減速時間で前記周回体を減速させたのちに停止させる減速停止手段を、備えることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、周回体を減速させたのちに停止させることができる。
抽選の結果に基づいて周回体の減速時間が設定されるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。また、抽選の結果に応じて周回体の減速時間が異なると、周回体の減速時間から抽選の結果が予測できるので、遊技者の関心は、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動にも向かうようになる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(28)前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させるときの前記周回体の減速時間が異なる複数の減速テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記減速設定手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数の減速テーブルの中から、前記抽選の結果に基づいて、ひとつの減速テーブルを選択する減速テーブル選択手段し、
前記減速停止手段は、前記選択された減速テーブルで規定された減速時間で前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする(27)に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体を、抽選の結果に基づいて選択された減速テーブルに規定された減速時間で減速させたのちに停止させることができる。
抽選の結果に応じて周回体の減速時間が異なるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。また、抽選の結果に応じて周回体の減速時間が異なると、周回体の減速時間から抽選の結果が予測できるので、遊技者の関心は、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動にも向かうようになる。よって、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(29)前記複数の減速テーブルの各々は、所定役への当選の期待度と関連づけられていることを特徴とする(28)に記載の遊技機。
このように構成すると、リールが停止する際の減速時間の違いにより、所定役に当選している可能性が高いか否かが判るようになるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えつつ、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(30)前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件と、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行わずに前記周回体を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記停止条件選択手段は、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件を選択し、
前記減速設定手段は、前記第1の停止条件が選択されると、前記抽選の結果に基づいて、前記複数の減速テーブルの中からひとつの減速テーブルを選択することを特徴とする(28)または(29)に記載の遊技機。
このように構成すると、停止ボタンが操作された際の停止図柄の位置が、周回体を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件で周回体を停止させることで、周回体を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(31)前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記減速テーブル選択手段は、前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、前記第1の停止条件と前記第2の停止条件の何れかを選択することを特徴とする(30)に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(32)前記減速設定手段は、前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数に基づいて、前記減速テーブルを選択することを特徴とする(31)に記載の遊技機。
このように構成すると、停止ボタンが操作されたときに決まるステップ数にはランダム性があるため、ステップ数に基づいて減速テーブルを選択することで、周回体の減速をランダムに実行できるようになる。ステップ数を用いない場合には、減速テーブルを選択する際に乱数を生成する処理などを遊技機において別途設ける必要があるが、ステップ数を用いる構成とすることで、簡単な処理で周回体の減速をランダムに実行できる。また、周回体の減速がランダムに実行されるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えることができる。さらに、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(33)前記モータ制御手段は、前記第1の停止条件が選択された場合に、前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数に応じて、前記停止条件選択手段が選択した第1の停止条件を、前記第2の停止条件に変更する停止条件変更手段を備えることを特徴とする(31)または(32)に記載の遊技機。
このように構成すると、停止条件選択手段により第1の停止条件が選択された場合であっても、第2の停止条件に変更されることがあるので、周回体の減速のランダム性が大きくなり、遊技者の興趣をより引きつけることができる。
(34)前記複数の減速テーブルの各々では、前記減速の開始から前記停止図柄を前記所定位置に到達させるまでのステップ数が異なるステップ数に設定されていることを特徴とする(31)から(33)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、減速の開始から停止図柄(停止予定図柄)を所定位置に到達させるまでのステップ数が異なるので、遊技経験の豊富な遊技者の場合、周回体の減速している間のステップ数の違いが判るため、遊技者の関心が減速時のステップ数に向かうことになり、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(35)前記記憶手段には、第1の減速時間で周回体を減速させる第1減速テーブルと、第2の減速時間で周回体を減速させる第2減速テーブルと、が記憶され、
前記第1の減速テーブルが選択された場合の所定の役への当選の期待度と、前記第2の減速テーブルが選択された場合の前記所定役への当選の期待度と、が異なることを特徴とする(31)から(34)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、リールが停止する際の減速時間の違いにより、所定役に当選している可能性が高いか否かが判るようになるので、遊技者が、周回体が停止する際の挙動が単調であると感じることを抑えつつ、遊技者の関心を、ストップボタンを操作するときのみならず、ストップボタンの操作から周回体が停止するまでの間の周回体の挙動に向かわせることができるので、遊技の全体に亘って、遊技者の興趣を引きつけることができる。
(36)前記減速の開始から前記停止図柄を前記所定位置に到達させるまでのステップ数は、前記第2の減速テーブルのほうが、前記周回体の外周に描かれた図柄を所定図柄分移動させるのに要するステップ数の分だけ、前記第1の減速テーブルよりも多く設定されていることを特徴とする(35)に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の減速が開始されるタイミングは同じであるものの、周回体が停止した時点での位置が、周回体の外周の周方向で隣接する所定図柄分(例えば1図柄分)ずれるので、周回体の減速時間の違いを遊技者が認識し易くなる。
(37)前記第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行することを特徴とする(21)から(26)、(30)から(36)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、1ステップあたりの周回体の回転角度が小さいので、周回体の回転を滑らかに見せることができる。
(38)前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記モータ制御手段は、前記識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(21)から(26)、(30)から(37)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(39)前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記停止条件選択手段は、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、前記減速パターンに設定された複数の識別番号の中から、前記第1の停止条件で使用する識別番号を決定し、
前記減速停止手段は、決定された識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(21)から(26)、(30)から(37)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄(停止予定図柄)と所定位置との関係ごとに、複数の減速パターンを用意する必要なしに、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
本発明は、
(40)複数種の図柄を循環表示させる複数の循環表示手段と、
前記図柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、
役の抽選を行う抽選手段と、
前記各循環表示手段の循環表示を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止した場合に特典を付与する特典付与手段と、を備えた遊技機において、
前記役の抽選に当選した場合に停止可能な特定停止態様を停止表示させる特定停止態様停止制御手段と、
前記特定停止態様が停止表示された場合に、遊技の進行に関わる所定の処理が所定期間実行されないようにする所定処理実行停止手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された場合、遊技の進行に関わる所定の処理が所定期間実行されないので、遊技の進行が所定期間停止する。これにより、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
特に、特定停止態様が当選に関連づけられているので、特定停止態様が停止表示されると、遊技者は、図柄の循環表示を停止させるための停止操作手段の操作を慎重に行うようになる。よって、当選図柄を有効位置に所定の組合せを形成して停止させる確度が高くなるので、遊技者が特典付与を引き出すまでに要する時間を短縮でき、効果的な演出を行うことができる。
特に、いわゆる目押しができる熟練した遊技者の場合には、当選図柄を有効位置に停止させる確度がいっそう高くなるので、当選役が取りこぼしのある役であっても、取りこぼしを好適に防止できるようになる。これにより、遊技者が特典付与を引き出すまでにベットするメダルの枚数を好適に抑えることができるようになる。
(41)前記所定処理実行停止手段は、前記循環表示を最初に停止させた循環表示手段において前記特定停止態様が停止表示されると、前記遊技の進行に関わる所定の処理が所定期間実行されないようにすることを特徴とする(40)に記載の遊技機。
このように構成すると、遊技者が、複数の停止操作手段をテンポ良く順番に操作して、対応する循環表示手段の循環表示を順番に停止させながら遊技を行っている場合、最初の停止操作手段の操作タイミングが、特定停止態様(リーチ目)を停止表示させるタイミングであるときには、最初の停止操作手段の操作から所定期間の間、遊技の進行に関わる所定の処理が所定期間実行されないので、その所定期間の間、遊技の進行が停止する。これにより、その所定期間の間に停止操作手段が操作されても、対応する循環表示手段の循環表示が停止しないことになる。
そうすると、最初の循環表示が停止して、特定停止態様が停止表示されていることに遊技者が気付いた時点で、残りの循環表示手段の循環表示を停止させる機会が残されていることになる。かかる場合、遊技者は、残されている機会を「得をした」と感じつつ、当選図柄を有効位置に所定の組合せを停止表示させるべく、再度、残りの停止操作手段を操作して循環表示手段の循環表示を停止させることになる。
そうすると、遊技者は、図柄の循環表示を停止させるための停止操作手段の操作をいっそう慎重に行うようになり、その結果として、当選図柄を有効位置に所定の組合せを形成して停止させる確度が高くなるので、遊技者が特典付与を引き出すまでに要する時間を短縮できる。また、遊技の進行の一時的な停止という演出が、遊技者に特定停止態様の停止表示のに対する「気付きの機会」と、停止操作手段の操作機会が残されていることに対する「得をした感」、そして、停止操作手段の操作における「集中」をもたらすので、遊技者にとって効果的な演出となる。
特に、いわゆる目押しができる熟練した遊技者の場合には、当選図柄を有効位置に停止させる確度がいっそう高くなるので、当選役が取りこぼしのある役であっても、取りこぼしを好適に防止できるようになる。これにより、遊技者が特典付与を引き出すまでにベットするメダルの枚数を好適に抑えることができるようになる。
このことによっても、遊技に対する遊技者の興趣を引き立てることができる。
(42)前記所定処理実行停止手段は、
前記複数の循環表示手段のうちの少なくとも最後のひとつの循環表示を停止させる前に、すでに循環表示を停止させた循環表示手段において、前記特定停止態様が停止表示されると、前記遊技の進行に関わる所定の処理が所定期間実行されないようにすることを特徴とする(40)に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された場合に、遊技の進行に関わる所定の処理が所定期間実行されないので、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
(43)前記特定停止態様は、前記循環表示を停止した前記循環表示手段の各々が停止表示する図柄の組合せで構成されることを特徴とする(40)または(42)に記載の遊技機。
このように構成すると、総ての循環表示手段が停止表示する図柄の組合せで特定停止態様が構成される場合よりも、特定停止態様が停止表示される確率が高くなる。よって、遊技の進行停止による、演出を効果的に行うことができる。
(44)前記特定停止態様では、前記循環表示を停止した前記循環表示手段の各々が停止表示する図柄は、前記当選役に対応する図柄であり、前記所定の有効位置に停止表示されていることを特徴とする(43)に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された時点では、当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成している途中になる。
よって、図柄の循環表示を続けている残りの循環表示手段について、循環表示を停止させるための停止操作手段の操作を慎重に行うことで、最終的に、当選役と対応する当選図柄を有効位置に所定の組合せを形成して停止表示させて、当選役に入賞させることができる。
よって、残りの循環表示手段の循環表示を停止させるときに、当選図柄が有効位置に停止表示されるように狙って停止操作手段を操作すれば、当選役に入賞して特典付与を引き出せることを、遊技の所定期間の停止により遊技者に気付かせることができる。
さらに、遊技者が特典付与を引き出すまでにベットするメダルの枚数を好適に抑えることができるようになる。
(45)前記当選役には、当該当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止するまで、次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な特別当選役が含まれていることを特徴とする(40)から(44)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された場合に、遊技の進行が所定期間停止するので、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
特に、特定停止態様が特別当選役に関連づけられているので、特定停止態様が停止表示されると、遊技者は、図柄の循環表示を停止させるための停止操作手段の操作を慎重に行うようになる。よって、当選図柄を有効位置に所定の組合せを形成して停止させる確度が高くなるので、遊技者が特典付与を引き出すまでに要する時間を短縮でき、効果的な演出を行うことができる。
特に、いわゆる目押しができる熟練した遊技者の場合には、当選図柄を有効位置に停止させる確度がいっそう高くなるので、当選役が取りこぼしのある役であっても、取りこぼしを好適に防止できるようになる。これにより、遊技者が特典付与を引き出すまでにベットするメダルの枚数を好適に抑えることができるようになる。
(46)前記所定処理実行停止手段は、前記特別当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止するまでの間で、前記遊技の進行に関わる処理が実行されなくなることが所定回数行われた場合には、以降の遊技において前記特定停止態様が停止表示されても前記遊技の進行に関わる処理を実行することを特徴とする(45)に記載の遊技機。
特別当選役と対応する当選図柄を有効位置に所定の組合せを形成して停止させるまで、当選状態が次回以降の遊技に持ち越される場合、遊技者は、当選状態が持ち越された次回以降の遊技において、当選図柄を揃えるべく遊技を早急に進めたいという意向を持つ。
しかし、常に遊技の進行に関わる処理が所定期間実行されないようになっていると、このことが、遊技者にとってフラストレーションとなり、遊技への興趣が削がれてしまうおそれがある。
遊技の進行に関わる処理が実行されなくなることが所定回数(例えば1回)行われたのちは、遊技の進行に関わる処理が実行されるようにすることで、遊技者にフラストレーションを与えて遊技への興趣を削ぐことを防止しつつ、遊技の進行に関わる処理を実行しないことが、効果的な演出として活用できるようになる。
(47)前記所定処理実行停止手段は、前記特別当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止するまでの間で、前記遊技の進行に関わる処理が実行されなくなることが所定回数行われた場合には、以降の遊技において遊技の進行に関わる処理が実行されなくなる期間を、前記所定回数実行される前よりも短い期間に設定することを特徴とする(45)に記載の遊技機。
このように構成すると、遊技の進行に関わる処理が実行されなくなることが所定回数行われた場合には、以降実行される遊技に関わる処理が実行されなくなる期間が、所定回数実行される前よりも短くなる。
当選状態が持ち越された次回以降の遊技では、遊技者は当選図柄を揃えるべく遊技を早急に進めたいという意向を持つので、遊技の進行に関わる処理が実行されなくなって遊技の進行が停止すると、遊技者にとってフラストレーションとなり、遊技への興趣が削がれてしまうおそれがある。
遊技の進行に関わる処理が実行されなくなることが所定回数実行された場合には、以降に実行される遊技に関わる処理が実行されなくなる期間を短くすることで、遊技者が感じるフラストレーションを抑えることができる。
(48)前記遊技の進行に関わる処理は、前記停止操作手段の操作を検出する処理であり、前記所定処理実行停止手段は、前記特定停止態様が停止表示された場合、前記停止操作手段の操作を検出する処理の実行開始を所定期間遅延させることを特徴とする(40)から(47)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された場合、停止操作手段の操作を検出する処理の実行開始を所定期間遅延して、遊技の進行が所定期間停止する。この所定期間を、停止操作手段の操作から循環表示手段の循環表示が停止するまでに要する時間よりも長い時間に設定することで、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
(49)前記停止操作手段の操作により入力される指令に基づいて、前記循環表示手段の循環表示を停止させる停止制御手段をさらに備え、
前記遊技の進行に関わる処理は、前記停止制御手段による前記循環表示手段の循環表示を停止させる処理であり、
前記所定処理実行停止手段は、前記特定停止態様が停止表示された場合、前記所定期間の間に入力される前記指令を無効化して、前記停止制御手段による前記循環表示手段の循環表示の停止を実行させないことを特徴とする(40)から(47)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された場合、所定期間の間に入力される指令が無効化されて、循環表示手段の循環表示が停止しないことになるので、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
(50)前記停止操作手段を操作可能な状態と操作不可能な状態との間で切り換える操作可否設定手段をさらに備え、
前記遊技の進行に関わる処理は、前記操作可否設定手段が前記停止操作手段を操作可能な状態にする処理であり、
前記所定処理実行停止手段は、前記特定停止態様が停止表示された場合、前記操作可否設定手段が前記停止操作手段を操作可能な状態にすることを、所定期間の間禁止することを特徴とする(40)から(47)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示された場合、所定期間の間、停止操作手段が操作可能な状態にされないので、停止操作手段を操作して循環表示手段の循環表示を停止させることができない状態となる。これにより、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
(51)遊技の状態に対応した演出を実行する演出実行手段をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記特定停止態様が停止表示されると、前記遊技の進行に関わる所定の処理が実行されないことを報知する演出を実行することを特徴とする(40)から(50)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、特定停止態様が停止表示されることを、遊技者に気付かせることができるので、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことを防止できる。
(52)前記演出実行手段は、前記遊技の進行に関わる所定の処理が実行されない所定期間が経過したことを報知する演出を実行することを特徴とする(40)から(51)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止していた遊技の進行が再開されたことを、遊技者に気付かせることができる。遊技の進行が再開された時点では、当選役と対応する当選図柄が有効位置に所定の組合せを形成している途中になる。
よって、図柄の循環表示を続けている残りの循環表示手段について、循環表示を停止させるための停止操作手段の操作を慎重に行うことで、最終的に、当選役と対応する当選図柄を有効位置に所定の組合せを形成して停止表示させて、当選役に入賞させることができる。
(53)前記循環表示手段による循環表示を停止させるときに、前記停止操作手段の操作タイミングに基づいて、前記図柄の循環速度を減速させたのちに前記循環表示を停止させる第1の停止条件と、前記循環速度の減速を行わずに前記循環表示を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記特定停止態様停止制御手段は、前記第1の停止条件が選択された場合に、前記第1の停止条件で前記図柄の循環速度を減速させたのちに、前記特定停止態様を停止表示させることを特徴とする(40)から(52)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、図柄の循環速度を減速させたのちに循環表示を停止させる処理と、遊技の進行を所定期間停止させる処理とを組合わせることで、、特定停止態様が表示されたことを遊技者が見逃すことをより好適に防止できる。
(54)上記の(1)から(53)の何れかの遊技機において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
なかでも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に、識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体は、メダル、メダルなどが代表例として挙げられる。
(55)上記の(1)から(53)の何れかの遊技機において、前記遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
なかでも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に、識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、を備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。