JP5682138B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、スロットマシンその他の遊技機に関する。
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで、内部抽選が実行されると共に、リール(周回体)が回転する。
そして、内部抽選の結果、入賞役(役)に当選している場合には、その後の遊技者によるストップボタンの操作などで総てのリールが回転を停止した時点で、表示窓内に表示された各リールの図柄の組み合わせが、当選している入賞役の図柄の組み合わせと一致していることを条件に、所定枚数のメダルが払い出されるようになっている。
ここで、リールの回転および停止は、ステッピングモータにおける励磁相の切替えと切替えタイミングを制御することで実行される。
スロットマシンでは、ストップボタンの操作によりリールの回転停止の指示入力があった場合、指示入力があった時点でリールを停止させずに、その時点から所定時間が経過するまでの間の任意のタイミングでリールを停止させることが認められている。
そのため、スタートレバーの操作時に行われる内部抽選の結果、入賞役に当選している場合には、各リールの回転を停止させたときに表示窓内に表示される図柄が、入賞役の図柄の組み合わせとできるだけ一致するように、リールを停止させるタイミングを調整している。
これにより、スロットマシンでは、リールの回転停止の指示入力があった時点で表示窓内に表示されている図柄から、所定図柄分離れた図柄まで滑らしてリールを停止させることができるようになっている。
実公昭62−36787号公報
そのため、スロットマシンでは、リールの回転停止の指示入力があった後もリールを定速で回転させ、表示窓内に表示させるべき図柄が所定位置に達したときに、ステッピングモータの全相に励磁をかけてリールを急停止させている。
よって、従来のスロットマシンでは、定速で回転しているリールが急停止を繰り返すので、リールやステッピングモータに負荷がかかっていた。
そこで、リールを停止させる際に、リールやステッピングモータにかかる負荷を低減することが求められている。
本発明は、
複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と、
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、
前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件と、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行わずに前記周回体を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記停止条件選択手段は、遊技における入賞の有無に関係なく、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件を選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された停止条件で前記周回体を停止させる構成とし、
前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記第1の停止条件では、前記モータ制御手段が、励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す減速カウンタと関連づけられたひとつの減速テーブルに基づいて、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させる構成とし、
第1の停止条件には、第1のスローダウン処理と、第1のスローダウン処理よりも減速時間が短い第2スローダウン処理とがあり、
第1のスローダウン処理では、前記減速テーブルに規定された前記減速カウンタの順番で、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速し、
前記第2のスローダウン処理では、前記減速テーブルに規定された前記減速カウンタの順番を任意の整数ずつ飛ばした順番で、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速する構成の遊技機とした。
このように構成すると、停止ボタンが操作された際の停止図柄の位置が、周回体を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件で周回体を停止させることで、周回体を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記第2の停止条件では、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させ、
前記第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定して前記周回体を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させることを特徴とする。
このように構成すると、第1の停止条件で周回体を停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
前記第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行することを特徴とする。
このように構成すると、1ステップあたりの周回体の回転角度が小さいので、周回体の回転を滑らかに見せることができる。
前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する時間であることを特徴とする。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、周回体の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなく周回体を減速させたのちに停止させることができ、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数であることを特徴とする。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数であり、
前記図柄のスベリ数は、前記周回体の図柄毎の前記停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して特定されることを特徴とする。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減と
データの削減が可能になる。
前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記モータ制御手段は、前記識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする。
このように構成すると、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記停止条件選択手段は、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、前記減速パターンに設定された複数の識別番号の中から、前記第1の停止条件で使用する識別番号を決定し、
前記モータ制御手段は、決定された識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする。
このように構成すると、停止図柄と所定位置との関係ごとに、複数の減速パターンを用意する必要なしに、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
前記第1の停止条件には、前記周回体の減速時間が異なる複数の減速パターンが用意されており、
前記停止条件選択手段は、前記第1の停止条件の前記複数の減速パターンの中から、前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいてひとつの減速パターンを選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された減速パターンで前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする。
このように構成すると、前記停止図柄と前記所定位置との関係に応じたひとつの減速パターンが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、リールやステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
リールを停止させる際に、リールやステッピングモータに作用する負荷を低減できる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図である。 スロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図である。 スロットマシンの筐体本体の正面図である。 左リールの分解斜視図である。 ステッピングモータの動作原理を示す図である。 ステッピングモータの駆動系を示す接続図である。 励磁データと励磁順ポインタとの関係を示す説明図である。 第1および第2センサカットバンの配置と、リールインデックスセンサの検出信号を説明する図である。 リールの外周に描かれる図柄配列と、図柄配列の組み合わせと役との関係を示す図である。 メイン制御基板の構成を説明するブロック図である。 メイン制御基板が実行するNMI割込処理のフローチャートである。 メイン制御基板が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。 メイン制御基板が実行する停電時処理のフローチャートである。 メイン制御基板が実行する電源投入時のメイン処理のフローチャートである。 メイン制御基板が実行する通常遊技処理のフローチャートである。 通常遊技処理の抽選処理のフローチャートである。 通常遊技処理のリール制御処理のフローチャートである。 通常遊技処理のメダル払出処理のフローチャートである。 通常遊技処理の特別遊技状態処理のフローチャートである。 特別遊技状態処理のボーナス図柄判定処理のフローチャートである。 RBゲーム初期値テーブルである。 BBゲーム初期値テーブルおよびJACイン初期値テーブルである。 ステッピングモータの駆動特性を示す図である。 加速テーブルを示す図である。 ステッピングモータ制御処理のフローチャートである。 モータ制御処理のフローチャートである。 モータ制御処理のフローチャートである。 回転位置検出処理のフローチャートである。 リール停止処理のフローチャートである。 停止制御処理のフローチャートである。 停止制御処理のフローチャートである。 第1減速テーブルを示す図である。 第2減速テーブルを示す図である。 第2実施形態にかかるリール停止処理のフローチャートである。 スベリテーブルを示す図である。 第3実施形態にかかるリール停止処理のフローチャートである。 第3および第4減速テーブルを示す図である。
[遊技機]
以下、本発明の実施形態を、遊技機がスロットマシンの場合を例に挙げて説明する。
図1は、スロットマシン10の正面図であり、図2は、スロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図であり、図3は、スロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図4は、筐体本体11の正面図である。
図3に示すように、スロットマシン10の筐体は、正面側が開口する箱形状の筐体本体11と、その開口部を閉じる前面扉12とから構成される。
前面扉12は、左端側の上下複数カ所がヒンジによって筐体本体11に取り付けられ、ヒンジを軸として水平に揺動し、筐体本体11の開口部を開閉可能となっている。
図1に示すように、前面扉12の右端部には、筐体本体11側と協働して前面扉12を閉鎖し施錠状態とする施錠機構20が設けられている。
図4に示すように、スロットマシン10の筐体本体11は、天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d、右側板11eから構成され、筐体本体11の内部は、仕切板11fによって上下に2分割されている。
仕切板11fの上部には、前面扉12の各表示窓31L、31M、31R(以下、表示窓31とも表記する)に対して1対1で対応させて横に並べた左リール61L、中リール61M、右リール61R(以下、リール61とも表記する)を同一軸線上で回転可能に支持したリールユニット60が、取り付けられている。
さらに、正面から見て、背板11cのリールユニット60よりも上方には、制御基板収容ボックス51が取付けられており、この制御基板収容ボックス51内には、スロットマシン10の制御を行うメイン制御基板80が収容されている。
仕切板11fの下部には、ホッパ装置52と、電源装置56と、メダル収容箱57とが配置されている。
ホッパ装置52は、、メダルを貯留する貯留タンク53と、メダルを遊技者に払い出す払出装置55とにより構成され、払出装置55は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、前面扉12の裏面の排出用通路67の開口68へメダルを排出し、排出用通路67を介してメダル受け皿18(図2参照)へメダルを払い出すようになっている。
また、ホッパ装置52の右側には、貯留タンク53内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するためのメダル収容箱57が設けられている。ホッパ装置52の貯留タンク53には、この貯留タンク53からメダル収容箱57にメダルを排出する誘導プレート54が設けられており、貯留タンク53内に貯留されているメダルが過剰になると、過剰になったメダルがメダル収容箱57に排出されて貯留されるようになっている。
図1に示すように、前面扉12の上側には、遊技の進行に伴って点灯・点滅する上部ランプ13が、上辺に沿って設けられており、上部ランプ13の下方位置の左右両側には、種々の報知音(効果音)を出力する一対のスピーカ14が設けられている。
そして、これら一対のスピーカ14の間には、画像・映像等の種々の情報を表示する液晶ディスプレイ15が設けられている。
液晶ディスプレイ15の下方には、左リール61Lと中リール61Mと右リール61Rをそれぞれ透視できる表示パネル30と、略中段付近にて各種ボタン41〜44、46〜49や、スタートレバー45およびメダル投入口50が設けられた操作部40と、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16と、メダル排出口17から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿18と、が設けられている。
表示パネル30は、図1に示すように左リール61L、中リール61M、右リール61Rの停止中または回転中の様子を視認可能とする表示窓31(31L、31M、31R)と、表示窓31Lの左側に配置された5つのベットランプ32、33、33、34、34と、この表示窓31(31L、31M、31R)の下側に配設された3つの表示部(クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37)と、を備えている。
表示窓31(31L、31M、31R)は、停止中の左リール61L、中リール61M、右リール61Rのそれぞれについて、縦方向に3つの図柄を同時に視認可能とする大きさに形成されている。このため、左リール61L、中リール61M、右リール61Rのすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が、遊技者から視認可能となっている。なお、表示窓31(31L、31M、31R)は1つにまとめて、共通の露出窓とすることもできる。
そして、図1において鎖線で示す上段、中段、下段の水平ラインa、b、cと、一対の対角ラインd、eの合計5本のラインが入賞判定用のラインとして設定されており、設定されたラインのうちの少なくともひとつ以上が、ベットされるメダル数に応じて適宜有効化される。
有効化されたラインは有効ラインであり、予め定められた賞を付与する組合せが有効ラインに揃うと「入賞」となる。例えば停止した左リール61Lの3つの図柄のうち有効ライン上の図柄に「チェリー」があると「入賞」となる。
図1に示すように1枚のメダルがベットされたときに点灯するベットランプ32は、中段水平ラインbの左横に配設され、2枚のメダルがベットされたときに点灯するベットランプ33、33は、上段水平ラインaおよび下段水平ラインcの左横に配設され、3枚のメダルがベットされたときに点灯するベットランプ34、34は、一対の対角ラインd、eの左横に配設されている。
クレジット枚数表示部35は、後述するクレジット機能が有効なときにスロットマシン10の内部に貯留されている枚数を表示する。
ゲーム数表示部36は、例えばビッグボーナス時にあと何回JAC(ジャック)インできるかのか、JACゲーム時にあと何回JAC図柄成立が残っているのかを、回数で表示する。
獲得枚数表示部37は、有効ライン上に同じ図柄が揃って入賞したときに払い出された枚数を表示する。
図1および図2に示すように、操作部40は、表示パネル30の下端から手前側に延在する平面部40aと、その平面部40aの前端部から鉛直方向に延びる縦壁部40bと、を有している。
平面部40aの左側には、1枚ベットボタン41および2枚ベットボタン42と、マックスベットボタン43と、が設けられており、右側には、メダル投入口50が設けられている。
各ベットボタン41、42、43は、ゲームスタート前にそのゲームでベットするメダル枚数を決めるためのボタンであり、ベットされたメダルの枚数に応じてベットランプ32〜34が点灯して、有効ラインが確認できるようになっている。
メダル投入口50から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ65(図3参照)によって貯留用通路66か排出用通路67のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ65には、メダル通路切替ソレノイド(図示せず)が設けられており、メダル通路切替ソレノイドの非励磁時には排出用通路67側にメダルが誘導され、励磁時には貯留用通路66側にメダルが誘導されるようになっている。
なお、貯留用通路66に導かれたメダルは、筐体本体11の内部に収納されたホッパ装置52へと導かれる。一方、排出用通路67に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17(図1参照)からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
図1に示すように、縦壁部40bには、左側から右側に向かって順番に、クレジット精算ボタン44と、スタートレバー45と、左リール61L用のストップボタン46と、中リール61M用のストップボタン47と、右リール61R用のストップボタン48と、返却ボタン49と、が設けられている。
クレジット精算ボタン44は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後ボタンの操作が行われるごとにオン/オフが切り替わるトグル式に構成されている。
クレジット精算ボタン44がオフ状態のときには、クレジット枚数表示部35の表示が消え、メダル投入口50から投入されたメダルや入賞したときに払い出されるメダルは、メダル排出口17からメダル受け皿18へ払い出される。
クレジット精算ボタン44がオン状態のときには、クレジット枚数表示部35に数字(オンからオフになったときには「0」)が表示され、クレジット機能が有効となる。
ここで、クレジット機能とは、メダル投入口50から投入された枚数がマックスベット数(ここでは3枚)を越えたときにその越えた枚数分をスロットマシン内部に貯留する機能であり、貯留枚数は上述したクレジット枚数表示部35に表示される。クレジット枚数表示部35に1枚以上表示されているときにクレジット精算ボタン44を押してオフ状態にすると、表示されていた枚数分のメダルがメダル排出口17からメダル受け皿18へ払い出され、メダルが払い出されるごとにクレジット枚数表示部35の数値が1ずつディクリメント(減算)され、その数値がゼロになったあと表示が消える。
スタートレバー45は、遊技者がゲームを開始するときに、下方に押し下げる、または上方に押し上げることによって操作するレバーであり、縦壁部40bから手前側に向かって突設されている。
メダルがベットされているときにこのスタートレバー45が操作されると、スタート指令が生成され、このスタート指令によって各リール61(61L、61M、61R)が一斉に回転し始める。
ストップボタン46〜48は、それぞれ回転中の左リール61L、中リール61M、右リール61Rを停止させるときに遊技者が押下するボタンである。
各ストップボタン46、47、48が押されると、停止指令が生成される。
各ストップボタン46、47、48は、各リール61(61L、61M、61R)が等速回転している間、図示しないランプにより点灯表示され、回転が停止すると消灯する。
ここで、メダルをベットする手順について説明する。
クレジット精算ボタン44がオフ状態のとき(クレジット枚数表示部35が消灯しているとき)か、クレジット精算ボタン44がオン状態で貯留枚数もベットされているメダルの枚数もゼロのとき(クレジット枚数表示部35に「0」が表示されているとき)に、メダル投入口50からメダルが投入されるとベットされる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口50に投入されると、ベットランプ32が点灯し、そしてこれに対応する中段の水平ラインbが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口50に投入されると、更に2つのベットランプ33、33が点灯すると共に、これに対応する上段および下段の水平ラインa、cを含む合計3本のラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口50に投入されると、更に2つのベットランプ34、34が点灯し、そしてこれに対応する一対の対角ラインd、eを含む合計5本のラインのそれぞれが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口50に投入されると、クレジット精算ボタン44がオフのとき(クレジット機能が有効でない)ときには、メダル排出口17からメダル受け皿18へメダルが返却されるが、クレジット精算ボタン44がオンのとき(クレジット機能が有効なとき)には、有効ラインはそのままで投入されたメダルの枚数分だけスロットマシン内部に貯留され、クレジット枚数表示部35に貯留枚数が表示される。このクレジット枚数は上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
メダルが3枚以上貯留されているときに、1枚ベットボタン41が押されるとクレジット枚数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされると共に、ベットランプ32が点灯して中段の水平ラインbが有効ラインとなり、2枚ベットボタン42が押されるとクレジット枚数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされると共に、ベットランプ32およびベットランプ33、33が点灯して合計3本の水平ラインa、b、cが有効化され、マックスベットボタン43が押されるとクレジット枚数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされると共に、全ベットランプ32、33、33、34、34が点灯して合計5本のラインa〜eが有効ラインとなる。
一方、メダルが2枚貯留されているときに、1枚ベットボタン41や2枚ベットボタン42が押されると先ほどと同様に動作するが、マックスベットボタン43が押されると2枚ベットボタン42が押されたときと同じように動作し、メダルが1枚だけ貯留されているときに、1枚ベットボタン41が押されると先ほどと同様に動作するが、2枚ベットボタン42やマックスベットボタン43が押されると1枚ベットボタン41が押されたときと同じように動作する。
[リールユニット]
リールユニット60について説明する。
図4に示すように、リールユニット60において左リール61L、中リール61M、右リール61Rは、共通の回動軸X周りに回転可能に設けられており、それぞれ専用のステッピングモータにより、回転駆動されるようになっている。
ここで、左リール61L、中リール61M、右リール61Rは同様の構成を有しているため、ここでは左リール61Lの場合を例に挙げてその構成を説明し、中リール61M、右リール61Rについての説明は省略する。
図5は、左リール61Lの分解斜視図である。
左リール61Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材70の外周面に、21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれたベルトを巻きつけた周回体である。円筒骨格部材70のボス部71は、円盤状のボス補強板72を介してステッピングモータ79の駆動軸に連結されており、左リール61Lは、ステッピングモータ79により回転駆動されるようになっている。
ステッピングモータ79は、筐体本体11(図2)の内部に垂設されるモータプレート73に、ねじ74で固定されており、スロットマシン10のメイン制御基板80から出力される駆動信号(以下、励磁信号または励磁パルスとも表記する)に基づいて、モータドライバ100により駆動されるようになっている。
[ステッピングモータ]
図6は、ステッピングモータ79の動作原理を示す接続図であり、図7は、ステッピングモータの駆動系を示す接続図である。
実施の形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータが採用されている。
ただし、ステッピングモータは、ハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを用いるようにしても良い。
ハイブリッド型のステッピングモータ79は、周知のように中央に配置されたロータ(回転子)790と、このロータ790の周囲に配された第1ポール793〜第4ポール796と、から構成される。
ロータ790は、N極に着磁された手前側ロータ791と、S極に着磁された奥側ロータ792とで構成され、手前側ロータ791の周囲に設けられた歯(小歯)と歯の間に、奥側ロータ792の周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側ロータ791と奥側ロータ792との間には筒状磁石(図示はしない)が取着されている。
図6および図7に示すように、第1ポール793と第3ポール795には、それぞれ励磁コイルL0、L2がバイファイラ巻きされており、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線されて、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加されるようになっている。
同じく、第2ポール794と第4ポール796にも、それぞれ励磁コイルL1、L3がバイファイラ巻きされており、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線されて、ここに上述した直流電源+Bが印加されるようになっている。
ここで、第1の励磁コイルL0に励磁信号を印加して、第1ポール793をS極に励磁すると共に、第3ポール795をN極に例示する相をA相とし、これとは逆に第3の励磁コイルL2に励磁信号を印加して、第1ポール793をN極に励磁すると共に、第3ポール795をS極に励磁する相をA−相とし、さらに第2の励磁コイルL1に励磁信号を印加して、第2ポール794をS極に励磁すると共に、第4ポール796をN極に励磁する相をB相とし、第4の励磁コイルL3に励磁信号を印加して、第2ポール794をN極に励磁すると共に、第4ポール796をS極に励磁する相をB−相と称する。
そして、1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、A−相およびB−相に対して順次励磁信号を印加することでロータ790を時計方向(又は反時計方向)に回転駆動することができる。
つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール793の突起と手前側ロータ791の歯、N極になった第3ポール795の突起と奥側ロータ792の歯がそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール794の突起と手前側ロータ791の歯、N極になった第4ポール796の突起と奥側ロータ792の歯がそれぞれ吸引力により向き合い、次にA−相に通電すると、N極になった第1ポール793の突起と奥側ロータ792の歯、S極になった第3ポール795の突起と手前側ロータ791の歯がそれぞれ吸引力により向き合い、次にB−相に通電すると、N極になった第2ポール794の突起と奥側ロータ792の歯、S極になった第4ポール796の突起と手前側ロータ791の歯がそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、ロータ790は図6において時計方向に回転する(1相励磁駆動)。
これに対して、この実施の形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1−2相励磁駆動が採用されている。1−2相励磁駆動では以下の1)〜8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。
すなわち、1相のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に例示するのが2相励磁であるから、図8にも示すように1−2相励磁駆動は、
(1)A相に通電し(1相励磁)、
(2)A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様に
(3)B相に通電し、
(4)B相とA−相の両方に通電し、
(5)A−相に通電し、
(6)A−相とB−相の両方に通電し、
(7)B−相に通電し、
(8)B−相とA相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。
この1−2相励磁駆動を採用することにより、励磁駆動の1ステップあたりのロータ790の角度変化は、約0.714°となっている。
ここで、ステッピングモータ79は、504パルスの駆動信号で左リール61Lを1回転させるように設定されており、励磁パルスによってステッピングモータ79を駆動することで、左リール61Lの回動軸X周りの回転位置が制御される。
すなわち、左リール61Lが1回転すると21個の図柄が順々に表示窓31Lから視認可能となるので、表示窓31Lの一番上の位置で視認可能となっている図柄が、左リール61Lの回転により次の図柄に切り替わるまでには、24パルス(=504パルス÷21図柄)が必要とされている。
図5に示すように、左リールの回動軸X周りの回転位置は、円筒骨格部材70に取り付けたセンサカットバン(第1センサカットバン76、第2センサカットバン77)を、モータプレート73に取り付けたリールインデックスセンサ75で検出することで特定できるようになっており、例えば、リールインデックスセンサ75の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能になっているのかを認識することができるようになっている。また、左リール61Lの回転を停止させる際には、停止時に任意の図柄が表示窓31Lから視認可能となるように、リールインデックスセンサ75の検出信号に基づいて左リール61Lの回転制御を行うことができるようになっている。
左リールの回転位置の検出について説明する。
図9の(a)は、左リール61Lにおける第1センサカットバン76と第2センサカットバン77の位置関係を示した図であって、左リール61Lの回転方向が反時計回り方向になる側から見た場合を模式的に示した図である。(b)は、左リール61Lの回転時にリールインデックスセンサ75から出力される信号(オン信号/オフ信号を)説明する図である。
図9の(a)に示すように、左リール61Lには、径方向に延びる第1センサカットバン76と第2センサカットバン77の2つのセンサカットバンが設けられている。
第1センサカットバン76と第2センサカットバン77は、軸方向から見て扇形状を有しており、図5に示すように、その基端部76b、77bが、左リール61Lと一体化されたボス補強板72にねじ78で固定されている。
図9の(a)に示すように、第1センサカットバン76および第2センサカットバン77の先端部76a、77aは、略90°屈曲されて回動軸Xの軸方向(図9の(a)の紙面に対して垂直方向)に突出しており、左リール61Lの回転軸方向から見た先端部76a、77aの形状は、左リール61Lの回転方向に沿う弧状を成している。
第1センサカットバン76および第2センサカットバン77は、先端部76a、77aが、リールインデックスセンサ75の一対のフォトセンサ(発光素子75aおよび受光素子75b)の間隙を通過できるように位置決めされている。
第1センサカットバン76の回動軸X周りの角度範囲(15°)は、第2センサカットバン77の角度範囲(30°)よりも小さく設定されており、先端部76aの弧の長さ(始端部76sから終端部76eまでの長さ)L1は、先端部77aの弧の長さ(始端部77sから終端部77eまでの長さ)L2よりも短くなっている。
左リール61Lにおいて第1センサカットバン76と第2センサカットバン77は、先端部76aの始端部76sと先端部77aの始端部77sとが、回動軸X周りの周方向で180°間隔を空けて配置されるように設けられている。
実施の形態では、左リール61Lは、回動軸X周りの周方向で30°間隔で区画されており、合計12のエリア(第1エリア〜第12エリア)が設定されている。
先端部76aの始端部76sの位置を0°(基準位置)とし、第1センサカットバン76が位置するエリアを第1エリアとすると、先端部77aは、第1エリアから時計回り方向に6つ移動した第7エリアに位置している。
前記したように、ステッピングモータ79は、504パルスの駆動信号(励磁パルス)で左リール61Lを1回転させるように設定されており、1パルスの駆動信号に基づく左リール61Lの角度変化(1ステップあたりの角度変化)は、約0.714°となっている。
ここで、駆動信号の出力は、後記するタイマ割込処理のポート出力処理(図13、ステップ214)において実行され、このタイマ割込処理の実行間隔は1.49msecであるので、左リール61Lを1回転させるのに必要な時間は、750.96msec(=1.49msec×504パルス)となる。
ここで、リールインデックスセンサ75が、図9における0°の位置で、センサカットバン(第1センサカットバン76、第2センサカットバン77)の通過を検出する場合、第1センサカットバン76が検出される時間(第1検出時間)t1は、先端部76aの始端部76sから終端部76eまでが0°の位置を通過するのに要する時間に相当する。
ここで、先端部76aの長さL1は、左リール61Lの所定回転角度15°に対応した長さであり、左リールを15°回転させるには21パルスが必要であるので、第1センサカットバン76が検出される時間t1は、31.29msec(=1.49msec×21パルス)となる。
同様に、第2センサカットバン77の先端部77aの長さL2は、左リール61Lの所定回転角度30°に対応した長さであり、左リールを30°回転させるには22パルスが必要であるので、第2センサカットバン77が検出される時間(第2検出時間)t3は、62.58msec(=1.49msec×42パルス)となる。
また、第1センサカットバン76が検出されなくなってから、第2センサカットバン77が検出されるまでの時間(第1非検出時間)t2は、第1センサカットバン76の終端部76eが0°の位置を通過してから、第2センサカットバン77の始端部77sが0°の位置を通過するまでの時間に相当する。
かかる場合、左リールを165°(180°−15°)回転させる必要があり、165°回転させるには231パルスが必要であるので、第1非検出時間t2は、344.19msec(=1.49msec×231パルス)となる。
さらに、第2センサカットバン77が検出されなくなってから、第1センサカットバン76が検出されるまでの時間(第2非検出時間)t4は、第2センサカットバン77の終端部77eが0°の位置を通過してから、第1センサカットバン76の始端部76sが0°の位置を通過するまでの時間に相当する。
かかる場合、左リールを150°(360°−210°)回転させる必要があり、150°回転させるには210パルスが必要であるので、第2非検出時間t4は、312.9msec(=1.49msec×210パルス)となる。
実施の形態では、左リール61Lが半回転するごとに、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77の何れかの先端部76a、77aが、リールインデックスセンサ75により検出され、リールインデックスセンサ75は、先端部76a、77aのうちの何れかを検出している間はオン信号を、検出していない間はオフ信号を、それぞれメイン制御基板80に出力するようになっている。
そのため、メイン制御基板80には、左リール61Lが定速で回転している間、図30の(b)に示すような波形の信号が入力されるので、オン信号が入力されている時間(オン時間t1、t3)とオフ信号が入力されている時間(オフ時間t2、t4)とに基づいて、左リール61Lの回転角度(角度位置)を特定できるようになっている。
実施の形態では、左リール61Lが定速回転している場合の、オン時間t1、t3、オフ時間t2、t4が、他のリール(中リール61M、右リール61R)のオン時間およびオフ時間と共に、ROM83に予め記憶されており、リール61(61L、61M、61R)の回転位置を検出する際に参照されるようになっている。
左リール61Lの外周には、他のリール(中リール61M、右リール61R)と同様に、図柄が描かれたベルトが取り付けられており、このベルトでは、その長辺方向(周方向)に複数個、具体的には21個の図柄が所定間隔で描かれている。
よって、例えば表示窓31Lの一番上に表示されている図柄を次の図柄に切り換えるには、左リール61Lを、24パルス(=504パルス÷21図柄)分回転させる必要がある。
そして、左リール61Lの回転位置が検出された時点(例えば第1センサカットバン76(先端部76a)の始端部76sが検出された時点等)からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識できるようになっている。さらに、パルス信号に基づいて左リール61Lの回転を停止させる制御を行うことで、任意の図柄を表示窓31Lから視認可能にした状態で左リール61Lを停止させることができる。
各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に付された図柄のうち、表示窓31(31L、31M、31R)を介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31(31L、31M、31R)の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に付される図柄について説明する。図10には、左リール61L、中リール61M、右リール61Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列と、図柄配列の組み合わせと役との関係が示されている。
図10に示すように、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に対応して番号が0〜20まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7(超)」図柄(例えば、左リール第6番目)と、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「7」図柄(例えば、左リール第20番目)がある。
また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左リール第18番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、リール第16番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール第15番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール第17番目)がある。
そして、図10に示すように、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
前記したように、表示パネル30には、各表示窓31L、31M、31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。遊技時には、これら組み合わせラインのうちの少なくとも一本以上が、メダルのベット数に応じて有効ラインとされる。
そして、ストップボタンの操作などによりリール61(61L、61M、61R)が停止した際に、有効ライン上に位置する各リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の図柄の組み合わせが、図10に示す役の図柄の組み合わせと一致した場合に、予め定められた枚数のメダルの払出処理や、特定遊技状態への移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。
小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダルが払い出される。「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には10枚のメダルが払い出される。左リール61Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダルが払い出される。この場合、中リール61Mおよび右リール61Rの「チェリー」図柄はメダルの払い出しとは無関係である。
また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダルの払い出しが行われるため、左リール61Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払い出しが行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7(超)」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダルが払い出される。第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダルが払い出される。
さらに、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダルの払い出しは行われない。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール61Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、メダルの払い出しは一切行われない。
各ストップボタン46、47、48(図1参照)は、リール61(61L、61M、61R)が回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
次に、制御基板収容ボックス51内に配設されているスロットマシン10のメイン制御基板80について説明する。
図11は、スロットマシン10のメイン制御基板80の構成を説明するブロック図である。
図11に示すように、メイン制御基板80は、遊技の主な制御処理を行うものであり、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU81と、そのMPU81に接続されると共にセンサ類やスイッチ類などの各種の入出力手段に接続された入出力ポート82が搭載されている。
MPU81には、MPU81により実行される制御プログラムや固定値データなどを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行にあたって各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85等の各種回路等が内蔵されている。
このROM83には、図12〜図21、図26〜図32、図35、図37に示されたフローチャートのプログラムが、制御プログラムの一部として記憶されている。
RAM84は、上記したカウンタやフラグなどの他にも、MPU81の内部レジスタの内容やMPU81により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリア、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを備えている。
実施の形態では、RAM84は、スロットマシン10の電源の遮断後においても電源装置56からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM84に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM84に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM84に記憶される情報に基づいて、スロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。
RAM84への書き込みは、タイマ割込処理(図13)によって電源遮断時に実行され、RAM84に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図15参照)において実行される。なお、MPU81のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路56bからの停電発生信号が入力されるように構成されており、その停電発生信号がMPU81へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図12)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM84に記憶される。
入出力ポート82には、メダル投入口50(図1参照)から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ50a、ベットボタン41、42、43(図1参照)の操作を検出するベット操作検出センサ41a、42a、43a、スタートレバー45(図1参照)の操作を検出するレバー操作検出センサ45a、ストップボタン46、47、48(図1参照)の操作を検出するストップ操作検出センサ46a、47a、48a、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の第1センサカットバン76、第2センサカットバン77(図5参照)の通過を検出するリールインデックスセンサ75、クレジット精算ボタン44(図1参照)の操作によるオン/オフの切り換えを検出する切換操作検出センサ44a、ホッパ装置52(図4参照)から払い出されるメダルを検出するメダル払出検出センサ52a、リセットスイッチ123(図4参照)の操作を検出するリセット操作検出センサ123a、設定キー挿入孔124(図4参照)に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー操作検出センサ124a、などが接続されており、これら各種センサからの信号は、入出力ポート82を介してMPU81に入力される。
さらに、入出力ポート82には、電源装置56が接続されている。
電源装置56は、電源ボックス内に設けられており、メイン制御基板80の他に、スロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部56aと、電源断の発生を監視する停電監視回路56b等の各種回路を備えている。スロットマシン10の電源オフ後には、電源部56aからRAM84にバックアップ電圧が供給される。
停電監視回路56bは、停電等の発生による電源断時(電源スイッチのオフによる電源断を含む)に、メイン制御基板80のNMI端子および入出力ポート82と、サブ制御基板90のNMI端子に、停電発生信号を出力するための回路である。
停電監視回路56bは、電源装置56から出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電発生信号を出力するように構成されている。停電発生信号の出力に基づいて、メイン制御基板80は、停電の発生を認識し、停電時処理を実行するように構成されている。なお、停電監視回路56bの停電発生信号は、メイン制御基板80のNMI端子に代えて、INT端子に入力されるように構成しても良い。
また電源装置56は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。例えば、本実施の形態において30msecの間は、駆動電源が出力されるように構成されている。よって、メイン制御基板80は、停電時処理を正常に実行することができる。また、停電監視回路56bを、電源装置56ではなく、例えばメイン制御基板80に設けるようにしても良い。
また電源装置56は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。例えば、本実施の形態において30msecの間は、駆動電源が出力されるように構成されている。よって、メイン制御基板80は、停電時処理を正常に実行することができる。
さらに、入出力ポート82の出力側には、有効ラインを表示するベットランプ32、33、34、クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、モータドライバ100、ホッパ装置52、サブ制御基板90、外部集中端子板91などが接続されている。
モータドライバ100は、メイン制御基板80から入力される励磁データに基づいて、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)を回転させるステッピングモータ79を制御する。
ここで、励磁データは、RAM84に格納されており、後述するタイマ割込処理(図13)のステッピングモータ制御処理(ステップ206)において、MPU81からの指令に基づいて入出力ポート82(図11参照)に、適切な励磁データが出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ79に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
サブ制御基板90は、メイン制御基板80から送信されるコマンドを受信して遊技以外の補助的な制御処理を行うものであり、メイン制御基板80と別個に設けられている。
サブ制御基板90は、上部ランプ13の点灯・点滅制御、スピーカ14からの報知音などの出力制御、表示用制御基板(図示せず)を制御して液晶ディスプレイ15上に演出表示等を行うように構成されている。
外部集中端子板91は、複数の端子(図示せず)を有しており、メイン制御基板80と、スロットマシンの状態を監視するホールコンピュータ(図示せず)とが、外部集中端子板91の各端子を介して接続できるように構成されている。
外部集中端子板91における図示されない端子は、フォトカプラによって構成されており、フォトカプラの一次側である発光ダイオードがスロットマシン10のメイン制御基板80に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)がホールコンピュータに接続されている。
よって、この外部集中端子板91を介して行われるスロットマシン10とホールコンピュータとの間における通信は、端子を構成するフォトカプラの一次側に接続されたスロットマシン10から、フォトカプラの二次側に接続されたホールコンピュータへの一方向通信となっており、ホールコンピュータからスロットマシン10側への不正な電気信号(パルス信号など)の伝送が防止されるようになっている。
次に、図12〜図21、図26〜図32に示すフローチャートを参照して、メイン制御基板80で行われる各処理について説明する。
実施の形態では、メイン制御基板80で行われる処理として、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的(本実施の形態では、1.49ms周期)に起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電発生信号の入力により起動されるNMI割込処理が設定されている。
以下の説明では、便宜上、NMI割込処理とタイマ割込処理について説明し、その後にメイン処理について説明する。
[NMI割込処理]
図12はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。
停電の発生等により電源が遮断されると、停電監視回路56bからメイン制御基板80のMPU81に停電発生信号が入力される。MPU81は、NMI端子を介して停電発生信号が入力されると、NMI割込処理を即座に実行する。
なお、前記したようにメイン制御基板80においてNMI端子に代えてINT端子を設ける構成とした場合には、停電監視回路56bの停電発生信号はINT端子を介して入力される。
NMI割込処理では、ステップ101において、MPU81内に設けられた使用レジスタのデータをRAM84内に設けられたスタックエリアへ退避させる処理(レジスタ退避処理)が実行される。
ステップ102において、停電フラグをセットして、RAM84内に設けられた所定のワークエリアに、停電発生情報を設定する。
ステップ103において、スタックエリアへ退避させたデータを、MPU81に搭載の使用レジスタに復帰させる処理(レジスタ復帰処理)を実行して、本ルーチンの処理を終了する。
なお、使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセット処理可能な場合には、レジスタ退避処理とレジスタ復帰処理を省略することができる。
[タイマ割込処理]
図13は、メイン制御基板80で定期的(本実施の形態では1.490ms毎)に実行されるタイマ割込処理のフローチャートである。
ステップ201のレジスタ退避処理では、通常遊技処理(図16参照)で使用しているMPU81内の全レジスタの値を、RAM84のスタックエリアへ退避させる。
ステップ202では、停電フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、図14の停電時処理が実行され(ステップ203)、セットされていないときには、停電時処理は実行されずに、スキップされる。
そして、ステップ204以降の処理が順次実行される。
ステップ204において、誤動作の発生を監視するウォッチドッグタイマの値を初期化(クリア)するウォッチドッグタイマクリア処理が実行される。
ステップ205において、MPU81自身に対して割込許可を出す割込終了宣言処理が実行される。
ステップ206において、リールユニット60の各リール61(61L、61M、61R)を回転させるステッピングモータ79の駆動処理(ステッピングモータ制御処理)が実行される。
なお、ステッピングモータ制御処理では、ステッピングモータ79を駆動させる駆動信号(励磁データ)が出力されるが、この処理の詳細は、図26〜図32のフローチャートを用いて後で説明する。
ステップ207において、入出力ポート82に接続された各種スイッチやボタン41〜49の状態を読み込むスイッチ状態読込処理が実行される。
ステップ208において、入出力ポート82に接続された各種センサの状態を監視するセンサ監視処理が実行される。
ステップ209において、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理が実行される。
ステップ210において、メダル投入口50から投入されたメダルの枚数、遊技においてベットされたメダルの枚数(ベット枚数)、そしてスロットマシン10から払い出されたメダルの枚数(払い出し枚数)をカウント(計数)するIN・OUTカウンタ処理が実行される。
ステップ211において、サブ制御基板90などにコマンドを送信するコマンド出力処理が実行される。
ステップ212において、クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37の各々に表示されるセグメントデータの設定処理(セグメントデータ設定処理)が実行される。
ステップ213において、設定されたセグメントデータを、クレジット枚数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37に出力して、数字や記号などの文字情報を表示させる処理(セグメントデータ表示処理)が実行される。
ステップ214において、出力データ(コマンドデータ、励磁データなど)を入出力ポート82から出力させるポート出力処理が実行される。
ステップ215において、スタックエリアへ退避させた各レジスタの値を、MPU81内の対応するレジスタに復帰させる処理(レジスタ復帰処理)が実行される。
ステップ216において、その後のタイマ割込を許可する割込許可処理を行って、一連のタイマ割込処理を終了する。
[停電時処理]
図14は、メイン制御基板80で実行される停電時処理のフローチャートである。
停電時処理は、前記したように、タイマ割込処理の中(図13、ステップ203)で実行される。
この停電時処理は、タイマ割込処理のレジスタ退避処理(ステップ201)の直後に実行されるので、その他の割り込み処理を中断することなく実行できる。
そのため、復電コマンドなどの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み途中、カウンタの内容を更新中のように、それぞれの処理の途中に割り込んでこの停電時処理が実行されることはない。すなわち、イレギュラーなタイミングで停電時処理が実行されないので、イレギュラーなタイミングに実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これによって、停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。復電処理も同様である。
また、停電時処理の実行後にタイマ割込処理に復帰(リターン)することもあるが、レジスタ退避処理の直後に停電時処理が実行されるので、この停電時処理の中で上述したレジスタ退避処理やその復帰処理を行う必要がない。その分だけ、停電時処理用の処理プログラムが簡略化されて、プログラム容量を削減できる。
停電時処理では、ステップ301において、コマンド送信中であるか否かを、通常のコマンドを取り扱うコマンドカウンタ(図示せず)の値が奇数か否かに基づいて確認する。コマンド送信中である場合(ステップ301においてYes)、停電時処理を終了して、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
コマンドデータは1バイト単位で送信されるので、1つのコマンド送信は2回のタイマ割り込みで完了する。コマンドをバッファリングするときに使用されるコマンドカウンタの値が奇数であるときには、コマンドデータのうち2バイト目のコマンドデータの送信が完了していないことになるので、この場合にはコマンド送信中であると判断されて、タイマ割り込み処理にリターンし、停電時処理は実行されない。
なお、未送信となっているこの2バイト目のコマンドデータは、リターン後に実行される次のタイマ割込処理中に発生するコマンド出力処理(図13、ステップ211)の中で送信処理されるから、その次のタイマ割込処理タイミングになると、このコマンドの送信処理は完了していることになる。
このように停電時処理の最初に、コマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理が終了してから停電時処理を実行すれば、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムや復電処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してプログラムメモリ(ROM83)の小容量化を図れる。
ここで、単位コマンドの送信を完了するには2回のタイマ割込処理の実行が必要なので、少なくとも3回以上タイマ割込処理を実行でき、しかも停電時処理の後記するステップ301以降のステップ308までの処理を実行するに十分な時間の間は、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持される必要がある。
実施の形態では、タイマ割込処理の周期が1.49msecであるので、停電が発生してから(1.49msec×3回=4.47msec)+α以上、例えば30msecの間、電源装置56の電源部56aから駆動電圧が出力され続けるようになっている。
よって、メイン制御基板80は、コマンドの送信途中に停電が発生しても、停電時処理を正常に実行することができる。
ステップ301においてコマンド送信中でない場合、ステップ302以降の中断処理が実行される。
ステップ302では、MPU81のスタックポインタの値を、RAM84内のスタックポインタ保存用メモリ領域84bに保存し、ステップ303において、チェックサム補正値用メモリ領域84aの値をクリア(=0)にすると共に、ステップ304において、入出力ポート82における出力ポートの出力状態をクリアして、全てのアクチュエータ(図11において図示されていない)をオフ状態にする。
ステップ305において、RAM84の全ての値を加算してチェックサムを算出し、ステップ306において、算出したチェックサムより2の補数を求めて、これをチェックサム補正値として新たにチェックサム補正値用メモリ領域84aに書き込む。
この算出処理によって得られた補正値を使用することで、RAM84のチェックサムはゼロになる。RAM84のチェックサムをゼロにすることで、それ以後のRAM84への書き込みが禁止される(ステップ307)。
ステップ308において、停電発生信号が未だに入力されているか否かを確認する。
このステップ308の処理は、制御系の駆動電圧が安定化電圧(5ボルト)以下になるまで繰り返され、その間は無限ループ処理となる。
ステップ308において、制御系の駆動電圧が安定化電圧(5ボルト)以下になる前に停電発生信号の入力がなくなると、この場合には停電状態が復旧したことになるので、ステップ309においてRAM84への書き込みを許可すると共に、ステップ310において、停電フラグをリセットしたのち、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
この停電時処理は、タイマ割込処理のレジスタ退避処理(図13、ステップ201)の直後にされるので、MPU81に設けられた複数のレジスタからの退避処理を行わない。よって、リターン命令を実行するときもこれらレジスタへの復帰処理は不要であるので、停電時処理プログラムの小容量化を達成できる。
停電発生信号のチェックは停電時処理の実行中のみならず、その実行後でも駆動電圧が安定化電圧(5ボルト)以下になるまで行っているので、例えばノイズなどに起因して停電フラグが誤ってセットされてしまったような場合でも、制御を無限ループに突入させることなく、正常に復帰させることができる。
[メイン処理]
図15は、電源投入時にメイン制御基板80で実行されるメイン処理のフローチャートである。電源スイッチがオン操作されてスロットマシン10の電源が投入されると(停電からの復旧による電源入を含む)、この処理が実行される。
まず、初期化処理として、スタックポインタの値を設定し(ステップ401)、割込モードを設定し(ステップ402)、そしてCTC・内蔵レジスタの設定処理を行う(ステップ403)。
初期化処理が終了すると、ステップ404において、リセットスイッチ123(図4参照)がオン操作されているか否かが確認される。
オン操作されている場合には、ステップ405においてRAMクリア処理が実行されて、RAM84に書き込まれたデータが全てクリア(0クリア)される。
ステップ404においてリセットスイッチ123がオン操作されていない場合には、ステップステップ406において、設定キースイッチ122(図4参照)のオン/オフ状態が確認される。
ステップ406においてオン状態である場合には、ステップ407において、RAMクリア処理が実行されて、RAM84に書き込まれたデータが全てクリア(0クリア)され、ステップ408において、設定キースイッチ122の操作位置に対応した6段階確率設定処理が実行される。
ステップ406において設定キースイッチ122がオン状態でない、すなわちオフ状態である場合、ステップ409において、停電フラグがセットされているか否かが確認される。
RAMクリア処理(ステップ405、407)が実行されている場合には、RAM84内のバックアップデータがクリアされており、停電フラグはリセットされている。
よって、停電フラグがセットされていない(リセットされている)場合には、後記する通常遊技処理(ステップ410)に移行し、これによりスロットマシン10において通常遊技処理が繰り返し実行される。
ステップ409において、停電フラグがセットされている場合には、ステップ411以降の復電処理に移行する。
ここで、停電フラグがセットされた状態である場合には、RAMクリア処理(ステップ405、407)が実行されておらず、RAM74内のデータは全く書き替えられていないことになるので、復電処理では、RAM84のデータなどが正常であるか否かの確認を行っている。
復電処理では、ステップ411において、RAM84のチェックサムの値を調べて、その値が正常であるか否かを確認する。
具体的には、チェックサム補正値を加味したチェックサムの値がゼロであれば正常であると判断する。
これは、前記した停電時処理(図14)においてRAM84にバックアップデータを書き込む際に、RAM84のチェックサムの値がゼロになるようにその補正値が設定されており、チェックサム値がゼロであると、RAM84へのバックアップ処理は正常に行われたことになるからである。
ステップ411においてチェックサム値が正常でない、すなわちチェックサムの値がゼロでない場合、RAM84へのバックアップ処理中にデータが破壊された可能性が高いことになるので、ステップ412〜ステップ414の動作禁止処理が実行される。
具体的には、ステップ412において、次回のタイマ割込処理を禁止し、ステップ413において、入出力ポート82内の全ての出力ポートをクリアして、入出力ポート82に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御し、ステップ317において、エラー表示処理を実行して、バックアップエラーの発生を報知したのち、無限ループに入る。
ステップ411においてチェックサム値が正常であると判定された場合には、ステップ415において、RAM84のバックアップエリアに保存されたスタックポインタの値を、MPU81のスタックポインタに書き込んで、スタックの状態を電源が切断される前の状態に復帰させる処理(スタックポインタ復帰処理)が実行される。
そステップ416において、復電処理時に使用するコマンド(復電コマンド)が設定されて、RAM84に保存される。
ステップ417において、遊技状態として打ち止め、自動精算設定処理が実行されて、ステップ418において、スイッチ状態の初期化などが実行される。
そして、ステップ419において停電フラグをリセットして、停電発生情報を初期化したのち、電源断前の番地に復帰する。具体的には、タイマ割込処理(図13)に復帰して、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップ204)が実行される。
[通常遊技処理]
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常遊技処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
メダルがベットされたのちに、スタートレバー45が操作されると(ステップ501、ステップ502においてYes)、ステップ503の抽選処理と、ステップ504のリール制御処理と、ステップ505のメダル払出処理と、ステップ506の特別遊技状態処理と、が順番に実行されたのち、ステップ501の処理にリターンする。
なお、ステップ501においてメダルがベットされていない場合、ステップ501においてメダルがベットされた場合であってもステップ502においてスタートレバー45が操作されていない場合には、ステップ501の処理にリターンするようになっており、メダルのベットとスタートレバー45の操作が行われるまで、ステップ501とステップ502の判断処理が繰り返し実行されることになる。
[抽選処理]
ステップ503の抽選処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ステップ601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。
ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。
また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比べて3倍以上高い確率となっている。
さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在のメダルの払出率(出玉率)が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップ602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー45が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を実行する。そして、ステップ603において、予め設定されている複数の入賞役のうちの何れかに当選したか否かを確認し、何れの入賞役にも当選していない場合には、そのまま処理を終了する。
何れかの入賞役に当選した場合には、ステップ604において、当選した入賞役のフラグ(当選フラグ)をセットすると共に、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。よって、当選した入賞役がBB(ビッグボーナス)である場合には、BB当選フラグがセットされる。
ステップ605において、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM84のスベリテーブル格納エリアに格納する。
ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン46〜48が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄が所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
この抽選処理が終了すると、図16の通常遊技処理において、リール制御処理(ステップ504)が実行される。
[リール制御処理]
次に、通常処理のリール制御処理(図16、ステップ504)を、図18のフローチャートを参照して説明する。
リール制御処理では、始めにステップ701においてウエイト処理が実行される。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまでの間、今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。
このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー45を操作したとしても、直ちに各リール61(61L、61M、61R)が回転しないことがある。
ステップ701のウエイト処理が実行されると、ステップ702のリール回転処理が実行されて、各リール61(61L、61M、61R)が回転する。なお、リール回転処理は後で詳細に説明する。
ステップ703において、ストップボタン46〜48のいずれかが押下操作されてリール61L〜61Rの停止指令が発生したか否かを確認する。停止指令が発生していない場合には、ステップ704において、予め定められた各リール61(61L、61M、61R)の最大回転時間(例えば40秒)が経過したか否かを確認する。
最大回転時間が経過していない場合にはステップ703の処理にリターンし、最大回転時間を経過している場合には、ステップ705において、回転中の全てのリール61(61L、61M、61R)を強制的に停止させる強制停止処理が実行される。
ステップ703において停止指令が発生している場合には、ステップ706においてリール停止処理を行う。
このリール停止処理では、押下操作されたストップボタン46〜48に対応するリール61(61L、61M、61R)を、ストップボタン46〜48の操作タイミングに応じて停止させる。この際、前記した役の抽選処理(図16、ステップ503)において何れかの役に当選しており、当選フラグがセットされている場合には、RAM84に記憶されたスベリテーブル84cを参照して、当選した役の図柄が有効ライン上で止まるように、リール61の停止を可能な限り制御する。
例えば、下段の水平ラインc(下段の有効ライン)上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上段の水平ラインa上に停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下段の有効ラインcに「スイカ」図柄が停止するように、図柄2つ分だけ滑らせてからリールを停止させる。すなわち、リールを多く回転させてから停止させる。
ただし、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンの押下操作のタイミングによっては、下段の有効ラインc上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。
なお、ステップ705の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行うようにしても良い。
続いて、ステップ707では今回の停止指令が第1停止指令であるか否かを確認する。ここで、第1停止指令は、3つのリール61(61L、61M、61R)の全てが回転しているときにストップボタンが押下操作された時に出力される指令である。
ステップ707において停止指令が第1停止指令である場合には、ステップ708において、スベリテーブル変更処理を実行する。
このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した役の図柄を有効ライン上に停止させる場合に、役の複合が発生するか否かを確認し、役の複合が発生しない場合には、そのまま次のステップに移行し、役の複合が発生する場合には、有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に、変更後の有効ライン用のスベリテーブルに変更した後に、次のステップに移行する。
ここで、役の複合とは、例えば上段の水平ラインa上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下段の水平ラインc上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
ステップ707において、停止指令が第1停止指令でない場合には、ステップ709において、第2停止指令であるか否かを確認する。
ここで、第2停止指令は、3つのリールのうち1つのリールが停止し、2つのリールが回転しているときにストップボタンが押下操作されたときに出力される指令である。
ステップ709において停止指令が第2停止指令である場合には、ステップ710において、停止目判定処理を実行する。
この停止目判定処理では、2つの目のリールが停止したのち、停止している2つのリールの同一の有効ライン上に位置する図柄が、図柄「7」などの同一のボーナス図柄であるか否かを確認する。そして、ボーナス図柄でない場合にはそのまま次のステップに移行し、ボーナス図柄である場合には、最後に停止させるリールのボーナス図柄が有効ライン上に停止するとボーナスへの入賞が確定することを遊技者に報知するために、例えばスピーカ14から効果音等を発生させるなどの報知処理を実行したのちに、次のステップに移行する。
なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に液晶ディスプレイ15を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップ705の強制停止処理、ステップ708のスベリテーブル変更処理、
またはステップ710の停止目判定処理に続いて、若しくはステップ709において停止指令が第2停止指令でない場合には、ステップ711において、総てのリール61(61L、61M、61R)が停止したか否かを確認する。
総てのリール61が停止していない場合には、ステップ703の処理にリターンし、総てのリール61が停止している場合には、ステップ712において払出判定処理を実行したのち、処理を終了する。
払出判定処理では、役の図柄が有効ライン上に並んでいるか否かを確認し、有効ライン上に並んでいない場合には、RAM84の払出予定枚数カウンタ84dの値に「0」をセットし、有効ライン上に並んでいる場合には、その図柄が、抽選処理(図16、ステップ503)において当選していた役の図柄と一致しているか否かを確認する。
そして、一致していない場合には、上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に、払出予定枚数カウンタ84dの値に「0」をセットする。
一方、一致している場合には、有効ライン上に並んだ図柄の役に対応する払出枚数を、払出予定枚数カウンタ84dの値にセットする。
図10に示すように、有効ライン上に3つのベル図柄が揃った場合には、払出予定枚数カウンタ84dの値に「10」がセットされる。
このリール制御処理が終了すると、図16の通常遊技処理において、メダル払出処理(ステップ505)が実行される。
[メダル払出処理]
メダル払出処理の詳細を、図19のフローチャートを参照して説明する。
このメダル払出処理では、ステップ801において、遊技機から払い出されるメダルの予定枚数(払出予定枚数)と、払い出されたメダルの枚数(払出枚数)とが一致しているか否かが確認される。
ここで、払出枚数は、RAM84の払出枚数カウンタ84eの値により特定され、払出予定枚数は、RAM84の払出予定枚数カウンタ84dの値により特定される。
ステップ801において、払出枚数と払出予定枚数とが一致していない場合、ステップ802において、遊技がクレジットモードで行われているか否かを確認する。
クレジットモードであるか否かは、切換操作検出センサ44aの出力信号に基づいて特定される。
クレジットモードである場合には、ステップ803において、遊技機側で電子的に記憶されているメダルの枚数(クレジット枚数)が、上限枚数(例えば50枚)に達しているか否かが確認される。
上限枚数に達していない場合、ステップ804において、クレジット枚数カウンタの値と、払出枚数カウンタ84eの値が、それぞれ「1」ずつ加算(インクリメント)される。
これにより、表示パネル30のクレジット枚数表示部35と獲得枚数表示部37に表示されているメダルの枚数が、それぞれ「1」ずつ加算されることになる。
一方、ステップ802において遊技がクレジットモードで行われていない場合(ダイレクトモードで行われている場合)、またはステップ803においてクレジット枚数が上限枚数に達している場合には、ステップ805において、ホッパ装置52のメダル払出用回転板(図示せず)を駆動して、ホッパ装置52内のメダルの前面扉12のメダル受け皿18への払い出しを実行する。
ここで、ホッパ装置52には、払い出されたメダルの枚数をカウントするためのセンサ(メダル払出検出センサ52a)が設けられているので、メダル払出検出センサ52aから出力されるメダル検出信号に応じて、メダルの払出枚数をカウントする払出枚数カウンタ84eの値が「1」加算される。これにより表示パネル30の獲得枚数表示部37に表示されているメダルの獲得枚数が「1」加算される。
ステップ804またはステップ806の処理が終了すると、ステップ801の処理にリターンする。そして、ステップ801において、払出枚数と払出予定枚数とが一致した場合には、メダル払出処理を終了する。
よって、ホッパ装置52からの払出枚数、またはホッパ装置52からの払出枚数数とクレジット枚数とを加算した枚数が、払出予定枚数と一致するまで、ステップ802からステップ804またはステップ806までの処理が繰り返し実行される。
そして、払出枚数と払出予定枚数とが一致すると、ステップ807においてホッパ装置52のメダル払出用回転板(図示せず)を停止させて、メダル払出処理を終了する。
なお、払出枚数カウンタ84eや払出予定枚数カウンタ84dの値は、次回の遊技の際にスタートレバー45が操作された時点でリセットされるようになっている。
このメダル払出処理が終了すると、図16の通常遊技処理において、特別遊技状態処理(ステップ506)が実行される。
[特別遊技状態処理]
特別遊技状態処理を、図20のフローチャートを参照して説明する。
ここで、実施の形態では、特別遊技状態の入賞役として、RB(レギュラーボーナス)と、BB(ビッグボーナス)とが設定されている。
図20の特別遊技状態処理では、ステップ901において、遊技機の遊技状態が特別遊技状態(RB、BB)であるか否かが確認される。
ここで、RB(レギュラーボーナス)は、12回のJACゲームで構成される。
JACゲームは、メダルを1枚のみベットできるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率(JAC図柄成立の確率)が非常に高いゲームである。
このJACゲームでは、JAC図柄が有効ライン上に揃う(JAC図柄が成立する)と、最大枚数(例えば15枚)のメダルが払い出される。また、JAC図柄の成立が8回あると、12回のJACゲームが消化される前であっても、RBが終了するようになっている。
BB(ビッグボーナス)は、30回の小役ゲームと、3回のJACインとから構成されている。
小役ゲームは、小役成立図柄(例えば「ベル」)が有効ライン上に揃う確率が高いゲームである。
JACインとは、12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うと、JACゲームが開始されるようになっている。
BBにおけるJACゲームの内容は、前記したRBのJACゲームと同じであり、BB中に最大で3回のJACインが可能となっている。
なお、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると、30回の小役ゲームが消化される前であっても、BBが終了するようになっている。
ステップ901において、遊技状態が特別遊技状態でない場合(ボーナスゲーム中でない場合)には、ステップ902において、ボーナス図柄判定処理が実行される。
[ボーナス図柄判定処理]
図21は、ボーナス図柄判定処理のフローチャートである。図22は、RBへの入賞が確定した際に、各カウンタに設定される値の初期値を示すテーブル(RB初期値テーブル)である。図23の(a)は、BBへの入賞か確定した際に、各カウンタに設定される値の初期値を示すテーブル(BB初期値テーブル)であり、(b)は、BB中にジャックインした際に、各カウンタに設定される値の初期値を示すテーブル(JACイン初期値テーブル)である。
図21に示すボーナス図柄判定処理では、ステップ1001において、RB当選フラグがセットされているか否かを確認される。
前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、RBに当選している場合には、RB当選フラグがセットされているからである。
RB当選フラグがセットされている場合(ステップ1001においてYes)、ステップ1002において、RBへの入賞が確定したか否かを確認するために、RB図柄(例えば図柄「7」)が有効ライン上に揃っているか否かを確認する。
内部抽選でRBに当選していても、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際にRBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていないと、RBへの入賞が確定しないからである。
ステップ1002において、RBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていない場合には、処理を終了する。
一方、有効ライン上に揃っている場合(ステップ1002においてYes)には、ステップ1003において、RB当選フラグのリセット、RBへの入賞が確定したことを示すRB設定フラグのセットが行われたのち、RB中に使用される各カウンタの値に、RB初期値テーブル(図22)に規定された初期値がセットされる。
具体的には、図22に示すように、RBには小役ゲームがないので残り小役ゲームカウンタの値が「0」にセットされ、残JACインカウンタの値が「1」にセットされ、残JAC成立カウンタの値が「8」にセットされ、残JACゲームカウンタの値が「12」にセットされる。
ステップ1001においてRB当選フラグがセットされていない場合には、ステップ1004において、BB当選フラグがセットされているか否かが確認される。
前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、BBに当選している場合には、BB当選フラグがセットされているからである。
BB当選フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。
一方、BB当選フラグがセットされている場合(ステップ1004においてYes)には、ステップ1005において、BBへの入賞が確定したか否かを確認するために、BB図柄(例えば図柄「7(超)」)が有効ライン上に揃っているか否かを確認する。
内部抽選でBBに当選していても、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際にBBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていないと、BBへの入賞が確定しないからである。
ステップ1005において、BBの入賞図柄が有効ライン上に揃っていない場合には、処理を終了する。
一方、有効ライン上に揃っている場合(ステップ1005においてYes)には、ステップ1006において、BB当選フラグのリセット、BBへの入賞が確定したことを示すBB設定フラグのセットが行われたのちに、BB中に使用される各カウンタの値に、BB初期値テーブル(図23の(a))に規定された初期値がセットされる。
具体的には、残小役ゲームカウンタの値が「30」にセットされ、残JACインカウンタの値が「3」にセットされる。
ここで、RB初期値テーブル(図22)とBB初期値テーブル(図23の(a))に規定されている各カウンタの内容を説明する。
残小役ゲームカウンタは、小役ゲームの残りゲーム数を示し、残JACインカウンタは、JACイン可能な残り回数を示し、残JAC成立カウンタは、JAC図柄が成立可能な残り回数を示し、残JACゲームカウンタは、JACゲームの残りゲーム数を示している。
実施の形態では、これらカウンタの値は、表示パネル30(図1参照)のゲーム数表示部36に適宜表示されるようになっている。
ちなみに、前記した通常処理の抽選処理(図16のステップ503)の結果、小役またはリプレイに当選して、小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされている場合には、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際に小役またはリプレイの入賞図柄が有効ライン上に揃っていないと、小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグはリセットされるようになっている。
一方、RB当選フラグおよびBB当選フラグの場合には、リール61(61L、61M、61R)を停止させた際に入賞図柄が有効ライン上に揃っていない場合であっても、フラグはリセットされずに、セットされたままにされて、次のゲームに持ち越されるようになっている。
そして、BB当選フラグまたはRB当選フラグが持ち越しされた次ゲームにおける抽選処理(図16のステップ503)では、小役またはリプレイについての抽選は行われるが、BBまたはRBについての抽選は行われない。また、BB当選フラグまたはRB当選フラグが持ち越されたゲームにおいて、小役またはリプレイに当選した場合には、小役またはリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
図20の特別遊技状態処理の説明に戻って、ステップ901において特別遊技状態である場合(ボーナスゲーム中である場合)には、ステップ903において、JACゲーム中であるか否かが確認される。
JACゲーム中でない場合には、BBゲームの小役ゲーム中であることになるので、ステップ904の処理に移行して、JAC図柄が有効ライン上に揃っているか否かが確認される。
JAC図柄が有効ライン上に揃っている場合(ステップ904においてYes)には、ステップ905において、BBにおけるJACゲーム中に使用される各カウンタの値に、BB中のJACゲーム用の初期値テーブル(図23の(b))に規定された初期値がセットされて、JACゲームが開始される。
具体的には、残JAC成立カウンタの値が「8」にセットされ、残JACゲームカウンタの値が「12」にセットされる。
一方、ステップ904においてJAC図柄が有効ライン上に揃っていない場合ステップ904においてNo)には、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップ906にて残小役ゲームカウンタの値を「1」減算(ディクリメント)する。
そして、ステップ907において、小役ゲームがBBの終了を規定する所定回数実行されたか否かを確認するために、残小役ゲームカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。
ステップ907において残小役ゲームカウンタの値が「0」でない場合には、処理を終了し、「0」である場合には、ステップ908において、特別遊技状態終了処理を実行する。具体的には、各種設定フラグ(例えばBB設定フラグ)のリセットや、各種カウンタ(例えば残小役ゲームカウンタ、図23の(a)参照)の値のゼロクリア、液晶ディスプレイ15に特別遊技状態の終了を告げるための演出画面を表示させるための処理などが、実行される。
ステップ903においてJACゲーム中である場合には、ステップ909において、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを確認する。
揃っている場合には、ステップ910において、残JAC成立カウンタの値を「1」減算(ディクリメント)したのち、ステップ911の処理に移行する。
揃っていない場合には、ステップ910の処理をスキップして、ステップ911の処理に移行する。
ステップ911では、この時点においてJACゲームが1つ消化されたことになるので、残JACゲームカウンタの値を「1」減算する。
ステップ912において、残JAC成立カウンタと、残JACゲームカウンタのうちの何れかの値が「0」であるか否かを確認する。
残JAC成立カウンタと残JACゲームカウンタの何れも「0」でない場合には、JACゲームが上限回数(12回)消化されていない、JACゲーム図柄の成立が上限回数(8回)に達していないことになるので、そのまま処理を終了する。
残JACゲームカウンタが「0」である場合(JACゲームが上限回数(12回)消化された場合)、または残JAC成立カウンタが「0」である場合(JACゲーム図柄の成立回数が上限回数に達した場合)には、ステップ913において残JACインカウンタの値を「1」減算(ディクリメント)する。
そして、ステップ914において、残JACインカウンタの値が「0」であるか否かを確認し、「0」である場合には、ステップ908の特別遊技状態終了処理が実行される。
ここで、今回の特別遊技状態がRBである場合には、ステップ908の特別遊技状態終了処理において、遊技機の状態がRB中であることを示すRB設定フラグがリセットされると共に、各種カウンタ(例えば残JACゲームカウンタなど、図22参照)の値のゼロクリア、液晶ディスプレイ15に特別遊技状態の終了を告げるための演出処理を表示させるための処理などが、実行される。
ステップ914において残JACインカウンタの値が「0」でない場合、BBゲームにおいてJACインが3回消化されていないことになるので、ステップ915においてJACゲーム終了処理が実行されて、JACゲーム設定フラグがリセットされることになる。
また、今回のJACインのときに、小役ゲームを1ゲーム消化していることになるので、ステップ906において残小役ゲームカウンタの値を「1」減算(ディクリメント)する。
そして、ステップ907において、小役ゲームがBBの終了を規定する所定回数実行されたか否かを確認するために、残小役ゲームカウンタの値が「0」であるか否かを確認する。
ステップ907において残小役ゲームカウンタの値が「0」である場合には、ステップ908において、特別遊技状態終了処理を実行する。具体的には、各種設定フラグ(例えばBB設定フラグ)のリセットや、各種カウンタ(例えば残小役ゲームカウンタ、図23の(a)参照)の値のゼロクリア、液晶ディスプレイ15に特別遊技状態の終了を告げるための演出処理を表示させるための処理などが、実行される。
一方、ステップ907において残小役ゲームカウンタの値が「0」でない場合には、BBにおける小役ゲーム数が上限回数(30回)に達しておらず、かつJACインが3回消化されていないことになるので、処理を終了して、次の特別遊技状態におけるゲームが継続されることになる。
次に、リールを回転させる場合と、停止させる場合におけるモータ制御処理を説明する。
始めに、スロットマシン10の駆動モータとしてステッピングモータ79を使用する場合に要求される駆動特性を、図24を参照して説明する。
この駆動特性は、スタートレバー45が操作されてからステッピングモータ79が回転を始めて一定の定速回転に至るまでの加速期間Taと、定速回転期間とに大別でき、定速回転期間は、ストップボタン46〜48が押下操作されるまで回転速度を維持しつづける維持期間(定速時間)Tbと、ストップボタン46〜48の押下操作に基づいて所定のスベリを伴いながら停止する停止期間Tcとに分けられる。
加速期間Taの長さに関する規制は設けられていないのに対して、ストップボタン46〜48が操作されていないときは、加速期間Taに定速期間Tbを加えた時間は30msec以上でなければならないという規制がある。停止期間Tcもストップボタン46〜48を操作してから最大約190msec以内にステッピングモータ79の励磁相を固定することが要求されている。
ここで、ステッピングモータ79は加速状態からできるだけ早く定速回転状態に移行させることが望ましい。そのためにはステッピングモータ79に対する励磁相への割込み(励磁相である1相励磁から2相励磁への切り替え、および2相励磁から1相励磁への切り替えをいう)を早めればよいが、そうすると前記したように脱調や回転の不安定性をもたらす恐れがある。従って、かかる懸念を伴わない範囲で最短の加速処理を実現する最適な割込み処理を行う必要がある。
割込処理によって励磁信号を励磁コイルに印加する本実施形態において、励磁相への適切な割込みタイミングを設定する必要がある。このため、まずモータ加速時におけるロータ790の回転揺れが抑えられるまでの間は、同一励磁相により励磁状態を固定する。
基本的には、初期励磁(初速ゼロのときの励磁)の状態をある程度まで維持しないと脱調や回転の不安定性が解消しにくいことを考慮する。
これは、初期励磁によって発生する吸引力によって、ロータ790の歯が第1ポール793〜第4ポール796の突起に吸引されるときに発生するロータ790の回転揺れ(往復動を伴った微小振動)の収束程度に係ってくる。
リール61(61L、61M、61R)のイナ−シャーなどによっても相違するが、実験によれば30msecで1往復(サイクル)する揺れが5〜6往復位繰り返してからロータ790が停止した。
従って、回転揺れをなくしながら加速処理を行うには、同一励磁相で固定する時間として、少なくとも初期励磁をしてから150〜180msecの時間が必要になることが判明した。
従って、初期励磁相を固定する初期励磁保持期間としてこの時間を超えた時間を設定すればよい。
実施の形態では、MPU81に対するタイマ割込処理が1.49msec毎に実行されているので、初期励磁保持期間を1.49msec×130割り込み=193.7msecに設定した加速テーブル(図25参照)に基づいて、リールの加速制御を実行している。なお、180msecを超えていれば良いので、1.49msec×121割り込み=180.29msecを初期励磁保持期間としても良い。
これにより、130割込分の初期励磁保持期間の間は、図8に示す励磁信号用の励磁データ(例えば励磁順2に示す励磁データ09H)(Hはヘキサデジマル表示)が入出力ポート82から連続してモータドライバ100に出力される。
加速期間Taのうちで、初期励磁を行う加速期間を第1の加速期間とし、定速回転に至るまでの加速期間を第2の加速期間とすれば、例えば図25に示すように、第2の加速期間では定速回転に至るべく励磁信号の励磁相への割込み処理が頻繁に行われる。
ここで、初期励磁の励磁相を1相励磁とするか、2相励磁とするかが問題となる。初期励磁は高トルクでロータ790を回転させる必要があり、初期励磁の励磁相は1相励磁よりもさらに高トルクが得られる2相励磁が好ましい。これは以下に示すような理由による。
まずステッピングモータとして1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータでは、加速時の初期励磁相としては、1相励磁の他に2相励磁が考えられる。
1相励磁は特定の励磁相のみを駆動するもので、この1相励磁によって初速時の回転トルクを得る。これに対して2相励磁は特定の2つの励磁相を同時に駆動するもので、2相励磁によって初速時の回転トルクを得る。リールの大きさやイナーシャーなどによっても相違するが、通常のスロットマシンであれば1相励磁でもリールを初速ゼロから加速させることが可能である。
しかしながら、1相励磁の場合には2相励磁と比較して発生する回転トルクが小さいため、十分な初速が得られない可能性がある。十分な初速が得られなければ脱調する可能性が高くなるため、初期励磁は2相励磁が好ましい。また、ストップボタン46〜48の押下操作に基づいてリール61(61L、61M、61R)にブレーキ(制動)をかけてから実際に停止するまでには、所定のステップ角分だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しつつ次回の加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力は大きい方が好ましい。2相励磁の場合には1相励磁よりも電磁的吸引力が大きいので、この角度のずれに伴う回転揺れを素早く吸収することができる。以上のことを総合的に勘案すると、初期励磁は1相励磁より2相励磁の方が好ましいことになる。
初期励磁を2相励磁に設定した場合で、しかも第2の加速期間内で所定の回転速度まで短時間に到達させるための割込みタイミングとしては、図25に示すようなタイミング例が好適である。また、初期励磁としての2相励磁は、図8に示した励磁順のうち最も早い励磁順2を選択することができる。もちろん、回転停止時の励磁相によっては、異なる励磁順(励磁順4、励磁順6または励磁順8)となる場合もある。1.49msecごとの割込みタイミングに同期して励磁信号を印加してからは130割込み(193.7msec)の間、この励磁状態を保持する。
第2の加速期間では、1−2相励磁を交互に繰り返すが、励磁相への割込みタイミング(相励磁の保持期間)として、図25のように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。この例では、第2の加速期間に入ると、2相励磁に続く1相励磁が8割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるというように、割込みが漸次短くなるように設定して励磁時間を漸次短縮すると共に、最後には最小の割込み間隔で励磁相が順次切り替わる通常の1−2相励磁となるように設定されている。
したがって図25に示すように、第2の加速期間における最後の励磁相が2相励磁であってこれが1割込みであるときには、次の定速回転期間における最初の励磁相は1相励磁であって割込み間隔は1割込みとなる。
このように第2の加速期間での割込み処理タイミングを、定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができると共に、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。
なお、図25に示す第2の加速期間は全体の加速期間Taが317.370msecに設定されているときの例であり、全体の加速期間Taがこれとは異なる時間に設定されているときには、その時間に応じて第2の加速期間が選定されると共に図25とは異なる割込み処理が行われることは言うまでもない。
図24のステッピングモータ79の駆動特性に関する説明に戻ると、リール61(61L、61M、61R)を停止させる際には、上述したようにスベリ処理(1〜4図柄分の回転処理)とブレーキ処理とを、所定時間ts(=190msec)以内に行う必要がある。
ブレーキ処理を行う際には、2相励磁を行った直後に4相励磁を行う。2相励磁のみにてブレーキ処理を行った場合、強い制動力によって回転速度が急激に低下して回転が乱調する可能性がある。しかし、2相励磁直後に4相励磁を行うことにより、回転を乱調させることなく滑らかにリール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)を停止させることができる。また、1相励磁よりも2相励磁のときの方が回転位置を特定し易いため、2相励磁の直後に4相励磁を行うことで停止位置精度を高めることもできる。
いため、2相励磁の直後に4相励磁を行うことで停止位置精度を高めることもできる。
ステッピングモータ79を駆動するための駆動信号の生成処理は、MPU81において定期的に実行されるタイマ割込処理(図13)で行われる。
駆動信号としては、ROM83に記憶された励磁テーブル83a(図8参照)の励磁データが利用される。励磁テーブル83aでは、図8に示すように、励磁データの使用される順番(励磁順)が規定されており、励磁データは、励磁順にしたがってモータドライバ100に供給される。
そのため、励磁テーブル83aの励磁データは、タイマ割込みが発生する度に、順番に読み出されて、入出力ポート82の出力ポートに書き込まれる。
この入出力ポート82に書き込まれた励磁データは、即座にモータドライバ100に供給されて、励磁コイルL0〜L3へ通電処理が実行される。
ここで、メイン制御基板80において実行されるリールの回転に関わる制御について説明する。
具体的には通常遊技処理のリール制御処理(図16、ステップ504)において実行されるリール回転処理(図18のステップ702)、およびタイマ割込み処理において実行されるステッピングモータ制御処理(図13のステップ206)について説明する。
なお、説明の便宜上、ステッピングモータ制御処理を先に説明し、その後リール回転処理について説明する。
[ステッピングモータ制御処理]
図26は、タイマ割込み処理において実行されるステッピングモータ制御処理(図13のステップ206)の詳細を示すフローチャートである。
このステッピングモータ制御処理では、ステップ1101においてステッピングモータ79の制御に関わる初期化処理が終了すると、ステップ1102のモータ制御処理において、ステッピングモータ79の回転制御のための駆動信号(励磁データ)の生成処理が実行され、生成された励磁データは一時的にRAM84に保存される。なお、モータ制御処理では、励磁データの生成処理の他に図柄のオフセット処理や、図柄番号の更新処理などが実行される。
回転制御のための駆動信号(励磁データ)の生成処理(RAM84からの励磁データ取得処理)などはそれぞれのリール61(61L、61M、61R)に対して順次実行される。1つのリール61、例えば左リール61Lに対する励磁データの生成処理などはRAM84の作業用エリアに設けられた左リール61L用の回転制御データ(後述する)を使用して行われ、その生成処理などが終了すると、次のリール、例えば中リール61Mに対しての励磁データ生成処理などに遷移する。
従って、ステップ1103では、ソフト的に次の作業用エリアへの遷移処理(アドレス変更処理)を行い、続くステップ1104では全てのリールに対する励磁データの生成処理などが終了したか否かを確認する。全てのリールに対する励磁データの生成処理などが終了していない場合には、ステップ1102に戻り、残りのリールに対する励磁データの生成処理などが行われる。
3つのリール61(61L、61M、61R)の全てに対する回転制御処理、つまり励磁データの生成が終了したときには、ステップ1105において、RAM84に保存されているデータのうち各リール61(61L、61M、61R)に対する励磁データが入出力ポート82に出力される。
入出力ポート82への出力は、入出力ポート82の対応する出力ポートへのデータ書き込み処理であるから、モータドライバ100には励磁データの入出力ポート82への書き込みと同時に励磁データが供給されたことになる。その結果、ステッピングモータ79は即座に励磁データによって指定された励磁相への通電処理が行われてロータ790に対する励磁処理がなされることとなる。
図27および図28は、ステッピングモータ制御処理におけるモータ制御処理(ステップ1102)の具体的な処理例である。
このモータ制御処理では、少なくともウエイトタイマ84f、加速カウンタ84gおよび励磁順ポインタ84h(何れもRAM84を利用したソフトウエア処理)が使用される。
ここに、1つのタイマ割り込み期間を単位励磁時間Tとしたとき、ウエイトタイマ84fには同一の励磁モードでの励磁時間(タイマ割り込み数)が設定される。
図25にその一例を示した。第1の加速期間では2相励磁モード(加速順序1)が130単位、つまり130割り込み分だけ連続して実行される。したがって、ウエイトタイマ84fには「130」がセットされる。ちなみに、そのときの総励磁時間は、130×1.49msec=193.7msとなる。タイマ割り込みは1.49msecごとに行われるからである。
同様に、例えば第2の加速期間にあって、加速順序2では1相励磁モードが8単位(=8割り込み=8励磁時間)に亘って連続して実行されるので、ウエイトタイマ84fには「8」がセットされる。
加速カウンタ84gは、図25において加速順序を指定するためのものである。図25の場合、加速処理は25ステップの励磁パターン(加速順序1〜25)で構成されている。特定の加速位置を指定するには、図25のように「0」から「24」までのカウンタ値(加速カウンタの値)を指定すればよいので、加速カウンタの初期値は本来「24」あるいは「0」であるが、後述するようにこの実施の形態でのソフトウエアの構成では、加速カウンタに設定される初期値は「25」となされている。
図25の加速テーブルの内容はROM83に保存されているので、図25を励磁時間および加速カウンタテーブルと呼称する場合もある。
励磁順ポインタ84hは、ステッピングモータ79に対する励磁相を決めるときに使用されるポインタである。1−2相励磁のステッピングモータ79を使用する場合、1相励磁と2相励磁を交互に行うが、そのときの相励磁パターンは、図8の励磁テーブル83aに示すように8パターンとなる。どの相励磁のときにどの励磁データを取得するのか、この励磁順ポインタの値(0〜7)によって指定される。
回転開始時の励磁順ポインタ84hの値は、後述するように直前にモータを停止させたときに使用した励磁相が、どのパターンに属する励磁相を使用したかによって相違する。回転中は順次励磁順ポインタの値を更新しながら使用する。
続いて、スタートレバー45およびストップボタン46〜48の操作に関連させてモータ制御処理を説明する。以下の説明はあくまでも1つのリールを制御するためのステッピングモータ79に対する処理例である。
[その1.スタートレバー45の操作前の処理]
スタートレバー45が操作される前のウエイトタイマ84fの値は「0(ゼロ)」であり、加速カウンタ84gの値も「0(ゼロ)」である。
そのため、モータ制御処理がコールされると、まずウエイトタイマ84fの値がゼロであるので(ステップ1201)、ステップ1211に移行して加速カウンタ84gの値をチェックする。加速カウンタ84gの値もゼロであるので、この場合にはステップ1212において出力励磁データは「0(ゼロ)」に設定されて保存される。
その後、図13のタイマ割り込み処理にリターンする。出力励磁データがゼロであるので、スタートレバー45の操作前のモードでは、ステッピングモータ79は回転停止状態となっている。
[その2.スタートレバー45が操作されたときの処理]
スタートレバー45の操作は、通常遊技処理(図16のステップ502)において検出される。スタートレバー45の操作が検出されると、後記するリール回転処理において、加速カウンタ84gの値が「25」に設定される。
スタートレバー45が操作されてもウエイトタイマ84fの値は依然として「0(ゼロ)」であるから、この場合にもステップ1201を経てステップ1211に移行して、加速カウンタ84gの値を判別する。
スタートレバー45が操作されると、加速カウンタ84gの値に「25」がセットされるので、この場合にはステップ1221で減算処理が実行される。その結果、加速カウンタ84gの値は「0(ゼロ)」でないので(ステップ1222)、ステップ1231において、ウエイトタイマ84fの設定処理が実行される。このステップ1231では、ステップ1221で減算処理が実行された後の加速カウンタ84gの値に対応した励磁時間の値が、図25の加速テーブルから取得され、取得された励磁時間の値がウエイトタイマ84fにセットされる。
ステップ1221での減算処理は、1だけディクリメント(減算)する処理であるから、減算後の加速カウンタの値は「24」となる。この場合には図25のテーブルからも明らかなように、加速カウンタの値「24」に対応した励磁時間(130割り込み)の値(=130)がウエイトタイマ84fにセットされる。これで、第1の加速期間に相当する連続相励磁時間(=130×1.49msec)がセットされたことになる。
ウエイトタイマへのセット処理が終了すると、励磁順ポインタ84hの値を「1」だけインクリメントする更新処理が実行される(ステップ1232)。そして、更新処理された励磁順ポインタ84hの値(この例では、「5」)に対応した励磁データを、図8に示す励磁テーブル83aより取得し、その励磁データ(06H)が左リール61L用の出力励磁データとしてRAM84に保存される(ステップ1233)。
保存された励磁データはその他のリール61M、61Rのステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図26のステップ1105に示すように入出力ポート82に同時に出力されることになる。
ステップ1233の処理が終了すると、図柄オフセットの値が更新(ステップ1234)されると共に、リールの回転位置検出処理(ステップ1235)、リールインデックスセンサ75(図3参照)によるリールの回転検出処理(ステップ1236)などが行われる。
また、ステップ1244およびステップ1245はリール異常処理であって、励磁データを印加したにも拘わらずリールが正常に回転しないようなときの処理である。
またステップ1251、ステップ1252は、ステッピングモータ79に対する回転停止処理(ブレーキ処理)である。
これらの処理は後述するとして、モータ加速処理が正常であれば上記のステップ1244、ステップ1245の処理がスキップされて、図13に示すタイマ割込処理にリターンする。
以上のように、スタートレバー45が操作されると、加速カウンタ84gにカウンタ値「25」がセットされ、3つのリール61(61L、61M、61R)のそれぞれに対応するステッピングモータ79に対してモータ始動用の励磁データがそれぞれ供給されることでそれぞれのロータ790が始動する。
そして、次のタイマ割込み時間になると、再びモータ制御処理がコールされる。このときの処理を次に説明する。
この場合にはウエイトタイマ84fの値は「130」であるから(ステップ1201)、このときはウエイトタイマ84fの値を1だけ減算する減算処理(ステップ1202)を実行して、タイマ割込処理(図13)のステッピングモータ制御処理(図26)にリターンする。
その結果、加速カウンタ84gや励磁順ポインタ84hの値は、前のタイマ割込み時と同じ値で保持される。つまり、同じ励磁相(この例では2相励磁)によるモータ加速処理が継続される。この同じ励磁相を使用したモータ加速処理は、トータル130割込み分連続して行われ、ウエイトタイマ84fの値は、タイマ割込みの度に減算処理される。この結果、130割込みが行われたときウエイトタイマ84fの値はゼロとなる(ステップ1201)。
一方、加速カウンタ84gの値は、この第1の加速期間中全く変化しない。130割込みが終了してウエイトタイマ84fの値が0となることで、今度はステップ1211を介してステップ1221の処理に移行し、このステップ1221の処理において、加速カウンタ84gの値が始めて減算処理される。
そして、1だけ減算された加速カウンタ84gの値「23」に対応した励磁時間(8割り込み)が、図25の加速テーブルから取得され、取得されたこの励磁時間の値(=8)がウエイトタイマ84fにセットされる(ステップ1222、1231)。
同時に、励磁順ポインタ84h(図8参照)の値がインクリメントされて「6」となり(ステップ1232)、この励磁順ポインタ84hの値「6」に対応した励磁データ「02H」(1相励磁)が、出力励磁データとしてRAM84に格納される(ステップ1233)。
その後、他のリール61(中リール61M、右リール61R)についても同様な出力励磁データの取得処理が実行され、全てのリール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)に対して出力励磁データの取得処理が終了した段階で、これら出力励磁データが入出力ポート82にそれぞれ出力されて、第2の加速期間に関する処理が開始される(図26、ステッピングモータ制御処理のステップ1104、1105)。
したがって、図25の加速テーブルから明らかなように、第2の加速期間の最初は1相励磁が8割り込み分だけ連続して行われる。
第2の加速期間の最初は、加速順序2に相当する処理である(図25参照)。この加速順序2における加速処理でタイマ割込みが8割込み分終了する(ステップ1201においてYes)と、ステップ1221において加速カウンタ84gの値が更に減算される。
これにより、励磁順ポインタ84hの値が「7」となる励磁データ「03H」が、図8の励磁テーブルより読み出されるので、7割込み分の連続加速処理が2相励磁によって実行される。
このように加速カウンタ84gを順次減算処理しながら、励磁順ポインタ84hによって指定された励磁データを順次読み出して、第2の加速期間中における加速処理が実行されるので、加速カウンタ84gの値が最終的に「0(ゼロ)」となる。
加速カウンタ84gの値が「0」になると、この値がステップ1222でチェックされるので、ステップ1223に移行して、今度は加速カウンタ84gの値を「1」にする処理が実行される。
その後、ステップ1231に移行して、ステップ1221で減算したときの加速カウンタ84gの値「0」に対応した励磁時間(1割り込み分)に相当する値(=1)がウエイトタイマ84fにセットされる。
その後、励磁順ポインタ84hが更新されてこの例では「0」のポインタに該当する励磁データ「01H」が図8の励磁テーブルより読み出されて、これが出力励磁データとしてセットされる(ステップ1232、1233)。したがって、ステップ1221での減算処理の結果、加速カウンタの値が「0」になると1回のタイマ割り込み分だけ励磁される。
ステップ1221の減算処理の結果、加速カウンタ84gの値が「0」になっても、ステップ1223の処理で、加速カウンタ84gの値に「1」がセットされる。そのため、次のタイマ割り込み処理において、励磁順である加速順序25(図25)の次の処理ステップとしては、ステップ1211を経由してステップ1221に移行して再度加速カウンタ84gの値の減算処理が実行される。
これにより、加速カウンタ84gの値は再び「0」になるから、ステップ1231では、図25の加速順序25に相当する励磁時間(=1)がウエイトタイマ84fにセットされることになる。また、励磁順ポインタ84hはステップ1232の処理で「2」に更新される結果、励磁相が2相励磁に変わると共に1割り込み分だけの励磁処理となる。
つまり、加速順序25の次からは、ステップ1221、1223において加速カウンタ84gの値が、「0」、「1」の間で交互に変更されることになり、しかも常に1割り込みによる励磁となるから、ステッピングモータ79は1相励磁と2相励磁を交互に繰り返す回転モードとなる。これは定速処理に他ならず、換言すれば、加速順序25まで励磁処理が進むと、それ以降は定速回転モードに遷移することになる。
リール61の回転中(加速中、低速回転中)に実行されるリール回転位置検出処理(図28、ステップ1235)を、左リール61Lの場合を例に挙げて説明する。
モータ制御処理(図27)において、励磁順ポインタ84hの値の更新(ステップ1232)と励磁データの取得(ステップ1233)が実行されると、図柄オフセット値84iの値の更新処理(ステップ1234)と、リール61の回転位置検出処理(ステップ1235)と、が実行される。
この回転検出処理では、リールインデックスセンサ75による第1センサカットバン76、第2センサカットバン77(図3参照)の検出と、リールの回転時に更新される図柄オフセット値84iと図柄番号84jとに基づいて、リール61の回動軸X周りの角度位置が特定される。
なお、以下の説明においては、左リール61Lの場合を例に挙げて説明する。
図29は、ステップ1235の回転位置検出処理を説明するフローチャートである。
回転位置検出処理では、ステップ1301において、リールインデックスセンサ75から入力される信号が、オン信号とオフ信号の何れであるのかを確認する。
ここで、リール61の回転位置が、第1センサカットバン76または第2センサカットバン77(以下、センサカットバン76、77とも表記する)がリールインデックスセンサ75で検出される位置にある場合には、オン信号が、検知されない位置にある場合にはオフ信号が入力される。
ステップ1301においてオン信号である場合、ステップ1302において、オン信号フラグがセットされているか否かを確認する。
前回のタイマ割込処理における回転位置検出処理の際に、センサカットバン76、77が検出されていたか否かを判別するためである。
ステップ1302においてオン信号フラグがセットされている場合、ステップ1303において、計時カウンタ84kの値を「1」インクリメントする加算処理が実行される。
オン信号フラグが既にセットされている場合には、前回の回転位置検出処理に引き続いてセンサカットバン76、77が検出されていることを意味するので、以降の回転位置検出処理においてオフ信号が入力されて、センサカットバン76、77が検出されなくなった際に、センサカットバン76、77が検出されていた時間を計数できるようにするためである。
ステップ1303の処理が実行されると、モータ制御処理(図28)におけるステップ1236の処理にリターンすることになる。
ここで、計時カウンタは、リールインデックスセンサ75で、センサカットバン76、77が検出されていた時間、または検出されていなかった時間を算出するためのカウンタである。
計時カウンタの値は、リールインデックスセンサ75から入力される信号が、オン信号からオフ信号に切り替わったとき、またはオフ信号からオン信号に切り替わったときに、後記するステップ1308またはステップ1315の処理において、「0」にリセットされる。
ステップ1302においてオン信号フラグがセットされていない場合、ステップ1304において、オン信号フラグをセットする。
以降の回転位置検出処理において、オン信号フラグが入力されていた時間を算出できるようにするためである。
ここで、オン信号が入力された時点でオン信号フラグがセットされていない場合とは、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの一方が、リール61の回転により、リールインデックスセンサ75に検出される位置に達したことを意味する。
よって、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れが検出される位置に達したのかを確認するために、ステップ1305において、オン信号が入力される前に入力されていたオフ信号の入力時間(オフ時間)を算出する。
ここで、オフ時間は、オン信号が入力される前のオフ信号が継続して入力されていた間にタイマ割込処理の実行間隔毎に加算されていた計時カウンタの値に基づいて算出される。
例えば、計時カウンタの値が「210」である場合には、312.90msec(1.49msec×210)が、ステップ1305において算出されるオフ時間となる。
ステップ1305においてオフ時間が算出されると、ステップ1306において、算出されたオフ時間に基づいて、リールインデックスセンサ75に検出されたセンサカットバンが、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れであるのかを特定する。
具体的には、ROM83に記憶されたオン/オフ時間テーブル(図示せず)を参照し、算出されたオフ時間が、図9の(b)の第1非検出時間t2(先端部76aの終端部76eから先端部77aの始端部77sまで区間に対応する時間)と、第2非検出時間t4(先端部77aの終端部77eから先端部76aの始端部76sまでの区間に対応する時間)のうちの何れと一致するのかを確認し、一致する非検出時間の次に検出されることになるセンサカットバンが、リールインデックスセンサ75に検出されたセンサカットバンであると判定する。
実施の形態では、オン/オフ時間テーブルでは、先端部76aの終端部76eから先端部77aの始端部77sまで区間に対応する第1非検出時間t2が344.19msec、先端部77aの終端部77eから先端部76aの始端部76sまでの区間に対応する第2非検出時間t4が312.90msecとして記憶されている。
そのため、ステップ1305において算出されたオフ時間が、例えば312.90msecである場合には、第2非検出時間t4であると判定される。
第2非検出時間t4の後に検出されるセンサカットバンは、図9に示すように、第1センサカットバン76であるので、ステップ1306において、第1センサカットバン76であると特定される。
センサカットバンの位置が特定されると、リールの外周に描かれた図柄の位置が特定できるので、ステップ1307において、リールの回転位置が特定されることになる。
そして、ステップ1308において、オン信号の入力時間を算出するために、計時カウンタの値が「0」にリセットされる。
一方、ステップ1301においてオン信号が入力されていない場合、すなわちオフ信号が入力されている場合には、ステップ1309において、オフ信号フラグがセットされているか否かを確認する。
ステップ1301におけるオフ信号の入力が、センサカットバン76、77がリールインデックスセンサ75を通過した直後のオフ信号の入力でるあるのかを確認するためである。
ステップ1309において、オフ信号フラグがセットされている場合、ステップ1310において、計時カウンタ84kの値を「1」インクリメントする加算処理が実行される。
オフ信号フラグが既にセットされている場合には、前回の回転位置検出処理に引き続いてセンサカットバン76、77が検出されていないことを意味するので、以降の回転位置検出処理においてオン信号が入力されて、センサカットバン76、77が検出された際に、センサカットバン76、77が検出されていなかった時間を係数できるようにするためである。
ステップ1309においてオフ信号フラグがセットされていない場合、ステップ13111において、オフ信号フラグをセットする。
以降の回転位置検出処理において、オフ信号フラグが入力されていた時間を算出できるようにするためである。
ここで、オフ信号が入力された時点でオフ信号フラグがセットされていない場合とは、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの一方が、リール61の回転により、リールインデックスセンサ75に検出される位置から外れたことを意味する。
よって、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れが検出されていたのかを確認するために、ステップ1312において、オフ信号が入力される前に入力されていたオン信号の入力時間(オン時間)を算出する。
ここで、オン時間は、オフ信号が入力される前のオン信号が継続して入力されていた間にタイマ割込処理の実行間隔毎に加算されていた計時カウンタ84kの値に基づいて算出される。
例えば、計時カウンタ84kの値が「21」である場合には、31.29msec(1.49msec×21)が、ステップ1312において算出されるオン時間となる。
ステップ1312においてオン時間が算出されると、ステップ1313において、算出されたオン時間に基づいて、リールインデックスセンサ75に検出されていたセンサカットバンが、第1センサカットバン76と第2センサカットバン77のうちの何れであるのかを特定する。
センサカットバンの位置が特定されると、リールの外周に描かれた図柄の位置が特定できるので、ステップ1314において、リールの回転位置が特定されることになる。
そして、ステップ1308において、オン信号の入力時間を算出するために、計時カウンタの値が「0」にリセットされる。
この回転位置検出処理が終了すると、モータ制御処理(図28)のステップ1236の処理にリターンすることになる。
図28のモータ制御処理に戻って、ステップ1235では、リールの基点位置が所定検出位置(リールインデックスセンサ75)を通過したか否かを確認する。
実施の形態では、センサカットバン76の始端部76sと、終端部76e、センサカットバン77の始端部77sと、終端部77eの計4カ所が、基点位置に設定されているので、ステップ1235の処理でこれら基点位置76s、76e、77s、77eの何れかが検出されていた場合には、リールの原点位置が確定したことを意味するため、ステップ1236に進み、当該リールの原点位置が所定検出位置を通過するタイミングに合わせた図柄オフセットカウンタおよび図柄番号カウンタの更新処理を実行する。
つまり、図柄番号と図柄オフセット値とが、リールの各基点位置に応じて決まる所定値に更新される。
より詳しくは、検出された基点が、第1センサカットバン76の始端部76s(原点位置)の場合には、図柄番号の値が「0」、図柄オフセットの値が「0」にセットされる。
また、検出された基点が、第1センサカットバン76の終端部76eの場合には、図柄番号の値が「0」、図柄オフセットの値が「21」にセットされる。
また、検出された基点が、第2センサカットバン77の始端部77sの場合には、図柄番号の値が「10」、図柄オフセットの値が「12」にセットされる。
また、検出された基点が、第2センサカットバン77の終端部77eの場合には、図柄番号の値が「12」、図柄オフセットの値が「6」にセットされる。
ここで、図柄番号は、図10に示す図柄の番号を連番で示すものであり、トータル21個の図柄が用意されているので、図柄番号は「0」〜「20」の値をとる。
図柄オフセットは、1つの図柄をリール61の回転方向に24等分した値であるから、「0」〜「23」の値をとる。
図柄オフセットの値は、図柄オフセットの更新処理(図28、ステップ1234)において、「1」ずつ加算される。
ここで、図柄オフセットの値が24になる(図柄オフセットの値が25回更新される)と、表示窓31に表示されている図柄が1図柄分移動したことになるので、かかる場合には、表示窓31に表示されている図柄を特定するための図柄番号を、更新する必要がある。
実施の形態では、ステップ1241において、図柄オフセットの値が最大値(24)未満であるか否かを確認し、図柄オフセットの値が「24」になると(ステップ1241、No)、ステップ1242において、図柄番号が更新されると共に、図柄オフセットの値が、「0」にリセットされる。
[再加速処理および異常処理]
前記したように、モータ加速期間では加速カウンタの加減算に応じて図柄オフセットの値が更新され、そして定速回転中は、タイマ割り込み処理が実行されるたびに、図柄オフセットの値が更新される(ステップ1234)。
そして、更新後の図柄オフセットの値が「24」になると、図柄番号が更新されると共に、図柄オフセットの値が「0」にリセットされる(ステップ1241、ステップ1242)。
そして、図柄番号が更新された後はその値がその最大値「21」を超えないで、しかも図柄オフセットが最大値である「24」を超えるまでは、ステップ1241からステップ1244の処理ステップをそれぞれ経由して、図柄番号の更新、図柄オフセット値の更新およびリセット処理が続く。さらにリール61が1回転するごとに図柄番号と図柄オフセットがそれぞれリセットされるようになっている(ステップ1236、1237)。
この処理がなされることで、図柄番号を基準にどの図柄が表示窓31を通過しているかが判り、さらに図柄オフセットの値によってその図柄のどの位置が表示窓31に位置しているかを判定することができる。例えば図柄番号「0」、図柄オフセット「0」のときには、表示窓から図柄番号「0」〜「2」の図柄が視認可能となっている。
スタートレバー45によってステッピングモータ79が正常に加速し、定速回転に至る正常回転の場合には上述したような状況が再現される。しかし、正常に加速されずに正常回転に至らない場合や、故意にリールを押さえて回転を止めたりすると、以下のような異常回転処理となる。
まず、加速処理はリール61が1回転するまでに終了するので、通常の場合には加速処理が行われると、何れリール61の1回転目がリールインデックスセンサ75によって検出されるはずである。しかし、加速処理が異常であると、ステップ1235によってリール61の1回転目が検出されない状態でも、図柄オフセット値と図柄番号の更新処理が進んでしまう(ステップ1234、ステップ1242)。
図10から明らかなように図柄番号は「0」〜「20」までであるが、このような異常状態になると、図柄番号がさらに更新されてその値が最大値「21」になっても(ステップ1241、1242)、次の励磁相切り替えタイミングになると、ステップ1221においてカウンタ減算処理が行われてしまう。そうすると、図柄オフセットの値は今まで通りに更新処理される(ステップ1222、1234)。
その場合にはステップ1241を経て、ステップ1243において図柄番号の値がチェックされる。図柄番号は「0」から「20」までであるので、その更新最大値「21」を超えたときには異常回転状態とみなすことができる。
その場合でもステッピングモータ79の動作上のばらつきを考慮して、この例では4オフセット以上図柄オフセットが進んだとき(ステップ1244)、始めて異常回転状態と判断して異常処理が行われる(ステップ1245)。この場合には再加速設定処理が行われ、加速カウンタにはその初期値である「25」がセットされ、次のタイマ割り込み期間から再びステップ1211に戻って再加速処理が行われる。
ステッピングモータ79には動作上のばらつきがあり、理想的には1回転=504パルスとなるが、場合によっては503パルスあるいは505パルスで1回転することも考えられるので、ステップ1244では余裕をもって4オフセット分を異常検出値に設定してある。
また、リールが何らかの原因で回転しなかったとき、例えばリールの回転を故意に押さえてしまっているようなときには、上述したと同じようにステップ1235でリールインデックスセンサ75によってリールの1回転が検出されないまま、図柄オフセット値84iと図柄番号84jが更新され続けることになる。
この場合、図柄番号84jの値が最大値である「21」になったのちの次のタイマ割込処理において、加速カウンタ84gの値の減算または加算処理(ステップ1221、ステップ1222)が実行されたのちに、図柄オフセット値が更新され(ステップ1234)、更新後の図柄オフセット値84iが最大値「24」以下であるときには、ステップ1243において、図柄番号84jが最大値「21」未満であるか否かが確認される。
そして、図柄番号84jが最大値「21」以上となっているときには、異常状態とみなし、さらに、更新された図柄が回転して図柄オフセット値84iが4以上ずれたときには(ステップ1244)、前記した異常処理(ステップ1245)が実行される。そして、この異常処理はリセットスイッチ123が操作されるまで継続される。
このステップ1245における異常処理の回数が規定回数(例えば3回)を超えたときには、この異常状態を報知する処理(ホール内に設けられた異常ランプに対する点滅処理、ホール管理者へのブザー報知処理など)を講じることもできる。
[その3.ストップボタンが押されたときの処理]
さて、この定速回転モード中にユーザが任意のストップボタン46〜48を押して、リールの回転を止める操作を行うと、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の停止制御処理(ステップ1252)が実行される。
ここで、ブレーキをかけたとしても、リール61(ロータ790)のすべりがあるので3〜4ステップ分滑って停止する。また上記したように、モータ始動時の励磁相としては2相励磁であるのが好ましく、ブレーキは2相励磁直後、つまり1相励磁のタイミングに開始されるように、ストップボタン46〜48の操作タイミングに拘わらず、モータ停止時期(リール停止時期)を把握しておく必要がある。
そこで、ステップ1242の図柄番号84jの更新と図柄オフセット値84iのリセット処理に続いて、ステップ1251のようなリールの停止時期を判別する処理ステップを置いている。このステップ1251では現在の出力中の励磁相が2相励磁であり、図柄オフセット値が所定オフセット値を超えない範囲となっているかをそれぞれ判別する。
ここで、現在の励磁相が2相励磁であるかどうかは、励磁順ポインタ(図8参照)の値を参照すればよく、所定のオフセット値を超えたかどうかは図柄オフセット値84iを参照すればよい。図柄オフセット値84iを考慮するのは、図柄オフセット値84iが大きくなればなるほど、隣接するリール61の停止時における図柄位置の相対的ずれが大きくなることを意味する。人間の識別力を考慮すると4オフセット以上になると、図柄のずれがはっきり認識できるようになるので、図柄オフセット値が4以下のときにリール停止処理を実行する必要があるからである。
したがってこの条件を満たさないときには、図13のタイマ割り込み処理ルーチンに戻るが、ステップ1251のリール停止条件を満たしているときで、しかもストップボタン46〜48の何れかのボタンが押されたときには、ステップ1252において、リール61(左リール61L、中リール61M、右リール61R)の回転を停止させる処理(停止制御処理)が実行される。
ここで、実施の形態のスロットマシン10では、リール61を停止させる方法として、ステッピングモータの4相に同時に励磁をして停止させる場合と、スローダウンさせながら停止させる場合とが用意されており、何れの方法により停止させるのが、前記した通常遊技処理(図16)において、ストップボタン46〜48の操作タイミングに応じて設定されるようになっている。
そこで、リール61を停止させる方法の設定処理を先に説明する。
図30は、リール制御処理(図18)におけるリール停止処理(ステップ706)の詳細を示すフローチャートである。
このリール停止処理は、スロットマシンでの遊技に関する通常遊技処理(図16)において実行され、ストップボタン46〜48の操作タイミングタイミングに応じて、ステッピングモータ79の4相に同時に励磁をしてリール61を急停止させのか、それともスローダウンさせながらリール61を停止させるのか、が設定される。
リール停止処理は、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
始めに、ステップ2001において、停止処理を実行するリール61を特定する。
実施の形態では、何れかのストップボタン46〜48が操作されると、操作されたストップボタンのフラグがセットされる。よって、セットされているフラグに対応するリール61が、停止処理を実行するリールであると特定される。
ステップ2001において停止処理を実行するリールが特定されると、ステップ2002において、ストップボタン46〜48が操作された時点におけるリール61の回転位置(現在位置)を特定する。
具体的には、RAM84に記憶された図柄番号84jと図柄オフセット値84iの値に基づいて、リール61の回転位置を特定できる。
ステップ2003において、リール61の停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置を特定する。
ここで、リールの停止時に表示される図柄は、通常遊技処理の抽選処理(図16、ステップ503)の結果、何れかの役(入賞役、小役)に当選している場合には、当選している役に応じて決まる図柄となるので、当選している役に応じて決まる図柄の位置が特定される。
例えば、左リールの下段の有効ライン上に図柄「ベル」を停止させる役に当選している場合、ストップボタン46が操作された時点で下段の有効ライン上に位置していた図柄から、左リールの回転方向において最も近い位置にある「ベル」の位置を図柄番号で特定する。
また、図10の左リールにおいて、図柄番号3の「チェリー」が下段の有効ライン上に位置している時にストップボタン46が操作された場合には、図柄番号5の「ベル」が最も近い位置にあるので、図柄番号5が、停止予定図柄の位置として特定される。
一方、抽選処理(図16、ステップ503)において何れの役にも当選していない場合には、最終的に総てのリール61が停止した時点で、何れの役も成立させない図柄の位置が特定される。
ステップ2004において、ストップボタン46が操作された時点から、停止予定予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでに要するステップ数(Nstep)を特定する。
例えば左リールの下段の有効ラインに停止させる図柄(停止予定図柄)が図柄番号2の「ベル」であり、ストップボタン46を押下操作したときに下段の有効ライン上に位置していた図柄が図柄番号20の「7」であって、図柄番号20の図柄オフセット値が「0」である場合には、ちょうど3図柄分離れていることになる。
ここで、実施の形態では、前記したように、図柄を1図柄分滑らせるためには24ステップが必要なので、3図柄滑らすためには72ステップ(=3×24ステップ)が必要になる。よって、「72」が停止予定図柄位置までの距離(ステップ数)Nstepとして特定されて、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)を示す残図柄カウンタ84mの値に「72」がセットされる。
ステップ2005において、停止予定図柄までのステップ数Nstepが、21<Nstep≦91であるか否かを確認し、この範囲内である場合には、ステップ2006において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「8」がセットされる。
一方、21<Nstep≦91でない場合、ステップ2007において、停止予定図柄までのステップ数が91<Nstep≦117であるか否かを確認し、この条件を満たす場合には、ステップ2008において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「20」がセットされる。
なお、ステップ2007において91<Nstep≦117でない場合には、ステップ2009において、全相励磁停止設定処理が実行される。
この全相励磁停止設定処理では、全相励磁停止フラグがセットされたのち、スローダウン設定処理を終了する。
ここで、91<Nstep≦117でない場合とは、停止予定図柄までのステップ数Nstepが、(a)21以下、または(b)118以上ということになる。実施の形態では、(a)の場合は、早急にリールを停止させないと予定停止図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させることができないので、全相励磁でリールを停止させるようにしている。一方、(b)の場合には、停止用定図柄と所定位置とが離れており、スローダウン処理を実行すると、所定時間内に停止予定図柄を所定位置に停止させることができないので、スローダウンを実行せずに定速で回転させたのち、停止予定図柄が所定位置に達した時点で全相励磁をかけてリールを停止させるようにしている。
これにより、リール制御処理(図18)のリール停止処理(ステップ706)の結果、第1スローダウンフラグ、第2スローダウンフラグ、全相励磁フラグの何れかがセットされ、特に、第1スローダウンフラグ、または第2スローダウンフラグがセットされた場合には、減速カウンタ84nに、所定の値がセットされることになる。
図33は、第1減速テーブルを示す図であり、図34は、第2減速テーブルを示す図である。
ここでスローダウンさせながらリールを停止させる場合とは、ステッピングモータの4相に同時に励磁をかけてリールを急停止させるのではなく、励磁時間を徐々に長くして、定速で回転しているリールを徐々に減速させたのちに4相励磁によりリールを停止させる場合をいう。
実施の形態では、スローダウン期間の長い第1減速テーブルと、これよりもスローダウン期間の短い第2減速テーブルとが用意されている。
第1減速テーブルでは、減速カウンタと減速順序との関係と、各減速順序における励磁方法(1相励磁または2相励磁)および励磁時間とが規定されており、20ステップをかけて、リールを減速させる内容が規定されている。
例えば、一番最初に実行されることになる減速順序1では、1相励磁が1割り込みの間(1.49msec)実行され、次の減速順序2では2相励磁が1割り込みの間(1.49msec)実行され、その次の減速順序3では1相励磁が2割り込みの間(2.98msec)実行され、というように、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返しながら、割り込み時間を徐々に長くすることで、リール61を減速させるように設定されている。
第2減速テーブルでもまた、減速カウンタと減速順序との関係と、各減速順序における励磁方法(1相励磁または2相励磁)および励磁時間とが規定されている。第2減速テーブルは、8ステップをかけてリールを減速させるように規定されており、第1減速テーブルの場合よりも、短いステップ数でリールを減速させるようになっている。
第1減速テーブルは、前記した第1スローダウンフラグがセットされた場合に、第2減速テーブルは、前記した第2スローダウンフラグがセットされた場合に、それぞれ後記する停止制御処理において参照されるようになっており、これらテーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)の内容を読み出すための参照子として、減速カウンタ84nが用いられている。
そのため、前記したリール停止処理(図30)において、第1スローダウンフラグがセットされた場合には、ステップ2008の第1スローダウン設定処理において、減速カウンタ84nの値に「20」がセットされ、第2スローダウンフラグがセットされた場合には、ステップ2006の第2スローダウン設定処理において、減速カウンタ84nの値に「8」がセットされるようになっている(図30、ステップ2006、2008)。
そして、第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグのセットと、減速カウンタ84nの値のセットをトリガとして、モータ制御処理(図28、図29)の停止制御処理(ステップ1252)において、リール61をスローダウンさせながら停止させる処理が実行されるようになっている。
この停止制御処理(ステップ1252)を、図31のフローチャートを参照して説明する。
図31に示すように、停止制御処理では、リール61を停止させて停止予定図柄を所定値に停止表示させるタイミングであるか否かを確認するために、残り図柄ステップ数が「0」であるか否かを確認する。具体的には、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)を示す残図柄カウンタ84mの値が、「0」であるか否かを確認し、「0」である場合には、残り図柄ステップ数が「0」であると判断される。
そして、残り図柄ステップ数が「0」である場合、ステップ2102において全相励磁停止処理が実行される。
この全相励磁停止処理では、ステッピングモータ79の4相が同時励磁されるように設定されたのち、減速ウエイトタイマ84pにブレーキ時間(励磁時間)が設定される。例えば、159割り込み分(=236.91msec)がブレーキ時間に設定されている場合には、減速ウエイトタイマ84pの値に「159」がセットされる。
そして、リール61の定速回転に関与している加速カウンタ84gの値がリセット(=0)される。
減速ウエイトタイマ84pにブレーキ時間がセットされると、ブレーキ用の励磁データがブレーキ時間の間(159割り込み分)連続して出力されて、リール61が完全に停止する。
そして、次回の回転時に使用する励磁順ポインタに対する調整処理が行われる。励磁順ポインタの調整処理はロータ790のすべりを考慮する。上述したようにブレーキ処理時、ロータ790は3〜4相分程度滑ってから停止するのが殆どであるので、例えば図8に示す励磁順ポインタ「0」でブレーキをかけたときには、励磁順ポインタ「4」の位置でロータ790が停止しているものと推定して、この例では励磁相の調整分として「4つの励磁相」分だけ進める。その結果更新後の励磁順ポインタの値は「5」となる。
ステップ2102の全相励磁処理が実行されると、ステップ2103において、第1スローダウンフラグ、第2スローダウンフラグ、全相励磁停止フラグなどがリセットされたのち、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
ステップ2101において残り図柄ステップ数が「0」でない場合、リール61をどのように停止させるのか、すなわちリール61を急停止させのか、それともリール61をスローダウンさせながら停止させるのか、を確認するために、ステップ2104において、全相励磁停止フラグがセットされているか否かを確認する。
ここで、ステップ2104において全相励磁停止フラグがセットされている場合とは、このステップ2104の前のステップ2101において残り図柄ステップ数の値が「0」でないことが確認されているのであるから、現時点が、リール61を急停止させる前であって、停止予定図柄が所定位置に達するのを待っている状態であることを意味している。
よって、ステップ2105において、全相励磁によるリール61の回転停止の開始タイミングを規定する残図柄カウンタ84mの値が「1」減算されたのち、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
これにより、残図柄カウンタ84mの値が「0」未満になるまでの間は、残図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
ステップ2104において全相励磁フラグがセットされていない場合には、ステップ2106において、第1スローダウンフラグがセットされているか否かが確認される。
第1スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ2107において、現時点が、第1スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残図柄カウンタ84mの値が「20」以下であるか否かを確認する。
実施の形態では、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)を示す残図柄カウンタ84mの値を、第1スローダウン処理の開始タイミングを規定するカウンタとしても用いている。ここで、前記したように、第1スローダウン処理は、リール61を全相励磁により停止させる前の20ステップでリール61のスローダウンを実行するように設定されている(図33参照)。
そのため、残図柄カウンタ84mの値が「20」よりも大きい場合は、第1スローダウン処理が実行される前の待機中であることを意味し、「20」である場合は、第1スローダウン処理の処理の開始タイミングになったことを意味し、「20」よりも小さい場合は、第1スローダウン処理が実行中であることを意味している。
よって、ステップ2107において、残図柄カウンタ84mの値が「20」よりも大きい場合には、第1スローダウン処理が実行される前の待機中であるので、ステップ2108において、残図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残図柄カウンタ84mの値が「20」以下になるまでの間は、そのステップ2108の処理により、残図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
そして、ステップ2107において、残図柄カウンタ84mの値が「20」以下である場合には、第1スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第1スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ2111(図32参照)の処理に移行する。
ステップ2106において第1スローダウンフラグがセットされていない場合には、ステップ2109において、第2スローダウンフラグがセットされているか否かが確認される。
第2スローダウンフラグがセットされている場合には、ステップ2110において、現時点が、第2スローダウン処理の実行中、実行前の待機中の何れであるのかを確認するために、残図柄カウンタ84mの値が「8」以下であるか否かを確認する。
前記したように、第2スローダウン処理は、リール61を全相励磁により停止させる前の8ステップでリール61のスローダウンを実行するように設定されている(図34参照)。
そのため、残図柄カウンタ84mの値が「8」よりも大きい場合には、第2スローダウン処理が実行される前の待機中であるので、ステップ2108において、残図柄カウンタ84mの値が「1」減算される。これにより、残図柄カウンタ84mの値が「8」以下になるまでの間は、このステップ2108の処理により、残図柄カウンタ84mの値が、タイマ割込処理(図13)の実行間隔で「1」ずつ減算処理されることになる。
そして、ステップ2110において、残図柄カウンタ84mの値が「8」以下である場合には、第2スローダウン処理を開始するタイミング、若しくは第2スローダウン処理の実行中であるので、後記するステップ2111(図32参照)の処理に移行する。
ステップ2109において第2スローダウンフラグがセットされていない場合には、全相励磁停止フラグ、第1スローダウンフラグ、第2スローダウンフラグの何れもセットされておらず、リール61の回転を停止させる必要がないことになるので、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
ここで、第1スローダウン処理または第2スローダウン処理の開始について説明する。
第1スローダウンフラグがセットされている場合には、前記したリール停止処理(図30参照)のステップ2008において、減速カウンタ84nの値に「20」がセットされいる。また、第2スローダウンフラグがセットされている場合には、前記したリール停止処理(図30参照)のステップ2006において、減速カウンタ84nの値に「8」がセットされている。
そして、何れの場合にも、減速ウエイトタイマ84pの値はセットされておらず、「0」である。
よって、ステップ2111(図32)において、減速ウエイトタイマ84pの値が「0」であるので、ステップ2113の処理に移行して、減速カウンタ84nの値が「1」減算処理される。
よって、第1スローダウンフラグがセットされている場合には、このステップ2113の処理により、減速カウンタ84nの値が「19」になり、第2スローダウンフラグがセットされている場合には、このステップ2113の処理により、減速カウンタ84nの値が「7」になる。
続いて、ステップ2114において、減算後の減速カウンタ84nの値に対応した励磁時間の値(図33、図34参照)を取得し、取得した励磁時間の値が、減速ウエイトタイマ84pにセットされる。
よって、第1スローダウンフラグがセットされている場合には、減算後の減算カウンタの値が「19」であるので、減速カウンタの値「19」に対応した励磁時間の値「1」(図33参照)が、減速ウエイトタイマ84pの値にセットされる。
一方、第2スローダウンフラグがセットされている場合には、減速カウンタの値「7」に対応した励磁時間の値「1」(図34参照)が、減速ウエイトタイマ84pの値にセットされる。
減速ウエイトタイマ84pの値のセットが終了すると、励磁順ポインタ(図8参照)の値を「1」だけインクリメントする更新処理が実行される(ステップ2115)。そして、更新処理された励磁順ポインタの値(例えば、「5」)に対応した励磁データを図8に示すテーブルより取得し、その励磁データ(06H)が左リール61L用の出力励磁データとしてRAM84に保存される(ステップ2116)。保存された励磁データはその他のリール61M、61Rのステッピングモータに対する励磁データを取得した後、図26のステッピングモータ制御処理のステップ1105において入出力ポート82に同時に出力される。
そして、ステップ2117において、第1または第2スローダウン処理の終了タイミングを規定する残図柄カウンタ84mの値が「1」減算処理されることになる。
以上のように、ストップボタン46〜48が操作されると、操作されたボタンが対応するリール61(61L、61M、61R)の減速カウンタ84nの値に、スローダウン時間に応じて決まる所定値(第1スローダウン処理の場合は「20」、第2スローダウン処理の場合は「8」)がセットされるとともに、スローダウン処理の開始タイミングを規定する残図柄カウンタ84mの値が、スローダウン処理の開始タイミングを規定する所定値になると、停止させようとするリールに対応するステッピングモータ79に対してモータスローダウン用の励磁データがそれぞれ供給されることでそれぞれのロータ790がスローダウンする。
そして、次のタイマ割込み時間になると、再び停止制御処理がコールされる。このときの処理を次に説明する。
この場合には、第1スローダウン処理または第2スローダウン処理の開始直後なので、残り図柄ステップ数(残図柄カウンタ84m)の値が「0」ではない。
よって、ステップ2101を経て、最終的にステップ2111の処理に移行する。
スローダウン処理開始直後の減速ウエイトタイマの値は、前記したように「1」であるから(ステップ1211)、このときは減速ウエイトタイマの値を1だけ減算する減算処理(ステップ1212)を実行して、タイマ割込処理(図13)にリターンする。
その結果、減速カウンタ84nや励磁順ポインタ84hの値は、前のタイマ割込み時と同じ値で保持される。つまり、同じ励磁相(この例では1相励磁)によるモータ減速処理が継続される。
そして、その次のタイマ割込み処理では、減速ウエイトタイマ84pの値が「0」であるので、ステップ2111からステップ2113の処理に移行し、このステップ2113において、減速カウンタ84nの値が「1」減算処理される。
よって、第1スローダウン処理の場合には、減速カウンタ84nの値が「18」になり、第2スローダウン処理の場合には、減速カウンタ84nの値が「6」になる。
そして、減算後の減速カウンタ84nの値「18」、「6」に対応した励磁時間(それぞれ1割り込み)が、図33、図34の減速テーブルから取得され、取得されたこの励磁時間の値(=1)が減速ウエイトタイマ84pにセットされる(ステップ2114)。
同時に、励磁順ポインタ(図8参照)の値がインクリメントされて「6」となり(ステップ2115)、この励磁順ポインタの値「6」に対応した励磁データ「02H」(1相励磁)が、出力励磁データとしてRAM84に格納される(ステップ1216)。
そして、ステップ2117において、残図柄カウンタ84mの値が「1」減算処理される。
このように減速カウンタ84nを順次減算処理しながら、励磁順ポインタ84hによって指定された励磁データを順次読み出し、さらに励磁時間を徐々に長くすることで、スローダウン処理が実行される。
そして、減速カウンタ84nの値が最終的に「0(ゼロ)」となと、これと同時に残図柄カウンタ84mの値も「0」になる。
そうすると、前記したステップ2101の処理を経て、ステップ2102の全相励磁処理が実行されて、リール61が完全に停止することになる。
すなわち、第1スローダウン処理では、20ステップ+全相励磁の1ステップによりリールが停止するので、スローダウンした後にリールが停止するまでに、32.29msec(21×1.49msec)を要することになる。
また、第2スローダウン処理では、8ステップ+全相励磁の1ステップによりリールが停止するので、スローダウンした後にリールが停止するまでに、13.41msec(9×1.49msec)を要することになる。
以上の通り、第1の実施形態のスロットマシン10では、スタートレバー45の操作により、外周に周方向に沿って複数の図柄が描かれたリール(周回体)61(61L、61M、61R)を、ステッピングモータ79で回転駆動させたのち、ストップボタン46〜48の操作により、回転しているリール61の停止指令が出力されると、リール61の停止時に有効ライン上の所定位置に表示させる停止図柄が決定され、さらに、決定された停止予定図柄と、有効ライン上の所定位置との関係に基づいて、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行ったのちにリール61を停止させる第1の停止条件と、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行わずにリール61停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかが選択され、選択された停止条件でリール61を停止させるスロットマシン10において、第1の停止条件でリールを停止させた際に停止図柄を有効ライン上の所定位置に停止表示させることが可能である場合には、第1の停止条件を選択する構成とした。
このように構成すると、ストップボタンが操作された際の停止図柄の位置が、リール61を減速させたのちに停止させても有効ライン上の所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件によりリール61を停止させることで、リール61を減速させずにロックさせて停止させる第2の停止条件の場合よりも、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
ステッピングモータ79は、多相ステッピングモータであり、第2の停止条件では、全相に励磁をかけてリール61を停止させ、第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定してリール61を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけてリール61を停止させる構成とした。
このように構成すると、第1の停止条件でリールを停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
ここで、全相励磁により周回体を停止させる場合に、周回体の停止位置のズレを考慮して、停止予定図柄が所定の停止位置に達する直前、例えばステッピングモータにより回転する周回体の最小回転単位である1ステップ以上前に全相励磁をかけて、周回体を停止させるようにした遊技機がある。例えば1ステップ前に全相励磁をかける遊技機の場合には、この1ステップ前の位置が「所定位置」に相当する。
第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行する構成とした。
このように構成すると、ステッピングモータ79の1ステップあたりのリール61の回転角度が小さいので、リール61の回転を滑らかに見せることができる。
停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係は、停止図柄を所定位置までステッピングモータ79で移動させるのに要する時間である構成とした。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、リール61の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなくリール61を減速させたのちに停止させることができ、リール61とステッピングモータ79にかかる負荷を低減させることができる。
停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係は、停止図柄を所定位置までステッピングモータ79で移動させるのに要するステップ数である構成とした。
このように構成すると、リール61の最小回転単位であるステップ数に基づいて、リール61を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、リール61とステッピングモータ79にかかる負荷を低減させることができる。
第1の停止条件では、励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す減速カウンタ(識別番号)と関連づけられた減速テーブル(減速パターン)に基づいて、リール61の減速が実行され、減速カウンタの順番に従って、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、リール61を減速させる構成とした。
このように構成すると、リール61をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、リール61やステッピングモータ79にかかる負荷を低減できる。
第1の停止条件には、リール61の減速時間が異なる複数の減速テーブル(第1減速テーブル、第2減速テーブル)が用意されており、停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係に基づいて選択されたひとつの減速テーブル(第1減速テーブルまたは第2減速テーブル)に従って、リール61を減速させたのちに停止させる構成とした。
このように構成すると、停止図柄と有効ライン上の所定位置との関係に応じて決まる最適の減速テーブルが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、リールやステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
リール停止処理の第2の実施形態を、図35を参照して説明する。
第2の実施形態にかかるリール停止処理では、ストップボタンを操作した時点で有効ライン上に位置していた図柄から、停止予定図柄までの図柄数に基づいて、スローダウン処理の実行の可否を決定する。
この第3の実施形態にかかるリール停止処理もまた、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
始めに、ステップ2201において、停止処理を実行するリール61を特定する。
実施の形態では、何れかのストップボタン46〜48が操作されると、操作されたストップボタンのフラグがセットされる。よって、セットされているフラグに対応するリール61が、停止処理を実行するリールであると特定される。
ステップ2201において停止処理を実行するリールが特定されると、ステップ2202において、ストップボタン46が操作された時点におけるリール61の回転位置を特定する。
具体的には、RAM84に記憶された図柄番号84jと図柄オフセット値84iの値に基づいて、リール61の回転位置を特定できる。
ステップ2203において、リールの停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置を特定する。
ここで、リールの停止時に表示される図柄は、通常遊技処理の抽選処理(図16、ステップ503)における抽選において何れかの役(入賞役、小役)に当選している場合には、当選している役に応じて決まる図柄となるので、当選している役に応じて決まる図柄の位置が特定される。
ステップ2204において、ストップボタン46が操作された時点から、停止予定予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるのに必要なスベリ数を特定する。
ここで、例えば左リールの有効ラインに停止させる図柄(停止予定図柄)が「ベル」である役に入賞している場合について説明する。
実施の形態では、図37のスベリテーブルに基づいて、スベリ数を特定している。
このスベリテーブルでは、停止予定図柄毎に、ストップボタン46を押下操作したときに有効ライン上に位置していた図柄から何図柄分すべらせると、リールが停止した時点で有効ライン上に停止予定図柄を停止させることができるのかが判るようになっている。
例えば、図36のスベリテーブルでは、停止予定図柄が「ベル」である場合であって、ストップボタンが操作された時点において下段の有効ラインc(図1参照)上に位置していた図柄から、図柄「ベル」を有効ラインc上に停止させるのに必要なスベリ数が判るようになっている。
例えば、図10において図柄番号3の「チェリー」が下段の有効ラインc上に位置しているときに左リールのストップボタンが操作されると、2図柄分滑らせてリールを停止させることで、図柄番号5の「ベル」を有効ライン上に停止表示できるようになっている。
図35に戻って、ステップ2204において、スベリ数が特定されると、ステップ2205において、スベリ数が1または2であるか否かを確認され、スベリ数が「1」または「2」である場合には、ステップ2206において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタの値に「8」がセットされる。
ステップ2205において、スベリ数が「1」または「2」でない場合は、ステップ2207において、スベリ数が「3」または「4」であるか否かが確認され、スベリ数が「3」または「4」である場合には、ステップ2208において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタの値に「20」がセットされる。
なお、ステップ2207においてスベリ数が「3」または「4」でない場合、ステップ2204において特定されたスベリ数が「0」ということになる。よって、この場合には、ステップ2209において、全相励磁停止設定処理が実行される。すなわち、リール61は、減速(スローダウン)が行われることなく停止されることになる。
このように、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数に基づいて、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行ったのちにリール61を停止させる第1の停止条件と、停止図柄が所定位置に達するまでにリール61の減速(スローダウン)を行わずにリール61停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する構成とし、図柄のスベリ数は、リール61の図柄毎の停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して行われるようにしたので、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減とデータの削減が可能になる。
リール停止処理の第3の実施形態を説明する。
第1の実施の形態では、リール61の減速(スローダウン)を行う場合には、停止予定図柄までのステップ数(残り図柄ステップ数)に応じて、第1減速テーブルに基づいてリールの減速処理を実行する第1スローダウン処理と、第2減速テーブルに基づいてリールの減速処理を実行する第2スローダウン処理の何れかを選択する構成とし、2つの減速テーブル(第1減速テーブルと第2減速テーブル)を用意していた。
第3の実施形態では、第1減速テーブルのみを用いて、減速テーブルからの励磁時間の読み出し方法を、第1スローダウン処理の場合と第2スローダウン処理の場合とで、変更することで、異なる減速時間を実現させている。
図37は、第3の実施形態におけるリール停止処理のフローチャートである。
この第3の実施形態にかかるリール停止処理もまた、リール制御処理(図18)のステップ703において、何れかのストップボタン46〜48が操作されたことが、ストップ操作検出センサ46a〜48a(図11参照)の出力信号から検出された場合に実行される。
このリール停止処理では、第1の実施形態のリール停止処理(図30)の場合と同様に、停止処理を実行するリール61の特定(ステップ2301)、ストップボタン46が操作された時点におけるリール61の回転位置の特定(ステップ2302)、リール61の停止時に表示させる図柄として決定された図柄(停止予定図柄)の位置の特定(ステップ2303)、停止予定予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでに要するステップ数(Nstep)の特定(ステップ2304)が実行される。
そして、ステップ2305において、停止予定図柄までのステップ数Nstepが、21<Nstep≦91であるか否かを確認し、この範囲内である場合には、ステップ2006において、第2スローダウン設定処理が実行される。
この第2スローダウン設定処理では、第2スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタ84nの値に「20」、減算数84qの値に「4」がセットされる。
一方、21<Nstep≦91でない場合、ステップ2007において、停止予定図柄までのステップ数が91<Nstep≦117であるか否かを確認し、この範囲内である場合には、ステップ2308において、第1スローダウン設定処理が実行される。
この第1スローダウン設定処理では、第1スローダウンフラグがセットされたのち、減速カウンタの値に「20」、減算数84qの値に「1」がセットされる。
なお、ステップ2009において91<Nstep≦117でない場合には、ステップ2011において、全相励磁停止設定処理が実行される。
このように、第1スローダウンフラグまたは第2スローダウンフラグのセットと、減速カウンタの値のセットが実行されると、停止制御処理(図31、図32)が実行される。
第3の実施形態では、図32のステップ2112の処理のみが、前記した第1の実施形態の場合と異なっている。
具体的には、ステップ2112において減速カウンタ84n値を減算する際に、第1の実施形態では、常に「1」ずつ減算していたが、第3の実施形態では、減算数84qにセットされている値ずつ減算される。
よって、減速時間が第1スローダウン処理よりも短い第2スローダウン処理の場合には、減算数84qの値が「4」にセットされているので、減速カウンタ84nの値は、タイマ割込処理のたびに、「20」→「16」→「12」→「8」→「4」→「0」という順序で減算される。
よって、ステップ2113からステップ2115の処理では、この減速カウンタ84nの値に対応する順番で、励磁相および励磁時間の設定と、励磁順ポインタ84hの変更が順次行われ、合計5ステップでリール61の回転が停止することになる。
このように、第1スローダウン処理では、励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す減速カウンタ84n(識別番号)と関連づけられた第1減速テーブル(図33)に基づいて、リール61の減速が実行される構成とし、さらに、停止図柄と所定位置との関係に基づいて、第1スローダウン処理と、第1スローダウン処理よりも減速時間が短い第2スローダウン処理の場合のいずれにより、リール61の減速を実行するのかが決定され、第2スローダウン処理によりリール61を減速させる場合には、第1のスローダウン処理で使用する減速カウンタ84nの値を決定し、決定された減速カウンタ84nの順番に従って、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、リールを減速させる構成とした。
このように構成すると、停止図柄と所定位置との関係ごとに、複数の減速パターンを用意する必要なしに、リールをスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、リールやステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
以上、実施の形態では、リール61(61L、61M、61R)の回転位置を検出するためのセンサカットバンが、リール61(61L、61M、61R)の各々に2つ(第1センサカットバン76と第2センサカットバン77)ずつ設けられている場合を例示したが、センサカットバンの数は、少なくともひとつ以上設けられていれば良い。よって、作製コストや要求される回転位置の検出精度に応じて、センサカットバンの数を1つとすることや、3つ以上としても良い。
さらに、実施の形態では、リールをスローダウンさせる場合に、スローダウン期間の長い第1減速テーブル(図33参照)と、これよりもスローダウン期間の短い第2減速テーブル(図34参照)とを用いて、各励磁方法(1相励磁または2相励磁)の切り換えと、各励磁方法における励磁時間(割込み数)の設定とを実行していたが、これらのテーブルにおいてスローダウン期間における励磁相の切り換え回数を規定する「減速順序」の数と、各励磁方法(1相励磁または2相励磁)における「励磁時間(割込み数)」は、スローダウン期間の長さやリールのスローダウン方法に応じて適宜変更可能である。
また、リールをスローダウンさせる際に使用される減速テーブルの数も、実施の形態の態様に限定されるものではなく、例えば減速テーブルの数をひとつにすることや、3つ以上にすることも可能である。
よって、例えば図38の(a)、(b)に示すように、「減速順序」の数が同じで、各切り換え順序における「励磁時間(割込み数)」が異なる減速テーブル、すなわちリールをスローダウンさせるときの減速度が異なる減速テーブル(第3減速テーブル、第4減速テーブル)を用意し、停止図柄と所定位置との関係に基づいて、何れかの減速テーブルを選択して、リールをスローダウンさせるようにしても良い。
また、実施の形態では、リールのスローダウン制御をメイン制御基板80側で行うように設定したが、サブ制御基板90側で行うようにしても良い。
このようにすると、サブ制御基板90が液晶ディスプレイ15に表示される演出表示を制御する場合には、演出表示に連動させてリールのスローダウン制御を実行できるようになるので、リールへの負荷を低減させつつ、遊技における演出効果を高めることができるようになる。
さらに、実施の形態では、最終的に全相励磁を行ってリールを完全に停止させる場合を例示したが、1相励磁または2相励磁における励磁時間を長くすることで、リールを完全に停止させるようにしても良い。
スローダウン制御を実行すると、徐々にリールの回転速度が低下するので、1相励磁または2相励磁における励磁時間を長くすることでリールを停止させても、定速で回転しているリールを全相励磁で停止させる場合に比べて、脱調や回転の不安定性が生じる可能性が低いからである。
また、実施の形態では、ストップボタン46〜48が操作されて停止指令があったとき(図18、ステップ703)に、リール停止処理(ステップ706)において、リールをスローダウンさせながら停止させるのかを決定するようにしたが、停止指令があったのち所定時間経過後に、リールをスローダウンさせながら停止させるのかを決定するようにしても良い。
例えば、停止予定図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数が「20」になったときに、リールをスローダウンさせながら停止させるのかを決定するようにしても良い。
さらに、実施の形態では、遊技機がスロットマシンである場合を例に挙げて説明をした。
本発明は、スロットマシンとは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機、いわゆるパチンコ機などに適応しても良い。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球などの遊技機として実施するようにしても良い。
また、弾球式でない遊技機、例えば外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留および取り込み装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技玉が取り込み装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機、いわゆるパロットとして実施するようにしても良い。
以下、上記の実施形態および変形例から抽出される発明の特長を、必要に応じて効果などと共に記載する。
本発明は、
(1)複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と、
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、
前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件と、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行わずに前記周回体を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記停止条件選択手段は、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件を選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された停止条件で前記周回体を停止させることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、停止ボタンが操作された際の停止図柄の位置が、周回体を減速させながら停止させても所定位置に到達可能な位置である場合には、第1の停止条件で周回体を停止させることで、周回体を減速させずに停止させる第2の停止条件の場合よりも、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(2)前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記第2の停止条件では、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させ、
前記第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定して前記周回体を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
このように構成すると、第1の停止条件で周回体を停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
ここで、全相励磁により周回体を停止させる場合に、周回体の停止位置のズレを考慮して、停止予定図柄が所定の停止位置に達する直前、例えばステッピングモータにより回転する周回体の最小回転単位である1ステップ前に全相励磁をかけて、周回体を停止させるようにした遊技機がある。このような遊技機の場合には、この1ステップ前の位置が、請求項における文言「所定位置」に相当する。
(3)前記第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行する
ことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
このように構成すると、1ステップあたりの周回体の回転角度が小さいので、周回体の回転を滑らかに見せることができる。
(4)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する時間であることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の遊技機
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、周回体の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなく周回体を減速させたのちに停止させることができ、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(5)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数であることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(6)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数であり、
前記図柄のスベリ数は、前記周回体の図柄毎の前記停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して特定されることを特徴とする(1)から(3)何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減と
データの削減が可能になる。
(7)前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記モータ制御手段は、前記識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(1)から(6)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(8)前記第1の停止条件では、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられた減速パターンに基づいて、前記周回体の減速が実行され、
前記停止条件選択手段は、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、前記減速パターンに設定された複数の識別番号の中から、前記第1の停止条件で使用する識別番号を決定し、
前記モータ制御手段は、決定された識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(1)から(6)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄と所定位置との関係ごとに、複数の減速パターンを用意する必要なしに、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(9)前記第1の停止条件には、前記周回体の減速時間が異なる複数の減速パターンが用意されており、
前記停止条件選択手段は、前記第1の停止条件の前記複数の減速パターンの中から、前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいてひとつの減速パターンを選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された減速パターンで前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする(1)から(6)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、前記停止図柄と前記所定位置との関係に応じたひとつの減速パターンが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
本発明は、
(10)外周に複数の図柄が描かれた周回体と、
前記周回体を回転駆動させるモータと、
前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と
前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
前記停止図柄と前記所定位置との関係に応じて、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件を選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
前記第1の停止条件には、前記周回体の減速時間と減速度のうちの少なくとも一方が異なる複数の減速パターンが用意されており、
前記停止条件選択手段は、
前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件の前記複数の減速パターンの中から、前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいてひとつの減速パターンを選択し、
前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された減速パターンで前記周回体を減速させたのちに停止させることを特徴とする遊技機。
このように構成すると、前記停止図柄と前記所定位置との位置関係に応じたひとつの減速パターンが選択されるので、決定された停止図柄を可能な限り所定位置に停止表示させつつ、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(11)前記モータは、多相ステッピングモータであり、
前記第1の停止条件では、励磁相を順次切り換えながら、切り換え後の励磁相の励磁時間を切り換え前の励磁相の励磁時間以上の長さに設定して前記周回体を段階的に減速させたのち、全相に励磁をかけて前記周回体を停止させることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
このように構成すると、第1の停止条件で周回体を停止させる場合には、徐々に減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
ここで、全相励磁により周回体を停止させる場合に、周回体の停止位置のズレを考慮して、停止予定図柄が所定の停止位置に達する直前、例えばステッピングモータにより回転する周回体の最小回転単位である1ステップ前に全相励磁をかけて、周回体を停止させるようにした遊技機がある。このような遊技機の場合には、この1ステップ前の位置が、請求項における文言「所定位置」に相当する。
(12)前記第1の停止条件では、1−2相励磁方式で励磁相の切り換えを順次実行することを特徴とする(11)に記載の遊技機。
このように構成すると、1ステップあたりの周回体の回転角度が小さいので、周回体の回転を滑らかに見せることができる。
(13)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する時間であることを特徴とする(10)から(12)の何れか一項に記載の遊技機
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要する時間を、周回体の停止までの挙動に遊技者が違和感を与えることのない時間内に抑えることで、遊技者に違和感を与えることなく周回体を減速させたのちに停止させることができ、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(14)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要するステップ数であることを特徴とする(10)から(12)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体の最小回転単位であるステップ数に基づいて、周回体を減速させながら停止させる第1の停止条件を選択するか否かが判断されるので、可能な限り第1の停止条件を選択して、周回体とステッピングモータにかかる負荷を低減させることができる。
(15)前記停止図柄と前記所定位置との関係は、
前記停止図柄を前記所定位置まで移動させるのに要する図柄のスベリ数であり、
前記図柄のスベリ数は、前記周回体の図柄毎の前記停止図柄までのスベリ数を纏めたスベリテーブルを参照して特定されることを特徴とする(10)から(12)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、停止図柄を所定位置まで移動させるのに要するステップ数や時間を算出する必要がなく、スベリテーブルを参照するだけで良いので、処理負担の軽減と
データの削減が可能になる。
(16)前記減速パターンでは、
励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す識別番号と関連づけられており、
前記モータ制御手段は、前記識別番号の順番に従って、前記励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させることを特徴とする(10)から(15)の何れか一項に記載の遊技機。
このように構成すると、周回体をスムーズに減速させたのちに完全に停止させることができるので、周回体やステッピングモータにかかる負荷を低減できる。
(17)上記の(1)から(16)の何れかの遊技機において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機。
なかでも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて、球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が背負え知事看護に確定停止されるものがあげられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータなども含む)が付与されるものがあげられる。
(18)上記の(1)から(16)の何れかの遊技機において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
なかでも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に、識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体は、メダル、メダルなどが代表例として挙げられる。
(29)上記の(1)から(16)の何れかの遊技機において、前記遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
なかでも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に、識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、を備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 スロットマシン
11 筐体本体
11a 天板
11b 底板
11c 背板
11d 左側板
11e 右側板
11f 仕切板
12 前面扉
13 上部ランプ
14 スピーカ
15 液晶ディスプレイ
16 下段プレート
17 メダル排出口
18 皿
20 施錠機構
24 直流安定
30 表示パネル
31(30L、30M、30R) 表示窓
32 ベットランプ
33 ベットランプ
34 ベットランプ
35 クレジット枚数表示部
36 ゲーム数表示部
37 獲得枚数表示部
40 操作部
40a 平面部
40b 縦壁部
41 1枚ベットボタン
42 2枚ベットボタン
43 マックスベットボタン
41a〜43a ベット操作検出センサ
44 クレジット精算ボタン
44a 切換操作検出センサ
45 スタートレバー
45a レバー操作検出センサ
46 ストップボタン
47 ストップボタン
48 ストップボタン
46a〜48a ストップ操作検出センサ
49 返却ボタン
50 メダル投入口
50a 投入メダル検出センサ
51 制御基板収容ボックス
52 ホッパ装置
52a メダル払出検出センサ
53 貯留タンク
54 誘導プレート
55 払出装置
56 電源装置
56a 電源部
56b 停電監視回路
57 メダル収容箱
60 リールユニット
61 リール
61L 左リール
61M 中リール
61R 右リール
65 セレクタ
66 貯留用通路
67 排出用通路
68 開口
70 円筒骨格部材
71 ボス部
72 ボス補強板
73 モータプレート
75 リールインデックスセンサ
75a 発光素子
75b 受光素子
76 第1センサカットバン
76a 先端部
76b 基端部
76e 終端部(基点位置)
76s 始端部(基点位置)
77 第2センサカットバン
77a 先端部
77e 終端部(基点位置)
77s 始端部(基点位置)
79 ステッピングモータ
80 メイン制御基板
81 MPU
82 入出力ポート
83 ROM
83a 励磁テーブル
84 RAM
84a チェックサム補正値用メモリ領域
84b スタックポインタ保存用メモリ領域
84c スベリテーブル
84d 払出予定枚数カウンタ
84e 払出枚数カウンタ
84f ウエイトタイマ
84g 加速カウンタ
84h 励磁順ポインタ
84i 図柄オフセット値
84j 図柄番号
84k 計時カウンタ
84m 残図柄カウンタ
84n 減速カウンタ
84p 減速ウエイトタイマ
84q 減算数
85 クロック回路
90 サブ制御基板
91 外部集中端子板
100 モータドライバ
122 設定キースイッチ
123 リセットスイッチ
123a リセット操作検出センサ
124 設定キー挿入孔
124a 設定キー操作検出センサ
790 ロータ
791 手前側ロータ
792 奥側ロータ
793 第1ポール
794 第2ポール
795 第3ポール
796 第4ポール
L0〜L3 励磁コイル
Ta 加速期間
Tb 定速期間
Tc 停止期間

Claims (1)

  1. 複数の図柄が描かれた周回体と、
    前記周回体を回転駆動させるモータと、
    前記モータを制御して、前記周回体の回転/停止を制御するモータ制御手段と、
    遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    停止ボタンが操作されると、回転している周回体の停止指令を出力する停止指示手段と、
    前記停止指令が出力されると、前記周回体の停止時に所定位置に表示させる停止図柄を決定する停止図柄決定手段と、を備え、
    前記モータ制御手段が、前記停止指令の出力から所定時間内に前記周回体を停止させて、前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させる遊技機において、
    前記停止図柄と前記所定位置との関係に基づいて、
    前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行ったのちに前記周回体を停止させる第1の停止条件と、前記停止図柄が前記所定位置に達するまでに前記周回体の減速を行わずに前記周回体を停止させる第2の停止条件と、のうちの何れかを選択する停止条件選択手段を、さらに備え、
    前記停止条件選択手段は、遊技における入賞の有無に関係なく、
    前記第1の停止条件で前記周回体を停止させた際に前記停止図柄を前記所定位置に停止表示させることが可能である場合には、前記第1の停止条件を選択し、
    前記モータ制御手段は、前記停止条件選択手段で選択された停止条件で前記周回体を停止させる構成とし、
    前記モータは、多相ステッピングモータであり、
    前記第1の停止条件では、前記モータ制御手段が、励磁をかける励磁相と励磁時間とが励磁相の切り換え順を示す減速カウンタと関連づけられたひとつの減速テーブルに基づいて、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速させる構成とし、
    第1の停止条件には、第1のスローダウン処理と、第1のスローダウン処理よりも減速時間が短い第2スローダウン処理とがあり、
    第1のスローダウン処理では、前記減速テーブルに規定された前記減速カウンタの順番で、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速し、
    前記第2のスローダウン処理では、前記減速テーブルに規定された前記減速カウンタの順番を任意の整数ずつ飛ばした順番で、励磁をかける励磁相と励磁時間を順次変更しながら、前記周回体を減速することを特徴とする遊技機。
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