JP2012084111A - 無線通信システム、無線通信方法、無線機器およびデータ送信機 - Google Patents

無線通信システム、無線通信方法、無線機器およびデータ送信機 Download PDF

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Abstract

【課題】無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することが可能な無線通信システムを提供することである。
【解決手段】本発明にかかる無線通信システムは、第1のデータを第1の電波12、13を用いて送信する第1の無線機器1と、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調することで生成された第2の電波14を出力するデータ送信機3と、第1の電波12および第2の電波14を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータとを分離し復調する分離復調回路24を備える第2の無線機器2と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は無線通信システムおよび無線通信方法に関し、特に無線ネットワーク環境にRFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用したシステムを導入することが可能な無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
近年、RFIDを利用したシステムが注目されており、様々な用途に適用され始めている。RFIDを使用したシステムの基本構成は、RFID用の無線タグと無線を介してデータ通信をするRFIDリーダ・ライタと、このRFIDリーダ・ライタを制御するコンピュータ端末とを含んで構成されている。RFIDリーダ・ライタは、無線タグに記憶されたデータに対して、読み出しまたは書き込みを行うことができる(非特許文献1参照)。
RFID用の無線タグは、RFIDリーダ・ライタとの間でデータの送受信を行う際に、電源電圧を無線の電波を用いて生成するため電池を搭載しない。このような無線タグは一般に"パッシブ型"と呼ばれる。具体的には、RFID用の無線タグはRFIDリーダ・ライタから供給された電波(搬送波の一部)を全波整流器で交流から直流に整流する。そして、内部電圧制御回路やブースタ回路を用いて回路電源として好適な電圧に昇降圧した後、この電力を電流モード復調器やロジックなど内部回路の電源として供給する。この場合、RFID用の無線タグにおける交流から直流への変換効率は、全波整流器の中に含まれるPMOS/NMOS整流ダイオードの素子サイズの最適化や、整流ダイオードに入力される前の寄生容量等による損失、およびアンテナと整流入力部のミスマッチによる損失を抑えることで高めることができる。
また、特許文献1には室内侵入者検知装置に関する技術が開示されている。特許文献1に開示されている室内侵入者検知装置は、送信装置と、受信装置と、警報装置と、を備える。送信装置は、所定搬送周波数の無変調波信号を送信する。受信装置は、当該送信装置から出力された信号を受信する受信部と、当該受信した信号を検波する検波部と、当該検波して得た信号のレベルが所定範囲を超えるときには検出信号を出力するレベル変動検出部とを備える。警報装置は、当該受信装置のレベル変動検出部から出力された検出信号に基づき警報を発する。特許文献1に開示されている室内侵入者検知装置は、送信装置から出力された電波の受信電界変動や復調した信号の符号誤り率の変動から室内への侵入者を検知している。
特開平7−141577号公報
国際固体回路会議2006予稿集 講演番号17.2
背景技術で説明したように、RFID用の無線タグ(以下、データ送信機ともいう)が保持するデータを読み出すためには、専用のRFIDリーダ・ライタが必要となる。よって、例えば、無線ネットワーク(WLAN)環境下において、RFID用の無線タグが保持するデータを読み出すためには、無線ネットワークと有線または無線で接続された専用のRFIDリーダ・ライタが必要となる。このため、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入するにはコストがかかるという問題があった。
本発明にかかる無線通信システムは、第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器と、送信対象である第2のデータに応じて前記第1の電波を変調することで生成された第2の電波を出力するデータ送信機と、前記第1の電波および前記第2の電波を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータと前記データ送信機から送信された前記第2のデータとを分離し復調する分離復調回路を備える第2の無線機器と、を有する。
本発明にかかる無線通信方法は、第1のデータを送信する第1の無線機器と当該第1のデータを受信する第2の無線機器とを備える無線ネットワークにデータ送信機を用いて第2のデータを送信する無線通信方法であって、第1の無線機器から前記第1のデータを第1の電波を用いて送信し、前記データ送信機において前記第2のデータに応じて前記第1の電波を変調して第2の電波を生成すると共に、当該第2の電波を出力し、前記第2の無線機器において前記第1の電波および前記第2の電波を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータと前記データ送信機から送信された前記第2のデータとを分離し復調する。
本発明にかかる無線通信システムおよび無線通信方法では、データ送信機が、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波を変調し第2の電波として出力している。ここで、変調された第2の電波は第1の電波に対する外乱として働く。そして、第2の無線機器において、第1の電波に対する外乱の有無を用いて第1の無線機器から送信された第1のデータとデータ送信機から送信された第2のデータを分離し、第1および第2のデータを復調している。これにより、データ送信機が保持するデータを読み出すために、専用のRFIDリーダ・ライタを設ける必要がないため、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することができる。
また、本発明にかかるデータ送信機は、送信対象であるデータを取得するためのセンサと、前記送信対象であるデータに応じて無線ネットワークで用いられている第1の電波を変調することで当該第1の電波に外乱を与える第2の電波を生成する変調回路と、を備える。
また、本発明にかかる無線機器は、第1のデータを含む第1の電波と、第2のデータに応じて前記第1の電波を変調することで生成され、前記第1の電波に外乱を与える第2の電波と、を受信すると共に、前記第1の電波のビット誤り率に基づき、前記受信した電波に含まれている前記第1のデータと前記第2のデータとを分離し復調する分離復調回路、を備える。
本発明により、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することが可能な無線通信システムおよび無線通信方法を提供することができる。
実施の形態1にかかる無線通信システムを示すブロック図である。 実施の形態1にかかる第2の無線機器が受信する電波のビット誤り率を説明するための図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムの他の例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムが備える第2の無線機器の他の例を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。 実施の形態2にかかる無線通信システムに用いられる第2の無線機器を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる無線通信システムの動作を説明するためのフローチャートである。 有限インパルス応答フィルタによるノイズ除去を説明するための図である。 無線通信システムの搬送波周波数とデータレートとの関係を示す図である。 実施の形態3にかかる無線通信システムの動作を説明するためのフローチャートである。 (a)実施の形態4にかかる無線通信システムを示すブロック図である。(b)複数のデータ送信機のそれぞれが第1の電波に与える外乱の一例を示す図である。 M系列PN符号を用いた場合のSN比を示す図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムにおける問題を説明するための図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムにおける問題を説明するための図である。 実施の形態5にかかる無線通信システムを示すブロック図である。 (a)は、実施の形態5にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機の詳細を示すブロック図である。(b)は、(a)に示したデータ送信機の具体的な回路の一例を示す図である。 実施の形態5にかかる無線通信システムにおいて、式2の条件を満たす場合を説明するための図である。 (a)は、実施の形態6にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機を示すブロック図である。(b)は、(a)に示したデータ送信機の具体的な回路の一例を示す図である。 (a)は、実施の形態7にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機を示すブロック図である。(b)は、(a)に示したデータ送信機の具体的な回路の一例を示す図である。 (a)は、実施の形態8にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機を示すブロック図である。(b)は、(a)に示したデータ送信機の具体的な回路の一例を示す図である。 (a)は、データ送信機を粘着部材に取り付けた場合を説明するための図である。(b)は、データ送信機を粘着部材に取り付けた場合を説明するための断面図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は実施の形態1にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態にかかる無線通信システムは、第1の無線機器1と、第2の無線機器2と、データ送信機(RFID用の無線タグに対応する)3と、を備える。第1の無線機器1は、第1のデータを第1の電波12、13を用いて送信する。データ送信機3は、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調して第2の電波14を生成し出力する。第2の無線機器2は、第1の電波12および第2の電波14を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータとを分離し復調する分離復調回路24を備える。本実施の形態にかかる無線通信システムの特徴は、従来技術ではノイズとして除去されていたRFID等のデータ送信機3からの外乱が、第2の無線機器2の分離復調回路24において分離され、データとして取り出すことができる点である。以下、本実施の形態にかかる無線通信システムを構成する各要素について詳細に説明する。
第1の無線機器1は、第2の無線機器2との無線通信を実現するための内部回路(不図示)とアンテナ11とを備え、第1のデータを第1の電波12、13を用いて送信する。ここで、第1の電波12は第2の無線機器2に直接送信される直接波である。また、第1の電波13はデータ送信機に対して送信される。
第2の無線機器2は、第1の無線機器1との無線通信を実現するための内部回路(不図示)とアンテナ23とを備える。また、第2の無線機器2が備える分離復調回路24は、受信した第1および第2の電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータとを分離する。更に、分離復調回路24は、第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータをそれぞれ復調する。
ここで、第1の無線機器1と第2の無線機器2は、無線ネットワーク(WLAN)を構成しており、例えば第1の無線機器1はWLAN基地局(WLAN親機)であり、第2の無線機器2はWLAN受信機(WLAN子機)とすることができる。また、例えば第1の無線機器1と第2の無線機器2は双方向の通信ができるように構成されている。なお、本実施の形態では第1の無線機器1と第2の無線機器2との間の通常のデータ通信は、第1の無線機器1と第2の無線機器2がそれぞれ備える内部回路を用いて実施される。第1の無線機器1と第2の無線機器2の通常のデータ通信については、従来の技術と同様であるので詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態にかかる無線通信システムはWLANに限定されるものではなく、WLAN以外にもBluetooth(登録商標)や携帯電話などの既存の無線規格の機器に対しても広く適用することができる。
データ送信機3は、アンテナ31と、変調回路32と、センサ33とを備える。データ送信機3は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31で受信し、変調回路32を用いて送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調して第2の電波14を生成し出力する。ここで、データ送信機3が送信する第2のデータは、例えばセンサ33を用いて収集されたデータである。センサ33は、例えば人の体温を測定する温度センサ、人の血圧を測定する圧力センサ等である。例えば、温度センサ内蔵のデータ送信機を被測定対象に貼り付け、被測定対象の温度情報を無線送信し無線ネットワークで受信することで、被測定対象の温度を逐次チェックすることができる。
なお、センサ33は温度センサ、圧力センサに限定されることはなく、所定のデータを取得できるセンサであればどのようなセンサであってもよい。また、データ送信機3が送信する第2のデータは、データ送信機3が予め備えるデータであってもよく、この場合、データ送信機3はセンサ33を備えていない構成であってもよい。
変調回路32は、例えば、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を負荷変調することで第2の電波14を生成することができる。また、データ送信機3は、図3に示す本実施の形態にかかる無線通信システムの他の例のように、電力生成回路34を備えていてもよい。すなわち、図3に示すデータ送信機30が備える電力生成回路34は、アンテナ31を用いて第1の電波(環境電波)13を受信し、この第1の電波(環境電波)13を全波整流器で交流から直流に整流する。そして、内部電圧制御回路やブースタ回路を用いて回路電源として好適な電圧に昇降圧した後、この電力を変調回路32やセンサ33等に供給することができる。この場合、データ送信機30は電池を搭載する必要はなく、いわゆるパッシブ型のデータ送信機を構成する。一方、データ送信機3は電池を内蔵していてもよく、この場合はいわゆるアクティブ型のデータ送信機を構成する。なお、アクティブ型の場合はデータ送信機3が送信する第2のデータとして電池の残量を含めてもよい。
次に、本実施の形態にかかる無線通信システムの動作について説明する。
第1の無線機器1と第2の無線機器2は無線ネットワーク(WLAN)を構成している。このとき、第1の無線機器1と第2の無線機器2は規格に準拠した変調要素を備える第1の電波12を用いて通信ができるように構成されている。
図2は、第2の無線機器2が受信する電波(第1の電波12と第2の電波14)のビット誤り率を説明するための図である。データ送信機3からのデータ送信がない場合は、第1の電波12はデータ送信機3から送信された第2の電波14の影響を受けない。つまりこの場合は、データ送信機3から送信された第2の電波14が第1の電波12に対する外乱として働かないため、図2に示すようにビット誤り率は上昇しない。よって、第1の無線機器1と第2の無線機器2は、図2に示す低いビット誤り率71で通信することができる。そして、第2の無線機器2は第1の電波12をアンテナ23で受信し、分離復調回路24は第1の無線機器1から送信された第1のデータを復調する。
次に、データ送信機3がデータを送信する場合について説明する。この場合は、まずデータ送信機3は第1の無線機器1から出力された第1の電波13を受信する。また、センサ33はセンサ33で取得したデータを変調回路32へ出力する。そして、変調回路32はセンサ33で取得したデータ(送信対象である第2のデータ)に応じて、受信した第1の電波13を負荷変調し、変調後の電波を第2の電波14として出力する(この動作を反射ともいう)。
データ送信機3がデータを送信する場合、図2に示すように第1の電波12はデータ送信機3から送信された第2の電波14の影響を受ける。よって、この場合は、データ送信機3から送信された第2の電波14が第1の電波12に対する外乱として働くため、図2の符号72に示すようにビット誤り率が上昇する。
すなわち、データ送信機3において負荷変調により変調された第2の電波は、第1の無線機器1から送信された電波を撹乱して受信SN比を低下させるため、ビット誤り率を上昇させる。つまり、データ送信機3においてon/offキーイングの負荷変調をかければ、図2に示すようにビット誤り率の時間変動を用いて第2のデータを送信することができる。そして、第2の受信機器2においてこのビット誤り率の時間変動を検出することで、データ送信機3から送信された第2のデータを復調することができる。
なお、この時のビット誤り率72は、第1の無線機器1と第2の無線機器2の通信に悪影響を及ぼさないように、ビット誤り率の無線規格値よりも低い範囲内としている。つまり、ビット誤り率71とビット誤り率72は、共にビット誤り率の無線規格値よりも低い範囲内としている。一般的に、通信環境は常に変化し様々な外乱(反射波)が混入するため、このような外乱に対する通信のロバストネスが保障されるように無線規格が策定される。
第2の無線機器2は第1の電波12および第2の電波14をアンテナ23で受信する。そして、分離復調回路24は、受信したこれらの電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータを分離すると共に、これらのデータを復調して第1の無線機器1からの復調データ25およびデータ送信機3からの復調データ26を生成する。
ここで、第1の無線機器1が送信する第1のデータは、第1の無線機器1と第2の無線機器2の規格に準拠した変調要素を備える第1の電波12(つまり、規格に準拠した搬送波周波数を備える電波)を用いて伝送される。一方、データ送信機3が送信する第2のデータは、第2の無線機器2が受信した電波(第1および第2の電波)におけるビット誤り率の変化(つまりビット誤り率の高低)を用いて伝送される。
この時、第2の無線機器2が受信した電波のビット誤り率の変化の周期(つまりビット誤り率の変調周期)は、規格に準拠した搬送波周波数を備える第1の電波12の変調周期よりも遅い。このため、分離復調回路24を用いて、第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータを分離することができる。
例えば、分離復調回路24はローパスフィルタ(LPF)を有し、当該ローパスフィルタ(LPF)を用いることで、ビット誤り率の変調周期が遅い第2のデータを分離することができる。また、例えば分離復調回路24はバンドパスフィルタ(BPF)を備えていてもよく、この場合もバンドパスフィルタ(BPF)を用いることで、ビット誤り率の変調周期が遅い第2のデータを分離することができる。ここで、バンドパスフィルタ(BPF)は、ローパスフィルタ(LPF)とハイパスフィルタ(HPF)を組み合わせることで構成することができる。このとき、ハイパスフィルタ(HPF)を用いることで、変調周期が第2のデータの変動周期よりも遅い環境電波の変動成分を第2のデータから除去することができる。
なお、分離復調回路24はアナログ信号に対するフィルタ回路でもよく、またA/D変換後のディジタル信号に対するフィルタ回路であってもよい。
図3は、本実施の形態にかかる無線通信システムの他の例を示すブロック図である。図3に示すように、第2の無線機器2のアンテナ23で受信された第1の電波12および第2の電波14は、増幅器27で増幅してもよい。また、図3に示すように、分離復調回路24としてベースバンドフィルタ28を用いてもよい。また、周辺の電波状況に応じて適宜フィルタを追加してもよく、第2の電波14の強い周波数帯域でフィルタ処理を行なってもよい。増幅器27やフィルタ処理により、後段の分離復調回路24(ベースバンドフィルタ28)で分離復調処理ができる程度まで信号振幅を増加させることができる。
また、図1に示した第2の無線機器2が備える分離復調回路24は、次のように構成することもできる。図4は本実施の形態にかかる無線通信システムの第2の無線機器22の構成を示す図である。図4に示す第2の無線機器22は、アンテナ23、受信回路81、プロトコル処理部82を備えており、この構成は既存の無線機器と同様である。そして、第2の無線機器22のプロトコル処理部82が上記分離復調回路24として動作するように、プロトコル処理部82に対してソフトウェア処理を施す。このように、プロトコル処理部82に対してソフトウェア処理を施すことで、図1に示した第2の無線機器2を既存の無線機器を用いて構成することができる。なお、本実施の形態では図4に示すプロトコル処理部の一部をハードウェアで構成してもよく、この場合はプロトコル処理部のハードウェアで構成した部分以外にソフトウェア処理を施すことで第2の無線機器2を構成することができる。
つまり、第1の無線機器1が送信する第1のデータは、第1の無線機器1と第2の無線機器2の規格に準拠した変調要素を備える第1の電波12(つまり、規格に準拠した搬送波周波数を備える電波)を用いて伝送される。一方、データ送信機3が送信する第2のデータは、第2の無線機器2が受信した電波(第1および第2の電波)におけるビット誤り率の変化(つまりビット誤り率の高低)を用いて伝送される。そして、プロトコル処理部82に対して、第1の無線機器1が送信する第1のデータ(つまり、規格に準拠した搬送波周波数で送信されるデータ)とデータ送信機3が送信する第2のデータ(つまり、所定の変調周波数で変調されたビット誤り率を用いて送信されるデータ)をそれぞれ分離し復調するようにソフトウェア処理を施すことで、第1の無線機器1からの復調データ25とデータ送信機3からの復調データ26を得ることができる。プロトコル処理部82におけるこのような処理はベースバンドドメインで行なわれている。
従来では、無線ネットワーク環境下において、RFID用の無線タグ(データ送信機)が保持するデータを読み出すためには、無線ネットワークと有線または無線で接続された専用のRFIDリーダ・ライタが必要であった。このため、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入するにはコストがかかるという問題があった。
しかしながら、本実施の形態にかかる無線通信システムでは、第1の無線機器1と第2の無線機器2とで構成される無線ネットワーク環境下において、データ送信機3が、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調することで第2の電波14を生成し出力している。ここで、変調された第2の電波14は第1の電波12に対する外乱として働く。そして、第2の無線機器2の分離復調回路24において、第1の電波12に対する外乱の有無を用いて第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータを分離し、第1および第2のデータを復調している。
このような構成を備える本実施の形態にかかる無線通信システムでは、RFID用の無線タグ(データ送信機3)が保持するデータを読み出すために、専用のRFIDリーダ・ライタを設ける必要がない。よって、本実施の形態にかかる発明により、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することが可能な無線通信システムを提供することができる。
また、本実施の形態にかかる無線通信システムでは、図4に示した既存のハードウェア構成を備える第2の無線機器22のプロトコル処理部82に対して、図1に示した分離復調回路24として動作するようにソフトウェア処理を施すことで、第2の無線機器を構成することができる。よって、既存のハードウェア構成にソフトウェアを導入するのみで本実施の形態にかかる第2の無線機器を構成することができるので、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することができる。
また、無線の電波を用いて電源電圧を生成するパッシブ型のデータ送信機3では、専用のRFIDリーダ・ライタからデータ送信機3に給電する場合、データ送信機3に向かわない電波も存在していた。つまり、RFIDリーダ・ライタのアンテナに指向性がない場合はデータ送信機3に向かわずに無駄になる電力が存在していた。また、RFIDリーダ・ライタのアンテナに指向性を持たせて電力伝達効率を高めたとしても、電力を電波で送電する以上は空間で無駄に捨てられる電力が存在していた。
これに対して図3に示した本実施の形態にかかる無線通信システムでは、第1の無線機器1と第2の無線機器2の通信に用いられる電波(環境電波)を用いて、データ送信機30の電力生成回路34が電力を生成している。よって、新たにRFIDリーダ・ライタを導入し、給電用の電波を出力する必要がないため無線通信システムの消費電力を低減することができる。
また、特許文献1に開示されている技術は、外乱の有無を検知するのみであり、時間的に変動する外乱をデータと区別すること、および所望でない外乱発生源を所望の外乱と判別することはできなかった。つまり、このような無線通信システムでは、通信環境の変化により様々な外乱(反射波)が混入し、ビット誤り率もこれに伴い変化していた。そして、特許文献1に開示されている技術は、単にビット誤り率に基づき外乱の変化の有無を検知するのみで、所望の外乱を意味のあるデータとして取り出してはいない。
これに対して本実施の形態にかかる無線通信システムでは、ビット誤り率の変調周期が遅い第2のデータ(データ送信機から送信されたデータ)を、分離復調回路を用いて分離し、この第2のデータを復調している。
よって、特許文献1に開示されている技術では不可能であった、所望の外乱からの通信データの取得、無線データ通信の成立にとって必須であるノイズ除去、および1対複数通信での通信相手の選別(詳細は実施の形態4を参照)が可能となる。
また、本実施の形態にかかる無線通信方法は、第1のデータを送信する第1の無線機器1と当該第1のデータを受信する第2の無線機器2とを備える無線ネットワークにデータ送信機3を用いて第2のデータを送信する無線通信方法であって、次のステップを有する。(1)第1の無線機器1から第1のデータを第1の電波12、13を用いて送信するステップ。(2)データ送信機3において第2のデータに応じて第1の電波13を変調して第2の電波14を生成すると共に、当該第2の電波14を出力するステップ。(3)第2の無線機器2において第1の電波12および第2の電波14を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータとデータ送信機3から送信された第2のデータとを分離し復調するステップ。
以上で説明した本実施の形態にかかる本発明により、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することが可能な無線通信システムおよび無線通信方法を提供することができる。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、第2の無線機器21が、分離復調回路24として復調回路41と誤り率評価回路42を有する点が、図1で説明した実施の形態1にかかる無線通信システムと異なる。これ以外は実施の形態1の場合と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態にかかる無線通信システムの第2の無線機器21は、増幅器27と、復調回路41と、誤り率評価回路42とを備える。なお、増幅器27は、第1の電波12と第2の電波14の信号レベルが高い場合、つまり後段の分離復調回路24で処理をすることができる信号レベルであれば、適宜省略することができる。
復調回路41は、受信した電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータを復調し、復調後のデータを第1の無線機器1からの復調データ25として出力する。誤り率評価回路42は、第1の無線機器1から送信された第1のデータを復調した後にビット誤り率の評価を行ない、このビット誤り率の時間変動に基づいてデータ送信機3からのデータを読み取り復調を行ない、データ送信機3からの復調データ26を生成する。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、復調を行なう回路が、第1の無線機器1から送信された第1のデータを復調する復調回路41のみであり、データ送信機3から送られたデータは、その後段のベースバンド処理の中で復調される。
例えば、このような構成の無線通信システムに対して第三者の妨害波がさらに入った場合、またデータ送信機3からの第2の電波14に比べて第1の無線機器1からの第1の電波(直接波)12が優勢である位置関係にある場合は、データ送信機3からの第2のデータの受信SN比が低下する。このような場合は、多数決処理や符号拡散処理を実施することで、データ送信機3からの第2のデータの受信SN比を高くすることができ、第2の無線機器21においてデータ送信機3からの第2のデータの受信を可能にすることができる。
例えば、第1の無線機器1と第2の無線機器21の距離、および第1の無線機器1とデータ送信機3の距離が等しく、かつ第2の無線機器21とデータ送信機3の距離がそれらの半分である二等辺三角形として配置されており、データ送信機3においては、第1の無線機器1からの電波を反射する反射係数が約0.5であるとする。この場合、第1の無線機器1から第2の無線機器21へ直接入る距離に比べて、データ送信機を経由して第2の無線機器21へ間接的に入る距離は1.5倍となり、到達電力が距離自乗の逆数に比例すると仮定すれば、間接波は直接波に比べて10*log(1/(1.5*1.5))=−4dBの分、距離減衰が加わる。さらに反射係数が0.5であるので、10*log(0.5)=−3dBの反射減衰が加わる。これによって、第1の無線機器1からの電波が直接第2の無線機器21にノイズとして入る電力Nと、データ送信機3を経由してデータとして第2の無線機器21に入る電力Sの比は、信号成分の減衰量=距離減衰+反射減衰、かつノイズ電力は増減なしとしてS/N=−3dB−4dB=−7dBとなり、ノイズに埋もれてしまう。
しかし、例えばデータ送信機3から同じデータを12回送信し、第2の無線機器2において多数決処理を行いランダムノイズを抑制すると、
H(z-1)=1+z-1+z-2+…+z-11
で定義される12タップの有限インパルス応答フィルタS/Nは、図8に示されるように7.6dB向上するので、S/N=−7dBのデータを受信することが可能となる。
ここで、図9に示すようにWLAN搬送波の周波数2.4GHz帯ではデータレートは最低でも1Mbps以上である。よって、データレートが1Mbpsを下る低周波での周期性が環境電波には無いため、データ送信機3の通信帯域内で十分白色的に拡散していると考えられる。よって、多数決処理を実施することでSN比を向上させることができる。なお、多数決処理や符号拡散処理は冗長性を必要とするため、実効的なデータ通信速度は低下する。この場合は、従来のRFIDシステムに比べて扱えるデータの規模が小さくなる。
次に、図6を用いて本実施の形態にかかる無線通信システムに用いられる第2の無線機器21に関して具体的に説明する。図6に示す第2の無線機器21の復調回路41は、復調部51、デマッピング処理部52、軟判定デインターリーブビタビ復調処理部53、フレーム処理部54を含む。
デマッピング処理部52からのデマッピング出力は、軟判定デインターリーブビタビ復調処理部53および誤り率評価回路42に出力される。軟判定デインターリーブビタビ復調処理部53からの軟判定・ビタビ出力はフレーム処理部54および誤り率評価回路42に出力される。フレーム処理部54からのフレーム処理出力は、第1の無線機器1からの復調データ25として出力される。また、フレーム処理部54からのフレーム処理出力は、誤り率評価回路42にも出力される。
また、誤り率評価回路42は記憶部61を含む。誤り率評価回路42は、デマッピング出力、軟判定・ビタビ出力、およびフレーム処理出力のうちの少なくとも一つに基づいてデータ送信機3からの第2のデータを復調し、データ送信機3からの復調データ26を出力する。
図7は、図6に示す第2の無線機器21の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、第1の無線機器1から送信された第1のデータが復調部51で復調される。復調部51で復調された復調データは、デマッピング処理後のビット列、軟判定・ビタビ処理後のビット列、フレーム処理後のビット列のようにプロトコル処理の各階層から分岐されて復調回路41から出力される。デマッピング処理部52、軟判定デインターリーブビタビ復調処理部53、フレーム処理部54におけるプロトコル処理が進むにつれて妨害波などの外乱の影響が緩和される。このため、デマッピング処理後のビット列は、フレーム処理後のビット列に比べて外乱の影響が大きい。
次に、フレーム処理出力でのビット誤り率をサンプリングする(ステップS1)。この時、データ送信機3から送られるデータのシンボルレート以上の速度でこのビット誤り率をサンプリングする。そして、得られたサンプリング結果を配列で記憶部に保持する(ステップS2)。
次に、ステップS1、S2で取得した配列に対して符号逆拡散処理を施しSN比を向上させる(ステップS3)。この時、第2の無線機器21内に予め保持しておいた拡散符号と保持しているサンプリング結果との間で相関を取り逆拡散処理を実施し、得られた結果のビット列をさらに記憶部に保持する。
また、データ送信機3から同じデータが繰り返し送信されているので、これらの間で多数決処理を実施し、この結果を記憶部に保持する(ステップS4)。
次に、この多数決処理の後で得られた結果の中で、パリティビットが反転している等の明確な誤りがあるか否か判断する(ステップS5)。ステップS5において明確な誤りがないと判断された場合、得られた結果をデータ送信機3から送信されたデータ(第2のデータ)として出力する(ステップS6)。一方、ステップS5において明確な誤りがあると判断された場合、データ送信機3からのデータがノイズに埋もれやすい伝送環境にあるといえる。
このような場合は、より外乱の影響が大きい軟判定・ビタビ出力でのビット誤り率をサンプリングする(ステップS7)。そして、上記のステップS2からステップS4までの処理と同様の処理を、軟判定・ビタビ出力でのビット誤り率のサンプリング結果に対して実施する(ステップS8)。さらに、多数決処理後の結果の中で、パリティビットが反転している等の明確な誤りがあるか否か判断する(ステップS9)。ステップS9において明確な誤りがないと判断された場合、得られた結果をデータ送信機3から送信されたデータ(第2のデータ)として出力する(ステップS6)。
一方、ステップS9において明確な誤りがあると判断された場合は、より外乱の影響が大きいデマッピング出力でのビット誤り率をサンプリングする(ステップS10)。そして、上記のステップS2からステップS4までの処理と同様の処理を、デマッピング出力でのビット誤り率のサンプリング結果に対して実施する(ステップS11)。そして、得られた結果をデータ送信機3から送信されたデータ(第2のデータ)として出力する(ステップS6)。
サンプリングの対象を、フレーム処理出力でのビット誤り率、軟判定・ビタビ出力でのビット誤り率、デマッピング出力でのビット誤り率とするにつれてノイズに敏感になる。この場合は、上記の拡散符号の長さを増加させたり、多数決処理におけるサンプリングの回数を増加させたりすることでノイズの影響を低減することができる。
なお、ノイズの少ない環境、例えばデータ送信機3と第2の無線機器2との距離が近い環境での使用に限定される場合は、上記のような複雑な構成をとる必要はなく、フレーム処理後の誤り率のみをトレースすることでデータ送信機3から送信された第2のデータを復調することができる。
本実施の形態にかかる無線通信システムにおいても、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することが可能な無線通信システムを提供することができる。
なお、本実施の形態にかかる無線通信システムおける第2の無線機器21も、既存の無線機器にソフトウェア処理を実施すことで構成することができる。つまり、図6に示した第2の無線機器21におけるデマッピング処理以降の処理はプロトコル処理であるため、例えば図4に示すプロトコル処理部にソフトウェア処理を実施することで、図6に示す第2の無線機器21を構成することができる。なお、本実施の形態では図4に示すプロトコル処理部の一部をハードウェアで構成してもよく、この場合はプロトコル処理部のハードウェアで構成した部分以外にソフトウェア処理を施すことで第2の無線機器21を構成することができる。
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、図6に示した第2の無線機器21における処理が実施の形態2における処理と異なる。これ以外は実施の形態2の場合と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図10は、本実施の形態にかかる第2の無線機器21の処理を説明するためのフローチャートである。実施の形態2で説明した図7に示すフローと図10に示すフローとの違いは、図10に示すフローでは図7で説明したパリティビットを用いた判別(ステップS5、S9)が不要となっている点である。
すなわち、図10に示すフローでは、まず、フレーム処理出力でのビット誤り率をサンプリングする(ステップS21)。そして、得られたサンプリング結果を配列で記憶部に保持する(ステップS22)。
次に、ステップS21、S22で取得した配列に対して符号逆拡散処理を施しSN比を向上させる(ステップS23)。この時、第2の無線機器21内に予め保持しておいた拡散符号と保持しているサンプリング結果との間で相関を取り逆拡散処理を実施し、得られた結果のビット列をさらに記憶部に保持する。そして、繰り返し送信されているデータ送信機3からのデータを用いて多数決処理を実施し、この結果(結果1)を記憶部に保持する(ステップS24)。
また、上記ステップS21からS24の処理と並行して以下の処理を実施する。
まず、デマッピング出力でのビット誤り率をサンプリングする(ステップS25)。そして、得られたサンプリング結果を配列で記憶部に保持する(ステップS26)。
次に、ステップS25、S26で取得した配列に対して符号逆拡散処理を施しSN比を向上させる(ステップS27)。この時、第2の無線機器21内に予め保持しておいた拡散符号と保持しているサンプリング結果との間で相関を取り逆拡散処理を実施し、得られた結果のビット列をさらに記憶部に保持する。そして、繰り返し送信されているデータ送信機3からのデータを用いて多数決処理を実施し、この結果(結果2)を記憶部に保持する(ステップS28)。
最後に、多数決処理結果1と多数決処理結果2の差分を、データ送信機から送信されたデータ(第2のデータ)として出力する(ステップS29)。
このように、デマッピング出力よりも外乱の影響が小さいフレーム処理出力と、デマッピング出力と、の差分をとることで、データ送信機3から外乱として送信されたデータを取り出すことができる。また、本実施の形態にかかる無線通信システムでは、第2の無線機器21の処理を実施の形態2にかかる処理と比べて簡単にすることができる。
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、実施の形態1乃至3で説明した無線通信システムと比べて、複数のデータ送信機3_1〜3_Nを備えている点が異なる。これ以外は、実施の形態1乃至3と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図11(a)は、本実施の形態にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図11(a)に示すように、本実施の形態にかかる無線通信システムでは、第1の無線機器1から出力された第1の電波を受信することができる範囲内に複数のデータ送信機3_1〜3_Nを有する。データ送信機3_1は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13_1を受信し、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13_1を変調し、第2の電波14_1を出力する。同様に、データ送信機3_2は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13_2を受信し、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13_2を変調し、第2の電波14_2を出力する。同様に、データ送信機3_Nは、第1の無線機器1から出力された第1の電波13_Nを受信し、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13_Nを変調し、第2の電波14_Nを出力する。
図11(b)は、複数のデータ送信機3_1〜3_Nのそれぞれが、第1の電波13_1〜13_Nに与える外乱の一例を示す図である。図11(b)に示すように、複数のデータ送信機3_1〜3_Nのそれぞれは、送信対象であるデータに拡散符号などの識別情報をヘッダとして追加している。
第2の無線機器2は、第1の電波12および第2の電波14_1〜14_Nを受信すると共に、当該受信した電波に含まれている第1の無線機器1から送信された第1のデータと各データ送信機3_1〜3_Nから送信された各データとを、分離復調回路24を用いて分離し復調する。ここで、分離復調回路24は、送信対象であるデータにヘッダとして追加された識別情報に基づいて、各データ送信機3_1〜3_Nから送信された各データを区別することができる。分離復調回路24で分離・復調されたデータは、第1の無線機器1からの復調データ25および各データ送信機3_1〜3_Nからの復調データ26_1〜26_Nとして出力される。
なお、上記例では識別情報として拡散符号を用いたが、識別情報は各データを区別できる情報であればどのような情報であってもよい。また、拡散符号としては例えばM系列を用いることができる。しかし、自己相関性の高い擬似乱数であれば特にM系列に限定されるものではなく、例えばGOLD符号を用いることもできる。また、実施の形態2、3では逆拡散処理を実施している例を示したが、この場合はこの逆拡散処理よりも先に、データ識別のための拡散処理が必要となる。
例えば、拡散符号として自己相関が小さい符号系列である擬似乱数パターンを用いる場合、PN4であれば、M系列に対し許される初期値により擬似乱数系は1組である。これに対してPN5、PN7とすれば、それぞれ3組、9組と増加する。また図12に示すように、PN4、PN5のそれぞれの自己相関を取った場合、相関強度のピーク値と底値との差はそれぞれ16、32となり、これはそれぞれ24dB、30dBである。これにより、別の拡散符号を持ったデータに対して、ビット誤り率>10−2のon/offキーイングの復調に要求されるSN比よりも高い精度で区別することができる。
上記ヘッダとしてPN5を採用し、データ受信時の冒頭でマッチドフィルタをかけることにより所望のデータ送信機と第2の無線機器2との同期を取れば、第2の無線機器2内に3組の無線チップがあっても、所望の1つのデータ送信機からのデータのみを選択的に受信できる。4組以上のデータ送信機がある場合はPN7以上の拡散符号を用いることで各データ送信機からのデータを選択的に受信することができる。
このような無線通信システムにより、複数のデータ送信機3_1〜3_Nが存在する場合であっても、混信を回避して各データ送信機から送信された各データを区別して受信することができる。
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5について説明する。図13は、実施の形態1にかかる無線通信システムにおいて、通信距離を大きくした場合に生じる問題を説明するための図である。図13に示すように、第1の電波12が第2の無線機器に到達した際の波形は、単純な正弦波Asin(2πft)で表現されるものとする。ここで、Aは振幅、fは第1の無線機器1が出力する信号の周波数(光速をcとおくと、波長はc/f)、tは時間である。
また、第1の無線機器1と第2の無線機器2との距離をR、第1の無線機器1とデータ送信機3との距離をr、データ送信機3と第2の無線機器2との距離をDとすると、データ送信機3を経由する電波の経路は、第1の電波12の経路と比較してr+D−Rだけ伸びる。このため、第1の電波13がデータ送信機3で反射され、反射後の第2の電波14が第2の無線機器2に入力される際の波形は、振幅がα(<1)だけ減衰し、位相がΔφだけ遅延するため、Aαsin(2πft+Δφ)で表現される。
よって、第2の無線機器2が受信する信号は、第1の電波12と第2の電波14とを加算した信号となり、次の式で表すことができる。
ここで、Ψは加算で生じる定数であり、以降の議論では用いない。
式1から、因子(1+2αcos(Δφ)+α1/2が1よりも大きければ、近い位相同士が重なり合う状態となる。この状態では、第1の電波12と第2の電波14とを第2の無線機器2で受信した際に、第1の電波12と第2の電波14とが互いに強め合うため受信SN比が増える。このため、第1の無線機器1が送信した第1のデータのビットエラーレートが下がる。
また、因子(1+2αcos(Δφ)+α1/2が1よりも小さければ、遠い位相同士が干渉しあう状態となる。この状態では、第1の電波12と第2の電波14とを第2の無線機器2で受信した際に、第1の電波12と第2の電波14とが互いに弱め合うため、第1の無線機器1が送信した第1のデータのビットエラーレートが上がる。
一方、因子(1+2αcos(Δφ)+α1/2が1に等しければ、振幅に変化はない。したがって、第1の電波13がデータ送信機3で反射されるにもかかわらず、位相が変化するのみで振幅およびビットエラーレートに変化はない。つまり、因子(1+2αcos(Δφ)+α1/2=1となる下記式2の条件を満たす場合は、ビットエラーレートに変化がないので、実施の形態1で説明したデータ送信機3を用いてデータを送信することができない。
以下で詳細に説明するが、距離rが伸びるとΔφの条件によっては上記式2を満たす場合がある。
上記式1、式2に含まれるαは、第1の電波12と第2の電波14の電圧振幅比であるので、第1の電波12および第2の電波14のそれぞれの電力強度Pr、Pr'を用いて次の式3で表すことができる。
第1の無線機器1が発するアンテナ手前における電力をPt、第1の無線機器1および第2の無線機器2のアンテナ利得をそれぞれGt、Grとすると、第1の電波12の電力強度Prはフリスの伝播公式から式4のように表される。
また、データ送信機3が第1の電波13を反射して第2の電波14を出力する際の反射利得をGとすると、第2の電波14の電力強度Pr'は上記式4と同様に式5のように表される。なお、Gは反射する際の回路的な損失だけではなく、データ送信機3におけるアンテナ利得を含むものとする。
上記式3、式4、式5から、下記の式6を得ることができる。
つまり、式6から、αの値は第1の無線機器1および第2の無線機器2のアンテナ利得に関係なく、距離R、r、D、反射利得G、および周波数fで決まることがわかる。
また、上記式1、式2に含まれる周波数fでの位相差Δφは、データ送信機3を経由する電波の経路が第1の電波12を経由する経路と比較してr+D−Rだけ伸びるので、次のように表すことができる。
よって、式2、式6、式7、および余弦定理からD=R+r−2Rrcosθであるので、第1の無線機器1と第2の無線機器2との距離をR=1[m]で固定した場合、式2を満たす部分は、図14に示す符号101のようになる。
図14に示すように、第1の無線機器1および第2の無線機器2に近い領域では式2の条件を満たさないので、振幅変動が生じないことによる問題、つまりビットエラーレートが変化しないためデータ送信機3を用いてデータを送信することができないという問題は生じない。一方、第1の無線機器1および第2の無線機器2から距離が離れている領域にデータ送信機3が配置されている場合は、式2の条件を満たす場合があるので、振幅変動が生じないことによる問題が生じる。この場合は、下記で説明する解決手段が必要となる。
図15は、本実施の形態にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図15に示すように、本実施の形態にかかる無線通信システムでは、実施の形態1で説明した無線通信システムと比べて、データ送信機103が備える変調回路132の構成が異なる。これ以外は、実施の形態1の場合と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図15に示すように、本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機103は、アンテナ31と、変調回路132と、センサ33とを備える。データ送信機103は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31で受信し、変調回路132を用いて送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調して第2の電波114_1、114_2を生成し出力する。
すなわち、本実施の形態では、データ送信機103が備える変調回路132は、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調した第2の電波114_1と、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調し位相変更した第2の電波114_2とを生成し出力している。ここで、位相変更とは典型的には位相遅延である。このとき、第2の電波114_1と第2の電波114_2とが伝播する距離は共にDで等しい。そして、第2の電波114_1、114_2は共に第2の無線機器2で受信される。
図16(a)は、本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機103の詳細を示すブロック図である。図16(a)に示すように、データ送信機103が備える変調回路132は、負荷変調回路134、135と位相変更回路136とを備える。
変調回路132は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31で受信し、センサ33で生成された第2のデータに応じて負荷変調回路134で第1の電波13を負荷変調して第2の電波114_1を生成し出力する。また、変調回路132は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31で受信し、センサ33で生成された第2のデータに応じて負荷変調回路135で第1の電波13を負荷変調して第2の電波114_2を生成し出力する。このとき、アンテナ31と負荷変調回路135との間には位相変更回路136が設けられているので、出力された第2の電波114_2は遅延している。
図16(b)は、図16(a)に示したデータ送信機103の具体的な回路の一例を示す図である。図16(b)に示すように、変調回路132が備える負荷変調回路134は、容量素子C1、容量素子C2、およびトランジスタTr1(例えば、N型とする)を備える。容量素子C1の一端はアンテナ31に接続され、他端は接地電位に接続されている。容量素子C2の一端はアンテナ31に接続され、他端はトランジスタTr1のドレインに接続されている。トランジスタTr1のドレインは容量素子C2の他端と、ゲートはセンサ33の出力と、ソースは接地電位に接続されている。
負荷変調回路135は、容量素子C3、容量素子C4、およびトランジスタTr2(例えば、N型とする)を備える。容量素子C3の一端は位相変更回路136に接続され、他端は接地電位に接続されている。容量素子C4の一端は位相変更回路136に接続され、他端はトランジスタTr2のドレインに接続されている。トランジスタTr2のドレインは容量素子C4の他端と、ゲートはセンサ33の出力と、ソースは接地電位に接続されている。
位相変更回路136は、抵抗素子R1と容量素子C5とを備える。抵抗素子R1の一端はアンテナ31に接続され、他端は負荷変調回路135に接続されている。容量素子C3の一端は負荷変調回路135に接続され、他端は接地電位に接続されている。
なお、図16(b)に示した回路の動作は図16(a)に示したデータ送信機103の動作と同様である。また、データ送信機103は、図3に示した実施の形態1にかかる無線通信システムのように、電力生成回路34を備えていてもよい。
上記構成を備えるデータ送信機103は、互いに異なる位相を備える第2の電波114_1および第2の電波114_2を出力することができる。このとき、第2の電波114_2は位相変更回路136によって位相遅延Δtが付加されている。よって、第1の無線機器1から第2の無線機器2へ直接到達する第1の電波12による信号と、第1の無線機器1からデータ送信機103を経由して第2の無線機器2へ到達する第2の電波114_2(遅延あり)による信号との間の位相遅延は、次の式8で表すことができる。
上記と同様に、式2、式6、式8、および余弦定理からD=R+r−2Rrcosθであるので、第1の無線機器1と第2の無線機器2との距離をR=1[m]で固定した場合、式2を満たす部分は、図17に示す符号102(破線で示す)のようになる。
すなわち、図17に示す符号101(実線で示す)の部分は、図14で示した符号101の部分に対応しており、遅延していない第2の電波114_1によって生成される式2の条件を満たす部分に対応している。一方、図17に示す符号102(破線で示す)の部分は、変調回路132で位相遅延Δtが付加された第2の電波114_2によって生成される式2の条件を満たす部分に対応している。
このとき、符号101(実線で示す)の部分では、データ送信機103から送信される第2の電波114_1が式2の条件を満たすため、第2の電波114_1を用いてデータを送信することができない。しかし、符号101(実線で示す)の部分では、位相遅延Δtが付加された第2の電波114_2が式2の条件を満たさないため、第2の電波114_2を用いてデータを送信することができる。
同様に、符号102(破線で示す)の部分では、データ送信機103から送信される第2の電波114_2が式2の条件を満たすため、第2の電波114_2を用いてデータを送信することができない。しかし、符号102(破線で示す)の部分では、第2の電波114_1が式2の条件を満たさないため、第2の電波114_1を用いてデータを送信することができる。
なお、位相遅延Δtが信号周期1/fと一致する場合は、第2の電波114_1と第2の電波114_2の位相が重なり合う。この場合は、データ送信機を用いてデータを送信することができないという問題を解決することはできない。したがって、位相遅延Δtと信号周期1/fは一致しないようにすべきである。また、第2の電波114_1と第2の電波114_2の位相が重なり合わない場合であっても、これらの位相が近い場合にはデータ送信機が実施する通信においてノイズ量が増加する。よって、第2の電波114_1と第2の電波114_2の位相とが近くならないように位相遅延を設定する必要がある。逆に、第2の電波114_1と第2の電波114_2の位相の重なりが最も少ないのは、位相遅延Δtが信号周期1/fの半分となる場合である。この点を考慮すると、位相遅延Δtが信号周期1/fの半分となるように、位相変更回路136を構成することが好ましい。なお、位相変更回路136における位相遅延Δtは、抵抗素子R1の抵抗値と容量素子C5の容量値を変えることで適宜変更することができる。
また、上記の本実施の形態では、データ送信機103が互いに位相が異なる2つの第2の電波114_1、114_2を出力する場合について説明した。しかし、データ送信機103が出力する互いに位相が異なる第2の電波は2つ以上であってもよい。つまり、データ送信機103から位相が異なる少なくとも2つの電波を出力することで、データ送信機を用いてデータを送信することができないという上記問題を解決することができる。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる発明により、データ送信機の位置によらずに常にデータを送信することができる無線通信システムを提供することができる。
実施の形態6
次に、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態にかかる発明も実施の形態5と同様に、上記式2の条件を満たす場合にデータ送信機からデータを送信することができないという問題を解決するための発明である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機の構成が、実施の形態5で説明した図15に示したデータ送信機103の構成と異なる。これ以外は実施の形態5および図15と同様であるので重複した説明は省略する。
図18(a)は、本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機203を示すブロック図である。図18(a)に示すように、データ送信機203は、アンテナ31_1、31_2、変調回路232、およびセンサ33を備える。センサ33は実施の形態1と同様の構成である。変調回路232は、負荷変調回路234と位相変更回路236とを備える。
変調回路232は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31_1で受信し、センサ33で生成された第2のデータに応じて負荷変調回路234で第1の電波13を負荷変調して第2の電波114_1を生成しアンテナ31_1から出力する。また、変調回路232は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31_2で受信し、センサ33で生成された第2のデータに応じて負荷変調回路234で第1の電波13を負荷変調して第2の電波114_2を生成しアンテナ31_2から出力する。このとき、アンテナ31_2と負荷変調回路234との間には位相変更回路236が設けられているので、出力された第2の電波114_2は遅延している。
また、アンテナ31_1とアンテナ31_2との距離は十分に近いことから、アンテナ31_1と第1の無線機器1との距離とアンテナ31_2と第1の無線機器1との距離は共にrとなる。同様に、アンテナ31_1と第2の無線機器2との距離とアンテナ31_2と第2の無線機器2との距離は共にDとなる。
本実施の形態においても、実施の形態5と同様に、データ送信機203から位相が異なる少なくとも2つの第2の電波114_1、114_2を出力することができるので、上記式2の条件を満たす場合にデータ送信機を用いてデータを送信することができないという問題を解決することができる。
図18(b)は、図18(a)に示したデータ送信機203の具体的な回路の一例を示す図である。図18(b)に示すように、変調回路232が備える負荷変調回路234は、容量素子C6、容量素子C7、およびトランジスタTr3(例えば、N型とする)を備える。容量素子C6の一端はアンテナ31_1に接続され、他端は接地電位に接続されている。容量素子C7の一端はアンテナ31_1に接続され、他端はトランジスタTr3のドレインに接続されている。トランジスタTr3のドレインは容量素子C7の他端と、ゲートはセンサ33の出力と、ソースは接地電位に接続されている。
位相変更回路236は、抵抗素子R2と容量素子C8とを備える。抵抗素子R2の一端はアンテナ31_2に接続され、他端は負荷変調回路234に接続されている。容量素子C8の一端は負荷変調回路234に接続され、他端は接地電位に接続されている。
なお、図18(b)に示した回路の動作は図18(a)に示したデータ送信機203の動作と同様である。また、データ送信機203は、図3に示した実施の形態1にかかる無線通信システムのように、電力生成回路34を備えていてもよい。
また、本実施の形態では、アンテナ31_1で反射される成分(第2の電波114_1)とアンテナ31_2で反射される成分(第2の電波114_2)とで互いにΔtの位相遅延が生じればよい。よって、位相変更回路236を設ける代わりに、アンテナ31_2の寄生インダクタンス、寄生抵抗、および寄生容量を用いてアンテナ31_2で反射される成分に遅延を付加してもよい。
ただし、この場合は、アンテナ31_1とアンテナ31_2のそれぞれの間で干渉が生じて通信が阻害されないように、それぞれのアンテナの配置間隔を大きくするか、またはアンテナ31_1のヌル点がアンテナ31_2のローブとなるように直交配置することが好ましい。また、この場合、アンテナ31_1とアンテナ31_2とで信号に異なる遅延を付加するため、アンテナの巻き数や面積などの形状に違いが生じる。したがって、同一の形状となる従来のダイバーシティアンテナとは相違する。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる発明により、データ送信機の位置によらずに常にデータを送信することができる無線通信システムを提供することができる。
実施の形態7
次に、本発明の実施の形態7について説明する。本実施の形態にかかる発明も実施の形態5と同様に、上記式2の条件を満たす場合にデータ送信機からデータを送信することができないという問題を解決するための発明である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機の構成が、実施の形態5で説明した図15に示したデータ送信機103の構成と異なる。これ以外は実施の形態5および図15と同様であるので重複した説明は省略する。
図19(a)は、本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機303を示すブロック図である。図19(a)に示すように、データ送信機303は、アンテナ31、変調回路332、およびセンサ33を備える。センサ33は実施の形態1と同様の構成である。変調回路332は、負荷変調回路234、スイッチ335、および位相変更回路236を備える。図19(b)は、図19(a)に示したデータ送信機303の具体的な回路の一例を示す図である。ここで、負荷変調回路234および位相変更回路236の構成および動作は、実施の形態6で説明した負荷変調回路234および位相変更回路236の構成および動作と同様である(図18(a)、(b)参照)。
図19(a)、(b)に示したスイッチ335は、第1の期間の間、アンテナ31と負荷変調回路234とを接続する。また、スイッチ335は、第2の期間の間、アンテナ31と位相変更回路236とを接続する。
第1の期間の間、変調回路332は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31で受信し、センサ33で生成された第2のデータに応じて負荷変調回路234で第1の電波13を負荷変調して第2の電波114_1を生成しアンテナ31から出力する。
また、第2の期間の間、変調回路332は、第1の無線機器1から出力された第1の電波13をアンテナ31で受信し、センサ33で生成された第2のデータに応じて負荷変調回路234で第1の電波13を負荷変調して第2の電波114_2を生成しアンテナ31から出力する。このとき、アンテナ31と負荷変調回路234との間には位相変更回路236が設けられているので、出力された第2の電波114_2は遅延している。
本実施の形態では、上記第1の期間における動作と上記第2の期間における動作とを交互に繰り返すことで、第2の電波114_1と、遅延された第2の電波114_2とをアンテナ31から時分割で出力することができる。すなわち、第1の電波13による第1のデータの所定の転送周期をT、第1の期間をt1、第2の期間をt2とすると、T=t1+t2の関係がある。このとき、データ送信機303は、第1の期間t1の間に、第2の電波114_1を出力し、第2の期間t2の間に、遅延された第2の電波114_2を出力する。なお、この場合、時分割の速度はデータ送信機303から送信されるデータのデータ通信速度を上回る必要がある。
上記で説明したように、本実施の形態では、第2の電波114_1と、遅延された第2の電波114_2とがデータ送信機303から時分割で出力される。このため、上記式2の条件を満たす領域(図17の符号101、102で示した部分)では、データ送信機からのデータ転送速度が実施の形態6の場合と比較して、t2/Tとなる。
一方、本実施の形態では、このように時分割で第2の電波114_1と、遅延された第2の電波114_2とを出力することができるので、実施の形態6の場合と比較してアンテナの数を少なくすることができる。よって、データ送信機に占めるアンテナの領域を小さくすることができる。例えば、無線通信システムの周波数が低くアンテナが大きくなる場合には、この効果が顕著となる。
実施の形態8
次に、本発明の実施の形態8について説明する。本実施の形態にかかる発明も実施の形態5と同様に、上記式2の条件を満たす場合にデータ送信機からデータを送信することができないという問題を解決するための発明である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機の構成が、実施の形態5で説明した図15に示したデータ送信機103の構成と異なる。これ以外は実施の形態5および図15と同様であるので重複した説明は省略する。
図20(a)は、本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機403を示すブロック図である。図20(a)に示すように、データ送信機403は、アンテナ31、変調回路432、およびセンサ33を備える。変調回路432は、遅延回路436、セレクタ437、タイミング生成回路438、および負荷変調回路439を備える。
セレクタ437には、センサ33で生成された第2のデータと、当該センサ33で生成された第2のデータに遅延回路436で遅延を付加した第2のデータ(遅延あり)と、が供給される。また、セレクタ437には、タイミング生成回路438で生成されたタイミング信号が供給される。そして、セレクタ437は、タイミング生成回路438で生成されたタイミング信号に応じて、センサ33で生成された第2のデータ、および当該センサ33で生成された第2のデータに遅延回路436で遅延を付加した第2のデータのいずれか一方を、負荷変調回路439に出力する。
例えば、セレクタ437は第1の期間の間、センサ33で生成された第2のデータを負荷変調回路439に出力する。また、セレクタ437は第2の期間の間、センサ33で生成された第2のデータに遅延回路436で遅延を付加した第2のデータを負荷変調回路439に出力する。
負荷変調回路439は、第1の期間の間、アンテナ31で受信した第1の電波13をセレクタ437から出力された第2のデータに応じて負荷変調して第2の電波114_1を生成しアンテナ31から出力する。また、負荷変調回路439は、第2の期間の間、アンテナ31で受信した第1の電波13をセレクタ437から出力された第2のデータ(遅延あり)に応じて負荷変調して第2の電波114_2を生成しアンテナ31から出力する。
図20(b)は、図20(a)に示したデータ送信機403の具体的な回路の一例を示す図である。図20(b)に示すように、遅延回路436は2つのインバータを用いて構成することができる。タイミング生成回路438は複数のインバータをリング状に接続したリングオシレータを用いて構成することができる。セレクタ437はNAND1〜3とインバータINV1を用いて構成することができる。負荷変調回路439は、容量素子C9、容量素子C10、およびトランジスタTr4を用いて構成することができる。
本実施の形態では、上記第1の期間における動作と上記第2の期間における動作とを交互に繰り返すことで、第2の電波114_1と、遅延された第2の電波114_2とをアンテナ31から時分割で出力することができる。すなわち、第1の電波13による第1のデータの所定の転送周期をT、第1の期間をt1、第2の期間をt2とすると、T=t1+t2の関係がある。このとき、データ送信機403は、第1の期間t1の間に、第2の電波114_1を出力し、第2の期間t2の間に、遅延された第2の電波114_2を出力する。なお、この場合、タイミング生成回路438で生成されるタイミング、つまり時分割の速度は、データ送信機403から送信されるデータのデータ通信速度を上回る必要がある。
上記で説明したように、本実施の形態では、第2の電波114_1と、遅延された第2の電波114_2とがデータ送信機403から時分割で出力される。このため、上記式2の条件を満たす領域(図17の符号101、102で示した部分)では、データ送信機からのデータ転送速度が実施の形態6の場合と比較して、t2/Tとなる。
一方、本実施の形態では、このように時分割で第2の電波114_1と、遅延された第2の電波114_2とを出力することができるので、実施の形態6の場合と比較してアンテナの数を少なくすることができる。よって、データ送信機に占めるアンテナの領域を小さくすることができる。例えば、無線通信システムの周波数が低くアンテナが大きくなる場合には、この効果が顕著となる。
その他の実施の形態
以下、その他の実施の形態について説明する。
上記実施の形態で説明したデータ送信機は、半導体チップに作製されていてもよい。つまり、データ送信機を構成する各回路(変調回路、センサ等)を半導体チップに作製してもよい。この場合、データ送信機が有する各回路が形成された半導体チップと同一のチップにアンテナを形成してもよい。また、データ送信機が有する各回路が形成された半導体チップとは別に、アンテナを形成してもよい。
図21(a)に示すように、半導体チップを用いて作製されたデータ送信機501は、粘着部材504を用いて被測定対象に貼り付けることができる。粘着部材504として、例えば絆創膏を用いることができる。ここで、データ送信機501は、データ送信機を構成する各回路502とアンテナ503とを含む。例えば、データ送信機501が温度センサを備える場合、粘着部材504にチップ状のデータ送信機501を取り付け、この粘着部材504を被測定対象に貼り付けることで、容易に被測定対象の温度を測定することができる。
なお、粘着部材は経時的に粘着力が低下するため所定の時間が過ぎた後は使用することができない。これに対して、データ送信機501の製品寿命は長い。よって、データ送信機501を取り外すことができるように粘着部材504を構成することで、データ送信機501を再利用することができる。例えば、粘着部材504にポケットを形成することで、データ送信機501を取り外すことができる。
図21(b)は、粘着部材の断面図である。図21(b)に示すように、データ送信機501が温度センサを備える場合は、粘着部材504に貼り付けられたデータ送信機501と被測定対象との間に位置する部材505として熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。このように、熱伝導率の高い材料を用いることで被測定対象の温度を正確に測定することができる。ここで、熱伝導率の高い材料としては、銅等の金属材料、高熱伝導率を有する樹脂材料などを用いることができる。
また、データ送信機は体温計に設けてもよい。この場合、体温計が備える温度センサをデータ送信機のセンサとして用いてもよい。データ送信機を体温計に設けることで、被測定対象の体温の履歴を第2の無線機器2に送信することができる。
次に、上記実施の形態で説明したデータ送信機の特徴について説明する。
本発明にかかるデータ送信機は、送信対象であるデータを取得するためのセンサと、前記送信対象であるデータに応じて無線ネットワークで用いられている第1の電波を変調することで当該第1の電波に外乱を与える第2の電波を生成する変調回路と、を備える。
本発明にかかるデータ送信機は、位相が異なる少なくとも2つの第2の電波を出力する。
前記変調回路は、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波を変調した第2の電波と、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13を変調し位相変更した第2の電波とを生成し出力する。
図16(a)に示すように、前記変調回路132は、センサ33で生成された第2のデータに応じてアンテナ31で受信した第1の電波13を負荷変調する負荷変調回路134と、センサ33で生成された第2のデータに応じてアンテナ31で受信した第1の電波13を負荷変調する負荷変調回路135と、アンテナ31と負荷変調回路135との間に設けられた位相変更回路136と、を備える。そして、アンテナ31から出力される負荷変調回路135で負荷変調された第2の電波114_2は遅延している。
図18(a)に示すように、本発明にかかるデータ送信機は、第1の電波13をそれぞれ受信するアンテナ31_1、31_2と、センサ33で生成された第2のデータに応じて、アンテナ31_1、31_2で受信した第1の電波13を負荷変調する負荷変調回路234と、アンテナ31_2と負荷変調回路234との間に設けられた位相変更回路236と、を備える。そして、アンテナ31_2から出力される負荷変調回路235で負荷変調された第2の電波114_2は遅延している。
図19(a)に示すように、前記変調回路332は、センサ33で生成された第2のデータに応じてアンテナ31で受信した第1の電波13を負荷変調する負荷変調回路234と、第1の期間の間、アンテナ31と負荷変調回路234とを接続し、第2の期間の間、アンテナ31と負荷変調回路234とを位相変更回路236を介して接続するスイッチ335と、を備える。第1の期間の間、アンテナ31から負荷変調された第2の電波114_1が出力される。第2の期間の間、アンテナ31から負荷変調され遅延された第2の電波114_2が出力される。
図20(a)に示すように、前記変調回路432は、センサ33で生成された第2のデータと、当該センサ33で生成された第2のデータに遅延回路436で遅延を付加した第2のデータとが供給されると共に、タイミング生成回路438で生成されたタイミング信号に応じて前記第2のデータおよび前記遅延が付加された第2のデータのいずれか一方を出力するセレクタ437と、前記セレクタ437の出力に応じて、アンテナ31で受信した第1の電波13を負荷変調する負荷変調回路434と、を備える。セレクタ437が前記遅延が付加された第2のデータを出力している期間、アンテナ31から負荷変調され遅延された第2の電波114_2が出力される。
また、前記データ送信機は、半導体チップに形成されている。
次に、上記実施の形態で説明した第2の無線機器の特徴について説明する。
本発明にかかる第2の無線機器は、第1のデータを含む第1の電波と、第2のデータに応じて前記第1の電波を変調することで生成され、前記第1の電波に外乱を与える第2の電波と、を受信すると共に、前記第1の電波のビット誤り率に基づき、前記受信した電波に含まれている前記第1のデータと前記第2のデータとを分離し復調する分離復調回路、を備える。
本発明にかかる第2の無線機器が有する前記分離復調回路は、前記第1のデータを復調する復調回路と、前記第1のデータを復調した後にビット誤り率の評価を行ない、当該ビット誤り率の時間変動に基づいて前記第2のデータを復調する誤り率評価回路と、を備える。
本発明にかかる第2の無線機器が有する前記分離復調回路は、無線機器が備えるプロトコル処理部に対してソフトウェア処理を施すことで構成される。
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1 第1の無線機器
2、20、21、22 第2の無線機器
3、103、203、303、403 データ送信機
11、23、31、31_1、31_2 アンテナ
12 第1の電波(直接波)
13 第1の電波
14 第2の電波
24 分離復調回路
25 第1の無線機器からの復調データ
26 データ送信機からの復調データ
27 増幅器
28 ベースバンドフィルタ
32 変調回路
33 センサ
34 電力生成回路
41 復調回路
42 誤り率評価回路
81 受信回路
82 プロトコル処理部
132、232、332、432 変調回路
134、135、234、439 負荷変調回路
136、236 位相変更回路
335 スイッチ
436 遅延回路
437 セレクタ
438 タイミング生成回路

Claims (18)

  1. 第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器と、
    送信対象である第2のデータに応じて前記第1の電波を変調することで生成された第2の電波を出力するデータ送信機と、
    前記第1の電波および前記第2の電波を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータと前記データ送信機から送信された前記第2のデータとを分離し復調する分離復調回路を備える第2の無線機器と、
    を有する無線通信システム。
  2. 前記データ送信機は前記第1の電波を負荷変調することで前記第2の電波を生成する、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記データ送信機は前記第2のデータに応じて前記第1の電波に対して外乱を与えることで当該第1の電波のビット誤り率を変化させ、
    前記第2の無線機器は前記第1の電波の前記ビット誤り率の変化に基づき前記データ送信機から送信された前記第2のデータを復調する、
    請求項1または2に記載の無線通信システム。
  4. 前記データ送信機は、ビット誤り率の無線規格値よりも低い範囲内で前記第1の電波のビット誤り率を変化させる、請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 前記第2のデータを伝送するビット誤り率の変調周期は、前記第1のデータを伝送する前記第1の電波の変調周期よりも遅い、請求項3または4に記載の無線通信システム。
  6. 前記第2の無線機器が有する前記分離復調回路は、前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調する復調回路と、前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調した後にビット誤り率の評価を行ない、当該ビット誤り率の時間変動に基づいて前記データ送信機から送信された前記第2のデータを復調する誤り率評価回路と、を備える請求項3乃至5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  7. 前記誤り率評価回路は、前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調した後のフレーム処理出力のビット誤り率、軟判定・ビタビ出力でのビット誤り率、およびデマッピング出力でのビット誤り率の少なくとも一つを用いて、前記データ送信機から送信された前記第2のデータを復調する、請求項6に記載の無線通信システム。
  8. 前記誤り率評価回路は、前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調した後のフレーム処理出力のビット誤り率およびデマッピング出力でのビット誤り率の差分に基づき前記データ送信機から送信された前記第2のデータを復調する、請求項6に記載の無線通信システム。
  9. 前記誤り率評価回路は、前記フレーム処理出力のビット誤り率、前記軟判定・ビタビ出力でのビット誤り率、および前記デマッピング出力でのビット誤り率の少なくとも一つに対して多数決処理および符号拡散処理の少なくとも一つを実施する、請求項7または8に記載の無線通信システム。
  10. 前記無線通信システムは前記データ送信機を複数有し、前記第2の無線機器は、各々の前記データ送信機が前記第2のデータにそれぞれ付与した識別情報に基づき、前記第2のデータの送信元を識別する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  11. 前記データ送信機は送信対象である前記第2のデータを取得するためのセンサを備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  12. 前記データ送信機は前記第1の電波を用いて電力を生成する電力生成回路を備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  13. 前記分離復調回路は、前記第2の無線機器が備えるプロトコル処理部に対してソフトウェア処理を施すことで構成される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  14. 第1のデータを送信する第1の無線機器と当該第1のデータを受信する第2の無線機器とを備える無線ネットワークにデータ送信機を用いて第2のデータを送信する無線通信方法であって、
    第1の無線機器から前記第1のデータを第1の電波を用いて送信し、
    前記データ送信機において前記第2のデータに応じて前記第1の電波を変調して第2の電波を生成すると共に、当該第2の電波を出力し、
    前記第2の無線機器において前記第1の電波および前記第2の電波を受信すると共に、当該受信した電波に含まれている前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータと前記データ送信機から送信された前記第2のデータとを分離し復調する、
    無線通信方法。
  15. 前記データ送信機は前記第1の電波を負荷変調することで前記第2の電波を生成する、請求項14に記載の無線通信方法。
  16. 前記データ送信機は前記第2のデータに応じて前記第1の電波に対して外乱を与えることで当該第1の電波のビット誤り率を変化させ、
    前記第2の無線機器は前記第1の電波の前記ビット誤り率の変化に基づき前記データ送信機から送信された前記第2のデータを復調する、
    請求項14または15に記載の無線通信方法。
  17. 送信対象であるデータを取得するためのセンサと、
    前記送信対象であるデータに応じて無線ネットワークで用いられている第1の電波を変調することで当該第1の電波に外乱を与える第2の電波を生成する変調回路と、
    を備える、データ送信機。
  18. 第1のデータを含む第1の電波と、第2のデータに応じて前記第1の電波を変調することで生成され、前記第1の電波に外乱を与える第2の電波と、を受信すると共に、前記第1の電波のビット誤り率に基づき、前記受信した電波に含まれている前記第1のデータと前記第2のデータとを分離し復調する分離復調回路、を備える無線機器。
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