JP6298710B2 - 無線通信システムおよびデータ送信機 - Google Patents

無線通信システムおよびデータ送信機 Download PDF

Info

Publication number
JP6298710B2
JP6298710B2 JP2014102457A JP2014102457A JP6298710B2 JP 6298710 B2 JP6298710 B2 JP 6298710B2 JP 2014102457 A JP2014102457 A JP 2014102457A JP 2014102457 A JP2014102457 A JP 2014102457A JP 6298710 B2 JP6298710 B2 JP 6298710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
signal
radio wave
antenna
amplifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014102457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015065637A (ja
Inventor
秀寿 池田
秀寿 池田
水野 正之
正之 水野
晴也 石崎
晴也 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Electronics Corp
Original Assignee
Renesas Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Electronics Corp filed Critical Renesas Electronics Corp
Priority to JP2014102457A priority Critical patent/JP6298710B2/ja
Priority to US14/453,503 priority patent/US9287968B2/en
Priority to EP14180763.6A priority patent/EP2843851B1/en
Priority to CN201410426315.2A priority patent/CN104426559B/zh
Publication of JP2015065637A publication Critical patent/JP2015065637A/ja
Priority to US15/000,991 priority patent/US9391686B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6298710B2 publication Critical patent/JP6298710B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/02Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas
    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
    • H04B7/06Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station
    • H04B7/0613Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission
    • H04B7/0615Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission of weighted versions of same signal
    • H04B7/0619Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission of weighted versions of same signal using feedback from receiving side
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B15/00Suppression or limitation of noise or interference
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/155Ground-based stations
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/24Radio transmission systems, i.e. using radiation field for communication between two or more posts
    • H04B7/26Radio transmission systems, i.e. using radiation field for communication between two or more posts at least one of which is mobile
    • H04B7/2603Arrangements for wireless physical layer control

Description

本発明は無線通信システムおよびデータ送信機に関し、例えば無線ネットワーク環境にRFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用したシステムを導入することが可能な無線通信システムおよびデータ送信機に関する。
近年、RFIDを利用したシステムが注目されており、様々な用途に適用され始めている。RFIDを使用したシステムの基本構成は、RFID用の無線タグと無線を介してデータ通信をするRFIDリーダ・ライタと、このRFIDリーダ・ライタを制御するコンピュータ端末とを含んで構成されている。RFIDリーダ・ライタは、無線タグに記憶されたデータに対して、読み出しまたは書き込みを行うことができる。
特許文献1および特許文献2には、無線ネットワーク環境下においてRFID技術を利用したシステムを導入する際のコストを低減することが可能な無線通信システムに関する技術が開示されている。
特開2012−84111号公報 特開2013−55611号公報
RFID技術を利用した無線通信システムでは、無線タグ(データ送信機)から所定の無線機器にデータが送信される。ここでデータ送信機は、例えばセンサノードなどであり、所定の情報を取得するために分散して配置されている。このため、データ送信機の電池交換の頻度が増加すると無線通信システムの利便性が低下する。よって、センサノードの電池交換の頻度を低減させるために、データ送信機の消費電力を低減させることが必要とされていた。一方、データ送信機の送信電力を高めるためには、データ送信機に搭載されている増幅器の利得を増加させる必要がある。しかしながら、増幅器の利得を増加させるとデータ送信機の消費電力が増加するという問題があった。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、無線通信システムは、第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器、第2のデータを第2の電波を用いて送信するデータ送信機、第1のデータおよび第2のデータを復調する第2の無線機器を備える。第2の無線機器は、データ送信機から送信された第2のデータを第1の電波のビット誤り率の変化を用いて復調する。データ送信機は、第1のアンテナで受信した第1の電波に対応した信号を増幅する増幅器と、増幅器の出力側から増幅器の入力側に信号を帰還して帰還ループを形成する帰還部と、を備える。
一実施の形態によれば、無線通信システムは、第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器、第2のデータを第2の電波を用いて送信するデータ送信機、第1のデータおよび第2のデータを復調する第2の無線機器を備える。第2の無線機器は、データ送信機から送信された第2のデータを第1の電波のビット誤り率の変化を用いて復調する。データ送信機は、第1のアンテナで受信した第1の電波に対応した信号を増幅する入力増幅器と、入力増幅器の出力が供給され、第1の電波と同一の周波数で発振する発振器と、発振器から出力された信号を増幅する出力増幅器と、を備える。
一実施の形態によれば、データ送信機は、第1のアンテナで受信した第1の電波に対応した信号を増幅する増幅器と、増幅器の出力側から増幅器の入力側に信号を帰還して帰還ループを形成する帰還部と、を備える。
一実施の形態によれば、データ送信機は、第1の電波を受信し、第2の電波を送信するアンテナと、アンテナで受信した第1の電波に対応した信号を増幅する入力増幅器と、発振器から出力された信号を増幅する出力増幅器と、入力増幅器の入力側とアンテナとの接続および出力増幅器の出力側とアンテナとの接続を切り替える入出力切替回路と、入出力切替回路を制御する制御回路と、を備える。制御回路は、第2のデータを送信する際、入力増幅器の入力側とアンテナとを接続し、発振器の出力信号の周波数が入力増幅器の出力信号の周波数と一致した後、出力増幅器の出力側とアンテナとを接続する。
前記一実施の形態によれば、データ送信機の消費電力を低減しつつ、データ送信機の送信電力を高めることが可能な無線通信システムおよびデータ送信機を提供することができる。
実施の形態1にかかる無線通信システムを示すブロック図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の詳細を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態1にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の一例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の一例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の一例を示すブロック図である。 周波数調整回路の一例を示す回路図である。 周波数調整回路の一例を示す回路図である。 実施の形態2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。 第1の電波の波形の一例を示す図である(シングルトーン送信)。 第1の電波のビット誤り率の変化を示す図である。 第1の電波の波形の一例を示す図である(周波数変調)。 第1の電波のビット誤り率の変化を示す図である(比較例)。 実施の形態3にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 帰還ループがフルスイング動作するための条件を説明するための図である。 整合回路の一例を示す回路図である。 整合回路の一例を示す回路図である。 整合回路の一例を示す回路図である。 整合回路の一例を示す回路図である。 実施の形態4にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 データ送信機において発振現象が生じるための電力条件を説明するための図である。 データ送信機において発振現象が生じるための位相条件を説明するための図である。 発振周波数f[GHz]とアンテナ間距離D[cm]との関係を示す図である。 発振周波数f[GHz]と位相差φ[deg.]との関係を示す図である。 実施の形態5にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 図22に示すデータ送信機が備える発振器の一例を示す回路図である。 図22に示すデータ送信機が備える発振器の一例を示す回路図である。 実施の形態6にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 実施の形態6にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 実施の形態7にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 実施の形態8にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 実施の形態8にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態8にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態9にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 実施の形態9にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態10にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機を示すブロック図である。 実施の形態10にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態10にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機の動作を説明するためのタイミングチャートである。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。図1は実施の形態1にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態にかかる無線通信システムは、第1の無線機器10と、第2の無線機器20と、データ送信機30(RFID用の無線タグに対応する)と、を備える。第1の無線機器10は、第1のデータを第1の電波13、14を用いて送信する。データ送信機30は、送信対象である第2のデータに応じて第1の電波13に外乱を与える第2の電波15を送信する。第2の無線機器20は、第1の無線機器10から送信された第1の電波13とデータ送信機から送信された第2の電波15とを受信する。そして、第2の無線機器20の復調回路22は、第1の無線機器10から送信された第1のデータ23を復調すると共に、データ送信機30から送信された第2のデータ24を第1の電波13のビット誤り率の変化を用いて復調する。
データ送信機30は、第1のアンテナ31、増幅器AMP1、帰還部38、変調回路33、および第2のアンテナ39を少なくとも備える。第1のアンテナ31は、第1の無線機器10から送信された第1の電波14を受信する。増幅器AMP1は、第1のアンテナ31で受信した第1の電波14に対応した信号を増幅する。帰還部38は、増幅器AMP1の出力側から増幅器AMP1の入力側に信号を帰還(正帰還)して帰還ループを形成する。変調回路33は、帰還ループにおける信号を第2のデータに応じて変調する。例えば変調回路33は、増幅器AMP1に供給される電源のオン・オフを切り替えることで、帰還ループにおける信号を変調することができる。第2のアンテナ39は、変調された信号を第2の電波15を用いて送信する。
このように本実施の形態にかかる無線通信システムでは、RFID等のデータ送信機30から送信された第2の電波15を用いて第1の電波13のビット誤り率を変化させることで、データ送信機30から第2の無線機器20に第2のデータを送信している。また本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機30では、帰還部38を設けて増幅器AMP1の出力側から増幅器AMP1の入力側に信号を帰還している。このように帰還ループを形成すると増幅器AMP1が発振するので、データ送信機30の消費電力を低減しつつ、増幅器AMP1の利得を向上させることができる。以下、本実施の形態にかかる無線通信システムを構成する各要素について詳細に説明する。
第1の無線機器10は、第2の無線機器20との無線通信を実現するための内部回路(不図示)とアンテナ11とを備え、第1のデータを第1の電波13、14を用いて送信する。ここで、第1の電波13は第2の無線機器20に直接送信される直接波である。また、第1の電波14はデータ送信機30で受信される電波である。
第2の無線機器20は、第1の無線機器10との無線通信を実現するための内部回路(不図示)とアンテナ21とを備える。また、第2の無線機器20が備える復調回路22は、受信した第1の電波13に含まれている第1のデータ23および第2の電波15に含まれている第2のデータ24を復調する。
ここで、第1の無線機器10と第2の無線機器20は、無線ネットワーク(WLAN)を構成している。例えば第1の無線機器10はWLAN基地局(WLAN親機)であり、第2の無線機器20はWLAN受信機(WLAN子機)である。また、例えば第1の無線機器10と第2の無線機器20は双方向の通信ができるように構成されている。なお、本実施の形態では第1の無線機器10と第2の無線機器20との間の通常のデータ通信は、第1の無線機器10と第2の無線機器20がそれぞれ備える内部回路を用いて実施される。第1の無線機器10と第2の無線機器20の通常のデータ通信については、従来の技術と同様であるので詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態にかかる無線通信システムはWLANに限定されるものではなく、WLAN以外にもBluetooth(登録商標)や携帯電話などの既存の無線規格の機器に対しても広く適用することができる。
図2は、本実施の形態にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機30の詳細を説明するためのブロック図である。図2に示すように、データ送信機30は、第1のアンテナ31、フィルタ回路32、増幅器AMP1、変調回路33、スイッチ34、発振周波数調整回路35、帰還部38、および第2のアンテナ39を備える。発振周波数調整回路35は、増幅器AMP2、周波数比較器36、および周波数調整回路37を備える。
第1のアンテナ31は、第1の無線機器10から送信された第1の電波14を受信し、第1のアンテナ31で受信した第1の電波に対応した信号51(つまり、受信信号)をフィルタ回路32および増幅器AMP2に出力する。
フィルタ回路32は、増幅器AMP1の入力側に設けられている。フィルタ回路32は、信号51に含まれる所定の周波数帯の信号を透過し、所定の周波数帯域外の信号を除去する。例えばフィルタ回路32はバンドパスフィルタで構成されている。フィルタ回路32で不要な周波数成分が除去された信号52は、増幅器AMP1に供給される。フィルタ回路32を透過する周波数を選択することで、帰還ループにおける発振周波数を任意の周波数とすることができる。
増幅器AMP1は、フィルタ回路32から供給された信号52を増幅して、増幅後の信号55を周波数調整回路37に出力する。増幅器AMP1には、スイッチ34を介して電源54が供給される。スイッチ34は変調回路33から出力された制御信号53に応じて、増幅器AMP1に供給される電源54のオン・オフを切り替える。変調回路33は、送信対象である第2のデータに応じて制御信号53を生成する。つまり、第2のデータに応じて、増幅器AMP1から増幅後の信号55が出力される状態と出力されない状態とを切り替えることができる。
例えば、送信対象である第2のデータが“1”である場合、変調回路33はスイッチ34をオン状態とする制御信号53を出力する。この場合、スイッチ34がオン状態となるので、増幅器AMP1には電源54が供給される。増幅器AMP1は、信号52を増幅した信号55(つまり、第2のデータ“1”に対応している)を出力する。このとき、第2のアンテナ39から第2の電波15が送信される。
一方、送信対象である第2のデータが“0”である場合、変調回路33はスイッチ34をオフ状態とする制御信号53を出力する。この場合、スイッチ34がオフ状態となるので、増幅器AMP1には電源54が供給されない。よって増幅器AMP1からはロウレベルの信号55(つまり、第2のデータ“0”に対応している)が出力される。このとき、第2のアンテナ39からは第2の電波15が送信されない。
ここでデータ送信機30が送信する第2のデータは、例えばデータ送信機30が備えるセンサ(変調回路に内蔵)を用いて収集されたデータである。センサは、例えば人の体温を測定する温度センサ、人の血圧を測定する圧力センサ等である。例えば、温度センサ内蔵のデータ送信機を被測定対象に貼り付け、被測定対象の温度情報を無線送信し無線ネットワークで受信することで、被測定対象の温度を逐次チェックすることができる。なお、センサは温度センサ、圧力センサに限定されることはなく、所定のデータを取得できるセンサであればどのようなセンサであってもよい。
またデータ送信機30が送信する第2のデータは、データ送信機30が予め備えるデータであってもよい。この場合、データ送信機30はセンサを備えている必要はなく、データを格納するデータ格納部を備える構成とすることができる。また、データ送信機30が送信する第2のデータは、データ送信機30が外部から取得したデータであってもよい。この場合、データ送信機30は入力端子を備え、データ送信機30はこの入力端子を介して外部データを取得することができる。
周波数調整回路37は、増幅器AMP1から出力された信号55の周波数を制御信号56に応じて調整し、周波数調整後の信号57を出力する。信号57は、帰還部38を経由して帰還信号59として増幅器AMP1の入力側に供給される。これにより、フィルタ回路32、増幅器AMP1、周波数調整回路37、帰還部38を経由する帰還ループが形成される。また、信号57の一部は、第2のアンテナ39から第2の電波15として送信される。
増幅器AMP2は、周波数比較器36で信号51の周波数を比較できるレベルとなるように、信号51を増幅する。周波数比較器36は、周波数調整回路37から出力された信号57と増幅器AMP2で増幅された信号58とを比較し、この比較結果に応じて周波数調整回路37を制御する。具体的には、周波数比較器36は、周波数調整回路37から出力された信号57の周波数が、増幅器AMP2で増幅された信号58の周波数と一致するように周波数調整回路37を制御する。換言すると、周波数比較器36は帰還ループにおける発振周波数が第1の電波14の周波数と一致するように、周波数調整回路37を制御する。
なお、データ送信機30はバッテリーを内蔵している構成でもよく、またアンテナ31で受信した第1の電波14を用いて電力を生成する電力生成回路を備えている構成でもよい。
次に、本実施の形態にかかる無線通信システムの動作について、図3に示すタイミングチャートを用いて説明する。図3に示すように、第1の無線機器10は第1のデータを第1の電波13、14を用いて送信している。第2の無線機器20は第1の電波13を受信し、第1の電波13に含まれている第1のデータ23を復調している。つまり、第1の無線機器10および第2の無線機器20はデータ通信を行っている。
データ送信機30が備える変調回路33は、送信対象である第2のデータに応じて制御信号53を出力する。例えば送信対象である第2のデータが“0”である場合、変調回路はロウレベル(“0”)の制御信号53を出力する。一方、送信対象である第2のデータが“1”である場合、変調回路はハイレベル(“1”)の制御信号53を出力する。
制御信号53がロウレベルの場合、スイッチ34はオフ状態となる。この場合、増幅器AMP1には電源54が供給されないので、第2の電波15は送信されない。一方、制御信号53がハイレベルの場合、スイッチ34はオン状態となる。この場合、増幅器AMP1に電源54が供給されるので、第2の電波15が送信される。
第2の電波15が送信されない場合は、第2の電波15が第1の電波13の外乱として働かないので、第1の電波13のビット誤り率BERは低い状態となる。このとき、第2の無線機器20の復調回路22は、データ送信機30から送信された第2のデータを“0”とする。一方、第2の電波15が送信された場合は、第2の電波15が第1の電波13の外乱として働くので、第1の電波13のビット誤り率は高い状態となる。このとき、第2の無線機器20の復調回路22は、データ送信機30から送信された第2のデータを“1”とする。このような動作により、データ送信機30から第2の無線機器20に第2のデータを送信することができる。
このように第1の無線機器10が送信する第1のデータは、第1の無線機器10と第2の無線機器20の規格に準拠した変調要素を備える第1の電波13(つまり、規格に準拠した搬送波周波数を備える電波)を用いて伝送される。一方、データ送信機30が送信する第2のデータは、第2の無線機器20が受信した電波(第1および第2の電波)におけるビット誤り率の変化(ビット誤り率の高低)を用いて伝送される。
この時、第2の無線機器20が受信した電波のビット誤り率の変化の周期(つまりビット誤り率の変調周期)は、規格に準拠した搬送波周波数を備える第1の電波13の変調周期よりも遅い。よって復調回路22を用いて、第1の無線機器10から送信された第1のデータとデータ送信機30から送信された第2のデータを分離することができる。
なお、上記では増幅器AMP1に供給される電源54のオン・オフを切り替えることで第2の電波を変調する場合について説明したが、第2の電波を変調する方式はこれに限られない。例えば帰還ループの所定の箇所に直列にスイッチを接続し、このスイッチをオン・オフすることで第2の電波を変調してもよい。つまり、スイッチがオン状態の場合は帰還ループが形成されているので第2の電波が送信される。一方、スイッチがオフ状態の場合は帰還ループが形成されないので第2の電波は送信されない。また、第2の電波を変調する方式はオン・オフ変調に限らず、第2の電波の強度を変調する方式(つまり、強弱を用いた変調)でもよい。
次に、帰還部38の一例について図4〜図6を用いて説明する。帰還部38は、図4に示すように配線71を用いて構成してもよい。つまり、配線71を用いて、第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間(換言すると、増幅器AMPの出力側と入力側との間)を接続してもよい。
また帰還部38は、図5に示すように抵抗素子R1を用いて構成してもよい。つまり、抵抗素子R1を用いて、第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間を接続してもよい。増幅器AMP1の入力側には、第1のアンテナ31で受信した信号の電圧振幅と、帰還信号の電圧振幅とが加算された信号が供給される。このため、第1の無線機器10とデータ送信機30との距離が近い場合は、増幅器AMP1の入力側に供給される信号の電圧振幅が大きくなり、増幅器AMP1が破壊されるおそれがある。
図5に示す例では、抵抗素子R1を用いて第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間を接続しているので、増幅器AMP1の入力側に供給される信号の電圧振幅を制限することができ、増幅器AMP1が破壊されることを抑制することができる。
また帰還部38は、図6に示すようにバッファBUF1を用いて構成してもよい。つまり、バッファBUF1を用いて、第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間を接続してもよい。例えば第1の無線機器10とデータ送信機30との距離が離れている場合は、第1のアンテナ31で受信した信号の電圧振幅は小さくなる。このため、増幅器AMP1だけでは十分な利得を得られない場合がある。
図6に示す例では、バッファBUF1を用いて第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間を接続しているので、バッファBUF1を用いて帰還信号を増幅することができ、必要な電圧振幅(つまり、利得)を得ることができる。
次に、周波数調整回路37の一例について図7、図8を用いて説明する。図7に示す周波数調整回路37’は、P型トランジスタMP1〜MP4、N型トランジスタMN1〜MN4を備える。P型トランジスタMP1のソースは高電位側の電源に接続され、ドレインはP型トランジスタMP2のソースに接続され、ゲートには制御電圧VCPが供給される。P型トランジスタMP2のソースはP型トランジスタMP1のドレインに接続され、ソースはノードN1に接続され、ゲートには増幅器AMP1で増幅された信号55が供給される。
N型トランジスタMN1のドレインはノードN1に接続され、ソースはN型トランジスタMN2のドレインに接続され、ゲートには信号55が供給される。N型トランジスタMN2のドレインはN型トランジスタMN1のソースに接続され、ソースは低電位側の電源に接続され、ゲートには制御電圧VCNが供給される。
P型トランジスタMP3のソースは高電位側の電源に接続され、ドレインはP型トランジスタMP4のソースに接続され、ゲートには制御電圧VCPが供給される。P型トランジスタMP4のソースはP型トランジスタMP3のドレインに接続され、ソースはノードN2に接続され、ゲートはノードN1に接続されている。
N型トランジスタMN3のドレインはノードN2に接続され、ソースはN型トランジスタMN4のドレインに接続され、ゲートはノードN1に接続されている。N型トランジスタMN4のドレインはN型トランジスタMN3のソースに接続され、ソースは低電位側の電源に接続され、ゲートには制御電圧VCNが供給される。
P型トランジスタMP2およびN型トランジスタMN1、並びにP型トランジスタMP4およびN型トランジスタMN3はそれぞれインバータを構成している。
ここで、制御電圧VCP、VCNは所定の定電圧の制御信号であり、周波数比較器36から出力された制御信号56に対応している。P型トランジスタMP1、MP3を流れる電流量は、制御電圧VCPに応じて変化する。具体的には、制御電圧VCPが低くなるほど、P型トランジスタMP1、MP3を流れる電流量が増加する。また、N型トランジスタMN2、MN4を流れる電流量は、制御電圧VCNに応じて変化する。具体的には、制御電圧VCNが高くなるほど、N型トランジスタMN2、MN4を流れる電流量が増加する。
図7に示す周波数調整回路37’では、制御電圧VCP、VCNを調整することで、信号55が遷移した際のノードN1、N2の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを調整して周波数を調整している。換言すると、図7に示す周波数調整回路37’では、制御電圧VCP、VCNに応じて、信号55に遅延を与えることで周波数を調整している。なお、ノードN1の立ち上がりとは、ノードN1の電位がロウレベルからハイレベルに遷移する状態を意味する。同様に、ノードN1の立ち下がりとは、ノードN1の電位がハイレベルからロウレベルに遷移する状態を意味する。
例えば、信号55がハイレベルからロウレベルに遷移した場合、P型トランジスタMP2はオン状態、N型トランジスタMN1はオフ状態となる。このときノードN1が立ち上がるタイミングは、制御電圧VCPに依存する。例えば制御電圧VCPが低い場合は、P型トランジスタMP1を流れる電流量は多いため、ノードN1の立ち上がりは早くなる。一方、制御電圧VCPが高い場合は、P型トランジスタMP1を流れる電流量は少ないため、ノードN1の立ち上がりは遅くなる。
同様に、例えば、信号55がロウレベルからハイレベルに遷移した場合、P型トランジスタMP2はオフ状態、N型トランジスタMN1はオン状態となる。このときノードN1が立ち下がるタイミングは、制御電圧VCNに依存する。例えば制御電圧VCNが高い場合は、N型トランジスタMN2を流れる電流量は多いため、ノードN1の立ち下がりは早くなる。一方、制御電圧VCNが低い場合は、N型トランジスタMN2を流れる電流量は少ないため、ノードN1の立ち下がりは遅くなる。
P型トランジスタMP3、MP4、N型トランジスタMN3、MN4の動作についても同様である。このように、図7に示す周波数調整回路37’では、制御電圧VCP、VCNに応じて信号55に遅延を与えることで、信号55の周波数を調整することができる。
次に、図8に示す周波数調整回路37’’について説明する。周波数調整回路37’’は、P型トランジスタMP5、MP6、N型トランジスタMN5、MN6、および可変容量VC1、CV2を備える。P型トランジスタMP5のソースは高電位側の電源に接続され、ドレインはノードN3に接続され、ゲートには信号55が供給される。N型トランジスタMN5のドレインはノードN3に接続され、ゲートには信号55が供給され、ソースは低電位側の電源に接続されている。つまり、P型トランジスタMP5およびN型トランジスタMN5はインバータを構成している。
P型トランジスタMP6のソースは高電位側の電源に接続され、ドレインはノードN4に接続され、ゲートはノードN3に接続されている。N型トランジスタMN6のドレインはノードN4に接続され、ゲートはノードN3に接続され、ソースは低電位側の電源に接続されている。つまり、P型トランジスタMP6およびN型トランジスタMN6はインバータを構成している。
可変容量VC1の一端はノードN3に接続され、他端は低電位側の電源に接続されている。可変容量VC2の一端はノードN4に接続され、他端は低電位側の電源に接続されている。可変容量VC1、VC2の容量は、制御信号CNTにより調整される。
図8に示す周波数調整回路37’’では、可変容量VC1、VC2の容量に応じて、信号55が遷移した際のノードN1、N2の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを調整することができる。例えば、信号55がハイレベルからロウレベルに遷移した場合、P型トランジスタMP5はオン状態、N型トランジスタMN5はオフ状態となる。このときノードN3が立ち上がるタイミングは、可変容量VC1の容量に依存する。つまり、可変容量VC1の容量が大きいほど可変容量VC1の充電に時間がかかるため、ノードN3の立ち上がりは遅くなる。逆に、可変容量VC1の容量が小さいほど可変容量VC1の充電に時間がかからないため、ノードN3の立ち上がりは早くなる。
同様に、信号55がロウレベルからハイレベルに遷移した場合、P型トランジスタMP5はオフ状態、N型トランジスタMN5はオン状態となる。このときノードN3が立ち下がるタイミングは、可変容量VC1の容量に依存する。つまり、可変容量VC1の容量が大きいほど可変容量VC1の放電に時間がかかるため、ノードN3の立ち下がりは遅くなる。逆に、可変容量VC1の容量が小さいほど可変容量VC1の放電に時間がかからないため、ノードN3の立ち下がりは早くなる。
P型トランジスタMP6、N型トランジスタMN6、可変容量VC2の動作についても同様である。このように、図8に示す周波数調整回路37’’では、制御信号CNTに応じて可変容量VC1、VC2の容量を調整することで、信号55の周波数を調整することができる。
背景技術で説明したように、RFID技術を利用した無線通信システムでは、無線タグ(データ送信機)から所定の無線機器にデータが送信される。ここでデータ送信機は、例えばセンサノードなどであり、所定の情報を取得するために分散して配置されている。例えばセンサノードは、日常生活空間や人間が立ち入ることが困難な空間などに分散して配置されることが想定される。このため、センサノードの電池交換の頻度が増加すると無線通信システムの利便性が低下する。よって、センサノードの電池交換の頻度を低減させるために、センサノードの消費電力を低減させることが必要とされていた。特にセンサノードでは、無線通信部での消費電力が全体の消費電力のうちの大半を占めることから、無線通信部の消費電力を低減させる必要があった。
一方、データ送信機の送信電力を高めるためには、データ送信機に搭載されている増幅器の利得を増加させる必要がある。しかしながら、増幅器の利得を増加させるとデータ送信機の消費電力が増加するという問題があった。つまり、増幅器の利得を増加させるためには、増幅器を構成するトランジスタの寸法を大きくする方法や、増幅器を多段接続する方法があるが、これらの方法を用いた場合は回路全体の消費電力が増加する。
そこで本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機30に帰還部38を設け、増幅器AMP1の出力側から増幅器AMP1の入力側に信号を帰還している。このように帰還ループを形成すると増幅器AMP1が発振するので、データ送信機30の消費電力を低減しつつ、増幅器AMP1の利得を向上させることができる。
よって本実施の形態により、データ送信機の消費電力を低減しつつ、データ送信機の送信電力を高めることが可能な無線通信システムおよびデータ送信機を提供することができる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図9は実施の形態2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。実施の形態1で説明した無線通信システムでは、データ送信機30から第2の無線機器20に第2のデータを送信する際、第1の通信機器10から第2の無線機器20に送信される第1のデータは任意のデータとしていた。これに対して本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機30から第2の無線機器20に第2のデータを送信する際、第1の通信機器10から第2の無線機器20に送信される第1のデータを固定データパターンとしている。これ以外は実施の形態1で説明した無線通信システムと同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施の形態にかかる無線通信システムでは、第1の無線機器10は、予め定められたデータパターン(固定データパターン)を第1のデータとして送信する。第2の無線機器20は、第1の電波13のビット誤り率を求める際に、予め定められたデータパターンの期待値を用いる。
予め定められたデータパターンとして、例えばデータ“0”の連続送信またはデータ“1”の連続送信であるシングルトーン送信、データ“0”とデータ“1”とを交互に送信するデータパターン(つまり、0、1、0、1、0、1、0、・・・)を用いることができる。
また、予め定められたデータパターンとして、擬似ランダム雑音パターンを用いてもよい。擬似ランダム雑音パターンとしては、例えばPN3(1、0、0、1、1、1、0)の7ビット系列、PN4(0、1、0、0、1、1、0、1、0、1、1、1、1、0、0)の15ビット系列、PN5(1、0、0、0、1、1、1、1、1、0、0、1、1、0、1、0、0、1、0、0、0、0、1、0、1、0、1、1、1、0、1)の31ビット系列のデータパターンを用いることができる。また、予め定められたデータパターンとして、マンチェスタ符号を用いたデータ“0”の連続送信またはデータ“1”の連続送信を用いてもよい。
上記予め定められたデータパターンを送信する際の変調方式は、振幅変調、周波数変調、および位相変調のいずれであってもよい。
図10は、第1の電波13の波形の一例を示す図である。図10に示す第1の電波13の波形は、シングルトーン送信の波形を示している(変調方式は周波数変調方式)。また、図11は、第1の電波13のビット誤り率の変化を示す図である。図11において、符号61はビット誤り率が高い箇所を示しており、符号62はビット誤り率が低い箇所を示している。図10、図11に示すように、第1の通信機器10から第2の無線機器20に送信する第1のデータを固定データパターンとし、第2の無線機器20において第1の電波のビット誤り率を求める際に第1のデータ(固定データパターン)の期待値を用いることで、第1の電波のビット誤り率の変動の検出が容易となる。よって、ビット誤り率のS/N比を向上させることができ、通信感度を向上させることができる。
図12は、第1の電波13の波形の一例を示す図であり、固定データパターンを用いない場合の第1の電波13の波形の一例を示している(変調方式は周波数変調方式)。図12に示すように、固定データパターンを用いない場合は、符号64、符号65に示すように第1の電波13の周波数が変動している。図13は、第1の電波13のビット誤り率の変化を示す図である(比較例)。図13において、符号67はビット誤り率が高い箇所を示しており、符号68はビット誤り率が低い箇所を示している。図13に示すように、固定データパターンを用いない場合は、ビット誤り率のS/N比が低下し、通信感度が低下する。
以上で説明したように、本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機30から第2の無線機器20に第2のデータを送信する際に、第1の通信機器10から第2の無線機器20に送信する第1のデータを固定データパターンとしている。これにより、ビット誤り率の変動の検出が容易となり、ビット誤り率のS/N比を向上させることができる。よって、データ送信機30から第2の無線機器20に第2のデータを送信する際の通信感度を向上させることができる。
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。図14は実施の形態3にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機30’を示すブロック図である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機30’が帰還部として整合回路72を備えている点が実施の形態1と異なる。これ以外は実施の形態1、2で説明した無線通信システムと同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
データ送信機30’が備える整合回路72は、第2のアンテナ39から送信される第2の電波15の電力(つまり、反射信号74の電力)と、帰還ループを経由して帰還される透過信号73の電力との割合を調整する。
整合回路72は、透過信号73の電力に対して反射信号74の電力が十分大きくなるように設計されている(例えば、透過信号73の電力:反射信号74の電力=1:9)。つまり、帰還ループにおいて電圧振幅がフルスイングするのに必要な電力のみが帰還され、残りの電力は第2のアンテナ39より第2の電波15として送出される。これにより、第2の電波15の送信電力を高めることができる。また帰還ループで電圧振幅がフルスイングすることで、増幅器AMP1がアンプ動作からスイッチング動作に切り替わることから、増幅器AMP1の消費電力を抑制することができる。以下で、図15を参照して帰還ループがフルスイング動作するための条件について説明する。
増幅器AMP1の出力電圧をVoutとすると、帰還ループがフルスイング動作するためには、Vout=VDDを満たす必要がある。ここでVDDは高電位側の電源電圧である。増幅器AMP1の電力利得をG、入力電圧をVin、整合回路の透過率をβとすると、帰還ループが正帰還であるので、以下の式1を導くことができる。
Figure 0006298710
したがって、整合回路の透過率βは以下の式2のように表すことができる。ここで、Pr1は第1のアンテナ31で受信する第1の電波14の受信電力、Rinは増幅器AMP1の入力抵抗である。
Figure 0006298710
例えば、電力利得G=10dB、受信電力Pr1=−40dBm、入力抵抗Rin=50Ωとすると、透過率βは下記の式3ようになる。
Figure 0006298710
したがって、この場合は、帰還ループがフルスイング動作するように、整合回路72における透過信号73の電力と反射信号74の電力との比率が1:9となるように整合回路72を設計する。図16A〜図16Dは、整合回路72の一例を示す回路図である。
図16Aに示すように、整合回路72は、一端がノードANT1に接続され、他端が低電位側の電源に接続された容量C1と、一端がノードANT2に接続され、他端がノードANT1に接続されたインダクタL1を用いて構成することができる。ここで、ノードANT1は第1のアンテナ31側のノードであり、ノードANT2は第2のアンテナ39側のノードである(図15参照)。
また図16Bに示すように、整合回路72は、一端がノードANT1に接続され、他端が低電位側の電源に接続されたインダクタL2と、一端がノードANT2に接続され、他端がノードANT1に接続された容量C2を用いて構成することができる。また、図16Cに示すように、整合回路72は、一端がノードANT2に接続され、他端が低電位側の電源に接続された容量C3と、一端がノードANT2に接続され、他端がノードANT1に接続されたインダクタL3を用いて構成することができる。また、図16Dに示すように、整合回路72は、一端がノードANT2に接続され、他端が低電位側の電源に接続されたインダクタL4と、一端がノードANT2に接続され、他端がノードANT1に接続された容量C4を用いて構成することができる。
整合回路72における透過信号73の電力と反射信号74の電力との比率は、図16A〜図16Dに示した整合回路のインダクタの値と容量の値を調整することで決定することができる。なお、図16A〜図16Dに示した整合回路は一例であり、整合回路はこれらの回路に限定されることはない。
以上で説明したように本実施の形態では、データ送信機30’に整合回路72を設け、透過信号73の電力に対して反射信号74の電力が十分大きくなるようにしている。つまり、帰還ループにおいて電圧振幅がフルスイングするのに必要な電力のみが帰還され、残りの電力は第2のアンテナ39より第2の電波15として送出されるようにしている。これにより、第2の電波15の送信電力を高めることができる。
<実施の形態4>
次に、実施の形態4について説明する。図17は実施の形態4にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機30’’を示すブロック図である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機30’’が備える帰還部が、第1のアンテナ31および第2のアンテナ39を用いて構成されており、第2のアンテナ39から第1のアンテナ31に第3の電波16を送信することで帰還ループが形成されている。これ以外は実施の形態1、2で説明した無線通信システムと同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図17に示すデータ送信機30’’では、第2のアンテナ39から第1のアンテナ31に第3の電波16を送信することで帰還ループが形成されている。このとき、第1のアンテナ31の指向方向と第2のアンテナ39の指向方向とが重なるように、第1のアンテナ31と第2のアンテナ39とを構成してもよい。空間を介して帰還ループが形成されて発振現象が生じるためには、以下に示す電力条件と位相条件の2つの条件を満たす必要がある。
第2のアンテナ39から第1のアンテナ31に第3の電波16が送信されると、自由空間伝搬損失により第3の電波16の強度が低下する。このため、第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間隔が離れすぎている場合は、帰還ループの形成が困難になる。更に、発振現象が生じるか否かは、第3の電波16が自由空間を伝搬することで生じる位相差にも依存する。まず、図18を参照して発振現象が生じるための電力条件について説明する。
帰還ループにおいて発振現象が生じるためには、以下の式4を満たす必要がある。ここで、Gは増幅器AMP1の電力利得、Gは第1のアンテナ31のアンテナ利得、Gは第2のアンテナ39のアンテナ利得、Γは第3の電波16が第2のアンテナ39から第1のアンテナ31に伝搬する際の自由空間伝搬損失である。
Figure 0006298710
式4を対数表記からリニア表記に変更すると、下記の式5のようになる。
Figure 0006298710
またフリスの伝搬公式を用いると、式5は式6のように表すことができる。
Figure 0006298710
ここでDは第1のアンテナ31と第2のアンテナ39との間の距離、fは第3の電波16の周波数(換言すると、帰還ループにおける周波数)である。増幅器AMP1が1次遅れのシステムであると仮定し、増幅器AMP1の直流利得をGa0、周波数帯域幅をfとすると、アンテナ間距離Dは次の式7を満たす必要がある。cは光速である。
Figure 0006298710
次に、図19を参照して発振現象が生じるための位相条件について説明する。増幅器AMP1での位相遅れをθ、周波数調整回路(位相調整回路)37での位相遅れをφ、自由空間伝搬での位相遅れをψとおくと、発振を生じさせるための位相条件として、次の式8を満たす必要がある。ここでNは整数である。
Figure 0006298710
増幅器AMP1が1次遅れのシステムであると仮定し、距離Dの伝搬による位相遅れを考慮すると、式9のように表すことができる。
Figure 0006298710
N=1とすると、周波数調整回路37の位相差φは次の式10を満足する必要がある。
Figure 0006298710
更に、実施の形態3で説明した方法を用いて、増幅器AMP1がフルスイング動作する条件を導くと、下記の式11のようになる。
Figure 0006298710
ここで、光速c=3×10[m/s]、アンテナ利得G=G=2[dBi]、増幅器AMP1の直流利得Ga0=10[dB]、増幅器AMP1の周波数帯域幅f=4[GHz]とし、アンテナ間距離Dと周波数fとの関係(式7)をプロットすると図20のようになる。また、周波数調整回路37での位相差φと周波数fとの関係(式10)をプロットすると、図21のようになる。
例えば、周波数f=2.4[GHz]において発振現象を生じされるためには、アンテナ間距離DはD≦4.6[cm]、周波数調整回路37での位相差φはφ=228°(D=4.6[cm]での値)となる。更に、フルスイング動作するための条件は、D=3.2[cm]、φ=270°(D=3.2[cm]での値)となる。
<実施の形態5>
次に、実施の形態5について説明する。図22は実施の形態5にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機80を示すブロック図である。本実施の形態にかかる無線通信システムでは、データ送信機80の構成が実施の形態1〜4の場合と異なる。これ以外、つまり第1の無線機器10および第2の無線機器20の構成および動作については、実施の形態1〜4の場合と同様である。
図22に示すようにデータ送信機80は、第1のアンテナ81、増幅器AMP3(入力増幅器)、発振器82、増幅器AMP4(出力増幅器)、変調回路85、スイッチ86、および第2のアンテナ89を備える。発振器82は、乗算器83および周波数調整回路84を備える。
第1のアンテナ81は、第1の無線機器10から送信された第1の電波14を受信し、第1のアンテナ81で受信した第1の電波に対応した信号(つまり、受信信号)91を増幅器AMP3に出力する。
増幅器AMP3は信号91を増幅し、増幅後の信号92を発振器82に出力する。発振器82は、第1の電波14の周波数(換言すると増幅後の信号92の周波数)と同一の周波数で発振し、発振器82から出力された信号94を増幅器AMP4に出力する。このとき発振器82には増幅後の信号92が供給されるので、発振器82における発振周波数が第1の電波14の周波数に正確に追従するインジェクションロックと呼ばれる現象が引き起こされる。
発振器82が備える乗算器83は、増幅後の信号92と信号94とを入力し、これらの信号を乗算した信号93を周波数調整回路84に出力する。周波数調整回路84は、発振器82の発振周波数が第1の電波14の周波数と一致するように信号93の周波数を調整し、調整後の信号94を出力する。換言すると周波数調整回路84は、乗算器83に入力された信号92の周波数と信号94の周波数とが一致するように信号93の周波数を調整する。
図23は、発振器82が備える乗算器83および周波数調整回路84の一例を示す回路図である。図23に示すように、乗算器83’はP型トランジスタMP11、N型トランジスタMN11、MN12を備える。周波数調整回路84’は、P型トランジスタMP1〜MP4、N型トランジスタMN1〜MN4を備える。なお、周波数調整回路84’については、図7で説明した周波数調整回路37’と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し重複した説明は省略する。
乗算器83’が備えるP型トランジスタMP11のソースは高電位側の電源に接続され、ドレインはN型トランジスタMN11のドレインに接続され、ゲートには信号94が供給される。N型トランジスタMN11のドレインはP型トランジスタMP11のドレインに接続され、ソースはN型トランジスタMN12のドレインに接続され、ゲートには信号94が供給される。つまり、P型トランジスタMP11およびN型トランジスタMN11はインバータを構成している。N型トランジスタMN12のドレインはN型トランジスタMN11のソースに接続され、ソースは低電位側の電源に接続され、ゲートには容量C11を介して信号92が供給される。
信号92および信号94が共にハイレベルである場合、P型トランジスタMP11はオフ状態、N型トランジスタMN11はオン状態、N型トランジスタMN12はオン状態となり、信号93としてロウレベルの信号が出力される。一方、信号92および信号94が共にロウレベルである場合、P型トランジスタMP11はオン状態、N型トランジスタMN11はオフ状態、N型トランジスタMN12はオフ状態となり、信号93としてハイレベルの信号が出力される。
つまり乗算器83’は、信号92の周波数と信号94の周波数とが一致する場合に、信号92および信号94と同期した信号93を出力する。周波数調整回路84’は、信号92の周波数と信号94の周波数とが一致するように信号93の周波数を調整する。
図24は、発振器82が備える乗算器83および周波数調整回路84の一例を示す回路図である。図24に示すように、発振器82は乗算器83’および周波数調整回路84’’を用いて構成してもよい。乗算器83’はP型トランジスタMP11、N型トランジスタMN11、MN12を備える。周波数調整回路84’’は、P型トランジスタMP5、MP6、N型トランジスタMN5、MN6、および可変容量VC1、VC2を備える。なお、乗算器83’は図23で説明した乗算器83’と同様であり、周波数調整回路84’’は図7で説明した周波数調整回路37’’と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し重複した説明は省略する。
図24に示す発振器においても、乗算器83’は、信号92の周波数と信号94の周波数とが一致する場合に、信号92および信号94と同期した信号93を出力する。周波数調整回路84’’は、信号92の周波数と信号94の周波数とが一致するように信号93の周波数を調整する。
図22に示す増幅器AMP4は、発振器82から出力された信号94を増幅して、増幅後の信号97を第2のアンテナ89に出力する。第2のアンテナ89は信号97を第2の電波15として送信する。増幅器AMP4には、スイッチ86を介して電源96が供給される。スイッチ86は変調回路85から出力された制御信号95に応じて、増幅器AMP4に供給される電源96のオン・オフを切り替える。変調回路85は、送信対象である第2のデータに応じて制御信号95を生成する。つまり、第2のデータに応じて、増幅器AMP4から増幅後の信号97が出力される状態と出力されない状態とを切り替えることができる。
例えば、送信対象である第2のデータが“1”である場合、変調回路85はスイッチ86をオン状態とする制御信号95を出力する。この場合、スイッチ86がオン状態となるので、増幅器AMP4には電源96が供給される。増幅器AMP4は、信号94を増幅した信号97(つまり、第2のデータ“1”に対応している)を出力する。このとき、第2のアンテナ89から第2の電波15が送信される。
一方、送信対象である第2のデータが“0”である場合、変調回路85はスイッチ86をオフ状態とする制御信号95を出力する。この場合、スイッチ86がオフ状態となるので、増幅器AMP4には電源96が供給されない。よって増幅器AMP4からはロウレベルの信号97(つまり、第2のデータ“0”に対応している)が出力される。このとき、第2のアンテナ89からは第2の電波15が送信されない。
なお、データ送信機80が送信する第2のデータについては、実施の形態1で説明した場合と同様である。
本実施の形態においても、データ送信機80が送信する第2のデータは、第2の無線機器20が受信した電波(第1および第2の電波)におけるビット誤り率の変化を用いて伝送される。本実施の形態では、データ送信機80に、第1の電波14の周波数と同一の周波数で発振する発振器82を設けている。よって、実施の形態1〜4で説明したデータ送信機が備える周波数比較器を省略することができるので、データ送信機の消費電力を更に低減させることができる。
なお、本実施の形態においても、第1の通信機器10から第2の無線機器20に送信する第1のデータを固定データパターンとしてもよい(実施の形態2参照)。
<実施の形態6>
次に、実施の形態6について説明する。図25は、実施の形態6にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機100を示すブロック図である。本実施の形態では、実施の形態5で説明したデータ送信機に帰還部104および発振周波数調整回路101を追加している。これ以外は、実施の形態5で説明したデータ送信機と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し重複した説明は省略する。
図25に示すように、データ送信機100は、第1のアンテナ81、増幅器AMP3、発振器82、増幅器AMP4、変調回路85、スイッチ86、発振周波数調整回路101、帰還部104、および第2のアンテナ89を備える。発振器82は、乗算器83および周波数調整回路84を備える。発振周波数調整回路101は、周波数比較器102および周波数調整回路103を備える。
帰還部104は、増幅器AMP4の出力側から増幅器AMP4の入力側に信号を帰還(正帰還)して帰還ループを形成する。周波数比較器102は、周波数調整回路103から出力された信号113と増幅器AMP3で増幅された信号92とを比較し、この比較結果に応じて周波数調整回路103を制御する。具体的には、周波数比較器102は、周波数調整回路103から出力された信号113の周波数が、増幅器AMP3で増幅された信号92の周波数と一致するように周波数調整回路103を制御する。なお、周波数比較器102および周波数調整回路103については、実施の形態1で説明した周波数比較器36および周波数調整回路37と同様である。
本実施の形態では帰還部104を設けているので、データ送信機100における帰還ループが2つ(つまり、帰還部104を経由するループと、発振器82の帰還ループ)形成される。よってデータ送信機100内部の増幅器AMP3、AMP4の利得を下げることができ、増幅器AMP3、AMP4における消費電力を低減させることができる。
なお、本実施の形態において、帰還部104には実施の形態1、3で説明した帰還部を用いてもよい。また、図26に示すデータ送信機110ように、第2のアンテナ89から第1のアンテナ81に第3の電波116を送信することで帰還ループを形成してもよい(実施の形態4参照)。また、本実施の形態においても、第1の通信機器10から第2の無線機器20に送信する第1のデータを固定データパターンとしてもよい(実施の形態2参照)。
<実施の形態7>
次に、実施の形態7について説明する。図27は、実施の形態7にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機80’を示すブロック図である。本実施の形態にかかるデータ送信機80’では、実施の形態5で説明したデータ送信機80と比べて、入力増幅器AMP3、発振器82、及び出力増幅器AMP4に供給される電源を、スイッチ86’を用いて切り替えている点が異なる。これ以外は、実施の形態5で説明したデータ送信機80と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し重複した説明は省略する。
図27に示すようにデータ送信機80’は、第1のアンテナ81、入力増幅器AMP3、発振器82、出力増幅器AMP4、変調回路85、スイッチ86’、および第2のアンテナ89を備える。発振器82は、乗算器83および周波数調整回路84を備える。
入力増幅器AMP3、発振器82、及び出力増幅器AMP4には、スイッチ86’を介して電源96が供給される。スイッチ86’は変調回路85から出力された制御信号95に応じて、入力増幅器AMP3、発振器82、及び出力増幅器AMP4に供給される電源96のオン・オフを切り替える。変調回路85は、送信対象である第2のデータに応じて制御信号95を生成する。つまり、図27に示すデータ送信機80’では、入力増幅器AMP3、発振器82、及び出力増幅器AMP4にそれぞれ供給される電源を第2のデータに応じてオン・オフすることで、第2のアンテナ89から送信される第2の電波を変調する。
例えば、送信対象である第2のデータが“1”である場合、変調回路85はスイッチ86’をオン状態とする制御信号95を出力する。この場合、スイッチ86’がオン状態となるので、入力増幅器AMP3、発振器82、及び出力増幅器AMP4には電源96が供給される。このとき、第2のアンテナ89から第2の電波15が送信される。
一方、送信対象である第2のデータが“0”である場合、変調回路85はスイッチ86’をオフ状態とする制御信号95を出力する。この場合、スイッチ86’がオフ状態となるので、入力増幅器AMP3、発振器82、及び出力増幅器AMP4には電源96が供給されない。このとき、第2のアンテナ89からは第2の電波15が送信されない。
なお、データ送信機80’が送信する第2のデータについては、実施の形態1で説明した場合と同様である。
<実施の形態8>
次に、実施の形態8について説明する。実施の形態1乃至7では、データ送信機が2つのアンテナ(第1のアンテナ及び第2のアンテナ)を備える構成について説明したが、本実施の形態では、データ送信機が1つのアンテナを備える構成について説明する。
図28は、本実施の形態にかかる無線通信システムが備えるデータ送信機120を示すブロック図である。図28に示すように、データ送信機120は、アンテナ121、入出力切替回路122、入力増幅器AMP5、発振器123、出力増幅器AMP6、周波数比較器126、制御電圧生成回路127、クロック生成回路131、変調回路132、制御回路133、及びスイッチ135〜137を備える。発振器123は、乗算器124および周波数調整回路125を備える。
アンテナ121は、第1の無線機器10(図1参照)から送信された第1の電波14を受信し、送信対象である第2のデータに応じて変調された第2の電波15(つまり、第1の電波13に外乱を与える第2の電波15)を送信する。
入出力切替回路122は、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121との接続、および出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121との接続を切り替える。入出力切替回路122は、制御回路133から出力された制御信号φ1、φ2を用いて制御される。つまり、入出力切替回路122は、ハイレベルの制御信号φ1が供給された場合、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とを接続し、ハイレベルの制御信号φ2が供給された場合、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とを接続する。
入力増幅器AMP5は、アンテナ121で受信した第1の電波14(図1参照)に対応した信号141を増幅し、増幅後の信号143を発振器123および周波数比較器126に出力する。つまり、入出力切替回路122が入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とを接続している場合、入力増幅器AMP5には第1の電波に対応した信号141が供給される。入力増幅器AMP5は、この信号141を増幅し、増幅後の信号143を発振器123および周波数比較器126に出力する。
発振器123は、第1の電波14の周波数(換言すると増幅後の信号143の周波数)と同一の周波数で発振し、発振器123から出力された信号144を出力増幅器AMP6および周波数比較器126に出力する。発振器123が備える乗算器124は、増幅後の信号143と信号144とを入力し、これらの信号を乗算した信号を周波数調整回路125に出力する。周波数調整回路125は、発振器123の発振周波数が第1の電波14の周波数と一致するように、乗算器124から出力された信号の周波数を調整し、調整後の信号144を出力する。換言すると、周波数調整回路125は、乗算器124に入力された信号143の周波数と信号144の周波数とが一致するように、周波数調整回路125に入力された信号の周波数を調整する。周波数調整回路125から出力される信号144の周波数は、制御電圧生成回路127から供給された制御電圧146を用いて制御される。発振器123における発振周波数が第1の電波14の周波数と一致している場合、インジェクションロックが生じた状態となる。
発振器123は、例えば、図23に示した乗算器83’と周波数調整回路84’とを用いて構成することができる。ここで、制御電圧146は、図23に示した周波数調整回路84’の制御電圧VCP、VCNに対応している。なお、乗算器83’および周波数調整回路84’の構成および動作については、実施の形態1(図7参照)および実施の形態5(図23参照)で説明したので重複した説明は省略する。また、発振器123は、例えば、図24に示した乗算器83’と周波数調整回路84’’とを用いて構成してもよい(この場合、図24に示した周波数調整回路84’’の制御信号CNTは、図28の制御電圧146に対応する)。
周波数比較器126は、入力増幅器AMP5から出力された信号143の周波数と発振器123から出力された信号144の周波数とを比較し、信号143の周波数と信号144の周波数とが一致している場合、検出信号145としてハイレベルの信号を制御回路133および制御電圧生成回路127に出力する。
制御電圧生成回路127は、周波数調整回路125を制御するための制御電圧146を生成する。制御電圧生成回路127は、制御電圧146を掃引して、発振器123の出力信号144の周波数を変化させ、発振器144の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致したタイミングで制御電圧146を固定する。このとき、制御電圧生成回路127は、周波数比較器126から供給された検出信号145によって、発振器144の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致したタイミングを把握することができる。
出力増幅器AMP6は、発振器123から出力された信号144を増幅して、増幅後の信号142をアンテナ121に出力する。つまり、入出力切替回路122が出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とを接続している場合、アンテナ121には出力増幅器AMP6で増幅された信号142が供給され、アンテナ121は信号142を第2の電波15(図1参照)として送信する。
スイッチ135は、制御回路133から出力された制御信号φ1に応じて、入力増幅器AMP5および周波数比較器126への電源供給の有無を切り替える。例えば、スイッチ135は、制御信号φ1がハイレベルの場合、入力増幅器AMP5および周波数比較器126に電源を供給し、制御信号φ1がロウレベルの場合、入力増幅器AMP5および周波数比較器126に電源を供給しないように動作する。換言すると、スイッチ135は、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続されている間(つまり、制御信号φ1がハイレベルの間)、入力増幅器AMP5および周波数比較器126に電源を供給する。
スイッチ136は、制御回路133から出力された制御信号φ2に応じて、出力増幅器AMP6への電源供給の有無を切り替える。例えば、スイッチ136は、制御信号φ2がハイレベルの場合、出力増幅器AMP6に電源を供給し、制御信号φ2がロウレベルの場合、出力増幅器AMP6に電源を供給しないように動作する。換言すると、スイッチ136は、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続されている間(つまり、制御信号φ2がハイレベルの間)、出力増幅器AMP6に電源を供給する。
スイッチ137は、第2のデータ(送信データ)148に応じて、発振器123に供給する電源をオン・オフする。例えば、変調回路132から出力された第2のデータ148が“1”である場合、スイッチ137がオン状態となり、発振器123に電源が供給される。一方、変調回路132から出力された第2のデータ148が“0”である場合、スイッチ137がオフ状態となり、発振器123には電源が供給されない。
クロック生成回路131はクロック信号を生成し、生成したクロック信号147を制御回路133に出力する。
変調回路132は、データ送信機120が送信する第2のデータ148を制御回路133およびスイッチ137に出力する。なお、データ送信機120が送信する第2のデータ148については、実施の形態1で説明した場合と同様である。
制御回路133は、検出信号145、クロック信号147、及び第2のデータ148に応じて、入出力切替回路122およびスイッチ135、136を制御するための制御信号φ1、φ2を生成する。具体的には、送信対象である第2のデータ148が“1”である場合、制御回路133は、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。これにより、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ135がオン状態となるので、入力増幅器AMP5および周波数比較器126に電源が供給される。また、送信対象である第2のデータ148が“1”である場合、スイッチ137がオン状態となるので、発振器123に電源が供給される。
その後、発振器123の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致すると、検出信号145がハイレベルになり、制御回路133は、制御信号φ1としてロウレベルの信号を、制御信号φ2としてハイレベルの信号を生成する。これにより、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ136がオン状態となるので、出力増幅器AMP6に電源が供給される。このとき、スイッチ135はオフ状態となるので、入力増幅器AMP5および周波数比較器126には電源が供給されていない状態となる。
次に、データ送信機120の動作について、図29に示すタイミングチャートを用いて説明する。図29に示すように、第2のデータ(送信データ)148が“0”である場合、制御信号φ1、φ2は共にロウレベルの状態となる。よって、スイッチ135〜137はオフ状態となっているので、入力増幅器AMP5、出力増幅器AMP6、及び発振器123には電源が供給されていない状態となる。
タイミングt1において第2のデータ148が“1”になると、制御回路133は、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。これにより、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ135がオン状態となるので、入力増幅器AMP5および周波数比較器126に電源が供給される。また、第2のデータ148が“1”であるので、スイッチ137がオン状態となり、発振器123に電源が供給される。
入力増幅器AMP5は、アンテナ121で受信した第1の電波14(図1参照)に対応した信号141を増幅し、増幅後の信号143を発振器123および周波数比較器126に出力する。制御電圧生成回路127は、制御電圧146を掃引して、発振器123の出力信号144の周波数を変化させる。このとき、周波数比較器126は、入力増幅器AMP5から出力された信号143の周波数と発振器123から出力された信号144の周波数とを比較している。
そして、信号143の周波数と信号144の周波数とが一致すると(タイミングt2)、周波数比較器126は、検出信号145としてハイレベルの信号を制御回路133および制御電圧生成回路127に出力する。制御電圧生成回路127は、ハイレベルの検出信号145が供給されると、発振器123に出力している制御電圧146を固定する。
制御回路133は、検出信号145がハイレベルであるので、クロック信号が立ち上がるタイミングt3に、制御信号φ1をロウレベルに、制御信号φ2をハイレベルにする。これにより、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ136がオン状態となるので、出力増幅器AMP6に電源が供給される。よって、出力増幅器AMP6で増幅された信号142が第2の電波としてアンテナ121から送信される。すなわち、図29に示すタイミングチャートにおいて、タイミングt1〜t3は入力側経路選択期間(つまり、入力増幅器AMP5がオンする期間(受信期間))であり、タイミングt3〜t4は出力側経路選択期間(つまり、出力増幅器AMP6がオンする期間(送信期間))である。
制御回路133は、次に送信する第2のデータ148も“1”であるので、タイミングt4において、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。このとき、制御信号φ2はロウレベルとなる。以降の動作は、上記で説明した動作と同様であるので重複した説明は省略する。そして、タイミングt7において第2のデータ148が“0”になると、制御回路133は、制御信号φ1、φ2をロウレベルにする。
次に、データ送信機120の動作について、図30に示すフローチャートを用いて説明する。データ送信機120は、変調回路132から出力された第2のデータ(送信データ)148が“1”であるか否か判定する(ステップS1)。そして、変調回路132から出力された第2のデータ148が“1”である場合(ステップS1:Yes)、入出力切替回路122を用いて入力側の経路を選択する(ステップS2)。つまり、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とを接続する。そして、発振器123に供給する制御電圧146を調整して、発振器123の出力信号144の周波数を調整する(ステップS3)。
その後、入力増幅器AMP5から出力された信号143の周波数と発振器123から出力された信号144の周波数とを比較する(ステップS4)。信号143の周波数と信号144の周波数とが一致していない場合(ステップS5:No)は、ステップS3、S4の動作を繰り返す。そして、信号143の周波数と信号144の周波数とが一致すると(ステップS5:Yes)、入出力切替回路122を用いて出力側の経路を選択する(ステップS6)。つまり、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とを接続する。これにより、出力増幅器AMP6で増幅された信号142が第2の電波としてアンテナ121から送信される。以降、ステップS1〜S6の動作を繰り返すことで、データ送信機120は第2のデータ(送信データ)148を送信することができる。
なお、本実施の形態においても、データ送信機120が送信する第2のデータは、第2の無線機器20(図1参照)が受信した電波(第1および第2の電波)におけるビット誤り率の変化を用いて伝送される。
本実施の形態では、データ送信機120に入出力切替回路122を設け、入力側の経路と出力側の経路とを時分割で切り替え可能に構成している。よって、入力側の経路と出力側の経路とでアンテナ121を共用することができ、アンテナ数を1つにすることができる。したがって、データ送信機120を小型化することができる。
すなわち、アンテナはデータ送信機を搭載するボードにおいて大部分の面積を占める。このため、実施の形態1乃至7で説明したデータ送信機のように、入力側の経路と出力側の経路のそれぞれにアンテナを設けた場合は、アンテナ数が2つになり、データ送信機を搭載するボードの面積が大きくなる傾向があった。
これに対して本実施の形態では、入力側の経路と出力側の経路とでアンテナを共用しているので、アンテナ数を2つから1つに削減することができ、データ送信機を小型化することができる。
<実施の形態9>
次に、実施の形態9について説明する。図31は、実施の形態9にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機150を示すブロック図である。図31に示すように、データ送信機150は、アンテナ121、入出力切替回路122、入力増幅器AMP5、発振器123、出力増幅器AMP6、周波数比較器151、変調回路154、制御回路157、及びスイッチ135〜137を備える。
本実施の形態で用いられるデータ送信機150は、実施の形態8で説明したデータ送信機120と比べて、周波数比較器151および変調回路154の構成が異なる。これ以外は実施の形態8で説明したデータ送信機と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
周波数比較器151は、乗算器152とローパスフィルタ153とを備える。乗算器152には、入力増幅器AMP5から出力された信号143と発振器123から出力された信号144とが供給される。そして、乗算器152は、信号143の周波数と信号144の周波数とが一致した際、ローパスフィルタ153に直流電圧を出力する。ローパスフィルタ153は、乗算器152から出力された直流電圧から不要な周波数成分を除去し、当該不要な周波数成分を除去した後の直流電圧を検出信号164として出力する。周波数比較器151から出力された検出信号164は、変調回路154が備えるマイコン156および制御回路157に供給される。
変調回路154は、センサ155およびマイコン156を備える。センサ155は、例えば人の体温を測定する温度センサ、人の血圧を測定する圧力センサ等である。なお、センサ155は温度センサ、圧力センサに限定されることはなく、所定のデータを取得できるセンサであればどのようなセンサであってもよい。
マイコン156は、センサ155で取得したデータに基づいて、第2のデータ(送信データ)を生成する。生成された第2のデータ161は、制御回路157およびスイッチ137に出力される。また、マイコン156はクロック信号を生成する。生成されたクロック信号162は制御回路157に出力される。
更に、マイコン156は、周波数調整回路125を制御するための制御電圧163を生成する。例えば、マイコン156は、制御電圧163を掃引して、発振器123の出力信号144の周波数を変化させ、発振器144の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致したタイミングで制御電圧163を固定するようにしてもよい。このとき、マイコン156は、周波数比較器151から供給された検出信号164によって、発振器144の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致したタイミングを把握することができる。
本実施の形態において、変調回路154が備えるマイコン156は、変調回路として機能することに加えて、制御電圧生成回路127およびクロック生成回路131(図28参照)としても機能する。
制御回路157は、検出信号164、第2のデータ161、及びクロック信号162に応じて、入出力切替回路122およびスイッチ135、136を制御するための制御信号φ1、φ2を生成する。具体的には、送信対象である第2のデータ161が“1”である場合、制御回路157は、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。これにより、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ135がオン状態となるので、入力増幅器AMP5および乗算器152に電源が供給される。また、送信対象である第2のデータ161が“1”である場合、スイッチ137がオン状態となるので、発振器123に電源が供給される。
その後、発振器123の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致すると、検出信号164がハイレベルになり、制御回路157は、制御信号φ1としてロウレベルの信号を、制御信号φ2としてハイレベルの信号を生成する。これにより、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ136がオン状態となるので、出力増幅器AMP6に電源が供給される。このとき、スイッチ135はオフ状態となるので、入力増幅器AMP5および乗算器152には電源が供給されていない状態となる。
次に、データ送信機150の動作について、図32に示すタイミングチャートを用いて説明する。図32に示すように、第2のデータ(送信データ)161が“0”である場合、制御信号φ1、φ2は共にロウレベルの状態となる。よって、スイッチ135〜137はオフ状態となっているので、入力増幅器AMP5、出力増幅器AMP6、及び発振器123には電源が供給されていない状態となる。
タイミングt11において第2のデータ161が“1”になると、制御回路157は、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。これにより、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ135がオン状態となるので、入力増幅器AMP5および乗算器152に電源が供給される。また、第2のデータ161が“1”であるので、スイッチ137がオン状態となり、発振器123に電源が供給される。
入力増幅器AMP5は、アンテナ121で受信した第1の電波14(図1参照)に対応した信号141を増幅し、増幅後の信号143を発振器123および周波数比較器151に出力する。マイコン156は、制御電圧163を掃引して、発振器123の出力信号144の周波数を変化させる。このとき、周波数比較器151は、入力増幅器AMP5から出力された信号143の周波数と発振器123から出力された信号144の周波数とを比較している。
そして、信号143の周波数と信号144の周波数とが一致すると(タイミングt12)、乗算器152は、ローパスフィルタ153に直流電圧を出力する。ローパスフィルタ153は、乗算器152から出力された直流電圧から不要な周波数成分を除去し、当該不要な周波数成分を除去した後の直流電圧(つまり、ハイレベルの信号)を検出信号164として、マイコン156および制御回路157に出力する。マイコン156は、ハイレベルの検出信号164が供給されると、発振器123に出力している制御電圧163を固定する。
制御回路157は、検出信号164がハイレベルであるので、クロック信号162が立ち上がるタイミングt13に、制御信号φ1をロウレベルに、制御信号φ2をハイレベルにする。これにより、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ136がオン状態となるので、出力増幅器AMP6に電源が供給される。よって、出力増幅器AMP6で増幅された信号142が第2の電波としてアンテナ121から送信される。すなわち、図32に示すタイミングチャートにおいて、タイミングt11〜t13は入力側経路選択期間(つまり、入力増幅器AMP5がオンする期間(受信期間))であり、タイミングt13〜t14は出力側経路選択期間(つまり、出力増幅器AMP6がオンする期間(送信期間))である。
制御回路157は、次に送信する第2のデータ161も“1”であるので、タイミングt14において、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。このとき、制御信号φ2はロウレベルとなる。以降の動作は、上記で説明した動作と同様であるので重複した説明は省略する。そして、タイミングt17において第2のデータ161が“0”になると、制御回路133は、制御信号φ1、φ2をロウレベルにする。
なお、データ送信機150の動作をフローチャートを用いて示すと、図30に示したフローチャートのようになる。図30については既に説明したので重複した説明は省略する。
本実施の形態においても、データ送信機150に入出力切替回路122を設け、入力側の経路と出力側の経路とを時分割で切り替え可能に構成している。よって、入力側の経路と出力側の経路とでアンテナ121を共用することができ、アンテナ数を1つにすることができる。したがって、データ送信機120を小型化することができる。
特に本実施の形態では、変調回路154が備えるマイコン156を用いて、周波数調整回路125を制御するための制御電圧163、及びクロック信号162を生成している。よって、変調回路154が備えるマイコン156を有効活用することができる。つまり、図28(実施の形態8)に示した制御電圧生成回路127およびクロック生成回路131を、マイコン156を用いて構成することができる。
<実施の形態10>
次に、実施の形態10について説明する。図33は、実施の形態10にかかる無線通信システムで用いられるデータ送信機180を示すブロック図である。本実施の形態で用いられるデータ送信機180は、実施の形態8で説明したデータ送信機120と比べて、PLL(Phase Locked Loop)回路181を備えている点が異なる。これ以外は実施の形態8で説明したデータ送信機と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図33に示すように、データ送信機180は、アンテナ121、入出力切替回路122、入力増幅器AMP5、発振器123、出力増幅器AMP6、周波数比較器182、チャージポンプ回路183、ローパスフィルタ184、スイッチ185、保持容量186、クロック生成回路131、変調回路132、制御回路133、及びスイッチ135〜137を備える。発振器123は、乗算器124および周波数調整回路125を備える。また、周波数比較器182、チャージポンプ回路183、ローパスフィルタ184、スイッチ185、保持容量186、及び発振器123はPLL回路181を構成している。
PLL回路181が備える周波数比較器182は、入力増幅器AMP5から出力された信号143の周波数と発振器123から出力された信号144の周波数とを比較し、比較結果を制御回路133およびチャージポンプ回路183に出力する。チャージポンプ回路183は、周波数比較器182における信号143と信号144との比較結果に応じて、制御電圧を生成する。ローパスフィルタ184は、チャージポンプ回路183から出力された制御電圧から不要な周波数成分を除去する。
スイッチ185は、制御信号φ1に応じて、ローパスフィルタ184から出力された制御電圧を周波数調整回路125および保持容量186に供給する場合と供給しない場合とを切り替える。具体的には、スイッチ185は、制御信号φ1がハイレベルの場合、ローパスフィルタ184から出力された制御電圧を周波数調整回路125および保持容量186に供給する。
発振器123が備える周波数調整回路125は、乗算器124から出力された信号の周波数を制御電圧191に応じて調整する。PLL回路181は、発振器123(周波数調整回路125)の出力信号144の周波数が、入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致するように(つまり、インジェクションロックが生じるように)動作する。このとき、保持容量186には、発振器123の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致した時点での制御電圧191が保持される。
次に、データ送信機180の動作について、図34に示すタイミングチャートを用いて説明する。図34に示すように、第2のデータ(送信データ)148が“0”である場合、制御信号φ1、φ2は共にロウレベルの状態となる。よって、スイッチ135〜137はオフ状態となっているので、入力増幅器AMP5、出力増幅器AMP6、及び発振器123には電源が供給されていない状態となる。
タイミングt21において第2のデータ148が“1”になると、制御回路133は、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。これにより、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ135がオン状態となるので、入力増幅器AMP5、周波数比較器182、及びチャージポンプ回路183に電源が供給される。また、第2のデータ148が“1”であるので、スイッチ137がオン状態となり、発振器123に電源が供給される。
入力増幅器AMP5は、アンテナ121で受信した第1の電波14(図1参照)に対応した信号141を増幅する。PLL回路181は、発振器123の出力信号144の周波数が、入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致するように動作する。このとき、保持容量186には、発振器123の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致した時点(つまり、インジェクションロック時点)での制御電圧191が保持される。ここで、PLL回路181のロックアップに必要な時間は、クロック信号147のクロック周期よりも十分に短いものとする。
制御回路133は、PLL回路181のロックアップ後、タイミングt22に、制御信号φ1をロウレベルに、制御信号φ2をハイレベルにする。これにより、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ136がオン状態となるので、出力増幅器AMP6に電源が供給される。このとき、スイッチ185がオフ状態となるため、ローパスフィルタ184から周波数調整回路125への制御電圧191の供給が遮断される。しかし、保持容量186にはインジェクションロック時点の制御電圧が保持されているので、保持容量186から周波数調整回路125に制御電圧191が供給され続ける。よって、インジェクションロック状態での発振周波数が保持されたまま、出力増幅器AMP6で増幅された信号142が第2の電波としてアンテナ121から送信される。すなわち、図34に示すタイミングチャートにおいて、タイミングt21〜t22は入力側経路選択期間(つまり、入力増幅器AMP5がオンする期間(受信期間))であり、タイミングt22〜t23は出力側経路選択期間(つまり、出力増幅器AMP6がオンする期間(送信期間))である。
制御回路133は、次に送信する第2のデータ148も“1”であるので、タイミングt23において、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。このとき、制御信号φ2はロウレベルとなる。以降の動作は、上記で説明した動作と同様であるので重複した説明は省略する。そして、タイミングt25において第2のデータ148が“0”になると、制御回路133は、制御信号φ1、φ2をロウレベルにする。
なお、データ送信機180の動作をフローチャートを用いて示すと、図30に示したフローチャートのようになる。図30については既に説明したので重複した説明は省略する。
本実施の形態においても、データ送信機180に入出力切替回路122を設け、入力側の経路と出力側の経路とを時分割で切り替え可能に構成している。よって、入力側の経路と出力側の経路とでアンテナ121を共用することができ、アンテナ数を1つにすることができる。したがって、データ送信機を小型化することができる。
特に、本実施の形態は、実施の形態9で必要とされていたマイコンを用いることなくデータ送信機を構成することができるので、マイコンを使用しないデータ送信機に好適な構成である。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。図34に示したタイミングチャートでは、シンボル送信期間内(t21〜t23)に入出力経路の切り替えを1回しか行わないため、送信期間(t22〜t23)において保持容量186がリークすることによって、保持容量186に保持されている制御電圧191に誤差が生じるおそれがある。制御電圧191に誤差が生じると、発振器123の発振周波数に誤差が生じるため、データ送信機180の通信感度が低下する場合がある。
このような問題を解決するために、本実施の形態の変形例では、第2のデータを送信する間、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121との接続および出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121との接続を交互に繰り返すことで、保持容量186に保持される制御電圧をリフレッシュしている。
図35は、データ送信機180の動作の他の例(本実施の形態の変形例)を説明するためのタイミングチャートである。図35に示すように、第2のデータ(送信データ)148が“0”である場合、制御信号φ1、φ2は共にロウレベルの状態となる。よって、スイッチ135〜137はオフ状態となっているので、入力増幅器AMP5、出力増幅器AMP6、及び発振器123には電源が供給されていない状態となる。
タイミングt31において第2のデータ148が“1”になると、制御回路133は、制御信号φ1としてハイレベルの信号を生成する。これにより、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ135がオン状態となるので、入力増幅器AMP5、周波数比較器182、及びチャージポンプ回路183に電源が供給される。また、第2のデータ148が“1”であるので、スイッチ137がオン状態となり、発振器123に電源が供給される。
入力増幅器AMP5は、アンテナ121で受信した第1の電波14(図1参照)に対応した信号141を増幅する。PLL回路181は、発振器123の出力信号144の周波数が、入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致するように動作する。このとき、保持容量186には、発振器123の出力信号144の周波数が入力増幅器AMP5の出力信号143の周波数と一致した時点(つまり、インジェクションロック時点)での制御電圧191が保持される。ここで、PLL回路181のロックアップに必要な時間は、クロック信号のクロック周期よりも短い(数十μsec程度)ものとする。
制御回路133は、タイミングt32に、制御信号φ1をロウレベルに、制御信号φ2をハイレベルにする。これにより、出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121とが接続される。また、スイッチ136がオン状態となるので、出力増幅器AMP6に電源が供給される。このとき、保持容量186から周波数調整回路125に制御電圧191が供給され続ける。よって、インジェクションロック状態での発振周波数が保持されたまま、出力増幅器AMP6で増幅された信号142が第2の電波としてアンテナ121から送信される。
そして、本実施の形態の変形例では、第2のデータが“1”である間(タイミングt31〜t33)、制御信号φ1、φ2を交互に高速に切り替えることで、入力増幅器AMP5の入力側とアンテナ121との接続および出力増幅器AMP6の出力側とアンテナ121との接続を交互に繰り返している。このような動作により、保持容量186に保持される制御電圧をリフレッシュすることができる。つまり、制御信号φ1がハイレベルになる度に、保持容量186に保持される制御電圧をリフレッシュすることができる。
本実施の形態の変形例では、保持容量186に保持される制御電圧をリフレッシュしているので、保持容量186に保持される制御電圧191の誤差を低減することができ、データ送信機の通信感度を高めることができる。
なお、上記で説明した実施の形態1乃至10は適宜、互いに組み合わせて使用してもよい。
また、一実施の形態にかかる無線通信システムおよびデータ送信機は、下記のように表現することもできる。
(付記1)
第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器と、
送信対象である第2のデータに応じて前記第1の電波に外乱を与える第2の電波を送信するデータ送信機と、
前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調すると共に、前記データ送信機から送信された前記第2のデータを前記第1の電波のビット誤り率の変化を用いて復調する第2の無線機器と、を有し、
前記データ送信機は、
前記第1の電波を受信し、前記第2の電波を送信するアンテナと、
前記アンテナで受信した前記第1の電波に対応した信号を増幅する入力増幅器と、
前記入力増幅器の出力が供給され、前記第1の電波と同一の周波数で発振する発振器と、
前記発振器から出力された信号を増幅する出力増幅器と、
前記入力増幅器の入力側と前記アンテナとの接続および前記出力増幅器の出力側と前記アンテナとの接続を切り替える入出力切替回路と、
前記入出力切替回路を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記第2のデータを送信する際、前記入力増幅器の入力側と前記アンテナとを接続し、前記発振器の出力信号の周波数が前記入力増幅器の出力信号の周波数と一致した後、前記出力増幅器の出力側と前記アンテナとを接続する、
無線通信システム。
(付記2)
前記発振器は、前記発振器の出力信号の周波数が前記入力増幅器の出力信号の周波数と一致するように調整する周波数調整回路を備える、付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)
前記データ送信機は、前記周波数調整回路の制御電圧を生成する制御電圧生成回路を更に備え、
前記制御電圧生成回路は、
前記制御電圧を掃引して前記発振器の出力信号の周波数を変化させ、
前記発振器の出力信号の周波数が前記入力増幅器の出力信号の周波数と一致したタイミングで前記制御電圧を固定する、
付記2に記載の無線通信システム。
(付記4)
前記制御回路は更に、前記入力増幅器および前記出力増幅器への電源供給を制御可能に構成されており、
前記制御回路は、前記入力増幅器の入力側と前記アンテナとが接続されている間、前記入力増幅器に電源を供給し、前記出力増幅器の出力側と前記アンテナとが接続されている間、前記出力増幅器に電源を供給する、
付記1に記載の無線通信システム。
(付記5)
前記データ送信機は、前記発振器に供給される電源を前記第2のデータに応じてオン・オフする、付記1に記載の無線通信システム。
(付記6)
前記データ送信機は、前記入力増幅器の出力信号の周波数と前記発振器の出力信号の周波数とを比較する周波数比較器を更に備え、
前記周波数比較器は、
前記入力増幅器の出力信号と前記発振器の出力信号とが供給され、前記入力増幅器の出力信号の周波数と前記発振器の出力信号の周波数とが一致した際に直流電圧を出力する乗算器と、
前記乗算器から出力された直流電圧から不要な周波数成分を除去するローパスフィルタと、を備える、
付記1に記載の無線通信システム。
(付記7)
前記データ送信機は、前記発振器を含むPLL回路を備え、
前記PLL回路は、前記発振器の出力信号の周波数が前記入力増幅器の出力信号の周波数と一致するように動作する、
付記1に記載の無線通信システム。
(付記8)
前記PLL回路は、前記発振器の周波数を制御するための制御電圧を保持する保持容量を備える、付記7に記載の無線通信システム。
(付記9)
前記データ送信機は、前記第2のデータを送信する間、前記入力増幅器の入力側と前記アンテナとの接続および前記出力増幅器の出力側と前記アンテナとの接続を交互に繰り返すことで、前記保持容量に保持される前記制御電圧をリフレッシュする、付記8に記載の無線通信システム。
(付記10)
無線ネットワークで用いられている第1の電波を受信し、送信対象である第2のデータに応じて前記第1の電波に外乱を与える第2の電波を送信するアンテナと、
前記アンテナで受信した前記第1の電波に対応した信号を増幅する入力増幅器と、
前記入力増幅器の出力が供給され、前記第1の電波と同一の周波数で発振する発振器と、
前記発振器から出力された信号を増幅する出力増幅器と、
前記入力増幅器の入力側と前記アンテナとの接続および前記出力増幅器の出力側と前記アンテナとの接続を切り替える入出力切替回路と、
前記入出力切替回路を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記第2のデータを送信する際、前記入力増幅器の入力側と前記アンテナとを接続し、前記発振器の出力信号の周波数が前記入力増幅器の出力信号の周波数と一致した後、前記出力増幅器の出力側と前記アンテナとを接続する、
データ送信機。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
10 第1の無線機器
11 アンテナ
13、14 第1の電波
15 第2の電波
16 第3の電波
20 第2の無線機器
21 アンテナ
22 復調回路
23 第1のデータ
24 第2のデータ
30 データ送信機
31 第1のアンテナ
32 フィルタ回路
33 変調回路
34 スイッチ
35 発振周波数調整回路
36 周波数比較器
37 周波数調整回路
38 帰還部
39 第2のアンテナ
72 整合回路
81 第1のアンテナ
82 発振器
83 乗算器
84 周波数調整回路
85 変調回路
86 スイッチ
89 第2のアンテナ
120、150、180 データ送信機
121 アンテナ
122 入出力切替回路
123 発振器
124 乗算器
125 周波数調整回路
126 周波数比較器
127 制御電圧生成回路
131 クロック生成回路
132 変調回路
133 制御回路
135〜137 スイッチ
151 周波数比較器
152 乗算器
153 ローパスフィルタ
154 変調回路
155 センサ
156 マイコン
157 制御回路
181 PLL回路
182 周波数比較器
183 チャージポンプ回路
184 ローパスフィルタ
185 スイッチ
186 容量

Claims (19)

  1. 第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器と、
    送信対象である第2のデータに応じて前記第1の電波に外乱を与える第2の電波を送信するデータ送信機と、
    前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調すると共に、前記データ送信機から送信された前記第2のデータを前記第1の電波のビット誤り率の変化を用いて復調する第2の無線機器と、を有し、
    前記データ送信機は、
    前記第1の電波を受信する第1のアンテナと、
    前記第1のアンテナで受信した前記第1の電波に対応した信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力側から前記増幅器の入力側に信号を帰還して帰還ループを形成する帰還部と、
    前記帰還ループにおける信号を前記第2のデータに応じて変調する変調回路と、
    前記帰還ループにおける発振周波数が前記第1の電波の周波数と一致するように調整する発振周波数調整回路と、
    前記帰還ループにおける信号を前記第2の電波として送信する第2のアンテナと、を備える、
    無線通信システム。
  2. 前記発振周波数調整回路は、
    前記第1の電波の周波数と前記帰還ループにおける発振周波数とを比較する周波数比較器と、
    前記周波数比較器における比較結果に応じて前記帰還ループにおける発振周波数を調整する周波数調整回路と、を備える、
    請求項に記載の無線通信システム。
  3. 前記変調回路は、前記増幅器に供給される電源を前記第2のデータに応じてオン・オフすることで前記帰還ループにおける信号を変調する、請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記変調回路は、前記帰還ループに直列に接続されたスイッチを前記第2のデータに応じてオン・オフすることで前記帰還ループにおける信号を変調する、請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記データ送信機は、前記増幅器の入力側にフィルタ回路を備え、
    前記フィルタ回路は、前記第1のアンテナで受信した前記第1の電波に対応した信号に含まれる所定の周波数帯の信号を透過し、当該所定の周波数帯域外の信号を除去する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  6. 前記帰還部は抵抗素子を備え、
    前記増幅器の出力側と入力側との間は前記抵抗素子を用いて接続されている、請求項1に記載の無線通信システム。
  7. 前記帰還部はバッファを備え、
    前記増幅器の出力側と入力側との間は前記バッファを用いて接続されている、請求項1に記載の無線通信システム。
  8. 前記帰還部は整合回路を備え、
    前記整合回路は、前記第2のアンテナから送信される前記第2の電波の電力と、前記帰還ループを経由して帰還される信号の電力との割合を調整する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  9. 前記帰還部は前記第1および第2のアンテナを用いて構成されており、
    前記第2のアンテナから前記第1のアンテナに第3の電波を送信することで前記帰還ループが形成される、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  10. 前記第1のアンテナの指向方向と前記第2のアンテナの指向方向とが重なるように前記第1および第2のアンテナを構成する、請求項に記載の無線通信システム。
  11. 前記第1の無線機器は、予め定められたデータパターンを前記第1のデータとして送信し、
    前記第2の無線機器は、前記第1の電波のビット誤り率を求める際に前記予め定められたデータパターンの期待値を用いる、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  12. 前記予め定められたデータパターンは、データ"0"の連続送信またはデータ"1"の連続送信であるシングルトーン送信、データ"0"とデータ"1"とを交互に送信するデータパターン、擬似ランダム雑音パターン、マンチェスタ符号を用いたデータ"0"の連続送信またはデータ"1"の連続送信のいずれかである、請求項11に記載の無線通信システム。
  13. 第1のデータを第1の電波を用いて送信する第1の無線機器と、
    送信対象である第2のデータに応じて前記第1の電波に外乱を与える第2の電波を送信するデータ送信機と、
    前記第1の無線機器から送信された前記第1のデータを復調すると共に、前記データ送信機から送信された前記第2のデータを前記第1の電波のビット誤り率の変化を用いて復調する第2の無線機器と、を有し、
    前記データ送信機は、
    前記第1の電波を受信する第1のアンテナと、
    前記第1のアンテナで受信した前記第1の電波に対応した信号を増幅する入力増幅器と、
    前記入力増幅器の出力が供給され、前記第1の電波と同一の周波数で発振する発振器と、
    前記発振器から出力された信号を増幅する出力増幅器と、
    前記出力増幅器から出力される信号を前記第2のデータに応じて変調する変調回路と、
    前記変調された信号を前記第2の電波として送信する第2のアンテナと、を備える、
    無線通信システム。
  14. 前記第2のアンテナ側から前記第1のアンテナ側に信号を帰還して帰還ループを形成する帰還部を更に備える、請求項13に記載の無線通信システム。
  15. 前記帰還部は前記第1および第2のアンテナを用いて構成されており、
    前記第2のアンテナから前記第1のアンテナに第3の電波を送信することで前記帰還ループが形成される、
    請求項14に記載の無線通信システム。
  16. 前記変調回路は、前記出力増幅器に供給される電源を前記第2のデータに応じてオン・オフすることで前記出力増幅器から出力される信号を変調する、請求項13に記載の無線通信システム。
  17. 前記第1の無線機器は、予め定められたデータパターンを前記第1のデータとして送信し、
    前記第2の無線機器は、前記第1の電波のビット誤り率を求める際に前記予め定められたデータパターンの期待値を用いる、
    請求項13に記載の無線通信システム。
  18. 無線ネットワークで用いられている第1の電波を受信する第1のアンテナと、
    前記第1のアンテナで受信した前記第1の電波に対応した信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力側から前記増幅器の入力側に信号を帰還して帰還ループを形成する帰還部と、
    前記帰還ループにおける信号を送信対象である送信データに応じて変調する変調回路と、
    前記帰還ループにおける発振周波数が前記第1の電波の周波数と一致するように調整する発振周波数調整回路と、
    前記帰還ループにおける信号を、前記第1の電波に外乱を与える第2の電波として送信する第2のアンテナと、を備える、
    データ送信機。
  19. 前記変調回路は、前記入力増幅器と前記発振器と前記出力増幅器とに供給される電源を前記第2のデータに応じてオン・オフすることで前記第2のアンテナから送信される前記第2の電波を変調する、請求項13に記載の無線通信システム。
JP2014102457A 2013-08-26 2014-05-16 無線通信システムおよびデータ送信機 Expired - Fee Related JP6298710B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014102457A JP6298710B2 (ja) 2013-08-26 2014-05-16 無線通信システムおよびデータ送信機
US14/453,503 US9287968B2 (en) 2013-08-26 2014-08-06 Wireless communication system and data transmitter
EP14180763.6A EP2843851B1 (en) 2013-08-26 2014-08-13 Wireless communication system and data transmitter
CN201410426315.2A CN104426559B (zh) 2013-08-26 2014-08-26 无线通信系统和数据发射器
US15/000,991 US9391686B2 (en) 2013-08-26 2016-01-19 Wireless communication system and data transmitter

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013174430 2013-08-26
JP2013174430 2013-08-26
JP2014102457A JP6298710B2 (ja) 2013-08-26 2014-05-16 無線通信システムおよびデータ送信機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015065637A JP2015065637A (ja) 2015-04-09
JP6298710B2 true JP6298710B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=51389869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014102457A Expired - Fee Related JP6298710B2 (ja) 2013-08-26 2014-05-16 無線通信システムおよびデータ送信機

Country Status (4)

Country Link
US (2) US9287968B2 (ja)
EP (1) EP2843851B1 (ja)
JP (1) JP6298710B2 (ja)
CN (1) CN104426559B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI720678B (zh) * 2019-11-06 2021-03-01 愛視購科技有限公司 識別裝置以及識別設定系統

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6026129A (en) * 1996-03-27 2000-02-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Radio receiving apparatus for receiving communication signals of different bandwidths
JP3476662B2 (ja) * 1997-10-17 2003-12-10 富士通株式会社 ディジタル移動無線通信装置
US7005987B2 (en) * 2003-10-30 2006-02-28 Michelin Recherche Et Technique S.A. Acoustic wave device with digital data transmission functionality
JP4214992B2 (ja) * 2004-12-13 2009-01-28 パナソニック株式会社 高周波受信器とこれに用いる集積回路及び、これらを用いた携帯機器、ならびにこれに用いる送信器と、前記高周波受信器および前記携帯機器の製造方法
KR100859557B1 (ko) * 2005-12-26 2008-09-23 주식회사 케이엠더블유 알에프 중계기
US20080261519A1 (en) * 2006-03-16 2008-10-23 Cellynx, Inc. Dual cancellation loop wireless repeater
US20130119135A1 (en) * 2010-07-26 2013-05-16 Polyvalor, Limited Partnership Bi-directional and multi-frequency rf signaling system
JP5641951B2 (ja) * 2010-09-13 2014-12-17 ルネサスエレクトロニクス株式会社 無線通信システム、無線通信方法、無線機器およびデータ送信機
JP5864169B2 (ja) * 2011-09-06 2016-02-17 ルネサスエレクトロニクス株式会社 無線通信システム、及び無線通信方法
TWI473382B (zh) * 2012-09-28 2015-02-11 Au Optronics Corp 無線電力傳輸裝置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI720678B (zh) * 2019-11-06 2021-03-01 愛視購科技有限公司 識別裝置以及識別設定系統

Also Published As

Publication number Publication date
US9391686B2 (en) 2016-07-12
EP2843851B1 (en) 2016-06-22
CN104426559B (zh) 2019-12-17
CN104426559A (zh) 2015-03-18
US20150057038A1 (en) 2015-02-26
US9287968B2 (en) 2016-03-15
EP2843851A2 (en) 2015-03-04
EP2843851A3 (en) 2015-05-20
JP2015065637A (ja) 2015-04-09
US20160134350A1 (en) 2016-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240155484A1 (en) Methods and systems relating to ultra wideband broadcasting
CN101657967A (zh) 振荡器和开始振荡的方法
US11411610B2 (en) Near field communication (NFC) device and method of detecting resonance frequency of the same
CN102484455A (zh) 用于使用共享共用偏压电流的多重放大级来放大信号的系统及方法
CN101803194B (zh) 具有信号跟踪的信号发生器
US10491158B2 (en) Wireless communication apparatus and method
WO2022212630A1 (en) Sync scatter low power backscatter wake up receiver
TW202224347A (zh) 在具有可程式化偏置電流之電流積分相位內插器中量測轉換速率的方法以及設備
JP6298710B2 (ja) 無線通信システムおよびデータ送信機
CN104813628B (zh) 用于在具有注入锁定定时的wcan系统中的数据速率最优的系统和方法
KR102342740B1 (ko) 신호 송수신 방법 및 장치
US20130094562A1 (en) Transmitter and transmitting method using delay locked loop
EP3038258B1 (en) Frequency synthesizer and related method for improving power efficiency
Moradi et al. A 0.084 nJ/b FSK transmitter and 4.8 μW OOK receiver for ISM-band medical sensor networks
Kong et al. A 21.5 mW 10+ Gb/s mm-Wave phased-array transmitter in 65nm CMOS
JP2006074679A (ja) 超広帯域無線送信装置、超広帯域無線受信装置、及び超広帯域無線送受信方式
US8811541B2 (en) Receiver, signal demodulation module and demodulation method thereof
KR101870389B1 (ko) IoT 센서 네트워크 환경에서 근거리 저전력 수신 방법 및 RF 수신 장치
JP2013055611A (ja) 無線通信システム、無線通信方法、およびデータ送信機
Varshney Making Low-Power and Long-Range Wireless Backscatter Transmitters
US11496174B1 (en) Carrier and sampling frequency offset estimation for RF communication with crystal-less nodes
Chang et al. 23.3 A Passive Crystal-Less Wi-Fi-to-BLE Tag Demonstrating Battery-Free FDD Communication with Smartphones
JP2015008452A (ja) 通信装置及び通信システム
KR20090068890A (ko) 클럭신호의 주파수 가변장치
JP2005269080A (ja) 送信信号電力制御方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6298710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees