JP2012082377A - 高減衰組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともエポキシ化天然ゴムを含むベースポリマに、前記ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下のクマロンインデン樹脂を含有させた高減衰組成物である。
【選択図】なし
Description
前記高減衰部材は、振動が加えられた際のヒステリシスロスを大きくして減衰性能を高める、すなわち前記振動のエネルギーを効率よく速やかに減衰できるようにするために、前記ベースポリマを含み、損失正接tanδのピークが高減衰部材の使用温度域に入るように調整した高減衰組成物によって形成するのが一般的である。
前記高減衰組成物としては、例えばベースポリマに減衰性付与剤としてのシリカとシラン化合物(シリル化剤)とを加え、混練してシリカとシラン化合物とを反応させて調製したもの等が知られている(特許文献1等参照)。
またシリカを減衰性付与剤として良好に機能させるためには、前記シリカとシラン化合物とを混練時に十分に反応させておく必要があり、シリカの量を増加させるほど混練に要する時間が長くかかることになって、高減衰組成物の生産性が低下する、生産に要するエネルギーが増大し製造コストが上昇する、といった問題を生じる。
本発明によれば、単体での減衰性性能が従来の天然ゴム等に比べて優れた前記エポキシ化天然ゴムを少なくとも含むベースポリマと、軟化剤としてのクマロンインデン樹脂とを前記の範囲で組み合わせることにより、シラン化合物を全く配合せず、かつシリカの含有割合を現状より少なくしたり全く含有させなかったりしても高減衰部材の減衰性能を大幅に向上することができる。
さらに前記シリカの減量、または省略により、調製した高減衰組成物を用いて高減衰部材を形成する際の加工性を向上するとともに、高減衰組成物の硬さの自由度を高めて、高減衰部材の設計の自由度を拡げることもできる。
なお特許文献2の段落[0040]には、ベースポリマとして天然ゴムとエポキシ化天然ゴムとを併用し、かつ軟化剤として石油系レジンを用いた組成物によって、自動車用タイヤのカーカスプライ等を形成することが記載されている。石油系レジンにはクマロンインデン樹脂が包含されると考えられる。
本発明の高減衰組成物には、従来同様にシリカを、減衰性付与剤として含有させてもよい。その場合、本発明によれば前記ベースポリマとクマロンインデン樹脂とを組み合わせることで、先に説明したようにシリカの含有割合を少なくするとともにシラン化合物を省略できるため、高減衰組成物の生産性を向上し、生産に要するエネルギーを減少し、製造コストを低減することができる。また調製した高減衰組成物を用いて高減衰部材を形成する際の加工性を向上するとともに、高減衰組成物の硬さの自由度を高めて、高減衰部材の設計の自由度を拡げることもできる。
シリカに代えて前記炭酸カルシウム、および/またはカーボンブラックを含有させる場合には、前記良好な生産性や加工性等を維持するべくその含有割合をシリカと同等程度に少なくした系において、高減衰部材の減衰性能をより一層向上させることができる。
また本発明の高減衰組成物においては、ベースポリマとして、前記エポキシ化天然ゴムと他のゴムとを併用するのが好ましく、かかる併用系においては、ベースポリマの総量中に占める前記エポキシ化天然ゴムの割合が70質量%以上、90質量%以下であるのが好ましい。これにより、高減衰部材の減衰性能をさらに向上させることができる。
エポキシ化天然ゴムとしては、天然ゴムを、例えばクロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法等の任意の方法で処理して、その主鎖中の炭素−炭素二重結合をランダムにエポキシ化したものがいずれも使用可能である。
前記エポキシ化天然ゴムとしては、例えばサイム・ダービー(Sime Darby Berhad、マレーシア)社製のENR10〔エポキシ化率10モル%〕、ENR25〔エポキシ化率25モル%〕、ENR50〔エポキシ化率50モル%〕等の少なくとも1種が挙げられる。
エポキシ化天然ゴムと併用してもよい他のポリマとしては、例えばエポキシ化していない通常の天然ゴムが挙げられる他、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の、エポキシ化天然ゴムに対して良好な相溶性を有する種々のポリマがいずれも使用可能である。
前記エポキシ化天然ゴムと他のポリマとをベースポリマとして併用した系において、前記ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの含有割合は70質量%以上、90質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満であるか、または前記範囲を外れる場合には、このいずれにおいても、エポキシ化天然ゴムと他のポリマとを併用することによる、先に説明した、高減衰部材の減衰性能を向上させる効果が十分に得られないおそれがある。
軟化剤であるクマロンインデン樹脂としては、主にクマロンとインデンの重合物からなり、平均分子量1000以下程度の比較的低分子量であって、軟化剤として機能しうる種々のクマロンインデン樹脂が挙げられる。
すなわち含有割合が前記範囲未満では、クマロンインデン樹脂を前記特定のベースポリマと組み合わせることによる、シラン化合物を省略するとともにシリカを減量、もしくは省略して、なおかつ高減衰部材の減衰性能をこれまでよりも向上する効果が得られない。
なお、高減衰部材の減衰性能をできるだけ向上することを考慮すると、前記クマロンインデン樹脂の含有割合は、前記範囲内でも80質量部以上であるのが好ましい。
本発明の高減衰組成物には、従来同様にシリカを、減衰性付与剤として含有させてもよい。その場合、本発明によれば前記ベースポリマとクマロンインデン樹脂とを組み合わせることで、先に説明したようにシリカの含有割合を少なくするとともにシラン化合物を省略できるため、高減衰組成物の生産性を向上し、生産に要するエネルギーを減少し、製造コストを低減することができる。また調製した高減衰組成物を用いて高減衰部材を形成する際の加工性を向上するとともに、高減衰組成物の硬さの自由度を高めて、高減衰部材の設計の自由度を拡げることもできる。
含有割合が前記範囲未満では、シリカを減衰性付与剤として含有させることによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
前記シリカとしては、その製法によって分類される湿式法シリカ、乾式法シリカのいずれを用いてもよい。
BET比表面積は、例えば柴田化学機械工業(株)製の迅速表面積測定装置SA−1000等を使用して、吸着気体として窒素ガスを用いる気相吸着法によって測定した値でもって表すこととする。
ただし本発明の高減衰組成物には、前記シリカに代えて炭酸カルシウム、およびカーボンブラックからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤を含有させるのが好ましい。すなわち本発明の高減衰組成物は、シリカおよびシラン化合物を除く組成物とするのが好ましい。
充填剤としての炭酸カルシウム、および/またはカーボンブラックの含有割合は、前記のようにシリカと同等程度とすることができる。すなわちベースポリマ100質量部あたり30質量部以上、特に50質量部以上であるのが好ましく、100質量部以下、特に70質量部以下であるのが好ましい。
また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の加工性が低下して、所望の立体形状を有する高減衰部材を特に工場レベルで量産するのが難しくなるおそれがある。また混練に長時間を要して、高減衰組成物の生産性が低下するといった問題を生じるおそれもある。
前記炭酸カルシウムとしては、例えば白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)CC〔合成炭酸カルシウム、一次粒子径:50nm、表面処理剤:脂肪酸〕、白艶華DD〔合成炭酸カルシウム、一次粒子径:50nm、表面処理剤:ロジン酸〕、Calmos(登録商標)〔合成炭酸カルシウム、一次粒子径50nm、表面処理剤:ロジン酸+リグニン酸〕、BF−300〔重質炭酸カルシウム、平均粒子径:8.00μm、比表面積:2700cm2/g、見かけ比重:1.26g/ml、DOP吸油量:26ml/100g〕、BF−200〔重質炭酸カルシウム、平均粒子径:5.00μm、比表面積:4000cm2/g、見かけ比重:1.17g/ml、DOP吸油量:26ml/100g〕、ホワイトン(登録商標)B〔重質炭酸カルシウム、平均粒子径:3.60μm、比表面積:6000cm2/g、見かけ比重:1.03g/ml、DOP吸油量:26ml/100g〕等の1種または2種以上が挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、例えばHAF、FEF、GPF等の1種または2種以上が挙げられる。
ステアリン酸カルシウムの含有割合は、ベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下であるのが好ましい。
本発明の高減衰組成物には、さらに加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の、ベースポリマを加硫させるための添加剤や、クマロンインデン樹脂以外の他の軟化剤(液状ゴム等)、あるいは老化防止剤、混練時の粘着を防止するための粘着防止剤等の各種添加剤を、適宜の割合で含有させてもよい。
本発明の高減衰組成物を用いて形成できる高減衰部材としては、例えばビル等の建築物の基礎に組み込まれる免震用ダンパ、建築物の構造中に組み込まれる制震(制振)用ダンパ、吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類、あるいは家庭用電気機器類等の防振部材、さらには自動車用タイヤのトレッド等が挙げられる。
〈実施例1〉
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25、エポキシ化率25モル%〕100質量部に、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕60質量部、ステアリン酸カルシウム〔日油(株)製のGF−200〕5質量部、液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)LIR−50〕25質量部、および減衰性付与剤としてのシリカ〔東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)KQ、BET比表面積:215〜265m2/g〕60質量部と、下記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
ベンズイミダゾール系老化防止剤:2-メルカプトベンズイミダゾール、大内新興化学(株)製のノクラック(登録商標)MB
キノン系老化防止剤:芳香族ケトン−アミン縮合物、丸石化学品(株)製のアンチゲンFR
5%オイル処理粉末硫黄:加硫剤、鶴見化学工業(株)製
スルフェンアミド系加硫促進剤:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学(株)製のノクセラー(登録商標)NS
酸化亜鉛2種:加硫促進助剤、三井金属鉱業(株)製
ステアリン酸:加硫促進助剤、日油(株)製の「つばき」
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を50質量部(比較例1)、80質量部(実施例2)、100質量部(実施例3)、120質量部(実施例4)、140質量部(実施例5)、および150質量部(比較例2)としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部とし、かつステアリン酸カルシウムの量を2質量部(実施例6)、および10質量部(実施例7)としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
シリカに代えて、充填剤としての同量の合成炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)CC〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
シリカに代えて、充填剤としての同量の合成炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華DD〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
シリカに代えて、充填剤としての同量の重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
シリカに代えて、充填剤としての同量のカーボンブラックHAF〔東海カーボン(株)製のシースト3〕を用いるとともに、ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム100質量部あたりのクマロンインデン樹脂の量を100質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマとしての、エポキシ化率が0モル%である通常の天然ゴム〔SMR(Standard Malaysian Rubber)−CV60〕100質量部に、クマロンインデン樹脂(ニットレジン クマロンG−90)10質量部、液状イソプレンゴム(クラプレンLIR−50)35質量部、減衰性付与剤としてのシリカ(Nipsil KQ)135質量部、シラン化合物としてのフェニルトリエトキシシラン〔信越化学工業(株)製のKBE−103〕23質量部、石油系レジンとしてのジシクロペンタジエン系石油樹脂〔丸善石油化学(株)製のマルカレッツ(登録商標)M−890A〕25質量部、およびチウラム系加硫促進剤〔大内新興化学(株)製のノクセラーTBT-N〕0.7質量部と、前記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中のスルフェンアミド系加硫促進剤(ノクセラーNS)の量は1質量部に変更した。
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR10、エポキシ化率10モル%〕100質量部に、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕110質量部、ステアリン酸カルシウム〔日油(株)製のGF−200〕5質量部、液状イソプレンゴム〔(株)クラレ製のクラプレン(登録商標)LIR−50〕25質量部、および充填剤としての重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕100質量部と、前記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中のスルフェンアミド系加硫促進剤(ノクセラーNS)の量は0.5質量部に変更した。
ベースポリマとして、エポキシ化率が25モル%であるクンプーランガスリー社製のENR25を同量用いたこと以外は実施例13と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例14〉
ベースポリマとして、エポキシ化率が50モル%であるクンプーランガスリー社製のENR50を同量用いたこと以外は実施例13と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマとして、エポキシ化率が0モル%である通常の天然ゴム(SMR−CV60)を同僚用いたこと以外は実施例13と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例15〉
ベースポリマとして、エポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25、エポキシ化率25モル%〕90質量部と、他のポリマとしてのスチレンブタジエンゴム〔JSR(株)製のJSR1502〕10質量部とを併用するとともに、前記ベースポリマの総量100質量部に、クマロンインデン樹脂〔日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG−90〕110質量部、ステアリン酸カルシウム〔日油(株)製のGF−200〕5質量部、液状ニトリルゴム〔日本ゼオン(株)製のニポール1312、中高ニトリル〕25質量部、粘着防止剤〔脂肪酸エステル、シル・ウント・ザイラッハー”ストラクトール”(Schill+Seilacher ”Struktol”)社製のストラクトール(登録商標)WB222〕2質量部、充填剤としての重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕100質量部、およびチウラム系加硫促進剤〔大内新興化学(株)製のノクセラーTBT-N〕0.5質量部と、前記表1に示す各成分とを配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。なお表1中のスルフェンアミド系加硫促進剤(ノクセラーNS)の量は0.5質量部に変更した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は90質量%であった。
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴムの量を70質量部、スチレンブタジエンゴムの量を30質量部としたこと以外は実施例15と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は70質量%であった。
〈実施例17〉
ベースポリマとして、エポキシ化天然ゴム〔クンプーランガスリー(Kumpulan Guthrie Berhad)社製のENR25、エポキシ化率25モル%〕90質量部と、他のポリマとしての、エポキシ化率が0モル%である通常の天然ゴム(SMR−CV60)10質量部とを併用したこと以外は実施例15と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は90質量%であった。
ベースポリマとしてのエポキシ化天然ゴムの量を70質量部、通常の天然ゴムの量を30質量部としたこと以外は実施例17と同様にして高減衰組成物を調製した。
ベースポリマの総量中に占めるエポキシ化天然ゴムの割合は70質量%であった。
〈混練作業性評価〉
密閉式混練機を用いて各成分を混練して実施例、比較例、従来例の高減衰組成物を調製するのに要した混練時間を計測した。
また各実施例、比較例では、前記混練を開始してから、樹脂分(クマロンインデン樹脂)が完全に溶けて高減衰組成物の物性が安定するまでに要した時間を混練時間とした。
そして従来例1の混練時間を100としたときの、各実施例、比較例の混練時間の比を求めて混練作業性を評価した。
(試験体の作製)
実施例、比較例、従来例で調製した高減衰組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように円板1(厚み5mm×直径25mm)を作製し、前記円板1の表裏両面に、それぞれ加硫接着剤を介して厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層方向に加圧しながら150℃に加熱して円板1を形成する高減衰組成物を加硫させるとともに、前記円板1を2枚の鋼板2と加硫接着させて、高減衰部材のモデルとしての減衰特性評価用の試験体3を作製した。
図2(a)に示すように前記試験体3を2個用意し、前記2個の試験体3を、それぞれ一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4に固定するとともに、両試験体3の他方の鋼板2に、1枚ずつの左右固定治具5を固定した。そして中央固定治具4を試験機の上側に配設された固定アーム6にジョイント7を介して固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、それぞれ前記試験機の下側に配設された可動盤8にジョイント9を介して固定した。それぞれの固定には、図示しないボルトを用いた。
最大変位量は、円板1を挟む2枚の鋼板2の、前記積層方向と直交方向のずれ量が、前記円板1の厚みの100%となるように設定した。
また、ヒステリシスループHとの交点からグラフの横軸に垂線L2をおろした。そして図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量ΔWと、同図中に網線を付して示した、前記直線L1と垂線L2とグラフの横軸とで囲まれた直角三角形の領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーWとから、式(ii):
前記等価減衰定数Heqが大きいほど、試験体3は減衰性能に優れていると判定できる。今回の実施例、比較例、従来例では、前記等価減衰定数Heqが0.75以上であったものを減衰性能極めて良好(◎)、0.25以上であったものを減衰性能良好(○)、0.25未満であったものを減衰性能不良(×)と判定した。
また実施例3、6、7を比較した結果から、高減衰組成物の生産性をより一層向上しつつ、高減衰部材の減衰特性をさらに向上させるためには、ステアリン酸カルシウムの含有割合がベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下であるのが好ましいことが判った。
また、実施例1〜14と実施例15〜18とを比較した結果から、ベースポリマとしてはエポキシ化天然ゴムと他のポリマとを併用するとともに、前記ベースポリマの総量中に占める前記エポキシ化天然ゴムの割合を70質量%以上、90質量%以下の範囲内とすることにより、高減衰部材の減衰性能を向上できることが判った。
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント
Claims (6)
- ベースポリマとして少なくともエポキシ化天然ゴムを含み、かつ前記ベースポリマ100質量部あたり60質量部以上、140質量部以下のクマロンインデン樹脂を含むことを特徴とする高減衰組成物。
- 前記エポキシ化天然ゴムは、エポキシ化率が10モル%以上である請求項1に記載の高減衰組成物。
- 炭酸カルシウム、およびカーボンブラックからなる群より選ばれた少なくとも1種の充填剤をも含んでいる請求項1または2に記載の高減衰組成物。
- 前記ベースポリマ100質量部あたり2質量部以上、10質量部以下のステアリン酸カルシウムをも含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
- 前記ベースポリマとしては、前記エポキシ化天然ゴムと他のゴムとを併用しており、かつ前記ベースポリマの総量中に占める前記エポキシ化天然ゴムの割合は70質量%以上、90質量%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
- 建築物の制震用ダンパの形成材料として用いる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
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