JP2012082347A - 接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性能を向上させた接着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】キレートエポキシ樹脂と、アスペクト比が15以上の板状結晶体と、金属酸化物とを含む。これにより、特に、破壊検査における凝集破壊の割合を高めると共に、剥離強度を高めることができるので、接着性能の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤に関し、より詳しくは、金属部材の接着に用いる接着剤に関する。
従来、金属部材の接着に用いる接着剤としては、金属と、エポキシ樹脂と、融剤とを含むものが知られている。
例えば、接着剤として、50質量部以上90質量部以下の量で存在し、かつ金属酸化物が存在する表面を持つ導電性金属と、7質量部以上24質量部以下の量で存在し、かつエポキシ樹脂を含む、架橋性で接着性の成分と、1質量部以上20質量部以下の量で存在し、かつ該導電性金属の上記表面における、該金属酸化物と反応性であって、少なくとも部分的に該金属酸化物を、該導電性金属の上記表面から除去して、該導電性接着性組成物の導電率を増大させる融剤と、を含有し、上記全ての質量部が、該導電性接着性組成物100質量部を基準とするものである導電性接着性組成物が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された導電性接着性組成物は、電気又は電子部品間の界面において特に有用であり、そこで該組成物は、所定の部品を物理的に固定し、かつこれらを電気的に接続し、しかも金属酸化物の生成を継続的に阻止するように機能する、とされている。
特表2006−514144号公報
特許文献1に開示された導電性接着性組成物は、その構成成分として、金属酸化物を表面に有する金属及びエポキシ樹脂を含む。しかしながら、この組成物を接着剤として用いて被着体同士を接着させた後、被着体の破壊検査を行った場合には、組成物の破壊形態として凝集破壊の割合が低く、剥離強度も低い、という問題がある。
このため、組成物の破壊形態として凝集破壊の割合を増大させると共に、剥離強度を高め、接着性能を更に向上させた接着剤が求められている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、接着性能を向上させた接着剤を提供することを目的としている。
このような課題を解決するため本発明者は鋭意検討し、以下の発明を完成させた。本発明は以下の(1)〜(6)である。
(1) キレートエポキシ樹脂と、アスペクト比が15以上の板状結晶体と、金属酸化物とを含むことを特徴とする接着剤。
(2) 前記板状結晶体が、タルク及び雲母の少なくとも一方である上記(1)に記載の接着剤。
(3) 前記金属酸化物が、酸化銅及び酸化ニッケルの少なくとも一方を10質量%以上含む上記(1)又は(2)に記載の接着剤。
(4) 前記板状結晶体の配合量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上50質量部以下である上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の接着剤。
(5) 前記金属酸化物の配合量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の接着剤。
(6) 金属の接着に用いる上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の接着剤。
本発明の接着剤は、接着性能を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、板状結晶体のアスペクト比を導くための楕円柱を示す斜視図である。 図2は、実施例において用いた一対の試験片を示す斜視図である。 図3は、実施例において用いたT字型剥離試験片に関する、剥離強度と剥離距離との関係を示すグラフである。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、及びいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に開示する構成は、適宜組み合わせることができる。
本実施の形態の接着剤は、キレートエポキシ樹脂と、アスペクト比が15以上の板状結晶体と、金属酸化物とを含む接着剤である。
(エポキシ樹脂)
本実施の形態の接着剤は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、エポキシ基を2個以上有する化合物を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型のような多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロデカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる製造方法によって得られるエポキシ化合物)等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、例えば、東レ・ファインケミカル社製のフレップ10のようなエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂を用いることもできる。エポキシ樹脂はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施の形態の接着剤は、エポキシ樹脂中、キレートエポキシ樹脂を含む。キレートエポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂中、4質量%以上であることが好ましく、4質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。キレートエポキシ樹脂とは、キレート変性エポキシ樹脂とも呼ばれ、エポキシ樹脂の基本骨格や側鎖、末端にキレート形成能を有する官能基を含有するエポキシ樹脂をいう。エポキシ樹脂中のキレートエポキシ樹脂の配合量を4質量%以上とすることで、後述する金属酸化物との配位結合が促進され、剥離強度を向上させることができる。
キレート形成能を有する官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミノ基、カルボニル基等の配位能をもつ官能基等が挙げられる。特に好適なものとして、水酸基、リン酸基、カルボキシル基、カルボニル基等が挙げられる。
キレートエポキシ樹脂は、このようなキレート形成能を有する官能基を、前述したエポキシ樹脂の基本骨格や側鎖、末端に含有するものであり、例えば、ケトン変性エポキシ樹脂、リン酸変性エポキシ樹脂等が好適に用いられる。
キレートエポキシ樹脂の具体例としては、株式会社ADEKAより市販されているアデカレジンEP―49―10、EP―49―20、EP―49―72、EP―9003、EPU―78―11等を例示することができる。
キレートエポキシ樹脂はその製造方法について特に制限されるものではなく、例えば、多量のエポキシ中でキレート形成能を有する官能基とエポキシとを反応させて製造することができる。キレートエポキシ樹脂を製造する際に使用されるエポキシ(例えば、エポキシ樹脂)は、特に制限されるものではなく、例えば、従来より公知のものを用いることができる。
エポキシ樹脂は、低温(−30℃)から高温(90℃)における接着性能及び柔軟性により優れるという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂を含むことが好ましい。また、エポキシ樹脂は、エポキシ当量が220g/eq以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂及びウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
エポキシ樹脂の硬化条件は、使用されるエポキシ樹脂、硬化剤、及び触媒に依存するが、通常130℃付近から230℃付近で約10分以上約30分以下の範囲で硬化させることができる。
エポキシ当量220g/eq以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、低温から高温における接着性能及び柔軟性により優れるという観点から、エポキシ当量が220g/eq以上300g/eq以下であることが好ましい。
ゴム変性エポキシ樹脂は、エポキシ基を2個以上有し、骨格がゴムであるエポキシ樹脂であれば特に制限されない。骨格を形成するゴムとしては、例えば、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル基末端NBR(CTBN)が挙げられる。
ゴム変性エポキシ樹脂は、低温から高温における接着性能および柔軟性により優れるという観点から、エポキシ当量が200g/eq以上350g/eq以下であることが好ましい。ゴム変性エポキシ樹脂はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴム変性エポキシ樹脂はその製造方法について特に制限されるものではなく、例えば、多量のエポキシ中でゴムとエポキシとを反応させて製造することができる。ゴム変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるエポキシ(例えば、エポキシ樹脂)は、特に制限されるものではなく、例えば、従来より公知のものを用いることができる。
ウレタン変性エポキシ樹脂は、分子中にウレタン結合と2個以上のエポキシ基とを有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。ウレタン結合とエポキシ基とを効率的に1分子中に導入することができる点から、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタン結合含有化合物と、ヒドロキシ基含有エポキシ化合物とを反応させて得られる樹脂であることが好ましい。
ウレタン変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールのようなポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒドロキシカルボン酸とアルキレンオキシドの付加物、ポリブタジエンポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
なかでも、ポリエーテルポリオールを用いた場合に、密着性、柔軟性等に優れた硬化物が得られるので好ましい。
ポリヒドロキシ化合物の分子量は、柔軟性と硬化性のバランスに優れる点から、質量平均分子量として300以上5000以下、特に500以上2000以下の範囲のものを用いることが好ましい。
ウレタン変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。ウレタン変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリマーイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香族炭化水素基を有するポリイソシアネート基等が挙げられる。なかでも、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物との反応により、末端に遊離のイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーが得られる。これに1分子中に少なくとも1個の水酸基を有するエポキシ樹脂(例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールのジグリシジルエーテルおよびグリシドール等)を反応せしめることでウレタン変性エポキシ樹脂が得られる。
ウレタン変性エポキシ樹脂は、低温から高温における接着性能および柔軟性により優れるという観点から、エポキシ当量が200g/eq以上250g/eq以下であることが好ましい。ウレタン変性エポキシ樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂中におけるウレタン変性エポキシ樹脂の量が5質量%以上である場合は、被着体に対する柔軟性は十分であり、50質量%以下である場合は、エポキシ樹脂の被着体に対する接着性能を高くすることができる。ウレタン変性エポキシ樹脂の役割は、被着体、例えば鋼板の界面に極性の高いウレタン変性エポキシを局在化させることにより、被着体の界面において接着剤に柔軟性を付与することである。
ウレタン変性エポキシ樹脂はその製造方法について特に制限されるものではなく、例えば、多量のエポキシ(例えば、エポキシ樹脂)中でウレタンとエポキシとを反応させて製造することができる。ウレタン変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるエポキシは特に制限されるものではなく、例えば、従来より公知のものを用いることができる。
(アスペクト比が15以上の板状結晶体)
本実施の形態の接着剤は、アスペクト比が15以上の板状結晶体を含む。図1は、板状結晶体のアスペクト比を導くための楕円柱を示す斜視図である。ここで、板状結晶体とは、図1に示す楕円柱に近似することができる形状の結晶体をいい、いわゆる針状フィラーを除く意味である。また、板状結晶のアスペクト比とは、図1に示すように、当該結晶体を楕円柱に見立てた場合における楕円柱の高さAを短辺とし、楕円柱の長径Bを長辺としたときのアスペクト比B/Aをいう。板状結晶体のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)によりに結晶体を観察して算出することができ、またレーザー回折散乱法を用いて結晶体を観察して算出することもできる。
アスペクト比が15以上の板状結晶体としては、例えば、タルク及び雲母が挙げられ、雲母としては、白雲母、黒雲母、金雲母、及び鉄雲母等が挙げられる。
接着剤にアスペクト比が15以上の板状結晶体を含ませることで、被着体の破壊検査において、接着剤の破壊形態として凝集破壊を促進させることができる。その理由は、以下のとおりである。なお、凝集破壊とは、硬化した接着剤層が破壊する破壊態様である。接着剤層と被着体との境界面が破壊する破壊態様(界面破壊)は接着剤の接着能力が低いが、凝集破壊は一定の接着能力が得られていることを裏付ける破壊態様である。また、剥離強度とは、例えば、JIS K 6854−1、JIS K 6854−2、及びJIS K 6854−3等に規定されている試験によって測定される強度である。
即ち、このようなアスペクト比が15以上の板状結晶体には、第1に、接着剤にかかる応力の分散作用があると考えられる。特に、上記板状結晶体には、接着界面における上記応力の分散作用があると考えられる。また、このようなアスペクト比が15以上の板状結晶体には、第2に、接着剤と被着体との間において接着剤を壊れ易くする作用があると考えられる。従って、これら2つの作用に基づき、接着剤にアスペクト比が15以上の板状結晶体を含ませることで、被着体の破壊検査において、接着剤の破壊形態として凝集破壊を促進させることができると考えられる。
以上により、本実施の形態の接着剤は、板状結晶体の形状に起因する接着剤にかかる応力の分散作用と、接着剤を壊れ易くする作用とを発揮する、アスペクト比が15以上の板状結晶体を含むことで、その破壊形態として凝集破壊の割合を増大させることができると共に、上述のとおりキレートエポキシ樹脂を含むことから剥離強度を高めることができる。なお、上記板状結晶体のアスペクト比は、15以上50以下であることが好ましい。
本実施の形態の接着剤は、アスペクト比が15以上の板状結晶体の配合量が、エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上50質量部以下であることが好ましい。アスペクト比が15以上の板状結晶体は、接着剤の凝集破壊を促進させる観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、アスペクト比が15以上の板状結晶体は、接着剤の剥離強度の低下を抑える観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。
(金属酸化物)
本実施の形態の接着剤は、金属酸化物を含む。金属酸化物は、キレートエポキシ樹脂と配位結合し、エポキシ樹脂同士を強固に結合する。
金属酸化物としては、例えば、酸化鉄(III)、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化銅、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化チタン(ルチル型及び/又はアナターゼ型)、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ベリリウム等が挙げられる。
本実施の形態の接着剤は、これらの金属酸化物の中でも、特に、酸化銅及び酸化ニッケルを含むことが、より強固な配位結合が形成されるため、エポキシ樹脂同士をさらに強固に結合するため好ましい。
また、本実施の形態の接着剤は、金属酸化物の配合量がエポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。金属酸化物の配合量は、より強固な配位結合を生じさせることによって、エポキシ樹脂同士の結合をより高める観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上とすることが好ましく、10質量部以上とすることがより好ましい。また、金属酸化物の配合量は、エポキシ樹脂中における分散性の維持を図る観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましい。
以上説明したように、本実施の形態の接着剤は、キレートエポキシ樹脂を含み、アスペクト比が15以上の板状結晶体を含むこと、及び金属酸化物を含むことにより、特に、被着体の破壊検査における凝集破壊の割合を高め、かつ、剥離強度を高めることができる。このため、本実施の形態の接着剤は、接着性能を向上させることができる。
本実施の形態の接着剤は、構造用接着剤として、構造材料の接着に使用することができる。ここで、構造材料とは、建造物、船舶、航空機、自動車及び各種日用品等に使用する材料であって、自重及び外力に対して形状を保つために十分な強度を有する材料を意味する。例えば、建造物においては鉄筋コンクリート、船舶においては鉄材、航空機においてはアルミニウム材、自動車においては鋼材等が、それぞれ挙げられる。
本実施の形態の接着剤は、特に、金属の接着に用いることが好ましい。当該接着剤を金属の接着に用いた場合には、高強度な接着を安定して保持することができる。
以下、本実施の形態を実施例により具体的に説明する。ただし、本実施の形態はこれらに限定されるものではない。
<接着剤の作製>
下記表1に示す各成分を混合して、比較例1、2及び実施例1〜3の接着剤を作製した。また、下記表2に示す各成分を混合して、比較例3〜6及び実施例4〜9の接着剤を作製した。なお、表1に示す各実施例は、アスペクト比が15以上の板状結晶体としてタルクを用いて行った試験例であり、表2に示す各実施例は、アスペクト比が15以上の板状結晶体として雲母を用いて行った試験例である。
下記表1及び表2に示される各成分は、以下のとおりである。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:商品名「JER834」、ジャパンエポキシレジン社製
・キレートエポキシ樹脂:商品名「アデカレジンEPU−78−11」、(株)ADEKA社製 (ビスフェノールF型エポキシ樹脂、キレートエポキシ樹脂の配合量がエポキシ樹脂中20質量%)
・硬化剤:商品名「DICY」、ジャパンエポキシレジン社製
・硬化促進剤:商品名「DCMU」、ジャパンエポキシレジン社製
・タルク:商品名「3Sタルク」、日本タルク社製 (不定形タルク)
・タルク:商品名「ナノエースD−600」、日本タルク社製 (超微分板状タルク)
・タルク:商品名「P4タルク」、日本タルク社製 (微分板状タルク)
・タルク:商品名「CHT−5タルク」、日本タルク社製 (板状タルク)
・雲母(白雲母):商品名「ST−501」、白石工業株式会社製
・金属酸化物:商品名「KNI−109」、JFEマグパウダー株式会社製
上記の金属酸化物の組成は、それぞれ、以下のとおりである。
・金属酸化物:Fe(50質量%)、ZnO(30質量%)、NiO(10質量%)、CuO(10質量%)
<T字型剥離試験片の作製>
図2は、実施例において用いた一対の試験片を示す斜視図である。図2に示す2枚の油面鋼板(縦25mm×横200mm×厚さ10mm)の接着面に、接着剤の厚さを0.01mmから0.1mmに調整する目的で、スペーサとして直径0.03mmから0.05mmの針金を複数本設けた。次いで、当該接着面に、表1、2に示す比較例1〜6及び実施例1〜9の接着剤をそれぞれ塗布し、これら油面鋼板を同図に示すように中心線を合わせて接着面がずれないように貼り合せ、紙ばさみ(鉄製のクリップ)で圧着固定してT字型剥離試験片を作製した。さらに、T字型剥離試験片からはみ出した接着剤を拭き取り、炉内雰囲気を170℃として20分間加熱した。
<評価>
表1、2に示す各実施例および比較例の接着剤を用いて貼り合せたT字型剥離試験片に対して、それぞれ、初期の剥離強度及び耐温水剥離強度を測定した。
剥離強度(初期)については、上記の条件で硬化させた試験片を炉から取り出し、20℃、60%RHの恒温室で24時間以上放置後、紙ばさみを取り除き、強度を測定した。
剥離硬度(耐温水)については、上記の条件で硬化させた試験片を炉から取り出し、20℃、60%RHの恒温室で3日間以上放置後、紙ばさみを取り除き、40℃の温水中に30日間置いた後、20℃、60%RHの恒温室に1日放置し、その後強度を測定した。
強度の測定方法は、以下のようにして行った。即ち、まず、T字型剥離試験片の長軸を引張試験機の中心線に揃え、その荷重が正しくその線上に通るように、当該試験片の両端が40mmとなる部分X、Y(図2参照)を引張試験機の試験片保持具で十分に固定した。次いで、引張速度200mm/分の条件下で引張試験を行った。
(評価1:剥離強度)
剥離強度の評価は、強度測定により得られた剥離強度(N/25mm)に関するチャートの読み値により当該強度を決定することによって行った。図3は、実施例において用いたT字型剥離試験片に関する、剥離強度と剥離距離との関係を示すグラフである。剥離強度は、図3に示すように、剥離距離の増大に伴い一旦最大値を示し、その直後に急激に減少し、さらに一定値を示す。本実施例における剥離強度は、上記の一定値を意味する。剥離強度の評価結果を表1、2に併記する。
(評価2:剥離態様)
剥離態様の評価は、剥離状態を目視により確認することにより行った。剥離態様の結果を表1、2に併記する。なお、表1、2中、剥離態様は、接着剤の凝集破壊をCFと標記し、界面破壊をAFと標記した。また、表1、2中、AF、CFの添え字は、破壊状態の割合を示す数値である。例えば、AF40とは、40%の界面破壊と60%の凝集破壊の混在を示す。
Figure 2012082347
Figure 2012082347
(評価結果)
表1から明らかなように、アスペクト比が15以上の板状結晶体としてタルクを含む接着剤を用いた場合、初期及び耐温水のいずれの引張試験においても、剥離強度が200N/25mm以上であって、しかも剥離態様がCF100であることが確認された(実施例1〜3参照)。これは、接着剤が、キレートエポキシ樹脂と、アスペクト比が15以上の板状結晶体と、金属酸化物とを含むからであると考えられる。
同様に、表2から明らかなように、アスペクト比が15以上の板状結晶体として雲母を含む接着剤を用いた場合、初期及び耐温水のいずれの引張試験においても、剥離強度が200N/25mm以上であって、しかも剥離態様がCF100であることが確認された(実施例4〜9参照)。これは、接着剤が、キレートエポキシ樹脂と、アスペクト比が15以上の板状結晶体と、金属酸化物とを含むからであると考えられる。
以上のように、本発明の接着剤は、凝集破壊を増大させると共に、剥離強度を高めるので、金属部材の接着用の接着剤として用いるのに適している。
A 楕円柱の高さ
B 楕円柱の長径

Claims (6)

  1. キレートエポキシ樹脂と、アスペクト比が15以上の板状結晶体と、金属酸化物とを含むことを特徴とする接着剤。
  2. 前記板状結晶体が、タルク及び雲母の少なくとも一方である請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記金属酸化物が、酸化銅及び酸化ニッケルの少なくとも一方を10質量%以上含む請求項1又は2に記載の接着剤。
  4. 前記板状結晶体の配合量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上50質量部以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の接着剤。
  5. 前記金属酸化物の配合量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の接着剤。
  6. 金属の接着に用いる請求項1から5のいずれか1項に記載の接着剤。
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