JP2012081900A - 船舶推進装置 - Google Patents

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    • B63H20/08Means enabling movement of the position of the propulsion element, e.g. for trim, tilt or steering; Control of trim or tilt
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    • B63H20/12Means enabling steering

Abstract

【課題】チルトシリンダ及びトリムシリンダを備えた船舶推進装置において、簡便な構成でチルトシリンダ及びトリムシリンダを大型化できる船舶推進装置を提供すること。
【解決手段】船舶推進装置1は、トリムシリンダとチルトシリンダを含み、ステアリングシャフト11がトランサムブラケット10に連結されている。すなわち、船舶推進装置1は、トランサムブラケット10に連結された、上下方向に延びるステアリング軸線L3まわりに回動可能なステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11に連結された水平方向に延びるチルト軸線L4まわりに回動可能な船外機2と、トリム範囲でチルト軸線L4まわりに船外機2を回動させるトリムシリンダ21と、トリム範囲およびチルト範囲でチルト軸線L4まわりに船外機2を回動させるチルトシリンダ22とを含む。
【選択図】図2

Description

この発明は、船舶推進装置に関する。
一つの先行技術に係る船舶推進装置は、たとえば、特許文献1に記載されている。この船舶推進装置は、2つのクランプブラケットと、スイベルブラケットと、チルトシャフトと、船外機と、ステアリングシャフトと、PTT機構(パワートリム&チルト機構)とを含む。
各クランプブラケットは、船体のトランサムに取り付け可能である。2つのクランプブラケットは、左右方向に間隔を空けて配置されている。スイベルブラケットは、水平方向に延びるチルトシャフトを介して各クランプブラケットに連結されている。船外機は、上下方向に延びるステアリングシャフトを介してスイベルブラケットに連結されている。スイベルブラケットおよび船外機は、クランプブラケットに対して、チルト軸線(チルトシャフトの中心軸線)まわりに回動可能である。また、船外機は、クランプブラケットおよびスイベルブラケットに対して、ステアリング軸線(ステアリングシャフトの中心軸線)まわりに回動可能である。ステアリングシャフトは、チルト軸線まわりの船外機の回動に伴ってクランプブラケットに対して回動する。したがって、ステアリング軸線は、チルト軸線まわりの船外機の回動に伴ってクランプブラケットに対して回動する。
PTT機構は、スイベルブラケットをチルト軸線まわりに回動させることにより、クランプブラケットに対して船外機をチルト軸線まわりに回動させる。PTT機構は、船外機の傾斜角度が小さいトリム範囲と、トリム範囲よりも船外機の傾斜角度が大きいチルト範囲の両方の範囲で船外機を支持し、これらの範囲内で船外機をチルト軸線まわりに回動させる。PTT機構は、トリム範囲で船外機を支持すると共にトリム範囲内で船外機を回動させるトリムシリンダと、トリム範囲およびチルト範囲の両方の範囲で船外機を支持すると共にこの両方の範囲内で船外機を回動させるチルトシリンダとを含む。
トリムシリンダおよびチルトシリンダは、2つのクランプブラケットの間に配置されている。これらのシリンダの後方には、スイベルブラケットの一部が配置されており、これらのシリンダの前方には、トランサムが配置される。各シリンダのシリンダ本体は、クランプブラケットに連結されている。チルトシリンダのロッドは、スイベルブラケットに連結されている。また、船外機がトリム範囲に位置する状態では、トリムシリンダのロッドは、スイベルブラケットに接触している。船外機の傾斜角度がトリム範囲を超えると、トリムシリンダのロッドがスイベルブラケットから離れる。したがって、船外機がトリム範囲に位置する状態では、トリムシリンダおよびチルトシリンダによって船外機が支持され、船外機の傾斜角度がトリム範囲を超えると、チルトシリンダだけで船外機が支持される。
他の先行技術に係る船舶推進装置は、たとえば、特許文献2に記載されている。この船舶推進装置は、トランサムブラケットと、ステアリングシャフトと、船外機と、チルトシャフトと、チルト機構とを含む。
トランサムブラケットは、船体のトランサムに取り付け可能である。ステアリングシャフトは、トランサムブラケットに連結されている。ステアリングシャフトは、上下方向に延びている。船外機は、水平方向に延びるチルトシャフトを介してステアリングシャフトに連結されている。船外機は、ステアリングシャフトに対して、チルト軸線(チルトシャフトの中心軸線)まわりに回動可能である。また、ステアリングシャフトおよび船外機は、トランサムブラケットに対して、ステアリング軸線(ステアリングシャフトの中心軸線)まわりに回動可能である。船外機がチルト軸線まわりに回動するときに、ステアリングシャフトは、トランサムブラケットに対して回動しない。したがって、ステアリング軸線は、チルト軸線まわりの船外機の回動に伴ってトランサムブラケットに対して回動しない。
チルト機構は、ステアリングシャフトに対して船外機をチルト軸線まわりに回動させる。チルト機構は、船外機を支持すると共に船外機を回動させる2本のチルトシリンダを含む。2本のチルトシリンダは、間隔を隔てて平行に配置されている。ステアリングシャフトは、2本のチルトシリンダの間に配置されている。船外機は、チルトシリンダの後方に配置されており、トランサムブラケットは、チルトシリンダの前方に配置されている。各チルトシリンダの側方は開放されている。各チルトシリンダのシリンダ本体は、ステアリングシャフトに連結されている。また、各チルトシリンダのロッドは、船外機に連結されている。船外機は、2本のチルトシリンダによって支持されている。
特開2006−143066号公報 米国特許第6146220号
トリム範囲は、主に船舶の前進時に船体の姿勢を調整するときに用いられる範囲であり、チルト範囲は、主に船舶を係留させるときや船舶が浅瀬を航走するときに用いられる範囲である。チルト範囲は、船外機の傾斜角度が大きい範囲であるから、船外機をトリム範囲からチルト範囲に移動させると、プロペラが水中から出てしまう場合がある。船舶が前進しているときにプロペラが水中から出ると、船体に伝達される推進力が減少する。そのため、船舶が前進しているときに船外機がチルト範囲に移動すると、船舶が減速してしまう場合がある。
前述のように、トリムシリンダおよびチルトシリンダが設けられている場合、船外機がトリム範囲に位置する状態では、トリムシリンダおよびチルトシリンダによって船外機が支持されている。さらに、船外機がチルト範囲に位置する状態では、トリムシリンダが船外機から離れており、チルトシリンダのみによって船外機が支持されている。船外機がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、船外機の自重や前進方向への推進力などのトリムシリンダに加わっていた荷重がチルトシリンダに加わるので、チルトシリンダに加わる荷重が増加する。そのため、船外機がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、チルトシリンダの内圧が増加する。
たとえば前進方向への推進力が大きい場合に、船外機がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、チルトシリンダの内圧が高くなる。チルトシリンダには、作動油が流通する配管が接続されており、この配管には、リリーフバルブが取り付けられている。チルトシリンダの内圧が高くなると、リリーフバルブが開いて、作動油がチルトシリンダから排出される。これにより、チルトシリンダのロッドの突出量が減少し、船外機がチルト範囲からトリム範囲に戻る。したがって、船舶が前進しているときにプロペラが水中から出てしまうことを防止することができる。
一方、前進方向への推進力が小さい場合や船舶が停泊している場合に、船外機がトリム範囲からチルト範囲に移動しても、推進力が大きい場合よりも低い圧力までしかチルトシリンダの内圧が上昇しないから、リリーフバルブが開かない。したがって、これらの場合には、船外機をチルト範囲に位置させることができる。さらに、船外機がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、油圧ポンプから送られる作動油のうちトリムシリンダに供給されていた分がチルトシリンダに供給されるので、チルトシリンダへの作動油の供給流量が増加する。したがって、チルトシリンダのロッドの移動速度が増加し、トリム範囲での移動速度よりも高速で船外機がチルト軸線まわりに回動する。これにより、船外機をチルト範囲で速やかにチルトアップさせることができる。
近年、船外機は、大型化および/または高出力化する傾向にある。船外機が大型化すると船外機の重量が増加するため、各シリンダに加わる荷重が増加する。また、船外機の推進力は、各シリンダに伝達されるため、船外機が高出力化すると、各シリンダに加わる荷重が増加する。そのため、船外機が大型化および/または高出力化すると、各シリンダの内圧が増加する問題が発生する。たとえば各シリンダ本体を大きくすれば、内圧の上昇を抑制することができ、この問題を解決することができる。しかし、特許文献1記載の船舶推進装置では、PTT機構が、各クランプブラケット、スイベルブラケット、およびトランサムによって囲まれているため、トリムシリンダ及びチルトシリンダを大型化すると、各シリンダがクランプブラケット等に干渉してしまうという新たな問題が発生する。そのため、各シリンダ本体を大型化することが困難である。シリンダとの干渉を防止するために、左右のクランプブラケットをそれぞれ外方に移動させて各クランプブラケット間の距離を広くすることが考えられる。しかし、船体に対するクランプブラケットの取り付け範囲は、規格により定められているため、この方法でも問題を解決することができない。
一方、特許文献2記載の船舶推進装置では、2本のチルトシリンダによって船外機が支持されている。各チルトシリンダの側方は開放されている。したがって、各シリンダ本体を大型化することができる。しかしながら、この船舶推進装置では、トリムシリンダが設けられていないので、前進方向への推進力が大きい状態で船外機がトリム範囲からチルト範囲に移動したとしても、トリムシリンダが設けられている場合のようにチルトシリンダの内圧が増加しない。したがって、前述の配管およびリリーフバルブが設けられていたとしても、船外機をチルト範囲からトリム範囲に移動させることができない。そのため、船舶が前進しているときにプロペラが水中から出るおそれがある。さらに、特許文献2記載の船舶推進装置では、トリムシリンダが設けられていないので、船外機がチルト軸線まわりに回動する速度をトリム範囲とチルト範囲とで容易に変更することができない。
特許文献2記載の船舶推進装置において、船舶の前進中にプロペラが水中から出ることを防止するために、たとえば、船外機の位置を検出するセンサを設けて、このセンサの検出値に基づいてチルトシリンダへの作動油の供給量を制御することが考えられる。しかしながら、この場合には、センサおよびこれに関連する装置が必要であるとともに、制御が複雑化する。さらに、特許文献2記載の船舶推進装置において、船外機がチルト軸線まわりに回動する速度をトリム範囲とチルト範囲とで変更するために、チルトシリンダへの作動油の供給流量を変化させることが考えられる。しかしながら、この場合には、たとえば、油圧ポンプを駆動する電動モータの回転速度を変化させる必要があり、制御が複雑化する。
そこで、この発明の目的は、チルトシリンダ及びトリムシリンダを備えた船舶推進装置において、簡便な構成でチルトシリンダ及びトリムシリンダを大型化できる船舶推進装置を提供することである。
前記目的を達成するためのこの発明は、船体のトランサムに取り付け可能なトランサムブラケットと、前記トランサムブラケットに連結されており、上下方向に延びるステアリング軸線まわりに回動可能なステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトに連結されており、前記ステアリング軸線に垂直な平面に沿って延びるチルト軸線まわりに回動可能であり、前記ステアリング軸線まわりに前記ステアリングシャフトと共に回動可能な船外機と、前記トランサムブラケットと前記ステアリングシャフトとに連結されており、前記ステアリングシャフトおよび船外機を前記トランサムブラケットに対して前記ステアリング軸線まわりに回動させるステアリング機構と、前記ステアリングシャフトと前記船外機とに連結されており、第1角度と、前記第1角度よりも大きい第2角度との間で前記チルト軸線まわりに前記船外機を回動させ、前記第1角度と前記第2角度との間で前記船外機を支持する第1シリンダと、前記ステアリングシャフトと前記船外機とに連結されており、前記第1角度と、前記第2角度よりも大きい第3角度との間で前記チルト軸線まわりに前記船外機を回動させ、前記第1角度と前記第3角度との間で前記船外機を支持する第2シリンダとを含む、船舶推進装置である。
この発明によれば、船外機が、ステアリングシャフトに連結されている。船外機は、ステアリングシャフトに対して、ステアリング軸線に垂直な平面に沿って延びるチルト軸線まわりに回動可能である。第1シリンダおよび第2シリンダは、ステアリングシャフトと船外機とに連結されている。第1シリンダは、第1角度と、第1角度よりも大きい第2角度との間でチルト軸線まわりに船外機を回動させ、第1角度と第2角度との間で船外機を支持する。また、第2シリンダは、第1角度と、第2角度よりも大きい第3角度との間でチルト軸線まわりに船外機を回動させ、第1角度と第3角度との間で船外機を支持する。
このように、第1シリンダは、第1角度と第2角度との間で船外機を支持し、第2シリンダは、第1角度と第3角度との間で船外機を支持する。すなわち、第1シリンダが船外機を支持する範囲(第1範囲)は、第2シリンダが船外機を支持する範囲(第1範囲および第2範囲)よりも小さい。第1範囲(第1角度と第2角度との間の範囲)では、船外機は、第1シリンダおよび第2シリンダによって支持され、第2範囲(第1角度と第3角度との間の範囲のうち第1範囲を除く範囲)では、船外機は、第2シリンダによって支持される。したがって、前進方向への推進力が大きい状態で、船外機が第1範囲から第2範囲に移動すると、第2シリンダの内圧が増加する。そのため、たとえばリリーフバルブを用いて第2シリンダから作動流体を排出させることにより、船外機を第1範囲に戻すことができる。これにより、高スラスト時において船外機が第2範囲に位置することを機構的に抑制することができる。また、第1シリンダと第2シリンダとが設けられているため、機構的に船外機を第2範囲で速やかに回動させることができる。さらに、従来の船舶推進装置のように、各シリンダの側方にクランプブラケットが配置されていないから、各シリンダを大型化することができる。これにより、船外機が大型化および/または高出力化したときに、各シリンダの内圧の上昇を抑制することができる。
前記ステアリングシャフトは、前記ステアリング軸線に沿って延びる筒状部を含み、前記第2シリンダの少なくとも一部は、前記筒状部内に収容されていてもよい。この場合、船舶推進装置の大型化を抑制することができる。
また、前記第1シリンダおよび第2シリンダは、前記ステアリングシャフトと共に前記ステアリング軸線まわりに回動するように構成されていてもよい。
また、前記船舶推進装置は、前記第1シリンダおよび第2シリンダに作動油を供給するポンプと、前記ポンプを駆動する電動モータと、作動油が流通する配管とをさらに含み、前記第1シリンダ、第2シリンダ、ポンプ、電動モータ、および配管は、前記ステアリングシャフトと共に前記ステアリング軸線まわりに回動するように構成されていてもよい。
また、前記ポンプの少なくとも一部は露出しており、前記電動モータの少なくとも一部は露出していてもよい。この場合、船舶推進装置の使用者がポンプおよび電動モータに容易にアクセスすることができる。したがって、作動油の交換などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、前記ポンプおよび電動モータの少なくとも一方を覆う取り外し可能な保護カバーをさらに含んでいてもよい。この場合、ポンプおよび電動モータの少なくとも一方が保護カバーによって保護されるから、ポンプおよび電動モータの少なくとも一方の損傷を防止することができる。また、保護カバーは取り外し可能であるから、船舶推進装置の使用者は、保護カバーを取り外すことにより、ポンプおよび電動モータを露出させることができる。これにより、ポンプおよび電動モータに容易にアクセスすることができる。したがって、作動油の交換などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、前記配管の少なくとも一部は露出していてもよい。この場合、配管に容易にアクセスすることができる。したがって、船舶推進装置の使用者が配管の交換などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、前記船外機は、前記ステアリングシャフトに対して前記チルト軸線まわりに回動できるように前記ステアリングシャフトに連結されたチルトブラケットを含んでいてもよい。
また、前記第2シリンダは、前記船外機に対して第1回動軸まわりに回動できるように前記第1回動軸を介して前記船外機に連結されていてもよい。また、前記第2シリンダは、前記第1シリンダに対して第2回動軸まわりに回動できるように前記第2回動軸を介して前記第1シリンダに連結されていてもよい。具体的には、前記第2シリンダのロッドが前記第1回動軸を介して前記船外機に連結されており、前記第2シリンダの本体が前記第2回動軸を介して前記第1シリンダに連結されていてもよい。また、前記第2シリンダの本体が前記第1回動軸を介して前記船外機に連結されており、前記第2シリンダのロッドが前記第2回動軸を介して前記第1シリンダに連結されていてもよい。
また、前記第1シリンダおよび第2シリンダは、前記チルト軸線に直交する方向から見たときに重なり合わないように配置されていてもよい。
また、前記船舶推進装置は、前記チルト軸線に平行な方向に間隔を空けて配置された2本の前記第1シリンダを含み、前記第2シリンダは、前記チルト軸線に直交する方向から見たときに前記第2シリンダが前記2本の第1シリンダの間に位置するように配置されていてもよい。具体的には、前記第2シリンダは、前記第2シリンダの少なくとも一部が前記2本の第1シリンダの間に位置しており、かつ前記チルト軸線に直交する方向から見たときに前記第2シリンダが前記2本の第1シリンダの間に位置するように配置されていてもよい。また、前記第2シリンダは、前記第2シリンダが前記2本の第1シリンダの間に位置しておらず、かつ前記チルト軸線に直交する方向から見たときに前記第2シリンダが前記2本の第1シリンダの間に位置するように配置されていてもよい。
この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置の側面図である。 この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置の側面図である。 この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置の平面図である。 この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置の一部の斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置の一部の分解斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置の一部の分解図である。 この発明の第1実施形態に係るチルト機構の背面図である。 この発明の第1実施形態に係るチルト機構を含む第1船舶推進装置の一部の部分断面図である。 この発明の第1実施形態に係るチルト機構を含む第1船舶推進装置の一部の側面図である。 この発明の第1実施形態に係るチルト機構を含む第1船舶推進装置の一部の側面図である。 この発明の第1実施形態に係るステアリング機構を含む第1船舶推進装置の一部の部分断面図である。 この発明の第1実施形態に係るステアリング機構を含む第1船舶推進装置の一部の模式的な平面図である。 この発明の第1実施形態に係るステアリング機構を含む第1船舶推進装置の一部の模式的な平面図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の側面図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の分解斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の分解図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の部分断面図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の側面図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の平面図である。 この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の分解図である。 この発明の第2実施形態に係るステアリング機構を含む第2船舶推進装置の一部の部分断面図である。 この発明の第2実施形態に係るステアリング機構を含む第2船舶推進装置の一部の模式的な平面図である。 この発明の第2実施形態に係るステアリング機構を含む第2船舶推進装置の一部の模式的な平面図である。 この発明の第3実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の背面図である。 この発明の第3実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の平面図である。 この発明の第3実施形態に係る第2船舶推進装置の一部の側面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
具体的には、ステアリング機構の電動モータがトランサムブラケットに固定された第1船舶推進装置と、ステアリング機構の電動モータがステアリングシャフトに固定された第2船舶推進装置とについて説明する。また、以下の説明では、船外機が基準姿勢にある状態に基づいて説明する。基準姿勢とは、船外機の傾斜角度が零であり、船外機の操舵角度が零であるときの船外機の姿勢である。船外機の傾斜角度は、クランクシャフトの回転軸線(クランク軸線L1)が鉛直面に対してなす角度である。クランク軸線L1が鉛直方向に延びるときの船外機2の傾斜角度は零である。また、船外機の操舵角度は、プロペラの回転軸線(回転軸線L2)が船体の中心線に対してなす角度である。プロペラの回転軸線L2が前後方向に延びるときの船外機の傾斜角度は零である。前後方向の一方の方向(前方向)は、トランサムに近づく方向であり、前後方向の他方の方向(後ろ方向)は、トランサムから離れる方向である。
図1および図2は、この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置1の側面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置1の平面図である。図4Aは、この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置1の一部の斜視図である。図4Bは、この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置1の一部の分解斜視図である。図4Cは、この発明の第1実施形態に係る第1船舶推進装置1の一部の分解図である。
第1船舶推進装置1は、船外機2を含む。船外機2は、船体H1の後部に設けられたトランサムT1に取り付けられる。船外機2は、エンジン3と、エンジンカバー4と、ケーシング5とを含む。エンジン3は、エンジンカバー4内に収容されている。エンジン3は、クランクシャフト6を含む。クランクシャフト6は、クランク軸線L1まわりに回転可能である。クランクシャフト6は、図示しないドライブシャフトに連結されている。ドライブシャフトは、図示しないプロペラシャフトに連結されている。ドライブシャフトおよびプロペラシャフトは、ケーシング5内に収容されている。ケーシング5は、エンジンカバー4の下方に配置されたアッパーケース7およびロワーケース8を含む。ロワーケース8は、回転軸線L2まわりに回転可能にプロペラ9を支持している。クランクシャフト6の回転は、ドライブシャフトおよびプロペラシャフトを介してプロペラ9に伝達される。プロペラ9は、前進方向と、前進方向とは反対の後進方向とに回転可能である。プロペラ9は、エンジン3によって、前進方向および後進方向に回転駆動される。
第1船舶推進装置1は、トランサムブラケット10と、ステアリングシャフト11と、チルトシャフト12とを含む。船外機2は、チルトブラケット13を含む。トランサムブラケット10は、トランサムT1に取り付け可能である。トランサムブラケット10は、トランサムT1に取り付けられる板状の取付部14と、取付部14の後方に配置された筒状の収容部15とを含む。ステアリングシャフト11は、トランサムブラケット10に連結されている。チルトブラケット13は、チルトシャフト12を介してステアリングシャフト11に連結されている。ステアリングシャフト11および船外機2は、トランサムブラケット10に対して、上下方向に延びるステアリング軸線L3まわりに回動可能である。船外機2は、トランサムブラケット10およびステアリングシャフト11に対して、水平方向に延びるチルト軸線L4まわりに回動可能である。チルト軸線L4は、チルトシャフト12の中心軸線である。
図4Bおよび図4Cに示すように、ステアリングシャフト11は、筒状部16と、連結部17と、中間部18とを含む。ステアリング軸線L3は、筒状部16の中心軸線である。連結部17は、中間部18を介して、筒状部16の上端部に連結されている。筒状部16、連結部17、および中間部18は、この実施形態のように別体であってもよいし、一体の部材であってもよい。すなわち、ステアリングシャフト11は、複数の分割体を含む部材であってもよいし、一体の部材であってもよい。チルトブラケット13は、チルトシャフト12を介して連結部17に連結されている。ステアリングシャフト11は、トランサムブラケット10の収容部15内に挿入されている。筒状部16は、収容部15に収容されている。収容部15は、ステアリング軸線L3に沿って延びている。ステアリングシャフト11は、トランサムブラケット10に対して、ステアリング軸線L3まわりに回動可能である。
第1船舶推進装置1は、チルト機構19を含む。チルト機構19は、ステアリングシャフト11と船外機2とに連結されている。チルト機構19は、トランサムブラケット10およびステアリングシャフト11に対して船外機2をチルト軸線L4まわりに回動させる。船外機2がステアリングシャフト11に対してチルト軸線L4まわりに回動するから、船外機2の傾斜角度が変化しても、ステアリング軸線L3は移動しない。すなわち、ステアリング軸線L3は、トランサムブラケット10に対して移動しない軸線である。クランク軸線L1の上端がクランク軸線L1の下端より前方に位置するように船外機2がチルト軸線L4まわりに傾く方向を正方向と定義する。船外機2の傾斜角度が小さい範囲は、トリム範囲であり、船外機2の傾斜角度がトリム範囲の上限値よりも大きい範囲は、チルト範囲である。
図2では、船外機2の傾斜角度がトリム範囲の下限値(フルトリムイン角度)である状態を一点鎖線で示しており、船外機2の傾斜角度がトリム範囲の上限値(フルトリムアウト角度)である状態を二点鎖線で示している。図2では、船外機2の傾斜角度がチルト範囲の上限値(フルチルトアップ角度)である状態を実線で示している。フルトリムイン角度は、本発明に係る第1角度の一例であり、フルトリムアウト角度は、本発明に係る第2角度の一例である。また、フルチルトアップ角度は、本発明に係る第3角度の一例である。フルトリムイン角度は、たとえば、−5°であり、フルトリムアウト角度は、たとえば、15°である。フルチルトアップ角度は、たとえば、65°である。チルト機構19は、トリム範囲およびチルト範囲を含む任意の位置に船外機2を保持可能である。トリム範囲は、主に船舶の前進時に船体H1の姿勢を調整するときに用いられる範囲であり、チルト範囲は、主に船舶を係留させるときや船舶が浅瀬を航走するときに用いられる範囲である。
第1船舶推進装置1は、ステアリング機構20を含む。ステアリング機構20は、トランサムブラケット10とステアリングシャフト11とに連結されている。ステアリング機構20は、トランサムブラケット10に対して、ステアリングシャフト11およびチルトシャフト12をステアリング軸線L3まわりに回動させる。船外機2およびチルト機構19は、ステアリングシャフト11の回動に伴って、ステアリングシャフト11およびチルトシャフト12と共に、ステアリング軸線L3まわりに回動する。チルトシャフト12が船外機2と共にステアリング軸線L3まわりに回動するから、チルトシャフト12の中心軸線であるチルト軸線L4は、ステアリング軸線L3まわりの船外機2の回動に伴って、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動する。船外機2の操舵角度が零のときの船外機2の位置を操舵原点と定義する。図3に示すように、船外機2は、操舵原点(実線で示す位置)を中心に左右に回動可能である。ステアリング機構20は、最大右操舵位置(一点鎖線で示す位置)と最大左操舵位置(二点鎖線で示す位置)との間で船外機2をステアリング軸線L3まわりに回動させる。ステアリング機構20は、最大右操舵位置と最大左操舵位置との間の任意の位置に船外機2を保持可能である。
図5は、この発明の第1実施形態に係るチルト機構19の背面図である。以下では、図4B、図4Cおよび図5を参照して、チルト機構19について説明する。
チルト機構19は、2本のトリムシリンダ21と、チルトシリンダ22と、フレーム23とを含む。2本のトリムシリンダ21は、左右方向、すなわち、チルト軸線L4に平行な方向に間隔を空けて平行に配置されている。各トリムシリンダ21は、トリムシリンダ21の上端がトリムシリンダ21の下端よりも後方に位置するように前後方向に沿って斜めに配置されている。チルトシリンダ22は、上下方向に延びている。チルトシリンダ22の上端部(チルトロッド27の上端部)は、各トリムシリンダ21より上方に配置されている。チルトシリンダ22は、前後方向、すなわち、チルト軸線L4に直交する方向から見たときに、チルトシリンダ22が2本のトリムシリンダ21の間に位置するように配置されている。
各トリムシリンダ21は、トリムシリンダ21の中心軸線に沿って延びるシリンダ本体24およびトリムロッド25を含む。各トリムロッド25は、シリンダ本体24の上端から上方に突出している。各シリンダ本体24は、フレーム23に固定されている。一方、チルトシリンダ22は、チルトシリンダ22の中心軸線に沿って延びるシリンダ本体26およびチルトロッド27を含む。チルトロッド27は、シリンダ本体26の上端から上方に突出している。シリンダ本体26の下端部は、左右方向に延びるロワーピン28を介して、フレーム23に連結されている。チルトシリンダ22は、ロワーピン28を介して、フレーム23および各トリムシリンダ21に連結されている。チルトシリンダ22は、フレーム23および各トリムシリンダ21に対してロワーピン28まわりに回動可能である。ロワーピン28は、本発明の第2回動軸の一例である。
各シリンダ21、22は、たとえば、油圧シリンダである。チルト機構19は、作動油を送るポンプ30と、作動油を貯留するタンク31と、ポンプ30を駆動する電動モータ32と、ポンプ30およびタンク31に接続された複数本の配管33とを含む。ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各配管33は、フレーム23に保持されている。ポンプ30およびタンク31は、左右方向に間隔を空けて配置されている。電動モータ32は、ポンプ30の上方に配置されている。ポンプ30および電動モータ32は、一方のトリムシリンダ21の上方に配置されており、タンク31は、他方のトリムシリンダ21の上方に配置されている。チルトシリンダ22は、前後方向から見たときにチルトシリンダ22がポンプ30および電動モータ32とタンク31との間に位置するように配置されている。
フレーム23は、水平面に沿って配置された座部23aと、座部23aから下方に突出する一対の突起23bと、座部23aより上方で水平面に沿って配置された支持部23cとを含む。一対の突起23bは、座部23aの下方で左右方向に間隔を空けて配置されている。トリムシリンダ21のシリンダ本体24は、フレーム23に固定されている。第1実施形態では、たとえば、トリムシリンダ21のシリンダ本体24とフレーム23とは一体の鋳物である。チルトシリンダ22のシリンダ本体26は、座部23aを上下に貫通する貫通孔23d(図6参照)に挿入されている。チルトシリンダ22のシリンダ本体26の下端部は、一対の突起23bの間に配置されている。チルトシリンダ22のシリンダ本体26の下端部は、ロワーピン28を介して、一対の突起23bに連結されている。タンク31およびモータ32は、支持部23cによって支持されている。
ポンプ30、タンク31、および電動モータ32は、チルトシリンダ22より後方に配置されている。ポンプ30、タンク31、および電動モータ32の側方は、開放されている(たとえば、図1参照)。したがって、ポンプ30、タンク31、および電動モータ32は、露出している。また、各配管33は、フレーム23から下方に突出している。各配管33は、フレーム23から露出している。各シリンダ本体24、26は、複数本の配管33を介してポンプ30およびタンク31に接続されている。各配管33は、各シリンダ21、22や、タンク31に作動油を導く。ポンプ30が電動モータ32によって駆動されると、作動油がポンプ30から各シリンダ21、22に供給される。作動油がポンプ30から各トリムシリンダ21のシリンダ本体24に供給されると、各トリムロッド25の突出量が変化する。同様に、作動油がポンプ30からチルトシリンダ22のシリンダ本体26に供給されると、チルトロッド27の突出量が変化する。図示はしないが、チルトシリンダ22のシリンダ本体26は、ピストンによって仕切られた上油室および下油室を有している。チルトシリンダ22に加わる荷重のうちチルトロッド27の突出量が減少する方向への荷重が増加すると、下油室の圧力が上昇する。下油室の圧力が一定値に達すると、リリーフバルブ(図示せず)が開くことにより、下油室から作動油が排出される。これにより、下油室の圧力が低下するとともに、チルトロッド27の突出量が減少する。
図6は、この発明の第1実施形態に係るチルト機構19を含む第1船舶推進装置1の一部の部分断面図である。図7および図8は、この発明の第1実施形態に係るチルト機構19を含む第1船舶推進装置1の一部の側面図である。図7では、船外機2が基準姿勢をとるときのチルトブラケット13の位置を示しており、図8では、船外機2がフルチルトアップされているとき(船外機2の傾斜角度がフルチルトアップ角度であるとき)のチルトブラケット13の位置を示している。
図6に示すように、ステアリングシャフト11の中間部18は、筒状である。ステアリングシャフト11の連結部17は、連結部17を上下方向に貫通する貫通孔34を有している。ステアリングシャフト11の筒状部16の内部は、中間部18の内部を介して連結部17の貫通孔34に接続されている。チルトシリンダ22は、ステアリングシャフト12内に挿入されている。シリンダ本体26は、筒状部16内に配置されている。筒状部16の下端部は、フレーム23に連結されている。フレーム23は、ステアリングシャフト11と共に、ステアリング軸線L3まわりに回動する。前述のように、各シリンダ21、22、ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各配管33は、フレーム23に保持されている。したがって、各シリンダ21、22、ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各配管33は、ステアリングシャフト11と共に、ステアリング軸線L3まわりに回動する。
チルトロッド27の上端部は、連結部17の貫通孔34から上方に突出している。チルトロッド27の上端部は、左右方向に延びるアッパーピン35を介して、チルトブラケット13に連結されている。したがって、船外機2は、チルトシリンダ22によって支持されている。チルトロッド27は、チルトブラケット13に対してアッパーピン35まわりに回動可能である。アッパーピン35は、本発明の第1回動軸の一例である。一方、図7に示すように、船外機2がトリム範囲に位置する状態では、各トリムロッド25の先端がチルトブラケット13に設けられた接触部36に接触している。したがって、船外機2がトリム範囲に位置する状態では、船外機2は、チルトシリンダ22と、2本のトリムシリンダ21とによって支持されている。接触部36は、側方に突出している。
チルトロッド27の突出量が増加すると、チルトブラケット13がチルトロッド27によって押し上げられて、船外機2がチルト軸線L4まわりに上方に回動する。また、船外機2がトリム範囲に位置する状態でトリムロッド25の突出量が増加すると、チルトブラケット13がトリムロッド25によって押し上げられて、船外機2がチルト軸線L4まわりに上方に回動する。チルトシリンダ22は、フルトリムイン角度(図2において一点鎖線で示す船外機2参照)とフルチルトアップ角度(図2において実線で示す船外機2参照)との間の任意の位置に船外機2を保持可能である。一方、各トリムシリンダ21は、フルトリムイン角度とフルトリムアウト角度(図2において二点鎖線で示す船外機2参照)との間の任意の位置に船外機2を保持可能である。すなわち、図8に示すように、船外機2の傾斜角度がフルトリムアウト角度を超えると、各トリムロッド25の先端がチルトブラケット13の接触部36から離れる。したがって、チルト範囲では、チルトシリンダ22によって船外機2が支持される。さらに、船外機2がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、ポンプ30(図5参照)から送られる作動油のうちトリムシリンダ21に供給されていた分がチルトシリンダ22に供給され、チルトシリンダ22への作動油の供給流量が増加する。
図9は、この発明の第1実施形態に係るステアリング機構20を含む第1船舶推進装置1の一部の部分断面図である。図10および図11は、この発明の第1実施形態に係るステアリング機構20を含む第1船舶推進装置1の一部の模式的な平面図である。
ステアリング機構20は、電動モータ37と、動力変換機構38と、減速機構39と、ステアリングケース40とを含む。減速機構39は、電動モータ37の回転を減速して、減速された回転を動力変換機構38に伝達する。動力変換機構38は、減速機構39によって伝達された電動モータ37の動力をステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト11の回動に変換する。船外機2は、ステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト11の回動に伴って、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動する。動力変換機構38は、電動モータ37の回転を直線運動に変換する第1変換機構41と、直線運動をトランサムブラケット10に対するステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト11の回動に変換する第2変換機構42とを含む。
電動モータ37は、モータ本体43と、回転軸44とを含む。回転軸44は、正転方向と、正転方向とは反対の逆転方向に回転可能である。回転軸44の回転は、減速機構39を介して動力変換機構38の第1変換機構41に伝達される。電動モータ37は、ステアリングケース40内に収容されている。電動モータ37は、たとえば、回転軸44が左右方向に延びるように配置されている。モータ本体43は、ステアリングケース40に固定されている。ステアリングケース40は、トランサムブラケット10に固定されている。したがって、電動モータ37は、ステアリングケース40を介してトランサムブラケット10に固定されている。電動モータ37は、ステアリングケース40などの中間部材を介してトランサムブラケット10に固定されていてもよいし、トランサムブラケット10に直接固定されていてもよい。
第1変換機構41は、第1ボールねじ45と、複数のボールを介して第1ボールねじ45に取り付けられた筒状の第1ボールナット46とを含む。第2変換機構42は、第1ボールナット46に連結された第1ラック47と、第1ラック47に噛み合う第1ピニオン48とを含む。第1ボールねじ45、第1ボールナット46、第1ラック47は、ステアリングケース40内に収容されており、ステアリングケース40によって保持されている。一方、第1ピニオン48の大部分は、ステアリングケース40の外に配置されている。第1ピニオン48は、中間部18に連結されている。したがって、第1ピニオン48は、中間部18を介して筒状部16および連結部17に連結されている。第1ピニオン48は、ステアリングシャフト11と共にステアリング軸線L3まわりに回動する。
第1ボールねじ45は、ステアリングケース40内で左右方向に延びている。第1ボールねじ45の回転軸線と電動モータ37の回転軸線とは平行である。第1ボールねじ45は、電動モータ37より後方に配置されている。第1ボールねじ45の両端部は、軸受49を介してステアリングケース40に支持されている。第1ボールねじ45は、ステアリングケース40を介してトランサムブラケット10に連結されており、減速機構39を介して電動モータ37に連結されている。電動モータ37の回転は、減速機構39を介して第1ボールねじ45に伝達される。これにより、第1ボールねじ45が電動モータ37によって回転駆動される。第1ボールねじ45が第1ボールねじ45の中心軸線まわりに回転すると、第1ボールナット46が第1ボールねじ45に沿って移動し、第1ボールねじ45の回転が、第1ボールねじ45に対する第1ボールナット46の直線運動に変換される。
第1ラック47は、第1ボールナット46の外周部に設けられている。第1ラック47は、たとえば、第1ボールナット46と一体である。第1ラック47および第1ボールナット46は、一体の部材であってもよいし、一体移動可能に連結された複数の分割体を含む部材であってもよい。第1ラック47は、第1ボールねじ45の軸方向に配列された複数の歯を含む。第1ラック47は、ステアリングケース40に設けられたステアリング開口50に対向している。ステアリングケース40の内部は、トランサムブラケット10の収容部15に設けられたトランサム開口51を介して収容部15の内部に接続されている。第1ボールねじ45が回転すると、第1ラック47は、第1ボールナット46と共に第1ボールねじ45に沿って移動する。
第1ピニオン48は、中間部18の外周部から突出している。第1ピニオン48は、たとえば、ステアリング軸線L3上に位置する中心軸線を有する扇形である。第1ピニオン48は、たとえば、中間部18と一体である。第1ピニオン48および中間部18は、一体の部材であってもよいし、一体移動可能に連結された複数の分割体を含む部材であってもよい。第1ピニオン48は、ステアリング開口50とトランサム開口51とを通ってステアリングケース40の内部に進入している。第1ラック47が第1ボールねじ45の軸方向に移動すると、第1ラック47と第1ピニオン48との噛み合い位置が移動し、第1ピニオン48がステアリング軸線L3まわりに回動する。これにより、第1ボールナット46の直線運動が、ステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト11の回動に変換される。
減速機構39は、複数の減速ギヤ(第1減速ギヤ52、第2減速ギヤ53、第3減速ギヤ54、および第4減速ギヤ55)を含む。各減速ギヤ52〜55は、たとえば、外歯車である。第1減速ギヤ52は、電動モータ37の回転軸44に連結されている。第1減速ギヤ52と回転軸44とは同軸的に配置されている。第1減速ギヤ52は、回転軸44と共に回転する。第1減速ギヤ52は、第2減速ギヤ53に噛み合っており、第2減速ギヤ53は、第3減速ギヤ54に噛み合っている。第3減速ギヤ54は、第4減速ギヤ55に噛み合っている。第2減速ギヤ53および第3減速ギヤ54は、ステアリングケース40によって回転可能に保持されている。第4減速ギヤ55は、第1ボールねじ45に連結されている。第4減速ギヤ55と第1ボールねじ45とは同軸的に配置されている。第1ボールねじ45は、第4減速ギヤ55と共に回転する。
電動モータ37の回転は、減速機構39によって第1ボールねじ45に伝達される。電動モータ37の動力は、減速機構39が電動モータ37の回転を減速することにより増幅される。第1ボールねじ45の回転は、第1ボールねじ45および第1ボールナット46によって、第1ボールねじ45に対する第1ボールナット46の直線運動に変換される。そして、第1ボールナット46の直線運動は、第1ラック47および第1ピニオン48によって、ステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト11の回動に変換される。これにより、図11に示すように、船外機2が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動する。電動モータ37の回転軸44が正転方向に回転駆動されると、船外機2は、ステアリング軸線L3まわりの一方の回転方向に回動し、電動モータ37の回転軸44が逆転方向に回転駆動されると、船外機2は、ステアリング軸線L3まわりの他方の回転方向に回動する。
前述のように、電動モータ37は、ステアリングケース40を介してトランサムブラケット10に固定されている。したがって、船外機2が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動したときに、電動モータ37は、船外機2と共に、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動しない(図11参照)。すなわち、船外機2が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動すると、船外機2に対する電動モータ37の位置が変化する。一方、電動モータ37がトランサムブラケット10に固定されているから、船外機2が、トランサムブラケット10に対してチルト軸線L4まわりに回動したときに、電動モータ37は、船外機2と共に、トランサムブラケット10に対してチルト軸線L4まわりに回動しない(図2参照)。すなわち、船外機2が、トランサムブラケット10に対してチルト軸線L4まわりに回動すると、船外機2に対する電動モータ37の位置が変化する。
以上のように第1実施形態では、船外機2をチルト軸線L4まわりに回動させるチルト機構19が、2本のトリムシリンダ21と、チルトシリンダ22とを備えている。各トリムシリンダ21は、フルトリムイン角度と、フルトリムイン角度よりも大きいフルトリムアウト角度との間でチルト軸線L4まわりに船外機2を回動させ、フルトリムイン角度とフルトリムアウト角度との間で船外機2を支持する。チルトシリンダ22は、フルトリムイン角度と、フルトリムアウト角度よりも大きいフルチルトアップ角度との間でチルト軸線L4まわりに船外機2を回動させ、フルトリムイン角度とフルチルトアップ角度との間で船外機2を支持する。
このように、チルト機構19は、トリム範囲で船外機2をチルト軸線L4まわりに回動させる2本のトリムシリンダ21を備えている。各トリムシリンダ21が船外機2を支持する範囲(トリム範囲)は、チルトシリンダ22が船外機2を支持する範囲(トリム範囲およびチルト範囲)よりも小さい。すなわち、トリム範囲では、船外機2は、トリムシリンダ21およびチルトシリンダ22によって支持され、チルト範囲では、船外機2は、チルトシリンダ22のみによって支持される。したがって、前進方向への推進力が大きい状態で、船外機2がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、チルトシリンダ22の内圧が増加する。そのため、リリーフバルブを用いてチルトシリンダ22から作動油を排出させることにより、船外機2をチルト範囲に戻すことができる。これにより、前進方向への推進力が大きい状態で船舶を前進させながら船外機2の傾斜角度をトリム範囲で調整しているときに、プロペラ9が水中から出て、船体H1に伝達される推進力が減少することを防止できる。
また、船外機2がトリム範囲からチルト範囲に移動すると、ポンプ30から送られる作動油のうちトリムシリンダ21に供給されていた分がチルトシリンダ22に供給されるので、チルトシリンダ22への作動油の供給流量が増加する。したがって、チルトシリンダ22のチルトロッド27の移動速度が増加し、トリム範囲での移動速度よりも高速で船外機2がチルト軸線L4まわりに回動する。これにより、船外機2をチルト範囲で速やかにチルトアップさせることができる。さらに、従来の船舶推進装置のように、各シリンダ21、22の側方にクランプブラケットが配置されていないから、各シリンダ21、22を大型化することができる。これにより、船外機2が大型化および/または高出力化したときに、各シリンダ21、22の内圧の上昇を抑制することができる。
また第1実施形態では、ポンプ30、タンク31、電動モータ32、各配管33が、露出している。したがって、第1船舶推進装置1の使用者は、ポンプ30、タンク31、電動モータ32、各配管33に容易にアクセスすることができる。したがって、第1船舶推進装置1の使用者は、作動油や配管33の交換などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
次に、ステアリング機構の電動モータがステアリングシャフトに固定された第2船舶推進装置について説明する。以下の説明において、前述の図1〜図11に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図12は、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の側面図である。図13Aは、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の一部の斜視図である。図13Bは、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の一部の分解斜視図である。図13Cは、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の一部の分解図である。図14は、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の一部の部分断面図である。
第2船舶推進装置201は、船外機2と、トランサムブラケット10と、ステアリングシャフト211と、チルトシャフト12とを含む。さらに、第2船舶推進装置201は、チルト機構19と、ステアリング機構220とを含む。ステアリングシャフト211は、筒状部16と、連結部17とを含む。連結部17は、筒状部16の上端部に連結されている。連結部17は、たとえば、筒状部16と一体である。筒状部16および連結部17は、一体の部材であってもよいし、一体移動可能に連結された複数の分割体を含む部材であってもよい。すなわち、ステアリングシャフト211は、複数の分割体を含む部材であってもよいし、一体の部材であってもよい。筒状部16の内部は、連結部17の貫通孔34に接続されている。チルトシリンダ22のシリンダ本体26は、筒状部16内に配置されている。筒状部16の下端部は、フレーム23に連結されている。チルトロッド27の上端部は、連結部17の貫通孔34から上方に突出している。チルトロッド27の上端部は、アッパーピン35を介して、チルトブラケット13に連結されている。
図15は、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の側面図である。図16は、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の平面図である。図16では、船外機2が最大右操舵位置に位置する状態を実線で示している。また、図16では、船外機2が操舵原点に位置する状態を一点鎖線で示しており、船外機2が最大左操舵位置に位置する状態を二点鎖線で示している。
ステアリングシャフト211は、連結部17に設けられた固定部267をさらに含む。ステアリングケース40は、固定部267に固定されている。したがって、電動モータ37は、ステアリングケース40を介してステアリングシャフト211に固定されている。船外機2は、ステアリングシャフト211に対してチルト軸線L4まわりに回動する。そのため、図15に示すように、船外機2が、トランサムブラケット10に対してチルト軸線L4まわりに回動したときにも、電動モータ37は、トランサムブラケット10に対してチルト軸線L4まわりに回動しない。すなわち、船外機2が、トランサムブラケット10に対してチルト軸線L4まわりに回動すると、船外機2に対する電動モータ37の位置が変化する。
一方、電動モータ37がステアリングシャフト211に固定されているから、ステアリングシャフト211がステアリング軸線L3まわりに回動すると、電動モータ37は、ステアリングシャフト211および船外機2と共にステアリング軸線L3まわりに回動する。そのため、図16に示すように、船外機2が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動したときに、電動モータ37は、船外機2と共に、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動する。すなわち、船外機2が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動しても、船外機2に対する電動モータ37の位置が変化しない。
図17は、この発明の第2実施形態に係る第2船舶推進装置201の一部の分解図である。図18は、この発明の第2実施形態に係るステアリング機構220を含む第2船舶推進装置201の一部の部分断面図である。図19および図20は、この発明の第2実施形態に係るステアリング機構220を含む第2船舶推進装置201の一部の模式的な平面図である。
ステアリング機構220は、電動モータ37と、動力変換機構238と、減速機構39と、ステアリングケース40とを含む。さらに、図17に示すように、ステアリング機構220は、ギヤケース268と、ステー269とを含む。動力変換機構238は、第1変換機構241と、第2変換機構242とを含む。図18に示すように、ステアリングケース40は、ステアリングシャフト211の固定部267に固定されており、ギヤケース268は、ステアリングケース40に固定されている。したがって、ギヤケース268は、ステアリングケース40を介してステアリングシャフト211に固定されている。ステアリングシャフト211は、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動可能である。よって、ギヤケース268は、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動可能である。図18に示すように、ギヤケース268は、ステアリング開口50に対向するギヤ開口270を有している。ステアリングケース40の内部は、ギヤ開口270を介してギヤケース268の内部に接続されている。
図19に示すように、第1変換機構241は、第2ボールねじ245と、複数のボールを介して第2ボールねじ245に取り付けられた筒状の第2ボールナット246とを含む。第2変換機構242は、第2ボールナット246に連結された第2ラック247と、第2ラック247に噛み合う第2ピニオン248とを含む。第2ボールねじ245、第2ボールナット246、第2ラック247は、ステアリングケース40内に収容されており、ステアリングケース40によって保持されている。一方、第2ピニオン248の大部分は、ギヤケース268内に収容されている。第2ピニオン248は、トランサムブラケット10に連結されている。ステアリングシャフト211がトランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動可能であるから、ステアリングシャフト211は、第2ピニオン248に対してステアリング軸線L3まわりに回動可能である。
図19に示すように、第2ボールねじ245は、ステアリングケース40内で左右方向に延びている。第2ボールねじ245の回転軸線と電動モータ37の回転軸線とは平行である。第2ボールねじ245は、電動モータ37より後方に配置されている。第2ボールねじ245の両端部は、軸受49を介してステアリングケース40に支持されている。第2ボールねじ245は、ステアリングケース40を介してトランサムブラケット10に連結されており、減速機構39を介して電動モータ37に連結されている。電動モータ37の回転は、減速機構39を介して第2ボールねじ245に伝達される。これにより、第2ボールねじ245が電動モータ37によって回転駆動される。第2ボールねじ245が第2ボールねじ245の中心軸線まわりに回転すると、第2ボールナット246が第2ボールねじ245に沿って移動し、第2ボールねじ245の回転が、第2ボールねじ245に対する第2ボールナット246の直線運動に変換される。
図19に示すように、第2ラック247は、第2ボールナット246の外周部に設けられている。第2ラック247は、たとえば、第2ボールナット246と一体である。第2ラック247および第2ボールナット246は、一体の部材であってもよいし、一体移動可能に連結された複数の分割体を含む部材であってもよい。第2ラック247は、第2ボールねじ245の軸方向に配列された複数の歯を含む。第2ラック247は、ステアリングケース40に設けられたステアリング開口50に対向している。第2ボールねじ245が回転すると、第2ラック247は、第2ボールナット246と共に第2ボールねじ245に沿って移動する。
図19に示すように、第2ピニオン248は、円筒部271と、歯部272とを含む。図18に示すように、第2ピニオン248の円筒部271は、ステー269に固定されている。ステー269は、トランサムブラケット10に固定されている。したがって、第2ピニオン248は、ステー269を介してトランサムブラケット10に固定されている。ステー269は、筒状である。ステー269と円筒部271とは同軸的に配置されている。ステー269の内部は、円筒部271の内部に接続されている。図18に示すように、トランサムブラケット10の収容部15は、円筒部271内とステー269内に挿入されている。収容部15は、円筒部271およびステー269を上下方向に貫通している。したがって、円筒部271およびステー269は、ステアリング軸線L3まわりに収容部15を取り囲んでいる。
図18および図19に示すように、第2ピニオン248は、ギヤケース268によって覆われている。ギヤケース268は、第2ピニオン248の周囲に配置されている。第2ピニオン248の歯部272は、円筒部271の外周部から突出している。歯部272は、たとえば、ステアリング軸線L3上に位置する中心軸線を有する扇形である。歯部272は、ステアリング開口50とギヤ開口270とを通ってステアリングケース40の内部に進入している。歯部272は、ステアリングケース40の内部で第2ラック247に噛み合っている。電動モータ37の回転は、第2ボールねじ245、第2ボールナット246、第2ラック247および第2ピニオン248によって、ステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト211の回動に変換される。
具体的には、電動モータ37の回転は、減速機構39によって第2ボールねじ245に伝達される。第2ボールねじ245が回転すると、第2ボールねじ245の軸方向に相対移動させる力が、第2ボールねじ245および第2ボールナット246に働く。この力は、第2ラック247と第2ピニオン248との噛み合い位置が移動することによって、第2ボールねじ245および第2ボールナット246をステアリング軸線L3まわりに回動させる力に変換される。これにより、図20に示すように、第2ボールねじ245が第2ボールナット246に対して第2ボールねじ245の軸方向に移動しながら、第2ボールねじ245および第2ボールナット246がステアリング軸線L3まわりに回動する。
第2ボールねじ245は、ステアリングケース40を介してステアリングシャフト211に連結されている。したがって、第2ボールねじ245がステアリング軸線L3まわりに回動することにより、ステアリングシャフト211が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動する。すなわち、電動モータ37の回転は、第2ボールねじ245および第2ボールナット246によって、第2ボールねじ245に対する第2ボールナット246の直線運動に変換される。それと同時に、第2ボールナット246の直線運動が、第2ラック247および第2ピニオン248によって、ステアリング軸線L3まわりのステアリングシャフト211の回動に変換される。これにより、図20に示すように、船外機2が、トランサムブラケット10に対してステアリング軸線L3まわりに回動する。
図21は、この発明の第3実施形態に係る第2船舶推進装置301の一部の背面図である。図22は、この発明の第3実施形態に係る第2船舶推進装置301の一部の平面図である。図23は、この発明の第3実施形態に係る第2船舶推進装置301の一部の側面図である。この図21〜図23において、前述の図1〜図20に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第3実施形態と前述の第2実施形態との主要な相違点は、第2船舶推進装置301が、チルト機構19を保護する2つの保護カバー356を含むことである。
具体的には、2つの保護カバー356は、左右方向に間隔を空けて配置されている。各保護カバー356は、タンク31の上方または電動モータ32の上方に配置された上壁部357と、ポンプ30、電動モータ32、およびトリムシリンダ21の側方、またはタンク31、およびトリムシリンダ21の側方に配置された側壁部358とを含む。ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各トリムシリンダ21は、2つの側壁部358の間に配置されている。一方の保護カバー356(左側の保護カバー356)は、ポンプ30、電動モータ32、およびトリムシリンダ21を覆っており、他方の保護カバー356(右側の保護カバー356)は、タンク31およびトリムシリンダ21を覆っている。ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各トリムシリンダ21は、2つの保護カバー356によって保護されている。これにより、ポンプ30等の損傷が防止されている。
各保護カバー356は、たとえば、チルトブラケット13に取り付けられている。各保護カバー356は、チルトブラケット13に限らず、トランサムブラケット10、ステアリングシャフト611、チルトシャフト12、ポンプ30、電動モータ32、およびフレーム23のいずれかに取り付けられていてもよいし、これらの部材のいずれかを含む複数の部材に取り付けられていてもよい。各保護カバー356は、たとえば複数のボルト359によって、チルトブラケット13に取り付けられている。各保護カバー356は、チルトブラケット13に対して取り外し可能である。各保護カバー356が取り外されると、ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各トリムシリンダ21が露出する。したがって、第2船舶推進装置130の使用者は、各保護カバー356を取り外すことにより、ポンプ30、タンク31、電動モータ32、および各トリムシリンダ21に容易にアクセスすることができる。したがって、第2船舶推進装置130の使用者は、作動油の交換などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1〜第3実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の第1〜第3実施形態では、ステアリング機構が、電動モータを含む電動ステアリング機構である場合について説明した。しかし、ステアリング機構は、電動ステアリング機構に限らず、油圧ポンプを含む油圧式のステアリング機構であってもよい。
また、前述の第1〜第3実施形態では、チルトシリンダの一部(シリンダ本体)が、ステアリングシャフトの筒状部内に収容されている場合について説明した。しかし、チルトシリンダ全体がステアリングシャフトの筒状部内に収容されていてもよい。
また、前述の第3実施形態では、第2船舶推進装置が、チルト機構を保護する2つの保護カバーを含む場合について説明した。しかし、第1船舶推進装置が、チルト機構を保護する2つの保護カバーを含んでいてもよい。
また、前述の第1〜第3実施形態では、チルトシリンダ1本、トリムシリンダ2本である場合について説明した。しかし、チルトシリンダ1本、トリムシリンダ1本であっても良い。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
以下に、特許請求の範囲に記載された構成要素と前述の実施形態における構成要素との対応関係を示す。
船体:船体H1
トランサム:トランサムT1
トランサムブラケット:トランサムブラケット10
ステアリング軸線:ステアリング軸線L3
ステアリングシャフト:ステアリングシャフト11、211
チルト軸線:チルト軸線L4
船外機:船外機2
ステアリング機構:ステアリング機構20、220
第1角度:フルトリムイン角度
第2角度:フルトリムアウト角度
第1シリンダ:トリムシリンダ21
第3角度:フルチルトアップ角度
第2シリンダ:チルトシリンダ22
船舶推進装置:第1船舶推進装置1、第2船舶推進装置201、301
筒状部:筒状部16
ポンプ:ポンプ30
電動モータ:電動モータ32
配管:配管33
保護カバー:保護カバー356
チルトブラケット:チルトブラケット13
第1回動軸:アッパーピン35
第2回動軸:ロアーピン28
1 第1船舶推進装置
2 船外機
10 トランサムブラケット
11 ステアリングシャフト
13 チルトブラケット
16 筒状部
20 ステアリング機構
21 トリムシリンダ
22 チルトシリンダ
28 ロアーピン
30 ポンプ
32 電動モータ
33 配管
35 アッパーピン
201 第2船舶推進装置
211 ステアリングシャフト
220 ステアリング機構
301 第2船舶推進装置
356 保護カバー
H1 船体
L3 ステアリング軸線
L4 チルト軸線
T1 トランサム

Claims (12)

  1. 船体のトランサムに取り付け可能なトランサムブラケットと、
    前記トランサムブラケットに連結されており、上下方向に延びるステアリング軸線まわりに回動可能なステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトに連結されており、前記ステアリング軸線に垂直な平面に沿って延びるチルト軸線まわりに回動可能であり、前記ステアリング軸線まわりに前記ステアリングシャフトと共に回動可能な船外機と、
    前記トランサムブラケットと前記ステアリングシャフトとに連結されており、前記ステアリングシャフトおよび船外機を前記トランサムブラケットに対して前記ステアリング軸線まわりに回動させるステアリング機構と、
    前記ステアリングシャフトと前記船外機とに連結されており、第1角度と、前記第1角度よりも大きい第2角度との間で前記チルト軸線まわりに前記船外機を回動させ、前記第1角度と前記第2角度との間で前記船外機を支持する第1シリンダと、
    前記ステアリングシャフトと前記船外機とに連結されており、前記第1角度と、前記第2角度よりも大きい第3角度との間で前記チルト軸線まわりに前記船外機を回動させ、前記第1角度と前記第3角度との間で前記船外機を支持する第2シリンダとを含む、船舶推進装置。
  2. 前記ステアリングシャフトは、前記ステアリング軸線に沿って延びる筒状部を含み、
    前記第2シリンダの少なくとも一部は、前記筒状部内に収容されている、請求項1記載の船舶推進装置。
  3. 前記第1シリンダおよび第2シリンダは、前記ステアリングシャフトと共に前記ステアリング軸線まわりに回動するように構成されている、請求項1または2記載の船舶推進装置。
  4. 前記船舶推進装置は、前記第1シリンダおよび第2シリンダに作動油を供給するポンプと、前記ポンプを駆動する電動モータと、作動油が流通する配管とをさらに含み、
    前記第1シリンダ、第2シリンダ、ポンプ、電動モータ、および配管は、前記ステアリングシャフトと共に前記ステアリング軸線まわりに回動するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  5. 前記ポンプの少なくとも一部は露出しており、
    前記電動モータの少なくとも一部は露出している、請求項4記載の船舶推進装置。
  6. 前記ポンプおよび電動モータの少なくとも一方を覆う取り外し可能な保護カバーをさらに含む、請求項4記載の船舶推進装置。
  7. 前記配管の少なくとも一部は露出している、請求項4〜6のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  8. 前記船外機は、前記ステアリングシャフトに対して前記チルト軸線まわりに回動できるように前記ステアリングシャフトに連結されたチルトブラケットを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  9. 前記第2シリンダは、前記船外機に対して第1回動軸まわりに回動できるように前記第1回動軸を介して前記船外機に連結されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  10. 前記第2シリンダは、前記第1シリンダに対して第2回動軸まわりに回動できるように前記第2回動軸を介して前記第1シリンダに連結されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  11. 前記第1シリンダおよび第2シリンダは、前記チルト軸線に直交する方向から見たときに重なり合わないように配置されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  12. 前記船舶推進装置は、前記チルト軸線に平行な方向に間隔を空けて配置された2本の前記第1シリンダを含み、
    前記第2シリンダは、前記チルト軸線に直交する方向から見たときに前記第2シリンダが前記2本の第1シリンダの間に位置するように配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
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