JP2012079554A - 正極材料、その製造方法、正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
正極材料、その製造方法、正極及び非水電解質二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012079554A JP2012079554A JP2010224089A JP2010224089A JP2012079554A JP 2012079554 A JP2012079554 A JP 2012079554A JP 2010224089 A JP2010224089 A JP 2010224089A JP 2010224089 A JP2010224089 A JP 2010224089A JP 2012079554 A JP2012079554 A JP 2012079554A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- positive electrode
- source
- electrode material
- lithium
- carbon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Compounds Of Iron (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で示されるリチウム含有複合酸化物を形成するのに必要なリチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源と、炭素からなる導電材とを含む分散液に環状エーテルを添加して得られたゲルを焼成することで得られ、一般式(1):LiFe1-xQxP1-yWyO4(式中、Qは、Zr、Sn及びYからなる群から選択される少なくとも1種であり、Wは、Si及びAlから選択される少なくとも1種であり、xは0≦x≦1、yは0≦y≦1である)で表されるリチウム含有複合酸化物と前記導電材とを含むことを特徴とする正極材料により上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
二次電池は、その主たる構成要素として正極、負極、電解液、セパレータ及び外装材を有する。また、上記正極は、正極活物質、導電材、集電体及びバインダー(結着剤)により構成される。
このため、安全性という面では、構造が安定し異常時に酸素を放出しないオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)が期待されている(例えば、特許文献1〜4)。
また、リン酸鉄リチウムは、導電性に乏しいため、通常100nm程度の微粒子として使用されている。しかし、このような微粒子は、アセチレンブラックのような導電材と均一に混合することが難しいという課題があった。更に、このような小さい粒径の微粒子は、導電材と均一に接触させることが難しいという課題もあった。
一般式(1):LiFe1-xQxP1-yWyO4(式中、Qは、Zr、Sn及びYからなる群から選択される少なくとも1種であり、Wは、Si及びAlから選択される少なくとも1種であり、xは0≦x≦1、yは0≦y≦1である)で表されるリチウム含有複合酸化物と前記導電材とを含むことを特徴とする正極材料が提供される。
一般式(1):LiFe1-xQxP1-yWyO4(式中、Qは、Zr、Sn及びYからなる群から選択される少なくとも1種であり、Wは、Si及びAlから選択される少なくとも1種であり、xは0≦x≦1、yは0≦y≦1である)で表されるリチウム含有複合酸化物と前記導電材とを含む正極材料を得ることを特徴とする正極材料の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、環状エーテルの添加により得られたゲル中に、リチウム源、M源、リン源及びW源が混合した数十nmの粒径の微粒子を短時間で析出できるため、得られるリチウム含有複合酸化物も数十nmの粒径の微粒子として得ることができる。
更に、本発明によれば、炭素からなる導電材が、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び気相成長炭素から選択される少なくとも1種類の炭素である場合、より導電性の高い正極材料を提供できる。
更に、QがZr又はYであり、WがSiである場合、より導電性の高い正極材料を提供できる。
また、xが0〜0.25の範囲、yが0〜0.5の範囲である場合、より導電性の高い正極材料を提供できる。
更に、炭素からなる導電材が、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び気相成長炭素から選択される少なくとも1種類と、天然黒鉛及び人造黒鉛から選択される少なくとも1種類とを含む炭素である場合、より導電性の高い正極材料を提供できる。
更に、リチウム源が、酢酸リチウムである場合、リチウム含有複合酸化物を構成する成分をより均一に分散できるため、より導電性の高い正極材料を提供できる。
また、リン源が、リン酸である場合、リチウム含有複合酸化物を構成する成分をより均一に分散できるため、より導電性の高い正極材料を提供できる。
更に、正極材料が、0.2〜0.5度の011面の回折ピークの半値幅を有する一般式(1)のリチウム含有複合酸化物を含む場合、より導電性の高い正極材料を提供できる。
更に、環状エーテルが、リチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源の総モルに対して、0.1〜85のモル比で使用される場合、リチウム含有複合酸化物を構成する成分をより均一に分散できるため、より導電性の高い正極材料を提供できる。
また、溶媒が、エタノール、プロパノール及びブタノールから選択され、かつリチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源の総モルに対して、20〜85のモル比で使用される場合、リチウム含有複合酸化物を構成する成分をより均一に分散できるため、より導電性の高い正極材料を提供できる。
本発明における製造対象のリチウム含有複合酸化物は、一般式(1):LiFe1-xQxP1-yWyO4で表される。
Qは、Zr、Sn及びYからなる群から選択される少なくとも1種である。従って、2種以上同時に選択してもよい。これら群からQを選択することで、充放電の繰り返し(Liの挿入脱離)に伴うリチウム含有複合酸化物の物理的なストレス(体積収縮膨張)を防止できるので、より寿命の長い正極材料を提供できる。なお、Fe、Zr、Sn及びYは種々の価数を取り得るが、上記一般式(I)中の「x」を規定するための価数は、平均値を意味する。
Wは、Si及びAlから選択される少なくとも1種である。従って、2種同時に選択してもよい。これら群からWを選択することで、充放電の繰り返し(Liの挿入脱離)に伴うリチウム含有複合酸化物の物理的なストレス(体積収縮膨張)を防止できるので、より寿命の長い正極材料を提供できる。更に、この内、Pよりもイオン性の強いSiを少なくとも選択することが好ましい。Siを選択することで、リチウム含有複合酸化物を構成する金属Mと酸素間の結合をより強固にできるため、より物理的なストレスに強い正極材料を提供できる。
ここで、上記一般式(1)中、Liの原子数については明記されていないが、充電や放電により増減するため、「1」に限定されるものではない。Liの原子数は、リチウム含有複合酸化物中に存在しうる数の範囲である。通常は、充電状態の0と、放電状態の1との間に調製可能である。
LiFe1-xZrxP1-ySiyO4
(0≦x≦0.5、0≦y≦1)
LiFe1-xSnxP1-ySiyO4
(0≦x≦0.5、0≦y≦1)
LiFe1-xYxP1-ySiyO4
(0≦x≦1、0≦y≦1)
等が挙げられる。
導電材としては、正極材料の導電性を向上しうる炭素を使用できる。炭素としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス等が挙げられる。導電材は、特に導電性向上効果が高い、アセチレンブラック、ケッチェンブラック又は気相成長炭素を少なくとも含むことが好ましい。更に、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び気相成長炭素から選択される少なくとも1種類と、天然黒鉛及び人造黒鉛から選択される少なくとも1種類とを含む混合炭素であることが好ましい。このような混合炭素を使用することで、導電性の向上と電極作製時の塗工性の向上という効果が期待できる。
正極材料は、リチウム含有複合酸化物と導電材とを、1:0.05〜0.6(重量比)の割合で含むことが好ましい。導電材の割合が0.05より少ない場合、正極材料の導電性を向上させる効果が十分得られないことがある。一方、導電材の割合が0.6より多い場合、電池として使用するときにエネルギー密度が小さくなり過ぎてしまうことがある。より好ましい割合は、1:0.1〜0.4である。
正極材料は、(i)リチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源を溶媒に溶解させる工程(溶解工程)と、(ii)得られた溶液に導電材としての炭素を分散させる工程(分散工程)と、(iii)得られた分散液を環状エーテルの添加によりゲル化させる工程(ゲル化工程)と、(iv)得られたゲルを焼成することでリチウム含有複合酸化物と導電材とを含む正極材料を得る工程(焼成工程)と、を少なくとも経ることで製造できる。
この工程で使用されるリチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源は、溶媒に溶解しうる化合物であれば特に限定されない。これら化合物は、100gの溶媒に1g以上溶解する化合物であることが好ましい。
リチウム源、鉄源、Q源及びW源としては、各元素の炭酸塩、水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩、金属アルコキシド等が挙げられる。リチウム源としては、酢酸リチウムを含むことが、均一なゲルを作製する観点から好ましい。また、リン源としては、リン酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等が挙げられる。
溶媒の量は、少なくともリチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源を溶解することができさえすれば特に限定されない。但し、溶媒の回収コストを考慮すると、溶媒の量は、リチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源の総モルに対して、20〜85のモル比であることが好ましい。より好ましい溶媒の量は、20〜50のモル比の範囲である。
溶解方法は、特に限定されず、必要に応じて加温しつつ、攪拌する方法が挙げられる。
溶解工程により得られた溶液に、炭素からなる導電材を分散させることにより分散液を得る。分散方法は、特に限定されず、必要に応じて加温しつつ、攪拌する方法が挙げられる。
分散工程により得られた分散液に、環状エーテルを添加することにより、分散液をゲル化させる。このゲル化は、環状エーテルの添加により、Li、Fe、Q、P及びWが酸素原子を介して結合する一群の集合体となり、この集合体がゲル中で数十nmの粒径の微粒子として析出することで溶液の粘度が上昇することにより行われると発明者等は考えている。
環状エーテルとしては、構造中にエポキシ基あるいはオキセタン環を含むものが、溶液のゲル化を促進させるとの観点から好ましく、cis−2,3−エポキシブタン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、グリシドール、エピクロロヒドリン、エピフルオロヒドリン、エピブロモニドリン、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン等が挙げられる。これら環状エーテルの内、安価であるとの観点からプロピレンオキシドが好ましい。
また、リチウム含有複合酸化物を構成する成分をより均一に分散するために、環状エーテル添加前の分散液のpHを−1〜1の範囲に調製することが好ましい。調製のために、必要に応じて、塩酸、硝酸等の酸を分散液に添加してもよい。
得られたゲルを焼成することでリチウム含有複合酸化物が得られる。焼成は、例えば、400〜700℃の温度を1〜24時間維持することにより行うことができる。また、焼成時の雰囲気は、特に限定されないが、通常不活性雰囲気(アルゴン、窒素、真空等の雰囲気)又は還元性の雰囲気(水素含有不活性ガス、一酸化炭素等の雰囲気)が挙げられる。
焼成工程を経ることで、リチウム含有複合酸化物と導電材とが均一に分散した正極材料を得ることができる。更に、正極材料には、環状エーテル由来の炭素も含まれているため、正極材料の導電性をより向上できる。
得られた正極材料は、必要に応じて、粉砕工程及び/又は分級工程に付すことで、所望の粒径に調製してもよい。
得られた正極材料は、非水電解質二次電池の正極材料に使用できる。正極材料には、上記リチウム含有複合酸化物以外に、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4、LiFePO4等の他の酸化物が含まれていてもよい。
非水電解質二次電池は、正極と負極と非水電解質とセパレータとを有する。以下、各構成材料について説明する。
正極は、正極活物質と導電材とバインダーと集電体とを含み、例えば、活物質とバインダーとを有機溶剤と混合したスラリーを集電体に塗布する等の公知の方法によって作製できる。
バインダー(結着剤)としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用いることができる。
有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
負極は公知の方法により作製できる。具体的には、正極の作製法で説明した方法と同様にして作製できる。つまり、公知の結着剤と公知の導電材と負極活物質とを混合した後、この混合粉末をシート状に成形し、当該成形体をステンレス、銅等の導電体網(集電体)に圧着すればよい。また、上記混合粉末を正極作製法で説明した公知の有機溶剤と混合して得られたスラリーを銅等の金属基板上に塗布することにより作製することもできる。
人造黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等を黒鉛化して得られる黒鉛が挙げられる。また、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子も使用できる。これらの中で、天然黒鉛は、安価でかつリチウムの酸化還元電位に近く、高エネルギー密度電池が構成できるためより好ましい。
導電材としては、アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス等を用いることができる。
非水電解質としては、例えば、有機電解液、ゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができる。非水電解質を注入した後に二次電池の容器の開口部を封止する。封止の前に通電し発生したガスを取り除いてもよい。
また、PC、EC及びブチレンカーボネート等の環状カーボネート類は高沸点溶媒であるため、GBLと混合する溶媒として好適である。
セパレータとしては、多孔質材料又は不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、上述した、電解質中に含まれる有機溶媒に対して溶解したり膨潤したりしないものが好ましい。具体的には、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エーテル系ポリマー、ガラスのような無機材料等が挙げられる。
(e)他の部材
電池容器のような他の部材についても従来公知の非水電解質二次電池に使用される各種材料を使用でき、特に制限はない。
二次電池は、例えば、正極と負極と、それらの間に挟まれたセパレータとからなる積層体を備えている。積層体は、例えば短冊状の平面形状を有していてもよい。また、円筒型や扁平型の電池を作製する場合は、積層体を巻き取ってもよい。
積層体は、その1つ又は複数が電池容器の内部に挿入される。通常、正極及び負極は電池の外部導電端子に接続される。その後に、正極、負極及びセパレータを外気より遮断するために電池容器を密閉する。
実施例1〜7
<溶解工程>
出発原料にリチウム源として酢酸リチウム、鉄源として硝酸鉄(III)・9水和物、リン源としてリン酸を用い、これら出発原料を、モル比でLi:Fe:P=1:1:1となるように計量した。モル比(LiFePO4のモル比)でLiの26.67倍のエタノールに計量した出発原料を溶解させた。
<分散工程>
得られた溶液に以下に示す導電材としての炭素を分散させた。
(重量比:生成予測LiFePO4:AB=80:10)
<ゲル化工程>
上記分散液を室温で30分攪拌した後、プロピレンオキシドをモル比(LiFePO4のモル比)で10倍量加えた。添加後、約2分で温度の上昇とともに分散液はゲル化した。ゲル化後の容器は蓋をして密閉状態にし、恒温槽内にて24時間放置した。
ゲル化工程により得られたゲルの容器の蓋を開け、60℃の恒温槽にて1晩放置することにより、溶媒を揮発させた。
ゲル化工程により得られた前駆体を600℃で12時間焼成した。焼成プロセスとしては、まず炉内を真空にした後、窒素をフローし、200℃/hの昇温速度で加熱した。降温速度は、炉冷とした。
(粉末X線回折パターンの測定)
得られた複合酸化物について、理学社製粉末X線回折装置MiniFlex IIを用いて粉末X線回折パターンの測定を行った。結果を図1に示す。オリビン型構造の結晶相の生成を確認した。また、不純物に帰属されるピークがないことを確認した。
実施例2:黒鉛(TIMCAL社製SFG6)1.64モル
実施例3:気相成長炭素(VGCF、昭和電工社製)1.64モル
実施例4:ABと黒鉛の混合物(モル比1:1)1.64モル
実施例5:ABとVGCFの混合物(モル比1:1)1.64モル
実施例6:黒鉛とVGCFの混合物(モル比1:1)1.64モル
実施例7:ABと黒鉛とVGCFの混合物(モル比1:1:1)1.64モル
実施例8
出発原料にリチウム源として酢酸リチウム、鉄源として硝酸鉄(III)・9水和物、リン源としてリン酸、ジルコニウム源としてZrCl4、シリコン源としてテトラエトキシシランを用い、これら出発原料を、モル比でLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.875:0.125:0.75:0.25となるように計量した。モル比でLiの26.67倍のエタノールに計量した出発原料を溶解させた。
アセチレンブラック1.64モル
他の処理については実施例1と同じである。
上記導電材のモル数は、生成予測されるLiFePO4あるいは生成予測されるLiFe0.875Zr0.125P0.75Si0.25O4のモル数に対する比率を意味する。
得られた分散液のpHは0であった。オリビン型の単相粉末(粒径0.4μm)からなる正極活物質であるリチウム含有複合酸化物(LiFePO4)を得た。
上記実施例1〜8で得られた正極活物質を用いて以下のように二次電池を作製し、充放電試験に付した。
リチウム含有複合酸化物とPVdF(ポリビニリデンフルオライド)(クレハ社製KFポリマー)とを80:10の質量比で混合した。混合物をN−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学社製)と混合することによりスラリー状にし、これを厚さ20μmのアルミニウム箔に厚さが50〜100μmとなるように塗布・乾燥して正極を得た。なお、正極のサイズは2cm×2cmとした。
得られた二次電池について、0.1C及び0.5Cレートにおいて充放電を行った。結果を表1に示す。
正極材料の製造時に炭素を添加せず、正極の製造時にリチウム含有複合酸化物とPVdF(ポリビニリデンフルオライド)(クレハ社製KFポリマー)と炭素を80:10:10の質量比で混合したこと以外は実施例1と同様にして二次電池を得た。なお、比較例1の炭素にはABを、比較例2の炭素には黒鉛を使用した。
正極材料の製造時に炭素を添加せず、正極の製造時にリチウム含有複合酸化物とPVdF(ポリビニリデンフルオライド)(クレハ社製KFポリマー)とAB(アセチレンブラック)を80:10:10の質量比で混合した以外は実施例8と同様にして二次電池を得た。
Claims (17)
- 下記一般式(1)で示されるリチウム含有複合酸化物を形成するのに必要なリチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源と、炭素からなる導電材とを含む分散液に環状エーテルを添加して得られたゲルを焼成することで得られ、
一般式(1):LiFe1-xQxP1-yWyO4(式中、Qは、Zr、Sn及びYからなる群から選択される少なくとも1種であり、Wは、Si及びAlから選択される少なくとも1種であり、xは0≦x≦1、yは0≦y≦1である)で表されるリチウム含有複合酸化物と前記導電材とを含むことを特徴とする正極材料。 - 前記炭素からなる導電材が、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び気相成長炭素から選択される少なくとも1種類の炭素である請求項1に記載の正極材料。
- 前記環状エーテルが、構造中にエポキシ基あるいはオキセタン環を含む1又は2に記載の正極材料。
- 前記QがZr又はYであり、前記WがSiである請求項1〜3のいずれか1つに記載の正極材料
- 前記xが0〜0.25の範囲、前記yが0〜0.5の範囲である請求項1〜4のいずれか1つに記載の正極材料。
- 前記炭素からなる導電材が、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及び気相成長炭素から選択される少なくとも1種類と、天然黒鉛及び人造黒鉛から選択される少なくとも1種類とを含む炭素である請求項1〜5のいずれか1つに記載の正極材料。
- 前記環状エーテルが、プロピレンオキシドである請求項1〜6のいずれか1つに記載の正極材料。
- 前記リチウム源、前記鉄源、前記Q源及び前記W源が、硝酸塩、酢酸塩又は塩化物又は金属アルコキシドである請求項1〜7のいずれか1つに記載の正極材料。
- 前記リチウム源が、酢酸リチウムである請求項1〜8のいずれか1つに記載の正極材料。
- 前記リン源が、リン酸である請求項1〜9のいずれか1つに記載の正極材料。
- 前記正極材料が、0.2〜0.5度の011面の回折ピークの半値幅を有する前記一般式(1)のリチウム含有複合酸化物を含む請求項1〜10のいずれか1つに記載の正極材料。
- 下記一般式(1)で示されるリチウム含有複合酸化物を形成するのに必要なリチウム源、鉄源、Q源、リン源及びW源の各所定量を溶媒に溶解させる工程と、得られた溶液に炭素からなる導電材を分散させる工程と、得られた分散液に環状エーテルを添加して得られたゲルを焼成することで、
一般式(1):LiFe1-xQxP1-yWyO4(式中、Qは、Zr、Sn及びYからなる群から選択される少なくとも1種であり、Wは、Si及びAlから選択される少なくとも1種であり、xは0≦x≦1、yは0≦y≦1である)で表されるリチウム含有複合酸化物と前記導電材とを含む正極材料を得ることを特徴とする正極材料の製造方法。 - 前記分散液が、前記環状エーテル添加前に、−1〜1のpHを有する請求項12に記載の正極材料の製造方法。
- 前記環状エーテルが、前記リチウム源、前記鉄源、前記Q源、前記リン源及び前記W源の総モルに対して、0.1〜85のモル比で使用される請求項12又は13に記載の正極材料の製造方法。
- 前記溶媒が、エタノール、プロパノール及びブタノールから選択され、かつ前記リチウム源、前記鉄源、前記Q源、前記リン源及び前記W源の総モルに対して、20〜85のモル比で使用される請求項12〜14のいずれか1つに記載の正極材料の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の正極材料と、バインダーとを含むことを特徴とする正極。
- 請求項1〜11のいずれか1つの記載の正極材料を含む正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有することを特徴とする非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010224089A JP5683890B2 (ja) | 2010-10-01 | 2010-10-01 | 正極材料、その製造方法、正極及び非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010224089A JP5683890B2 (ja) | 2010-10-01 | 2010-10-01 | 正極材料、その製造方法、正極及び非水電解質二次電池 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015005257A Division JP2015092510A (ja) | 2015-01-14 | 2015-01-14 | 非水電解質二次電池 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012079554A true JP2012079554A (ja) | 2012-04-19 |
JP2012079554A5 JP2012079554A5 (ja) | 2013-11-14 |
JP5683890B2 JP5683890B2 (ja) | 2015-03-11 |
Family
ID=46239558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010224089A Expired - Fee Related JP5683890B2 (ja) | 2010-10-01 | 2010-10-01 | 正極材料、その製造方法、正極及び非水電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5683890B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012089342A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Sharp Corp | 正極活物質及びその製造方法、正極ならびに非水電解質二次電池 |
JP2013105536A (ja) * | 2011-11-10 | 2013-05-30 | Toyota Motor Corp | リチウム二次電池とその製造方法 |
WO2013183661A1 (ja) * | 2012-06-06 | 2013-12-12 | シャープ株式会社 | 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 |
JP2015092510A (ja) * | 2015-01-14 | 2015-05-14 | シャープ株式会社 | 非水電解質二次電池 |
KR20150142508A (ko) * | 2014-06-12 | 2015-12-22 | 경희대학교 산학협력단 | 이차전지용 전극 및 이의 제조방법 |
WO2020241804A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
JP2020198198A (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-10 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
JP2021007092A (ja) * | 2019-06-27 | 2021-01-21 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
DE112021001177T5 (de) | 2020-02-20 | 2022-12-08 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Lithium-ionen-sekundärbatterie |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008145034A1 (en) * | 2007-05-28 | 2008-12-04 | Byd Company Limited | Method for preparing lithium iron phosphate as a positive electrode active material for a lithium ion secondary battery |
-
2010
- 2010-10-01 JP JP2010224089A patent/JP5683890B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008145034A1 (en) * | 2007-05-28 | 2008-12-04 | Byd Company Limited | Method for preparing lithium iron phosphate as a positive electrode active material for a lithium ion secondary battery |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6014014027; 桑原 章 他2名: '異種炭素材料を用いたLiFePO4/carbon複合体の構造と正極特性' 第48回電池討論会 講演要旨集 , 20071113, pp.58-59, (社)電気化学会電池技術委員会 * |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012089342A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Sharp Corp | 正極活物質及びその製造方法、正極ならびに非水電解質二次電池 |
US9017876B2 (en) | 2010-10-19 | 2015-04-28 | Sharp Kabushiki Kaisha | Positive electrode active material, production method thereof and its use |
JP2013105536A (ja) * | 2011-11-10 | 2013-05-30 | Toyota Motor Corp | リチウム二次電池とその製造方法 |
WO2013183661A1 (ja) * | 2012-06-06 | 2013-12-12 | シャープ株式会社 | 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 |
JP5442915B1 (ja) * | 2012-06-06 | 2014-03-19 | シャープ株式会社 | 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 |
KR20150142508A (ko) * | 2014-06-12 | 2015-12-22 | 경희대학교 산학협력단 | 이차전지용 전극 및 이의 제조방법 |
KR101583142B1 (ko) * | 2014-06-12 | 2016-01-06 | 경희대학교 산학협력단 | 이차전지용 전극 및 이의 제조방법 |
JP2015092510A (ja) * | 2015-01-14 | 2015-05-14 | シャープ株式会社 | 非水電解質二次電池 |
WO2020241804A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
JP2020198198A (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-10 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
CN113966312A (zh) * | 2019-05-31 | 2022-01-21 | 住友金属矿山株式会社 | 锂离子二次电池用正极活性物质前体、锂离子二次电池用正极活性物质、锂离子二次电池用正极活性物质前体的制造方法、锂离子二次电池用正极活性物质的制造方法、锂离子二次电池 |
JP7415336B2 (ja) | 2019-05-31 | 2024-01-17 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
JP2021007092A (ja) * | 2019-06-27 | 2021-01-21 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
JP7395944B2 (ja) | 2019-06-27 | 2023-12-12 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体、リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池 |
DE112021001177T5 (de) | 2020-02-20 | 2022-12-08 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Lithium-ionen-sekundärbatterie |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5683890B2 (ja) | 2015-03-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5683890B2 (ja) | 正極材料、その製造方法、正極及び非水電解質二次電池 | |
JP5843766B2 (ja) | 正極活物質、正極及び非水系二次電池 | |
JP5698951B2 (ja) | 正極活物質及びその製造方法、正極ならびに非水電解質二次電池 | |
JP5478549B2 (ja) | 正極活物質の製造方法 | |
JP5695842B2 (ja) | リチウム含有複合酸化物の製造方法 | |
JP5155498B2 (ja) | リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 | |
JP5132727B2 (ja) | 正極活物質、正極及び非水電解質二次電池 | |
WO2007043665A1 (ja) | リチウムリン酸鉄とカーボンとの混合体、それを備えた電極、その電極を備えた電池、その混合体の製造方法、及び電池の製造方法 | |
JP5271975B2 (ja) | 正極活物質、正極及び非水電解質二次電池 | |
WO2011152455A1 (ja) | リチウム含有複合酸化物の製造方法 | |
CN113054188B (zh) | 锂离子二次电池用正极材料、锂离子二次电池用正极及锂离子二次电池 | |
JP2012204003A (ja) | 正極活物質、正極及び非水系二次電池 | |
JP5442915B1 (ja) | 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 | |
JP5548523B2 (ja) | 正極活物質、正極及び非水電解質二次電池 | |
JP5651377B2 (ja) | リチウム含有複合酸化物の製造方法 | |
JP5957536B2 (ja) | 正極活物質および正極並びに非水電解質二次電池 | |
JP5539802B2 (ja) | 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池 | |
WO2015019851A1 (ja) | 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池 | |
JP2017183205A (ja) | リチウム二次電池負極用材料及びその製造方法 | |
JP5698929B2 (ja) | 正極活物質、正極及び非水二次電池 | |
JP2015092510A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
CN115702509A (zh) | 电极和锂离子二次电池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131001 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131001 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140317 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140408 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140509 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141014 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141201 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141216 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150114 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5683890 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |