JP2012077956A - 製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機 - Google Patents

製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機 Download PDF

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Abstract

【課題】製氷用の水を衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌できる製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機を提供する。
【解決手段】製氷用の水(W)が貯留される貯水タンク(12)内に設けられて水中でストリーマ放電を生起する電極対(22,24)と、該電極対(22,24)に直流電圧を印加する直流電源とを備え、上記電極対(22,24)の間におけるストリーマ放電によって貯水タンク(12)内の水中で過酸化水素を生成して、貯水タンク(12)内の水(W)を浄化するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機に関し、特に、製氷用の水の衛生的な安全対策に関するものである。
従来から、冷蔵庫に備えられる製氷機で塩素を含む水道水以外のミネラルウォーターなどの水を用いて製氷した場合には、除菌作用が働かないため、カビなどの細菌類が繁殖しやすく、衛生的な問題がある。そこで、製氷機内で製氷用の水を除菌する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、製氷機の給水タンク内に浄水フィルターを設け、該浄水フィルターに光触媒を含有させると共に、浄水フィルター近傍に光触媒を励起状態にする光を発する発光手段を設ける構成が開示されている。そして、当該構成によれば、発光手段により浄水フィルターの光触媒を励起させることで、光触媒が強い酸化力を発揮して給水タンク内の水中にラジカルが発生し、このラジカルの酸化還元反応で細菌類が分解されるので、給水タンク内の水を脱臭及び抗菌でき、常に清潔な氷を提供できることが記載されている。
特開2007−198732号公報
しかし、特許文献1に開示のように光触媒の励起により水中に発生するラジカルを利用して製氷用の水を除菌する場合には、水中に発生したラジカルは残留性が非常に低いので、給水タンク内で浄化フィルターを通過する際にしか製氷用の水に除菌作用が働かない。このため、給水タンクから給水通路を通って製氷コーナーに送られるときには製氷用の水に除菌作用が持続していないので、これら給水通路及び製氷コーナーにおいて水中に細菌類が繁殖しやすく、依然として衛生的な問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製氷用の水を衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌できる製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、製氷用の水中で残留性の高い過酸化水素を発生させるようにした。
具体的に、第1の発明は、製氷用水浄化装置(20)であって、製氷用の水(W)が貯留される貯水タンク(12)内に設けられて水中でストリーマ放電を生起する電極対(22,24)と、該電極対(22,24)に直流電圧を印加する直流電源(26a)を有し、上記電極対(22,26)の間におけるストリーマ放電によって上記貯水タンク(12)内の水中で過酸化水素を生成して、該貯水タンク(12)内の水(W)を浄化するように構成されていることを特徴とする。
この第1の発明では、直流電源(26a)から電極対(22,24)に直流電圧が印加される。これにより、貯水タンク(12)内の水中では、ストリーマ放電が生起される。このストリーマ放電に伴って貯水タンク(12)内の水中には過酸化水素が生成される。過酸化水素は、殺菌性及び抗菌性を有し優れた除菌作用を発揮する上、水酸ラジカルに比べて水中に残留しやすい。したがって、本発明の製氷用水浄化装置(20)により浄化された製氷用の水(W)は、製氷コーナー(16)に送られるまでの流路及び製氷コーナー(16)においても、過酸化水素によって殺菌・浄化が行われ、清浄な状態に保持される。これにより、製氷用の水(W)は衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌される。
また、水中では、ストリーマ放電の発生に伴い、水酸ラジカルなどの活性種も生成される。このため、有害物質(例えば硫黄系化合物)が水中に含まれている場合には、該有害物質が活性種によって酸化分解されて除去される。
また、直流電源(26a)を用いてストリーマ放電を行っているので、例えばパルス電源と比較して、電源部(26a)の簡素化、低コスト化、小型化を図ることが可能である。また、パルス電源を用いると、放電に伴って水中で発生する衝撃波や騒音が大きくなってしまう。これに対し、直流電源(26a)を用いると、このような衝撃波や騒音も低減される。
第2の発明は、第1の発明の製氷用水浄化装置(20)において、上記貯水タンク(12)は、製氷機(10)の給水タンク(12)であることを特徴とする。
この第2の発明では、製氷機(10)の給水タンク(12)が製氷用の水(W)の殺菌・浄化を行う貯水タンク(12)を兼ねているので、製氷機(10)の給水タンク(12)と別個に貯水タンクを設ける必要がなく、本発明の製氷用水浄化装置(20)を備えた製氷機(10)が簡素な構成で実現される。また、製氷機(10)の給水タンク(12)内で製氷用の水(W)が殺菌・浄化されるので、該給水タンク(12)から製氷用の水(W)が送られる給水通路(14)及び製氷コーナー(16)においても過酸化水素によって水(W)の殺菌・浄化が充分に行われる。しかも、給水タンク(12)で生成された過酸化水素は、給水通路(14)及び製氷コーナー(16)内の水(W)だけでなく、給水通路(14)の内壁及び製氷コーナー(16)で水(W)を受ける製氷皿(18)自体に対しても除菌作用を発揮する。これにより、給水通路(14)及び製氷皿(18)が清潔な状態に保たれる。
第3の発明は、第1及び第2の発明のいずれか1つの製氷用水浄化装置(20)において、上記電極対(22,24)の間におけるストリーマ放電の放電電力一定に制御する定電力制御部(26b)を備えていることを特徴とする。
対象となる水(W)の導電率は、水の種類によって変化する。具体的には、例えば製氷用の水(W)が水道水である場合には、この水道水の硬度によって導電率が変化する。また、製氷用の水(W)がミネラルウォーターである場合には、水(W)の導電率が高くなってしまう。第3の発明では、このように対象となる水(W)の導電率が変化しても、定電力制御部(26b)によって一定の放電電力でストリーマ放電が行われる。したがって、対象となる製氷用の水(W)の種類に応じて、直流電源(26a)を交換することなく、様々な水質の水(W)に対し、一定の消費電力で安定した除菌性能が得られる。
第4の発明は、製氷機(10)であって、第1〜第3の発明のいずれか1つの製氷用水浄化装置(20)を備えることを特徴とする。
この第4の発明では、第1〜第3の発明の製氷用水浄化装置(20)が製氷用の水(W)を衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌できるという優れた特性を備えているので、衛生的に安全で清潔な氷を製造することが可能となる。
第1の発明によれば、貯水タンク(12)内の製氷用の水中において、ストリーマ放電を行い過酸化水素を生成するようにしている。過酸化水素は、殺菌性及び抗菌性を有し優れた除菌作用を発揮する上、水中に残留しやすい。このため、製氷コーナー(16)に送られるまでの流路及び製氷コーナー(16)においても、過酸化水素によって水(W)の殺菌・浄化を行うことができ、製氷用の水(W)を清浄な状態に保持することができる。したがって、製氷用の水(W)を衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌することができる。また、ストリーマ放電では、水中において多量の活性種が生成するため、この活性種により水中の有害物質を効果的に除去できる。
また、直流電源(26a)を用いてストリーマ放電を行っているので、例えばパルス電源と比較して、電源部(26a)の簡素化、低コスト化、小型化を図ることができると共に、放電に伴って水中で発生する衝撃波や騒音も低減できる。
第2の発明によれば、本発明の製氷用水浄化装置(20)が簡素な構成で実現できる。また、給水タンク(12)から製氷用の水(W)が送られる給水通路(14)及び製氷コーナー(16)においても過酸化水素によって水(W)の殺菌・浄化を充分に行うことができ、しかも、給水通路(14)の内壁及び製氷コーナー(16)で水(W)を受ける製氷皿(18)自体も過酸化水素により除菌して清潔な状態に保つことができる。
第3の発明によれば、対象となる水(W)の導電率によらず、一定の放電電力でストリーマ放電を行うことができる。したがって、対象となる製氷用の水(W)の種類に応じて、直流電源(26a)を交換することなく、様々な水質の水(W)に対し、一定の消費電力で安定した除菌性能を得ることができる。
第4の発明によれば、衛生的に安全で清潔な氷を製造することができる。
図1は、実施形態1に係る製氷機を示す全体模式図である。 図2は、実施形態1に係る製氷用水浄化装置の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始する前の状態を示すものである。 図3は、実施形態1に係る絶縁ケーシングを示す斜視図である。 図4は、実施形態1に係る製氷用水浄化装置の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始して気泡が形成された状態を示すものである。 図5は、実施形態1の変形例に係る製氷用水浄化装置の全体構成図である。 図6は、実施形態1の変形例に係る絶縁ケーシングを示す斜視図である。 図7は、実施形態2に係る製氷用水浄化装置の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始する前の状態を示すものである。 図8は、実施形態2に係る製氷用水浄化装置の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始して気泡が形成された状態を示すものである。 図9は、実施形態2の変形例に係る絶縁ケーシングの蓋部を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明に係る製氷機(10)の全体模式図を図1に示す。
製氷機(10)は、水を冷却して氷を製造するための機械であり、冷蔵庫に備えられる。製氷機(10)は、給水タンク(12)と給水通路(14)と製氷コーナー(16)とを備えている。給水タンク(12)は、製氷用の水(W)が貯留される貯水タンクである。製氷コーナー(16)内には、製氷用の水(W)を受けて氷を形成するための製氷皿(18)が収容されている。給水通路(14)は、給水タンク(12)から製氷コーナー(16)内の製氷皿(18)に製氷用の水(W)を供給するための水流路である。図示しないが、給水タンク(12)は冷蔵室内に、製氷コーナー(16)は製氷室内にそれぞれ配設される。
また、製氷機(10)は、製氷用水浄化装置(20)(以下、単に水浄化装置と称する)を備えている。水浄化装置(20)は、水中でのストリーマ放電によって水中に過酸化水素などの浄化成分を生成し、この浄化成分によって水(W)の浄化を行うものである。
水浄化装置(20)の全体構成図を図2に示す。図3は、水浄化装置(20)が備える絶縁ケーシング(28)の斜視図である。
水浄化装置(20)は、放電電極(22)及び対向電極(24)とからなる電極対(22,24)と、この電極対(22,24)に電圧を印加する電源ユニット(26)と、放電電極(22)を内部に収容する絶縁ケーシング(28)とを備えている。
電極対(22,24)は、水中でストリーマ放電を生起するためのものである。放電電極(22)は、絶縁ケーシング(28)の内部に配置されている。放電電極(22)は、上下に扁平な板状に形成されている。放電電極(22)は、電源ユニット(26)の正極側に接続されている。放電電極(22)は、例えばステンレス、銅などの導電性の金属材料で構成されている。
対向電極(24)は、絶縁ケーシング(28)の外部に配置されている。対向電極(24)は、放電電極(22)の上方に設けられている。対向電極(24)は、上下に扁平な板状であって、且つ上下に複数の貫通孔(25)を有するメッシュ形状ないしパンチングメタル形状に構成されている。対向電極(24)は、放電電極(22)と略平行に配設されている。対向電極(24)は、電源ユニット(26)の負極側に接続されている。対向電極(24)は、例えばステンレス、真鍮などの導電性の金属材料で構成されている。
電源ユニット(26)は、電源部(26a)及び定電力制御部(26b)を備えている。電源部(26a)は、電極対(22,24)に所定の直流電圧を印加する直流電源で構成されている。すなわち、電源部(26a)は、電極対(22,24)に対して瞬時的に高電圧を繰り返し印加するようなパルス電源ではなく、電極対(22,24)に対して常に数キロボルトの直流電圧を印加する。電源部(26a)のうち、対向電極(24)に接続される負極側は、アースと接続されている。定電力制御部(26b)は、電極対(22,24)の間におけるストリーマ放電の放電電力を一定に制御する。
絶縁ケーシング(28)は、給水タンク(12)の底部に設置されている。絶縁ケーシング(28)は、例えばセラミックスなどの絶縁材料で構成されている。絶縁ケーシング(28)は、一面(上面)が開放された容器状のケース本体(30)と、該ケース本体(30)の上方の開放部を閉塞する板状の蓋部(32)とを有している。
ケース本体(30)は、角型筒状の側壁部(30a)と、該側壁部(30a)の底面を閉塞する底部(30b)とを有している。放電電極(22)は、底部(30b)の上側に敷設されている。絶縁ケーシング(28)では、蓋部(32)と底部(30b)との間の上下方向の距離が、放電電極(22)の厚さよりも長くなっている。つまり、放電電極(22)と蓋部(32)との間には、所定の間隔が確保されている。これにより、絶縁ケーシング(28)の内部では、放電電極(22)とケース本体(30)と蓋部(32)との間に空間(S)が形成されている。
図2及び図3に示すように、絶縁ケーシング(28)の蓋部(32)には、該蓋部(32)を厚さ方向に貫通する1つの開口(33)が形成されている。この開口(33)により、放電電極(22)と対向電極(24)との間での電界の形成が許容されている。蓋部(32)の開口(33)の内径は、0.02mm以上且つ0.5mm以下であることが好ましい。以上のような開口(33)は、電極対(22,24)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部を構成する。
以上のように、絶縁ケーシング(28)は、電極対(22,24)のうちの一方の電極(放電電極(22))のみを内部に収容し、且つ電流密度集中部として開口(33)を有する絶縁部材を構成している。
加えて、絶縁ケーシング(28)の開口(33)内では、電流経路の電流密度が上昇することで、水がジュール熱によって気化して気泡(B)が形成される。つまり、絶縁ケーシング(28)の開口(33)は、該開口(33)に気相部としての気泡(B)を形成する気相形成部として機能する。
−水浄化装置の運転動作−
本実施形態の製氷機(10)では、水浄化装置(20)が運転されることで、給水タンク(12)に貯留された製氷用の水(W)の浄化がなされる。このような水浄化装置(20)による水(W)の浄化動作について、図2及び図4を参照しながら詳細に説明する。図4は、水浄化装置(20)の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始して気泡(B)が形成された状態を示している。
水浄化装置(20)の運転開始時には、図2に示すように、絶縁ケーシング(28)内の空間(S)が浸水した状態となっている。電源ユニット(26)から電極対(22,24)に所定の直流電圧(例えば1kV)が印加されると、電極対(22,24)の間に電界が形成される。放電電極(22)の周囲は、絶縁ケーシング(28)で覆われている。このため、電極対(22,24)の間での漏れ電流が抑制されると共に、開口(33)内の電流経路の電流密度が上昇した状態となる。
開口(33)内の電流密度が上昇すると、開口(33)内のジュール熱が大きくなる。その結果、絶縁ケーシング(28)では、開口(33)の近傍において、水(W)の気化が促進されて気泡(B)が形成される。この気泡(B)は、図4に示すように、開口(33)のほぼ全域を覆う状態となり、対向電極(24)に導通する負極側の水(W)と、正極側の放電電極(22)との間に気泡(B)が介在する状態となる。この状態では、気泡(B)が放電電極(22)と対向電極(24)との間での水(W)を介した導通を阻止する抵抗として機能する。これにより、放電電極(22)と対向電極(24)との間の漏れ電流が抑制され、電極対(22,24)の間では、所望とする電位差が保たれることになる。すると、気泡(B)内では、絶縁破壊に伴いストリーマ放電が発生する。
以上のようにして、気泡(B)でストリーマ放電が行われると、給水タンク(12)内の水中では、水酸ラジカルなどの活性種や過酸化水素などが生成される。水酸ラジカルなどの活性種や過酸化水素は、ストリーマ放電に伴う熱によって給水タンク(12)内を対流する。これにより、水中での活性種や過酸化水素の拡散が促される。また、気泡(B)でストリーマ放電が行われると、このストリーマ放電に伴ってこの気泡(B)でイオン風を生成しやすくなる。よって、給水タンク(12)内では、このイオン風を利用して、活性種や過酸化水素の拡散効果をさらに向上できる。
以上のようにして、水中に拡散した水酸ラジカルなどの活性種や過酸化水素は、水中に含まれる細菌類や被処理成分(例えばアンモニアなど)を酸化分解して水(W)の殺菌・浄化に利用される。製氷機(10)では、このような水浄化動作が適宜実行され、殺菌・浄化された水(W)が製氷コーナー(16)の製氷皿(18)に供給される。これにより、本実施形態の製氷機(10)では、衛生的に安全で清潔な氷を製造することができる。
−実施形態1の効果−
この実施形態1では、貯水タンク(12)内の製氷用の水中において、ストリーマ放電を行い過酸化水素を生成するようにしている。過酸化水素は、殺菌性及び抗菌性を有し優れた除菌作用を発揮する上、水酸ラジカルと比較して水中に残留しやすい。このため、製氷コーナー(16)に送られるまでの給水通路(14)及び製氷コーナー(16)においても、過酸化水素によって水(W)の殺菌・浄化を行うことができ、製氷用の水(W)を清浄な状態に保持することができる。したがって、製氷用の水(W)を衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌することができる。
しかも、給水タンク(12)で生成された過酸化水素は、給水通路(14)及び製氷コーナー(16)内の水(W)だけでなく、これら給水通路(14)の内壁及び製氷コーナー(16)で水を受ける製氷皿(18)自体に対しても除菌作用を発揮する。これにより、給水通路(14)及び製氷皿(18)を清潔な状態に保つことができる。
また、ストリーマ放電では、水中において多量の活性種が生成されるため、この活性種により製氷用の水中に有害物質がある場合には、該有害物質を効果的に除去できる。
また、本実施形態1では、電源部(26a)が直流電源で構成されているので、例えばパルス電源と比較して、電源部(26a)の簡素化、低コスト化、小型化を図ることができる。さらに、電源部(26a)にパルス電源を用いると、放電に伴って水中で発生する衝撃波や騒音が大きくなってしまうのに対し、直流電源を用いると、このような衝撃波や騒音も低減できる。
また、本実施形態1では、電源ユニット(26)に定電力制御部(26b)を用いているので、対象となる水(W)の導電率が変化しても、一定の放電電力でストリーマ放電が行われる。したがって、対象となる製氷用の水(W)の種類に応じて、電源部(26a)を交換することなく、様々な水質の水(W)に対し、一定の消費電力で安定した除菌性能を得ることができる。
〈実施形態1の変形例〉
図5は、この実施形態1の変形例に係る水浄化装置(20)の全体構成図である。図6は、この変形例に係る絶縁ケーシング(28)を示す斜視図である。
上記実施形態1では、絶縁ケーシング(28)の蓋部(32)に1つの開口(33)が形成されているとしたが、本変形例では、例えば図5及び図6に示すように、絶縁ケーシング(28)の蓋部(32)に複数の開口(33)が形成されていてもよい。この変形例では、絶縁ケーシング(28)の蓋部(32)が略正方形板状に形成され、この蓋部(32)に複数の開口(33)が等間隔を置きながら碁盤目状に配列されている。一方、放電電極(22)及び対向電極(24)は、全ての開口(33)に跨るような正方形板状に形成されている。
この変形例においても、各開口(33)が、電流密度集中部、及び気相形成部として機能する。これにより、電源ユニット(26)から電極対(22,24)に直流電圧が印加されると、各開口(33)の電流密度が上昇し、各開口(33)で気泡(B)が形成される。その結果、各気泡(B)でそれぞれストリーマ放電が生起され、水酸ラジカル等の活性種や、過酸化水素が生成される。
《発明の実施形態2》
図7はこの実施形態2に係る水浄化装置(20)の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始する前の状態を示すものである。
実施形態2に係る製氷機(10)は、上述した実施形態1と水浄化装置(20)の構成が異なるものである。以下には、上記実施形態1と異なる点を主として説明する。
図7に示すように、実施形態2の水浄化装置(20)は、給水タンク(12)の外側から内部に向かって挿入されて固定される、いわゆるフランジユニット式に構成されている。また、実施形態2の水浄化装置(20)は、放電電極(22)と対向電極(24)と絶縁ケーシング(28)とが一体的に組立てられている。
実施形態2の絶縁ケーシング(28)は、大略の外形が円筒状に形成されている。絶縁ケーシング(28)は、ケース本体(30)と蓋部(32)とを有している。
実施形態2のケース本体(30)は、ガラス質又は樹脂製の絶縁材料で構成されている。ケース本体(30)は、円筒状の基部(36)と、該基部(36)から給水タンク(12)側に向かって突出する筒状壁部(38)と、該筒状壁部(38)の外縁部から更に給水タンク(12)側に向かって突出する環状凸部(40)とを有している。また、ケース本体(30)には、環状凸部(40)の先端側に先端筒部(42)が一体に形成されている。基部(36)の軸心部には、円柱状の挿入口(36a)が軸方向に延びて貫通形成されている。筒状壁部(38)の内側には、挿入口(36a)と同軸となり、且つ挿入口(36a)よりも大径となる円柱状の空間(S)が形成されている。
実施形態2の蓋部(32)は、略円板状に形成されて環状凸部(40)の内側に嵌合している。蓋部(32)は、セラミックス材料で構成されている。蓋部(32)の軸心には、実施形態1と同様、蓋部(32)を上下に貫通する円形状の1つの開口(33)が形成されている。
放電電極(22)は、軸直角断面が円形状となる縦長の棒状の電極で構成されている。放電電極(22)は、基部(36)の挿入口(36a)に嵌合している。これにより、放電電極(22)は、絶縁ケーシング(28)の内部に収容されている。実施形態2では、放電電極(22)のうち給水タンク(12)とは反対側の端部が、給水タンク(12)の外部に露出される状態となる。このため、給水タンク(12)の外部に配置される電源ユニット(26)と、放電電極(22)とを電気配線によって容易に接続することができる。
放電電極(22)のうち給水タンク(12)側の端部(22a)は、絶縁ケーシング(28)の内部の空間(S)に臨んでいる。なお、図7に示す例では、放電電極(22)の端部(22a)が、挿入口(36a)の開口面よりも上側(給水タンク(12)側)に突出しているが、この端部(22a)の先端面を挿入口(36a)の開口面と略面一としてもよいし、端部(22a)を挿入口(36a)の開口面よりも下側に陥没させてもよい。また、放電電極(22)は、実施形態1と同様、開口(33)を有する蓋部(32)との間に所定の間隔が確保されている。
対向電極(24)は、円筒状の電極本体(24a)と、該電極本体(24a)から径方向外方へ突出する鍔部(24b)とを有している。電極本体(24a)は、絶縁ケーシング(28)のケース本体(30)に外嵌している。鍔部(24b)は、給水タンク(12)の壁部に固定されて水浄化装置(20)を保持する固定部を構成している。水浄化装置(20)が給水タンク(12)に固定された状態では、対向電極(24)の電極本体(24a)の一部が浸水された状態となる。
対向電極(24)は、電極本体(24a)よりも小径の内側筒部(24c)と、該内側筒部(24c)と電極本体(24a)との間に亘って形成される連接部(24d)とを有している。内側筒部(24c)及び連接部(24d)は、給水タンク(12)内の水中に浸漬している。内側筒部(24c)は、その内部に円柱空間(44)を形成している。内側筒部(24c)の軸方向の一端は、蓋部(32)と当接して該蓋部(32)を保持する保持部を構成している。また、電極本体(24a)と内側筒部(24c)と連接部(24d)の間には、ケース本体(30)の先端筒部(42)が内嵌している。内側筒部(24c)の軸方向の他端側には、円柱空間(44)を覆うようにメッシュ状の漏電防止材(46)が設けられている。この漏電防止材(46)は、対向電極(24)と接触することで、実質的にアースされている。これにより、漏電防止材(46)は、給水タンク(12)の内部の空間(水中)のうち、円柱空間(44)の内側から外側への漏電を防止している。
対向電極(24)は、電極本体(24a)の一部が給水タンク(12)の外部に露出される状態となる。このため、電源ユニット(26)と対向電極(24)とを電気配線によって容易に接続することができる。
−水浄化装置の運転動作−
実施形態2の製氷機(10)においても、水浄化装置(20)が運転されることで、給水タンク(12)に貯留された製氷用の水(W)の浄化がなされる。このような水浄化装置(20)による水(W)の浄化動作について、図7及び図8を参照しながら詳細に説明する。図8は、水浄化装置(20)の全体構成図であり、過酸化水素生成動作を開始して気泡(B)が形成された状態を示している。
水浄化装置(20)の運転開始時には、図7に示すように、絶縁ケーシング(28)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。電源ユニット(26)から電極対(22,24)に所定の直流電圧(例えば1kV)が印加されると、開口(33)の内部の電流密度が上昇していく。
図7に示す状態から、電極対(22,24)へ更に直流電圧が継続して印加されると、図8に示すように、開口(33)内の水が気化されて気泡(B)が形成される。この状態では、気泡(B)が開口(33)のほぼ全域を覆う状態となり、円柱空間(44)内の負極側の水と、放電電極(22)との間に気泡(B)による抵抗が付与される。これにより、放電電極(22)と対向電極(24)との間の電位差が保たれ、気泡(B)でストリーマ放電が発生する。その結果、水中では、水酸ラジカルや過酸化水素を生成され、これらの成分が水の殺菌・浄化に利用される。
〈実施形態2の変形例〉
図9は、実施形態2の変形例に係る絶縁ケーシング(28)の蓋部(32)の平面図である。
上記実施形態2では、円板状の蓋部(32)の軸心に1つの開口(33)を形成しているが、この蓋部(32)に複数の開口(33)を形成してもよい。図9に示す例では、蓋部(32)の軸心を中心とする仮想ピッチ円上に、5つの開口(33)が等間隔置きに配列されている。このように蓋部(32)に複数の開口(33)を形成することで、各開口(33)の近傍でそれぞれストリーマ放電を生起させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
〈水浄化装置の構成>
上述した各実施形態の電源ユニット(26)には、ストリーマ放電の放電電力を一定に制御する定電力制御部(26b)を用いている。しかしながら、定電力制御部(26b)に代えて、ストリーマ放電時の放電電流を一定に制御する定電流制御部を設けることもできる。この定電流制御を行うと、水(W)の導電率によらず放電が安定するため、スパークの発生も未然に回避できる。
また、上述した各実施形態では、電源ユニット(26)の正極に放電電極(22)を接続し、電源ユニット(26)の負極に対向電極(24)を接続している。しかしながら、電源ユニット(26)の負極に放電電極(22)を接続し、電源ユニット(26)の正極に対向電極(24)を接続することで、電極対(22,24)の間で、いわゆるマイナス放電を行うようにしてもよい。
〈水浄化装置の配置〉
上記実施形態1や実施形態2と異なる位置に水浄化装置(20)を配置してもよい。具体的には、例えば、給水通路(14)に水(W)が一時的に滞留する滞留部を設けて、該滞留部に水浄化装置(20)が取り付けられていてもよく、また、給水タンク(12)とは別個に製氷用の水(W)を貯留する貯水タンクを備え、該貯水タンクに水浄化装置(20)が取り付けられて、貯水タンク内で殺菌・浄化した水(W)を給水タンク(12)に供給するように構成されていても構わない。
以上説明したように、本発明は、製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機について有用であり、特に、製氷用の水を衛生的に安全な製氷が可能なように充分に除菌することが要望される製氷用水浄化装置及びそれを備えた製氷機に適している。
W 製氷用の水
10 製氷機
12 給水タンク(貯水タンク)
20 製氷用水浄化装置
22 放電電極(電極対)
24 対向電極(電極対)
26a 電源部(直流電源)
26b 定電力制御部

Claims (4)

  1. 製氷用の水(W)が貯留される貯水タンク(12)内に設けられて水中でストリーマ放電を生起する電極対(22,24)と、該電極対(22,24)に直流電圧を印加する直流電源とを備え、上記電極対(22,24)の間におけるストリーマ放電によって上記貯水タンク(12)内の水中で過酸化水素を生成して、該貯水タンク(12)内の水(W)を浄化するように構成されている
    ことを特徴とする製氷用水浄化装置。
  2. 請求項1に記載の製氷用水浄化装置において、
    上記貯水タンク(12)は、製氷機(10)の給水タンク(12)である
    ことを特徴とする製氷用水浄化装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の製氷用水浄化装置において、
    上記電極対(22,24)の間におけるストリーマ放電の放電電力一定に制御する定電力制御部(26b)を備えている
    ことを特徴とする製氷用水浄化装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製氷用水浄化装置(20)を備える
    ことを特徴とする製氷機。
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