JP2012077944A - 熱交換部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換効率が高い熱交換器を簡便な組み付けにより製造することを可能にする熱交換部材を提供する。
【解決手段】第一の流体の流路となる複数のセル5を区画形成する隔壁7を有する集熱部と、集熱部の外周に設けられて第一の流体と集熱部の外周側を流れる第二の流体とを隔てる伝熱部3とを備え、軸10を中心として渦巻き状に曲がり、全セル数のうちの15〜100%の個数のセルは、一方の端部9aの開口部および他方の端部9bの開口部を軸10に平行な方向で軸に垂直な平面上に投射したとき、一方の端部9aの開口部の投影像の中心と他方の端部9bの開口部の投影像の中心との距離cがセル5の一方の端部9aの開口部の投影像における最大幅dに対してd≦c≦5dの関係を満たし、かつd≦c≦5dの関係を満たさない残余のセル5が存在する場合には残余のセル5がc<dの関係を満たす熱交換部材1。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱の受け渡しをする流体の流路として熱交換器に装着し使用することができる熱交換部材およびその製造方法に関する。
熱交換器では、温度の高い流体と温度の低い流体とを壁を隔てて隣り合わせにすることにより、温度の高い流体から温度の低い流体へと熱を伝えるようにしている。
熱交換器では、温度の高い流体と温度の低い流体とを隔てる壁の面積を増やすことにより、壁の熱容量を増やし、その結果として、温度の高い流体から温度の低い流体へと伝わる熱量を増やすことができる。そこで、熱交換器には、温度の高い流体と温度の低い流体とを隔てる壁を波型などの入り組んだ形状にすることにより、壁の面積を増やし、その結果、2つの流体間での受け渡される熱量を増加させているものがある。
また、熱交換器では、温度の高い流体と温度の低い流体とを隔てる壁の面積あたりの流体の容量を少なくすることにより、壁と流体との接触頻度が高まり、その結果、熱が温度の高い流体から温度の低い流体へと伝わりやすくなる。そのため、熱交換器には、温度の高い流体または温度の低い流体を細い管に流すものがある。
さらに、熱交換器には、一方の流体の流路および他方の流体の流路が細く枝分かれし、一方の流体の枝分かれした流路と他方の流体の枝分かれした流路とが互い違いに配置されているものがある(例えば、特許文献1,2)。この熱交換器では、2つの流体を隔てる壁の面積が増えており、さらに壁の面積あたりの流体の容量が少なくなっている。そのため、熱の受け渡しが温度の高い流体と温度の低い流体との間で非常に効率良く行われる。
特開昭61−24997号公報 特開2006−284165号公報
ところが、上記した熱交換器では温度の高い流体と温度の低い流体とを隔てる壁の形状が入り組む、あるいは流体の流路が細いなどの事情により、熱交換器を製造する際の部材の組み付けに手間がかかってしまう。そのため、簡便な組み付けで製造可能でありながら熱交換の効率が高い熱交換器が待望されている。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、熱交換効率が高い熱交換器を簡便な組み付けにより製造することを可能にする熱交換部材およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するものであり、以下に示す熱交換部材および熱交換部材の製造方法である。
[1] 一方の端部から他方の端部に貫通して第一の流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記隔壁が前記セル内を流れる前記第一の流体と熱の受け渡しを行う集熱部と、前記集熱部の外周に設けられて前記第一の流体と前記集熱部の外周側を流れる第二の流体とを隔てるとともに、前記隔壁を介在させて前記第一の流体と前記第二の流体との熱の受け渡しを行う伝熱部と、を備え、前記セルが前記一方の端部と前記他方の端部とを結んだ軸を中心として渦巻き状に曲がり、全セル数のうちの15〜100%の個数の前記セルは、前記一方の端部の開口部および前記他方の端部の開口部を前記軸に平行な方向で前記軸に垂直な平面上に投射したとき、前記一方の端部の前記開口部の投影像の中心と前記他方の端部の前記開口部の投影像の中心との距離cが前記セルの前記一方の端部の前記開口部の前記投影像における最大幅dに対してd≦c≦5dの関係を満たしており、かつ前記d≦c≦5dの関係を満たさない残余の前記セルが存在する場合には該残余のセルがc<dの関係を満たす熱交換部材。
[2] 前記伝熱部が、前記集熱部を内部に収容するとともに前記一方の端部の側から前記他方の端部の側に向けて抜けた筒形状を有する前記[1]に記載の熱交換部材。
[3] セラミックス原料を含む坏土を一方の端部から他方の端部まで貫通して流体の流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製する成形工程と、前記一方の端部と前記他方の端部とを結んだ軸を中心に前記ハニカム成形体をねじり、次いで前記ハニカム成形体のねじられた状態を保持しながら前記ハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程後に前記ハニカム成形体を焼成する焼成工程と、を有する熱交換部材の製造方法。
本発明の熱交換部材およびその製造方法は、熱交換効率が高い熱交換器を簡便な組み付けにより製造することを可能にする。
本発明の熱交換部材の一実施形態の斜視図である。 図1中のセルの模式図である。 図1の熱交換部材を装着した熱交換器の模式図である。 図3中のA−A’断面の図である。 把持器がハニカム成形体を固定する様子を表す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.熱交換部材:
本発明の熱交換部材は、一方の端部から他方の端部に貫通して第一の流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、隔壁がセル内を流れる第一の流体と熱の受け渡しを行う集熱部と、集熱部の外周に設けられて第一の流体と集熱部の外周側を流れる第二の流体とを隔てるとともに、隔壁を介在させて第一の流体と第二の流体との熱の受け渡しを行う伝熱部とを備えている。さらに、本発明の熱交換部材は、セルが一方の端部と他方の端部とを結んだ軸を中心として渦巻き状に曲がり、全セル数のうちの15〜100%の個数のセルは、一方の端部の開口部および他方の端部の開口部を前記軸に平行な方向で軸に垂直な平面に投射したとき、一方の端部の開口部の投影像の中心と他方の端部の開口部の投影像の中心との距離cが当該セルの一方の端部の開口部の投影像における最大幅dに対してd≦c≦5dの関係を満たしており、かつd≦c≦5dの関係を満たさない残余のセルが存在する場合には残余のセルがc<dの関係を満たしている。
本発明の熱交換部材では、伝熱部が第一の流体と第二の流体とを隔てており、例えば、伝熱部が内部に集熱部を収容した筒形状を有する場合には、筒の内と外という単純な構成により第一の流体と第二の流体とを隔てることができる。この場合、熱交換部材が筒形状というシンプルな構造になっているため、熱交換器を簡単な組み付けにより製造することができる。本発明の熱交換部材を簡単に組み付けることにより熱交換器を製造する方法としては、例えば、本発明の熱交換部材の両端に管を接続して第一の流体の流路をつくり、さらに熱交換部材をケーシングで覆うという組み付け方法を挙げることができる。この熱交換器では、熱交換部材がケーシング内を貫通する構造になっている。そして、第一の流体が熱交換部材内(筒形状の伝熱部の中)を流れることによりケーシング内を横切り、一方で、第二の流体が熱交換部材の外周上を流れてケーシング内を横切るようになる(例えば、後述の「2.熱交換器」を参照)。
本発明の熱交換部材では、第一の流体が伝熱部と直接接触しないときでも集熱部の隔壁を介在させることにより、第一の流体と伝熱部との間で熱の受け渡しをすることができる。例えば、第一の流体が高温、第二の流体が低温の場合には、第一の流体から第二の流体に向かって熱を渡すことになる。このとき、まず熱が第一の流体から隔壁に伝わり、さらにこの熱が隔壁および伝熱部を伝導していく。そして最終的に、この熱が伝熱部から第二の流体へと渡されていく。逆に、第一の流体が高温、第二の流体が低温の場合には、まず、熱が第二の流体から伝熱部に伝わり、この熱が伝熱部および隔壁を伝導し、最終的に隔壁から第一の流体へと渡されていく。
隔壁および伝熱部は、SiCを主成分とするセラミックスによって形成されている場合に熱伝導率を高くすることができ、その結果として、第一の流体と第二の流体との間での熱の受け渡し(熱交換)を効率良く行うことが可能になる。ここでSiCを主成分とするセラミックスとは、SiCが50質量%以上含まれているセラミックスのことを意味する。
また、本発明の熱交換部材は、セルが一方の端部と他方の端部とを結んだ軸を中心として渦巻き状に曲がることにより、第一の流体は一方の端部から他方の端部に向かってセル内を通り抜ける間に隔壁に行き当たるようになる。すなわち、第一の流体が隔壁に衝突するようになる。この結果、第一の流体と隔壁との間では熱の受け渡しが盛んに行われるようになる。
全セル数のうちの15〜100%の個数のセルがd≦c≦5dの関係を満たしていることにより、第一の流体が隔壁に衝突する頻度が高まり、その結果として第一の流体と隔壁との間で熱を盛んに受け渡すようになる。また、セルがd≦c≦5dを満たすことにより、そのセルでは曲がり度合いが急になりすぎず、第一の流体が真正面から隔壁に衝突する傾向が少なくなる。そのため、第一の流体が隔壁に衝突したときに、第一の流体が流れの勢いを失いにくくなる。すなわち、第一の流体がセル内を通り抜ける際の圧力損失を少なくすることができる。熱交換効率と圧力損失のバランスの観点からは、d≦c≦5dの関係を満たしているセル数が、全セル数のうちの15〜70%であることが好ましく、15〜50%であることがより好ましい。
さらに、d≦c≦5dの関係を満たさない残余のセルが存在する場合、残余のセルは、c<dの関係を満たすことにより、緩やかに曲がるようになる。その結果として、残余のセルでは、第一の流体が真正面から隔壁に衝突する傾向がより少なくなり、圧力損失をより少なくした状態で第一の流体を通過させることができる。
また、本発明の熱交換部材は、熱の受け渡しを効率良く行わせるため、伝熱部および隔壁の熱伝導率が100W/mK以上であることが好ましい。
以下、本発明の熱交換部材の実施形態を参照し、本発明の内容を詳しく説明する。
図1は、本発明の熱交換部材の一実施形態の斜視図である。図示されるように、本熱交換部材1は、円筒形状の外周壁3の内部(中空部6)が隔壁7によって格子状に区画されている。これにより、複数のセル5が外周壁3の筒の内部に形成され、これらのセル5は一方の端部9aから他方の端部9bまで貫通するようになっている。さらに、隔壁7の両端は外周壁3と接触している。そのため、熱は隔壁7と外周壁3との間を伝導することができる。また、本熱交換部材1では、外周壁3および隔壁7は、SiCを主成分とするセラミックスによって形成されている。
外周壁3や隔壁7を作り上げているSiCを主成分とするセラミックスは、金属Siを含浸させることができる。そして、SiCを主成分とするセラミックスは、金属Siを含浸させる量が多くなるにつれて熱伝導率が高くなり、例えば、SiCを主成分とするセラミックス100質量部に対して金属Siを30質量部以上含浸させることにより熱伝導率を100W/mK以上にすることができる。
さらに、本熱交換部材1では、セル5が端部9aの中心と端部9bの中心とを結ぶ軸10を中心として渦巻き状に曲がっている(軸10は円筒状の外周壁3の中心を貫いている)。図1では、セル5aが外周壁3に囲まれた筒の内部を貫通する様子を破線で示している。
図2は、図1中に示したセル5aを模式的に表す。このセル5aは、熱交換部材1の最外周側に存在する。そして、セル5aは両端に開口部8aおよび開口部8bを有する。図2中に示した平面Sは、軸10に対して垂直な平面である。ハッチングされた四角形Iは、開口部8aが軸10に平行な方向にて平面S上に投影された像(以下、開口部8aの投影像I)である。また、ハッチングされた四角形Iは、開口部8bが軸10に平行な方向にて平面S上に投影された像(以下、開口部8bの投影像I)である。平面S上において、開口部8aの投影像Iの中心と開口部8bの投影像Iの中心との距離cおよび開口部8aの投影像Iの最大幅dがd≦c≦5dの関係を満たしている。
ここで開口部8aの投影像Iの最大幅dとは、開口部8aの投影像Iの輪郭上にある2点の距離の最大値を意味する。例えば、開口部8aの投影像Iが正方形のときにはこの正方形の対角線の長さが最大値dになり、開口部8aの投影像Iが正三角形のときにはこの三角形の一辺(三角形の2つの頂点を結ぶ線)の長さが最大値dになる。また、開口部8aの投影像Iが円のときにはこの円の直径が最大値dになる。開口部8aの投影像Iの中心とは開口部8aの投影像Iの平面重心、開口部8bの投影像Iの中心とは開口部8bの投影像Iの平面重心のことを意味する。
本熱交換器1では、全38個のセル5のうちで最外周にある18個のセル5(全セル数のうちの約47%の個数のセル)がd≦c≦5dの関係を満たしている。また、残余の20個のセル5(全セル数のうち約53%の個数のセル)がc<dの関係を満たしている。
本熱交換器1では、d≦cの関係を満たす約47%のセル5において、第一の流体が開口部8aから軸10に沿った方向で導入された場合、この第一の流体がセル5内で隔壁7に衝突しなければセル5を通り抜けることができなくなる。このように、第一の流体が隔壁7に衝突するようになることにより、第一の流体と隔壁7との間で熱を盛んに受け渡すようになる。
上記した約47%のセル5は、c≦5dの関係を満たすことにより、急激に湾曲してない。そのため、これらのセル5を通り抜けるときに、第一の流体が真正面から隔壁7に衝突することが少なくなる。その結果として、第一の流体がこれらのセル5を通り抜ける時の圧力損失を抑えることができる。
また、本熱交換器1では、最外周にあるセル5を除いた約53%のセル5が、c<dの関係を満たすことにより、第一の流体がこれらセル5を圧力損失を少なく通過できる。すなわち、第一の流体がこれらのセル5内をスムーズに通過することができる。
2.熱交換器:
以下、本発明の熱交換部材を装着した熱交換器について説明する。図3は、図1に示した熱交換部材(第一の実施形態の熱交換部材)を装着した熱交換器の模式図を示す。図3に示されるように、本熱交換器21は、熱交換部材1がケーシング11内に装着されている。熱交換部材1の端部9aと端部9bは、ケーシング11を構成する壁19に開けた穴にはめ込まれ、管23a,23bに接続している。この結果、第一の流体は、管23aを流れていくと、続いて熱交換部材1の内部(外周壁3の筒の中、いわゆるセル5内)を通り抜け、さらに管23bへと流れていく。
図3に示されるように、ケーシング11には、第二の流体をケーシング内に流入させる第二の流体の入口13、および第二の流体をケーシング11内から排出する第二の流体の出口15が設けられている。
図4は、図3中のA−A’の断面図である。図示されるように、第二の流体は、入口13からケーシング内に流入すると、熱交換部材1の外周壁3の外周面4と接触しながら流れ、最終的に出口15から排出される。
例えば第一の流体の温度が第二の流体の温度よりも高い場合であれば、熱は、第一の流体から隔壁7や外周壁3に伝わり、最終的に外周壁3から第二の流体へと渡される。このとき、第一の流体の熱は2つの態様によって外周壁3に伝わる。まず、第一の流体が外周壁3の内側面と接触して流れる場合(例えばセル5bを流れる第一の流体の場合)には、第一の流体の熱が直接外周壁3に伝わる。また、第一の流体が外周壁3と接触せずに流れる場合(例えばセル5cやセル5dを流れる第一の流体の場合)には、第一の流体の熱が隔壁7を介して外周壁3に伝わる。
また、本熱交換器21では、図4中の破線の枠αで示した隔壁7(すなわち、セル5cとセル5dとを区画する隔壁7)に穴や亀裂が生じた場合、セル5cおよびセル5dを流れる第一の流体同士が混じり合うだけであるため、致命的な故障にはならない。そのため、隔壁7については、隔壁7の強度を低下させてでも、隔壁7と第一の流体とが盛んに衝突するようになる形状(例えば、隔壁7がねじれているなど)を採用することができる。
本熱交換器21では、隔壁7は、セル5を区画形成する役割の他に、梁として外周壁3を補強する役割も担っている。そのため、外周壁3に穴が生じたり亀裂が生じたりしにくくなっている。この結果、第一の流体と第二の流体とが混じり合ってしまうような致命的な故障が生じにくい。
3.熱交換部材の製造方法:
本発明の熱交換部材の製造方法は、セラミックス原料を含む坏土を一方の端部から他方の端部まで貫通して流体の流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製する成形工程と、一方の端部と他方の端部とを結んだ軸を中心にハニカム成形体をねじり、次いでハニカム成形体のねじられた状態を保持しながらハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程後にハニカム成形体を焼成する焼成工程とを有する。
本発明の熱交換部材の製造方法では、柔らかいハニカム成形体をねじり、そしてねじられた状態を保持しながらハニカム成形体を乾燥することにより、ハニカム成形体を硬化させる。その結果、所望の状態にねじれたハニカム成形体を作製することが可能になる。特に、硬化前のハニカム成形体がねじられた状態から元の状態に戻ろうとすることを防ぐことができる。
以下、本発明の熱交換部材の製造方法の実施形態を参照し、本発明の内容をさらに詳しく説明する。
本実施形態では、円筒形状の熱交換部材を製造することができる。図5は、本実施形態における乾燥工程を模式的に表した図である。乾燥工程では、把持器31を使用することにより、ハニカム成形体40をねじり、そしてこのハニカム成形体40をねじられた状態のまま固定する。把持器31は、リング33a、33bと受け台34とを備える。
リング33a、33bには、複数の凸部37が設けられている。これらの凸部37は、リング33a,33bの幅方向に沿って延びており、またリング33a、33bの周方向に沿って等間隔に並んでいる。
受け台34は、円弧状に凹んだ凹部35が受け台34の長さ方向Xに沿って延びている。この凹部35に円柱形状のハニカム成形体40を載せて固定することができる。また、凹部35の表面には、複数の溝39が受け台の長さ方向Xに沿って延びている。そして、これらの溝39はリング33a,33bの凸部37の間隔と同じ間隔で並んでいる。そのため、これらの溝39にリング33a,33bの凸部37を嵌合させることができる。
まず、本製造方法では、セラミックス原料を含む坏土をハニカム形状に成形することにより、ハニカム成形体を作製する。
続いて乾燥工程を行う。この乾燥工程では、最初に、このハニカム成形体40の端部9a近傍の外周にリング33aを巻き付け、もう一方の端部9b近傍の外周にもリング33bを巻き付ける。
次に、ハニカム成形体40の中心軸41の延びる方向を受け台34の長さ方法Xに合わせた状態にして、ハニカム成形体40を凹部35に載せる。このとき、まずリング33aの凸部37を受け台34の溝39に嵌合することにより、ハニカム成形体40の端部9aを固定する。そして、端部9aを固定したまま、ハニカム成形体40の中心軸41を中心としてリング33bを回転させることにより、ハニカム成形体40を端部9b側からねじる。さらに、このねじられた状態のままリング33bの凸部37を受け台34の溝39に嵌合することにより、ハニカム成形体40の端部9bを固定する。この結果、図5に示されるように、ハニカム成形体40が受け台34上でねじられた状態のまま固定される。ハニカム成形体40は、乾燥が完了するまで受け台34に載せておくと、ねじられた状態のまま硬くなる。
続いて、このハニカム成形体40を焼成することにより、セラミックスを主成分とするハニカム形状の熱交換部材を作り上げることができる。この熱交換部材は、セルが真っすぐに貫通したハニカム成形体をねじって作られたものである。そのため、この熱交換部材では、セルが渦巻き状に曲がっている。
ハニカム成形体40の材料となる坏土の組成や坏土の作製方法、坏土からハニカム成形体を作製する方法については、従来法を採用することができる。例えば、ハニカム成形体を作り上げるセラミックス原料の主成分としては、SiC,アルミナ、アルミニウムチタネートなどを採用することができる。上記したものを主成分とするセラミックス原料からは、熱伝導率が高いセラミックスを作ることができる。これにより、熱交換部材の隔壁や外周壁の熱伝導率を高めることができ、結果として熱交換部材の熱交換効率を向上させることができる。
坏土は、ハニカム成形体10にひびが発生することを防ぐ観点やハニカム成形体40をねじりやすくする観点から、セラミックス原料の100質量部に対して、バインダーが6〜10質量部となるように含まれていることが好ましい。ここでいうバインダーとしては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いることができる。
また、SiCを主成分とするセラミックス原料から坏土を作製した場合には、ハニカム成形体40を乾燥後、ハニカム成形体40に金属Siを積載し、次いで焼成することにより金属Siを含浸させてもよい。このように金属Siを含浸させることにより、隔壁7や外周壁3の熱伝導率を高めることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1,2)
(1)成形工程
SiCと、バインダーと水とを混ぜ合わせ、ニーダーを使用して混練して混練物を得た。この混練物を真空土練機に投入し、円柱状の坏土を作製した。次に、押出機に格子状のスリットが形成された口金を装着し、この押出機に円柱状の坏土を入れて、ハニカム成形体を作製した。ハニカム成形体は、全長100mm、外形50mm、外周壁の厚さ1mm、隔壁の厚さ0.3mm、セル密度25セル/cmである。また、セルの断面形状は、最外周にあるものを除き、全て1.5mm四方の正方形である。
(2)乾燥工程
乾燥工程は、図5に示す把持器3を使用して行った。ハニカム成形体の両端の外周にリングを巻き付け、ハニカム成形体の一方の端部を固定し、他方の端部を表1に示した所定の角度ねじった。そして、ハニカム成形体をねじった状態のまま受け台に固定し、そのままハニカム成形体を乾燥した。
(3)焼成工程
乾燥後、ハニカム成形体に必要量の金属Siを積載し、次いでアルゴン雰囲気下で最高温度1500℃の含浸焼成を行うことにより、Si含浸SiCを主成分とするハニカム焼成体を作製した。さらに、ハニカム焼成体の外周壁を均一に削ることにより、外周壁の表面を滑らかにした。以上により、実施例1〜4および比較例1,2の熱交換部材を製造した。実施例1〜4および比較例1,2の熱交換部材における外周壁および隔壁の熱伝導率は120W/mKであった。
実施例1〜4および比較例1,2の熱交換部材における最外周のセルに中心側で隣接したセル(外周壁から中心軸に沿った方向において外周壁から2個目に位置するセル)について、セル最大幅(d)、セルのずれ幅[一方の端部の開口部の投影像の中心と他方の端部の開口部の投影像の中心との距離(c)]、セル最大幅/セルのずれ幅(c/d)を表1に示す。また、一方の端部の開口部の投影像の中心と他方の端部の開口部の投影像の中心との距離cとセルの一方の端部の開口部の投影像における最大幅dとの関係がc<d、d≦c≦5d、5d<cを満たしているセル数の割合を表1に示す。
Figure 2012077944
(4)熱交換試験
実施例1〜4、比較例1,2の熱交換部材をステンレス製の容器(ケーシング)内に収容することにより、熱交換器(図3に示したものと同じ形の熱交換器)を作製した。熱交換試験について、図3を参照し以下に説明する。第一の流体として350℃の窒素ガス(N)を用いた。第二の流体として水を用いた。そして、熱交換部材のセル内に窒素ガスを流し、同時にケーシングの第二の流体の流路内に水を流した。窒素ガスは、SV(空間速度)50,000h−1にてセル内に流した。熱交換部材のセルの入口より20mm上流を流れる第一の流体の温度を測定し、この測定値を「入口ガス温」とした。セル内を通り抜けセルの出口より200mm下流を流れる第一の流体の温度を測定し、この測定値を「出口ガス温」とした。また、ケーシングの入口を通過する水の温度を測定し、この測定値を「入口水温」とした。ケーシングの出口を通過する水の温度を測定し、この測定値を「出口水温」とした。熱交換部材の前後それぞれに圧力計を配置し、両者の差圧から熱交換部材の内部(セル内)を流れる窒素ガスの圧力損失を測定した。
熱の回収効率(以下、回収効率)は、入口ガス温、出口ガス温、入口水温の値を、式:回収効率=(入口ガス温−出口ガス温)/(入口ガス温−入口水温)×100、に当てはめることよって算出した。結果を表1に示す。また、圧力損失を表1に示す。
実施例1〜4の熱交換体では、回収効率が71.5〜74.7%と高く、また圧力損失が0.5〜0.6kPaと低いことが判明した。比較例1の熱交換体では回収効率が70.2%と劣り、比較例2では圧力損失が0.8kPaと高いことが判明した。
本発明は、熱の受け渡しをする流体の流路として熱交換器に装着し使用することができる熱交換部材およびその製造方法として利用できる。
1:熱交換部材、3:外周壁(伝熱部)、4:外周面、5,5a〜5c:セル、6:中空部、7:隔壁、8a,8b:開口部、9,9a,9b:端部、10:軸、11:ケーシング、13:(第二の流体の)入口、15:(第二の流体の)出口、17:(第二の流体の)流路、19:壁、21:熱交換器、23a,23b:管、31:把持器、33a,33b:リング、34:受け台、35:凹部、37:凸部、39:溝、40:ハニカム成形体、41:中心軸。

Claims (3)

  1. 一方の端部から他方の端部に貫通して第一の流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有し、前記隔壁が前記セル内を流れる前記第一の流体と熱の受け渡しを行う集熱部と、
    前記集熱部の外周に設けられて前記第一の流体と前記集熱部の外周側を流れる第二の流体とを隔てるとともに、前記隔壁を介在させて前記第一の流体と前記第二の流体との熱の受け渡しを行う伝熱部と、を備え
    前記セルが前記一方の端部と前記他方の端部とを結んだ軸を中心として渦巻き状に曲がり、
    全セル数のうちの15〜100%の個数の前記セルは、前記一方の端部の開口部および前記他方の端部の開口部を前記軸に平行な方向で前記軸に垂直な平面上に投射したとき、前記一方の端部の前記開口部の投影像の中心と前記他方の端部の前記開口部の投影像の中心との距離cが前記セルの前記一方の端部の前記開口部の前記投影像における最大幅dに対してd≦c≦5dの関係を満たし、かつ前記d≦c≦5dの関係を満たさない残余の前記セルが存在する場合には該残余のセルがc<dの関係を満たす熱交換部材。
  2. 前記伝熱部が、前記集熱部を内部に収容するとともに前記一方の端部の側から前記他方の端部の側に向けて抜けた筒形状を有する請求項1に記載の熱交換部材。
  3. セラミックス原料を含む坏土を一方の端部から他方の端部まで貫通して流体の流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム形状に成形してハニカム成形体を作製する成形工程と、
    前記一方の端部と前記他方の端部とを結んだ軸を中心に前記ハニカム成形体をねじり、次いで前記ハニカム成形体のねじられた状態を保持しながら前記ハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程後に前記ハニカム成形体を焼成する焼成工程と、を有する熱交換部材の製造方法。
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