JP2012077905A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ねじ軸10と、転動体40を介してねじ軸10に螺合する複数のナット20,30と、該ナット20,30間に配置される間座50とを有し、該間座50によって、転動体40が、予圧方向を引張り方向として2点接触状態で予圧を付与されるボールねじ装置1である。ナット20,30及び間座50には循環路25,32及び第2の貫通穴52が形成され、これらに冷却媒体が供給されて冷却手段を構成する。循環路25,32と第2の貫通穴52との間には密封手段70が設けられる。
【選択図】図1
Description
ここで、軸心冷却は、ねじ軸を中空にして、前記ねじ軸内に冷却媒体を流す構成であるため、大型・長尺のボールねじ装置に採用するにあたっては、ねじ軸に中空穴を空けるために要するコストが問題となり、ナット冷却方式が採用されることが多い。
ナット冷却方式を採用したねじ装置としては、特許文献1に示されているものがある。具体的には、軸方向に沿ってナットに設けた循環路に冷却媒体を通し、該ナットを冷却する技術である。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ダブルナット予圧ボールねじを効率的に冷却でき、かつナットから冷却媒体の漏れを防止することができるボールねじ装置を提供することにある。
前記転動体が、予圧方向を引張り方向として2点接触状態で予圧を付与され、
前記冷却手段が、前記複数のナットの少なくとも一のナットの軸方向に沿って形成された循環路及び該循環路に対応して前記間座に形成された貫通穴を含み、
前記複数のナットの少なくとも一のナットに形成された前記循環路の一方の開口部と、前記間座に形成された前記貫通穴の一方の開口部との間に生じるすきまを密封する密封手段が設けられることを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係るボールねじ装置は、請求項1又は2に記載のボールねじ装置において、前記密封手段は、前記間座の、前記複数のナットの少なくとも一のナットとの接触面における前記循環路の一方の開口部を囲むように形成された第2の収容部と、該第2の収容部に収容された円環状の弾性部材とを有することを特徴としている。
また、本発明の請求項4に係るボールねじ装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のボールねじ装置において、前記複数のナットを互いに固定する固定部材を有することを特徴としている。
以下、本発明に係るボールねじ装置の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るボールねじ装置の第1の実施形態における構成を示す軸方向に沿う断面図である。図2は、本発明に係るボールねじ装置の第1の実施形態における構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図1の2b−2b線に沿う断面図、(c)は図1の2c−2c線に沿う断面図であり、(d)は、第2のナットの他方の端部側の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のボールねじ装置1は、ねじ軸10と、複数のナット(第1のナット20,第2のナット30)と、複数の転動体(例えば、ボール)40と、間座50と、冷却手段60とを有する。
第1のナット20は、ねじ軸10の外径より大きい内径で筒状に形成された本体部21と、該本体部21の端部に径方向に拡設されたフランジ部22とを有する。一方、第2のナット30は、ねじ軸10の外径より大きい内径で筒状に形成された本体部31からなる。
第1のナット20の内周面20aには、ねじ軸10の外周面10aに螺旋状に形成されたねじ溝10bに対向するようにねじ溝20bが形成されている。また、第2のナット30の内周面30aにも、ねじ軸10の外周面10aに螺旋状に形成されたねじ溝10bに対向するようにねじ溝30bが形成されている。そして、ねじ溝20bとねじ溝30bとの間に配設された複数の転動体40により、ねじ軸10と、ねじ軸10の軸方向に配列された第1のナット20及び第2のナット30とが螺合している。このようにして、ねじ溝10bとねじ溝20b,30bとによって形成された転動路において転動体40が転動可能とされ、ねじ軸10と第1のナット20及び第2のナット30とが軸方向に相対移動可能とされる。
図1及び図2(b)に示すように、間座50は、第1のナット20及び第2のナット30の内径とほぼ同じ内径の第1の貫通穴51を有して円環状をなす部材である。間座50は、その第1の貫通穴51にねじ軸10を遊嵌させるようにして第1のナット20と第2のナット30との間に配設されて、第1のナット20と第2のナット30との相対回転を阻止する。
ここで、間座50が第1のナット20と第2のナット30との間に設けられることによって、第1のナット20及び第2のナット30のそれぞれのねじ溝20b,30bと、ボールねじ10のねじ溝10bとの間に組み込まれる複数の転動体40に予圧荷重Fa0で2点接触状態の予圧が与えられている。なお、予圧方向は引張り方向である。
このように、本発明に係るボールねじ装置1では、引張方向の2点接触予圧をナット20に与えることにより、ナット20,30を冷却することによる予圧トルクの増大を打ち消し、効率的にナット20,30を冷却することができる。
第1のナット20(本体部21)には、軸方向に沿って形成された循環路25が形成されている。また、同様に、第2のナット30(本体部31)には、軸方向に沿って形成された循環路32が形成されている。これら循環路25,32のそれぞれの一方の端部は、第1のナット20における間座50に対向する面21a、及び第2のナット30における間座50に対向する面31aに開口している。また、循環路25の他方の端部には、各循環路25を連結する連結路26が形成されている。同様に、循環路32の他方の端部には、各循環路32を連結する連結路33が形成されている(図1及び図2(c)参照)。ここで、図2(d)に示すように、第2のナット30の他方の端部に形成された連結路33にガスケットGが嵌められて、このガスケットGを固定する固定用面板36が第2のナット30の他方の端部に取り付けられる。固定用面板36は、例えば、ボルトなどで第2のナット30に固定される。このようにして、第2のナット30の他方の端部側における冷却液を循環させるための回路が形成されている。
ここで、第1のナット20における間座50に対向する面21aにおける各循環路25の一方の端部(開口部)の位相(面21aにおける位置)と、間座50に形成される各第2の貫通穴52の位相(面50a,50bにおける位置)と、第2のナット30における間座50に対向する面31aにおける各循環路32の一方の端部(開口部)の位相(面31aにおける位置)とは全て一致して形成される。
これら冷却媒体供給口23及び冷却媒体排出口24、循環路25,32、連結路26,33、及び間座50に形成された第2の貫通穴52が、冷却媒体の通路として用いられる。
この排出された冷却媒体は、循環装置内の冷却手段(図示せず)によって冷却され、再び冷却媒体供給口23から第1のナット20及び第2のナット30内に供給することでボールねじ1の温度を制御することができる。
図1に示すように、第1のナット20及び第2のナット30と、間座50との間には、密封手段70が設けられている。具体的には、第1のナット20及び第2のナット30のそれぞれの間座50との接触面21a,31aに、循環路25,32の一方(接触面21a,31a側)の開口部を囲むように第1の収容部28,35が形成されている。そして、第1の収容部28,35には、循環路25,32を囲む円環状の弾性部材71が設置されている。弾性部材71は、例えば、Oリング等である。密封手段70は、第1の収容部28,35と弾性部材71とを有してなる。このようにして第1のナット20及び第2のナット30と、間座50との間に密封手段70が設けられることにより、この部分から冷却媒体が漏れない構造となっている。なお、間座50との密封状態が十分であれば、密封手段70は、第1のナット20及び第2のナット30のいずれかであってもよく、第1の収容部28,35の両方が必ず設けられなくともよい。
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。本実施形態に係るボールねじ装置は、密封手段の構成が前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。
図3は、本発明に係るボールねじ装置の第2の実施形態を示す図である。図3に示すように、本実施形態は、間座50とナット20,30との間に設置される密封手段70を間座50側に形成したことを特徴とする。具体的には、間座50における第1のナット20に対向する一方の面50a、及び間座50における第2のナット30に対向する他方の面50bのそれぞれに、第2の貫通穴52の一方の開口部分を囲むように第2の収容部(凹部)54が形成され、これら第2の収容部54に弾性部材(例えば、Oリング等)71が設置されている。密封手段70は、第2の収容部54と弾性部材71とを有してなる。なお、第1のナット20及び第2のナット30のいずれか一方でとの密封状態が十分であれば、密封手段70は、一方の面50a及び他方の面50bのいずれかの面に設けられればよく、第2の収容部54,54が両面50a,50bの両面に必ず設けられなくともよい。
このように、密封手段70を間座50側に形成したことにより、例えば、間座50側に第2の収容部54を形成すればいいので、従来のナットをそのまま用いることができ、製造コストを低減させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。本実施形態に係るボールねじ装置は、第2のナット30の形態、及び第1のナット20と第2のナット30とを互いに固定する構成が前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。
ここで、ボールねじ装置は、悪条件での使用や、長期間の運転によって、ボールやボール溝が摩耗することによって予圧が抜けてしまうことがある。その場合、第1のナット20と、第2のナット30と、間座50との間には隙間が生じ、弾性部材(例えば、Oリング等)71による冷却回路の密閉性を失いかねない。
そこで、本実施形態のように、間座50を介してナット20,30が互いに軸方向に固定部材80で締結されていることにより、弾性部材71による冷却回路の密閉性を維持することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。本実施形態に係るボールねじ装置は、第1のナット20と第2のナット30とを互いに固定する構成が前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。
本実施形態においても、ナット20,30が互いに固定部材80で締結されていることにより、悪条件での使用や、長期間の運転に起因して生じうる弾性部材71による冷却回路の密閉性の低下を防ぐことができる。
次に、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。本実施形態に係るボールねじ装置は、第1のナット20と第2のナット30とを互いに固定する構成が前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。
10 ねじ軸
20 第1のナット
25 循環路
28 第1の収容部
30 第2のナット
31 本体部
32 循環路
35 第1の収容部
40 転動体
50 間座
51 貫通穴
52 貫通穴
54 第2の収容部
60 冷却手段
70 密封手段
80 固定部材
Claims (4)
- 一のねじ軸と、複数の転動体を介して前記ねじ軸に螺合する複数のナットと、軸方向に配列された前記複数のナット間に配置される間座と、前記ナットを冷却する冷却手段とを備え、
前記転動体が、予圧方向を引張り方向として2点接触状態で予圧を付与され、
前記冷却手段が、前記複数のナットの少なくとも一のナット軸方向に沿って形成された循環路及び該循環路に対応して前記間座に形成された貫通穴を含み、
前記複数のナットの少なくとも一のナットに形成された前記循環路の一方の開口部と、前記間座に形成された前記貫通穴の一方の開口部との間に生じるすきまを密封する密封手段が設けられることを特徴とするボールねじ装置。 - 前記密封手段は、前記複数のナットの少なくとも一のナットの前記間座との接触面における前記貫通穴の一方の開口部を囲むように形成された第1の収容部と、該第1の収容部に収容された円環状の弾性部材とを有することを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
- 前記密封手段は、前記間座の、前記複数のナットの少なくとも一のナットとの接触面における前記貫通穴の一方の開口部を囲むように形成された第2の収容部と、該第2の収容部に収容された円環状の弾性部材とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ装置。
- 前記複数のナットを互いに固定する固定部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のボールねじ装置。
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2010
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