JP2012077855A - 建設機械の旋回制御油圧回路 - Google Patents

建設機械の旋回制御油圧回路 Download PDF

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Abstract

【課題】油圧ショベルのブーム上げと旋回の複合操作時に、作業条件に応じて旋回速度を予め調整して、操作性を向上させると同時に省エネも実現する。
【解決手段】第一および第二ポンプ21,22の2連の油圧ポンプを有し、ブーム上げ操作では両ポンプからの圧油を合流させてブームシリンダ9に供給し、旋回操作では第一ポンプからの圧油を旋回モータ12に供給するように構成された油圧ショベルにおいて、旋回モータの左右の通路を連通させ、且つ、ポンプから旋回モータへの圧油通路を遮断させる旋回連通弁35を有し、ブーム上げと旋回の複合操作時に、オペレータにより予め設定された旋回速度または時間に達すると、旋回連通弁が作動を開始するように構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械の旋回制御油圧回路に関わり、特にブーム上げと旋回の複合操作時に、作業条件に応じた優れた操作性と省エネを実現する旋回制御の油圧回路に関するものである。
従来、アクチュエータの駆動用に2個の可変容量ポンプを搭載し、第1油圧ポンプに旋回用コントロールバルブとブーム2速用コントロールバルブをパラレル接続し、第2油圧ポンプにブーム1速用コントロールバルブを接続してある油圧ショベルにおいて、ブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回を行うと、ブームシリンダにはブーム2速用コントロールバルブとブーム1速用コントロールバルブを経て、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプからの圧油が合流して供給される。また旋回モータには第1油圧ポンプからの圧油が供給されるが、ショベルの旋回部分の慣性モーメントは、土砂も含めると非常に大きいので回転速度は旋回モータの加速トルクに応じて徐々に増して行き、旋回モータの回転速度に対応して供給量が増えて行く、その分ブームシリンダへの合流分が減って行く。なお、旋回モータの加速トルクは圧油の圧力によって決まるが、その圧力は合流により旋回モータのリリーフ圧よりも低いブームの負荷圧となっている
ダンプカーへの土砂積み込み作業等では、作業における旋回角度を出来るだけ小さくするように段取りした方が効率的であり、90°以下での作業段取りとすることが多いが、ブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回において、90°以下の少ない旋回角度ではブーム上げが追いつかず、トラックの荷台高さまで上がらないことがあり、この改善のために、ブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回操作時には旋回モータへ圧油を供給する通路に絞りを入れることにより旋回モータへの圧油の供給を抑えて、ブーム上げを早くするものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回操作開始時に旋回モータへ圧油を供給する第1油圧ポンプより、ブーム1速用コントロールバルブを接続してある第2油圧ポンプの吐出流量を一定量高くするものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−302751号公報 特開2005−83427号公報
特許文献1記載の発明は、旋回モータへ圧油を供給する通路に絞りを入れて、この絞りによる圧力損失分だけブームシリンダの負荷圧より低くすることにより、旋回モータの加速トルクを低くし、旋回の加速を抑える。これにより旋回モータへの圧油の供給が減った分だけブームシリンダへの供給が増え、ブーム上げが早くなる効果はあった。しかし、旋回の加速トルクを抑える為に、旋回モータへ圧油を供給する通路に絞りを入れて圧力損失を発生させているが、それは全て損失となり、更にその圧力損失が熱損失に変わった熱を冷やすために更に余分なエネルギーが必要であり、燃費の低下を招く恐れがあった。
また、特許文献2記載の発明は、旋回モータへ圧油を供給する第1油圧ポンプの吐出流量を低くした分、ブーム1速用コントロールバルブを接続してある第2油圧ポンプの吐出流量を高くしており、これを実現するには第2油圧ポンプを大型化する必要が出てくる。油圧ポンプを大型化するとコストも問題となるし、油圧ポンプを油圧ショベルに搭載設計する場合にそのスペースを確保するのが困難になる恐れがあった。
そこで、本発明の主な目的は、絞りに依る損失を引き起こすことなく、また油圧ポンプを大型化することもなく、ブーム上げと旋回の複合操作時に、異なる旋回作業角度等の作業条件に応じて、予めオペレータが手動操作によって調整することにより優れた操作性を実現すると共に、省エネ効果も得られる建設機械の旋回制御油圧回路を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、第一および第二ポンプの2連の油圧ポンプを有し、ブーム上げ操作では上記第二および第一ポンプからの圧油を合流させてブームシリンダに供給し、旋回操作では上記第一ポンプからの圧油を旋回モータに供給するように構成された作業アタッチメントを備えた建設機械の油圧制御回路において、ブーム上げ操作を検出するブーム上げ検出手段と、旋回操作を検出する旋回検出手段と、旋回速度を検出する旋回速度検出手段と、旋回モータの左右の通路を連通させ、且つ、上記第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断させる油圧制御手段とを有し、この油圧制御手段が、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってブーム上げと旋回の複合操作を検出した上で、上記旋回速度検出手段からの旋回速度が予め設定された旋回速度に達すると、作動を開始するように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、上記の発明において、上記油圧制御手段は、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってのブーム上げと旋回の複合操作が検出されなくなると、作動を停止し、上記旋回速度検出手段により、一旦予め設定された旋回速度に達して作動を開始した後、別に定めた値の減速があると、その作動を停止するように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、第一および第二ポンプの2連の油圧ポンプを有し、ブーム上げ操作では上記第二および第一ポンプからの圧油を合流させてブームシリンダに供給し、旋回操作では上記第一ポンプからの圧油を旋回モータに供給するように構成された作業アタッチメントを備えた建設機械の油圧制御回路において、ブーム上げ操作を検出するブーム上げ検出手段と、旋回操作を検出する旋回検出手段と、旋回モータの左右の通路を連通させ、且つ、上記第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断させる油圧制御手段とを有し、この油圧制御手段が、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってブーム上げと旋回の複合操作を検出した上で、上記旋回検出手段からの旋回操作時間が予め設定された旋回時間に達すると、作動を開始するように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、上記の発明において、上記油圧制御手段は、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってのブーム上げと旋回の複合操作が検出されなくなると、作動を停止し、上記旋回検出手段により、一旦予め設定された旋回時間に達して作動を開始した後、別に定めた値の作動時間に達すると、その作動を停止するように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、上記の発明において、上記予め設定された旋回速度または予め設定された旋回時間をオペレータが手動操作によって調整することができる調整手段が備えられていることを特徴とするものである。
また、この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、上記の発明において、上記油圧制御手段において、旋回モータの左右の通路を連通させる通路上にチェック弁を備え、旋回操作の操作に合わせた旋回モータの回転方向にのみ油の流れを許すように構成されていることを特徴とするものである。
この発明にかかる建設機械の旋回制御油圧回路は、ダンプカーへの土砂積み込み作業等のブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回操作において、オペレータの手動操作により予め設定された旋回速度または旋回時間に達すると、旋回モータの左右の通路を連通させて一定回転として、旋回の加速を抑えると同時に第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断することにより、第一ポンプの圧油を旋回モータに供給することを停止してブームシリンダへ供給する。これにより、絞りに依る損失を引き起こすことなく、また油圧ポンプを大型化することもなく、ブーム上げと旋回の複合操作時にブーム上げ速度を上昇させられ優れた操作性が得られる。
また、予め設定された旋回速度または旋回時間をオペレータの手動操作により、旋回角度の異なる現場の作業条件に合わせて予め調整しておくことにより、どのような現場にもブーム上げと旋回のタイミングを優れたものに合わせられると同時に、絞りによる調整で無い為に絞りによる圧力損失は発生せず、絞られて熱に変わる絞りロスは皆無となる。また同じ時間で、同じ旋回角度まで旋回するのに旋回速度は低くて済むので、旋回動作への投入エネルギーが少なくなり、更に省エネとなり、この省エネ分だけサイクルタイムの短縮も期待できる。
油圧ショベルの概略構成を示す模式図である。 本発明の第1の油圧回路図である。(実施例1) 本発明の第2の油圧回路図である。(実施例2) 第1の油圧回路図でのコントローラの作用を示すフローチャートである。 第2の油圧回路図でのコントローラの作用を示すフローチャートである。 特許文献1における持ち上げ旋回操作時の油圧回路の模式図である。 時間軸に対する旋回速度と旋回角度を示す特性の模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、油圧ショベルの概略構成を示す模式図である。図1において、ショベル1は、下部走行体2と、上部旋回体3と、掘削アタッチメント4とから構成されている。下部走行体2は、左右のクローラを回転駆動する左右の走行用モータ(図示せず)を有している。上部旋回体3は、旋回フレーム、キャビン5などから成っている。旋回フレームには、図2以降に示す、動力源(図示せず)に連結された油圧ポンプ21、22と、上部旋回体3を回転させるための旋回モータ12と、ショベル全体の制御を行うコントローラ57と、複数のコントロールバルブとが設置されている。掘削アタッチメント4は、ブーム6と、伸縮作動してブーム6を起伏させるブームシリンダ9と、アーム7と、アーム7を回動させるアームシリンダ10と、バケット8と、バケット8を回動させるバケットシリンダ11とを具備している。
実施例1を図2の本発明の第1の油圧回路図に従って詳述する。油圧ショベルの作業アタッチメントはブーム6の上げ/
下げ、アーム7 の押し(上向き回動)/ 引き(下向き回動)、バケット8の掘削(すくい)/ 戻しの各動作によって掘削、積み込み等の各種作業を行うが、課題はブーム上げと旋回の複合操作時を対象としている為に、図2においてはブーム上げと旋回のコントロールバルブと油圧ポンプとを主に記載して、他は省いてある。
図2において、第1油圧ポンプ21には旋回用コントロールバルブ31、ブーム2速用コントロールバルブ32が接続され、第2油圧ポンプ22にはバケット用コントロールバルブ33、ブーム1速用コントロールバルブ34が接続されている。また各コントロールバルブは、油圧ポンプ21、22に対して、それぞれのセンターバイパス通路を直列に接続するタンデム回路41,42と、それぞれのポンプポート同士を並列に接続するパラレル回路とによって接続されている。
また、51はブーム用のリモコン弁で、このブーム用リモコン弁51によってブーム用コントロールバルブ32,34が制御される。また、53は旋回用のリモコン弁で、この旋回用リモコン弁53によって旋回用コントロールバルブ31が制御される。
なお、本発明ではブーム上げの複合操作時に関する事柄を問題としているため、図の簡略化の観点から、主旨と無関係な他のリモコン弁の図示を省略するとともに、ブーム用のリモコン弁51についても、ブーム上げのパイロットラインのみを図示している。また、コントロールバルブについても前記の如く省略している。
旋回連通弁35は旋回モータ12と旋回用コントロールバルブ31との間に設置されており、作動時には旋回モータへの通路47と48を連通させる働きをする弁であり、電磁方向切換弁36に依って制御される。なお、旋回連通弁35の連通の位置(イ)、(ロ)にはそれぞれチェック弁37、38が設置されており、旋回用のリモコン弁53の操作指令と逆の回転を防止している。
電磁方向切換弁36は、旋回用のリモコン弁53からパイロット圧油の供給を受け、コントローラ57からの制御電流を受けて、旋回連通弁35へパイロット圧油を送る。これにより、旋回連通弁35は旋回モータへの通路47と48を連通させると同時に旋回用コントロールバルブ31からの通路45,46を遮断する。
55は旋回モータ12に連結された回転数センサであり、回転数nの信号はこの回転数センサ55によりコントローラ57に送られる。また、56はダイヤルであり、予め設定された旋回速度を調整する働きがあり、オペレータの手動操作によって作業条件にマッチした旋回速度に予め設定できる。この設定された旋回速度Noの信号はコントローラ57に送られる。なお、56のダイヤルはタッチパネル等でも良い。
54は旋回用リモコン弁53の旋回操作パイロット圧力を検出する圧力センサで、旋回用リモコン弁53の左右どちらかの旋回操作によりシャトル弁からのパイロット圧Psを検出し、この圧力センサ54からの圧力信号がコントローラ57に送られる。また、52はブーム用リモコン弁51のブーム上げパイロット圧力Pbを検出する圧力センサで、この圧力センサ52からの圧力信号がコントローラ57に送られる。
詳細は後述するが、57はコントローラであり、旋回操作パイロット圧力Psを検出する圧力センサ54とブーム上げパイロット圧力Pbを検出する圧力センサ52から、ブーム上げと旋回の複合操作と判定した上で、旋回の回転数センサ55からの回転数nの信号により、本体の回転数Nを演算し、演算された本体の回転数Nが旋回速度がダイヤル56から予め設定された旋回速度Noに達すると、電磁方向切換弁36に制御電流が出力される。
電磁方向切換弁36はコントローラからの制御電流を受けて切り替わり、旋回用リモコン弁53からのパイロット圧を旋回連通弁35に送る。旋回用コントロールバルブ31が切り替えられて、その右側の位置となり、通路45に圧油が供給されていた後、旋回連通弁35が切り替わる場合は(ロ)の位置となる。また、通路46に圧油が供給されていた後、旋回連通弁35が切り替わる場合は(イ)の位置となる。
(イ)、(ロ)の位置にはそれぞれチェック弁37、38があり、旋回連通弁35が切り替わる直前の旋回モータの回転方向に合わせて、旋回モータが回転する場合には連通しているが、逆回転にはブロックとなる。
旋回連通弁35が切り替わり、(イ)または(ロ)の位置になると、旋回モータへの通路47、48が連通し、旋回の慣性モーメントが非常に大きいために、惰性で定常回転となる。一方通路45、46は遮断され、第1油圧ポンプ21からの圧油は旋回モータへは供給されなくなり、ブーム2速用コントロールバルブ32を経てブーム上げの圧油として合流される。
次に、図4は第1の油圧回路図でのコントローラの作用を示すフローチャートであるが、このフローチャートに基づいてコントローラの働きの詳細を説明する。
図4のS1ステップにおいて、ブーム上げパイロット圧力Pbが、ブーム上げ操作の有無を判定するパイロット圧の所定値Pb1より大きいか判定される。ブーム上げ操作が有るとPbはPb1より大きいので、S2ステップとなる。
つぎに、図4のS2ステップにおいて、旋回操作パイロット圧力Psが、旋回操作の有無を判定するパイロット圧の所定値Ps1より大きいか判定される。旋回操作が有るとPsはPs1より大きいので、S4ステップとなる。なお、S1ステップ、S2ステップで各々の所定値より大きくない場合は、複合操作が無いとしてS3ステップに移り、電磁方向切換弁36への制御電流出力を停止する。
つぎに、図4のS4ステップにおいてショベルの本体回転数Nを演算する。旋回の回転数センサ55からの回転数nと本体回転との減速比ZとからNは次式より演算される。
N=Z*n -----(1)
演算すると、S5ステップに移る。
図4のS5ステップにおいては、本体回転数Nが、予め設定された旋回速度Noの値以上か判定される。以上であればS6ステップに移り、S6ステップにおいて電磁方向切換弁36に制御電流を出力する。
図4のS5ステップで、本体回転数Nが、予め設定された旋回速度Noの値以上でなければS7ステップに移り、電磁方向切換弁36への制御電流が出力されているか判定される。出力されていなければ、本体回転数Nが、予め設定された旋回速度Noの値に達していないし、出力も無い状態であり、S1ステップに戻る。
図4のS7ステップで、電磁方向切換弁36への制御電流が出力されていれば、S8ステップに移り、S8ステップで本体回転数Nが、予め設定された旋回速度Noから、僅かに少ない所定の値を減算したNmより大きいか判定される。大きければ、出力をそのままで、S1ステップに戻る。
図4のS8ステップで本体回転数Nが、予め設定された旋回速度Noから、僅かに少ない所定の値を減算したNmより大きくない場合は、S9ステップに移り、制御電流の出力により、一旦連通されて定常回転となったものが、しゅう動抵抗等により所定の回転速度だけ減速したとして、旋回モータへの通路47と48との連通を解除すべく電磁方向切換弁36への制御電流出力を停止する。
図6は特許文献1における持ち上げ旋回操作時の油圧回路の模式図である。図6において、ブーム上げと旋回の複合操作時に旋回モータ12への通路に絞りを設置して、旋回モータ12への流量Q1sを押さえ、その分ブームシリンダへの合流流量Q1bを増やしている。具体的には絞りにより圧力損失△Pを発生させ、旋回モータの加速トルクを低くして、旋回モータの回転速度の加速を抑えて回転速度を遅くし、その吸収流量Q1sを低くして合流流量Q1bを増やしている。しかし、圧力損失△Pは仕事をするわけではなく、熱損失に変わっただけであり、更に熱を冷やすために追加のエネルギーが必要となる。
図7は本発明に係る時間軸に対する旋回速度と旋回角度を示す特性の模式図であり、縦軸は上方が本体の旋回速度、下方が本体の旋回角度、横軸は時間(秒)である。なお、ブーム上げの負荷圧は比較的変動が少ないので、この模式図では負荷圧は一定と仮定した。
Aのカーブは図6の絞りの無い従来の方式で、負荷圧が一定なので旋回モータの加速トルクも一定であり、旋回速度が時間に比例して増加していくものである。Bのカーブは図6に示す特許文献1のカーブであり、旋回速度が上がると共に絞りを通る流量が増え、圧力損失△Pがその流量の二乗で増えるため、旋回モータの加速トルクが下がり、旋回速度がAのカーブから下がっていくものである。Cのカーブが本発明に係るカーブであり、旋回速度がω1になるまではAのカーブと同じであるが、そこからは定常速度となったカーブである。
従来のAのカーブでは、ダンプカーへの土砂積み込み作業等のブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回操作において、旋回角度が大きく、ブーム上げが追いつかないので、旋回角度を抑えたBのカーブが考案されている。このBのカーブと同じ時間(t2)で、同じ旋回角度(θ2)となる、予め設定された旋回速度Noがω1の時の本発明に係るカーブがCのカーブである。
土砂を含めたショベルの回転本体の慣性モーメントは非常に大きいが、これをIとして回転速度をωとし、その運動エネルギーをKとすると、Kは次式となる。
K=1/2*I*ω*ω -----(2)
Bのカーブが旋回速度をω2まで上げて、t2時間で旋回角度をθ2までにしているのに対して、Cのカーブは旋回速度をω1に留めた上で同じ時間(t2)に、同じ旋回角度(θ2)を達成している。例えばω1がω2に比して15%程度旋回速度が低い場合ではω1での運動エネルギーはその二乗に比例するため、ω2に比して約30%運動エネルギーが低くなる。これは逆に旋回角度θ2を達成するのに投入しないといけないエネルギーが30%少なくて良く省エネに効果がある。なお、Bのカーブを達成するには絞りがあり、この絞りによる圧力損失はこれに追加して省エネ効果を損なうものである。
以上により、ダンプカーへの土砂積み込み作業等のブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回操作において、オペレータの手動操作により予め設定された旋回速度に達すると、旋回モータの左右の通路を連通させて一定回転として旋回の加速を抑えると同時に第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断することにより、第一ポンプの圧油を旋回モータに供給することを止めてブームシリンダへ供給する。これにより、絞りに依る損失を引き起こすことなく、また油圧ポンプを大型化することもなく、ブーム上げと旋回の複合操作時にブーム上げ速度を上昇させられ優れた操作性と、高い省エネ効果が得られる。実際的には、ブームがより早く上がるので、これに合わせて図7の設定された旋回速度Noを少し高くして、旋回時間を短くし、サイクルタイムも短縮することになる。
図3は本発明の第2の油圧回路図であるが、実施例1を次の如く一部変形したものである。即ち、図2の旋回の回転数センサ55を省き、図2の旋回連通弁35と電磁方向切換弁36の代わりに図3の旋回連通弁39と電磁弁40を設けたものである。他は全て同じであるので詳細説明は省略する。
実施例2は、実施例1の予め設定された旋回速度Noの代りに、旋回速度Noに相当する予め設定された旋回時間Toを設定して、回転数センサ55を省いてコストの上昇を抑えたものである。図3の旋回連通弁39と電磁弁40は簡易型の実施例であり、図2の旋回連通弁35と電磁方向切換弁36を使っても良い。なお、図3中、図2に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
図3の説明においては、図2と異なる部分を中心に説明するものとする。図3の旋回連通弁39は旋回モータ12と旋回用コントロールバルブ31との間に設置されており、作動時には旋回モータへの通路47と48を連通させる働きをする弁であり、電磁弁40に依って制御される。
電磁弁40は、旋回用のリモコン弁53からパイロット圧油の供給を受け、コントローラ57からの制御電流を受けて、旋回連通弁39へパイロット圧油を送る。これにより、旋回連通弁39は旋回モータへの通路47と48を連通させると同時に旋回用コントロールバルブ31からの通路45,46を遮断する。
また、56はダイヤルであり、予め設定された旋回時間Toを調整する働きがあり、オペレータの手動操作によって作業条件にマッチした旋回時間に予め設定できる。この設定された旋回時間Toの信号はコントローラ57に送られる。
詳細は後述するが、57はコントローラであり、旋回操作パイロット圧力Psを検出する圧力センサ54とブーム上げパイロット圧力Pbを検出する圧力センサ52から、ブーム上げと旋回の複合操作と判定した上で、旋回時間がダイヤル56から予め設定された旋回時間Toに達すると、電磁弁40に制御電流が出力される。
電磁弁40はコントローラからの制御電流を受けて作動し、旋回用リモコン弁53からのパイロット圧を旋回連通弁39に送る。
それにより、旋回連通弁39が切り替わり、旋回モータへの通路47、48が連通し、旋回の慣性モーメントが非常に大きいために、惰性で定常回転となる。一方通路45、46は遮断され、第1油圧ポンプ21からの圧油は旋回モータへは供給されなくなり、ブーム2速用コントロールバルブ32を経てブーム上げの圧油として合流される。
次に、図5は第2の油圧回路図でのコントローラの作用を示すフローチャートであるが、このフローチャートに基づいてコントローラの働きの詳細を説明する。
図5のS11ステップ、S11ステップは、図4のS1ステップ、S2ステップと同じであり、説明を省く。図5のS14ステップにおいては、旋回操作時間が、予め設定された旋回時間Toの値以上か判定される。以上であればS15ステップに移り、S15ステップにおいて、図2における予め設定された旋回速度Noから、僅かに少ない所定の値を減算したNmに相当するTouより小さいか判定される。
図5のS15ステップにおいて、旋回操作時間が、Nmに相当するTouより小さい場合は、S16ステップに移り、旋回操作時間がTo(No相当)以上で、Tou(Nm相当)に達していないとして、電磁方向切換弁36に制御電流を出力する。これにより、旋回モータへの通路47と48は連通される。
図5のS15ステップにおいて、旋回操作時間が、Nmに相当するTouより小さくない場合は、S13ステップに移り、旋回操作時間がTou(Nm相当)に達したとして、旋回モータへの通路47と48との連通を解除すべく電磁方向切換弁36への制御電流出力を停止する。
図6、図7に対する説明は実施例1と同じであり、以上により、ダンプカーへの土砂積み込み作業等のブーム上げと旋回を同時に操作するいわゆる持ち上げ旋回操作において、オペレータの手動操作により予め設定された旋回時間に達すると、旋回モータの左右の通路を連通させて一定回転として旋回の加速を抑えると同時に第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断することにより、第一ポンプの圧油を旋回モータに供給することを止めてブームシリンダへ供給する。これにより、絞りに依る損失を引き起こすことなく、また油圧ポンプを大型化することもなく、ブーム上げと旋回の複合操作時にブーム上げ速度を上昇させられ優れた操作性と、高い省エネ効果が得られる。
1 ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 掘削アタッチメント
5 キャビン
6 ブーム
7 アーム
8 バケット
9 ブームシリンダ
10 アームシリンダ
11 バケットシリンダ
12 旋回モータ
21 第1油圧ポンプ
22 第2油圧ポンプ
23、24 ポンプレギュレータ
31 旋回用コントロールバルブ
32 ブーム2速用コントロールバルブ
33 バケット用コントロールバルブ
34 ブーム1速用コントロールバルブ
35 旋回連通弁
36 電磁方向切換弁
37、38 チェック弁
39 旋回連通弁
40 電磁弁
41、42 タンデム回路
43、44 ネガコン絞り
45、46 通路
47、48 通路
51 ブーム用リモコン弁
52 圧力センサ
53 旋回用リモコン弁
54 圧力センサ
55 回転数センサ
56 ダイヤル
57 コントローラ

Claims (6)

  1. 第一および第二ポンプの2連の油圧ポンプを有し、ブーム上げ操作では上記第二および第一ポンプからの圧油を合流させてブームシリンダに供給し、旋回操作では上記第一ポンプからの圧油を旋回モータに供給するように構成された作業アタッチメントを備えた建設機械の油圧制御回路において、ブーム上げ操作を検出するブーム上げ検出手段と、旋回操作を検出する旋回検出手段と、旋回速度を検出する旋回速度検出手段と、旋回モータの左右の通路を連通させ、且つ、上記第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断させる油圧制御手段とを有し、この油圧制御手段が、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってブーム上げと旋回の複合操作を検出した上で、上記旋回速度検出手段からの旋回速度が予め設定された旋回速度に達すると、作動を開始するように構成されていることを特徴とする建設機械の旋回制御油圧回路。
  2. 上記油圧制御手段は、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってのブーム上げと旋回の複合操作が検出されなくなると、作動を停止し、上記旋回速度検出手段により、一旦予め設定された旋回速度に達して作動を開始した後、別に定めた値の減速があると、その作動を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の建設機械の旋回制御油圧回路。
  3. 第一および第二ポンプの2連の油圧ポンプを有し、ブーム上げ操作では上記第二および第一ポンプからの圧油を合流させてブームシリンダに供給し、旋回操作では上記第一ポンプからの圧油を旋回モータに供給するように構成された作業アタッチメントを備えた建設機械の油圧制御回路において、ブーム上げ操作を検出するブーム上げ検出手段と、旋回操作を検出する旋回検出手段と、旋回モータの左右の通路を連通させ、且つ、上記第一ポンプからの旋回モータへの圧油通路を遮断させる油圧制御手段とを有し、この油圧制御手段が、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってブーム上げと旋回の複合操作を検出した上で、上記旋回検出手段からの旋回操作時間が予め設定された旋回時間に達すると、作動を開始するように構成されていることを特徴とする建設機械の旋回制御油圧回路。
  4. 上記油圧制御手段は、上記ブーム上げ検出手段および旋回検出手段によってのブーム上げと旋回の複合操作が検出されなくなると、作動を停止し、上記旋回検出手段により、一旦予め設定された旋回時間に達して作動を開始した後、別に定めた値の作動時間に達すると、その作動を停止するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の建設機械の旋回制御油圧回路。
  5. 上記予め設定された旋回速度または予め設定された旋回時間をオペレータが手動操作によって調整することができる調整手段が備えられていることを特徴とする請求項1〜4
    記載の建設機械の旋回制御油圧回路。
  6. 上記油圧制御手段において、旋回モータの左右の通路を連通させる通路上にチェック弁を備え、旋回操作の操作に合わせた旋回モータの回転方向にのみ油の流れを許すように構成されていることを特徴とする請求項1〜4記載の建設機械の旋回制御油圧回路。





























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