JP2012075491A - 他覚的屈折波面収差測定装置、手術用顕微鏡およびスリットランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検眼の眼底に照明光を照射する光源100、被検眼の眼底から反射された反射光束を複数の光束に分割するハルトマン板120およびハルトマン板120で分割された分割光束を受光する受光部122を有する波面測定系を備える。また、被検眼の前眼部を照明する光源112および被検眼の前眼部から反射された光を受光する受光部114を有した前眼部観察系を備える。そして、対物レンズ108は、波面測定系と前眼部観察系で共通の対物レンズとして機能する。
【選択図】図1
Description
図1には、発明を利用した実施形態のブロック図が示されている。図1には、実施形態の他覚的屈折波面収差測定装置100が示されている。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、被検眼の眼底に照明光を照射する照明光学系を備えている。以下、照明光学系について説明する。他覚的屈折波面収差測定装置100は、被検眼150の眼底に照射する測定光を発光する光源101を備えている。光源101は、波長830nmの赤外光を発光するレーザーダイオードである。符号102は、光源101からの光束を整えるレンズ系である。なお、レンズ系102は、簡略化された記載となっているが、実際は複数のレンズを組み合わせた光学系とされている。これは、後述する他のレンズ系においても同様である。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、被検眼の眼底から反射された反射光束を複数の光束に分割するハルトマン板およびこのハルトマン板で分割された分割光束を受光する第1の受光部を有する波面測定系を備えている。以下、波面測定系について説明する。被検眼150の眼底で反射された光源101からの照明光(以下、眼底反射光)は、ダイクロイックミラー109で図の下方向に反射され、対物レンズ108を通った後、ダイクロイックミラー107で図の右方向(レンズ系106の方向)に反射される。レンズ系106を図の左方向から右方向に通過した眼底反射光は、偏光ビームスプリッタ104で分離され、その一部の偏光成分(主に眼底で偏波面が回転した偏光成分)が、レンズ系120の方向に反射される。偏光ビームスプリッタ104からレンズ系120の方向に反射された眼底反射光の光束は、ハルトマン板121で複数の光束に分割され、受光部122で受光される。ここで、ハルトマン板121は、被検眼150の瞳と共役な関係にあり、受光部122は、CMOSイメージセンサにより構成されている。受光部122により、被検眼150からの反射光の波面情報が光学的に検出される。この波面情報には、眼の屈折特性に係る情報が含まれており、例えば、眼球内部の検査や屈折矯正手術に利用される。ここで、対物レンズ108は、後述するように、前眼部観察系と共有されている。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、被検眼の前眼部を照明する前眼部照明系を備えている。以下、前眼部照明系について説明する。他覚的屈折波面収差測定装置100は、前眼部照明系を構成する光源112を有している。光源112は、波長940nmの赤外光を発光するLEDである。光源112は、図1では明らかでないが、ダイクロイックミラー109の下方の両側(左右)の2箇所に配置されており、ダイクロイックミラー109に照明光を照射し、そこで反射された光(赤外光)が被検眼150に対して照射される構成とされている。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、前眼部照明系で照明された被検眼の前眼部から反射された光を受光する受光部を有する前眼部観察系を備えていえる。以下、前眼部観察系について説明する。光源112からダイクロイックミラー109を介して、被検眼150に対して照射された照明光に含まれる波長940nm付近の光は、被検眼150の前眼部で反射され(以下、この反射光を前眼部反射光という)、ダイクロイックミラー109で図1の下方向に反射される。この波長940nmの光を含む前眼部反射光は、対物レンズ108を通り、更にダイクロイックミラー107を透過し、レンズ系113に至る。そして、レンズ系113を通過した前眼部反射光は、受光部114で受光される。受光部114はCCDセンサであり、波長940nmの前眼部反射光に基づく画像データ(つまり、前眼部の画像データ)を検出する。なお、被検眼150からの可視帯域の反射光は、ダイクロイックミラー109を図の右方向に透過し、他覚的屈折波面収差測定装置100の外部に抜ける。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、前眼部観察系で得られた前眼部像の画像データを出力する画像データ出力部115を備えている。画像データ出力部115は、受光部114において得られる前眼部の画像データを出力する機能に加えて、前眼部の画像に受光部122において得られる波面収差の情報を統合した画像データを合成し、それを出力する機能を有する。例えば、前眼部の画像中に眼底からの反射光の波面情報を視覚的に埋め込み、波面情報が色彩情報として表示された画像データを生成し、それを出力する。この場合、部分的な色彩の違いにより、波面収差の様子が視覚的に把握できる前眼像を得ることができる。よって厳密な瞳孔中心を波面収差表示の原点とすることができる。また、後述するように、他覚的屈折波面収差測定装置100は、角膜形状測定用部材であるプラチド板202を取り付けることで角膜形状を測定することができるが、画像データ出力部115は、測定した角膜形状データと波面情報とを連動して出力する機能を有する。このように、前眼部像の画像データや角膜形状データや波面収差情報などを組み合わせて表示することで、様々な診断が可能となる。プラチドリング板は導光板になっており、プラチド板の周辺部の設けられた複数(たとえば36個)のLED光源の光がプラチド内を伝播し、プラチドリング部分で光が眼の方向に拡散しやすいように、その部分が拡散加工されている。また、後述するように、画像データ出力部115は、ダイクロイックミラー109を回転させた場合や他覚的屈折波面収差測定装置100を傾けた場合に、その影響を取り込んだ上で、波面測定系が測定した波面データの座標軸を変更し、適切な波面データが得られるようにデータの変換を行う。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、ダイクロイックミラー109の回転を制御・検知するダイクロイックミラー回転制御・検知部116を備えている。ダイクロイックミラー109は、被検眼150に向かう方向を中心として、左右に振ることができる構造とされている。この駆動は、図1では図示されていない駆動モータおよびギア機構により行われる。ダイクロイックミラー回転制御・検知部116は、この駆動モータの制御を行う。なお、ダイクロイックミラー109の回転角は、図示しないロータリーエンコーダにより検出され、その情報は、ダイクロイックミラー回転制御・検知部116にフィードバックされる。また、この回転角度情報は、画像データ出力部115に送られる。なお、ダイクロイックミラー109の回転を手動で行う構造も可能である。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、傾斜角検出部117を備えている。後述するように、他覚的屈折波面収差測定装置100は、被検眼の斜め下方に配置され、被検眼の斜め下方から測定を行うことができる構成とされている。この際、正面からの測定でないので、適切な波面情報を得るには、傾いた角度(仰角)に基づいて、波面情報の座標系を変換する必要がある。傾斜角検出部117は、他覚的屈折波面収差測定装置100の傾斜角を検出する傾斜角センサを備え、その出力に基づき、傾斜角の情報を画像データ出力部115に出力する。画像データ出力部115は、この傾斜角の情報に基づき、波面測定系が検出した波面情報の座標系を変換し、傾いた位置から測定した際の誤差を補正した波面データを生成する。
図2には、図1にブロック図を示す他覚的屈折波面収差測定装置100の外観が示されている。図3には、他覚的屈折波面収差測定装置100の外側のケースを取り去り、内部構造が見える状態が示されている。図4には、図3に示す状態を正面から見た状態が示されている。以下、図2〜図4を参照して、他覚的屈折波面収差測定装置100の構造について説明する。なお、図2〜図4において、図1と同じ符号の部分は、図1に関連して説明した内容と同じ部分を示している。
図5、図6には、手術用顕微鏡(図示省略)に取り付けるアダプターを取り付けた他覚的屈折波面収差測定装置100が示されている。上記のアダプターは、略U字型のアーム301、取付け板302、この取付け板302を他覚的屈折波面収差測定装置100の本体に固定する固定部材303が示されている。アーム301が、その略U字型の部分で出術用顕微鏡の筒部分を両側から挟んだ状態において、取付け板302が手術用顕微鏡に螺子止めされ、他覚的屈折波面収差測定装置100の手術用顕微鏡への取り付けが行われる。この際、ダイクロイックミラー109が、手術用顕微鏡の光軸に位置するように位置関係を調整する。こうして、他覚的屈折波面収差測定装置100を備えた手術用顕微鏡が得られる。また、図示しないが、ダイクロイックミラー109は、車のドアミラーのように、電動で開閉し(開が図5の状態、閉で対物レンズ108の前に垂直にしまい込まれる状態)になり、術者がダイクロイックミラー無しの、通常の手術用顕微鏡とまったく同じ状態で、手術中の眼を観察されることができるようになっている。
図7、図8には、スリットランプ400が示されている。スリットランプ400は、眼に斜めからスリット光をあてることで、眼球の中の構造を断面で観察することができる眼科検査機器である。図7、図8に示すスリットランプ400は、被検者が顔を載せる架台401を備えている。架台401は、前後・左右・上下に位置を微調整することが可能な構造とされている。また、スリットランプ400は、被検眼にスリット光を照射するスリット光源402、スリット光源402からのスリット光を被検眼に向けて反射するミラー403、被検眼に入射したスリット光の眼球内での反射の状態を観察する観察部404を備えている。
他覚的屈折波面収差測定装置100は、被検眼からの波面収差の検出に加えて、前眼部像を観察できるので、以下の優位性が得られる。
(1)他覚的屈折波面収差測定装置の位置合わせが簡単に行える。
(2)眼球運動を波面データにフィードバックさせることができる(画像処理によって)。
(3)眼球運動に合わせて他覚的屈折波面収差測定装置を回転させることができる。
(4)前眼部像をガイド画像として利用することで、視野を確認できない装置とも組み合わせが可能となる。
(5)他の装置と組み合わせる際の組み合わせ位置の自由度が高い。
(6)プラチド板を付加することで角膜形状の測定も可能となる。
Claims (9)
- 被検眼の眼底に照明光を照射する照明光学系と、
前記被検眼の眼底から反射された反射光束を複数の光束に分割するハルトマン板および前記ハルトマン板で分割された分割光束を受光する第1の受光部を有する波面測定系と、
前記被検眼の前眼部を照明する前眼部照明系と、
前記前眼部照明系で照明された前記被検眼の前記前眼部から反射された光を受光する第2の受光部を有する前眼部観察系と、
前記前眼部観察系で得られた前眼部像の画像データを出力する画像データ出力部と
を有し、
前記波面測定系と前記前眼部観察系は共通の対物レンズを有することを特徴とする他覚的屈折波面収差測定装置。 - 前記被検眼で反射された光を前記共通の対物レンズを介して前記波面測定系と前記前眼部観察系に導く前方開放のダイクロイックミラーを有することを特徴とする請求項1に記載の他覚的屈折波面収差測定装置。
- 前記画像データ出力部は、前記波面測定系で得た結果と前記前眼部像とを連動してリアルタイムで表示するための画像データを出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の他覚的屈折波面収差測定装置。
- 前記前眼部照明系は、所定形状の測定光を照射するための角膜形状測定用部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の他覚的屈折波面収差測定装置。
- 前記画像データ出力部は、前記波面測定系で得た結果と前記前眼部観察系で得た角膜形状データとを同時に表示するためのデータを出力することを特徴とする請求項4に記載の多角的屈折波面収差測定装置。
- 前記ダイクロイックミラーは回転可能であり、前記ダイクロイックミラーの回転に連動して前記波面測定系で得られたデータの座標軸が変更されることを特徴とする請求項2に記載の他覚的屈折波面収差測定装置。
- 他の装置への取り付け用部材と、
前記被検眼に対する他覚的屈折波面収差測定装置の傾斜角を測定する傾斜角センサと
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の他覚的屈折波面収差測定装置。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載の他覚的屈折波面収差測定装置を組み込んだことを特徴とする手術用顕微鏡。
- 請求項1乃至7の何れか1項に記載の他覚的屈折波面収差測定装置を組み込んだことを特徴とするスリットランプ。
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JP2003102688A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-08 | Topcon Corp | 眼科装置 |
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