JP2012074818A - 無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】上りリンクの通信品質の推定精度を向上させることができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】基地局装置は、前記端末装置の送信電力を決定する送信電力パラメータの現在の設定値を用いたときの端末装置の送信電力の推定値である第1推定送信電力と、設定値と異なる送信電力パラメータの候補値を用いたときの端末装置の送信電力の推定値である第2推定送信電力との差を算出し、算出した差と、設定値を用いたときに測定した受信電力とを加算して推定受信電力を算出する受信電力推定部と、自装置と無線通信をしている端末装置と自装置に隣接する他の基地局装置との間のパスロスと、第1推定送信電力及び第2推定送信電力とに基づいて、他の基地局装置における推定干渉電力を算出する干渉電力推定部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線通信システムに関する。
携帯電話の通信規格の一つであるLTE(Long Term Evolution)において、各端末装置から基地局装置への上りデータチャネル(PUSCH;Physical Uplink Shared Channel)の送信電力P_PUSCH[dBm]は、次式(1)に従い決定される(非特許文献1)。
Figure 2012074818
ここで、P_CMAXは、端末装置の最大送信電力である。M_PUSCHは、基地局装置から当該端末装置に下り制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)にて通知される割当RB(Resource Block;リソースブロック)数である。P_O_NOMINAL_PUSCHは、基地局装置からRRC(Radio Resource Control;無線リソース制御)メッセージにて端末装置に通知される上りリンクにおける送信電力の固定オフセットであり、基地局装置ごとに設定される。
P_O_UE_PUSCHは、基地局装置からRRCメッセージにて通知される端末装置の上りリンクにおける送信電力の固定オフセットであり、端末装置ごとに異なっていてもよい。αは、基地局装置からRRCメッセージにて通知されるパスロスの補正係数である。PLは、当該端末装置が推定したパスロスである。Δ_TFは、コードブロック等により決定される係数である。fは、基地局装置から当該端末装置に通知される送信電力コマンドである。また、係数Δ_TF、送信電力コマンドfは、基地局装置から端末装置にPDCCHにより通知される情報に基づいて算出される。
補正係数αと、固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCHなどは、基地局単位で設定される。
また、端末装置は、定期的に、もしくは特定の条件を満たしたときに、端末装置が測定した接続している基地局装置(以下、接続基地局装置)から受信する信号の受信電力情報と、接続している基地局装置以外の隣接する基地局装置から受信する信号の受信電力情報とを接続している基地局装置に通知する。この通知は、MR情報(Measurement Report;)と呼ばれ、主にハンドオーバの条件判定に使用される(非特許文献2)。
3GPP TS36.213 v9.2.0 2010−06 3GPP TS36.331 v9.3.0 2010−06
補正係数αと、固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCH等の送信電力パラメータは、基地局装置ごとに異なる値を設定できるので、接続基地局装置に設定される送信電力パラメータの設定に応じて、各端末装置の送信電力が変化する。そして、ある基地局装置において送信電力パラメータを変化させると、接続している端末装置からの受信電力が変化するとともに、当該基地局装置に隣接する基地局装置における当該端末装置からの受信電力(干渉電力)も変化する。
そのため、影響を及ぼしあう複数の基地局装置のパラメータを同時に変更する場合、特性の変化を推測することが難しかった。すなわち、隣接する基地局装置において送信電力パラメータを同時に変更する場合、接続している端末装置からの受信電力と、接続していない端末装置からの干渉電力とが共に変化するので、特性の変化を推測することが難しかった。
一般的には、上記の解法として、計算機シミュレーションにより、ユーザ配置、伝搬路、トラヒック分布、基地局配置などを模擬し、パラメータの変更による通信品質を推定する方法、または、これらを定式化し、通信品質を推定する方法などが考えられる。
しかしながら、計算機シミュレーションの結果を実際に運用するシステムに適用する場合、時系列で変動するユーザ配置、伝搬路、トラヒック分布などを正確に模擬/定式化することが難しく、通信品質の推定精度が低くなってしまう場合があった。
また、上記の方法は、計算機シミュレーションでは予め想定された環境における推定を行うものであるため、想定外の干渉(パラメータを管理できない不明の基地局装置や、違法電波などによる干渉)が存在する場合にも通信品質の推定精度が低くなってしまう場合があった。
すなわち、各基地局装置において、接続している端末装置からの受信電力を推定した推定受信電力と、接続していない端末装置などからの干渉電力を推定した推定干渉電力との精度が低くなることがあり、上りリンクの通信品質の推定精度が十分でない場合があった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、上りリンクの通信品質の推定精度を向上させることができる無線通信システムを提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、端末装置と無線通信をする複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置と接続されている管理サーバとを具備する無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記端末装置の送信電力を決定する送信電力パラメータの現在の設定値を用いたときの前記端末装置の送信電力の推定値である第1推定送信電力と、前記設定値と異なる前記送信電力パラメータの候補値を用いたときの前記端末装置の送信電力の推定値である第2推定送信電力との差を算出し、算出した差と、前記設定値を用いたときに測定した前記端末装置からの受信電力とを加算して推定受信電力を算出する受信電力推定部と、自装置と無線通信をしている前記端末装置と自装置に隣接する他の前記基地局装置との間のパスロスと、前記第1推定送信電力及び前記第2推定送信電力とに基づいて、前記他の基地局装置における推定干渉電力を算出する干渉電力推定部とを備え、前記管理サーバは、前記基地局装置ごとに、該基地局装置において算出された推定受信電力と、該基地局装置に隣接する前記基地局装置において算出された該基地局装置に対する推定干渉電力とから該基地局装置における前記端末装置との通信品質を算出する通信品質推定部を備えていることを特徴とする無線通信システムである。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記基地局装置は、更に、自装置と無線通信をしている前記端末装置から通知される測定結果報告であって、自装置に隣接する前記基地局装置から受信する信号の受信電力を示す測定結果報告に基づいて、該測定結果報告を送信した前記端末装置を前記パスロスの計算対象とするか否かを判定し、前記測定結果報告に基づいて前記パスロスを算出するパスロス推定部を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記基地局装置は、更に、前記設定値に応じて割り当てられた無線リソースを示す割当情報と、前記設定値とに基づいて前記第1推定送信電力を算出するとともに、前記割当情報と、前記候補値とに基づいて前記第2推定送信電力を算出する送信電力推定部を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記基地局装置は、更に、自装置と前記端末装置との過去の通信における、前記端末装置の通信の状態を示す端末情報と、前記割当情報と、送信電力パラメータとの対応関係から、前記候補値に対応する無線リソースの割り当てを算出する割当情報補正部を備え、前記送信電力推定部は、前記割当情報補正部が算出する無線リソースの割り当てを用いて前記第2推定送信電力を算出することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記割当情報補正部は、自装置と前記端末装置との無線通信の混雑度合を示す指標が予め定めたしきい値以上である場合、前記割当情報を前記候補値に対応する無線リソースの割り当てとして算出することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記通信品質推定部は、前記基地局装置ごとに、当該基地局装置において測定された干渉電力に対して、当該基地局装置に隣接する前記基地局装置において前記干渉電力推定部が前記第1推定送信電力に基づいて算出した推定干渉電力と、前記干渉電力推定部が前記第2推定送信電力に基づいて算出した推定干渉電力との差を加算して干渉電力の推定値を算出し、算出した推定値を用いて通信品質を算出することを特徴とする。
この発明によれば、送信電力パラメータを変化させた場合の各基地局装置における推定受信電力と、推定干渉電力とを適切に算出することができ、各基地局装置の通信品質の推定精度を向上させることができる。
第1実施形態における無線通信システム1の構成を示す概略図である。 本実施形態における基地局装置10の構成を示す概略ブロック図である。 割当情報の一例を示す図である。 干渉電力推定部116が算出する干渉電力の推定値の概要を示す図である。 本実施形態における基地局管理サーバ20の構成を示す概略ブロック図である。 第2実施形態における基地局装置50の構成を示す概略ブロック図である。 第3実施形態における基地局装置60の構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における管理テーブルの一例を示す図である。 第4実施形態における基地局装置70の構成を示す概略ブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における無線通信システムを説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における無線通信システム1の構成を示す概略図である。
無線通信システム1は、複数の基地局装置10と、各基地局装置10と接続して無線通信をする端末装置30と、各基地局装置10とネットワーク40を介して接続されている基地局管理サーバ20とを具備している。
以下、基地局装置10と端末装置30とが、LTE規格に従った無線通信を行う場合を例にして説明する。また、上りリンクの送信電力制御は、補正係数αと、固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCHとを送信電力パラメータとして、補正係数αと、固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCHとを変更することにより行うものとする。
本実施形態においては、各基地局装置10は、端末装置30から基地局装置10への上りリンクにおける送信電力パラメータを変更する場合において、接続している端末装置30から受信する信号の受信電力の推定値である推定受信電力を算出する。また、各基地局装置10は、自装置に接続している端末装置30から他の基地局装置10が受ける干渉電力の推定値である推定干渉電力を算出する。
基地局管理サーバ20は、各基地局装置10において算出される推定受信電力と、推定干渉電力とを用いて、各基地局装置10の送信電力パラメータを変更した場合における当該各基地局装置10に接続している端末装置30の推定通信品質を算出し、算出した推定通信品質に応じて各基地局装置10の送信電力パラメータを変更する。
以下、基地局装置10及び基地局管理サーバ20の構成について説明する。
図2は、本実施形態における基地局装置10の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように基地局装置10は、送信電力パラメータを変更するときの推定受信電力及び推定干渉電力を算出する無線電力推定部11と、端末装置30と通信を行う無線通信部12と、ネットワーク40を介して他の基地局装置10及び基地局管理サーバ20と通信をするネットワーク通信部13とを備えている。
無線電力推定部11は、入力情報取得部111、設定候補記憶部112、送信電力推定部113、パスロス推定部114、受信電力推定部115、干渉電力推定部116を有している。
入力情報取得部111は、無線通信部12から、又はネットワーク通信部13を介して、推定受信電力及び推定干渉電力情報を算出に用いる各種の入力情報を取得する。入力情報としては、MR(Measurement Report;測定結果報告)情報、基地局送信電力情報、設定情報、割当情報、算出区間情報、自局パスロス情報、測定情報である。
MR情報は、端末装置30が接続している基地局装置10に通知する情報であり、端末装置30が測定した受信電力を示す受信電力情報を含む情報である。この受信電力情報は、当該端末装置30が接続している基地局装置10から受信した信号の受信電力を示す情報と、当該端末装置30が接続していない基地局装置10から受信した信号の受信電力を示す情報とのうちいずれか一方、あるいは両方を含む。
基地局送信電力情報は、自装置の送信電力を示す送信電力情報と、隣接する基地局装置10の送信電力を示す送信電力情報とを含む情報である。
設定情報は、現在、自装置において設定されている送信電力パラメータ(補正係数α、固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCH、固定オフセットP_O_UE_PUSCHなど)を示す情報である。
割当情報は、上記の設定情報が設定された際の各サブフレームにおける端末装置30それぞれの無線リソース(RB;Resource Block)の割当結果を示す情報であり、端末装置30に割り当てられたRBの配置を示す配置情報、割り当てられたRBの数を示す割当RB数M_PUSCH、係数Δ_TF、送信電力コマンドfを含む情報である。
図3は、割当情報の一例を示す図である。配置情報、及び割当RB数M_PUSCHは、同図に示すように算出区間Iにおいて設定情報に基づき割り当てられた無線リソース数を示す情報である。
図2に戻って、算出区間情報は、推定送信電力を算出する区間を示す予め定められた情報である。
自局パスロス情報は、無線通信部12において、上記の割当情報を求める際に使用した自装置と、自装置と接続している端末装置との間のパスロスの推定値を示す情報である。
測定情報は、設定情報が示す送信電力パラメータが設定され、当該設定により無線リソース割当が行われたパケットを受信した各端末装置30における当該パケットの受信電力値を示す情報である。
設定候補記憶部112は、各端末装置30に通知する送信電力パラメータの組み合わせた複数の設定候補情報を予め記憶している。設定候補情報は、例えば、上りリンクにおける送信電力パラメータであるP_O_NOMINAL_PUSCHの候補、αの候補、P_O_UE_PUSCHの候補などの、基地局で設定できるパラメータの候補を組み合わせた情報である。
送信電力推定部113は、設定候補記憶部112に記憶されている設定候補情報と、入力情報取得部111から入力される設定情報、割当情報、算出区間情報、自局パスロス情報とに基づいて、設定情報が示す送信電力パラメータ(以下、設定値)から設定候補情報が示す送信電力パラメータ(以下、設定候補値)に変更した際における、自装置と接続している端末装置30の送信電力の推定値(推定送信電力)を算出する。また、送信電力推定部113は、算出した各端末装置30の送信電力の推定値と、当該推定値を算出した際の設定候補情報とを対応付けた推定送信電力情報を受信電力推定部115、及び干渉電力推定部116に出力する。ここで、送信電力推定部113が算出する推定送信電力は、設定情報が示す電力パラメータの組み合わせを設定した際の自装置と接続している端末装置30それぞれの送信電力と、設定候補情報が示す送信電力パラメータの組み合わせごとに、当該送信電力パラメータの組み合わせを設定した際の自装置と接続している端末装置30それぞれの送信電力とである。
送信電力推定部113における、具体的な算出方法を以下に示す。
算出区間情報が示す算出区間Iに含まれる各サブフレーム(i)において、自装置(基地局装置10(x))と接続している端末装置30であって、無線リソースを割り当てられた端末装置30(u)の推定送信電力P_PUSCH(x,u,i)を次式(2)により算出する。推定送信電力P_PUSCH(x,u,i)[dBm]は、現在の送信電力パラメータである設定情報を設定した際の推定送信電力である。
ここで、xは、無線通信システム1における、いずれかの基地局装置10を示し、uは、基地局装置10(x)と接続している端末装置30のうちいずれかの端末装置30を示す。また、iは、算出区間Iに含まれるサブフレームのうちのいずれかのサブフレームを示す。例えば、推定送信電力P_PUSCH(x,u,i)は、基地局装置10(x)と接続している端末装置30(u)がサブフレーム(i)における送信電力の推定値を示す。
Figure 2012074818
同様に、算出区間情報が示す算出区間Iに含まれる各サブフレーム(i)において、自装置(基地局装置10(x))と接続している端末装置30であって、無線リソースを割り当てられた端末装置30(u)の推定送信電力P_PUSCH’(x,u,i)を次式(3)により算出する。推定送信電力P’_PUSCH(x,u,i)[dBm]は、設定候補情報が示す送信電力パラメータを設定した際の推定送信電力である。
Figure 2012074818
ここで、固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCH’、補正係数α’は、設定候補情報により示される固定オフセットP_O_NOMINAL_PUSCH、補正係数αの候補値である。
送信電力推定部113は、式(2)及び式(3)により算出した推定送信電力P_PUSCH(x,u,i)、P_PUSCH’(x,u,i)と、設定情報、設定候補情報とを対応付けた推定送信電力情報を受信電力推定部115、及び干渉電力推定部116に出力する。
パスロス推定部114は、入力情報取得部111から入力されるMR情報、及び基地局送信電力情報に基づいて、自装置の近隣に配置されている基地局装置10と、自装置と接続されている端末装置30との間の伝搬損失を示すパスロス情報を出力する。また、パスロス推定部114は、自装置において取得されたMR情報のうち、隣接する基地局装置10からの受信電力情報を含むMR情報を通知した端末装置30を、パスロスを算出する対象の端末装置30にする。
具体的には、パスロス推定部114は、次式(4)を用いて、端末装置30のうちパスロスを算出する対象の端末装置30(u)と、隣接する基地局装置10(y)との間のパスロスPL(y,u)[dB]を算出する。
Figure 2012074818
ここで、P_TX_eNB(y)は、隣接する基地局装置10(y)の送信電力である。RSRP(y,u)は、端末装置30(u)が測定した隣接する基地局装置10(y)からの受信電力である。パスロス推定部114は、パスロスを算出する対象の端末装置30ごとに式(4)を用いてパスロスを算出し、算出したパスロスと、基地局装置10(y)を示す情報とを含む隣接基地局パスロス情報を干渉電力推定部116に出力する。
受信電力推定部115は、送信電力推定部113から入力される推定送信電力情報と、入力情報取得部111から入力される測定情報とに基づいて、設定候補情報が示す送信電力パラメータを設定した際における、自装置と接続している端末装置30から受信する信号の受信電力の推定値を算出する。また、受信電力推定部115は、算出した受信電力の推定値と、当該推定値を算出したときの設定候補情報とを対応付けた推定受信電力情報を基地局管理サーバ20にネットワーク通信部13を通じて送信する。
受信電力推定部115における、受信電力を推定する算出方法を以下に示す。
送信電力パラメータを、設定情報が示す送信電力パラメータから設定候補情報が示す送信電力パラメータに変更した際における送信電力の差ΔP_PUSCH(x,u,i)[dB]を次式(5)により算出する。
Figure 2012074818
式(5)にて算出した送信電力パラメータの変更に伴う送信電力差ΔP_PUSCH(x,u,i)と、測定情報とから、送信電力パラメータを変更したときの各サブフレーム(i)における各端末装置30からの推定受信電力P’_RX(x,u,i)[mW]を、次式(6)により算出する。
Figure 2012074818
ここで、P_RX(x,u,i)は、測定情報が示すアンテナ合成後の受信電力である。なお、次式(7)を用いて、端末装置30ごとの推定平均受信電力P_RX’[mW]を算出して、受信電力の推定値としてもよい。
Figure 2012074818
ここで、N_assign(x,u)は、基地局装置10(x)と接続している端末装置30(u)が、算出区間Iにおいて無線リソースを割り当てられたサブフレームの数である。
干渉電力推定部116は、送信電力推定部113から入力される推定送信電力情報と、パスロス推定部114から入力される隣接基地局パスロス情報とに基づいて、設定情報が示す送信電力パラメータから設定候補情報が示す送信電力パラメータに変更した際における、隣接する基地局装置10が、自装置と接続している端末装置30から受信する信号の受信電力(干渉電力)の推定値を算出する。また、干渉電力推定部116は、算出した推定値と、当該推定値を算出した際の設定候補情報とを対応付けた推定干渉電力情報を基地局管理サーバ20にネットワーク通信部13を通じて送信する。
図4は、干渉電力推定部116が算出する干渉電力の推定値の概要を示す図である。同図に示すように、自装置(x)と接続している端末装置30(u)が送信する信号により、隣接する基地局装置10(y)において干渉を受ける。干渉電力推定部116は、端末装置30(u)の推定された送信電力と、端末装置30(u)と基地局装置10(y)との間のパスロスとから、基地局装置10(y)における干渉電力の推定値を算出する。
干渉電力推定部116における具体的な算出方法を以下に示す。
干渉電力推定部116は、自装置(x)に接続された端末装置30であって、パスロス推定部114において隣接する基地局装置10(y)とのパスロス情報が取得された端末装置30に対して、設定情報に基づいた端末装置30(u)から隣接する基地局装置10(y)への干渉電力の推定値である推定干渉電力P_RX(x→y)[mW]を次式(8)により算出する。
Figure 2012074818
ここで、N_Iは、算出区間Iにおけるサブフレーム数である。
同様に、干渉電力推定部116は、設定候補情報に基づいた端末装置30(u)から隣接する基地局装置10(y)への干渉電力の推定値である推定干渉電力P_RX’(x→y)[mW]を次式(9)により算出する。
Figure 2012074818
干渉電力推定部116は、式(8)及び式(9)により算出した推定干渉電力P_RX(x→y)、P_RX’(x→y)と、推定干渉電力を算出した際の設定情報、設定候補情報とを対応付けた推定干渉電力情報を基地局管理サーバ20にネットワーク通信部13を通じて送信する。
図5は、本実施形態における基地局管理サーバ20の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局管理サーバ20は、隣接している基地局装置10のリストを記憶している隣接基地局情報記憶部21と、ネットワーク40を介して各基地局装置10と通信をするネットワーク通信部22と、基地局装置10において算出された推定受信電力情報、及び推定干渉電力情報とに基づいて各基地局装置10における通信品質を推定する通信品質推定部23と、通信品質推定部23が推定する通信品質に基づいて各基地局装置10を制御する基地局制御部24とを備えている。
隣接基地局情報記憶部21は、基地局装置10ごとに、隣接している基地局装置10のリストを記憶している。ネットワーク通信部22は、ネットワーク40を介して、各基地局装置10と通信をし、各基地局装置10から受信する推定受信電力情報、及び推定干渉電力情報とを通信品質推定部23に出力する。
通信品質推定部23は、ネットワーク通信部22から入力される推定受信電力情報、及び推定干渉電力情報と、隣接基地局情報記憶部21に記憶されている隣接基地局リストとに基づいて、各基地局装置10における通信品質の推定を行う。
以下、通信品質推定部23による通信品質の推定について説明する。
なお、ここでは、通信品質を示す指標をSIR(Signal to Interference Ratio;信号電力対干渉電力比)とした場合について説明する。
通信品質推定部23は、ネットワーク通信部22から入力される推定受信電力情報、及び推定干渉電力情報を用いて、設定情報が示す送信電力パラメータ(以下、設定値)から設定候補情報が示す送信電力パラメータ(設定候補値)に送信電力パラメータを変更した際における、各基地局装置10と当該基地局装置10に接続する端末装置30との間のSIRの推定値を端末装置30ごとに算出する。また、通信品質推定部23は、SIRの推定値と、当該推定値を算出した際の設定候補情報とを対応付けた推定通信品質情報を基地局制御部24に出力する。
通信品質推定部23は、次式(10)によりSIRの推定値である推定通信品質SIR’(x,u,i)をサブフレームごとに算出する。
Figure 2012074818
なお、次式(11)により、端末装置30ごとの推定通信品質SIR’(x,u)を算出するようにしてもよい。
Figure 2012074818
ここで、推定受信電力P’_RXは、推定受信電力情報に含まれる基地局装置10において算出された推定受信電力である。また、P’_Iは、次式(12)により表される干渉電力値[mW]である。
Figure 2012074818
式(12)において、干渉電力P_I_measured[mW]は、DM−RS(Demodulation Reference Signal;伝搬路推定用参照信号)を用いて基地局装置10が測定した干渉電力であり、次式(13)により算出される。
Figure 2012074818
ここで、rは、リソースブロック(RB)を識別する識別子である。Rは、基地局装置10(x)におけるPUSCHに割当可能なRBの集合である。N_PUSCHは、PUSCHに割当可能なRBの数である。P_I_DMRS(x,i,r)は、基地局装置10(x)における、算出区間Iのうちのサブフレームi、当該サブフレームiに含まれるリソースブロックrにおける干渉電力である。
また、式(12)において、変化量ΔP_I_est[mW]は、設定値から設定候補値に変更した際に、推定される干渉電力の変化量である。また、変化量ΔP_I_estは、次式(14)により算出される。
Figure 2012074818
ここで、P’_I_est(x)と、P_I_est(x)とは、次式(15)、式(16)とにより算出される。
Figure 2012074818
Figure 2012074818
ここで、P_RX(y→x)は、基地局装置10(y)において設定値を用いたとき、基地局装置10(y)に隣接する基地局装置10(x)が、基地局装置10(y)と接続している端末装置30から受ける干渉の干渉電力の推定値であり、基地局装置10(y)において算出された推定干渉電力情報に含まれる値である。
また、P’_RX(y→x)は、基地局装置10(y)において設定候補値を用いたとき、基地局装置10(y)に隣接する基地局装置10(x)が、基地局装置10(y)と接続している端末装置30から受ける干渉の干渉電力の推定値であり、基地局装置10(y)において算出された推定干渉電力情報に含まれる値である。
また、式(15)及び(16)におけるNighbourListは、隣接基地局情報記憶部21に記憶されている基地局装置10ごとの当該基地局装置10に隣接して配置されている基地局装置10のリストである。
上述のように、通信品質推定部23は、式(10)〜式(16)を用いることにより、送信電力パラメータを変化させた際のSIRの推定値を算出する。また、通信品質推定部23は、SIRの推定値と、当該推定値を算出した際の設定候補情報とを対応付けた推定通信品質情報を基地局制御部24に出力する。
基地局制御部24は、通信品質推定部23が推定する通信品質に基づいて各基地局装置10を制御する制御信号を生成して、ネットワーク通信部22を通じて送信する。
例えば、基地局制御部24は、通信品質推定部23が算出した通信品質情報を用いて、各端末装置30のSIRの平均値が、予め定めたしきい値以上となる設定候補情報を基地局装置10ごとに選択する。そして、基地局制御部24は、選択した設定候補情報が示す送信電力パラメータを新たな送信出力パラメータに設定させる制御信号を各基地局装置10にネットワーク通信部22を通じて送信する。
本実施形態の無線通信システム1によれば、各基地局装置10において、送信電力推定部113が、当該基地局装置10と接続している端末装置30それぞれのサブフレームごとに、送信電力パラメータを現在の設定値から設定候補値に変更した場合における送信電力の推定値の変化量ΔP_PUSCH(x,u,i)を算出する。そして、受信電力推定部115が、端末装置30それぞれのサブフレームごとに、測定情報により示される受信電力P_RX(x,u,i)の測定値と、算出した変化量ΔP_PUSCH(x,u,i)との和に基づいて、送信電力パラメータを現在の設定値から設定候補値に変更した場合における推定受信電力P’_RX(x,u,i)を算出する。
このように、実測値である受信電力P_RX(x,u,i)を用いて、設定候補値を適用した場合の推定受信電力P’_RX(x,u,i)を算出するので、無線通信システム1が運用されている状況に即した受信電力の推定を行うことができ、各基地局装置10における受信電力の推定値の精度を向上させることができる。すなわち、実際の端末装置30の分布に基づいて推定受信電力P’_RX(x,u,i)を算出するので、各基地局装置10における受信電力の推定値の精度を向上させることができる。
また、計算機シミュレーションにおいてパラメータ化されない要因を含んで受信電力の推定が行われることになるので、各基地局装置10における受信電力の推定値の精度を向上させることができる。
また、干渉電力推定部116は、送信電力推定部113が算出した自装置と接続している端末装置30の送信電力の推定値と、MR情報から算出するパスロスとに基づいて、自装置と隣接している基地局装置10に対する干渉電力の推定値を算出する。このように、無線通信システム1が運用されている状況に即したMR情報より算出するパスロスを用いることにより、実際の端末装置30の分布に基づいて干渉電力を算出するので、各基地局装置10における干渉電力の推定値の精度を向上させることができる。また、干渉電力の推定値を算出においても、実測値である干渉電力P_I_measuredを用いるようにしたので、干渉電力P’_Iには、計算機シミュレーションにおいてパラメータ化されない要因を含んで干渉電力の推定を行うことなり、各基地局装置10における干渉電力の推定値の精度を向上させることができる。
そして、各基地局装置10における受信電力の推定値、及び各基地局装置10に対する干渉電力の推定値の精度を向上させることにより、これらの推定値を用いて算出する通信品質の推定値の精度も向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における無線通信システムについて説明する。第2実施形態における無線通信システムは、基地局装置が、第1実施形態の無線通信システム1が具備する基地局装置10と異なる。なお、基地局管理サーバの構成は、第1実施形態の基地局管理サーバ20(図5)と同じ構成であるので、その説明を省略する。
図6は、第2実施形態における基地局装置50の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置50は、送信電力パラメータを変更するときの推定受信電力、推定干渉電力、及び推定雑音電力を算出する無線電力推定部51と、端末装置30と通信を行う無線通信部12と、ネットワーク40を介して他の基地局装置50及び基地局管理サーバ20と通信をするネットワーク通信部13とを備えている。
無線電力推定部51は、入力情報取得部111、設定候補記憶部112、送信電力推定部113、パスロス推定部114、受信電力推定部115、干渉電力推定部116、雑音電力推定部517を有している。また、無線電力推定部51は、雑音電力推定部517を有している点が、第1実施形態の無線電力推定部11(図2)と異なっている。以下、第1実施形態の無線電力推定部11と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる構成である雑音電力推定部517について説明する。
雑音電力推定部517は、無線通信部12において受信された信号に基づいて、雑音電力密度や、雑音指数(NF;Noise Figure)などを測定して、1つのリソースブロックあたりの雑音電力の推定値を算出する。また、雑音電力推定部517は、ネットワーク通信部13を通じて、算出した雑音電力の推定値を示す推定雑音電力情報を基地局管理サーバ20に送信する。雑音電力密度や、雑音指数(NF;Noise Figure)などの測定は、端末装置30との通信が行われていない、又はほとんど行われていない時間帯に行うようにしてもよい。また、雑音電力密度や、雑音指数に、予め定められた設定値を用いるようにしてもよい。
基地局装置50が雑音電力推定部517を有することにより、基地局管理サーバ20の通信品質推定部23は、通信品質を示す指標としてSINR(Signal to Interference and Noise Ratio;信号電力対干渉及び雑音電力比)を算出することができる。
具体的には、通信品質推定部23が、式(10)及び式(11)に替えて、次式(17)及び式(18)を用いることによりSINRの推定値を算出することができる。
Figure 2012074818
Figure 2012074818
ここで、P_N(x)は、雑音電力推定部517において算出された雑音電力の推定値である。
これにより、第2実施形態の無線通信システムは、SINRを指標として通信品質を推定することができ、雑音電力が通信品質に与える影響が大きい環境において、第1実施形態の無線通信システム1より、通信品質の推定値の精度を向上させることができる。
なお、式(12)において、干渉電力P’_I(x)が負の値になった場合には、「0」として扱うようにしてもよい。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態における無線通信システムについて説明する。第3実施形態における無線通信システムは、基地局装置が第1実施形態の無線通信システム1が具備する基地局装置10と異なる。なお、基地局管理サーバの構成は、第1実施形態の基地局管理サーバ20(図5)と同じ構成であるので、その説明を省略する。
図7は、第3実施形態における基地局装置60の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置60は、送信パラメータを変更するときの推定受信電力、及び推定干渉電力を算出する無線電力推定部61と、端末装置30と通信を行う無線通信部12と、ネットワーク40を介して他の基地局装置60及び基地局管理サーバ20と通信をするネットワーク通信部13とを備えている。
無線電力推定部61は、入力情報取得部111、設定候補記憶部112、送信電力推定部613、パスロス推定部114、受信電力推定部115、干渉電力推定部116、割当情報補正部617を有している。また、無線電力推定部61は、割当情報補正部617を有している点と、送信電力推定部113(図2)に替えて送信電力推定部613を有している点とが、第1実施形態の無線電力推定部11と異なっている。以下、第1実施形態の無線電力推定部11と同じ構成に付いては同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる構成である割当情報補正部617と、送信電力推定部613とについて説明する。
割当情報補正部617は、割当候補情報生成部618と、管理テーブル記憶部619とを有している。割当候補情報生成部618は、無線通信部12から入力される端末情報と設定情報ごとに、算出区間情報が示す期間における割当情報の平均(単純平均又は平滑化平均など)を算出する。また、割当候補情報生成部618は、平均値を算出した際の端末情報及び設定情報と、算出した平均値である割当候補情報を対応付けて管理テーブル記憶部619に記憶させる。
管理テーブル記憶部619には、割当候補情報生成部618が算出した割当候補情報と、端末情報及び設定情報とを対応付けた管理テーブルを記憶している。
端末情報は、例えば、下りWideBandCQI、自装置と端末装置30のパスロス、自装置とパスロス推定部114で算出した隣接する基地局装置60と端末装置30とのパスロスの差、RSRP、RSRQ、RSSI、バッファ量などである。
図8は、本実施形態における管理テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、管理テーブルには、端末情報(図においてはWideBandCQI)と、設定情報(図においては補正係数α)ごとに、割当情報(図においては割当RB数)の平均値が対応付けられている。例えば、管理テーブルは、WideBandCQIが3であり、かつ補正係数αが0.8であるとき、過去の割当情報から平均的に5個のRBが割り当てられること(M_PUSCH=5)を示している。
すなわち、割当情報補正部617は、端末情報と、割当情報と、過去の送信電力パラメータとの対応関係から、ある割当情報及び端末情報が与えられた際に、算出区間情報が示す期間において期待される割当情報を過去の割当情報から算出して記憶する。
なお、図8においては、WideBandCQIと補正係数αとに対応するRB数を算出して記憶する例を示したが、これに限らず、他の組み合わせでもよい。また、設定情報の変化量に割当情報を対応付けて、設定情報に対するオフセット量を管理テーブル記憶部617に記憶させるようにしてもよい。
図7に戻って、送信電力推定部613は、設定候補記憶部112に記憶されている設定候補情報と、割当情報補正部617に記憶されている管理テーブルと、入力情報取得部111から入力される設定情報、算出区間情報、自局パスロス情報とに基づいて、設定情報が示す送信電力パラメータから設定候補情報が示す送信電力パラメータ(以下、設定候補値)に変更した際における、自装置と接続している端末装置30の送信電力の推定値を算出する。また、送信電力推定部613は、端末装置30の送信電力の推定値を算出する際に、設定候補値に対応する割当候補情報を管理テーブル記憶部619から読み出して、端末装置30の送信電力の推定値の算出に用いる。
具体的には、送信電力推定部613は、次式(19)を用いて、送信電力の推定値[dBm]を算出する。
Figure 2012074818
ここで、M_PUSCH’は、設定候補値に対応する割当候補情報であり、設定候補値を用いた際に期待される割当情報を示している。
第1実施形態の無線電力推定部11、及び第2実施形態の無線電力推定部51では、設定候補情報を用いた際の送信電力の推定値を算出する際に、設定情報に対応した割当情報が用いられていた。これに対して、本実施形態の無線電力推定部61では、設定候補情報を用いた際の割当情報を、過去の割当情報に基づく統計情報を用いて補正した割当候補情報を利用して、送信電力の推定値を算出するので、実際の運用により即した送信電力の推定値を算出することができ、送信電力の推定値の精度を高めることができる。
すなわち、本実施形態の無線電力推定部61は、割当情報補正部617が設定候補情報に応じて割当情報を補正した割当候補情報を算出し、送信電力推定部613が算出された割当候補情報を用いて送信電力の推定値を算出するようにした。これにより、無線電力推定部61は、送信電力の推定値を無線通信システムの運用に即した値にすることができ、送信電力の推定値の精度を向上させることができる。
また、各基地局装置60において過去の無線リソースの割当情報より推定受信電力情報及び推定干渉電力情報を算出することにより、基地局管理サーバ20は、時系列で変動するユーザ配置、トラヒック分布、基地局配置などの環境の変動に追従した通信品質を高い精度で推定することができる。また、現在の送信電力パラメータ(設定情報)での測定値に対し、期待される割当情報の変化量を考慮することで、想定外の干渉においても精度の高い推定が可能となる。
なお、送信電力推定部613は、自装置の端末装置30との混雑の度合いを示す指標(無線リソースの使用率や、発生トラヒック量など)が予め定めたしきい値以上である場合、割当候補情報を用いずに、入力情報取得部111が取得した割当情報を用いて送信電力の推定値を算出するようにしてもよい。例えば、自装置の無線リソースの使用率や、発生トラヒック量などが高いとき、すなわち混雑しているときには、各端末装置30に対する無線リソースの割当RB数が変わらないことが多いので、割当情報の補正を行う必要性が低い。そこで、送信電力推定部613が混雑の度合に基づいて補正の必要性を判定し、混雑しているときには補正を省略することにより、無線電力推定部61における処理量を削減することができる。
(第4実施形態)
以下、第3実施形態における無線通信システムについて説明する。第3実施形態における無線通信システムは、基地局装置が第1実施形態の無線通信システム1が具備する基地局装置10と異なる。なお、基地局管理サーバの構成は、第1実施形態の基地局管理サーバ20(図5)と同じ構成であるので、その説明を省略する。
図9は、第4実施形態における基地局装置70の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置70は、送信パラメータを変更するときの推定受信電力、及び推定干渉電力を算出する無線電力推定部71と、端末装置30と通信を行う無線通信部12と、ネットワーク40を介して他の基地局装置70及び基地局管理サーバ20と通信をするネットワーク通信部13とを備えている。
無線電力推定部71は、入力情報取得部111、設定候補記憶部112、送信電力推定部713、パスロス推定部114、受信電力推定部115、干渉電力推定部116、無線スケジューラ717を有している。また、無線電力推定部71は、無線スケジューラ717を有している点と、送信電力推定部113(図2)に替えて送信電力推定部713を有している点とが、第1実施形態の無線電力推定部11と異なっている。以下、第1実施形態の無線電力推定部11と同じ構成に付いては同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる構成である無線スケジューラ717と、送信電力推定部713とについて説明する。
無線スケジューラ717は、無線通信部12における無線リソースの割り当てを模擬(シミュレート)し、送信電力推定部713から入力される設定情報又は設定候補情報に基づいて無線リソースの割り当てを行い、割り当て結果である割り当て候補情報を送信電力推定部713に出力する。
送信電力推定部713は、設定候補記憶部112に記憶されている設定候補情報と、入力情報取得部111から入力される設定情報、算出区間情報、自局パスロス情報とに基づいて、設定情報が示す送信電力パラメータから設定候補情報が示す送信電力パラメータ(以下、設定候補値)に変更した際における、自装置と接続している端末装置30の送信電力の推定値を算出する。また、送信電力推定部713は、端末装置30の送信電力の推定値を算出する際に、無線スケジューラ717から入力される設定候補値に対応する割当候補情報を端末装置30の送信電力の推定値の算出に用いる。
具体的には、送信電力推定部713は、次式(20)を用いて、送信電力の推定値[dBm]を算出する。
Figure 2012074818
ここで、割当RB数M_PUSCH’、係数Δ_TF’、 送信電力コマンドf’は、設定候補値が示す送信電力パラメータに基づいて、無線スケジューラ717が算出した無線リソースの割り当て結果である。
本実施形態の無線電力推定部71は、無線スケジューラ717が無線通信部12の無線リソース割り当てをシミュレートして設定候補情報に応じた割当候補情報を算出し、送信電力推定部713が算出された割当候補情報を用いて送信電力の推定値を算出するようにした。これにより、無線電力推定部71は、送信電力の推定値を無線通信システムの運用に即した値にすることができ、送信電力の推定値の精度を向上させることができる。
なお、上述の各実施形態において、無線電力推定部11(51、61、71)は、各基地局装置10(50、60、70)に備えられている構成を説明したが、基地局装置10(50、60、70)ごとに設けられる独立した装置としてもよい。
また、第2実施形態の基地局装置50が備える雑音電力推定部517を、第3実施形態の基地局装置60、又は第4実施形態の基地局装置70に設けるようにして、基地局管理サーバ20が通信品質を表す指標としてSINRを算出するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態において、無線電力推定部11(51、61、71)が有する設定候補記憶部112は、予め設定候補情報を記憶している構成を説明したが、これに限ることなく、設定候補情報が基地局管理サーバ20から配信されるようにしてもよい。また、上述の各実施形態において、各基地局装置10が無線電力推定部11(51、61、71)を備えている構成を説明したが、これに限ることなく、各無線電力推定部11(51、61、71)を独立した装置として構成してもよいし、基地局管理サーバ20が各無線電力推定部11(51、61、71)を備えるようにしてもよい。この場合、受信電力及び干渉電力の推定に用いられる各種の入力情報は、ネットワーク40を介して無線電力推定部11(51、61、71)に入力されるようにしてもよい。
上述の基地局装置10(50、60、70)は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。その場合、上述した入力情報取得部、設定候補記憶部、送信電力推定部、パスロス推定部、受信電力推定部、干渉電力推定部、雑音電力推定部、割り当て候補情報生成部、管理テーブル記憶部、無線スケジューラの各構成の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われることになる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
1…無線通信システム
10、50、60、70…基地局装置
11、51、61、71…無線電力推定部
12…無線通信部
13、22…ネットワーク通信部
20…基地局管理サーバ
21…隣接基地局情報記憶部
23…通信品質推定部
24…基地局制御部
30…端末装置
40…ネットワーク
111…入力情報取得部
112…設定候補記憶部
113、613、713…送信電力推定部
114…パスロス推定部
115…受信電力推定部
116…干渉電力推定部
517…雑音電力推定部
617…割当情報補正部
618…割当候補情報生成部
619…管理テーブル記憶部
717…無線スケジューラ

Claims (6)

  1. 端末装置と無線通信をする複数の基地局装置と、前記複数の基地局装置と接続されている管理サーバとを具備する無線通信システムであって、
    前記基地局装置は、
    前記端末装置の送信電力を決定する送信電力パラメータの現在の設定値を用いたときの前記端末装置の送信電力の推定値である第1推定送信電力と、前記設定値と異なる前記送信電力パラメータの候補値を用いたときの前記端末装置の送信電力の推定値である第2推定送信電力との差を算出し、算出した差と、前記設定値を用いたときに測定した前記端末装置からの受信電力とを加算して推定受信電力を算出する受信電力推定部と、
    自装置と無線通信をしている前記端末装置と自装置に隣接する他の前記基地局装置との間のパスロスと、前記第1推定送信電力及び前記第2推定送信電力とに基づいて、前記他の基地局装置における推定干渉電力を算出する干渉電力推定部と
    を備え、
    前記管理サーバは、
    前記基地局装置ごとに、該基地局装置において算出された推定受信電力と、該基地局装置に隣接する前記基地局装置において算出された該基地局装置に対する推定干渉電力とから該基地局装置における前記端末装置との通信品質を算出する通信品質推定部
    を備えている
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記基地局装置は、更に、
    自装置と無線通信をしている前記端末装置から通知される測定結果報告であって、自装置に隣接する前記基地局装置から受信する信号の受信電力を示す測定結果報告に基づいて、該測定結果報告を送信した前記端末装置を前記パスロスの計算対象とするか否かを判定し、前記測定結果報告に基づいて前記パスロスを算出するパスロス推定部
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記基地局装置は、更に、
    前記設定値に応じて割り当てられた無線リソースを示す割当情報と、前記設定値とに基づいて前記第1推定送信電力を算出するとともに、前記割当情報と、前記候補値とに基づいて前記第2推定送信電力を算出する送信電力推定部
    を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の無線通信システム。
  4. 前記基地局装置は、更に、
    自装置と前記端末装置との過去の通信における、前記端末装置の通信の状態を示す端末情報と、前記割当情報と、送信電力パラメータとの対応関係から、前記候補値に対応する無線リソースの割り当てを算出する割当情報補正部を備え、
    前記送信電力推定部は、前記割当情報補正部が算出する無線リソースの割り当てを用いて前記第2推定送信電力を算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 前記割当情報補正部は、
    自装置と前記端末装置との無線通信の混雑度合を示す指標が予め定めたしきい値以上である場合、前記割当情報を前記候補値に対応する無線リソースの割り当てとして算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記通信品質推定部は、
    前記基地局装置ごとに、当該基地局装置において測定された干渉電力に対して、当該基地局装置に隣接する前記基地局装置において前記干渉電力推定部が前記第1推定送信電力に基づいて算出した推定干渉電力と、前記干渉電力推定部が前記第2推定送信電力に基づいて算出した推定干渉電力との差を加算して干渉電力の推定値を算出し、算出した推定値を用いて通信品質を算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
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