以下、本発明の実施形態に係る照明装置、ランプ及びショーケースについて、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の斜視図である。図1Bは、本発明の第1の実施形態に係る照明装置のA断面(Y−Z平面)における断面図である。なお、図1Aに示すように、本実施形態において、LEDモジュール20の発光部21を通り当該発光部21の配列方向の軸をX軸とし、X軸と交差し基板10(発光部取付面22a)に垂直な軸をY軸とし、さらに、X軸及びY軸と直交する軸をZ軸とする。この場合、Y−Z平面に沿って切断した断面をA断面とし、X−Z平面に沿って切断した断面をB断面とする。
図1A及び図1Bに示すように、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1は、基板10、LEDモジュール20及び反射部材30を備える。
基板10は、図1Aに示すように、長尺状の基板である。基板10としては、LEDモジュール20で発生した熱を効率よく伝導及び放熱させるために、熱伝導率の高い材料によって構成することが好ましい。例えば、基板10として、アルミニウムからなるアルミ基板又はガラスエポキシ樹脂からなるガラスエポキシ基板を用いることができる。
LEDモジュール20は、ライン状に光を発するライン状光源であって、基板10の長手方向に沿って基板10上に複数配列される。本実施形態では、図1Aに示すように、3つのLEDモジュール20が配列されている。なお、LEDモジュール20は、接着剤等によって基板10の主面に固着される。
LEDモジュール20は、図1Bに示すように、所定の光を発する発光部21と、発光部21が設けられた実装基板22とを備える。上述のとおり、複数のLEDモジュール20は基板10の長手方向に沿って配列されるので、発光部21も基板10の長手方向に沿って複数配列される。このLEDモジュール20について、図2を用いてさらに詳述する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置におけるLEDモジュールの斜視図である。
図2に示すように、LEDモジュール20における発光部21は、実装基板22上に実装された複数のLED21aと、複数のLED21aを封止する封止部材21bとからなる。
複数のLED21aは、半導体発光素子の一例であって、実装基板22の長手方向に沿って一列に並んで直線状(一次元状)に実装される。LED21aは、単色の可視光を発するベアチップであり、実装基板22に形成された金属配線(不図示)にフリップチップ実装又はワイヤボンディング実装される。これにより。複数のLED21aが直列接続される。なお、LED21aとしては、例えば青色光を発光する青色LEDチップが用いられる。
封止部材21bは、実装基板22上の全てのLED21aを覆うようにストライプ状に形成されており、断面が上に凸の略半円状(ドーム形状)である半円柱形状(かまぼこ型形状)である。本実施形態において、封止部材21bは、半径1mmの半円柱形状に形成される。また、封止部材21bは、波長変換体である蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であって、LED21aからの光を波長変換する波長変換層として機能するとともにLED21aを封止して保護する。封止部材21bとしては、例えば、LEDが青色LEDである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。
このように、本実施形態において、発光部21は、青色LEDチップからなるLED21aと黄色蛍光体粒子が含有された封止部材21bとからなるので、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出する。これにより、発光部21からは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光とによって白色光が放出される。なお、白色光を放出する手段としては、青色光を放出する青色LEDチップと青色光により励起されて緑色光を放出する緑色蛍光体粒子及び赤色光を放出する赤色蛍光粒子とによって白色光を放出してもよい。あるいは、青色LEDチップよりも短波長である紫外光を放出する紫外LEDチップと主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体粒子、緑色蛍光粒子及び赤色蛍光粒子とによって白色光を放出してもよい。
また、LEDモジュール20において、実装基板22は、発光部21を形成するための長尺板状の基板であって、透光性の窒化アルミニウム、アルミナからなるセラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。本実施形態では、実装基板22として、長辺(長手方向の長さ)が68[mm]、短辺(短手方向の長さ)が7[mm]、厚みが1[mm]の長尺状のセラミック基板を用いた。また、実装基板22において、発光部21が取り付けられる(形成された)面は、発光部取付面22aである。
なお、図示しないが、実装基板22上には、所定形状にパターン形成された金属配線と、金属配線に接続される電源端子(電極パッド)とが形成されている。また、LED21aの電極(p側電極及びn側電極)と金属配線とはワイヤボンディング等により接続される。外部電源から電源端子に対して電力が供給されることにより、金属配線及びワイヤを介してLED21aに電力が供給される。これにより、LED21aが発光し、LED21aから所望の光が放出される。
図1Bに戻り、反射部材30は、基板10に固定されており、LEDモジュール20の発光部21が発する光を反射する反射面31を有する。反射面31は、反射鏡(反射ミラー)によって構成することができ、LEDモジュール20の発光部21を覆うように構成されている。具体的に、反射面31は、基板10の一方の長辺側領域(発光部21に対しての一方の長辺側領域)から基板10の上方に向かって延設されるとともに、LEDモジュール20の直上を通過して基板10の他方の長辺側領域の端縁上方にまで延在するように構成されている。なお、反射部材30は、X軸方向において対向する2つの側壁を有し、当該側壁は基板10の両短辺に固定される。
反射面31は、図1Bに示すように、楕円面で構成されており、基板10の長手方向に沿った軸に垂直な垂直面(A断面に平行な面)における反射面31の曲線形状は、楕円ELの弧である。すなわち、X軸方向から見たときの反射面31の断面形状は、楕円ELの孤である。さらに、反射面31を構成する楕円ELは、第1焦点F1と第2焦点F2とを有する楕円であり、第1焦点F1は照明装置1の内部に存在し、第2焦点F2は照明装置1の外部に存在する。
本実施形態では、反射面31を構成する楕円ELの第1焦点F1には、発光部21が位置するように構成されている。すなわち、第1焦点F1と発光部21とが一致し、第1焦点F1はX軸上に位置する。本実施形態では、反射面31を構成する楕円ELは、長径の半径(長半径)を25mmとし、短径の半径(短半径)を15mmとした。
さらに、反射面31を構成する楕円ELの長軸MAは、実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対して傾斜するように構成されている。すなわち、図1Bに示すように、Y−Z平面において、楕円ELの長軸MAは、実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対して所定の傾斜角θを有するように構成されている。傾斜角θは、10°〜30°の範囲とすることが好ましく、本実施形態では、傾斜角θは20°とした。
また、反射部材30は、LEDモジュール20からの光を照明装置の外部に放射するための開口部をする。開口部において、反射面31のX軸に沿った光照射側端縁と基板10のX軸に沿った光照射側端縁とを結ぶ面とによって開口面32が構成される。開口面32は、本実施形態では、X−Y平面に対して平行な面である。
図1Bに示すように、当該開口面32におけるY軸方向の開口幅(開口径)をWとすると、開口幅Wは、同じ楕円形状であっても、楕円の長軸MAの傾き(傾斜角θ)によって異なる。例えば、楕円中心と開口面32の位置が同じ(楕円の切断線が同じ)である場合、傾斜角θを大きくすると楕円ELの開口幅Wは大きくなり、傾斜角θが小さくなると楕円ELの開口幅Wは小さくなる。本実施形態では、長半径が25mmで、短半径が15mmの楕円とし、楕円の長軸の傾斜角θを20°とした。従って、開口幅Wは、約21mmとなる。
また、開口幅Wは、反射面31を構成する楕円ELにおける第1焦点F1と第2焦点F2との焦点間距離に対して、1/3〜1倍程度であることが好ましい。さらに、開口幅Wは焦点間距離の約1/2倍であることがより好ましく、本実施形態では、21mmの開口幅Wに対して、焦点間距離が42mmとなるように構成した。
次に、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1における光の照射について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の配光状態を説明するための図である。
図3に示すように、LEDモジュール20の発光部21から発する光は、図中の太破線矢印で示されるように、反射部材30の反射面31によって反射されて照明装置1の外部に放出されるか、あるいは、図中の点線矢印で示されるように、反射面31で反射されずに直接照明装置1の外部に放出される。このとき、反射面31によって反射されて照明装置1の外部に放出される光を反射光RLとし、反射面31で反射されずに照明装置1の外部に放出される光を直射光DL(漏れ光)とし、照明装置1が照射する面を照射面とする。照射面(照射対象面)は、照明装置1に近い側の領域と照明装置1から離れた領域との異なる照射距離を有し、照射面の全方向において照明装置1からの距離が最も短い最短照射距離と照明装置1からの距離が最も長い最長照射距離とで囲まれる領域である。本実施形態において、照射面は、照明装置1によって照射されるZ方向に垂直な仮想面であり、現実には、例えば、陳列棚(物品)又は壁面等からなる。なお、本実施形態において、照射面は、図3に示すように、照明装置1の下方斜め方向に存在する。
本実施形態に係る照明装置1では、反射部材30の反射面31の断面形状が、発光部21を第1焦点F1とする楕円の孤である。従って、反射光RLはもう一方の焦点である第2焦点F2に一旦集光してから、照射面側に進行することになる。
なお、本実施形態において、発光部21から発する光は、ランバーシャン配光(ランバート配光)となり、正面方向(Y軸)とのなす角をαとした場合、光度分布はcosαに比例することになる。
従って、発光部21から発する光のうち反射光RLについては、発光部21の直上(Y軸方向)に進行する光が最も光度が大きく、Y軸から離れる(Z軸に近づく)に従って光度が小さくなる。これにより、第2焦点F2に集光した後の反射光RLの光度分布RLIは、図3に示すように、中央が最も大きくなり周辺に向かって小さくなるような分布となる。
一方、発光部21から発する光のうち直射光DLについては、反射面31の開口面側端部近傍を通過する光が最も光度が大きく、Z軸に近づくに従って光度は小さくなる。従って、直射光DLの光度分布DLIは、図3に示すように、Z軸から離れる位置ほど大きくなり、Z軸に近づくに従って小さくなる。なお、反射面31の開口面側端部近傍で反射する反射光RLの光度と、反射面31の開口面側部端部近傍を通過する直射光DLの光度とは略同じである。
さらに、本実施形態に係る照明装置1では、反射面31を構成する楕円ELの長軸MAが実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対して傾斜している構成となっている。これにより、図3に示すように、反射光RLと直射光DLとを重畳させることができるとともに、直射光DLの最大光度点と反射光RLの最大光度点とを近付けることができる。
これにより、照明装置全体の配光曲線を滑らかにすることができるとともにビーム角を小さくすることができる。
また、本実施形態に係る照明装置1によれば、照射面の照明装置1に近い側の領域については直射光DLのみで照射し、照射面の照明装置1から離れた領域については直射光DLと反射光RLとの合成光によって照射することができるので、照射面の照明装置1に近い側の領域と照射面の照明装置1から離れた領域とにおいて同程度の照度となるように容易に調整することができる。従って、照度ムラの少ない均斉度(目的照射範囲での最小照度/平均照度)の高い照射面を実現することができる。
なお、図4A及び図4Bを用いて、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1の効果について説明する。図4Aは、本発明の第1の実施形態に係る照明装置における配光曲線を示す図である。図4Bは、特許文献1記載された照明装置における配光曲線を示す図である。
図4A及び図4Bに示すように、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1は、特許文献1記載された照明装置に対して、滑らかな配光曲線とすることができるとともに、ビーム角を小さくすることができることが分かる。なお、図4Aにおける1/2ビーム角は30度であり、図4Bにおける1/2ビーム角は45度である。
次に、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1において、反射面31を構成する楕円ELの焦点距離と配光曲線との関係について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置において、反射面を構成する楕円の焦点距離と配光曲線との関係を示す図である。なお、図5において、「f30」、「f40」、「f50」は、それぞれ、焦点間距離(第1焦点F1と第2焦点F2との距離)が30mm、40mm、50mmの場合を示している。また、第1焦点F1は固定し、第2焦点F2の位置を変更するようにした。
図5に示すように、焦点間距離が短いほど、すなわち、第2焦点F2が照明装置1に近いほど、配光角が大きくなり、広い範囲に配光されることが分かる。但し、焦点間距離を短くしすぎると、反射鏡の反射面が短くなるので反射光の光量が小さくなる。一方、焦点間距離を長くしすぎると、ビーム角が狭くなりすぎる。
以上、本実施形態に係る照明装置1では、LEDモジュール20として、実装基板22上にLED21a(ベアチップ)が直接実装されたCOB型(Chip On Borad)のライン状光源を用いたが、これに限らない。例えば、図6に示すように、表面実装型(SMD:Surface Mount Device)のLED素子20Aを一直状に複数個配列して照明装置1Aを構成しても構わない。図6は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る照明装置の斜視図である。
ここで、SMD型のLED素子20Aは、樹脂等で成型されたキャビティ23の中にLEDチップが実装されたパッケージ型のLED素子であり、キャビティ23内を蛍光体含有樹脂によって封入することによって発光部21Aが構成されている。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る照明装置2について、図7A及び図7Bを用いて説明する。図7Aは、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の断面図である。図7Bは、本発明の第2の実施形態に係る照明装置における配光曲線を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係る照明装置2は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と基本的な構成は同じである。従って、図7Aにおいて、図1Bに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。なお、図7Aは、図1Bと同じ位置における断面を示している。
本実施形態に係る照明装置2が本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と異なる点は、本実施形態に係る照明装置2が、光を拡散する光拡散部材を備える点である。
具体的には、図7Aに示すように、本発明の第2の実施形態に係る照明装置2は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1に対して、さらに、前面パネル40及び拡散膜50を備える。
前面パネル40は、可視光に対して透明な部材からなり、反射部材30における開口部を蓋するように取り付けられている。前面パネル40は、例えば、透過率の高い透明樹脂又は透明ガラスによって構成することができる。
拡散膜50は、発光部21から発する光を拡散するように構成されており、開口面32の反射面31側の一部の領域に形成される。本実施形態において、拡散膜50は、前面パネル40の内面であって、前面パネル40の反射面31側(基板10とは反対側)の一部に形成した。具体的に、本実施形態における拡散膜50は、開口面32の開口幅Wが21mmの構成に対して、反射面31に接する端縁からY方向に沿って9mmの範囲に形成した。なお、拡散膜50としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、及び酸化カルシウムなどからなる酸化金属微粒子を材料とする酸化膜を用いることができる。なお、環境的には、アクリル系樹脂を主成分とするバインダーにより拡散膜を形成することが好ましい。また、拡散膜の代わりに、あるいは拡散膜と併用して、開口面を構成する透光性樹脂材やガラス材に上記の金属微粒子を含有させてもよい。あるいは、金属微粒子の代わりに微小な気泡や微小な凹凸面を用いて拡散膜を構成しても構わない。
以上、本発明の第2の実施形態に係る照明装置2によれば、上記の拡散膜50によって、照明装置に近い側の照射面領域に向かう直射光を拡散させることができるので、図7Bに示すように、図4Aに示した配光曲線に対して、より滑らかな配光曲線とすることができる。すなわち、過度な照度変化が無いように照射面を照射することができる。従って、より照度ムラの少ない均斉度の高い照射面を実現することができる。
さらに、本実施形態に係る照明装置2によれば、前面パネル40の一部に拡散膜50が形成されているので、反射光への影響が少なく、直射光に対しての寄与が高い拡散効果を実現することができる。
また、本実施形態に係る照明装置2によれば、開口面が前面パネル40で塞がれているので、発光部21及び反射面31を防塵でき、光度が低下することを防止することができる。
なお、拡散膜50については、グラデーションにより拡散性の強度を調整してもよい。
これにより、さらに、配光曲線を滑らかにすることができる。
(第2の実施形態の変形例)
次に、本発明の第2の実施形態の変形例に係る照明装置2Aについて、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8Aは、本発明の第2の実施形態の変形例に係る照明装置の断面図である。図8Bは、本発明の第2の実施形態の変形例に係る照明装置における配光曲線を示す図である。
上述の本発明の第2の実施形態に係る照明装置2では、透明な前面パネル40に拡散部材として拡散膜50を形成したが、本変形例に係る照明装置2Aでは、前面パネル全体が光拡散部材として構成されている。すなわち、本変形例に係る照明装置2Aは、前面拡散パネル50Aを備える。
前面拡散パネル50Aは、パネル全体として、発光部21から発する光を拡散させるように構成されており、反射部材30の開口部を蓋するように取り付けられている。これにより、発光部21からの反射光及び直射光は、前面拡散パネル50Aによって拡散される。
以上、本発明の第2の実施形態の変形例に係る照明装置2Aによれば、開口面から放射する全ての光を拡散させることができるので、図8Bに示すように、図4A及び図7Bに示した配光曲線に対して、より滑らかな配光曲線とすることができる。さらに、本実施形態に係る照明装置2Aによれば、前面拡散パネル50Aを備えているので、発光部21及び反射面31を防塵でき、光度が低下することを防止することができる。
次に、上述した本発明の第1の実施形態に係る照明装置1(以下、「本発明1」とも記載する)、本発明の第2の実施形態に係る照明装置2(以下、「本発明2」とも記載する)、及び、本発明の第2の実施形態の変形例に係る照明装置2A(以下、「本発明2A」とも記載する)について、各形態の配光曲線の違いについて、図8Cを用いて説明する。図8Cは、本発明1、本発明2及び本発明2Aにおける配光曲線を説明するための図である。
図8Cに示すように、本発明2Aのように前面拡散パネル50Aを設けることにより、本発明1及び本発明2よりも配光曲線を滑らかにすることができるが、最高光度は本発明1及び本発明2に対して1/2程度に低下する。
また、本発明2のように、開口面32の反射面側の一部に光拡散部材を付加することにより、本発明1と同等の光度を得ることができ、かつ、本発明1よりも滑らかな配光曲線を実現することができる。
すなわち、本発明1では、照明装置に近い側の領域において直射光の光度が大きく、配光曲線において光度変化が大きい箇所が存在していた。これに対し、本発明2では、照明装置に近い側の領域に向かう直射光を拡散させているので、上記の配光曲線における照度変化が大きい箇所をなくすことができる。これにより、本発明2は、本発明1に対して、最高光度を低下させることなく、より滑らかな配光曲線を実現することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る照明装置3について、図9A〜図9Cを用いて説明する。図9Aは、本発明の第3の実施形態に係る照明装置の断面図である。図9Bは、本発明の第3の実施形態に係る照明装置におけるプリズムの拡大断面図である。図9Cは、本発明の第3の実施形態に係る照明装置における配光曲線を示す図である。
本発明の第3の実施形態に係る照明装置3は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と基本的な構成は同じである。従って、図9Aにおいて、図1Bに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。なお、図9Aは、図1Bと同じ位置における断面を示している。
本実施形態に係る照明装置3が本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と異なる点は、第2の実施形態と同様に、本実施形態に係る照明装置3が、入射光を屈折させる光屈折部を備える点である。
具体的には、図9Aに示すように、本発明の第3の実施形態に係る照明装置3は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1に対して、一部にプリズム61が形成された前面パネル60を備える。
前面パネル60は、可視光に対して透明な部材からなり、反射部材30の開口部を蓋するように取り付けられている。前面パネル60は、例えば、透過率の高い透明樹脂又は透明ガラスによって構成することができる。従って、前面パネル60の一部であるプリズム61も光透過率が高い材料で構成される。これにより、前面パネル60及びプリズム61における光損失を少なくすることができる。
プリズム61は、発光部21から発する光を屈折及び分散させるように構成されている。また、プリズム61は、図9Bに示すように、発光部21からの反射光RL及び直射光DLを屈折するように構成されており、特に、直射光DLに対しては大きく屈折するように、一方、反射光RLに対してはあまり屈折させないように構成されている。
本実施形態では、反射面31を構成する楕円ELの長軸MAが実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対して傾斜しているので、反射光RLの前面パネル60への入射角は小さくなる。これにより、反射光RLのプリズム61を通過した後の屈折方向は大きく変わらない。従って、反射光RLの進行方向にの影響を抑えつつ、直射光DLを所望に屈折させることができる。
また、プリズム61は、前面パネル60の反射面31側(基板10とは反対側)の一部に形成される。これにより、反射光への影響が少なく、直射光に対しての寄与が高いプリズム効果を実現することができる。本実施形態において、プリズム61は、前面パネル60の外側面において、前面パネル60の主面の法線に対して65度の傾斜角度を有するように構成されている。また、プリズム61は、開口面の開口幅Wが21mmの構成に対して、反射面31に接する端縁からY軸方向に沿って7mmの範囲に形成した。
以上、本発明の第3の実施形態に係る照明装置3(以下、「本発明3」とも記載する)によれば、図9Bに示すように、プリズム61によって、照明装置に近い側の照射面領域に向かう直射光DLを下方側(照射装置から離れる方向)に屈折させることができる。しかも、プリズム61は、反射光RLに対しては、ほとんど進行方向を変化させないように構成されている。なお、プリズム61は、反射面31を構成する楕円ELの長軸から離れた位置に形成されている。
これにより、本発明3は、図9Cに示すように、本発明2と同様に、本発明1よりも滑らかな配光曲線を実現することができる。すなわち、過度な照度変化が無いように照射面を照射することができる。従って、より照度ムラの少ない均斉度の高い照射面を実現することができる。しかも、本発明2では、最高光度が本発明1よりも若干小さくなっていたが、本発明3では、最高光度が本発明1の1.18倍にすることができ、滑らかな配光曲線を実現するだけではなく、最高光度を大きくすることもできる。
また、本実施形態に係る照明装置3によれば、開口面が前面パネル60で塞がれているので、発光部21及び反射面31を防塵でき、光度が低下することを防止することができる。
なお、上述のとおり、発光部21から発する光は、ランバーシャン配向特性を有しているので、発光部取付面の法線(Y軸)とのなす角をαとした場合、光度分布はcosαに比例した余弦則定理が成り立ち、αの角度が大ききなる程光度が小さくなる。従って、プリズム61が形成された部分に入射する直射光DLは、光度が高い領域となっている。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る照明装置4について、図10A及び図10Bを用いて説明する。図10Aは、本発明の第4の実施形態に係る照明装置の断面図である。図10Bは、本発明の第4の実施形態に係る照明装置における凸レンズの斜視図である。
本発明の第4の実施形態に係る照明装置4は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と基本的な構成は同じである。従って、図10Aにおいて、図1Bに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。なお、図10Aは、図1Bと同じ位置における断面を示している。
本実施形態に係る照明装置4が本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と異なる点は、本実施形態に係る照明装置4が、凸レンズを備える点である。
具体的には、図10Aに示すように、本発明の第4の実施形態に係る照明装置4は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1に対して、さらに、凸レンズ70を備える。
凸レンズ70は、図10Bに示すように、断面凸形状で一軸方向に沿って延びるシリンドリカルレンズである。なお、本実施形態では、凸レンズ70として、高さが5.4mm、厚さが2.95mm、エッジ厚さが1.53mm、焦点距離が6.33のシリンドリカルレンズを用いた。
このように構成される凸レンズ70は、図10A及び図10Bに示すように、発光部21の直射光を受光することができるように、照明装置の光照射側における発光部21の近傍であって基板10の近傍に配置される。より具体的には、X軸方向に沿った発光部21の中心と開口面32における反射面31の端縁とを結ぶ面と、発光部取付面22aと、の間の領域であって開口面32を含む角度内領域に、凸レンズ70は配置される。
また、凸レンズ70は、発光部21に対して、光入射側が平面となるように、また、光出射側がシリンドリカル面(円筒面)となるように配置される。なお、凸レンズ70は、発光部21からの光のうち反射光を受光しないように構成することが好ましい。
さらに、本実施形態では、凸レンズ70は、当該凸レンズ70の光軸LAが反射面31を構成する楕円ELの長軸MAと一致するように配置されている。
以上、本発明の第4の実施形態に係る照明装置4によれば、凸レンズ70の入射面に対して傾斜して入射した発光部21からの光は、凸レンズ70によって、凸レンズ70の光軸LAに近づくように屈折する。すなわち、照明装置に近い側の領域に進行する直射光を、照明装置から離れた領域を照射するように制御することができる。本実施形態では、凸レンズ70の光軸LAと楕円ELの長軸MAとが一致するので、発光部21からの直射光は、楕円ELの長軸MAと略平行に進行するように、凸レンズ70によって屈折される。
これにより、本発明2、3と同様に、本発明1よりもさらに滑らかな配光曲線を実現することができる。すなわち、過度な照度変化が無いように照射面を照射することができ、より照度ムラの少ない均斉度の高い照射面を実現することができる。
なお、図11Aに示すように、凸レンズ70の光軸LAを楕円ELの長軸MAと一致させずに、発光部取付面22aに対する凸レンズ70の光軸LAの仰角を、発光部取付面22aに対する楕円の長軸MAの仰角よりも大きくなるように構成することもできる。なお、図11Aにおいて、凸レンズ70の光軸LAの角度以外は、図10Aと同じである。
このように構成される本発明の第4の実施形態の変形例1に係る照明装置4Aによれば、図10Aに示す第4の実施形態と同様に、凸レンズ70の入射面に対して傾斜して入射した発光部21からの光は、凸レンズ70によって、凸レンズ70の光軸LAに近づくように屈折する。すなわち、照明装置に近い側の領域に進行する直射光を、照明装置から離れた領域の照射面を照射するように制御することができる。そして、本実施形態では、実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対する凸レンズ70の光軸LAの傾斜角が、楕円ELの長軸MAの傾斜角θよりも大きいので、発光部21からの直射光は、凸レンズ70によって楕円ELの長軸MAから離れる方向に進行する。すなわち、本変形例1における凸レンズ70からの出射光は、第4の実施形態の凸レンズ70からの出射光よりも、照明装置に近い側の領域の照射面を照射する。
さらに、図11Bに示すように、実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対する凸レンズ70の光軸LAの傾斜角を、楕円ELの長軸MAの傾斜角θよりも小さくなるように構成することもできる。なお、図11Bにおいて、凸レンズ70の光軸LAの角度以外は、図10Aと同じである。
このように構成される本発明の第4の実施形態の変形例2に係る照明装置4Bによれば、図10Aに示す第4の実施形態と同様に、凸レンズ70の入射面に対して傾斜して入射した発光部21からの光は、凸レンズ70によって、凸レンズ70の光軸LAに近づくように屈折する。すなわち、照明装置に近い側の領域に進行する直射光を、照明装置から離れた領域の照射面を照射するように制御することができる。そして、本実施形態では、実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対する凸レンズ70の光軸LAの傾斜角が、楕円ELの長軸MAの傾斜角θよりも小さいので、発光部21からの直射光は、凸レンズ70によって楕円ELの長軸MAに近づく方向に進行する。すなわち、本変形例2における凸レンズ70から出射光は、第4の実施形態の凸レンズ70からの出射光よりも、照明装置から遠い側の領域の照射面を照射する。
このように、本発明の第4の実施形態の変形例1、2に係る照明装置4A、4Bについても、本発明の第4の実施形態に係る照明装置4と同様に、本発明1よりもさらに滑らかな配光曲線を実現することができる。
次に、上述の本発明の第4の実施形態に係る照明装置4(以下、「本発明4」とも記載する)、本発明の第4の実施形態の変形例1に係る照明装置4A(以下、「本発明4A」とも記載する)、及び、本発明の第4の実施形態の変形例2に係る照明装置4B(以下、「本発明4B」とも記載する)における各配光曲線について、図11Cを用いて説明する。図11Cは、本発明4、本発明4A及び本発明4Bにおける配光曲線を示す図である。なお、図11Cにおいて、発光部21と凸レンズ70との距離が、凸レンズ70の焦点距離と一致するように構成した場合における配光曲線である。
図11Cに示すように、本発明4、本発明4A及び本発明4Bは、いずれも滑らかな配光曲線を実現できることが分かる。
さらに、本発明4は、狭角で滑らかな配光曲線を実現できることが分かる。また、本発明4Aは、本発明4よりもやや配光を広げて滑らかな配光曲線を実現できることが分かる。また、本発明4Bは、本発明4よりもさらに狭角で滑らかな配光曲線であって、さらに、本発明4よりも最大光度が大きい配光曲線を実現できることが分かる。
このように、実装基板22の主面(発光部取付面22a)に対する凸レンズ70の光軸LAの傾斜角を適宜変更することにより、配光角(1/2ビーム角)を所望に可変することができる。
また、以上、本発明4、本発明4A及び本発明4Bでは、発光部21と凸レンズ70との距離が凸レンズ70の焦点距離と一致するように構成したが、一致しないように構成することもできる。
例えば、発光部21と凸レンズ70との距離を、凸レンズ70の焦点距離よりも短くすることができる。また、発光部21と凸レンズ70との距離を、凸レンズ70の焦点距離よりも長くすることもできる。このとき、本発明4に対して、発光部21と凸レンズ70との距離が凸レンズ70の焦点距離よりも短い場合の形態を、本発明の第4の実施形態の変形例3に係る照明装置4C(以下、「本発明4C」とも記載する)とし、また、本発明4に対して、発光部21と凸レンズ70との距離が凸レンズ70の焦点距離よりも長い場合の形態を、本発明の第4の実施形態の変形例4に係る照明装置4D(以下、「本発明4D」とも記載する)とする。これらの実施形態の相違について、図12を用いて説明する。図12は、本発明4、本発明4C及び本発明4Dにおける配光曲線を示す図である。なお、図12において、本発明4Cは、発光部21と凸レンズ70との距離を、凸レンズ70の焦点距離よりも1mm短くした場合であり、本発明4Dは、発光部21と凸レンズ70との距離を、凸レンズ70の焦点距離よりも1mm長くした場合である。
図12に示すように、本発明4のように、発光部21と凸レンズ70との距離を、凸レンズ70の焦点距離と一致させた場合、最も集光性が高くなることが分かる。一方、本発明4C及び本発明4Dのように、発光部21と凸レンズ70との距離を、凸レンズ70の焦点距離よりも短くしたり長くしたりすると、集光性を低くすることができる。
このように、発光部21と凸レンズ70との距離を調整することにより、最高光度方向を微調整することができ、目的に応じて適宜設計することができる。なお、凸レンズ70を可動式にすることにより、凸レンズ70の光軸方向及びレンズ位置等を微調整することが可能となる。
以上、本実施形態及びその変形例では、LEDモジュール20がライン状光源であったので、シリンドリカルレンズの凸レンズ70を用いたが、図6に示すようにSMD型のLED素子20Aを複数個配列する場合は、ライン状光源の場合と同様にシリンドリカルレンズの凸レンズ70を用いることもできるし、図13に示すような、長尺状の平板光学部品に複数の凸レンズ部71が形成された凸レンズ70Aを用いることもできる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る照明装置5について、図14A〜図14Cを用いて説明する。図14Aは、本発明の第5の実施形態に係る照明装置の斜視図である。図14Bは、図14AのB−B’線に沿って切断した本発明の第5の実施形態に係る照明装置の断面図である。図14Cは、図14AのA−A’線に沿って切断した本発明の第5の実施形態に係る照明装置の断面図である。
本発明の第5の実施形態に係る照明装置5は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と基本的な構成は同じである。従って、図14A〜図14Cにおいて、図1A及び図1Bに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
本実施形態に係る照明装置5が本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と異なる点は、本実施形態に係る照明装置5が、反射鏡80を備える点である。
反射鏡80は、図14A〜図14Cに示すように、隣り合うLEDモジュール20の間に設けられている。本実施形態において、反射鏡80は、開口面(X−Y平面)に対して傾斜する一対の反射平面81を備える。反射平面81は、LEDモジュール20の発光部21が発する光のうち横方向に進行する光を反射して、光照射側である開口面32に進行するように構成されている。
以上、本発明の第5の実施形態に係る照明装置5によれば、反射鏡80によってLEDモジュール20からの光を光照射側に集光させることができるので、中央部光度を大きくすることができる。なお、開口面に対する反射平面81の傾斜角は任意に調整することができるが、傾斜角を大きくするほど集光性を向上させることができる。
(第5の実施形態の変形例1、2)
次に、本発明の第5の実施形態に係る照明装置5の2つの変形例について説明する。まず、本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置5Aについて、図15A〜図15Cを用いて説明する。図15Aは、本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置の斜視図である。図15Bは、図15AのB−B’線に沿って切断した本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置の断面図である。図15Cは、図15AのA−A’線に沿って切断した本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置の断面図である。
本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置5Aは、本発明の第5の実施形態に係る照明装置5と基本的な構成は同じである。従って、図15A〜図15Cにおいて、図14A〜図14Cに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
本変形例1に係る照明装置5Aが本発明の第5の実施形態に係る照明装置5と異なる点は、反射鏡の構成である。
すなわち、本変形例1に係る照明装置5Aにおける反射鏡80Aは、基板10(X−Z平面)に対して傾斜する一対の反射平面81Aを備える。本変形例1において、反射平面81Aは、LEDモジュール20の発光部21が発する光のうち横方向に進行する光を反射して、反射面31側に向かうように構成されている。なお、反射平面81Aで反射した光は、その後、反射面31で反射して開口面32から出射する。
以上、本変形例1に係る照明装置5Aによれば、反射鏡80AによってLEDモジュール20からの光を集光させることができるので、中央部光度を大きくすることができる。なお、本変形例1は、SMD型のLEDモジュールに対して好適である。この点について、以下、変形例2として図16A〜図16Cを用いて説明する。図16Aは、本発明の第5の実施形態の変形例2に係る照明装置の斜視図である。図16Bは、図16AのB−B’線に沿って切断した本発明の第5の実施形態の変形例2に係る照明装置の断面図である。図16Cは、図16AのA−A’線に沿って切断した本発明の第5の実施形態の変形例2に係る照明装置の断面図である。
本発明の第5の実施形態の変形例2に係る照明装置5Bは、本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置5Aと基本的な構成は同じである。従って、図16A〜図16Cにおいて、図15A〜図15Cに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
本変形例2に係る照明装置5Bが変形例1に係る照明装置5Aと異なる点は、LEDモジュールの構成である。
本変形例2に用いられるLEDモジュール20Bは、SMD型のLEDモジュールであって、図16Dに示すように、樹脂等で成型されたキャビティ23内に発光部21Aが形成されたLED発光素子が実装基板22上に一列に並んで複数個実装されている。発光部21Aは、キャビティ23の中に実装されたLEDチップと、LEDチップを被覆するようにキャビティ23内に封入された蛍光体含有樹脂とによって構成されている。
以上、本変形例2に係る照明装置5Bによっても、反射鏡80AによってLEDモジュール20Bからの光を集光させることができるので、中央部光度を大きくすることができる。
また、以下に説明する効果も奏する。図15A〜図15Cのように、基板10に対して傾斜する反射平面81Aを備える反射鏡80Aでは、図14A〜図14Cのような開口面に対して傾斜する反射平面81を備える反射鏡80と同等の傾斜角を有するような場合、LEDモジュール間に占める反射鏡の面積が大きかった。このため、図6に示すような従来のSMD型のLED素子を均等に配置した場合、その隙間を設定することが困難であった。これに対して、本変形例2のように、SMD型のLED素子を複数個まとめてユニット化し、このユニット化したものをLEDモジュールとして複数配置することにより、ライン状光源と同等にLEDモジュール間の隙間を大きく確保することができる。これにより、図16A〜図16Cに示すように、容易に反射鏡80Aを設けることができる。
次に、上述した本発明4、本発明の第5の実施形態に係る照明装置5(以下、「本発明5」とも記載する)、及び、本発明の第5の実施形態の変形例1に係る照明装置5A(以下、「本発明5A」とも記載する)について、各形態の配光曲線の違いについて、図17A及び図17Bを用いて説明する。図17Aは、本発明4、本発明5及び本発明5AのA断面における配光曲線を説明するための図である。図17Bは、本発明4、本発明5及び本発明5AのB断面における配光曲線を説明するための図である。なお、図17A及び図17Bは、光度の大小比較を容易にするために、配光曲線を直交座標でグラフ化したものである。さらに、図17AのA断面配光曲線及び図17BのB断面配光曲線は、開口面直下を鉛直角0°とし、本発明4における光度の最大値を1として規格化している。また、本発明5及び本発明5Aにおいては、本発明4と同様に凸レンズ70を設けた場合の配光曲線である。
図17A及び図17Bに示すように、本発明5及び本発明5Aは、いずれも、B断面での配光が狭くなるとともに、中心光度が向上していることが分かる。また、本発明5と本発明5Aとを比べると、図17Bに示すように、B断面における中心光度は、本発明5の方が本発明5Aよりも向上しているが、本発明5Aは、略同一光度の角度幅が広く、照射面においてより高い均斉度が得られることが分かる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るランプについて、図18A及び図18Bを用いて説明する。図18Aは、本発明の第6の実施形態に係るランプの外観斜視図である。図18Bは、本発明の第6の実施形態に係るランプの断面図である。
本発明の第6の実施形態に係るランプ100は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と基本的な構成は共通する。従って、図18Bにおいて、図1Bに示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その詳しい説明は省略する。
図18A及び図18Bに示すように、本発明の第6の実施形態に係るランプ100は、直管110と、直管110内に収納された光源部101とを備える。さらに、本実施形態に係るランプ100は、直管110の両端に装着されたソケット120a、120bと、光源部101のLEDチップを点灯させるための点灯回路130とを備える。
光源部101は、図1Bに示す本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と同様の構成であり、基台10A、LEDモジュール20及び反射部材30Aを備える。
基台10Aは、LEDモジュール20を載置するための載置面を有する基台であり、直管110の長手方向に沿って延びる長尺状形状である。本実施形態において、基台10Aは、アルミニウムからなるアルミ基台であり、LEDモジュール20で発生した熱を放熱させるためのヒートシンク(放熱基板)である。また、基台10Aは、裏面側に直管110の内面形状と略同形の曲面部が設けられている。当該曲面部と直管110の内面とが接着剤(不図示)によって固着されることにより、基台10Aは直管110に固定される。
LEDモジュール20は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1におけるLEDモジュール20と同じ構成である。本実施形態において、LEDモジュール20は、直管110の長手方向に沿って複数個一列に配列されている。
反射部材30Aは、LEDモジュール20の発光部21が発する光を反射する反射面31Aを有し、一方の端部は基台10Aに設けられており、他方の端部は直管110の内面に固定されている。反射面31Aは、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1における反射部材30の反射面31と同じ構成である。
直管110は、長尺円筒形状であり、ガラスからなるガラス管又はプラスチック等の樹脂からなるプラスチック管である。本実施形態では、直管110としてガラス管を用いた。また、直管110内面に、光を拡散させるための拡散膜等を被覆しても構わない。なお、直管110に拡散膜を形成せず直管110が透明である場合、かつ、光源部101からの光の入射角が直管の材料で決まる臨界角以下である場合、光源部101から射出する光の進行方向はほぼ変化しない。
ソケット120a、120bは、口金であって、給電用の一対の口金ピンを備える。
点灯回路130は、ソケット120a、120bからの給電によって光源部101のLEDチップを点灯させる。点灯回路130は、基台10Aの発光部取付面側において反射部材30Aを挟んでLEDと反対側に設けることができる。なお、点灯回路130は、基台10Aの裏側に設けてもよいし、ソケット内に設けられていてもよい。
以上、本発明の第6の実施形態に係るランプ100によれば、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1と同様に、滑らかな配光曲線を実現することができ、ランプ100を照明器具に配置したときに、片側配光の壁面照明に適した光を照射することができる。
なお、本実施形態において、点灯回路130は直管110内に設けたが、点灯回路130は、ソケット120a、120b内に設けてもよいし、照明器具等のランプ100外部に設けても構わない。
また、本実施形態において、LEDモジュール20及び反射部材30Aは、基台10Aに設けられているが、この構成に限らない。例えば、図1のように、LEDモジュール20及び反射部材30Aが基台10Aとは異なる基板に設けられてユニット化されており、基台10Aの載置面に当該ユニットの基板が載置されるようにして構成することもできる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係るショーケースについて、図19A及び図19Bを用いて説明する。図19Aは、本発明の第7の実施形態に係るショーケースの外観斜視図である。図19Bは、本発明の第7の実施形態に係るショーケースの断面図であって、照明装置の配光状態を模式的に表した図である。
本発明の第7の実施形態に係るショーケース200は、照明用光源として、上述の本発明の第1〜5の実施形態及びその変形例に係る照明装置を備える。なお、本実施形態では、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1を備える。
本発明の第7の実施形態に係るショーケース200は、冷蔵・冷凍食品等をはじめとして各種商品の陳列に用いられる多段オープンショーケースであって、図19A及び図19Bに示すように、多段状に設けられた陳列棚210と、ケースの底部であるケース底部220とを有している。陳列棚210は、商品を陳列するための透光性の複数の棚板で構成されており、本実施形態では、上下方向に設けられた4つの第1陳列棚211、第2陳列棚212、第3陳列棚213及び第4陳列棚214からなる。
また、ショーケース200の上前端部には、照明装置1を取り付けるための照明装置取り付け部230が設けられている。照明装置取り付け部230は、照明装置1とともに庫外キャノピー照明を構成する。なお、本実施形態では、照明装置取り付け部230には、4個の照明装置1が長手方向に沿って一列に取り付けられている。
照明装置1は、陳列棚210に陳列された商品を照明するために配置されており、本実施形態では、照明装置1の開口面が下方に向くように配置されている。
このように構成される本発明の第7の実施形態に係るショーケース200において、照明装置1から出射された光は、陳列棚210とケース底部220に配光される。このとき、陳列棚210に照射される光のうち最上段の第1陳列棚211に照射される光の照射距離は最短照射距離Lminとなり、最下段の第4陳列棚214に照射される光の照射距離は最長照射距離Lmaxとなる。
本実施形態に用いられる照明装置1は、異なる照射距離を有する照射面に対して滑らかな配光曲線を実現することができる。すなわち、最短照射距離Lmin周辺の最短照射距離領域に対しては直射光のみで照射し、最長照射距離Lmax周辺の最長照射距離領域に対しては直射光と当該直射光よりも光度の大きい反射光とで照射する。
従って、本発明の第7の実施形態に係るショーケース200によれば、多段状の陳列棚に対して照度ムラがない高い均斉度で光を照射することができ、広範囲での均一照明を実現することができる。
さらに、本発明の第2〜第4の実施形態に係る照明装置のように拡散膜50、プリズム61又は凸レンズ70等の光学部品を用いることにより、より滑らかな配光曲線を実現することができる。従って、より高い均斉度で光を照射することができる。
以上、本発明に係る照明装置、ランプ及びショーケースについて、各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態において、発光部21は、LEDモジュール20の実装基板22上に形成したが、発光部21は、基板10上に直接形成しても構わない。この場合、発光部取付面は、基板10の主面となる。
また、本実施形態では、1つのLEDモジュール20が1つの発光部21を備えるとしたが、これに限らない。例えば、1つのLEDモジュールが2つの発光部を備えるように構成しても構わない。この場合、一方の発光部を反射光専用として反射面にのみ反射させるように構成し、他方の発光部を直射光専用として反射面に反射させないように構成することもできる。
また、第2〜第4の実施形態では、拡散膜50、プリズム61及び凸レンズ70等によって光を屈折等させるように構成したが、これに限るものではない。例えば、複数の羽によって構成されるルーバーを開口面32に設けることによっても反射光及び直射光(特に、直射光)を所望に制御することができる。このようにルーバーを用いることにより、ルーバーの羽角制御によって容易に光の屈折等を微調整することができるので、例えば、反射光については照明装置の近傍領域を照射するように、一方、直射光については照明装置から離れた領域を照射するようにと、反射光及び直射光を容易に制御することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。