JP2012072832A - 液晶を利用した物体移動機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定された固定板BPと、固定板BPに対して相対的に移動可能に設けられた移動板MPと、固定板BPの上面と、固定板BPの上面と対向する移動板MPの下面との間に設けられた液晶LCと、液晶LCの液晶分子mを、固定板BPの上面および/または移動板MPの下面と交わる面内で回転させる液晶分子回転手段とからなり、固定板BPの上面には、液晶LCをはじく処理が施されている。液晶LCの移動抵抗が少ないので、移動板MPを固定板BPに対してスムースに移動させることができる。一旦液晶LCが移動を開始すると、移動抵抗が少ないので、連続的にエネルギを加えなくても、移動板MPの移動を連続させることができる。よって、液晶LCに加えるエネルギを少なくしても、移動板MPをスムースにかつ連続的に移動させることができる。
【選択図】図1
Description
かかる機構は、移動が固定された固定平板と、この固定平板に対して移動可能にもうけられた移動平板と、両者の間に充填され両平板にアンカリングされた液晶と、この液晶に対して平板と垂直な電界を加える手段と、を備えている。かかる構成を有して入れば、電界を加えることによって、液晶分子を回転させることができ、この液晶の回転に起因する液晶流動を発生させることができる。すると、移動平板が固定平板に対して移動可能に設けられており、しかも、液晶が両平板にアンカリングされているので、液晶流動に伴って移動平板を移動させることができる。
第2発明の液晶を使用した物体移動機構は、第1発明において、前記固定部材の固定側対向面には、前記移動部材の移動を案内する案内経路が設けられており、前記液晶をはじく処理は、前記案内経路にのみ施されていることを特徴とする。
第3発明の液晶モータは、中空な空間を有する外側部材と、該外側部材の中空な空間の内部に、前記外側部材に対して回転自在に配設された内側軸と、前記外側部材の内面と、前記内側軸の外面との間に入れられた液晶と、前記液晶の液晶分子を、前記内側軸の外面または前記外側部材の内面のいずれか一方と交わる面内で回転させる液晶分子回転手段とからなり、前記内側軸において、前記外側部材の外方かつ前記液晶の近傍に位置する表面には、前記液晶をはじく処理が施されていることを特徴とする。
第4発明の液晶モータは、第3発明において、前記液晶をはじく処理が、前記内側軸の表面において、前記液晶を挟む位置に施されていることを特徴とする。
第2発明によれば、液晶をはじく処理が案内経路にのみ施されている。言い換えれば、液晶をはじく処理をした部分によって案内経路が形成されているので、移動部材を案内経路に沿って移動させることができる。すると、移動部材を所定の方向、経路に沿って移動させることができる。
第3発明によれば、内側軸の表面において、外側部材の外方かつ液晶の近傍に撥液晶部が設けられているので、撥液晶部が設けられている側に液晶が漏れることを防ぐことができる。
第4発明によれば、内側軸の表面における液晶を挟む位置には、液晶をはじく処理が施されているので、液晶が、内側軸の軸方向に移動することを防ぐことができる。よって、外側部材と内側軸との間の液晶が両者の間から漏れ出さず、液晶が両者間に保持された状態を維持できるので、液晶モータを安定した状態で作動させることが可能となる。
まず、本発明の液晶を使用した物体移動機構によって、物体を移動させる原理を説明する。
なお、液晶は、電界や磁界を加えたときに、電界や磁界の方向に対して液晶分子の軸方向が液晶固有の角度に配向するが、以下には、電界や磁界を加えたときに、液晶分子の軸方向が電界や磁界の方向と平行になるような液晶について説明する。
また、液晶分子は、電界、磁界いずれを加えた場合でも配向するので、以下には電界を加える場合のみを説明する。
なお、図2(A)では、配向膜Fとして、液晶分子mがその軸方向が図2の左右方向に沿って並び、しかも、右端から左端に向かって上傾するようにアンカリングするものである場合を示している。
よって、液晶流動に起因する力が上方平行板Pに加わるので、液晶LCの流れの方向に沿って、上方平行板Pを、下方平行板Pに対して移動させることができるのである(図2(B)
)。
つぎに、上述した原理を利用した、本実施形態の液晶を使用した物体移動機構について説明する。
上述した原理では、一対の平行板P,Pの互いに対向する面に、それぞれ配向膜Fが設けられているが、本実施形態の液晶を使用した物体移動機構は、一対の平行板P,Pにおける互いに対向する面のうち、一方の面には配向膜Fを設けるが、他方の面には配向膜Fに代えて、液晶をはじく処理を施したことに特徴を有している。
この固定板BPの上方には、固定板BPの上面と平行な方向に沿って移動可能に設けられた板状部材(移動板MP)が設けられている。この移動板MPは、その下面が滑らかな平坦面に形成されたものであり、その下面が水平になるように配設されている。つまり、移動板MPは、その下面が、固定板BPの上面と互いに平行になるように配設されているのである。
一方、固定板BPの上面には、液晶LCをはじく処理が施されている。例えば、液晶LCをはじく性質を有する界面活性剤や垂直配向剤等のように液晶LCをはじく物質が塗布された層である撥液晶部RCを形成している。つまり、液晶LCと固定板BPの上面の撥液晶部RCとの間には、互いに反発するような力が作用しているのである。
なお、固定板BPの上面の適所、具体的には、液晶分子回転手段によって電界efが形成される個所には、配向膜FSが設けられている。この配向膜FSは、その面積が、移動板MPの下面の面積に比べて小さくなるように形成されている。
つぎに、本実施形態の液晶を使用した物体移動機構において、移動板MPを移動させる操作を説明する。
本実施形態の液晶を使用した物体移動機構において、液晶分子回転手段によって、固定板BPの上面と移動板MPの下面と直交する電界efを、液晶LCに対して印加除去すれば、液晶分子mが回転(具体的には、液晶分子mが起立倒伏するように回転)する。すると、固定板BPの上面と移動板MPの下面との間に、両面に沿った液晶流動が発生する。
しかも、一旦液晶LCが移動を開始すると、液晶LCが固定板BPの上面を移動する移動抵抗が少ないので、連続的にエネルギを加えなくても、液晶LCの移動、つまり、移動板MPの移動を連続させることができる。
具体的には、固定板BPの上面に、移動板MPの幅とほぼ同じ幅を有するライン状の撥液晶部RC(特許請求の範囲における案内経路に相当する)を形成する。すると、液晶LCに電界efを加えることによって液晶LCが移動すると、撥液晶部RC上では液晶LCが固定板BP上を滑るように移動するが、それ以外の部分では液晶LCは移動抵抗を受ける。すると、液晶LCは、移動抵抗の少ない方向に移動しようとするので、撥液晶部RCに沿うように移動するのである。
よって、固定板BPの上面に、撥液晶部RCをライン上に設ければ、このラインに沿って液晶LCを移動させることができる。つまり移動板MPを、所望の経路に沿って移動させることができるのである。
例えば、固定板BPにその上面と平行に設けられた電極と、移動板MPにその下面と平行に設けられた電極と、この電極間に電圧を印加除去する電圧制御手段を設けておけば、上記のごとき電界efを形成することができる。
上記例では、液晶をはじく処理を物体移動機構に採用した例を説明したが、液晶をはじく処理は、以下のように使用することもできる。
よって、内側軸AXと外側部材Aの間において、全ての液晶分子mは、その軸方向を内側軸AXの外面の接線方向に配列し、しかも、下流側が上傾するように配列する。
逆に、内側軸AXを固定した状態で、外側部材Aと内側軸AXの間にその半径方向の電界effを形成すれば、液晶LCには、外側部材Aの内面の接線方向に沿って流れが発生する。すると、外側部材Aは、内側軸AXの軸周りに回転可能であるから、液晶LCの流れの方向に沿って、外側部材Aを反時計回りに回転させることができる。
かかる位置に一対の撥液晶部RC,RCを設ければ、外側部材Aと内側軸AXとの間に収容されている液晶LCと一対の撥液晶部RC,RCとが反発するので、液晶LCは、内側軸AXの軸方向に移動せず、外側部材Aと内側軸AXとの間に保持される。
つまり、上記のごとき液晶モータに一対の撥液晶部RC,RCを設けることによって、外側部材Aと内側軸AXとの間の液晶LCが両者の間から漏れ出さず、液晶LCが両者間に保持された状態を維持できるので、液晶モータを安定した状態で作動させることが可能となるのである。
例えば、内側軸AXが、外側部材Aの一端からのみ突出したような構造を有している場合(つまり、他端がほぼ同一面上に位置している場合)には、内側軸AXにおいて、外側部材Aから突出している側の表面における液晶LCの近傍だけに撥液晶部RCを設けてもよい。この場合でも、液晶LCの移動を撥液晶部RCが妨げるので、内側軸AXと外側部材Aとの間に液晶LCを保持しておくことができる。
MP 移動板
F 配向膜
LC 液晶
RC 撥液晶部
m 液晶分子
ef 電界
Claims (4)
- 固定された固定部材と、
該固定部材に対して相対的に移動可能に設けられた移動部材と、
前記固定部材の固定側対向面と、該固定部材の固定側対向面と対向する前記移動部材の移動側対向面との間に設けられた液晶と、
該液晶の液晶分子を、前記固定部材の固定側対向面および/または前記移動部材の移動側対向面と交わる面内で回転させる液晶分子回転手段とからなり、
前記固定部材の固定側対向面には、前記液晶をはじく処理が施されている
ことを特徴とする液晶を利用した物体移動機構。 - 前記固定部材の固定側対向面には、前記移動部材の移動を案内する案内経路が設けられており、
前記液晶をはじく処理は、前記案内経路にのみ施されている
ことを特徴とする請求項1記載の液晶を利用した物体移動機構。 - 中空な空間を有する外側部材と、
該外側部材の中空な空間の内部に、前記外側部材に対して回転自在に配設された内側軸と、
前記外側部材の内面と、前記内側軸の外面との間に入れられた液晶と、
前記液晶の液晶分子を、前記内側軸の外面または前記外側部材の内面のいずれか一方と交わる面内で回転させる液晶分子回転手段とからなり、
前記内側軸において、前記外側部材の外方かつ前記液晶の近傍に位置する表面には、前記液晶をはじく処理が施されている
ことを特徴とする液晶モータ。 - 前記液晶をはじく処理が、
前記内側軸の表面において、前記液晶を挟む位置に施されている
ことを特徴とする請求項3記載の液晶モータ。
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JP2010217714A JP5370972B2 (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 液晶を利用した物体移動機構 |
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JP2015152027A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 公立大学法人高知工科大学 | 変形可能な液晶移動体 |
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JP3586734B2 (ja) * | 2001-10-01 | 2004-11-10 | 学校法人高知工科大学 | 液晶流動形成機構、液晶流動形成方法および液晶流動を用いた物体移動機構 |
JP2005083505A (ja) * | 2003-09-09 | 2005-03-31 | Olympus Corp | スライド式バルブ装置 |
JP2008044065A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | Mems素子及びその製造方法 |
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2010
- 2010-09-28 JP JP2010217714A patent/JP5370972B2/ja active Active
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