JP2012071842A - アダプタ、及びアダプタを備えるスパウト付きパウチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のアダプタは、ネジ部の下方にタンパーエビデンス環状部が抜脱不能に係止されているスパウトとチューブ部材とを接続するためのアダプタ1であって、チューブ部材を接続可能な接続部2と、締方向に回転させることによりスパウトのネジ部に螺合可能な取付部3と、を有し、前記取付部3には、下方に延びる延出部5が設けられ、前記延出部5の下方部5aには、前記取付部3を前記スパウトのネジ部に螺合したときに前記タンパーエビデンス環状部の下端面に係止可能な爪部51が設けられている。
【選択図】 図4
Description
このスパウト付きパウチ内の充填物を患者に投与する際には、スパウトにカテーテルのようなチューブ部材を取り付けるが、一般には、スパウトとチューブ部材は、アダプタを介して取り付けられる。
特許文献1には、チューブ部材を圧入する先細テーパ状の接続部とスパウトに取り付ける取付部とを有し、前記接続部に形状の異なる滑り止め部が形成されている、アダプタが開示されている。
しかしながら、アダプタの接続部には患者に繋がったチューブ部材が接続されているので、使用している間に、アダプタの取付部がスパウトから緩むおそれがある。アダプタが緩むと、スパウトとアダプタの隙間から充填物が漏れてしまう。
また、使用途中で、患者などが誤ってアダプタを回してスパウトから外すおそれもある。
本発明の他の目的は、スパウトに取付けた後にスパウトから緩まないアダプタを備えるスパウト付きパウチを提供することである。
<アダプタを備えるスパウト付きパウチについて>
図1において、本発明のアダプタ1を備えるスパウト付きパウチ10は、アダプタ1と、スパウト付きパウチ10と、を備えた充填物の注出具である。
このアダプタ1を備えるスパウト付きパウチ10は、スパウト7とスパウト7のネジ部の下方において抜脱困難に係止されているタンパーエビデンス環状部9とを有するスパウト付きパウチ10と、スパウト7のネジ部に螺合可能な取付部3とチューブ部材を接続可能な接続部2とを有するアダプタ1と、を備え、取付部3には、タンパーエビデンス環状部9の下端面に係止可能な爪部が設けられている。
アダプタ1は、他端部が使用者に繋げられたチューブ部材の一端部と、スパウト付きパウチ10のスパウト7と、を接続するために使用される。
アダプタ1は、チューブ部材を接続可能な接続部2と、スパウト7に螺合可能な取付部3と、取付部3から下方に延びる延出部5と、を有する。
スパウト付きパウチ10は、充填物が封入された袋6(一部省略して図示している)と、袋6に装着された充填物を注出する注出口を有するスパウト7と、下方にタンパーエビデンス環状部9を有する。前記スパウト7の注出口は、スクリューキャップ8によって閉栓されている。
以下、アダプタ及びスパウト付きパウチの具体的な構成をそれぞれ説明する。
図2〜図4に於いて、本発明のアダプタ1は、スパウト付きパウチ10のスパウト7とチューブ部材とを接続する部材である。
アダプタ1は、チューブ部材の一端部を接続するための接続部2と、締方向に回転させることによりスパウト7のネジ部に螺合可能な取付部3と、接続部2及び取付部3の間に形成された中間部4と、取付部3から下方に延びる延出部5と、を有する。
前記接続部2、中間部4、取付部3及び延出部5は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂又は金属などを用いて一体的に形成されている。接続部2、中間部4、取付部3及び延出部5は、それぞれ筒状である。接続部2、中間部4、取付部3及び延出部5の内部の各空洞は、軸方向に連通されている。従って、アダプタ1の内部には、軸方向に延びる1つの通路11が形成されている。
接続部2及び中間部4の各外周面には、滑り止め加工として複数の突起2a,4aが形成されている。接続部2の外周面に形成された複数の突起2aは、断面略鋸刃状であり、一方、中間部4の外周面に形成された複数の突起4aは、断面略半円状である。
なお、上記各突起2a,4aの形状は異なっているが、何れもが断面略鋸刃状又は略半円状であってもよい。
延出部5は、取付部3をスパウト7に完全に螺合させた状態でアダプタ1を緩方向に回転させたときに、その緩方向の回転を規制するための部分である。前記緩方向は、アダプタ1の軸回りの他方向であって、アダプタ1の締方向と反対の方向である。
具体的には、延出部5は、スパウト7に抜脱困難に係止されたタンパーエビデンス環状部9の外周面よりも若干大きな内周面を有する筒状部である。従って、延出部5は、タンパーエビデンス環状部9に外嵌可能である。この延出部5は、アダプタ1の取付部3をスパウト7のネジ部に螺合していくことに従って、タンパーエビデンス環状部9の外側に嵌まっていく。
この下方部5aの内面の一部分には、前記タンパーエビデンス環状部9の下端面に係止可能な爪部51が内向きに突設されている。
なお、本明細書において、完全に螺合とは、アダプタ又はスクリューキャップとスパウトとの間から充填物が漏れないように、アダプタ又はスクリューキャップがスパウトに螺合した状態をいう。
爪部傾斜面511は、図4に示すように、延出部5の軸方向に対して鈍角状に延出された面である。爪部傾斜面511と延出部5の軸方向(軸線)の成す角は、鈍角であれば特に限定されず、例えば、120度〜175度であり、好ましくは、135度〜170度である。
爪部係合面512は、爪部傾斜面511の先端部に形成されている。
爪部51は、アダプタ1をスパウト7に螺合していくときに、延出部5とタンパーエビデンス環状部9の外周面の間に介在するが、板状部からなる爪部51は、その板バネ作用によって延出部5の内周面に密着するので、アダプタ1をスパウト7に取り付ける際に、延出部5をタンパーエビデンス環状部9に外嵌でき且つタンパーエビデンス環状部9の下端面から爪部51を突出させて爪部51にて係止できる。
爪部51が中実状の凸部から構成されていても、取付部3をスパウト7に螺合していくとき、爪部51や延出部5が若干変形するので、延出部5をタンパーエビデンス環状部9に外嵌でき且つタンパーエビデンス環状部9の下端面から爪部51を突出させて爪部51にて係止できる。
爪部51が複数設けられる場合、各爪部51は、延出部5の内周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、図3に示すように、等間隔に設けられる。
スパウト付きパウチ10は、図1に示すように、袋6と、袋6に装着されたスパウト7と、下方にタンパーエビデンス環状部9を有する。スパウト7のネジ部は、スクリューキャップ8が螺合可能である。
袋6内には、充填物が充填されている。充填物は特に限定されず、例えば、経腸栄養剤、流動食、水分補強ゼリーなどが挙げられる。
このようにスパウト7から袋2内に充填物を充填できるので、袋2の内部に生じるデッドスペース(充填物が充填されていない空間)を小さくできる。一般的にスパウトが取り付けられていない袋の開口部から充填物を充填すると、比較的大きなデッドスペースが生じるが、上記スパウト付きパウチ10にあっては、デッドスペースが小さくなるため、正味の充填量に適合した容量の袋を用いることができる。このため、本発明では、袋のコストや保管運搬費の低減を図ることができる。さらに、上記スパウト付きパウチ10に対する充填物の充填は、既存の充填装置を用いて行うことができるので、新たな設備投資を行う必要もない。
スパウト7、スクリューキャップ8及びタンパーエビデンス環状部9の材質は特に限定されないが、通常、これらはポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などの合成樹脂によって形成される。
また、袋6は、周囲を熱シールなどで接着した柔軟なフィルムから形成されている。
上記タンパーエビデンス環状部9は、スクリューキャップ8をスパウト7に完全に螺合させた状態において、スパウト7に抜脱困難に係止されている。
具体的には、タンパーエビデンス環状部9の内周面には、図6に示すように、スパウト7の係合部72に係合する被係合部91が形成されている。
この被係合部91は、タンパーエビデンス環状部9の内周面からスクリューキャップ8の緩方向に延びる被傾斜面911と、スクリューキャップ8の締方向に対向する被係合面912と、を有する。
被係合面912は、被傾斜面911の先端部(緩方向先端部)に形成されている。
被係合部91が複数設けられる場合、各被係合部91は、タンパーエビデンス環状部9の内周面の周方向に所定間隔を開けて設けられ、好ましくは、一定間隔(等間隔)に設けられる。
また、スパウト7の外周面の、前記ネジ部71の下方には、タンパーエビデンス環状部9の被係合部91に係合する係合部72が形成されている。
傾斜面721は、上記被傾斜面911と同様に、スパウト7の外周面の接線に対して鈍角状に延出された面である。傾斜面721の具体的な傾斜角度は、上記被傾斜面911と同様である。
係合面722は、例えば、傾斜面721の先端部に形成され、スパウト7の外周面の接線に対して略直交するような面とされている。
環状の小突部73の突出頂部の外径は、スクリューキャップ8の下方内周面の内径よりも僅かに小さく且つタンパーエビデンス環状部9の上方内周面の内径よりも僅かに大きい。
スクリューキャップ8がスパウト7に完全に螺合した状態において、タンパーエビデンス環状部9の上端面はスパウト7の小突部73と係合部72の間に位置し且つタンパーエビデンス環状部9の被係合部91はスパウト7の係合部72に係合される。
従って、タンパーエビデンス環状部9を有するスクリューキャップ8をスパウト7のネジ部71に締方向に回転させることにより、スクリューキャップ8をスパウト7に完全に螺合させることができる。
図1に示すスパウト付きパウチ10から充填物を注出する際には、アダプタ1を使用する。
スクリューキャップ8によって閉栓されたスパウト付きパウチ10からスクリューキャップ8を緩方向に回してこれを取り外す。スクリューキャップ8を取り外した後には、上述のように、タンパーエビデンス環状部9が抜脱困難な状態でスパウト7に係止されている、スパウト付きパウチ10が得られる。ただし、抜脱困難とは、人力で引張ったり或いは回したりしても簡単には抜けないという意味である。
従って、アダプタ1の取付部3がスパウト7から緩むことがない。
なお、アダプタ1がスパウト7から緩まないとは、全く動かないという意味ではなく、アダプタ1がスパウト7に対して完全に螺合した状態を維持できるという意味である。
このチューブ部材を通じて、袋6内の充填物を注出できる。
従って、このアダプタ1を備えるスパウト付きパウチ10は、使用中に、アダプタ1とスパウト7の間から充填物が液漏れすることがない。さらに、患者などの使用者やその補助者が誤ってアダプタ1を回そうとしても、アダプタ1がスパウト7から緩むこともない。
例えば、上記実施形態のアダプタ1の接続部2の形状は、次第に小径となる略円錐台筒状であるが、例えば、特開2009−136427号公報に記載されたように、接続部が、突起形状が異なる小径接続部及び大径接続部を有する形状に形成されていてもよい。
また、上記実施形態のアダプタ1は、中間部4を有するが、中間部4を有しないアダプタであってもよい。この場合、接続部2と取付部3が直接一体的に形成される。
Claims (2)
- ネジ部の下方にタンパーエビデンス環状部が抜脱困難に係止されているスパウトとチューブ部材とを接続するためのアダプタであって、
チューブ部材を接続可能な接続部と、締方向に回転させることによりスパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、を有し、
前記取付部には、下方に延びる延出部が設けられ、
前記延出部の下方部には、前記取付部を前記スパウトのネジ部に螺合したときに前記タンパーエビデンス環状部の下端面に係止可能な爪部が設けられていることを特徴とするアダプタ。 - 外周面にネジ部が形成されたスパウトと、前記スパウトのネジ部の下方において抜脱困難に係止されているタンパーエビデンス環状部と、を有するスパウト付きパウチと;締方向に回転させることにより前記スパウトのネジ部に螺合可能な取付部と、チューブ部材を接続可能な接続部と、を有するアダプタと;を備え、
前記取付部には、下方に延びる延出部が設けられ、
前記延出部の下方部には、前記取付部を前記スパウトに螺合したときに前記タンパーエビデンス環状部の下端面に係止可能な爪部が設けられていることを特徴とするアダプタを備えるスパウト付きパウチ。
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