JP2012064424A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Shinji Goto
真志 後藤
Mitsuhiro Sakamoto
光洋 坂元
Yoshihisa Oe
良尚 大江
Yoshiyuki Hisatomi
慶之 久冨
Hideji Kawarasaki
秀司 河原崎
Takashi Horikawa
敬司 堀河
Chiharu Koshio
千春 小塩
Kanako Okumura
加奈子 奥村
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Abstract

【課題】高精細で高輝度の表示性能を備え、かつ低消費電力のプラズマディスプレイパネルを実現することを目的とする。
【解決手段】基板上に電極、誘電体層、および保護層を形成したプラズマディスプレイパネルであって、前記保護層はナノ結晶粒子を用いて形成されており、前記保護層に波長146nmと波長172nmそれぞれの真空紫外線を照射してフォトルミネッセンス発光スペクトルを測定したとき、波長350nm以上550nm以下の範囲における波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをA、波長172nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをBとすると、発光強度比A/Bが2.7以上となる特性を示すものであることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPにおいては、従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上の高精細テレビへの適用が進められており、エネルギー問題に対応してさらなる消費電力低減への取り組みや、環境問題に配慮した鉛成分を含まないPDPへの要求なども高まっている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法により製造された硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、ガラス基板の一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極とバス電極とで構成される表示電極と、表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。
一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のデータ電極と、データ電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色及び青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にネオン(Ne)−キセノン(Xe)の放電ガスが53kPa〜80kPaの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
また、このようなPDPの駆動方法としては、書込みをしやすい状態に壁電荷を調整する初期化期間と、入力画像信号に応じて書込み放電を行う書込み期間と、書込みが行われた放電空間で維持放電を生じさせることによって表示を行う維持期間を有する駆動方法が一般的に用いられている。これらの各期間を組み合わせた期間(サブフィールド)が、画像の1コマに相当する期間(1フィールド)内で複数回繰り返されることによってPDPの階調表示を行っている。
このようなPDPにおいて、前面板の誘電体層上に形成される保護層の役割としては、放電によるイオン衝撃から誘電体層を保護すること、アドレス放電を発生させるための初期電子を放出することなどがあげられる。イオン衝撃から誘電体層を保護することは、放電電圧の上昇を防ぐ重要な役割であり、またアドレス放電を発生させるための初期電子を放出することは、画像のちらつきの原因となるアドレス放電ミスを防ぐ重要な役割である。
保護層からの初期電子の放出数を増加させて画像のちらつきを低減するために、例えば、MgO保護層に不純物を添加する例や、MgO粒子をMgO保護層上に形成した例が開示されている(例えば、特許文献1、2、3、4、5など参照)。
特開2002−260535号公報 特開平11−339665号公報 特開2006−59779号公報 特開平8−236028号公報 特開平10−334809号公報
近年、テレビは高精細化が進んでおり、市場では低コスト・低消費電力・高輝度のフルHD(ハイ・ディフィニション)(1920×1080画素:プログレッシブ表示)PDPが要求されている。保護層からの電子放出特性はPDPの画質を決定するため、電子放出特性を制御することが非常に重要である。
このようにPDPの高精細化や低消費電力化を進めるにあたっては、放電電圧が高くならないようにすることと、さらに、点灯不良を低減して画質を向上させることを、同時に実現させなければならないという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、高輝度の表示性能を備え、かつ低電圧駆動が可能なPDPを実現することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明のPDPは、基板上に電極、誘電体層、および保護層を形成したPDPであって、保護層はナノ結晶粒子を用いて形成されており、保護層に波長146nmと波長172nmそれぞれの真空紫外線を照射してフォトルミネッセンス発光スペクトルを測定したとき、波長350nm以上550nm以下の範囲における波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをA、波長172nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをBとすると、発光強度比A/Bが2.7以上となる特性を示すものであることを特徴とする。
また本発明のPDPの製造方法は、基板上に電極、誘電体層、および保護層を形成する工程を有したPDPの製造方法であって、保護層はナノ結晶粒子を用いて形成されており、保護層を還元性有機ガスに曝す工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、保護層における電子放出特性を向上させ、維持放電電圧を低減することが可能で、高精細画像でも高輝度で低電圧駆動が可能な表示性能に優れたPDPを実現することができる。
本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同PDPの前面板の構成を示す断面図 同PDPの保護層のPL発光スペクトルの特性を示す図 PL発光スペクトルの測定に使用した測定装置の概略構成図 同パネルの製造方法の一例を示すフローチャート 同パネルの製造方法における温度プロファイルの一例を示す図
以下、本発明の実施の形態におけるPDPの製造方法について図面を用いて説明する。
(1)PDPの構造
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる第1基板としての前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる第2基板としての背面板10とが対向して配置され、その前面板2と背面板10の周辺部をガラスフリットなどからなる封着部材によって気密封着することにより構成されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、XeとNeなどの放電ガスが53kPa〜80kPaの圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4及び維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うように電荷を保持してコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその上に保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4及び維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のデータ電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、データ電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝ごとに、紫外線によって赤色、緑色及び青色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4及び維持電極5とデータ電極12とが交差する位置に放電空間が形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色の蛍光体層15を有する放電空間がカラー表示のための画素になる。
図2は、本発明の実施の形態におけるPDP1の前面板2の詳細な構成を示す断面図であり、図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6と遮光層7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれインジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO2)などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成された金属バス電極4b、5bとにより構成されている。金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと遮光層7を覆うように設けられ、誘電体層8上に保護層9が形成されている。本発明の実施形態における保護層9については後述する。
(2)保護層
本発明の実施形態における保護層9は、酸化マグネシウム単結晶のナノメートルサイズの粒子(以下、ナノ結晶粒子とする)を用いたものを使用する。
ところで、PDPにおいては、PDPの前面板の保護層における電子放出を高めることにより、維持放電電圧を下げることができ、従来よりも低電圧で維持放電を発生できることが知られており、そのために、電子放出特性の優れた保護層材料の検討などが行われている。
本発明者らは、金属酸化物からなる保護層の電子放出特性を高めるためには、保護層の酸素欠損を形成すればよいとの推測の上で、実験と検討を繰り返し行った結果、所定の特性を持つ保護層9、すなわち保護層9に波長146nmと波長172nmそれぞれの真空紫外線を照射してフォトルミネッセンス(PL)発光スペクトルを測定したとき、波長350nm以上550nm以下の範囲における波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをA、波長172nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをBとすると、発光強度比A/Bが2.7以上となる特性を示す膜であれば、PDPの維持放電電圧を低下させることができることを見出した。
図3は本発明の一実施の形態によるPDPにおいて、保護層9のPL発光スペクトルの特性の一例を示す図である。なお、図3は、本発明による保護層9に、波長146nmと波長172nmそれぞれの真空紫外線を照射してフォトルミネッセンス(PL)発光スペクトルを測定し、波長350nm以上550nm以下の範囲における発光強度のピークを比較して示したもので、横軸はPLの発光波長を示し、縦軸はPL発光強度比(A/B)、すなわち波長172nmの真空紫外線照射の場合の波長350nm以上550nm以下の範囲における発光強度のピーク値(B)を1とし、波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピーク値(A)の比率を示している。
また、この図3に示す例は、波長350nm以上550nm以下の範囲における波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークAと、波長172nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークBとの発光強度比A/Bが、2.7以上の2.9程度の特性を持つ保護層の場合のものであり、この図3の特性の保護層を用いたPDPの維持放電電圧は、従来のPDP、すなわち発光強度比A/Bが約2.5以下の保護層を有するPDPに比べ、約10V程度低くすることができた。
ここで、PL発光スペクトルの測定方法について、図4を用いて説明する。図4は、測定装置の概略構成を示す図であり、図4において、真空チャンバー100に設置された試料101に対して146nmランプシステム102(ウシオ電機(株)製SUS07)より146nm真空紫外線を垂直に照射し、試料101からの発光をレンズ、光ファイバー等の光学系104を介して2次元高分解能タイプのCCD分光器105(スペクトラ・コープ(株)製Solid Lambda CCD UV−NIR)に入射して分光することによってPL発光スペクトルを評価した。真空チャンバー100には172nmランプシステム103(ウシオ電機(株)製SUS03)も併設されており、試料101に対して上記同様に172nm真空紫外線照射によるPL発光スペクトルを得ることができる。本発明においては、この図4に示す測定装置により、保護層のPL発光スペクトルの測定評価を行った。
また、このような特性を持つ保護層9を形成する方法の一例として、前面板2と背面板10とを作製した後、放電ガスをパネルの放電空間内に封入するまでの間に、還元性有機ガスを含むガスをパネルの放電空間内に導入して前面板2の保護層9を還元性有機ガスに曝した後、その還元性有機ガスを含むガスを排出する工程を設けることにより実現できることも判明した。
(3)PDPの製造方法
次に、本発明によるPDPの製造方法について、詳細に説明する。
図5は本発明によるPDPの製造工程を示すフローチャートであり、図5に示すように、前面板作製工程A1及び背面板作製工程B1と、背面板作製工程B1により作製した背面板10の画像表示領域外部に封着部材であるガラスフリットを塗布し、その後ガラスフリットの樹脂成分等を除去するために350℃程度の温度で仮焼成するフリット塗布工程B2と、前面板作製工程A1により作製した前面板2とフリット塗布工程B2を終了した背面板10とを貼付けて封着する封着工程C1と、この後パネル内のガスを1次排気した後、還元性有機ガスをパネル内に導入して前記前面板2の保護層9を還元性有機ガスに曝す還元性ガス導入工程C2と、その後その還元性有機ガスを含めて放電空間内のガスを排気する排気工程C3と、この後真空排気されたパネル内部にNeおよびXeを主成分とする放電ガスを供給する放電ガス供給工程C4を経てPDPが完成される。
本発明の製造方法において、前面板作製工程A1においては、まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4及び維持電極5と遮光層7とを形成する。走査電極4と維持電極5とを構成する透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは銀(Ag)材料を含むペーストを所定の温度で焼成して固化している。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5及び遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト(誘電体材料)層を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5及び遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含む塗料である。
ここで、前面板2の誘電体層8を構成する誘電体材料としては、酸化ビスマス(Bi23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種と、酸化モリブデン(MoO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化セリウム(CeO2)、二酸化マンガン(MnO2)から選ばれる少なくとも1種とを含んでいる。バインダ成分は、エチルセルロース、またはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオール、またはブチルカルビトールアセテートである。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加してペーストとして印刷特性を向上させてもよい。
次に、誘電体層8上に保護層9を形成する。保護層9は酸化マグネシウムのナノ結晶粒子により構成されている。このようなナノ結晶粒子は瞬間気相生成法によっても作製可能である。これはプラズマ等の高エネルギー化で気化した酸化マグネシウムに対して反応ガスを含む冷却ガスによって瞬間冷却してナノサイズの微粒子を作製する方法である。本発明の実施の形態では、瞬間気相生成法にて作製された粒径5nm〜200nmのナノ結晶粒子を使用した。
そして、ナノ結晶粒子を、溶媒に分散させ、その分散液をスプレー法やスクリーン印刷法、静電塗布法などによって誘電体層8上に塗布する。その後、乾燥・焼成工程を経て溶媒除去を図ることで保護層9を形成する。
具体的には、ターピネオールを60重量%、ブチルカルビトールを30重量%、三菱レイヨン製アクリル樹脂EMB−001等を10重量%、を混合し作製したビークルに対し、同等の重量配分となるナノ結晶粒子を混練してペーストを作製する。これをスクリーン印刷法によって基板上に塗布し、100℃〜120℃にて60分の乾燥、340℃〜500℃にて60分の焼成を行うことで、保護層9を形成する。尚、焼成後の保護層9の膜厚は電荷保持に必要な0.5μm〜2μmの範囲が好ましい。
このような一連の工程により前面ガラス基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成されて前面板2が完成する。
次に、背面板作製工程B1について説明する。この背面板作製工程B1においては、まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりデータ電極12用の構成物となる材料層を形成する。その後、所定の温度で焼成することによりデータ電極12を形成する。次に、データ電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などにより、データ電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダ及び溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布し、所定の形状にパターニングすることにより隔壁材料層を形成する。その後、所定の温度で焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。そして、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上及び隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
その後、背面板10においては、背面板作製工程B1により作製した背面板10の画像表示領域外に封着部材であるガラスフリットを塗布し、その後ガラスフリットの樹脂成分等を除去するために350℃程度の温度で仮焼成するフリット塗布工程B2を行う。
ここで、封着部材としては、酸化ビスマスや酸化バナジウムを主成分としたフリットが望ましい。この酸化ビスマスを主成分とするフリットとしては、例えば、Bi23−B23−RO−MO系(ここでRは、Ba、Sr、Ca、Mgのいずれかであり、Mは、Cu、Sb、Feのいずれかである。)のガラス材料に、Al23、SiO2、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。また、酸化バナジウムを主成分とするフリットとしては、例えば、V25−BaO−TeO−WO系のガラス材料に、Al23、SiO2、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
これらの前面板作製工程A1、背面板作製工程B1及びフリット塗布工程B2を行って前面板2と背面板10とを作製した後、前記前面板2と背面板10とを対向配置させて周辺部を封着部材により封着し、その後パネルの放電空間内に放電ガスを封入するパネルの組み立て工程を行う。
図6は、本発明の実施の形態に用いる封着工程C1、還元性ガス導入工程C2、排気工程C3と、放電ガス供給工程C4の温度プロファイルの一例を示す図である。図6において、封着温度とは、封着工程C1において、前面板2と背面板10とが封着部材であるフリットにより密閉される状態となる温度であり、本実施の形態における封着温度は、例えば約490℃程度である。また、排気温度とは、排気工程C3における温度であり、本実施の形態における排気温度は、例えば約400℃程度である。
図6に示す例においては、封着工程C1において、封着温度に維持するa−bの期間経過後、封着温度から排気温度に低下させるb−cの期間において、パネルの放電空間内からガスを排気する排気を行って減圧状態にした後、排気温度に維持しているc−dの期間において、パネルの放電空間内に還元性有機ガスを含むガスを導入して保護層9を還元性有機ガスを含むガスに曝す還元性ガス導入工程C2を行い、その後d−eの期間において、還元性有機ガスを含めてパネルの放電空間内からガスを排気する排気工程C3を行い、温度が室温程度に下がったe点以降の期間において、放電空間内に放電ガスを供給する放電ガス供給工程C4を行うものである。
ここで、本発明において使用する還元性有機ガスとしては、分子量が58以下の還元力の大きいCH系有機ガスが望ましく、これらの還元性有機ガスの中から選ばれる還元性有機ガスを希ガスや窒素ガスに混合して、還元性有機ガスを含むガスを作製して、還元性ガス導入工程C2を行う。
さらに、本発明においては、パネルの放電空間内に還元性有機ガスを含むガスを導入して保護層9を還元性有機ガスを含むガスに曝す還元性ガス導入工程C2を行い、その後還元性有機ガスを含めてパネルの放電空間内からガスを排気する排気工程C3を行うが、一部パネル内に残留することを考えると、分解しやすい還元性有機ガスが望ましい。
以上の製造プロセス上での取扱い易さや、一部残留する場合などの点を考慮すると、還元性有機ガスとしては、アセチレン、エチレン、メチルアセチレン、プロパジエン、プロピレン、及びシクロプロパンの中から選ばれる酸素を含まない炭化水素系ガスが望ましく、これらの還元性有機ガスの中から選ばれる還元性有機ガスを希ガスや窒素ガスに混合して用いればよい。
なお、希ガスや窒素ガスに混合する還元性有機ガスの混合比率は、使用する還元性有機ガスの燃焼範囲に応じて下限の比率を決定すればよく、数%程度の濃度以下で希ガスや窒素ガスに混合して使用する。また、これらの還元性有機ガスについて、混合する濃度が高すぎると、有機成分が重合して高分子となり、そのままパネル内に残留し、パネル特性に影響を与えてしまうため、使用する還元性有機ガス成分に応じて、混合比率を適宜調整することが必要である。
以上説明したように、本発明によれば、前面板2の保護層9として、膜に波長146nmと波長172nmそれぞれの真空紫外線を照射してフォトルミネッセンス発光スペクトルを測定したとき、波長350nm以上550nm以下の範囲における波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをA、波長172nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをBとすると、発光強度比A/Bが2.7以上となる特性を示すものを用いることにより、PDPの維持放電電圧を低下させることができるものである。
なお、以上の説明では、保護層9として、MgOからなる下地膜に、MgOの結晶粒子が凝集した凝集粒子を分散させて付着させた例で説明したが、上述したように、下地膜としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)から選ばれる金属酸化物により構成したものでもよい。
また、本発明の実施の形態では、保護層9の成膜方法としてスクリーン印刷法を用いて説明したが、この他の成膜方法、例えばダイコーター法,スプレー法,ロールコート法などを用いても同様の効果を得ることができるため、成膜方法としてはスクリーン印刷法に限定されるものではない。
以上のように本発明は、高画質の表示性能を備え、かつ低消費電力のPDPを実現する上で有用な発明である。
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a、5a 透明電極
4b、5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 データ電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間

Claims (2)

  1. 基板上に電極、誘電体層、および保護層を形成したプラズマディスプレイパネルであって、前記保護層はナノ結晶粒子を用いて形成されており、前記保護層に波長146nmと波長172nmそれぞれの真空紫外線を照射してフォトルミネッセンス発光スペクトルを測定したとき、波長350nm以上550nm以下の範囲における波長146nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをA、波長172nmの真空紫外線照射の場合の発光強度のピークをBとすると、発光強度比A/Bが2.7以上となる特性を示すものであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 基板上に電極、誘電体層、および保護層を形成する工程を有したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記保護層はナノ結晶粒子を用いて形成されており、前記保護層を還元性有機ガスに曝す工程を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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WO2013018348A1 (ja) * 2011-08-03 2013-02-07 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
WO2013018335A1 (ja) * 2011-08-02 2013-02-07 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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