JP2012064060A - 個人認証媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 偽造、変造が困難である個人認証媒体を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る個人認証媒体は、中間層を介して、光照射により光回折構造を生じて情報を記録し得るアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む記録層を少なくとも2層含む。中間層は、アゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む記録層とは屈折率が異なる。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、免許証、クレジットカード、会員証などの個人認証媒体に関する。
従来、IDカードや有価証券、査証等高いセキュリティ性を要求される個人認証媒体に対しては、改ざんや偽造防止のための種々の技術が試みられている。
特殊印刷を施した個人認証媒体は目視または何らかの器具等を用いることによりその印刷の有無を判別することが可能であり、印刷物の改ざん、偽変造を困難にし高いセキュリティ性を付与することが可能である。
このような特殊印刷としては、例えば地紋印刷、マイクロ文字印刷、透かし印刷、透明ホログラム印刷、ステルス蛍光印刷等があげられる。
透明ホログラム印刷は、波長の等しい2つの光すなわち物体光と参照光を干渉させて物体光の波面を干渉縞として感光材料に記録したものである。ホログラムはそのパターンの複製が困難である特性を利用して、セキュリティー用途に使用されている。
アゾベンゼン構造を含む高分子化合物の薄膜に直線偏光を照射すると、光励起分子再配向現象により、照射光の電場ベクトルに垂直な向きに分子主軸が配向した複屈折性薄膜が得られる。この複屈折は、円偏光の照射によって消去することが可能なため、リライタブルホログラムメモリとして利用できる。アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を書き換え可能なホログラムとして偽変造防止手段に応用した場合、記録する情報を固定情報ではなく、可変にすることができるので、複製を困難にし得る。しかし、情報の書き換えが可能であると言うことは、目に見える情報を書き換えれば、見た目には本物と区別が付かないため、変造に弱いと言う課題があった。
さらに、アゾベンゼン構造を含む高分子化合物の薄膜に上記複屈折を形成する時よりも強いエネルギーあるいは長い時間、レーザービームを照射すると、レーザーの偏光状態に応じて表面に凹凸パターン(以降、レリーフパターンと称す。)が形成される。このレリーフパターンは、波長の異なる一様な光を照射するか、あるいは加熱によって消去が可能であるため、書き換え可能なホログラムを利用して、高密度光情報記録方法などへの応用が図られている
実施形態は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、偽造、変造が困難である個人認証媒体を提供することにある。
実施形態にかかる個人認証媒体は、支持体、該支持体上に設けられた、第1の光の照射により光回折構造を生じる第1のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む第1の記録層、該第1の記録層の屈折率とは異なる屈折率を有する樹脂からなる中間層、及び該中間層上に設けられ、該のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物と同じ高分子化合物を含むか、または該第1の光の波長とは異なる波長をもつ第2の光の照射により光回折構造を生じる第2のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む第2の記録層を具備する。
実施形態に係る個人認証媒体は、中間層を介して、光照射により光回折構造を生じて情報を記録し得るアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む記録層を少なくとも2層含む。
中間層は、アゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む記録層とは屈折率が異なる。
各記録層に用いられるアゾベンゼン構造を含む高分子化合物は、同じもの、あるいは異なるものを使用することが出来る。
異なるアゾベンゼン構造を含む高分子化合物として、光回折構造を生じる光の波長が異なるものを選択することが出来る。
光回折構造を生じる光の波長の差は、50nm以上あることが好ましい。
光回折構造としては、凹凸形状、及び屈折率変化があげられる。
アゾベンゼン構造を有する高分子化合物の薄膜は、その表面に、その高分子化合物の吸収帯に相当する波長の光を照射すると、アゾベンゼン構造の部分が異性体への転化を繰り返す。すなわち、トランス体からシス体へ、シス体からトランス体への構造の変化を繰り返す。これにより、レーザービームの幾何形状と偏光状態に応じて、高分子鎖の移動が起こり、表面に凹凸形状が形成されるという性質を有する。
この現象は、アゾベンゼン構造を含む高分子化合物の薄膜に対し、光のパターンを照射することによって、その表面部分が光の強弱に感応し、光の強い部分から弱い部分へと分子が移動する結果、凹凸が形成されることによる。このようにして形成された表面の凹凸は、さらに波長の異なる光を照射するか、あるいは加熱によって消去が可能であり、また、ビームの形状と偏光状態を正確に記録再生できる。
アゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む記録層表面の凹凸形状の表面レリーフは、中間層に対し屈折率の異なるパターンとなり、回折格子(ホログラム)を実現し得る。
また、アゾベンゼン構造を有する高分子化合物の薄膜内部の屈折率変化は、中間層を設けることにより移動を強制的に抑止されたアゾベンゼン構造を有する高分子化合物の分子の向きが、電場の方向に向くことにより生ずる。
実施形態によれば、このようなアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む記録層を中間層を介して少なくとも2層設けることにより、簡便な機構で、コスト・作成時間・廃棄物を最小限にして、セキュリティー性の良好な個人認証媒体を得ることが可能となる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態にかかる個人認証媒体の一例を表すIDカードの正面図を示す。
図示するように、IDカード50のカード基材1には、IDカードの所持人のカラー顔画像2、所持人の氏名、生年月日、ID番号などの文字情報3が印刷されており、カラー顔画像2及び文字情報3が記録された領域以外の領域の一部に、支持体、第1の記録層、中間層、第2の記録層からなる積層体4が貼付されている。なお、ここでは、支持体、第1の記録層、中間層、第2の記録層からなる積層体4をシールとしてカード基材1に貼り付けたが、カード基材を支持体として、第1記録層、中間層、及び第2の記録層等を直接形成することができる。積層体4には、目視可能なホログラム5として、所持人の顔画像を縮小した画像が形成されている。目視可能なホログラム5はレリーフパターンからなるホログラムにより構成されている。カラー顔画像2は、例えば昇華型熱転写記録方式で形成されている。カラー顔画像2は、インクジェット記録方式等の種々の記録方式でも形成可能である。文字情報3は、例えば溶融型熱転写記録方式で形成することができる。文字情報3はまた、インクジェット記録方式など種々の記録方式で形成可能である。
図2は、実施形態に用いられる積層体の一例を表す模式的な断面図を示す。
図示するように、この積層体4は、基材6上に、アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を含む第1の記録層8、中間層10、第2の記録層11の順に形成されている。アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を含む第1の記録層8には、目視可能な凹凸のレリーフパターンからなるホログラム9が形成されている。さらに、記録層8には目視では読み取れないけれども機械読取が可能な屈折率変化パターンからなる図示しないホログラムも形成されている。
実施形態にかかる個人認証媒体では、アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を含む第1の記録層8に、第1の光例えばレーザ光照射により光回折構造例えば凹凸形状を形成した後、中間層10及び第2の記録層11を形成し、続いて第2の記録層11にアゾベンゼン構造を含む高分子化合物に応じた光例えばレーザ光照射により光回折構造例えば凹凸形状13を形成することができる。
レリーフパターンのホログラム9は、中間層10により固定されて、光を照射してもアゾベンゼン分子が移動することができないため、書き換え不可になっている。このため、変造するのは困難である。
一方、屈折率変化パターンからなるホログラムは記録層8内部に形成されているため、その形成を阻害するものがなく、書き換え可能になっている。例えば、所持人の氏名が変わった場合やIDカードの有効期限が変わった場合は、屈折率変化パターンからなるホログラムの情報を書き換えることが可能となる。IDカードに磁気メモリやICメモリなどが形成されていれば、そこに保持された情報とホログラムに記録された情報とを照合することにより、IDカードの真偽を判断することが可能となる。
さらに、中間層10上には、第2の記録層11が設けられている。第2の記録層11にアゾベンゼン構造を含む高分子化合物に応じた光照射を行うことによりレリーフパターンのホログラム13を形成することができる。
第1の記録層8と第2の記録層11に形成した画像情報は相互に関連した画像情報として形成することができる。また、第1の記録層8に形成した画像情報の一部は、第2の記録層11に形成した凹凸形状の表面レリーフが存在した時に読み取り可能とすることが出来る。例えば、第2の記録層に形成した凹凸形状の表面レリーフが存在した時に、観察する角度により、複数のホログラム画像が見えるようにすることができる。また、第2の記録層の画像情報が紫外線などで失われてしまった場合でも、第1の記録層に形成した画像情報を読み取り、第2の記録層にレーザーを照射し、表面レリーフで画像を記録し直すことにより、第1の記録層に形成した画像情報の一部が発現させることが可能となり、より高いセキュリティ性を付与することができる。
また、中間層10は、第1の記録層8及び第2の記録層11とは屈折率が異なる。
第2の書き込み光は、レリーフパターンからなるホログラム10側からのみならず、基材6側から照射することもできる。このため、基材6は、第2の書き込み光を十分に透過するために、透明性を有し得る。
この情報記録媒体4をIDカード50上に設けるためには、例えば基材6表面に接着剤等を適用し、カード基材1上に貼付することが出来る。あるいは、基材6としてカード基材1を使用して情報記録媒体4を作成することができる。
ここで、中間層10に用いられる材料は、レリーフパターン上に適用可能で、アゾベンゼン高分子化合物の分子の移動を十分に抑止できる硬さを持つことが要求される。また、記録層8表面のレリーフパターンを目視で十分に認識し得る透明性を有し得る。
中間層10及び第2の記録層をレリーフパターン上に順に形成するためには、支持シート上に中間層及び第2の記録層となる薄膜を積層して、または各々形成した転写シートを用意し、熱転写することが出来る。中間層及び第2の記録層となる薄膜は、支持シート上に樹脂塗布液を、グラビアコート、リバースコート、ダイコート、ワイヤーバーコート、及びホットメルトコート等により順次塗布し、乾燥することにより形成し得る。
アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を含む記録層は、光誘起複屈折性を示し、レーザー光の照射により光誘起異性体を形成し、光誘起異性体が形成された部分は体積変化を生じることから、光誘起二色性を発現する。アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を含む記録層に、直接偏光を照射すると、光異性化が誘起されて、直線偏光の方向に応じて屈折率の異性化を生じ、偏光方向を記録し、保存することができる。アゾベンゼン構造を含む高分子化合物を含む記録層に、この直接偏光(物体光)と同じ波長の参照光をその偏光方向を平行にして照射して干渉させると、直接偏光の偏光角をホログラムとして記録することができる。一方、物体光と参照光の偏光方向を直交させると、物体光をホログラムとして記録することができる。
図3は、レリーフパターン形成機構の一例を表す概略図を示す。
光源16は、アゾベンゼン構造を含む有機化合物に感度のある波長の干渉光を発するものであれば良い。ここでは、高い干渉性を有する光として、アルゴンイオンレーザーの発振線515nmを用いた。光源16からのレーザー光を、ハーフミラー17を透過させ、ミラー18で反射させ、レンズ19で平行光にして、空間光変調器20に入射させる。空間光変調器20としては、電圧アドレス方式の液晶パネルなどを用いることができる。空間光変調器は、液晶層により、入射光の振幅ないし強度を変調することができる。レリーフホログラムに記録すべき情報は、コンピュータ23で、白黒のドットで構成された2値画像とし、コンピュータ23から空間光変調器20に出力して、表示し、記録すべき情報に応じて、空間光変調器20に入射する光の強度を2次元に変調する。ここでは、記録すべき情報をIDカードの所持人の顔画像を縮小した画像とした。ついで、記録すべき情報に応じて強度が2次元に変調された光を信号光として情報記録媒体4に照射する。
一方、光源16からのレーザー光を、ハーフミラー17およびミラー21で反射させ、レンズ22で平行光にして、参照光として情報記録媒体4に入射させる。
これによって、信号光と参照光とが干渉し、顔画像データを保持する信号光がレリーフパターンのホログラム9として記録される。なお、ここでは、画像情報を空間光変調器に表示し、その情報を使ってホログラムを形成したが、これに限定されるものではない。 例えば、計算機合成ホログラムのように、光の干渉縞を計算機により計算し、その縞パターンを直接レーザービームで書き込んで行く方式も使用することができる。
図4は、屈折率変化形成機構の一例を表す概略図を示す。
光源24は、アゾベンゼン構造を含む有機化合物に感度のある波長のコヒーレント光を発するものであれば良い。ここでも、アルゴンイオンレーザーの発振線515nmを用いた。光源24からのレーザー光は、ハーフミラー25を透過し、ミラー26で反射され、レンズ27で平行光になって、空間光変調器28に入射する。空間光変調器28としては、図6と同様に電圧アドレス方式の液晶パネルを用いた。屈折率変化パターンのホログラムに記録すべき情報は、コンピュータ23で、白黒のドットで構成された2値画像とし、コンピュータ23から空間光変調器28に出力して、表示し、記録すべき情報に応じて、空間光変調器23に入射する光の強度を2次元に変調する。ここでは、記録すべき情報をIDカードの所持人情報の氏名、生年月日、ID番号をコード情報に変換した2次元バーコードであるQRコード画像とした。ついで、記録すべき情報に応じて強度が2次元に変調された光をフーリエ変換レンズ29によってフーリエ変換して、信号光として情報記録媒体4に照射する。
一方、光源24からのレーザー光を、ハーフミラー25およびミラー30で反射させ、レンズ31で平行光にして、参照光としてフーリエ変換レンズ32によってフーリエ変換して、情報記録媒体4に入射させる。
これによって、信号光と参照光とが干渉し、QRコードデータを保持する信号光が屈折率変化パターンのホログラム9として記録される。本実施例では、画像情報を空間光変調器に表示し、その情報を使ってホログラムを形成したが、これに限定されるものではない。例えば、計算機合成ホログラムのように、光の干渉縞を計算機により計算し、その縞パターンを直接レーザービームで書き込んで行く方式も使用することができる。
ここで、屈折率変化パターンからなるホログラムを形成する際、上記信号光と参照光の照射は、レリーフパターンからなるホログラム形成面とは反対側の面から照射することができる。レリーフパターンからなるホログラム形成面からでも良いが、この場合、レリーフパターンが光を回折してし、情報記録の効率が低下する傾向がある。
支持シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を用いることができる。
アゾベンゼン樹脂と屈折率の異なる中間層に用いられる樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等が挙げられる。
中間層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、三井・デュポン・ポリケミカル(株)製エバフレックス45X、エバフレックス40、エバフレックス150、エバフレックス210、エバフレックス220、エバフレックス250、エバフレックス260、エバフレックス310、エバフレックス360、エバフレックス410、エバフレックス420、エバフレックス450、エバフレックス460、エバフレックス550、エバフレックス560、クラリアントポリマー(株)製モビニール081F、住友化学工業(株)製エバテートD3022、D3012、D4032、CV8030、ヒロダイン工業(株)製ヒロダイン1800−5、ヒロダイン1800−6、ヒロダイン1800−8、ヒロダイン3706、ヒロダイン4309、コニシ(株)製ボンドCZ250、ボンドCV3105等があげられる。
中間層に用いられるアクリル樹脂としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールBR−53、ダイヤナールBR−64、ダイヤナールBR−77、ダイヤナールBR−79、ダイヤナールBR−90、ダイヤナールBR−93、ダイヤナールBR−101、ダイヤナールBR−102、ダイヤナールBR−105、ダイヤナールBR−106、ダイヤナールBR−107、ダイヤナールBR−112、ダイヤナールBR−115、ダイヤナールBR−116、ダイヤナールBR−117、ダイヤナールBR−118等があげられる。 中間層に用いられるポリエステル樹脂としては、東洋紡績(株)製バイロン103、バイロン220、バイロン240、バイロン245、バイロン270、バイロン280、バイロン300、バイロン500、バイロン530、バイロン550、バイロン560、バイロン600、バイロン630、バイロン650、ユニチカ(株)製エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3320、エリーテルUE−3350、エリーテルUE−3370、エリーテルUE−3380等があげられる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1
厚さ50μmの第1の透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、カードの大きさに切断後、その片面に下記組成の第2のアゾベンゼン樹脂層を、グラビアコーターを用いて乾燥後の塗膜厚みが3μmになるよう、塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥し、第1の記録層となる第1のアゾベンゼン樹脂層を得た。
厚さ50μmの第1の透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、カードの大きさに切断後、その片面に下記組成の第2のアゾベンゼン樹脂層を、グラビアコーターを用いて乾燥後の塗膜厚みが3μmになるよう、塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥し、第1の記録層となる第1のアゾベンゼン樹脂層を得た。
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
次に厚さ50μmの第2の透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、カードの大きさに切断後、その片面に下記組成の第2のアゾベンゼン樹脂層とポリエステル樹脂(バイロン280)とを、グラビアコーターを用いて乾燥後の各樹脂層の塗膜厚みが3μmになるよう、順次塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥し、第2の記録層となる第2のアゾベンゼン樹脂層を得た。
トルエン 40重量部
次に厚さ50μmの第2の透明ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、商品型番:ルミラーQ27)を用意し、カードの大きさに切断後、その片面に下記組成の第2のアゾベンゼン樹脂層とポリエステル樹脂(バイロン280)とを、グラビアコーターを用いて乾燥後の各樹脂層の塗膜厚みが3μmになるよう、順次塗布し、120℃で2分間、加熱・乾燥し、第2の記録層となる第2のアゾベンゼン樹脂層を得た。
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
第1及び第2のアゾベンゼン樹脂層の屈折率は、1.7ないし1.8であった。
トルエン 40重量部
第1及び第2のアゾベンゼン樹脂層の屈折率は、1.7ないし1.8であった。
ポリエステル樹脂層の屈折率は、1.5であった。
第1アゾベンゼン樹脂層の場合、レリーフを形成する際に特に効率の良いレーザ光波長は420nm、第2のアゾベンゼン樹脂層の場合は532nmである。
次に、波長420nmのレーザー光を分光して偏光フィルターを通し、その後集光させた干渉光を第1のアゾベンゼン樹脂層に対して照射角30度で照射し、レリーフによるホログラム画像を形成した。
次に、波長420nmのレーザー光を分光して偏光フィルターを通し、その後集光させた干渉光を第1のアゾベンゼン樹脂層に対して照射角150度で照射し、第1のアゾベンゼン樹脂層表面に第1のアゾベンゼン樹脂層に形成する表面レリーフが存在する時に発現するレリーフによるホログラム画像を形成した。
次に、波長420nmのレーザー光を分光して偏光フィルターを通し、その後集光させた干渉光を第1のアゾベンゼン樹脂層に対して照射角90度で照射し、第1のアゾベンゼン樹脂層に第1のアゾベンゼン樹脂層表面レリーフによる画像情報をコード化して記録した。次に、第1のアゾベンゼン樹脂層上に、第2のアゾベンゼン樹脂層とポリエステル樹脂層を、ポリエステル樹脂層が第1のアゾベンゼン樹脂層と重なるように貼り合せ、第2の透明ポリエステルフィルム側からヒートローラなどにより熱を加え、第2のアゾベンゼン樹脂層とポリエステル樹脂層とを接着させて積層体を得た。ついで第2の透明ポリエステルフィルムを第2のアゾベンゼン樹脂層から剥離した。
次に、波長532nmのレーザー光を分光して偏光フィルターを通し、その後集光させた干渉光をアゾベンゼン樹脂媒体に対して照射角90度で照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層表面にレリーフによるホログラム画像を形成した
次に、偏光されていないレーザー光を照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層に形成されたホログラム画像を消去した。次に波長420nmのレーザー光を第1のアゾベンゼン樹脂層に照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層表面のホログラム画像のコード化された情報を読み取った。次に、上記読み取ったコード化された情報を使い、第2のアゾベンゼン樹脂層に波長532nmのレーザー光を分光して偏光フィルターを通し、その後集光させた干渉光を積層体に対して照射角90度で照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層表面にレリーフによるホログラム画像を再形成した。結果、第1のアゾベンゼン樹脂層にレーザー照射角度150度で形成したホログラムが発現することを確認した。
次に、偏光されていないレーザー光を照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層に形成されたホログラム画像を消去した。次に波長420nmのレーザー光を第1のアゾベンゼン樹脂層に照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層表面のホログラム画像のコード化された情報を読み取った。次に、上記読み取ったコード化された情報を使い、第2のアゾベンゼン樹脂層に波長532nmのレーザー光を分光して偏光フィルターを通し、その後集光させた干渉光を積層体に対して照射角90度で照射し、第2のアゾベンゼン樹脂層表面にレリーフによるホログラム画像を再形成した。結果、第1のアゾベンゼン樹脂層にレーザー照射角度150度で形成したホログラムが発現することを確認した。
実施例1において個人認証媒体の積層体は、2層からなるアゾベンゼン樹脂層と、2種類の波長のレーザー記録装置を用いることにより、目視する角度により異なる絵柄を視認することができるホログラムを、短時間に低コストで作成できる。
また、第2のアゾベンゼン樹脂層表面に形成した画像情報を第1のアゾベンゼン樹脂層にコード化して埋め込み、このことを知る限定された人物のみが第2のアゾベンゼン樹脂層にホログラムを再現でき、第1のアゾベンゼン樹脂層に一部に形成したホログラムを発現することができ、高いセキュリティ性を付与することができる。
実施形態によれば、簡便な機構で、コスト・作成時間・廃棄物を最小限にして、セキュリティー性の良好な個人認証媒体を得ることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…カード基材、2…顔画像、3…文字画像、4…積層体、5…ホログラム、6…基材、7…第1のアゾベンゼン樹脂層、8…第1の記録層、9…ホログラム、10…中間層、11…第2の記録層、50…IDカード
Claims (6)
- 支持体、該支持体上に設けられた、第1の光の照射により光回折構造を生じる第1のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む第1の記録層、該第1の記録層の屈折率とは異なる屈折率を有する樹脂からなる中間層、及び該中間層上に設けられ、該のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物と同じ高分子化合物を含むか、または該第1の光の波長とは異なる波長をもつ第2の光の照射により光回折構造を生じる第2のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む第2の記録層を具備する個人認証媒体。
- 前記第2の記録層は、前記第2のアゾベンゼン構造を有する高分子化合物を含む請求項1に記載の個人認証媒体。
- 前記第1の記録層及び前記第2の記録層に、相互に関連した画像情報が形成される請求項1または2に記載の個人認証媒体。
- 前記中間層は前記第1の記録層上に、及び前記第2の記録層は該中間層上に、各々熱転写されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の個人認証媒体。
- 前記第1の記録層に光回折構造を形成した後、前記中間層及び前記第2の記録層が形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の個人認証媒体。
- 前記第2の記録層に凹凸形状の光回折構造が形成されているときに、前記第1の記録層中の光回折構造が読み取り可能となる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の個人認証媒体。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20131203 |