JP2012064053A - ワークフロー管理装置、及びワークフロー管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 データ構造が複雑なワークフローであっても、アクティビティ間で入出力されるデータの関連づけを容易にする。
【解決手段】 ワークフロー管理装置は、記憶手段と、抽出手段と、変数選択手段とを有する。記憶手段は、少なくとも1つの変数を含むデータ構造が定義された複数のアクティビティを含むワークフローデータを記憶する。抽出手段は、前記ワークフローデータの第1のアクティビティに定義された第1の変数に対する関連付けの候補とする第2の変数を他のアクティビティから抽出する。変数選択手段は、前記第1の変数を含む第1の変数グループと前記第2の変数を含む第2の変数グループとの関連度を算出し、前記関連度に基づいて前記第1の変数と関連付けの対象とする変数を前記第2の変数から選択する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、ワークフローを管理するワークフロー管理装置、及びワークフロー管理プログラムに関する。
近年、開始から終了まで連鎖的に実行される一連の作業プロセスをワークフローとして表現させるための言語として、BPEL(Business Process Execution Language )等のXML(Extensible Markup Language)を利用したワークフロー言語が普及している。BPELのうち、特に、BPEL4WS(Business Process Execution Language for Web Services)は、Webベースのワークフロー技術言語であるため、ブラウザ上でワークフローを表示させるのに適している。
従来、このようなワークフローを動的に分かりやすく表示させる技術として、作業プロセスの一作業単位であるアクティビティ(処理プロセスやタスク)を表わす作業シンボルを、複数、グループ化して簡略化した作業シンボルとして表示させたり、作業シンボルの表示形態を変更させたりすることを可能にした技術がある。
従来、このようなワークフローを動的に分かりやすく表示させる技術として、作業プロセスの一作業単位であるアクティビティ(処理プロセスやタスク)を表わす作業シンボルを、複数、グループ化して簡略化した作業シンボルとして表示させたり、作業シンボルの表示形態を変更させたりすることを可能にした技術がある。
ワークフローのアクティビティには入力/出力があり、アクティビティ間で入出力されるデータ(変数)についてXML(XMLスキーマと呼ばれる仕様)を利用して定義される。
従来では、アクティビティの入力及び出力に対して所定のメタデータをそれぞれ付与しておき、このメタデータを用いて複数の要素サービスの入力又は出力間を連結するため要素サービス連結情報を生成するシステムが考えられている。
しかしながら、従来の技術においては、アクティビティをワークフロー上に配置することは容易であるが、アクティビティ間で入出力されるデータ(変数)の定義(関連付け)を記述することが困難となっていた。例えば、アクティビティの数が多い、アクティビティ間で入出力されるデータの数が多い場合には、それぞれについての記述(関連付け)が必要となるため多大な労力を必要としていた。
特に、ワークフローデータは、XMLによりデータ構造が記述されるため複雑な入れ子構造(階層構造)によって定義される場合がある。こうした場合には、さらにデータの関連付けが困難となってしまう。
本発明の目的は、データ構造が複雑なワークフローであっても、アクティビティ間で入出力されるデータの関連づけを容易に実行することが可能なワークフロー管理装置、及びワークフロー管理プログラムを提供することである。
実施形態によれば、ワークフロー管理装置は、記憶手段と、抽出手段と、変数選択手段とを有する。記憶手段は、少なくとも1つの変数を含むデータ構造が定義された複数のアクティビティを含むワークフローデータを記憶する。抽出手段は、前記ワークフローデータの第1のアクティビティに定義された第1の変数に対する関連付けの候補とする第2の変数を他のアクティビティから抽出する。変数選択手段は、前記第1の変数を含む第1の変数グループと前記第2の変数を含む第2の変数グループとの関連度を算出し、前記関連度に基づいて前記第1の変数と関連付けの対象とする変数を前記第2の変数から選択する。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
本実施形態のワークフロー管理装置1は、例えばパーソナルコンピュータにより実現することができる。すなわち、ワークフロー管理装置1は、コンピュータをワークフロー管理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム、いわゆるワークフロー管理プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータによって構成される。
本実施形態のワークフロー管理装置1は、例えばパーソナルコンピュータにより実現することができる。すなわち、ワークフロー管理装置1は、コンピュータをワークフロー管理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム、いわゆるワークフロー管理プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータによって構成される。
図1は、本実施形態におけるワークフロー管理装置1の要部構成を示すブロック図である。ワークフロー管理装置1は、データの制御や演算等の処理を行うCPU(Central Processing Unit)10、起動プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)11、CPU10が処理する可変的なデータを一時的に記憶するためのメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)12、内蔵の補助記憶装置として所定のデータを長期間保存するHDD(Hard Disk Drive)13、ネットワークを介してサーバ等の外部装置とデータ通信を行うネットワークインターフェース14、着脱自在に接続される記録媒体からデータの読取りを行う記録媒体インターフェース15、キーボード、マウス等の入力デバイス16から操作に応じた入力信号を取り込む入力コントローラ17、ディスプレイ18を制御し、表示データに対応する画面を表示させる表示コントローラ19等を備えている。CPU10は、ROM11、RAM12、HDD13、ネットワークインターフェース14、記録媒体インターフェース15、入力コントローラ17及び表示コントローラ19を、アドレスバス、データバス等のバスラインで接続している。
図2は、本実施形態のワークフロー管理装置1に搭載される主要なプログラムを記憶するためのプログラム記憶部20を示す模式図である。ワークフロー管理装置1は、プログラム記憶部20をHDD13に設けている。プログラム記憶部20には、少なくともディスプレイ18においてXMLやHTML(Hyper Text Markup Language)等の記述言語により記述されたコンテンツを表示するためのブラウザ21と、例えばXMLにより記述されたワークフローを管理するためのワークフロー管理プログラム22とを格納している。
プログラム記憶部20にプログラムが格納される際は、記録媒体インターフェース15を介して記録媒体からインストールされてもよいし、ネットワークインターフェース14を介して外部装置からダウンロードされてもよい。記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet Optical)ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のように、コンピュータによってデータの読み取りが可能なものであればよい。
ワークフロー管理プログラム22は、開始から終了まで連鎖的に実行される一連の作業プロセス(タスク)を表現するワークフローを作成、編集、表示等するための機能を提供する。ワークフロー管理プログラム22は、ワークフローを動的に分かりやすく表示させるために、例えば、作業プロセスの一作業単位であるアクティビティ(プロセスやタスク)を表わす作業シンボルを、複数、グループ化して簡略化した作業シンボルとして表示させたり、作業シンボルの表示形態を変更させたりする機能を提供する。
本実施形態におけるワークフロー管理プログラム22は、アクティビティ間で入出力されるデータ(変数)の関連付け作業を容易にするための機能を提供するために、関連付け処理プログラム22a、影響範囲決定処理プログラム22b、構成関連度評価処理プログラム22cが含まれている。
関連付け処理プログラム22aは、データ出力側のアクティビティとデータ入力側のアクティビティとの間のデータの関連付けをするための機能を提供する。関連付け処理プログラム22aは、ワークフローデータにおいて記述されたアクティビティの変数定義(データ)に対して、ユーザからの指定に応じてエイリアス(別名)を設定する機能、この機能によって設定されたエイリアスをもとに抽出される関連付け候補とする変数に対する構成関連度判定処理の結果を利用した変数の関連付けの機能を提供する。
影響範囲決定処理プログラム22b及び構成関連度評価処理プログラム22cは、関連付け候補とする変数に対する構成関連度判定処理を実行するための機能を提供する。
影響範囲決定処理プログラム22bは、関連付け候補とする変数について、アクティビティ間の変数(データ)の関連度を判定する範囲を決定するための機能を提供する。本実施形態では、データの関連度を評価する場合、個々のデータ間の関連度だけでなく、評価対象とする変数を含むグループ間で関連度を評価する。このため、影響範囲決定処理プログラム22bは、ワークフローデータにおいて記述されたプロセスやタスクの変数定義が示すデータ構造において、関連度の評価対象としている変数を基準として関連度の評価に影響するとみなす他の変数の範囲(グループ)を決定する。ワークフローデータは、例えばXMLで記述されるために、データ構造が複雑な入れ子構造(階層構造)となる場合がある。本実施形態では、データの出力側と入力側のアクティビティのデータ構造をもとにして、関連度の評価対象としている変数を含むグループ(影響範囲)を決定する。
構成関連度評価処理プログラム22cは、影響範囲決定処理プログラム22bが提供する機能により判別されたグループ(影響範囲)について関連度を評価する機能を提供する。
図3は、ワークフロー管理プログラム22をCPU10により実行することにより実現される機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ワークフロー管理プログラム22を実行することによりワークフロー管理モジュール30の機能が実現される。ワークフロー管理モジュール30には、関連付け処理モジュール31、エイリアス設定ツール31a、影響範囲決定処理モジュール32、影響範囲走査処理モジュール33、構成関連度評価処理モジュール34、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35、距離判定処理モジュール36が含まれる。
図3に示すように、ワークフロー管理プログラム22を実行することによりワークフロー管理モジュール30の機能が実現される。ワークフロー管理モジュール30には、関連付け処理モジュール31、エイリアス設定ツール31a、影響範囲決定処理モジュール32、影響範囲走査処理モジュール33、構成関連度評価処理モジュール34、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35、距離判定処理モジュール36が含まれる。
関連付け処理モジュール31は、関連付け処理プログラム22aを実行することにより提供される機能であり、新タスク生成時の新タスクの変数に割り当てるエイリアス(別名)の設定、エイリアスを利用した関連度の高い変数の候補の抽出、変数の候補に対する影響範囲決定処理モジュール32及び構成関連度評価処理モジュール34の処理結果(評価結果)に基づく変数の特定、ワークフローへの変数の関連付けの追加等を実行する。
エイリアス設定ツール31aは、ユーザからの指示に応じて、新タスクの変数に割り当てるエイリアスを設定するためのツールである。エイリアス設定ツール31aは、エイリアス設定画面を表示させて、ユーザからの変数に対するエイリアスの新規追加、あるいは追加済みのエイリアス群からの選択指示を受け付ける。
影響範囲決定処理モジュール32は、影響範囲決定処理プログラム22bを実行することにより提供される機能であり、ワークフローデータにより定義される変数のデータ構造に基づいて、関連度の評価対象としている変数の影響範囲(グループ)を決定する。影響範囲走査処理モジュール33は、データ構造中の関連度の評価対象としている変数を基準位置として、予め設定される影響範囲距離に含まれる変数(要素)を走査する。影響範囲決定処理モジュール32は、影響範囲走査処理モジュール33による走査により関連対象要素リストを作成して、影響範囲内にある変数(要素)を登録する。
構成関連度評価処理モジュール34は、構成関連度評価処理プログラム22cを実行することにより提供される機能であり、関連対象要素リストに登録された変数を含む影響範囲(グループ)について、他のアクティビティのグループとの関連度を算出するもので、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35及び距離判定処理モジュール36を含んでいる。
入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、関連対象要素リストに登録された、ある対象とする変数(要素)に対して影響範囲にあるその他の変数(要素)を入力候補要素距離リストに登録する。
距離判定処理モジュール36は、入力候補要素距離リストに登録された、ある対象とする変数(要素)と、データ構造に応じたその他の変数(要素)との距離を計算する。距離判定処理モジュール36により求められた距離をもとに、評価対象とする変数を含むグループと他のアクティビティのグループとの関連度が計算される。
次に、本実施形態におけるワークフロー管理装置1の動作について説明する。
まず、関連付け処理モジュール31によるエイリアス設定処理について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
関連付け処理モジュール31は、ワークフローに新タスクを定義する記述がユーザの入力操作によって生成されると(ステップA1、Yes)、新タスクにおける変数定義を読み込む(ステップA2)。
まず、関連付け処理モジュール31によるエイリアス設定処理について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
関連付け処理モジュール31は、ワークフローに新タスクを定義する記述がユーザの入力操作によって生成されると(ステップA1、Yes)、新タスクにおける変数定義を読み込む(ステップA2)。
関連付け処理モジュール31は、新タスクにおいて定義された変数に対して、ユーザからの指示に応じてエイリアス(別名)を割り当てる。関連付け処理モジュール31は、エイリアス設定ツール31aによりエイリアス設定画面を表示させる。
例えば、図5に示すように、新タスクの記述において変数定義がされたものとする。図5に示す例では、出力データの変数として「ScanFilePath」「ScanFilePages」が定義されている。
エイリアス設定ツール31aは、読み込んだ変数定義をもとにして、例えば図6に示すような設定画面を表示させる。設定画面には、変数を一覧表示させると共に、それぞれの変数に対して設定されたエイリアスを表示するための表示領域、エイリアスの選択リストを表示させるためのボタンが設けられている。図6では、変数「ScanFilePath」に対して、エイリアス「画像フォーマット」が設定された状態を表している。
例えば、ユーザが変数「ScanFilePages」のエイリアスを指定するためにマウス等の入力デバイス16の操作によりボタンを選択すると、エイリアス設定ツール31aは、図7に示すような選択リストを表示させる。選択リストには、例えば、作成済みのタスクに定義された変数に設定されているエイリアスが一覧表示される。このエイリアスの一覧表示からは入力デバイス16の操作により任意に何れかを選択することができる。例えば、エイリアス「画像ページ数」が選択されると、エイリアス設定ツール31aは、図6に示す変数一覧中の変数「ScanFilePages」に対応付けて、エイリアス「画像ページ数」を表示させる。
また、選択リストからは、新規のエイリアスの入力を指定することができる。例えば、選択リストから「新規」が指定されると、エイリアス設定ツール31aは、新規のエイリアスを入力するための画面を表示して、ユーザによる入力デバイス16(キーボード)の入力操作に応じてエイリアスを表す文字データを入力する。
従って、タスクを生成する際に記述された変数に対して、ユーザが分かり易い任意のエイリアスを指定することができる。ここで、新規に追加されたエイリアスは、前述したように、選択リストにおいて表示され、他の変数に対する設定に利用することができる。
エイリアス設定ツール31aは、ユーザ指定によって設定されたエイリアス、すなわち変数エイリアスを出力する。例えば、図8に示すように、変数「ScanFilePath」「ScanFilePages」のそれぞれに対して設定されたエイリアスが定義されたデータを出力する。
次に、関連付け処理モジュール31による関連付け処理について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、図10に示す例を用いて、関連付け処理の概略について説明する。
図10は、ワークフロー中のアクティビティの一例として、画像のスキャンを行うタスクを表すアクティビティと、スキャンされた画像データを入力して画像処理するタスクのアクティビティを示している。図10では、最小限の2つのアクティビティのみを示しているが、ワークフローには多数のアクティビティが存在しているものとする。
図10は、ワークフロー中のアクティビティの一例として、画像のスキャンを行うタスクを表すアクティビティと、スキャンされた画像データを入力して画像処理するタスクのアクティビティを示している。図10では、最小限の2つのアクティビティのみを示しているが、ワークフローには多数のアクティビティが存在しているものとする。
ここでは、画像処理のアクティビティの変数「InputFilePath」を対象として、この変数「InputFilePath」と関連付けられる他のアクティビティの変数を検索する。
まず、関連付け処理モジュール31は、対象とする変数「InputFilePath」とのワークフロー中の位置関係に基づいて、関連づけの対象となる変数の候補を特定する(ステップB1)。すなわち、対象とする変数「InputFilePath」より以前に処理されるアクティビティ(タスク)に定義された変数を候補とする。
次に、関連付け処理モジュール31は、位置関係をもとに特定された変数の候補から、変数の型が一致する変数を特定する(ステップB2)。例えば、対象とする変数「InputFilePath」の型が文字列「string」である場合には、同様に文字列「string」の型が定義された変数に絞り込む。
この段階では、アクティビティ「画像処理」より前に処理されるアクティビティが多数ある場合、関連づけの対象となる変数の候補も多数存在する可能性がある。ここで、関連付け処理モジュール31は、変数「InputFilePath」に設定されたエイリアス「画像ファイルパス」と、関連づけの対象となる変数の候補に設定されたエイリアスとを比較し、エイリアスが一致する変数の候補を関連づけの候補として抽出する(ステップB3)。ここでは、アクティビティ「スキャン」の変数「ScanFilePath」に設定されたエイリアス「画像ファイルパス」が一致するため、図10(d)に示すように、変数「InputFilePath」に対して、変数「ScanFilePath」が関連付けの候補として抽出される。
なお、本実施形態では説明を簡単にするため、変数ごとの関連付けの候補を抽出するためにエイリアスを利用するが、メタデータの関連性評価による各変数の関連付けにより候補を抽出するようにしても良い。
このようにして、エイリアス(あるいはメタデータ)を利用して関連づけの候補を抽出することができるが、アクティビティの数が多い、アクティビティ間で入出力されるデータの数が多い場合、さらにはデータ構造が複雑な入れ子構造(階層構造)をもつ場合など、ワークフローが複雑になると、関連付け対象とする変数候補の組が増大する可能性がある。
このため、関連付け処理モジュール31により抽出された関連付け候補とする変数を対象として、影響範囲決定処理モジュール32及び構成関連度評価処理モジュール34により構成関連度判定処理を実行する(ステップB4)。この構成関連度判定処理によって関連付け対象とする変数候補の組を絞り込むことにより関連付けを容易にする。
以下、説明を容易にするために、図11に示す簡単なワークフローを例にして説明する。図11に示すワークフローは、アクティビティA,B,Cの順に処理が実行されることを表し、アクティビティAの出力データ(変数)とアクティビティCの入力データ、アクティビティBの出力データとアクティビティCの入力データとが関連付けられることを示している。
図12は、アクティビティAとアクティビティCのデータ(変数)との関連性を示す図である。図12に示すように、例えばアクティビティAのデータ構造は、変数「output」に、変数「userID」「document」「Process」が含まれ、例えば変数「document」にさらに変数「path」「date」が含まれることが定義されていることを示す。アクティビティCについても、図12に示すように、階層構造(木構造)によってデータ構造が定義されている。また、図12では、アクティビティCの変数「Path」に対して、関連づけの候補としてアクティビティAの変数「path」が抽出されていることを示している。
図13は、アクティビティBとアクティビティCのデータ(変数)との関連性を示す図である。図13では、アクティビティCの変数「Path」に対して、関連づけの候補としてアクティビティBの変数「path」と変数「tempath」が抽出されていることを示している。
図14は、本実施形態における構成関連度判定処理を示すフローチャートである。
構成関連度判定処理では、関連付け候補とする変数を「要素」として処理する。まず、影響範囲決定処理モジュール32は、処理対象として選択した代入対象要素に対する影響範囲決定処理を実行する(ステップC1)。影響範囲決定処理は、選択した代入対象要素からどの範囲の変数の関連度を検証するかを決定するための処理である。
構成関連度判定処理では、関連付け候補とする変数を「要素」として処理する。まず、影響範囲決定処理モジュール32は、処理対象として選択した代入対象要素に対する影響範囲決定処理を実行する(ステップC1)。影響範囲決定処理は、選択した代入対象要素からどの範囲の変数の関連度を検証するかを決定するための処理である。
次に、構成関連度評価処理モジュール34は、影響範囲決定処理により決定された影響範囲内の要素(変数)について、構成関連度評価処理を実施する(ステップC2)。構成関連度評価処理では、対象要素(変数)と関連付けの候補とする要素(変数)との関連度を、それぞれの要素を含む影響範囲(グループ)内の要素との関係から評価する。
本実施形態におけるワークフロー管理モジュール30は、アクティビティ間の変数の関連付けをする場合、変数単位での関連度ではなく、関連付け候補となる変数を含む影響範囲(グループ)間での関連度に基づいて、関連付けの対象とする変数を決定する。ワークフローが作成される場合には、データ出力側のアクティビティ(プロセス)のデータ構造を記述した後、このアクティビティと関連付けられるデータ入力側のアクティビティを記述する場合、データ出力側のデータ構造をコピーして記述されることが多い。また、関連のあるアクティビティ間では、データ構造が類似するだけでなく、類似した変数名が使用される場合も多い。従って、エイリアスを用いて抽出された関連付け候補とする変数が多い場合であっても、対象とする変数を含む影響範囲(グループ)間での関連度に基づいて関連付けの対象とする変数を決定することで、関連付けの精度を向上することができる。
まず、影響範囲決定処理モジュール32により実行される影響範囲決定処理について説明する。図15は、本実施形態における影響範囲決定処理を示すフローチャート、図16は、影響範囲決定処理において実行される影響範囲走査処理を示すフローチャートである。
影響範囲決定処理モジュール32は、処理の対象要素を要素nに代入する(ステップD1)。例えば、図13に示すデータ構造では、アクティビティCの変数「path」を要素nとして処理を開始する。次に、影響範囲決定処理モジュール32は、距離d=1とし、距離限界距離dmaxに影響範囲距離を決定する(ステップD2)。
距離d=1とは、データ構造(木構造)において、親、子の関係に移動すると距離が1離れているものすることである。従って、親子関係にある変数間の距離は1となり、孫と祖父の関係にある変数間の距離は2となる。例えば、図13に示すアクティビティCでは、変数「Input」と変数「UserInfo」との距離は1、変数「Input」と変数「name」との距離は2となる。なお、本実施形態では、例外として対象要素と同じ改装にある兄弟変数間の距離は1とする。例えば、アクティビティCでは、変数「path」を対象要素とした場合、変数「path」と変数「color」との距離は1とする。
図17は、対象要素からの影響範囲を説明するための図である。図17に示すように、対象要素(変数)から他の要素(変数)の距離を求める。
影響範囲距離とは、対象要素n(変数「path」)を基準として影響範囲に含まれる他の要素(変数)を判別するためものである。ここでは、影響範囲距離を例えば3として設定する。すなわち、影響範囲決定処理モジュール32は、対象要素の変数「path」から距離3までに存在する他の要素(変数)を影響範囲内の要素として判別する。影響範囲決定処理モジュール32は、影響要素内に存在する要素(変数)と対象要素との距離を関連対象要素リストに記録する。図18には、本実施形態における関連対象要素リストの一例を示している。
まず、影響範囲決定処理モジュール32は、対象要素との兄弟要素についての処理を開始する前に、関連対象要素リストに記録する対象要素との距離dを対象要素と兄弟要素との距離1に設定する(ステップD3)。
次に、影響範囲決定処理モジュール32は、iを初期値0、i<P(n)の子要素数として設定し、ステップD4〜D10までの処理を、iの値をインクリメントしながら繰り返して実行する。
なお、P(n)は対象要素(要素n)の親要素を示す。ここでは、P(n)は、対象要素とする変数「path」の親要素「Document」となる。
影響範囲決定処理モジュール32は、親要素P(n)のi番目の子要素C(P(n))iを取得する(ステップD5)。影響範囲決定処理モジュール32は、子要素C(P(n))iが対象要素nである場合には(ステップD6、Yes)、関連対象要素リストへの記録対象とはせず、走査対象の要素を子要素C(P(n))iとし、現在の距離を1に設定して、影響範囲走査処理モジュール33により影響範囲走査処理を実施する(ステップD11)。すなわち、影響範囲決定処理モジュール32は、子要素C(P(n))iの子要素へ向かって、影響範囲の要素を判別する処理を実行する。なお、データ構造が、子要素C(P(n))iの子要素に、さらに子要素が存在する場合には、順次、再帰的に処理が実行される。影響範囲走査処理については後述する。
一方、子要素C(P(n))iが対象要素nでない場合には(ステップD6、No)、影響範囲決定処理モジュール32は、子要素C(P(n))iを取得し(ステップD7)、この子要素C(P(n))iを関連対象要素リストに追加記録すると共に、この要素に対応する対象要素からの距離を1として記録する(ステップD8)。
影響範囲決定処理モジュール32は、走査対象の要素をC(P(n))i、現在の距離dを3として影響範囲走査処理モジュール33により影響範囲走査処理を実施する(ステップD9)。すなわち、影響範囲決定処理モジュール32は、子要素C(P(n))iの子要素へ向かって、影響範囲の要素を判別する処理を実行する。なお、子要素C(P(n))iの子要素は、対象要素nからの距離が3となるため、兄弟要素の距離を特例として1としているところを、関連対象要素リストに記録される距離dを本来の距離となるように3に設定する。なお、前述と同様にして、データ構造が、子要素C(P(n))iの子要素に、さらに子要素が存在する場合には、順次、再帰的に処理する。
次に、影響範囲決定処理モジュール32は、走査対象とする要素をP(n)とし、現在の距離dを1として影響範囲走査処理モジュール33により影響範囲走査処理を実施する(ステップD12)。すなわち、影響範囲決定処理モジュール32は、対象要素nの親要素P(n)へ向かって、影響範囲の要素を判別する処理を実行する。なお、データ構造が、対象要素nの親要素P(n)に、さらに親要素が存在する場合には、順次、再帰的に処理が実行される。
ここで、図16に示す影響範囲決定処理について説明する。
影響範囲走査処理モジュール33は、走査対象要素を要素tに代入し(ステップE1)、対象要素nからの距離dが影響限界距離dmaxを超えているかを判別する。ここで、距離dが影響限界距離dmaxを超えていれば、対象要素nからの影響範囲を超えているので影響範囲走査処理を終了する(ステップE2、No)。
影響範囲走査処理モジュール33は、走査対象要素を要素tに代入し(ステップE1)、対象要素nからの距離dが影響限界距離dmaxを超えているかを判別する。ここで、距離dが影響限界距離dmaxを超えていれば、対象要素nからの影響範囲を超えているので影響範囲走査処理を終了する(ステップE2、No)。
距離dが影響限界距離dmaxを超えていない場合(ステップE2、No)、影響範囲走査処理モジュール33は、要素tを関連対象要素リストに追加記録すると共に、この対象に対応する対象要素からの距離をdとして記録する(ステップE3)。
ここで、影響範囲走査処理モジュール33は、次の階層の要素(変数)を対象とするため距離dを+1する。影響範囲走査処理モジュール33は、子要素へ向かって影響範囲の要素を判別する処理のために、jを初期値0、j<C(t)の子要素数として設定し、ステップE5〜E8までの処理を、jの値をインクリメントしながら繰り返して実行する。
なお、要素C(t)が関連対象要素リストに存在する場合には(ステップE6、Yes)、先に実行された親要素へ向かう要素についての影響範囲走査処理によって既に記録済みであるので、子要素C(t)についての処理をしない。
要素C(t)が関連対象要素リストに存在しない場合には(ステップE6、No)、影響範囲走査処理モジュール33は、走査対象の要素をC(n)j、距離をdとして影響範囲操作処理を実行する(ステップE7)。すなわち、捜査対象の要素の子要素内を再帰的に処理する。
一方、要素C(t)が関連対象要素リストに存在する場合には(ステップE6、Yes)、影響範囲走査処理モジュール33は、要素P(t)が関連対象要素リストに存在するかを判別する。要素P(t)が関連対象要素リストに存在する場合には(ステップE9、Yes)、先に実行された子要素へ向かう要素についての影響範囲走査処理により既に記録済みであるので、親要素P(t)についての処理をしない。
要素P(t)が関連対象要素リストに存在しない場合には(ステップE9、No)、影響範囲走査処理モジュール33は、走査対象の要素をP(n)、距離をdとして影響範囲操作処理を実行する(ステップE10)。すなわち、捜査対象の要素の子要素内を再帰的に処理する。
図18は、影響範囲決定処理を実施することにより記録されるデータの一例を示す図である。
図18に示す関連対象要素リストは、図12及び図13に示すアクティビティCのデータ構造における変数「path」を対象要素とした例を示している。図18に示すように、変数「path」から影響範囲とする距離3までに存在する他の要素が関連対象要素リストに記録されると共に、それぞれの要素の対象要素との距離が記録されている。
図18に示す関連対象要素リストは、図12及び図13に示すアクティビティCのデータ構造における変数「path」を対象要素とした例を示している。図18に示すように、変数「path」から影響範囲とする距離3までに存在する他の要素が関連対象要素リストに記録されると共に、それぞれの要素の対象要素との距離が記録されている。
次に、構成関連度評価処理モジュール34による構成関連度評価処理について説明する。図19は、本実施形態における構成関連度評価処理を示すフローチャート、図20は、構成関連度評価処理において実行される入力候補要素リスト作成処理、及び距離判定処理を示すフローチャートである。構成関連度評価処理では、関連対象要素リストに登録された対象要素とする変数を含む影響範囲(グループ)について、他のアクティビティの関連付け候補とする要素(変数)を含むグループとの関連度を算出する。
構成関連度評価処理モジュール34は、対象要素に対する関連付け候補とする要素(以下、入力候補要素)との関連度を算出するために、入力候補要素のそれぞれについて入力候補要素距離リストを作成する。構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素距離リストを作成していない入力候補要素が存在していれば(ステップF2、Yes)、以下の処理を実行する。
例えば、図12及び図13に示すアクティビティCの対象要素「path」に対しては、図22に示すように、例えばアクティビティAの「path」と、アクティビティBの変数「path」「temppath」が入力候補要素となる。構成関連度評価処理モジュール34は、この3つの入力候補要素のそれぞれについて、入力候補要素距離リストを作成する。
まず、構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素距離リストを作成済みではない入力候補要素をTとし、構成関連度評価処理モジュール34により入力候補要素距離リスト作成処理を実行する(ステップF4)。
入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、図20に示すフローチャートに従って、入力候補要素距離リスト作成処理を実行する。まず、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、対象要素をt、入力候補要素からの距離dを0とする(ステップG1)。以下、ステップG2〜G6までの処理を繰り返して実行する。
入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、対象要素tと距離dを入力候補要素距離リストに追加する(ステップG3)。そして、対象要素tがルート要素ではない場合(ステップG4、No)、すなわち最上位階層に定義された要素(変数)でなければ、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、対象要素tを上位階層の親要素P(t)に代入して、入力候補要素からの距離dを1増やす(ステップG5)。同様にして、最上位階層に定義された要素(変数)に到達するまで(ステップG4、Yes)、対象要素tと入力候補要素からの距離dを入力候補要素距離リストに追加する(ステップG2〜G6)。
例えば、図25(a)に示すアクティビティAの変数「path」については、図25(b1)に示すように、変数「document」と変数「output」、それぞれの変数「path」からの距離が入力候補要素距離リストに記録される。
次に、構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素距離リストを作成していない関連対象要素リストの要素が存在していれば(ステップF6、Yes)、以下の処理を実行する。
例えば、図12及び図13に示すアクティビティCの対象要素「path」に対しては、例えば図18に示す関連対象要素リストに示すように、変数「color」「size」「data」「Document」「Input」「UserInfo」が関連対象要素リストの要素となる。構成関連度評価処理モジュール34は、この6つの関連対象要素リストの要素のそれぞれについて、入力候補要素距離リストを作成する。
構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素距離リストを作成していない関連対象要素リストの1つの要素をTvとし(ステップF10)、以下、ステップF8〜F14までの処理を繰り返して実行する。
入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、関連対象要素リストの要素Tvに対する入力候補要素のうち入力候補要素距離リストを作成していない要素が存在するか判別する。例えば、関連対象要素リストの要素Tvを変数「color」とした場合、図23に示すように、アクティビティAについては、関連対象要素リストの要素に対する入力候補要素「color」が存在するものとして判別される。なお、関連対象要素リストの要素Tvに対する入力候補要素は、例えば、関連付け処理のステップB3において、変数に設定されたエイリアスをもとにして特定された関連付け候補から判別することができる。
入力候補要素距離リストを作成していない入力候補要素が存在する場合(ステップF9、Yes)、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、この入力候補要素をTiとし(ステップF10)、入力候補要素距離リスト作成処理を入力候補要素Tiに対して実施する(ステップF11)。
例えば、図25(a)に示すアクティビティAの変数「color」については、図25(b2)に示すように、変数「data」「process」「output」と、それぞれの変数「color」からの距離が入力候補要素距離リストに記録される。
なお、関連対象要素リストの要素Tv(変数「color」)に対する入力候補要素が、例えば図24に示すように、複数、存在する可能性がある。こうした場合には、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、ループ処理を実行して、それぞれの入力候補要素について処理を実行し、入力候補要素距離リストに追加される要素の対象要素との距離が一番短い入力候補要素を採用する。すなわち、関連性を評価する際に最も影響が大きくなる入力候補要素を採用する。
次に、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、入力候補要素Tと入力候補要素Tiとの距離dを、距離判定処理によって計測する(ステップF12)。
図21は、距離判定処理を示すフローチャートである。入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、対象要素T,Tiが兄弟要素であるか判別する。兄弟要素である場合には(ステップH1、Yes)、距離を1とする(ステップH4)。例えば、図25における変数「path」と変数「data」とは兄弟要素であるので距離は1とする。
一方、対象要素T,Tiが兄弟要素でない場合(ステップH1、No)、入力候補要素距離リスト作成処理モジュール35は、対象要素T,Tiのそれぞれ入力候補要素距離リストを取得する(ステップH2)。そして、対象要素T,Tiの入力候補要素距離リストで一致する要素の距離の和を計算する(ステップH3)。
例えば、図25における変数「path」と変数「color」の場合には、図25(b1)(b2)に示す入力候補要素距離リストをもとに、一致する要素「output」の距離の和、すなわち2+3=5を計算して、変数「path」と変数「color」との距離とする。
なお、入力候補要素Tとの距離の算出は、データ構造中の最下位の変数のみを対象としている。
なお、入力候補要素Tとの距離の算出は、データ構造中の最下位の変数のみを対象としている。
構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素Tと入力候補要素Tiとの距離dが求まると、入力候補要素Tiについて関連対象要素に対する関連度を計算する(ステップF13)。この関連度は、入力候補要素距離リストに記録された距離が小さいほど関連度が高くなるように求められる。
例えば、入力候補要素距離リストに記録された対象要素との距離と、入力候補要素との距離のそれぞれを、例えば予め設定される評価基準値から減算し、その2つの値を乗算することにより関連度とする。評価基準値は、例えば入力候補要素距離リストに記録される距離の上限値とする。
以下、構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素距離リストを作成済みではない関連対象要素リスト(対象要素の影響範囲にある要素)について、同様の処理を繰り返して実行する(ステップF5〜F15)。
この結果、図26に示すように、アクティビティCの対象要素「path」については、対象要素「path」の影響範囲にある関連対象要素のそれぞれに対する入力候補について、アクティビティAの入力候補要素「path」との距離が求められる。そして、図27に示すように、関連対象要素のそれぞれについて、関連度が求められて、入力候補要素距離リストに記録される。
例えば、評価基準値を5とすると、関連対象要素とする変数「data」については、
(5−1)×(5−1)=16として関連度が算出される。
(5−1)×(5−1)=16として関連度が算出される。
構成関連度評価処理モジュール34は、入力候補要素距離リストに記録された各関連対象要素の関連度の合計を計算する(ステップF16)。図27に示す入力候補要素距離リストの場合には、関連度の合計が16となる。この関連度合計16が、アクティビティCの対象要素「path」に対する、アクティビティAの入力候補要素「path」の評価値となる。
構成関連度評価処理モジュール34は、同様にして、アクティビティCの対象要素「path」に対する他の入力候補要素、すなわちアクティビティBの変数「path」「temppath」について入力候補要素距離リストを作成して、それぞれの関連度合計を計算する(ステップF1〜F17)。以上の処理により構成関連度判定処理を完了する。
図28は、アクティビティCの対象要素「path」に対するアクティビティBの入力候補要素とする変数「path」との関係を示す図である。図28に示すように、アクティビティBの変数「path」については、アクティビティCの対象要素「path」の関連対象要素に対する入力候補要素として「color」「size」「data」が抽出され、図29に示すように、それぞれアクティビティBの入力候補要素「path」との距離3,3,1が求められている。そして、各関連対象要素の関連度が計算され、さらに関連度合計が32として算出されている。この関連度合計32が、アクティビティCの対象要素「path」に対する、アクティビティBの入力候補要素「path」の評価値となる。
図30は、アクティビティCの対象要素「path」に対するアクティビティBの入力候補要素とする変数「temppath」との関係を示す図である。図30に示すように、アクティビティBの変数「temppath」については、アクティビティCの対象要素「path」の関連対象要素に対する入力候補要素として「color」「size」「data」が抽出され、図31に示すように、それぞれアクティビティBの入力候補要素「path」との距離4,4,2が求められている。そして、各関連対象要素の関連度が計算され、さらに関連度合計が20として算出されている。この関連度合計20が、アクティビティCの対象要素「path」に対する、アクティビティBの入力候補要素「temppath」の評価値となる。
こうして、構成関連度判定処理により関連付けの対象要素(変数)に対する入力候補とする要素の評価値が求められると、関連付け処理モジュール31は、この処理結果に基づいて、対象要素に変数の関連付け(値の代入など)を定義する記述を候補対象ワークフローデータに追加する(ステップB5)。例えば、関連付け処理モジュール31は、評価値が最も高い入力候補としていた変数(データ)を選択し、この変数を対象候補としていた変数の入力とするように、ワークフローデータを変更する。
なお、構成関連度判定処理の処理結果に基づいて、最も評価値が高い変数と対象要素の変数とを一意に関連付けるだけでなく、構成関連度判定処理の処理結果をユーザに提示して、最終的に対象要素と関連付ける入力候補を選択させるようにしても良い。例えば、関連付け処理モジュール31は、構成関連度判定処理により得られた評価値が上位の入力候補要素(変数)をディスプレイ18に表示させるなどしてユーザに提示する。関連付け処理モジュール31は、ユーザの入力デバイス16に対する操作により、ディスプレイ18に表示された入力候補要素(変数)から最終的に対象要素と関連付ける入力候補を選択する指示を入力する。なお、ユーザに提示する入力候補は、選択を容易にするために評価値が上位の決められた数のみに制限したり、あるいは多くの選択肢をユーザに提供するために評価値(関連度)が予め決められた値以上のものを全て提示するようにしても良い。関連付け処理モジュール31は、ユーザにより選択された変数と対象要素の変数とを関連付けるように、ワークフローデータを変更する。
このようにして、本実施形態におけるワークフロー管理装置では、データの出力側と入力側のアクティビティの変数の関連付けをする場合、個々の変数(データ)間の関連度だけでなく、評価対象とする変数を含むグループ間で関連度を評価するので、多数の関連づけの候補が存在していたとしても、ユーザに対して多大な負担を与えることなく、精度良く正しい変数を抽出して関連付けすることが可能となる。
なお、前述した説明では、アクティビティCの変数と関連付ける変数の候補を特定するために、アクティビティA,Bを同列に扱っているが、ワークフロー中の各アクティビティの位置関係(処理の流れ)を考慮して、優先度を設定するようにして良い。すなわち、ワークフロー中のアクティビティは、近くに配置されたアクティビティ間の方が、関連がある可能性が高い。具体的には、図11に示すワークフローのアクティビティCに対しては、アクティビティAよりも直近に配置されたアクティビティBとの方が関連がある場合が多い。従って、関連付けの候補を評価する場合に、アクティビティAの変数(グループ)よりも、アクティビティCに近いアクティビティBの変数(グループ)の方が関連度が高くなるような計算により評価値(関連度)を求めることにより、アクティビティの位置関係に応じた評価が可能となる。
また、前述した説明では、1つの対象候補について個々に入力候補を評価しているが、他の先に関連付けが完了している変数(要素)が同じアクティビティ内に存在する場合に、この関連付け済みの変数を、入力候補要素の評価に利用しても良い。例えば、アクティビティCの変数「path」の前に他の変数がアクティビティAの変数と関連付けされていた場合には、関連付けされた変数がないアクティビティBよりもアクティビティAの入力候補の方が関連度(評価値)が高くなるようにする。
また、前述した構成関連度判定処理では、データ構造中の最下位の変数のみを対象として関連度を評価しているが、最下位の変数についての関連度だけでは評価できない場合、例えば評価値が同じ変数が複数存在する、評価値が近い変数が多数存在する、高い評価値(関連度)をもつ変数が存在しないように場合には、評価対象とする範囲を拡張するようにしても良い。例えば、対象要素の上位階層の要素を含めて関連度を求めて評価値とする。
なお、前述した説明では、エイリアス設定処理により変数(データ)に対して設定されたエイリアスをもとにして、関係付けの対象とする変数の候補を選択しているが、他の方法を用いることも可能である。例えば、ワークフローデータにおいて定義されたデータの名称をもとにして、関係付けの対象とする変数の候補を選択することが可能である。この場合、対象とする変数(データ)の名称が例えば「path」であった場合、関連性の評価対象とするアクティビティに含まれる「path」と同一の名称が付された変数(データ)を、関係付けの対象とする変数の候補とする。なお、「path」と同一の名称が付された変数(データ)だけでなく、「path」を含む変数、例えば「temppath」を関係付けの対象とする変数の候補として含めることも可能である。さらに、完全に一致した部分を含まなくても、類似した名称が付された変数を候補とするようにしても良い。
また、前述した説明では、ワークフロー管理装置1をパーソナルコンピュータにより実現するとしているが、前述したワークフロー管理装置1による機能をネットワークサービスとして提供するサーバ装置として実現することも可能である。ユーザは、例えばパーソナルコンピュータからネットワーク(インターネット等を含む)を介してサーバ装置にアクセスして、処理対象とするワークフローデータに対する処理結果を受信して、データの関連付け等の作業を実施することができる。例えば、ユーザは、サーバ装置から評価対象とするデータを含むグループについての評価結果を受信して、この評価結果をもとにして関連付けるデータの選択作業等をパーソナルコンピュータにおいて実行する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
1…ワークフロー表示支援装置、10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…HDD、14…ネットワークインターフェース、15…記録媒体インターフェース、16…入力デバイス、17…入力コントローラ、18…ディスプレイ、19…表示コントローラ、20…プログラム記憶部、21…ブラウザ、22…ワークフロー管理プログラム、22a…関連付け処理プログラム、22b…影響範囲決定処理プログラム、22c…構成関連度評価処理プログラム。
Claims (11)
- 少なくとも1つの変数を含むデータ構造が定義された複数のアクティビティを含むワークフローデータを記憶する記憶手段と、
前記ワークフローデータの第1のアクティビティに定義された第1の変数に対する関連付けの候補とする第2の変数を他のアクティビティから抽出する抽出手段と、
前記第1の変数を含む第1の変数グループと前記第2の変数を含む第2の変数グループとの関連度を算出し、前記関連度に基づいて前記第1の変数と関連付けの対象とする変数を前記第2の変数から選択する変数選択手段と
を具備したことを特徴とするワークフロー管理装置。 - 前記変数選択手段は、
前記第1の変数について関連付けの影響範囲にある第3の変数を決定する影響範囲決定手段と、
前記第3の変数と前記第2のグループに含まれる第4の変数との関係に基づいて、前記第1の変数グループと前記第2の変数グループとの関連度を評価する関連度評価手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のワークフロー管理装置。 - 前記変数選択手段は、前記関連度評価手段による関連度の評価結果に基づいて、前記第1の変数と関連付けの対象とする変数を前記第2の変数から選択することを特徴とする請求項2記載のワークフロー管理装置。
- 前記関連度評価手段による前記関連度の評価結果を表示する表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載のワークフロー管理装置。
- 前記表示手段は、前記評価結果として、評価が高い前記第2の変数グループに含まれる前記第2の変数を関連付けの候補として表示し、
前記変数選択手段は、前記表示手段により表示された関連づけの候補を選択する指示の入力を受け付け、この入力された指示に応じて、前記第1の変数と関連付けの対象とする変数を選択することを特徴とする請求項4記載のワークフロー管理装置。 - 前記影響範囲決定手段は、
前記データ構造において前記第1の変数から前記影響範囲を示す距離内にある前記第3の変数を走査して求めることを特徴とする請求項2記載のワークフロー管理装置。 - 前記関連度評価手段は、前記第1変数と前記第3の変数との前記第1のアクティビティのデータ構造における距離と、前記第2の変数と前記第4の変数との前記第2のアクティビティのデータ構造における距離とに基づいて、前記第1の変数グループと前記第2の変数グループとの関連度を求めることを特徴とする請求項2記載のワークフロー管理装置。
- 前記ワークフローデータに定義された前記変数に対して、ユーザから指定された別名を設定する別名設定手段をさらに具備し、
前記抽出手段は、前記別名設定手段により前記第1の変数に対して設定された別名をもとにして、前記第2の変数を抽出することを特徴とする請求項1記載のワークフロー管理装置。 - 前記変数選択手段により決定された前記第2の変数と前記第1の変数との関連付けを定義する記述を前記ワークフローデータに追加するデータ追加手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のワークフロー管理装置。
- コンピュータを、
少なくとも1つの変数を含むデータ構造が定義された複数のアクティビティを含むワークフローデータを記憶させる記憶手段と、
前記ワークフローデータの第1のアクティビティに定義された第1の変数との関連付けの候補とする第2の変数を他のアクティビティから抽出する抽出手段と、
前記第1の変数を含む第1の変数グループと前記第2の変数を含む第2の変数グループとの関連度に基づいて、前記第1の変数との関連付けの対象とする変数を前記第2の変数から選択する変数選択手段として機能させるためのワークフロー管理プログラム。 - 前記変数選択手段は、
前記第1の変数について関連付けの影響範囲にある第3の変数を決定する影響範囲決定手段と、
前記第3の変数と前記第2のグループに含まれる第4の変数との関係に基づいて、前記第1の変数グループと前記第2の変数グループとの関連度を評価する関連度評価手段とを含む請求項10記載のワークフロー管理プログラム。
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