JP2012063402A - 表示素子 - Google Patents

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香織 大野
Kazunari Nakahara
一成 中原
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Abstract

【課題】書き換え速度、及び、耐久性が良好な表示素子であって、更には、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能な多色表示素子を提供する。
【解決手段】透明基板11と対向電極15との間に複数の表示電極13a,13b,13cが隔離して設けられ、前記複数の表示電極は互いに異なる色を発色するエレクトロクロミック化合物を有している表示素子において、該対向電極上にナノ多孔質構造を有する金属酸化物材料を含有する対向物質層を有することを特徴とする表示素子。
【選択図】図1

Description

本発明は表示素子に係り、特に多色表示が可能なエレクトロクロミック表示素子に関する。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、近年、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。電子ペーパーは、表示素子が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示素子とは異なった特性が要求される。例えば、反射型表示素子であり、かつ、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリー性があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に、紙の様に用いる為の特性として、紙と同等な白反射率、及び、環境への関心の高まりからメモリー性についての要求度が高まっている。
これまで、電子ペーパー用途の表示素子として、例えば反射型液晶を用いる方式、電気泳動を用いる方式、トナー泳動を用いる方式、などが提案されている。しかしながら、上記のいずれの方式も白反射率が低く、コントラスト比に劣る。
従って、電子ペーパーに必要な特性を兼ね備えた表示素子を開発することは容易ではない。
さらに、ある表示素子技術が市場で普及するためには、その表示素子が多色表示可能かどうかが非常に重要な条件になる。しかしながら、前述したいくつかの電子ペーパー用途の表示素子技術において、白反射率、及び、コントラスト比を確保しながら多色表示を行うことは大変困難であり、一般に、多色表示を行うためにはカラーフィルタを設けるが、カラーフィルタ自身が光を吸収し反射率が低下してしまう。また、カラーフィルタは一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割するため、表示素子の反射率はさらに低下してしまい、従って、白反射率、及び、コントラスト比の大幅な低下を引き起こし、視認性が非常に悪くなるなどの問題点を有していた。
一方、上記のようなカラーフィルタを設けず、反射型の表示素子を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミック現象を用いる方式がある。
電圧を印加することで、可逆的な酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色)を利用した表示素子が、エレクトロクロミック表示素子である。このエレクトロクロミック表示素子については、反射型の表示素子であること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示素子技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで、幅広く研究開発が行われている。
このようなエレクトロクロミック表示素子を利用した多色表示素子には、いくつか公知になっている例があり、例えば特許文献1では、電極上に多層にエレクトロクロミック層を形成し、その発色に必要な電圧値や電流値の差を利用して多色を発色させる表示素子が開示されている。該文献では、異なる色を発色し、かつ、発色する閾値電圧及び発色に必要な必要電荷量が異なる複数のエレクトロクロミック化合物を、積層または混合して形成した表示層を有する多色表示素子の例が記載されている。
しかし、この方式で多色表示を発色させた場合、エレクトロクロミック化合物に複雑な閾値を持たせなければならなかったり、精密な電圧や電流のコントロールを行わなければならないなどの難点を有していた。
また、特許文献2、及び、特許文献3では、表示基板と対向電極間に互いに異なる色を発色するエレクトロクロミック層を有する複数の電極を絶縁膜などで隔離して設けた多色表示素子の例が記載されている。
この方式では複雑な閾値の問題は解消されたものの、エレクトロクロミック方式の欠点として一般に挙げられている、書き換え速度の遅さや繰り返し耐久性に関しては未だ不十分であった。また、対向電極として、カーボンや酸化スズの記載はされているが、未だその電荷容量は不十分であり、より速い書き換え速度、より安定した駆動安定性の為には、更なる電荷容量の向上が求められていた。
一方、特許文献4では、対向電極をナノ結晶化することで書き換え速度と耐久性、更にはメモリー性を向上させたエレクトロクロミック表示素子の例が記載されているが、該文献では単色しか発色させることが出来ず、多色表示かつ耐久性の高い表示装置の実現が求められていた。
特開2006−106669号公報 特開2009−163005号公報 特開2010−33016号公報 米国特許第7508009号明細書
本発明の目的は、書き換え速度、及び、耐久性が良好な表示素子であって、更には、簡便な制御で任意の色を発色させることの可能な多色表示素子を提供することにある。
上記課題は、下記に示す本発明の構成により解決することができた。
1.透明基板と対向電極との間に複数の表示電極が隔離して設けられ、前記複数の表示電極は互いに異なる色を発色するエレクトロクロミック化合物を有している表示素子において、該対向電極上にナノ多孔質構造を有する金属酸化物材料を含有する対向物質層を有することを特徴とする表示素子。
2.前記ナノ多孔質構造を有する金属酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化クロミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化銀、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、及び、ペロブスカイト成分を少なくとも1種含有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
3.前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(1)で表わされることを特徴とする前記1または2に記載の表示素子。
Figure 2012063402
〔式中、Rは置換基を表し、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。Xは−NR−、−S−、−O−を表し、Rは水素原子または置換基を表す。〕
本発明により、反射率(コントラスト)が高く、メモリー性及び耐久性の良好な表示素子であって、更には、簡便な制御で任意の色を発色させることが可能な多色表示素子を提供することができた。
本発明の実施の形態に係る表示素子の構成を模式的に示す断面図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
(実施の形態)
図1を参照し、本発明の実施の形態に係る表示素子を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る表示素子10の構成を模式的に示す断面図である。
ただし、図1は、本発明の実施の形態に係る表示素子の一例を示すものであり、本発明の実施の形態に係る表示素子は、図1の構成に限定されない。
最初に、表示素子10の構成について説明する。
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る表示素子10は、表示基板11と、表示基板11に対向されて設けられた対向基板12と、表示基板11と対向基板12とがスペーサ18を介して貼りあわされたセル19を有する。
表示基板11は、表示基板11に形成された第1の表示電極13aと、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第1のエレクトロクロミック層14aに接して設けられた絶縁膜22aと、絶縁膜22aに接して設けられた第2の表示電極13bと、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14bと、第2のエレクトロクロミック層14bに接して設けられた絶縁膜22bと、絶縁膜22bに接して設けられた第3の表示電極13cと、第3の表示電極13cに接して設けられた第3のエレクトロクロミック層14cと、を有する。表示基板11は、上記の積層構造を支持するための基板である。
第1の表示電極13aは、対向電極15に対する電位を制御し、第1のエレクトロクロミック層14aを発色させるための電極である。
第1のエレクトロクロミック層14aは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと、第1のエレクトロクロミック化合物16aを担持する金属酸化物17と、を有する。第1のエレクトロクロミック化合物16aは、酸化還元反応によって発色する部分であり、金属酸化物17は、第1のエレクトロクロミック化合物16aを担持するとともに、発消色を高速で行うためのものである。
絶縁膜22aは、第1のエレクトロクロミック層14aの設けられた第1の表示電極13aと、第2のエレクトロクロミック層14bの設けられた第2の表示電極13bとが、絶縁されるように隔離するためのものである。第1の表示電極13a及び第2の表示電極13bは、対向電極15に対する電位を独立して制御するため、互いに絶縁されなくてはならない。従って、第1の表示電極13aと、第2の表示電極13bとは、絶縁膜22aにより絶縁される。
第2の表示電極13bは、第1の表示電極13aと同様に、対向電極15に対する電位を制御し、第2のエレクトロクロミック層14bを発色させるための電極である。
第2のエレクトロクロミック層14bは、第1のエレクトロクロミック層14aと同様に、第2のエレクトロクロミック化合物16bと、第2のエレクトロクロミック化合物16bを担持する金属酸化物17と、を有する。第2のエレクトロクロミック化合物16bは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと同様に、酸化還元反応によって発色する部分であり、金属酸化物17は、第2のエレクトロクロミック化合物16bを担持するとともに、発消色を高速で行うためのものである。なお、第2のエレクトロクロミック化合物16bは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと異なる色を発色する。
絶縁膜22bは、第2のエレクトロクロミック層14bの設けられた第2の表示電極13bと、第3のエレクトロクロミック層14cの設けられた第3の表示電極13cとが、絶縁されるように隔離するためのものである。第2の表示電極13b及び第3の表示電極13cは、対向電極15に対する電位を独立して制御するため、互いに絶縁されなくてはならない。従って、第2の表示電極13bと、第3の表示電極13cとは、絶縁膜22bにより絶縁される。
第3の表示電極13cは、第2の表示電極13bと同様に、対向電極15に対する電位を制御し、第3のエレクトロクロミック層14cを発色させるための電極である。
第3のエレクトロクロミック層14cは、第1のエレクトロクロミック層14aと同様に、第3のエレクトロクロミック化合物16cと、第3のエレクトロクロミック化合物16cを担持する金属酸化物17と、を有する。第3のエレクトロクロミック化合物16cは、第1のエレクトロクロミック化合物16aと同様に、酸化還元反応によって発色する部分であり、金属酸化物17は、第3のエレクトロクロミック化合物16cを担持するとともに、発消色を高速で行うためのものである。なお、第3のエレクトロクロミック化合物16cは、第1のエレクトロクロミック化合物16a、及び、第2のエレクトロクロミック化合物16bと異なる色を発色する。
対向基板12は、対向基板12上に形成された対向電極15、及び、対向電極15上に形成された対向物質層23を有する。対向電極15は、対向電極15に対する第1の表示電極13a又は第2の表示電極13b又は第3の表示電極13cの電位を制御し、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cを発色させるための電極であり、対向基板12は、対向電極15を支持するためのものである。対向物質層23は、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cで消費した電荷を補償する為の層である。
セル19は、表示基板11と、対向基板12とが、スペーサ18を介して貼り合わされた構造を有する。セル19の内部には、電解質20、白色散乱物21が充填される。
電解質20は、第1の表示電極13a又は第2の表示電極13b又は第3の表示電極13cと、対向電極15との間でイオンとして電荷を移動させ、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cの発色を起こすためのものである。
白色散乱物21は、エレクトロクロミック表示素子10を反射型の表示素子として用いる場合に、白色の反射率を向上させるためのものである。白色散乱物21は、白色顔料粒子が分散された電解質20が、セル19中に注入されることによって形成される。或いは、白色散乱物21は、白色顔料粒子が分散された樹脂が、対向電極15上に塗布されることによって形成されることもある。
次に、本発明の実施の形態に係る表示素子10の多色表示の動作について説明する。
表示素子10は、上記説明した構造を有することにより、容易に多色表示が可能である。すなわち、第1の表示電極13aと、第2の表示電極13bと、第3の表示電極13cが、絶縁膜22a、22bを介して隔離して設けられているため、対向電極15に対する第1の表示電極13aの電位と、対向電極15に対する第2の表示電極13bの電位と、対向電極15に対する第3の表示電極13cの電位とを独立して制御することができる。その結果、第1の表示電極13aに接して設けられた第1のエレクトロクロミック層14aと、第2の表示電極13bに接して設けられた第2のエレクトロクロミック層14bと、第3の表示電極13cに接して設けられた第3のエレクトロクロミック層14cと、を独立して発消色させることができる。第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14bと、第3のエレクトロクロミック層14cとは、表示基板11側に積層して設けられているため、第1のエレクトロクロミック層14a、第2のエレクトロクロミック層14b、第3のエレクトロクロミック層14cの発消色のパターンにより、第1のエレクトロクロミック層14aのみの発色、第2のエレクトロクロミック層14bのみの発色、第3のエレクトロクロミック層14cのみの発色、第1のエレクトロクロミック層14a及び第2のエレクトロクロミック層14bの両方の発色、第1のエレクトロクロミック層14a及び第3のエレクトロクロミック層14cの両方の発色、第2のエレクトロクロミック層14b及び第3のエレクトロクロミック層14cの両方の発色、の6段階の色に変化させることができ、多色表示が可能である。
例えば、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cとして、レッド、グリーン、ブルーの異なる3色を発色する3種類のエレクトロクロミック層が用いられることにより、多色表示が可能である。
また、セル19中に白色反射層21が設けられているため、白色の反射率が高く、積層された第1のエレクトロクロミック層14a及び第2のエレクトロクロミック層14b及び第3のエレクトロクロミック層14cに起因する反射率の低下を補うことができ、視認性に優れた多色表示が可能である。
また、第1のエレクトロクロミック層14a及び第2のエレクトロクロミック層14b及び第3のエレクトロクロミック層14cが、各々第1のエレクトロクロミック化合物16a、第2のエレクトロクロミック化合物16b、第3のエレクトロクロミック化合物16cを金属酸化物17に担持した構造を有する場合、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能となる。特に、電子(もしくは正孔)移動度の小さな有機化合物系の材料が第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16b又は第3のエレクトロクロミック化合物16cに用いられる場合、第1の表示電極13a又は第2の表示電極13b又は第3の表示電極13cから、第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16b又は第3のエレクトロクロミック化合物16cの内部を電子(もしくは正孔)が伝導するのではなく、第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16b又は第3のエレクトロクロミック化合物16cより電子(もしくは正孔)移動度の大きな金属酸化物17を経由して電子(もしくは正孔)が伝導することができるため、より高速で発消色が可能になり、その結果、応答速度に優れた多色表示が可能となる。
更に、第1のエレクトロクロミック化合物16a、第2のエレクトロクロミック化合物16b、第3のエレクトロクロミック化合物16cがシリル基を介して金属酸化物17と化学結合をした場合、より強固な結合状態が形成される為、金属酸化物17を経由して電子(もしくは正孔)が繰り返し伝導する場合において、その結合が切断されたり分解する事がなく、より耐久性、信頼性、メモリー性に優れた多色表示が可能となる。
続けて、本発明の実施の形態に係る表示素子10に用いられる材料について説明する。
最初に、表示基板11及び表示基板11上に形成される各層の材料を説明する。
<基板>
表示基板11の材料としては、透明な材料であれば特に限定されるものではないが、ガラス基板、プラスチックフィルム(ポリエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、シリコン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体、ポリオレフィンなど)等の基板が用いられる。
<表示電極>
第1の表示電極13a及び第2の表示電極13b及び第3の表示電極13cの材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明な材料からなる透明電極が用いられる。透明電極の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。また、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリセレノフェニレン等、およびそれらの修飾化合物を単独あるいは混合して用いることができるが、好ましくは、ITO、FTO、ATOが用いられ、最も好ましくはITOである。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
<イオン透過性多孔質電極>
本発明において、複数の表示電極のうち、少なくとも1つはイオン透過性の多孔質電極であることが好ましく、更に好ましくは、第1の表示電極13a以外の表示電極がイオン透過性の多孔質電極であることが好ましい。第2の表示電極13b、第3の表示電極13cがイオン透過性の多孔質電極であることにより、電解質20中のイオンが第2の表示電極13b、第3の表示電極13cを透過することが可能となるため、酸化還元反応に伴う電荷の移動が容易となり、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。イオン透過性の多孔質電極の材料としては、前記、第1の表示電極13a及び第2の表示電極13b及び第3の表示電極13cの材料として挙げたものを用いることが可能であるが、イオン透過性の多孔質電極とする為に、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)の微粒子をスピンコート法などにより塗布したり、多孔質の絶縁膜22a、22b上にインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタしたり、ポリチオフェンの薄膜を延伸し多孔質化するなどの方法が挙げられる。
<EC化合物>
第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cに含まれる第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16b又は第2のエレクトロクロミック化合物16cの材料としては、着色と消色を繰り返す材料であれば特に限定はされないが、より高いメモリー性及び耐久性の観点から、好ましくは、前記一般式(1)で表わされる化合物である。前記一般式(1)で表わされる化合物を用いることで、よりメモリー性、及び、耐久性に優れた表示素子が可能となる。
<一般式(1)で表される化合物>
以下、本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物について説明する。
前記一般式(1)において、Rは置換基を表し、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R、−S−、−O−を表し、Rは水素原子または置換基を表す。
一般式(1)において、R、R、Rで表される置換基の具体例としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルフォニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル基、ホスホノオキシエチル基)、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
として好ましくは、置換もしくは無置換のアリール基であり、より好ましくは、置換もしくは無置換のフェニル基、最も好ましくは、置換もしくは無置換の4−アミノフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基または4−ヒドロキシフェニル基である。フェニル基の2位もしくは4位にヒドロキシ基を有することで、2電子酸化反応によりキノイド構造を容易に形成する為、優れたメモリー性と発色性を両立することが可能となる。
及びRとして好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基であり、より好ましくは、R及びRのいずれか一方がフェニル基、他方がアルキル基、更に好ましくはR及びRの両方がフェニル基である。
Xとして好ましくは>N−Rである。Rとして好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、アシル基である。
本発明において、前記一般式(1)で表される化合物は、前記一般式(1)で表される骨格を含有していれば、低分子であっても、高分子であってもよい。
本発明においては、第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cに含まれる第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16b又は第2のエレクトロクロミック化合物16cが金属酸化物に担持された第1のエレクトロクロミック層14a又は第2のエレクトロクロミック層14b又は第3のエレクトロクロミック層14cを形成することが好ましく、担持される為にはエレクトロクロミック化合物が金属酸化物に化学吸着、または、物理吸着していることが好ましい。本発明に関わる化学吸着とは金属酸化物表面との化学結合による比較的強い吸着状態であり、物理吸着とは金属酸化物表面との間に働くファンデルワールス力による比較的弱い吸着状態である。本発明においては、化学吸着であることが好ましく、化学吸着としては、−COH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−SOH、−Si(OR)(Rは、アルキル基を表す。)などを介して化学吸着している場合が挙げられ、好ましくは−COH、−P=O(OH)、−Si(OR)などを介して化学吸着している場合であるが、最も好ましくは、−Si(OR)であり、シリル基を介して金属酸化物と化学結合している場合である。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体的化合物例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
Figure 2012063402
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<金属酸化物>
金属酸化物17の材料としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム(以下アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ケイ素(以下シリカ)、酸化イットリウム、酸素ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン、から選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
また、金属酸化物17の形状は、特に限定されるものではないが、第1のエレクトロクロミック化合物16a又は第2のエレクトロクロミック化合物16b又は第3のエレクトロクロミック化合物16cを効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下比表面積)が大きい形状が用いられる。例えば、金属酸化物17が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色表示が可能である。
<絶縁膜>
絶縁膜22の材料としては、特に限定されるものではないが、好ましくは多孔質絶縁膜が用いられ、多孔質絶縁膜が用いられることにより、電解質20が絶縁膜22を透過することが可能となるため、酸化還元反応に伴う電解質20中のイオンとしての電荷の移動が容易となり、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。更に好ましくは、シリカ、アルミナ等を含む多孔質無機絶縁膜が用いられ、シリカ、アルミナ等を含む多孔質無機絶縁膜が用いられることにより、絶縁膜22が無機材料であるため、耐久性に優れた多色表示が可能となる。
次に、対向基板12及び対向基板12上に形成される対向電極15の材料を説明する。
<対向基板、対向電極>
対向基板12の材料としては、特に限定されるものではなく、上記表示基板11の材料として挙げたものの他に、例えば、金属基板、セラミック基板等の無機基板など不透明な基板を用いることもできる。
対向電極15の材料としては、導電性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。対向基板12として、ガラス基板、プラスチックフィルムが用いられる場合、対向電極15の材料として、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマスなどの導電性金属およびそれらの合金、カーボン等、透明性を有しない材料でも好ましく用いられる。これらの透明導電膜又は導電性金属からなる対向電極15は、対向基板12にコーティングされ用いられる。一方、対向電極15として、亜鉛等の金属板が用いられる場合、対向基板12が対向電極15を兼ねることも出来る。
<対向物質層>
本発明の対向物質層23は、ナノ多孔質構造を有する金属酸化物を含有する。
対向物質層23に用いられる材料としては、ナノ多孔質構造を有する金属酸化物であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化クロミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化銀、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、及び、ペロブスカイト成分を少なくとも1種含有する金属酸化物である。ペロブスカイト成分とは、一般にABXの結晶構造で表現され、代表的な化合物としては、BaTiO、SrCeO、BaCeO、CaZrO、SrZrO、BaZrO、PbZrO−PbTiOなどの酸化物が挙げられる。
更に好ましくは、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化コバルトを少なくとも1種含有する金属酸化物である。これらの金属酸化物を用いることで、より大きな電荷容量を得ることが可能となる。
本発明におけるナノ多孔質構造とは、層中にナノメートルサイズの細孔が無数に存在し、ナノ多孔質構造内を電解質中に含まれるイオン種が移動可能な状態のことを言い、平均細孔径としては0.1〜100nmが好ましく、1〜30nmがより好ましい。細孔径がこの範囲にあることで、高い透明性と高いイオン移動度を両立することが可能となる。また、本発明においてナノ多孔質構造を有する対向物質層23のBET比表面積は、5m/g〜1000m/gが好ましく、特に好ましくは10m/g〜500m/gである。BET比表面積がこの範囲にあることで、大きな電荷容量と膜強度を両立することが可能となり、この様な対向物質層を用いることで書き換え速度、及び、耐久性に非常に優れた表示素子が作製可能となる。BET比表面積は、BET法によって測定され、BET法とは、Brunauer、EmmettおよびTellerによって提案された理論に基づき、試料粒子表面へのガスの吸着量から試料の比表面積を求める方法である。本発明においては、液体窒素温度における窒素ガスの吸着を利用して微粒子の比表面積を測定する。ナノ多孔質構造を有する金属酸化物を対向物質として用いることで、酸化還元に関わらない充放電が生じ、より速い書き換えが可能となる。酸化還元に関わらない充放電とは、電解液に含まれるカチオンやアニオンが電極近傍に吸着したり、電極から脱離したりすることによる電気二重層の充電及び放電時に発生する電子の移動である。ナノ多孔質構造にすることで表面積が増大し、より多くの電気量を補うことが出来る為に、積層型の多色表示により適した対向物質となる。また、無機物である金属酸化物を用いる事で耐久性が高く、更には、気相法などを用いて製造した金属酸化物は非常に高純度化が可能な為、不純物による不要な副反応による劣化が生じず、非常に耐久性に優れた表示素子が提供可能となる。
本発明に於いては、ナノ多孔質構造を有する金属酸化物が、酸化還元に関わらない充放電の他に、酸化還元反応を起こしても良く、この場合、酸化還元に関わらない充放電による電気量と酸化還元反応による電気量の両方を用いることができる為、より容量の大きい対向電極を提供可能となる。
金属酸化物から成るナノ多孔質構造の形成方法としては、多孔質構造を構成する金属酸化物微粒子を含んだ分散物をインクジェット法、スクリーン印刷法、ブレード塗布法などで層状に形成した後に、所定の温度で加熱、乾燥、焼成することよって多孔質化する方法や、スパッタ法、CVD法、大気圧プラズマ法などで電極層を構成した後に、陽極酸化、光電気化学エッチングすることによって多孔質化する方法などが挙げられる。また、ゾルゲル法や、Adv.Mater.2006,18,2980−2983に記載された方法でも、形成することができる。
金属酸化物のナノ粒子を積層することにより形成する場合、ナノ多孔質構造を構成する金属酸化物微粒子の平均粒子径は、5nm〜30nm程度の微粒子を用いることが好ましい。微粒子の形状は不定形、針状、球形など任意の形状のものを用いることができる。
対向物質層23の付き量としては、第一のエレクトロミック層14aの電荷量と第二のエレクトロクロミック層14bの電荷量と第三のエレクトロクロミック層14cの電荷量を合計した電荷量以上であれば特に制限はないが、薄すぎると必要電荷量を補償出来なくなる可能性があり、一方、厚すぎると反応速度が遅くなる恐れが出てくる為、対向物質層の厚さとして、好ましくは100nm〜100μmであり、更に好ましくは1μm〜10μmである。
<電解質>
電解質20の材料としては、一般的に、支持塩を溶媒に溶解させたものが用いられる。
<支持塩>
支持塩としては、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類が使用できる。
塩類としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩;環状4級アンモニウム塩;4級ホスホニウム塩などが使用できる。
塩類の具体例としては、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有するLi塩、Na塩、あるいはK塩が挙げられる。
また、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有する4級アンモニウム塩、具体的には、(CHNBF、(CNBF、(n−CNBF、(CNBr、(CNClO、(n−CNClO、CH(CNBF、(CH(CNBF、(CHNSOCF、(CNSOCF、(n−CNSOCF
更には、
Figure 2012063402
等が挙げられる。
また、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有するホスホニウム塩、具体的には、(CHPBF、(CPBF、(CPBF、(CPBF等が挙げられる。また、これらの混合物も好適に用いることができる。
本発明の支持電解質としては、4級アンモニウム塩、特に4級スピロアンモニウム塩、および、リチウム塩が好ましい。
<溶媒>
溶媒としては、沸点が120〜300℃の範囲にあることが好ましく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジエトキシフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等が用いられる。その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。
<白色散乱物>
本発明においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、白色散乱物を含有することが好ましく、セル19中に白色顔料粒子が分散された電解質20を注入されることによって形成されても良いし、或いは、白色顔料粒子が分散された樹脂が、対向電極15上に塗布されることによって形成されても良いが、好ましくは、白色顔料粒子が分散された電解質を注入する場合である。白色反射層21に含まれる白色顔料粒子の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、有機化合物として、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記白色粒子の中でも、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から二酸化チタンが好ましく用いられ、特に無機酸化物(Al、AlO(OH)、SiO等)で表面処理した二酸化チタンがより好ましく用いられる。
<増粘剤>
本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
本発明の表示素子において、増粘剤として好ましいのは、平均重合度100〜500のポリエチレングリコールであり、電解質層の有機溶媒に対して質量比で5〜20%の範囲で添加するのが好ましい。
<プロモーター>
また、エレクトロクロミック材料の電気化学反応を促進するために、酸化還元されうる補助化合物(プロモーター)を添加しても良い。プロモーターとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のEC化合物を利用する事が可能であるが、酸化還元メディエーターとして利用する場合は、表示色素として用いるエレクトロクロミック化合物の特性に合わせ、有機合成化学協会誌第43巻第6号(「電気エネルギーを利用する有機合成」特集号)(1985)等に記載されている公知のメディエーターを適宜選択して用いる事が出来る。
<その他の添加剤>
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
以上、本実施の形態に係るエレクトロクロミック表示素子10によれば、第1の表示電極13aの電位と、第2の表示電極13bの電位、第3の表示電極13cの電位、とを独立して制御し、第1のエレクトロクロミック層14aと、第2のエレクトロクロミック層14bと、第3のエレクトロクロミック層14cとを、簡便な制御で独立して発消色させることができ、更には、反射率(コントラスト)が高く、メモリー性の良好な多色表示素子を提供することが出来る。
(表示基板1の作製)
表示電極及びエレクトロクロミック層の作製は以下のように行った。第1の表示電極として酸化スズの透明導電性薄膜が前面に形成されたガラス基板に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製、SP210)と、例示化合物(1)−61の5質量%2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を4/2.4の比率で混合した塗布液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって第1のエレクトロクロミック層を形成した。続いて、8/2の組成比を有するZnS/SiOをスパッタ法により100nmの膜厚になるように製膜することによって絶縁膜を形成した。その後、ITO膜をスパッタ法により100nmの膜厚になるように製膜することによって、第2の表示電極とした。次に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製、SP210)と、例示化合物(1)−62の5質量%2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を4/2.4の比率で混合した塗布液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって第2のエレクトロクロミック層を形成した。続いて、8/2の組成比を有するZnS/SiOをスパッタ法により100nmの膜厚になるように製膜することによって絶縁膜を形成した。その後、ITO膜をスパッタ法により100nmの膜厚になるように製膜することによって、第3の表示電極とした。次に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製、SP210)と、例示化合物(1)−63の5質量%2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を4/2.4の比率で混合した塗布液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって第3のエレクトロクロミック層を形成した。
(対向基板1の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、1次粒径26nmの酸化タングステン粒子の20質量%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、400℃で1時間焼結させ、BET比表面積150m/gの多孔質酸化タングステン層を有する対向基板1を作製した。
<表示素子1の作製>
表示基板1と対向基板1を75μmのスペーサを介して貼り合わせ、セルを作製した。テトラブチルアンモニウムパークロレート0.025gを炭酸プロピレン2.5gに溶解させた溶液に、一次粒径300nmの酸化チタン粒子(石原産業株式会社製)を35質量%分散させ、電解質溶液を調製し、セル内に封入することで表示素子1を作製した。
(対向基板2の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成し、対向基板2を作製した。
<表示素子2の作製>
前記表示素子1の作製方法において、対向基板1の代わりに、対向基板2を用いた以外は同様にして、表示素子2を作製した。
(対向基板3の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、粒径25nmのカーボンブラック粒子の20質量%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、120℃で15分間アニール処理を行い、BET比表面積210m/gの多孔質カーボンブラック層を有する対向基板3を作製した。
<表示素子3の作製>
前記表示基板1の作製方法において、対向基板1の代わりに、対向基板3を用いた以外は同様にして、表示素子3を作製した。
(表示基板2の作製)
表示電極及びエレクトロクロミック層の作製は以下のように行った。第1の表示電極として酸化スズの透明導電性薄膜が前面に形成されたガラス基板に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製、SP210)と、下記化合物Bの5質量%2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を4/2.4の比率で混合した塗布液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって第1のエレクトロクロミック層を形成した。続いて、8/2の組成比を有するZnS/SiOをスパッタ法により100nmの膜厚になるように製膜することによって絶縁膜を形成した。その後、ITO膜をスパッタ法により100nmの膜厚になるように製膜することによって、第2の表示電極とした。次に、酸化チタンナノ粒子分散液(昭和タイタニウム社製、SP210)と、下記化合物Cの5質量%2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を4/2.4の比率で混合した塗布液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって第2のエレクトロクロミック層を形成した。
Figure 2012063402
<表示素子4の作製>
前記表示素子1の作製方法において、表示基板1の代わりに、表示基板2を用いた以外は同様にして、表示素子4を作製した。
(対向基板5の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、1次粒径28nmの酸化バナジウム粒子の20質量%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、400℃で1時間焼結させ、BET比表面積120m/gの多孔質酸化バナジウム層を有する対向基板5を作製した。
<表示素子5の作製>
前記表示素子1の作製方法において、対向基板1の代わりに、対向基板5を用いた以外は同様にして、表示素子5を作製した。
(対向基板6の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、1次粒径30nmの酸化スズ粒子の20質量%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、400℃で1時間焼結させ、BET比表面積60m/gの多孔質酸化スズ層を有する対向基板6を作製した。
<表示素子6の作製>
前記表示素子1の作製方法において、対向基板1の代わりに、対向基板6を用いた以外は同様にして、表示素子6を作製した。
(対向基板7の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、1次粒径22nmの酸化チタン粒子の20質量%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、400℃で1時間焼結させ、BET比表面積230m/gの多孔質酸化チタン層を有する対向基板7を作製した。
<表示素子7の作製>
前記表示素子1の作製方法において、対向基板1の代わりに、対向基板7を用いた以外は同様にして、表示素子7を作製した。
(対向基板8の作製)
ガラス基板からなる対向基板の全面に、酸化スズからなる対向電極を形成した。酸化スズの透明導電性薄膜が全面に形成されたガラス基板の上面に、1次粒径100nmの酸化タングステン粒子の20質量%水分散液を、スピンコート法により厚さ約2μmになるように塗布した。その後、400℃で1時間焼結させ、BET比表面積9m/gの多孔質酸化タングステン層を有する対向基板8を作製した。
<表示素子8の作製>
前記表示素子1の作製方法において、対向基板1の代わりに、対向基板8を用いた以外は同様にして、表示素子8を作製した。
(発消色試験)
素子の発消色測定は、大塚電子株式会社製分光測色計LCD−5000を用いて拡散光を照射することにより行った。電圧の印加には、株式会社東方技研社製ファンクションジェネレータFG−02を用いた。
表示素子1〜3、5〜8は、電圧を印加しない状態で白色を示し、次に、第1の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、電圧1.5Vを印加したところ、イエロー色に発色した。次に、第2の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、電圧1.5Vを印加したところ、マゼンタ色に発色した。次に、第3の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、電圧1.5Vを印加したところ、シアン色に発色した。さらに、第1の表示電極及び第2の表示電極及び第3の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、電圧1.5Vを印加したところ、黒色に発色した。
表示素子4は、電圧を印加しない状態で白色を示し、次に、第1の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、青色に発色した。次に、第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、緑色に発色した。さらに、第1の表示電極及び第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを印加したところ、黒色に発色した。
すなわち、本発明の表示素子は、電圧を印加する表示電極を第1の表示電極と第2の表示電極と第3の表示電極との間で選択することにより容易に多色表示が可能である。
(書き換え速度の評価)
作製した表示素子1〜3、5〜8の電圧を印加していない状態での白色表示での波長550nmでの反射率と、表示素子1〜3、5〜8の第1の表示電極及び第2の表示電極及び第3の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、1.5Vの電圧を0.1秒間印加し黒色を表示させたときの波長550nmでの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定した。
一方、表示素子4は、電圧を印加していない状態での白色表示での波長550nmでの反射率と、第1の表示電極及び第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを0.1秒間印加し黒色を表示させたときの波長550nmでの反射率を同様に測定した。
白色表示での反射率と黒色表示での反射率との間の変化が大きいほど、書き換え速度が速いことを示す。
(耐久性の評価)
作製した表示素子1〜3の第1の表示電極及び第2の表示電極及び第3の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、1.5Vの電圧を1.5秒間印加し黒色を表示させたときの波長550nmでの反射率と、第1の表示電極及び第2の表示電極及び第3の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、1.5Vの電圧を1.5秒間印加し白色を表示させたときの波長550nmでの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで繰り返し測定し、白反射率もしくは黒反射率が5%以上変動するのに要する回数を求め、これを耐久性の尺度とした。変動回数が大きいほど、耐久性に優れていることを示す。
一方、表示素子4は、第1の表示電極及び第2の表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、電圧2.5Vを1.5秒間印加し黒色を表示させたときの波長550nmでの反射率と、第1の表示電極及び第2の表示電極を正極に、対向電極を負極に繋ぎ、電圧2.5Vを1.5秒間印加し黒色を表示させたときの波長550nmでの反射率を同様に測定した。白反射率もしくは黒反射率が5%以上変動するのに要する回数を求め、これを耐久性の尺度とした。変動回数が大きいほど、耐久性に優れていることを示す。
(電荷容量の評価)
各表示素子に用いた電解液中に対向基板側の電極を作用電極、銀−硝酸銀電極を参照電極、白金電極をカウンター電極として、浸漬し、ALS社製電気化学アナライザー650Cのサイクリックボルタンメトリーテクニックで走査範囲±1.5Vで測定して、充放電に係る電荷容量を求めた。電荷容量が大きいほど、対向電極として優れていることを示す。
Figure 2012063402
すなわち、本発明の表示素子は、電圧を印加する表示電極を第1の表示電極と第2の表示電極と第3の表示電極との間で選択することにより容易に多色表示が可能で、表1に記載の結果より明らかな様に、本発明の構成を満たす表示素子は、比較例の表示素子2、3に対し、反応速度、繰り返し耐久性、電荷容量が共に優れた表示素子の提供が可能である。
10 表示素子
11 表示基板(透明基板)
12 対向基板
13a 第1の表示電極
13b 第2の表示電極
13c 第3の表示電極
14a 第1のエレクトロクロミック層
14b 第2のエレクトロクロミック層
14c 第3のエレクトロクロミック層
15 対向電極
16a 第1のエレクトロクロミック化合物
16b 第2のエレクトロクロミック化合物
16c 第3のエレクトロクロミック化合物
17 金属酸化物
18 スペーサ
19 セル
20 電解質
21 白色散乱物
22a、22b 絶縁膜
23 対向物質層

Claims (3)

  1. 透明基板と対向電極との間に複数の表示電極が隔離して設けられ、前記複数の表示電極は互いに異なる色を発色するエレクトロクロミック化合物を有している表示素子において、該対向電極上にナノ多孔質構造を有する金属酸化物材料を含有する対向物質層を有することを特徴とする表示素子。
  2. 前記ナノ多孔質構造を有する金属酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化クロミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化銀、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、及び、ペロブスカイト成分を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(1)で表わされることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
    Figure 2012063402
    〔式中、Rは置換基を表し、R、Rは各々水素原子または置換基を表す。Xは−NR−、−S−、−O−を表し、Rは水素原子または置換基を表す。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017039218A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 学校法人東京理科大学 積層体及び積層体の製造方法
CN113054116A (zh) * 2019-12-28 2021-06-29 Tcl集团股份有限公司 发光二极管

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