JP2012062737A - 太陽電池パネル及び有機el照明を備えた建築物及びその屋根部材 - Google Patents

太陽電池パネル及び有機el照明を備えた建築物及びその屋根部材 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池パネルの一部が被覆された場合でも、適正に有機EL照明駆動用の電力を発電可能な太陽電池パネルを備えた建築物およびその屋根部材を提供する。
【解決手段】建築物は、1以上の支柱と、前記支柱によって支持される屋根であって、幅方向及び長手方向を有し、夫々が幅方向を前記屋根の長手方向に一致させて直列配置される複数の屋根基板を含み、さらに、前記各屋根基板の長手方向の少なくとも一方の端部が前記屋根基板の中央部より低い位置に設置される屋根と、前記複数の屋根基板の少なくとも一つの上面側に取り付けられる太陽電池パネルと、前記複数の屋根基板の少なくとも一つの下面側に取り付けられる有機EL照明パネルとを備え、前記太陽電池パネルは、直列接続された複数の太陽電池セルで夫々形成された複数の太陽電池セル系列が並列接続されてなり、前記複数の太陽電池セル系列の夫々が前記屋根基板の短手方向に配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池及び有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)照明を備えた建築物及びその屋根部材に関する。
従来、アルミニウムのような金属製の支柱によって屋根を支持する簡易構造の建築物として、カーポート(自動車置場),サイクルポート(自転車置場),バス停や通路のシェルター、などが知られている。これらの屋根材としては、一般に、ポリカーボネート(PC)が使用される。また、所定の防火基準の遵守が要求される地域では、屋根材として、PCの代わりにアルミニウムが用いられている。
一方、太陽電池の分野では、発電層に有機半導体材料を用いた有機太陽電池(有機薄膜太陽電池)が知られている。さらに、光源の一つとして、有機ELと呼ばれる発光現象を利用した照明機器が開発されている。
従来技術としては、太陽電池セルと、該太陽電池セルに積層し、面発光手段を有する導光板と、前記導光板の側面に配置した発光ダイオードと、前記太陽電池セルにより発電した電力を蓄電するバッテリとを有し、該バッテリに蓄電された電力により前記発光ダイオードを発光させ、前記導光板に導き前記導光板を面発光させる照明手段付き太陽電池モジュールがある(例えば、特許文献1)。
太陽電池を用いた建物の照明システムとしては、建物の屋根に配設された太陽電池パネルと、太陽電池パネルと給電線との間に設けられ太陽電池パネルからの直流電力を所定直流電力に変換して給電線に供給可能な制御装置と、建物内部又は外部の適宜位置に配置されて給電線に接続される複数のランプユニットを備え、複数のランプユニットが備える1つ又は複数のランプは、蛍光ランプ,LED(発光ダイオード)ランプ,有機ELランプのうちの何れかであるものがある(例えば、特許文献2)。
特開2006−107861号公報 特開2010−49940号公報
上述した簡易構造建築物に対し、夜間利用時の利便性を向上すべく、照明機器を設置することが考えられる。照明機器は、軽量で、電力発光効率が高く拡散光を広範囲に亘って照射し得るものが好ましい。また、照明機器の電源として、太陽電池を用いれば、CO2
の発生を抑えた車庫,自転車置場,バス停や通路の照明が可能となるが、上記簡易構造建築物に太陽電池及び照明機器を適用するという課題は見いだされていない。さらに、簡易構造建築物の屋根に有機太陽電池を設置するに当たっては、太陽電池の発電効率の向上が求められる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、太陽電池パネルの一部が被覆された場合でも、適正に有機EL照明駆動用の電力を発電可能な太陽電池パネルを備えた建築物およびその屋根部材を提供することを目的とする。
本発明は、上記した目的を達成するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の態様の一つは、1以上の支柱と、
前記支柱によって支持される屋根であって、幅方向及び長手方向を有し、夫々が幅方向を前記屋根の長手方向に一致させて直列配置される複数の屋根基板を含み、さらに、前記各屋根基板の長手方向の少なくとも一方の端部が前記屋根基板の中央部より低い位置に設置される屋根と、
前記複数の屋根基板の少なくとも一つの上面側に取り付けられる太陽電池パネルと、
前記複数の屋根基板の少なくとも一つの下面側に取り付けられる有機EL照明パネルとを備え、
前記太陽電池パネルは、直列接続された複数の太陽電池セルで夫々形成された複数の太陽電池セル系列が並列接続されてなり、前記複数の太陽電池セル系列の夫々が前記屋根基板の短手方向に配置されている
ことを特徴とする屋根を有する建築物である。
本発明の態様の一つによると、各屋根基板の上面側に取り付けられる太陽電池パネルは、複数の太陽電池セル系列を有し、各太陽電池セル系列は屋根部材の幅方向、すなわち屋根の長手方向に配置される。一方、屋根部材の長手方向の少なくとも一方の端部は、屋根部材の中央部より低い位置に配置される。これによって、屋根部材の長手方向の端部付近の上面には、屋根への落下物、例えば、雪や落ち葉が滞留する可能性がある。例えば雪は一部が溶けて、落ち葉等は雨水等で流れて低い部分に流れ、このとき、落下物が太陽電池パネル上の一部で滞留すると、その部分には太陽光が当たらず、太陽電池セルによる発電が行われなくなる。
ここで、仮に太陽電池セル系列が屋根基板の長手方向に配置されていると、屋根基板の幅方向全体に亘って太陽電池セル系列の一部が落下物で被覆されたとき、太陽電池セル系列の被覆された部分は、発電を行わず抵抗として作用するので、太陽電池パネルによる発電の妨げになる。これに対し、本発明では、太陽電池セル系列が屋根基板の幅方向に配置されているので、同様の状態で太陽電池パネルの一部が落下物で被覆されても、落下物により発電を阻害されるのは一部の太陽電池セル系列のみである。よって、落下物による発電阻害を回避することができる。
また、本発明の他の態様は、幅方向及び長手方向を有し、幅方向を屋根の長手方向に一致させて複数個直列配置される屋根部材であって、
前記幅方向及び前記長手方向を有する屋根基板と、
前記屋根基板の上面側に取り付けられた太陽電池パネルと、
前記屋根基板の下面側に取り付けられた有機EL照明パネルとを含み、
前記太陽電池パネルは、直列接続された複数の太陽電池セルで夫々形成された複数の太陽電池系列が並列接続されてなり、前記複数の太陽電池セル系列の夫々が前記屋根基板の短手方向に配置されている
ことを特徴とする屋根部材である。
上記建築物及び屋根部材は、屋根基板と有機EL照明パネルとの間に介装されるポリマー電池をさらに含むことができる。
本発明によれば、太陽電池パネルの一部が被覆された場合でも、適正に有機EL照明駆動用の電力を発電可能な太陽電池パネルを備えた建築物およびその屋根部材を提供することができる。
図1(A)は、本発明の実施形態に係る建築物の平面図を模式的に示し、図1(B)は、図1(A)に示した建築物の正面図を模式的に示す。 図2は、上記した屋根を構成するフレームに取り付けられる屋根部材の構成例を示す。 図3は、太陽電池パネルの断面構造を模式的に示す。 図4は、太陽電池パネルの構成例を示す図である。 図5は、屋根基板に取り付けられた太陽電池パネルを模式的に示す図である。 図6(A)は、図5に示した屋根部材に取り付けられた太陽電池パネルの作用説明図である。図6(B)は、図6(A)の比較例を示す。 図7は、有機EL照明パネルを発光させる駆動回路の構成例を示す。 図8(A)は、シェルターとしての建築物の平面図を模式的に示し、図8(B)は、建築物の正面図を模式的に示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<実施形態1>
<<建築物の構成>>
図1(A)は、本発明の実施形態に係る建築物の平面図を模式的に示し、図1(B)は、図1(A)に示した建築物の正面図を模式的に示す。図1(A)及び図1(B)に示す建築物10は、カーポート(自動車置場)又は自転車ポート(自転車置場)として利用される場所に、自動車や自転車の雨よけとして設置される簡易構造の建築物である。
図1(A)及び図1(B)において、建築物10は、支柱11と、支柱11によって支持される屋根12とを備える。屋根12を支える支柱11の数は、屋根12を適正に支持できる限り、1以上の数から適宜選択可能である。なお、図1Bでは、支柱11の地中に埋設する部分の図示は省略されている。
屋根12は、短手方向Xと長手方向Yとを有する平面矩形に形成されている。屋根12は、長手方向フレーム13A,13Bと、短手方向フレーム14A,14Bと、複数の中間フレーム15とを含んでいる。
長手方向フレーム13Aは、支柱11が有する連結部材11aを介して支柱11と連結されている。これによって、屋根12は、支柱11により、長手方向Yの片側のみが支持された状態となっている。もっとも、屋根12は、両側で支持されるようになっていても良い。
また、屋根12は、長手方向フレーム13Bから長手方向フレーム13A(支柱側)へ向かって徐々に低くなるように所定の傾斜が設けられている。これによって、屋根の上に落下した雨や雪(水)は、支柱側へ移動し、図示しない雨樋を通じて排水される。
長手方向フレーム13A及び13Bは、短手方向フレーム14A及び14Bと直交方向で連結されている。これによって、屋根12を画定する矩形が形成されている。各中間フレーム15は、短手方向に配置されて長手方向フレーム13Aと13Bとを連結している。
短手方向フレーム14A(14B)と中間フレーム15との間、中間フレーム15間の夫々には、屋根基板16が、屋根の長手方向Yに直列配置されている。屋根基板16は、幅方向x及び長手方向y(図4)を有する長方形の平板パネルである。各屋根基板16は、その幅方向xを屋根12の長手方向Yに一致させて、直列に配置されている。
各屋根基板16の幅方向x及び長手方向yの各端部(外縁)は、長手方向フレーム13A,13B,短手方向フレーム14A,14B,及び中間フレーム15の内部に収容され、フレーム内部でネジ,ボルト及びナット,リベットのような固定具により固定されている。もっとも、屋根基板16のフレームに対する固定方法は、上記以外の方法を適宜利用可能である。屋根基板16の材質としては、ポリカーボネート,アルミニウム,プラスチック板の両面をアルミ板で挟んだもの、などが適用される。
各屋根基板16の上面には、太陽電池パネル17が取り付けられている。図1(A)に示す例では、全ての屋根基板16上に太陽電池パネル17が設置されている。もっとも、所望電力に応じて、少なくとも1つの屋根基板16上に太陽電池パネル17を取り付けることができる。
また、所定の屋根基板16の下面側には、有機EL照明パネル18が取り付けられている。図1(A)に示す例では、有機EL照明パネル18は、二つの屋根基板16に取り付けられている。もっとも、建築物10の利用態様に応じて、少なくとも1つの屋根基板16に取り付けられていれば良い。
図2は、上記した屋根12を構成するフレームに取り付けられる屋根部材の構成例を示す。図2において、屋根部材は、屋根基板16と、屋根基板16の上面に取り付けられた太陽電池パネル17と、屋根基板16の下面側に取り付けられるシート状のポリマー電池(リチウムポリマー電池)19と、シート状の有機EL照明パネル18とを備える。
ポリマー電池19は、屋根基板16と有機EL照明パネル18との間に挟まれた状態で、屋根基板16の下面に取り付けられる。ポリマー電池19は、有機EL照明パネル18に対するバッテリ(二次電池)として用いられる。ポリマー電池19及び有機EL照明パネル18の双方は、柔軟性を有するシート状に形成されており、屋根基板16の下面形状に応じて変形させた状態で屋根基板16に取り付けることができる。すなわち、屋根基板16の下面が平面である場合のみならず、下面が曲面である場合にも、密着する状態で取り付けることが可能である。
なお、ポリマー電池19を適用すれば、屋根部材の一部としてバッテリを屋根基板16と一体に構成することができる点で好ましいが、ポリマー電池19の代わりに通常のバッテリが用いられていても良い。この場合、有機EL照明パネル18は、屋根基板16の下面にとりつけられる。
なお、太陽電池パネル17の屋根基板16に対する取り付け方法は、接着剤を用いて貼り付けたり、ネジ,ボルト及びナット,リベットのような固定具を用いて固定したり、既存のあらゆる固定方法を適用できる。また、ポリマー電池19,有機EL照明パネルも太陽電池パネルと同様の取り付け方法により取り付けることができる。
<使用しうる太陽電池パネルの詳細な説明>
太陽電池パネル17は、複数個の太陽電池素子(太陽電池セル)が直列接続されてなる太陽電池セル系列が並列接続されてパネルとして構成されるものである。
図3は、太陽電池パネル17の断面構造を模式的に示す。図3に示されるように、太陽
電池素子41の受光面側(矢印方向)及び非受光面側の双方に、任意で形成可能な封止材層42、43を介し、表面、裏面側の保護層44,45を備えている。必要に応じてガスバリア層、ゲッター材層など他の層を任意の場所に設けてもよい。
太陽電池素子41は、通常、少なくとも一対の電極41a,41bで発電層(光電変換層)41cを挟んでなる。発電層41cと電極41a,41bの間にバッファー層を介していてもよい。電極41a,41bは取り出し電極に接続され、発生した電力が外部に取り出せるように構成されている。
発電層41cの種類に制限はないが、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、無機半導体材料、色素及び、有機半導体材料などを好ましく用いることができる。これらは発電効率が比較的高く、薄膜軽量化できるため好ましい。特に、有機半導体材料を用いた有機太陽電池(有機薄膜太陽電池)やフィルム基板を用いたアモルファスシリコンを発電材料とする太陽電池パネルは、或る程度曲げることができるので、屋根基板が曲面を有する場合に、その曲面に沿って密着するように取り付け可能であり、さらに少々曲げても割れたりクラックが入ったりしないことから大きく軽量化できる点でより好ましい。
発電層41cとして薄膜多結晶シリコンを用いる薄膜多結晶シリコン太陽電池素子は間接光学遷移を利用したタイプの太陽電池素子である。このため、薄膜多結晶シリコン太陽電池素子では基板又は表面に凸凹構造を形成するなど十分な光閉じ込め構造を設けて光吸収を増加させるのが好ましい。薄膜多結晶シリコンはCVD法などの常法により基板上に成膜し形成することができる。
発電層41cとしてアモルファスシリコンを用いるアモルファスシリコン系太陽電池素子は、結晶シリコンにおける間接光学遷移が構造乱れのために直接遷移となったものであり、可視域での光学吸収係数が大きく、厚さ1μm程度の薄膜でも太陽光を十分に吸収できる長所を有する。このため、太陽電池素子41としてアモルファスシリコン系太陽電池素子を用いれば、更に軽量な太陽電池パネルを実現することができる。また、アモルファスシリコンは非結晶質の材料であるため、変形にも耐性を有しフレキシブル化しうる。
発電層41cとして無機半導体材料(化合物半導体)を用いる化合物半導体系太陽電池素子は発電効率が高く好ましい。なかでもS、Se、Teなどカルコゲン元素を含むカルコゲナイド系発電層が好ましく、更にI−III−VI2族半導体系(カルコパイライト系)発電層が好ましく、特にI族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体系発電層は理論的に極めて高い光電変換効率を有し好ましい。中でも特にCIS系半導体及びCIGS系半導体が好ましい。CIS系半導体はCuIn(Se1-yy2(0≦y≦1)を指し
、CIGS系半導はCu(In1-xGax)(Se1-yy2を指す(0<x<1、0≦y
≦1)。発電層として例えば酸化チタン層及び電解質層などからなる色素増感型発電層も、発電効率が高く好ましい。色素増感型太陽電池は電解質が液体の場合には特にガラス基板を用いない場合は封止が難しく耐久性が十分では無い場合がある。
また、発電層41cとして有機半導体材料を用い、有機太陽電池素子としてもよい。有機半導体材料はp型半導体とn型半導体からなる。p型半導体は特に限定されず、低分子材料と高分子材料が挙げられる。低分子系材料としては例えば、ナフタセン、ペンタセン、ピレン、フラーレン等の縮合芳香族炭化水素;α−セキシチオフェン等のチオフェン環を4個以上含むオリゴチオフェン類;チオフェン環、ベンゼン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環を合計4個以上連結したもの;銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、パーフルオロ銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、テトラベンゾポルフィリンやその金属錯体等のポルフィリン化合物及びその金属塩等の大環状化合物などが挙げられる。
高分子材料としては例えば、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の共役高分子;アルキル置換されたオリゴチオフェン等の高分子半導体が挙げられる。
n型半導体としては、特に限定されないが例えば、フラーレン誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、縮合多環芳香族の全フッ化物、単層カーボンナノチューブなどが挙げられる。
電極41a,41bは、導電性を有する任意の材料を1種又は2種以上用いて形成しうる。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその合金(ITO);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カ
リウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
電極41a,41bには正孔及び電子を捕集するのに適した材料を用いることが好ましい。正孔の捕集に適した電極材料は、例えばAu、ITO等の高い仕事関数を有する材料である。一方、電子の捕集に適した電極材料は、例えばAlのような低い仕事関数を有する材料である。電極は2層以上積層してもよく、表面処理によって特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
電極41a,41bの形成方法に制限はない。例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができ、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。導電性インクとしては任意のものを使用することができ、例えば導電性高分子、金属粒子分散液等を用いることができる。
なお、少なくとも太陽電池素子41の受光面側の電極41aは、発電に用いる光を透過させるため、透明であることが好ましい。但し、発電層41cの面積に比べて電極41aの面積が小さいなど、電極41aが透明でなくても発電性能に著しく悪影響を与えない場合は必ずしも透明でなくてもよい。透明な電極材料を挙げると、例えば、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物;金属薄膜などが挙げられる。また、この際、光の透過率の具体的範囲に制限は無いが、太陽電池素子の発電効率を考慮すると80%以上が好ましい。なお、光の透過率は通常の分光光度計で測定可能できる。
太陽電池素子41の受光面側には保護層(表面保護層と称する)44が設けられる。太陽電池素子41と保護層44の間には、太陽電池素子41の封止と保護層44の接着を目的として封止材層42を設けてもよい。しかし太陽電池素子41上に封止材層42を設けることなく保護層44を設ける場合は、保護層44が太陽電池素子の封止機能を兼ねることとなる。
表面保護層44は、通常、太陽電池パネル17の最表面に位置し、機械的強度、耐侯性
、耐スクラッチ性、耐薬品性、ガスバリア性などを目的として形成される。具体的強度は、封止材層42,43や裏面保護層45の強度とも関係し一概には言えないが、太陽電池パネル17全体が良好な曲げ加工性を有し、折り曲げ部分の剥離を生じないような強度を有するのが望ましい。
また表面保護層44は、太陽電池素子41の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また太陽電池パネル17は光を受けて熱せられることが多いため、表面保護層44も耐熱性を有することが好ましく、表面保護層44の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下である。
表面保護層44の材料はこれら特性を考慮して選ぶことができ、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、(水添)エポキシ樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
中でも好ましくはフッ素系樹脂が挙げられ、その具体例を挙げるとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
なお、表面保護層44は2種以上の材料で形成されていても良い。また表面保護層44は、単層であっても、2層以上からなる積層体であってもよい。
表面保護層44の厚みは特に規定されないが、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。但し表面保護層44が封止材層を兼ねる場合には、表面保護層の厚みは通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上であり、また、通常3mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。
封止材層42,43は、通常、太陽電池素子41の封止と太陽電池素子41と保護層44,45との接着を目的として設けられるが、機械的強度、耐侯性、ガスバリア性などの向上にも寄与している。また少なくとも受光面側の封止材層42は表面保護層44と同様、可視光を透過させ、耐熱性の高いものが好ましい。
封止材層42,43の材料はこれら特性を考慮して選ぶことができ、特に限定はされないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリオレフィン系樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、(
水添)エポキシ樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
中でも好ましくはエチレン系共重合体樹脂が挙げられ、より好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂またはエチレンと他のオレフィンとの共重合体からなるポリオレフィン系樹脂が挙げられる。例えば、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体等からなる樹脂等である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂組成物は、通常、耐候性の向上のために架橋剤を配合して架橋構造を構成させ、EVA樹脂とする。架橋剤としては、一般に100℃以上でラジカルを発生する有機過酸化物が用いられる。例えば、2,5−ジメチルヘキサン;2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;3−ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して通常1〜5重量部である。また架橋助剤を含有させてもよい。
EVA樹脂組成物には、接着力向上の目的でシランカップリング剤を含有させたり、安定性を向上させる目的でハイドロキノン等を含有させたりしてもよい。
プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体としては通常、プロピレン系重合体と軟質プロピレン系共重合体を適切な組成で配合した熱可塑性樹脂組成物が用いられる。
なお、封止材層42,43は2種以上の材料で形成されていても良い。また封止材層42,43は、単層であっても、2層以上からなる積層体であってもよい。
各封止材層42,43それぞれの厚みは、特に限定されないが、通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上であり、また、通常3mm以下、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1mm以下である。厚みを厚くすることで太陽電池パネル17の機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まりまた可視光の透過率が向上する傾向にある。
これら表面保護層44及び/又は封止材層42は、予めフィルム・シート状に形成しておいたものを圧着、液状樹脂を塗布・印刷成膜、液状樹脂の注型成形など、従来公知の方法により形成することができる。
非受光面側には保護層(裏面保護層と称する)45が設けられる。裏面保護層45は支持部材、基板としての機能も有するため機械的強度が高く、耐候性、耐熱性、耐水性等に優れると同時に軽量であることが好ましく、また太陽電池パネル17の設置部位の変形に追従して変形できるものが好ましい。
裏面保護層45を形成する材料としては、例えば、ガラス、サファイア、チタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、(水添)エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロース樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アラミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の有機材料;紙、合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属に、耐腐食性や絶縁性を付与するために表面をコート或いはラミネートしたもの等の複合材料;などが挙げられる。なお、裏面保護層45の材料は2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
太陽電池パネル17は石飛び、立木等との接触などに曝される虞があり、また衝突時の安全性の観点から割れにくいことが望ましい。従って基材層としては金属を含む複合材料、有機材料、紙材料などが好ましい。
軽量かつフレキシブルであるという点で有機材料がより好ましい。更にこれら有機材料に無機繊維(炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等)、有機繊維(アラミド、ポリエステル、ポリアミド、高強度ポリプロピレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール等)、金属繊維(ボロン、チタン、スチール等)などの繊維を含ませ、機械的強度を上げてもよい。この補強により軽量で強靭な太陽電池パネル17が得られる。
裏面保護層45の形状に制限は無いが、通常は、板状又はフィルム状のものを用いる。また、裏面保護層45を板状に成形する場合、裏面保護層45は平板状に形成しても良いが、屋根基板16の装着部分の形状に応じて湾曲や凹凸のある形状に形成しても良い。
また、裏面保護層45には太陽電池パネル17を屋根基板16に装着するため、必要に応じて取付部材が設けられていてもよい。
裏面保護層45の寸法に制限は無いが、厚みは通常12μm以上、好ましくは20μm以上である。強度、操作性などの観点からである。また、通常23mm以下、好ましくは20mm以下である。軽量化、可撓性及び加工性などの観点からである。
図4は、太陽電池パネル17の構成例を示す図である。図4において、太陽電池パネル17は、図3に示した裏面保護層45として機能するフレキシブルな基板上に、封止層43,太陽電池素子群,封止層42,及び表面保護層44を積層することで形成されている。基板は、幅方向及び長手方向を有する長方形に形成されている。
図4に示す例では、太陽電池パネル17は、基板上に設置された第1太陽電池モジュール17A,第2太陽電池モジュール17B及び端子ボックス17Cを備えている。
第1太陽電池モジュール17Aは、太陽電池パネル17(基板)の長手方向に並べて配置された16系列の太陽電池セル系列からなる。各太陽電池セル系列は、30個の太陽電池素子(太陽電池セル)が直列に接続されてなる。
第2太陽電池モジュール17Bは、第1太陽電池モジュール17Aと同様に、太陽電池パネル17の長手方向に並べて配置された16の太陽電池セル系列を有し、各太陽電池セル系列は、直列接続された太陽電池素子(太陽電池セル)からなる。
第1及び第2太陽電池モジュール17A,17Bにおいて、各太陽電池セル系列は並列接続されており、第1及び第2太陽電池モジュール17A,17Bからの出力は、端子ボックス17Cに接続されている。
端子ボックス17Cは、太陽電池パネル17に対する入力端子と出力端子とを収容しており、入力端子及び出力端子は給電線17Dを介してポリマー電池19と接続されている。太陽電池パネル17は、有機EL照明パネル18の電源として利用される。
なお、図4に示す例では、16の太陽電池セル系列を有する太陽電池パネル17を図示したが、太陽電池セル系列の数は、太陽電池パネル17から所望の出力電圧を得られる限り、適宜設定可能である。また、図4に示す例のように、一つの太陽電池パネル17が複
数の太陽電池モジュールを備えることは必須の要件でなく、少なくとも1つの太陽電池モジュールを備えていれば良い。また、直列接続される太陽電池セルの数(セル段数)は、所望のセル系列当たりの出力電圧に応じて適宜設定可能である。
<<屋根基板に対する太陽電池パネルの取り付け>>
図5は、屋根基板16に取り付けられた太陽電池パネル17を模式的に示す図である。図5に示す太陽電池パネル17は、図4に示した太陽電池パネルより簡略化して図示されており、太陽電池モジュール数(1つ),セル系列数(8系列),及びセル段数(10段)が図4の例と異なっている。
図5において、太陽電池パネル17は、屋根基板16に対し、その幅方向及び長手方向を屋根基板16の幅方向x及び長手方向yと一致させて屋根基板16の上面に取り付けられる。従って、太陽電池パネル17が備える各太陽電池セル系列は、屋根12の長手方向Y(図1(A))に配置される。
太陽電池セル系列が屋根12の長手方向Y(屋根基板16の幅方向x)に配置される理由を、図6を用いて説明する。図6(A)は、図5に示した屋根部材16に取り付けられた太陽電池パネル17の作用説明図である。図6(B)は、図6(A)の比較例を示す。図6(B)には、比較例での太陽電池パネルは、複数(図6(B)では8)の太陽電池セル系列を有し、各太陽電池セル系列が屋根基板(太陽電池パネル17)の長手方向に配置されている。
図6(A)及び(B)に示す屋根基板16の長手方向の下端が図1(A)及び(B)を用いて説明した支柱側に位置すると仮定する。屋根12に降った雪は、屋根12に設けられた傾斜により、支柱側に移動し、やがて破線で囲まれた領域Sに滞留すると仮定する。このとき、領域Sと重なる(雪で覆われた)部分の太陽電池素子は、受光できない状態となり、発電を行うことができない。
ここで、図6(B)に示すように、太陽電池セル系列が屋根基板16の長手方向yに配置されていると、領域Sと重なる部分の太陽電池素子は単なる抵抗として作用し、領域Sと重ならない部分に位置する太陽電池素子の発電を阻害し、結果として電流が流れない。よって、端子ボックス17Cから太陽電池パネルの出力を取り出すことができない。
これに対し、図6(A)に示すように、太陽電池セル系列が屋根基板16の幅方向xに配置されていると、領域Sと重なる部分の太陽電池素子(図6(A)では太陽電池セル系列6〜8)では発電が行われないものの、残りの太陽電池セル系列1〜5では正常な発電が行われる。よって、図6(B)の比較例に比べて適正に太陽電池パネル17の出力を端子ボックス17Cから取り出すことができる。
よって、屋根基板16の幅方向xに複数の太陽電池セル系列が並列配置されることで、適正に太陽電池の出力を得ることができる。
また、太陽電池セル系列を屋根基板16の長手方向yに配置する場合には、図6(B)とは異なるが、太陽電池セル系列の数が少なくなる一方で、1つの太陽電池セル系列のセル段数が増加すると考えられる。この場合、太陽電池パネルの出力電圧は、同一の太陽電池セル数で図6(A)に示すような太陽電池セル配列を構成した場合に比べて大きくなると考えられる。
ここで、太陽電池パネルの出力をDC−DCコンバータを介して直接的に有機EL照明パネルに供給すると仮定した場合、有機EL照明の駆動電圧と太陽電池パネルの出力電圧
との差は、太陽電池セル系列を屋根基板16の長手方向に配置した場合の方が大きくなる。電圧差が小さいほど、DC−DCコンバータの構成を簡易にすることが可能である。この点でも、屋根基板16の幅方向xに太陽電池セル系列を並列配置した方が有利となる。
<<回路構成>>
図7は、有機EL照明パネル18を発光させる駆動回路の構成例を示す。図7において、駆動回路は、有機EL照明パネルの電源として商用電源(100V,50または60Hz)20を利用する第1の電力供給系と、有機EL照明パネル18の電源としてポリマー電池19(以下、バッテリ19と表記)を用いる第二の電力供給系とを備える。
第1の電力供給系は、商用電源20からの交流電圧を直流電圧に変換するインバータ21と、インバータ21から出力される直流電圧を有機EL照明パネル18の駆動電圧(直流)に変換するDC−DCコンバータ(直流変換器)22とを備えており、DC−DCコンバータ22からの直流電圧が給電線23を介して有機EL照明パネル18の端子(電極:陰極及び陽極)に印加されることで、有機EL照明パネル18の電子輸送層からの電子及び正孔輸送層の正孔が発光層で結合し、発光層で生じた光が照明光として照射されるようになっている。有機EL照明パネル18は、面発光による拡散光を照明光として照射することができる。
第2の電力供給系は、太陽電池パネル17で発電された電力を給電線17Dを介して蓄電するバッテリ(ポリマー電池)19と、バッテリ19からの直流出力電圧を有機EL照明パネルの駆動電圧に変換するDC−DCコンバータ24とを備える。DC−DCコンバータ24からの駆動電力は、有機EL照明パネル18に印加され、上述したような発光作用により、照明光を照射する。
商用電源20とバッテリ19との間には、切替スイッチ25及び充電器26が設けられており、切替スイッチ25が商用電源20とバッテリ19とを接続する状態となることで、バッテリ19に対し、商用電源20を用いた充電器26による充電と、太陽電池パネル18による充電とが行われる。一方、有機EL照明パネル18は、バッテリ19からの電力で駆動される。
これに対し、切替スイッチ25により商用電源20と充電器26との間が開放状態となるときには、バッテリ19は太陽電池パネル17からの電力で充電される。一方、有機EL照明パネル18は、商用電源20からの電力で駆動される。
制御装置27は、切替スイッチ25の状態を検知して、商用電源20とインバータ21との接続状態の場合には、バッテリ19とDC−DCコンバータ24との間に設けられたスイッチ28をオフにして、バッテリ19からの放電を抑止する。一方、制御装置27は、商用電源20とバッテリ19との接続状態の場合には、照度センサ29による照度測定を行い、照度が所定の閾値を下回った場合に、スイッチ28をオンにして、有機EL照明パネル18による照明が行われるようにすることができる。
さらに、各DC−DCコンバータ22,24と有機EL照明パネル18との間には、図示しない主電源スイッチ(有機EL照明のオン/オフスイッチ)が設けられており、主電源スイッチがオンの時に、有機EL照明パネル18による照明が行われる。
なお、有機EL照明パネルの電源は、バッテリ19のみとすることができる。この場合には、図7に示す第1の電力供給系に係る構成要素及び充電器26は省略が可能である。このとき、制御装置27による切替スイッチ25の状態検知の構成も不要となる。また、制御装置27,スイッチ28,及び照度センサ29も必須の構成要素ではなく、有機EL
照明の主電源のみで有機EL照明パネル18のオンオフを制御(操作)することができる。
<<変形例>>
図1(A)(B)には、カーポートやサイクルポートに適用される建築物10を例示したが、実施形態に係る屋根部材は、バス停や通路のシェルターとして利用される建築物にも適用が可能である。
図8(A)は、シェルターとしての建築物10Aの平面図を模式的に示し、図8(B)は、建築物10Aの正面図を模式的に示す。図1との相違点は主として以下の通りである。すなわち、屋根12は、その長手方向Yの両側において複数の支柱11により支持されている。また、屋根12の断面形状(端面形状)は、中心部分が最も高く、幅方向端部に向かって徐々に低くなる曲面(アーチ型)で形成されている。これに伴い、各屋根基板16は、曲面を有する板状に形成されている。他の構成は、図1〜図7に示したものを適宜適用することができる。太陽電池パネル17は、可能な限り高い位置に配置されるように、例えば屋根基板16の中央部にとりつけられる(図8(B)参照)。もっとも、屋根部材の最も高い位置、例えば、図8(A)に示す屋根であれば、長手方向の中心線を基準として、太陽電池パネル17が中心線の両側に配置されるようにしても良い。
以上説明した実施形態によれば、カーポート,サイクルポート,シェルターとして用いられる簡易構造の建築物10,10Aに対し、太陽電池を電源とする有機EL照明を設けることで、建築物の利便性を高めることができる。このとき、有機EL照明は、面発光が可能であり、拡散光を照射することができ、電力発光効率が高く、曲面に追随可能で曲げても割れないことから軽量化が可能であり、これらの建築物の利用目的に応じ最適な照明を提供することができる。また、有機EL照明は、LEDのような指向性光源ではないため、導光板が不要であり、フィルム基板等を用いた柔軟性を持つパネル構造を採用することで、屋根基板16と一体に形成でき、屋根基板16が平面であっても曲面であっても適正に取り付けることができる。
また、太陽電池パネル17は、各太陽電池セル系列が屋根基板16の幅方向(屋根12の長手方向)に並列配置されるので、雪や枯れ葉などの落下物が太陽電池パネル17の一部を覆ったとしても、発電が大幅に阻害されることを防止できる。
10,10A・・・建築物
11・・・支柱
12・・・屋根
13A,13B・・・長手方向フレーム
14A,14B・・・短手方向フレーム
15・・・中間フレーム
16・・・屋根基板
17・・・太陽電池パネル
17A・・・第1太陽電池モジュール
17B・・・第2太陽電池モジュール
17C・・・端子ボックス
17D・・・給電線
18・・・有機EL照明パネル
19・・・ポリマー電池
20・・・商用電源
21・・・インバータ
22,24・・・DC−DCコンバータ
23・・・給電線
25・・・切替スイッチ
26・・・充電器
27・・・制御装置
28・・・スイッチ
29・・・照度センサ
41・・・太陽電池素子
41a,41b,41c・・・電極
42,43・・・封止材層
44,45・・・保護層

Claims (4)

  1. 1以上の支柱と、
    前記支柱によって支持される屋根であって、幅方向及び長手方向を有し、夫々が幅方向を前記屋根の長手方向に一致させて直列配置される複数の屋根基板を含み、さらに、前記各屋根基板の長手方向の少なくとも一方の端部が前記屋根基板の中央部より低い位置に設置される屋根と、
    前記複数の屋根基板の少なくとも一つの上面側に取り付けられる太陽電池パネルと、
    前記複数の屋根基板の少なくとも一つの下面側に取り付けられる有機EL照明パネルとを備え、
    前記太陽電池パネルは、直列接続された複数の太陽電池セルで夫々形成された複数の太陽電池セル系列が並列接続されてなり、前記複数の太陽電池セル系列の夫々が前記屋根基板の短手方向に配置されている
    ことを特徴とする屋根を有する建築物。
  2. 前記屋根基板と前記有機EL照明パネルとの間に介装される、前記太陽電池パネルの発電電力で充電され、前記有機EL照明パネルに駆動用電力を供給するポリマー電池をさらに含む
    請求項1に記載の建築物。
  3. 幅方向及び長手方向を有し、幅方向を屋根の長手方向に一致させて複数個直列配置される屋根部材であって、
    前記幅方向及び前記長手方向を有する屋根基板と、
    前記屋根基板の上面側に取り付けられた太陽電池パネルと、
    前記屋根基板の下面側に取り付けられた有機EL照明パネルとを含み、
    前記太陽電池パネルは、直列接続された複数の有機太陽電池セルで夫々形成された複数の有機太陽電池系列が並列接続されてなり、前記複数の有機太陽電池セル系列の夫々が前記屋根基板の短手方向に配置されている
    ことを特徴とする屋根部材。
  4. 前記屋根基板と前記有機EL照明パネルとの間に介装される、前記太陽電池パネルの発電電力で充電され、前記有機EL照明パネルに駆動用電力を供給するポリマー電池をさらに含む
    請求項3に記載の屋根部材。
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