JP2012061541A - 電動手工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全な作業を保証することのできる電動手工具の提供を目的とする。
【解決手段】使用時状態と不使用時状態との間を手動で移行操作可能な予め管理対象として指定された状態可変部分1を備え、ハウジング2内に収容される電気的駆動装置3を使用して加工先端部4を動作させる電動手工具であって、
駆動要求に対する電気的駆動装置3の駆動の可否を決定する動作可否設定部5と、
前記状態可変部分1の使用時状態を検出する可変部検出手段6と、
前記可変部検出手段6における使用時状態の検出を条件に動作が開始され、入力された認証IDに対する認証成立を条件に前記動作可否設定部5を動作可能状態をセットする認証部7とを有して構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電動手工具に関するものである。
使用に当たって所定の認証動作を要求することにより盗難等を防止することのできる電動手工具としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来例において、電動手工具にはドリル等の加工先端部の動作開始スイッチとなるトリガと、工具利用者が所持する認証用機器を認証するための認証回路部が設けられており、認証回路部における認証成立を条件にトリガによる工具の作動が可能とされる。
特開2006-218575号公報
しかし、上述した従来例において、認証が成立した後、トリガを操作すると、工具先端部が動作するために、例えば、工具先端部の取り付け、あるいはハンドル部のセッティングが不完全である等、安全な作業のために必要な準備が完了していなくても作業が開始されるために、安全性の確保という点においては、不十分であるという問題がある。
本発明は、以上の問題を解消すべくなされたものであって、安全な作業を保証することのできる電動手工具の提供を目的とする。
また、本発明の他の目的は、上記問題を解決できる電動手工具の動作制御方法の提供を目的とする。
本発明によれば上記目的は、
使用時状態と不使用時状態との間を手動で移行操作可能な予め管理対象として指定された状態可変部分1を備え、ハウジング2内に収容される電気的駆動装置3を使用して加工先端部4を動作させる電動手工具であって、
駆動要求に対する電気的駆動装置3の駆動の可否を決定する動作可否設定部5と、
前記状態可変部分1の使用時状態を検出する可変部検出手段6と、
前記可変部検出手段6における使用時状態の検出を条件に動作が開始され、入力された認証IDに対する認証成立を条件に前記動作可否設定部5を動作可能状態をセットする認証部7と、
を有する電動手工具を提供することにより達成される。
電動手工具は、ハウジング2内に収容されるモータ等の電気的駆動装置3を使用して加工先端部4を動作させるハンドリング可能な工具であり、ドリル装置、ハンマードリル装置、電動式多針タガネ装置、丸鋸装置等を含む。加工先端部4とは、例えば、ドリル装置におけるドリルビット、ハンマードリル装置におけるドリルビット、あるいはチゼルを指し、ハウジング2に着脱可能か否かを問わない。
手工具は、例えば、ハンマードリル装置における着脱、あるいは可動式の補助ハンドル8、深さゲージ9等、使用時状態と不使用時状態との間を手動で移行操作する部分を有しており、これらの内、安全上等の配慮から状態管理が必要な部分が状態可変部分1として選択される。すなわち、上記ハンマードリル装置においては、補助ハンドル8等、緩んでいたり、正規の位置にセットされていない状態で作業を行った場合、安全性に問題の発生すると思われる部分が状態可変部分1として選択され、可変部検出手段6により使用時状態にあるか否かが判定される。
可変部検出手段6における使用時状態は、安全運転に必要な固定状態等の達成に対応しているために、認証部7の動作を上記可変部検出手段6における使用時状態の検出を条件にすることにより、状態可変部分1が不完全な状態では、認証部7による認証動作、すなわち、工具の運転を開始することができない。この結果、不完全段取り状態での運転を確実に防止できるために、工具の安全性が向上する。
また、本発明において、可変部検出手段6における使用時状態の検出は、認証部7における認証動作の開始条件であり、動作可否設定部5の動作可能状態へのセット条件とされていないために、例えば、認証成立後に状態可変部分1のセットを行うことによっては動作可否設定部5を動作可能状態にセットすることはできない。この結果、認証成立後に、不用意にトリガレバ10等が操作された状態で状態可変部分1のセットを完了させた場合、状態可変部分1のセットと同時に加工先端部4が動作するようなことが完全に防止され、安全性がより向上する。
さらに、可変部検出手段6における使用時状態の検出は、認証部7の作動条件としての機能に加え、運用中における状態可変部分1の監視手段として利用することができる。この場合、動作可否設定部5は、予め指定された状態可変部分1の可変部検出手段6における使用時状態が解消された際に動作可能状態を解消するように構成され、この構成により、作業途中での状態可変部分1の固定状態の緩み等による安全性の低下を早期に発見することが可能になる。
この場合、動作可否設定部5を、可変部検出手段6の使用時状態への復帰とともに動作可能状態に復帰するように構成すると、再度の認証操作が不要となるために、操作性が良好になり、かつ、作業者は、現在行っている操作が状態可変部分1の調整であることを意識しているために、不用意にトリガ等を操作して加工先端部4を作動させる虞が少ないために、安全性を低下させることもない。
認証部7には、例えば、暗証符号照合装置、指紋認証等の生体認証装置等種々のものが使用できるが、RFID認証装置を認証部7に使用すると、工具の小型化を図ることができる上に、使い勝手も向上する。
本発明によれば、必要な準備が完了するまで加工先端部が動作しないために、安全な作業を保証することができる。
本発明を示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)の要部断面図、(c)は補助ハンドルを示す正面図である。 ドリルビット検出部の動作を示す説明図で、(a)はドリルビット装着前を示す図、(b)はスライダを操作した状態を示す図、(c)はドリルビット装着状態を示す図である。 補助ハンドル検出部を示す説明図である。 電動手工具の機能ブロック図である。 電動手工具の動作を示すフローチャートである。 図5の変形例を示すフローチャートである。
図1にハンマードリルとして構成された本発明の実施の形態を示す。ハンマードリルは、ハウジング2内にモータ(電気的駆動装置3)を収容してハンドリング可能に形成される。ハウジング2の前端部にはチャック部11が配置され、適宜のギア列12を介してモータ3の動力が伝達される。
また、ハウジング2には、ハンドル部13と補助ハンドル8が設けられ、ハンドル部13の内側壁面にトリガレバー10が枢軸10a周りに回転操作自在に装着される。
かかる電動手工具の使用に際し、チャック部11へのドリルビット(加工先端部4)の装着、補助ハンドル8の使用位置への固定、および必要に応じ、加工深さを測定するための深さゲージ9が装着される。
これら電動手工具の使用に際しての段取り作業時に操作される可動部分、あるいは装着部分のうち、安全確保等の目的で状態監視が必要なものは、状態可変部分1として選択され、可変部検出手段6による状態監視が行われる。
この実施の形態において、ドリルビット4、および補助ハンドル8を状態可変部分1とし、各々に可変部検出手段6が設けられる。
図2にチャック部11の構造を示す。チャック部11は、ドリルビット4の後端部に形成されるストッパ凹部4aに係止可能な係止爪14aを先端部に備えた回転軸14、回転軸14に外嵌される外筒15、および回転軸14に外嵌され、回転軸14と外筒15に対してスライド自在なスライダ16を有して構成される。スライダ16には後端部に向けて開放されるバネ受け凹部16aが設けられるとともに、回転軸14にはフランジ14bが設けられ、スライダ16は、一端がフランジ14bに、他端がバネ受け凹部16aの天井壁に当接する圧縮スプリング17により前方に付勢され、スライダ16の後方ストローク終端にマイクロスイッチ18が配置される。
ドリルビット4のチャック部11への装着は、図2(a)の状態からスライダ16を後方にスライドさせることにより始められ、図2(b)に示すように、スライダ16を後方にスライドさせると、スライダにより外方への拡開が規制されていた係止爪14aに外方への拡開スペースが与えられる。この状態でドリルビット4を押し込むと、係止爪14aはドリルビット4に押されて一旦外方に弾性変形してドリルビット4の通過を許容し、ストッパ凹部4aに正対した位置で再び弾性的に原位置に復帰してストッパ凹部4aに係止する。この状態で、ドリルビット4は空転不能、かつ、抜去不能にチャック部11に連結され、次いで、スライダ16への操作力を解除すると、図2(c)に示すように、スライダ16は圧縮スプリング17の復元力により原位置に復帰し、ドリルビット4の装着作業が終了する。
図4に示すように、ドリルビット4の装着を検出するための可変部検出手段6(ドリルビット検出部6a)は制御手段19に組み込まれて上記マイクロスイッチ18の出力をカウントし、常時OFF状態のマイクロスイッチ18の1回目のON状態への遷移によりドリルビット4の装着完了を示す段取完了信号を出力し、2回目のON状態への遷移により段取り完了信号のリセット信号を出力する。
図3に補助ハンドル8の詳細を示す。補助ハンドル8は、ハンドル部13と協働して作業者にハンドリング手段を提供するために設けられ、作業姿勢により、図1(c)における実線位置と、鎖線位置との間で位置変更することができる。作業中の補助ハンドル8の不用意な移動は作業の安全性を著しく低下させるために固定装置20が装着される。固定装置20は、補助ハンドル8の自由端部に形成されるネジ杆20aと、ネジ杆20aに螺合されるナット部材20bに一端が連結されてハウジング2の外周に巻装される締結バンド20cとを有する。ナット部材20bはカバー21に設けられたストッパ21aにより回転が規制され、また、ネジ杆20aの先端には、支承プレート22が連結される。
補助ハンドル8の固定操作は、補助ハンドル8を所定位置にセットした後、補助ハンドル8を軸長周りに回転させて行われる。補助ハンドル8の回転によりナット部材20bは上方に移動して締結バンド20cのハウジング2への締め付け力を増加させ、該補助ハンドル8のハウジング2に対する空転動作が規制される。
締結バンド20cによる締結力は、ハウジング2に組み込まれた圧力センサ23により検出され、補助ハンドル検出部6bは、圧力センサ23からの検出力が所定の閾値を超えた場合に締結完了を示す段取完了信号を出力する。
さらに、上記ハウジング2には、認証部7、トリガ検出スイッチ24、制御装置25、およびLED26が格納される。
図4に示すように、認証部7にはRFID認証装置が使用される。RFID認証装置は、認証可能IDを格納するID格納部7aと、利用者が所持するRFIDタグ27と近距離交信してRFIDタグ27に固有のIDを取得するRFIDリーダ/ライタ7bとを有して構成され、RFIDリーダ/ライタ7bにより読み取ったIDがID格納部7aのIDと一致している場合には、認証成立信号を後述する制御手段19に出力する。
この実施の形態において、RFIDタグ27には、利用者が好みの物に貼り付けて保持可能なシールタグが使用されており、図1(b)に示すように、RFIDタグ27を作業者が常時身につけている携帯電話29等に貼り付けておくことができ、RFIDタグ27の紛失等を防ぐことができる。
制御装置25には、電源調整部25a、モータ駆動回路25b、および制御手段19が構築されており、商用電源30、あるいはバッテリからの供給電力は電源調整部25aにおいて降圧、あるいは必要時にAC-DC変換されて制御手段19に供給され、さらに、モータ駆動回路25bに給電される。
制御手段19は、制御部19aにより制御される可変部検出手段6、モータ制御部19b、トリガ検出部19c、表示制御部19d、認証確認部19e、および動作可否設定部5を有し、制御部19aは、ドリルビット検出部6a、および補助ハンドル検出部6bの双方が段取完了信号を出力している場合、認証可能信号を上記認証部7に出力する。
認証部7は、制御手段19からの認証可能信号の通知を受けて認証動作モードに遷移し、認証動作モード下でのみRFIDタグ27に対する照合動作を行い、上述したように、認証が成立すると、認証成立信号を制御手段19に出力し、これを受けた制御部19aは、認証確認部19eに認証済みフラグをセットするとともに、動作可否設定部5に動作許可フラグをセットし、さらに表示制御部19dにLED26のドライブ電流を供給してLED26を点灯させ、利用者に利用可能状態であることを知らせる。
トリガ検出部19cは、トリガレバー10への操作により作動するトリガ検出スイッチ24の出力を監視し、制御部19aがこのトリガ検出部19cを介してトリガレバー10への操作を検出すると、動作可否設定部5に動作許可フラグがセットされているかを問い合わせる。動作可否設定部5に動作許可フラグがセットされていると、モータ制御部19bを経由してモータ駆動回路25bに給電してモータ3を回転させ、ドリルビット4を作動させる。
トリガ検出スイッチ24からトリガ検出部19cへの出力には、トリガレバー10のON/OFF情報に加えてトリガレバー10の引き込み深さに関する情報が含まれており、モータ制御部19bは、モータ駆動回路25bに供給される電流値を引き込み深さに応じて調整し、モータ3の回転数を制御する。
図5に制御手段19の動作フローを示す。まず、電源が投入されると(ステップ100)、制御が開始され(ステップ101)、フラグ、変数等のリセット、初期化が実行される(ステップ102)。次いで、表示制御部19dによりLED26を消灯して表示状態の初期化を行い(ステップ103)、補助ハンドル検出部6b、およびドリルビット検出部6aの状態から補助ハンドル8の固定検出(ステップ104)、およびドリルビット4の装着完了状態への移行を待つ(ステップ105、105−1)。
可変部検出手段6に段取完了信号がセットされると、認証確認部19eの認証済みフラグによって認証済みか否かが判定される(ステップ106)。
ステップ106において認証成立済みでない場合、LED26を点滅させて作業者に認証操作を促し(ステップ107)、認証が成立すると(ステップ108)、作業者に使用可能状態であることを知らせるためにLED26を点灯し(ステップ109)、さらに、動作可否設定部5に動作許可フラグをセットする(ステップ110)。
この状態でトリガレバー10への操作がトリガ検出部19cにより検出され(ステップ111)、操作種がON操作の場合、すなわち、トリガレバー10が引かれた場合には(ステップ112)、動作可否設定部5に動作許可フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ113)。ステップ113において動作許可フラグが確認されると、モータ制御部19bはモータ駆動回路25bを作動させてモータ3を回転させ(ステップ114)、トリガレバー10への操作の終了を待つ。また、ステップ112でトリガレバー10への操作がOFF操作である場合、すなわち、トリガレバー10がON状態からOFF状態に遷移した場合には、モータ3を停止して再度のON操作を待つ(ステップ112-1)。
一方、例えば、運転途中で補助ハンドル8が緩んで可変部検出手段6における段取完了信号がリセットされると、認証確認部19eにおける認証済みフラグが確認され(ステップ105-1)、認証済みの場合には、LED26を消灯して作業者に利用可能状態の解除を知らせ(ステップ105-2)、動作許可フラグをリセットした後(ステップ105-3)、モータ3停止の機会を与えて固定装置の締め直しを促す。
この後、固定装置の締め直しにより、可変部検出手段6の段取完了信号がセットされると、認証済みフラグが確認され(ステップ106)、認証済みの場合、再度の認証を求めることなく動作許可フラグをセットし(ステップ110)、トリガレバー10の操作を待つ。
以上、可変部検出手段6の全てに対して電気手工具の運用中の全期間にわたって固定装置の緩み等を検出する場合を示したが、可変部検出手段の一部に対しては、運用開始時のみの確認で済ませるように構成することができる。
図6は、ドリルビット4の装着状態の検出を運用開始時においてのみ実行する場合の変形例を示すもので、ステップ104でのドリルビット4検出ステップは制御開始直前にのみ実行され、運用時においては、ステップ105の補助ハンドル8固定検出のみが実行される。
1 状態可変部分
2 ハウジング
3 電気的駆動装置
4 加工先端部
5 動作可否設定部
6 可変部検出手段
7 認証部

Claims (5)

  1. 使用時状態と不使用時状態との間を手動で移行操作可能な予め管理対象として指定された状態可変部分を備え、ハウジング内に収容される電気的駆動装置を使用して加工先端部を動作させる電動手工具であって、
    駆動要求に対する電気的駆動装置の駆動の可否を決定する動作可否設定部と、
    前記状態可変部分の使用時状態を検出する可変部検出手段と、
    前記可変部検出手段における使用時状態の検出を条件に動作が開始され、入力された認証IDに対する認証成立を条件に前記動作可否設定部を動作可能状態をセットする認証部と、
    を有する電動手工具。
  2. 前記状態可変部分に着脱式加工先端部を含む請求項1記載の電動手工具。
  3. 前記動作可否設定部は、予め指定された状態可変部分の可変部検出手段における使用時状態が解消された際に動作可能状態を解消する請求項1または2記載の電動手工具。
  4. 前記動作可否設定部は、前記可変部検出手段の使用時状態への復帰とともに動作可能状態に復帰する請求項3記載の電気手工具。
  5. 使用時状態と不使用時状態との間を手動で移行操作可能な状態可変部分を備えた電動手工具を、認証部における認証成立を条件として加工先端部の作動を可能にする電動手工具の動作制御方法であって、
    前記状態可変部分の状態を検出する可変部検出手段を備え、
    前記可変部検出手段における使用時状態の検出を認証部の作動条件とする電動手工具の動作制御方法。
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