JP2012061193A - マウスガード用熱可塑性シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
熱成型器を用いてマウスガード作製するためのマウスガード用熱可塑性シートであって、顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と、異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材を含むマウスガード用熱可塑性シートにおいて、主材の片面は主材のみで、主材のもう片面にデザイン材が溶着していることを特徴とするマウスガード用熱可塑性シートを提供する。
【選択図】図2
Description
歯科医より提供された石膏模型を、歯科技工士によって熱成形に適した形にトリミングや形態修整を施された後、成形器の上に配置される。その後、ヒーターなどで加熱軟化させた熱可塑性シートが石膏模型上に吸引又は加圧し成形される。
熱可塑性シートを自然放冷後、トリミングや形態修整を施され歯科用熱成形器材となる。このような方式をシート圧接法という。
歯科技工所は、担当の歯科医によって個々の患者に適した歯科用熱成形器材をオーダーメイドで製作される。そのため、口腔構造を再現する型材には個人の口腔内の形態を正確に再現できる石膏を用いる。
マウスガード用の熱可塑性シートは近年のスポーツ歯学の普及と共にマウスガードの使用者が増加しており、種々の材質のものが用いられている。
特許文献1にはポリメチルメタクリレートの芯部材とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの表面部材との2層構造からなるマウスガードが提案されている。また、特許文献2には対衝撃性に優れる層と膠着性に優れる層を有する2層のシートが提案されている。しかし、異なる材質を用いた熱可塑性シートでは歯科用熱成形器にて軟化させる際に過熱斑が発生し、吸引や加圧時に石膏模型上にシートが正確に成形されない問題が生じていた。現在販売されている市場での主力製品は1層のものである。
しかし、この熱可塑性シートは同質の材料であっても、顔料の充填量や分散状態にて、同質の熱可塑性樹脂であっても材質が異なることから、これらの溶着界面が剥がれ、歯科用熱成形器で成形ができないことや、マウスガードとして利用している間に剥がれるなどの問題があった。
デザイン性に優れた熱可塑性シートであっても、異なる色の材料の溶着部分が剥離しないことが求められていた。
また、デザイン性の点から多層のシートを別々の色調にしても2種類の単色のデザインのマウスガードしか作製できないため、デザインの自由度が低いという問題がある。
顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と、異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材を含むマウスガード用熱可塑性シートにおいて、
主材の片面は主材のみで、もう片面の一部にデザイン材が溶着していることを特徴とするマウスガード用熱可塑性シートである。
顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と、異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材を含むマウスガード用熱可塑性シートにおいて、
主材の端面若しくは貫通孔にデザイン材を溶着させ、主材とデザイン材とが溶着界面の最も短い界面幅が5〜50mm有していることを特徴とするマウスガード用熱可塑性シートである。
デザイン性に優れた熱可塑性シートであって、異なる色の材料の溶着部分が剥離しない熱可塑性シートを提供する。
熱可塑性樹脂は、熱軟化性を示す樹脂であれば問題ないが、軟化点が50〜1500℃であることが好ましい。更に好ましくは60〜120℃である。
熱可塑性樹脂の具体的な例として、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロプレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリオレフィン樹脂、スチレン系エラストマーが挙げられる。
好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、
ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
本発明は顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と前記とは異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材とからなる。
顔料として不透明化剤を用いることが好ましい。代表的な不透明化剤は酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄であり、好ましくは酸化チタンである。
好ましい顔料の配合は熱可塑性樹脂に対して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.3〜5重量部である。
顔料の割合は、顔料全体に対して不透明化剤を5〜80重量部含むことが好ましい。不透明化剤が100重量部の時は白色となる。
顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材とは、前記顔料を異なる配合で用いることを意味する。
マウスガード用熱可塑性シートの面方向から見て、溶着長さが5〜50mm有することが好ましく、さらに10〜20mm有することが好ましい。溶着長さは溶着部分の最も短い部分を意味し、主材とデザイン材とが重なって有する部分の特定の位置の長さを意味する。
本発明のマウスガード用熱可塑性シートの厚みは0.5〜5mmであり、好ましくは1〜4mmである。反対の面からデザイン材が現れていない場合のデザイン材の厚みは、厚み方向に占める割合は10〜80%であり、好ましくは、30〜60%である。
図1は、本発明のマウスガード用熱可塑性シートを用いた歯科用熱成形器材A、B及びCを示す。歯科用熱成形器材A、B及びCは、装着したときに患者の歯牙に装着する面、即ち内面と外面を有する。
主材およびデザイン材を図2、図5の様に所定の形状に成形し、張り合わせた後、金型の中に入れ、150度のオーブンで10分間加熱して作製した。
図5に示される溶着長さを3mm、6mm、8mm、13mmとした。比較例として、溶着長さ0mmとデザイン材が含まれない主材のみのものを用いた。
2 52・・デザイン材
Claims (3)
- 熱成型器を用いてマウスガード作製するためのマウスガード用熱可塑性シートであって、
顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と、異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材を含むマウスガード用熱可塑性シートにおいて、
主材の片面は主材のみで、主材のもう片面にデザイン材が溶着していることを特徴とするマウスガード用熱可塑性シート。 - 熱成型器を用いてマウスガードを作製するためのマウスガード用熱可塑性シートであって、
顔料を含む熱可塑性樹脂から構成される主材と、異なる顔料を含む熱可塑性樹脂から構成されるデザイン材を含むマウスガード用熱可塑性シートにおいて、
主材の端面若しくは貫通孔にデザイン材を溶着させ、主材とデザイン材との溶着界面の最も短い界面幅が5〜50mm有していることを特徴とするマウスガード用熱可塑性シート。 - 請求項1記載のマウスガード用熱可塑性シートであって、マウスガード用熱可塑性シートの厚みが0.5〜5mmであり、デザイン材の厚み方向に占める割合は10〜80%であることを特徴とするマウスガード用熱可塑性シート。
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JP2010208865A JP2012061193A (ja) | 2010-09-17 | 2010-09-17 | マウスガード用熱可塑性シート |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016523612A (ja) * | 2013-06-04 | 2016-08-12 | フランツ, ドナルドFRANTZ, Donald | 歯科用器具システムおよび製造方法 |
WO2021157723A1 (ja) * | 2020-02-07 | 2021-08-12 | Eco-A株式会社 | マウスピースジスク製造方法およびマウスピースジスク |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPH06246824A (ja) * | 1993-02-24 | 1994-09-06 | Sakushin Kogyo Kk | 模様入りプラスチックシートの製造方法 |
JPH0742647U (ja) * | 1993-12-29 | 1995-08-11 | 竹内 正敏 | マウスガード |
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2010
- 2010-09-17 JP JP2010208865A patent/JP2012061193A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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WO2021157723A1 (ja) * | 2020-02-07 | 2021-08-12 | Eco-A株式会社 | マウスピースジスク製造方法およびマウスピースジスク |
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