JP2012060144A - 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気記憶装置、および磁気メモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気記憶装置、および磁気メモリ Download PDF

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Abstract

【課題】スピントランスファートルクに起因するノイズの低減を図った磁気抵抗効果素子
、磁気抵抗効果ヘッド、磁気記憶装置、および磁気メモリを提供する。
【解決手段】磁化固着層、非磁性層、磁化自由層を有する磁気抵抗効果素子の磁化固着層
、または磁化自由層内にZr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,La,Hf,Ta
,W,Re,Os,Ir,Pt,Auのいずれかを含む層を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果膜の膜面の垂直方向にセンス電流を流して磁気を検知する磁気
抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気記憶装置、および磁気メモリに関する。
巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto-Resistive Effect:GMR)の発見により、磁気デ
バイス、特に磁気ヘッドの性能が飛躍的に向上している。特に、スピンバルブ膜(Spin-V
alve:SV膜)の磁気ヘッドやMRAM(Magnetic Random Access Memory)などへの適
用は、磁気デバイス分野に大きな技術的進歩をもたらした。
「スピンバルブ膜」とは、二つの強磁性層の間に非磁性のスペーサ層を挟んだ構造を有
し、一方の強磁性層(「ピン層」や「磁化固着層」などと称される)の磁化を反強磁性層
などで固着し、もう一方の強磁性層(「フリー層」や「磁化自由層」などと称される)の
磁化を外部磁界に応じて回転するようにした積層膜をいう。スピンバルブ膜では、ピン層
とフリー層の磁化方向の相対角度が変化することによって、巨大な磁気抵抗変化が得られ
る。
従来のスピンバルブ膜は、膜面に平行にセンス電流を通電するCIP(Current In Pla
ne)−GMR素子であった。近年、膜面に対してほぼ垂直方向にセンス電流を通電するC
PP(Current Perpendicular to Plane)−GMR素子(以下、「CPP素子」という)
が、CIP−GMR素子よりも大きなGMR効果を発現することから、注目されている。
これらの磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドに応用することを考慮した場合、素子抵抗が高
くなるとショットノイズおよび高周波応答の点で問題が生じる。素子抵抗に関しては、R
A(抵抗×通電面積)で評価するのが妥当である。具体的には、RAは、200Gbps
i(Gigabit per square inch)の記録密度で数百mΩμm〜1Ωμm、500Gbp
siの記録密度で500mΩμm以下であることが必要とされている。
このような要求に対して、CPP素子は、磁気デバイスがますます微細化される傾向下
において、抵抗が低くても大きなMR変化率が得られるポテンシャルを有している。この
ような背景から、CPP素子およびそれを用いた磁気ヘッドは、200Gbpsi〜1T
bpsi(Terabit per square inch)の記録密度を実現するための有力候補と考えられる
しかし、ピン層/スペーサ層/フリー層(これら三層構造をスピン依存散乱ユニット、
またはスピンバルブ膜と呼ぶ)が金属層で形成されているメタルCPP素子では、磁化に
よる抵抗変化量が小さく、高密度化に伴う微弱磁界を検知するのは困難である。
この問題を解決するために、非磁性スペーサ層として、厚み方向への電流パスを含む酸
化物層[NOL(nano-oxide layer)]を用いたCPP素子が提案されている(例えば特
許文献1参照)。このようなCPP素子では、電流狭窄[CCP(Current-confined-pat
h)]効果により素子抵抗およびMR変化率ともに増大させることができる。以下、この
ような素子をCCP−CPP素子という。
ここで、素子(磁気デバイス)の微細化傾向に伴い、CPPスピンバルブ膜の平面方向
のサイズを100nm×100nmより小さくすることが要求される。例えば、磁気ディ
スクの高密度化により、0.1μm以下のトラック幅が必要となる。
このように面積の小さなCPPスピンバルブ膜の膜面垂直方向にセンス電流を流す場合
、スピントランスファートルクに起因するノイズが生じることが報告されている(STI(S
pin-Transfer Induced)ノイズの発生、非特許文献1、2参照)。
スピントランスファー効果は、ある臨界値以上の電流をCPPスピンバルブ膜に通電し
たときに、外部磁界を全く印加しない状態でも、フリー層の磁化方向が変化する現象であ
る。このとき、通電方向が変化すると、フリー層の磁化方向が反転する可能性がある。言
い換えれば、通電方向が一方向に固定されれば、フリー層の磁化安定方向も一方向に固定
されることになる。
なお、このときの磁化安定方向は、次のようになる。電子がピン層からフリー層に流れ
る(電流がフリー層からピン層に流れる)ときには、フリー層の磁化方向がピン層の向き
に揃うようなスピントルクが働く。一方、電子がフリー層からピン層に流れる(電流がピ
ン層からフリー層に流れる)ときには、フリー層の磁化方向がピン層とは反平行の向きに
揃うような方向にスピントルクが働く。
磁気ヘッドでは、媒体磁界の向きによって、フリー層の磁化方向が変化する。このため
、通電方向が一定の場合、フリー層の磁化方向によっては、フリー層が磁化的に不安定と
なり、ノイズが発生する可能性がある。
このように、外部磁界を印加せず、センス電流を流した状態においても、フリー層内の
磁化が不安定となり、素子のノイズが増大する可能性がある。このノイズは、スピントラ
ンスファー効果に誘導されたノイズということで、STI(Spin Transfer Induced)ノ
イズと呼ばれる。
STIノイズが発生すると、信号出力が一定でも、ノイズが増大することから、磁気ヘ
ッドのS/N比が悪くなり、HDDでのBER(Bit Error Rate)が増大してしまう。こ
の結果、高密度記録時の微弱な媒体磁界を素子で検知することが困難となり、磁気ヘッド
等に用いることが実質的に不可能となる危険性がある。
特開2002−208744号公報
M. Covington et al., Phys. Rev. B69, 184406 (2004) M. Covington et al., J. Magn. Magn. Mater. 287, 325 (2005) H. Yuasa et al., J. Appl. Phys. 92 (5), 2646 (2002) H. Fukuzawa et al., Appl. Phys. Lett. 87, 082507 (2005)
非特許文献1、2には、メタルCu層をスペーサ層として用いた、メタルCPPスピン
バルブ膜でのSTIノイズが示されている。CCPを有するNOLスペーサ層を用いた、
CCP−CPPスピンバルブ膜においては、メタルCPPスピンバルブ膜と比べて、ST
Iノイズを巡る状況がより複雑となる可能性がある。
CCP−CPPスピンバルブ膜では、CCPの電流狭窄されたスペーサ層を介して、電
流が局所的に集中した状態で、フリー層からピン層、もしくはピン層からフリー層へと、
電子が注入される。局所的な電流密度は通常のメタルCPPスピンバルブ膜よりもはるか
に大きな値となる。STIノイズが電流密度に敏感な点を考慮すると、CCP−CPPス
ピンバルブ膜でのSTIノイズは、メタルCPPスピンバルブ膜でのSTIノイズよりも
大きくなる可能性がある。このように、CCP−CPPスピンバルブ膜において、STI
ノイズの抑制は重要な課題である。
上記に鑑み、本発明は、ノイズの低減を図った磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド
、磁気記憶装置、および磁気メモリを提供することを目的とする。
本発明に係る磁気抵抗効果素子は、磁化方向が実質的に一方向に固着される磁化固着層
と、前記磁化固着層上に配置され、絶縁層と、この絶縁層の層方向に電流を通過させる導
電体と、を有する非磁性層と、前記非磁性層上に配置され、かつ磁化方向が外部磁界によ
って変化する磁化自由層と、前記磁化固着層、または前記磁化自由層の少なくとも一方に
配置され、Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,La,Hf,Ta,W,Re,
Os,Ir,Pt,Auのいずれかを含み、かつ厚さが0.1nm以上、1nm以下の所
定の層と、を具備することを特徴とする。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を表す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の製造工程を表すフロー図である。 磁気抵抗効果素子の製造に用いられる成膜装置の概略図を示す模式図である。 酸化チャンバーの構成を表す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を表す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の製造工程を表すフロー図である。 本発明の実施形態に係る磁気ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態に係る磁気ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリの斜視図である。 本発明の実施形態に係る磁気メモリのマトリクス構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気メモリのマトリクス構成の他の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気メモリの要部を示す断面図である。 図13のA−A’線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態に
おいては、合金の組成は原子%(atomic%)で表される。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子(CCP−CPP素子)を
表す斜視図である。なお、図1および以降の図は全て模式図であり、図上での膜厚同士の
比率と、実際の膜厚同士の比率は必ずしも一致しない。
図1に示すように本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜10、およ
びこれを上下から夾む下電極11および上電極20を有し、図示しない基板上に構成され
る。
磁気抵抗効果膜10は、下地層12、ピニング層13、ピン層14、下部金属層15、
スペーサ層(CCP−NOL)16、上部金属層17、フリー層18、キャップ層19が
順に積層されて構成される。この内、ピン層14、スペーサ層16、およびフリー層18
が、全体として、二つの強磁性層の間に非磁性のスペーサ層を挟んでなるスピンバルブ膜
に対応する。なお、見やすさのために、スペーサ層16はその上下層(下部金属層15お
よび上部金属層17)から切り離した状態で表している。
本実施形態では、ピン層14、およびフリー層18の少なくとも一方にダンピングファ
クタ(DF)調整層21を挿入することで、STIノイズの低減を図っている。
なお、図1のCCP−CPP素子はピン層14を下部に配置したボトム型であるが、ピ
ン層14を上部に配置したトップ型でも差し支えない。即ち、下電極11、下地層12〜
キャップ層19、および上電極20の積層構造の上下を逆転することが可能である。
以下、磁気抵抗効果素子の構成要素を説明する。
下電極11は、スピンバルブ膜の垂直方向に通電するための電極である。下電極11と
上電極20との間に電圧が印加されることで、スピンバルブ膜内部をその膜垂直方向に沿
って電流が流れる。この電流によって、磁気抵抗効果に起因する抵抗の変化を検出するこ
とで、磁気の検知が可能となる。具体的な材料としては、下シールドと兼用したNiFe
や、非磁性のCu,Ta,Ru、Crなどの金属層が用いられる。
下地層12は、例えば、バッファ層12a、シード層12bに区分することができる。
バッファ層12aは下電極11表面の荒れを緩和したりするための層である。シード層1
2bは、その上に成膜されるスピンバルブ膜の結晶配向および結晶粒径を制御するための
層である。
バッファ層12aとしては、Ta、Ti、W、Zr、Hf、Crまたはこれらの合金を
用いることができる。バッファ層12aの膜厚は2〜10nm程度が好ましく、3〜5n
m程度がより好ましい。バッファ層12aの厚さが薄すぎるとバッファ効果が失われる。
一方、バッファ層12aの厚さが厚すぎるとMR変化率に寄与しない直列抵抗を増大させ
ることになるので好ましくない。なお、バッファ層12a上に成膜されるシード層12b
がバッファ効果も有する場合には、バッファ層12aを必ずしも設ける必要はない。
シード層12bは、その上に成膜される層の結晶配向を制御できる材料であればよいが
、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密構造)またはfcc構造(
face-centered cubic structure:面心立方構造)を有する金属層などが好ましい。シー
ド層12bとして、Ruを用いることにより、その上のスピンバルブ膜の結晶配向をfc
c(111)配向にすることができる。また、ピニング層13(例えば、PtMn)の結
晶配向を規則化したfct構造(face-centered tetragonal structure:面心正方構造)
、あるいはbcc(body-centered cubic structure:体心立方構造)(110)配向と
することができる。
スピンバルブ膜やピニング層13の結晶配向性は、X線回折により測定できる。スピン
バルブ膜のfcc(111)ピーク、ピニング層13(PtMn)のfct(111)ピ
ークまたはbcc(110)ピークでのロッキングカーブの半値幅を3.5〜6度として
、良好な配向性を得ることができる。なお、この配向の分散角は断面TEMを用いた回折
スポットからも判別することができる。
また、シード層12bを設けることにより、スピンバルブ膜の結晶粒径を10〜40n
mに制御することができ、CCP−CPP素子のサイズが小さくなっても特性のばらつき
を招くことなく高MR変化率を実現できる。
シード層12bとして、Ruの代わりに、例えばNiFe100−x(x=90〜5
0%、好ましくは75〜85%)や、NiFeに第3元素Xを添加して非磁性にした(N
Fe100−x100−y(X=Cr、V、Nb、Hf、Zr、Mo)などの
NiFeベースの合金を用いることもできる。Ruよりも、NiFeベースのほうが、シ
ード層12bとして良好な結晶配向性を得るのがより容易であり、上記と同様に測定した
ロッキングカーブの半値幅を3〜5度とすることができる。
上述した10〜40nmという適正な結晶粒径を得るためには、第3元素Xの組成yを
0〜30%程度とすることが好ましい(yが0%の場合も含む)。結晶粒径を40nmよ
りも粗大化させるためには、さらに多量の添加元素を用いることが好ましい。例えば、N
iFeCrの場合にはCr量を35〜45%程度とし、fccとbccの境界相を示す組
成を用いることが好ましい。
ただし、高密度記録に対応した再生ヘッドとして用いる場合には、素子サイズが100
nm以下になるので、結晶粒径が大きすぎると特性のばらつきを招くことがあり、大きな
結晶粒を用いることはあまり好ましくない。一方、例えばMRAMとして用いる場合には
、素子サイズが100nm以上の場合があるので、結晶粒径を粗大化させるシード層12
bを用いてもよい。
シード層12bの膜厚は1.5nm〜6nm程度が好ましく、2〜4nmがより好まし
い。シード層12bの厚さが薄すぎると結晶配向制御などの効果が失われる。一方、シー
ド層12bの厚さが厚すぎると直列抵抗の増大を招くうえに、スピンバルブ膜の界面凹凸
の原因となることがある。
ピニング層13は、その上に成膜されるピン層14となる強磁性層に一方向異方性を付
与して磁化を固着する機能を有する。ピニング層13の材料としては、PtMn、PdP
tMn、IrMn、RuRhMnなどの反強磁性材料を用いることができる。
十分な強さの一方向異方性を付与するために、ピニング層13の膜厚を適切に設定する
。ピニング層13がPtMnやPdPtMnの場合には、膜厚は8〜20nm程度が好ま
しく、10〜15nmがより好ましい。ピニング層13がIrMnやRuRhMnの場合
には、PtMnなどより薄い膜厚でも一方向異方性を付与することができるので、5〜1
8nmが好ましく、7〜15nmがより好ましい。
PtMn等の反強磁性層の比抵抗は概ね100μΩcm以上と大きいため、ピニング層
13がMR変化率に直接寄与しない直列抵抗を増大させ、RAの値を大きくする要因にな
る可能性がある。直列抵抗の増加を防止するために、ピニング層13として、反強磁性層
の代わりに、ハード磁性層を用いることができる。ハード磁性層としては、例えばCoP
t(Co=50〜85%)、(CoPt100−x100−yCr(x=50〜8
5%、y=0〜40%)、FePt(Pt40〜60%)などを用いることができる。ハ
ード磁性層(特にCoPt)は比抵抗が比較的小さいため、直列抵抗およびRAの増大を
抑制できる。
ピン層14は、下部ピン層141(例えば、Co90Fe10)、磁気結合層142(
例えば、Ru)、および上部ピン層143(例えば、Co90Fe10[4nm])から
なる3層構造のシンセティックピン層とすることができる。ピニング層13(例えば、P
tMn)とその直上の下部ピン層141は一方向異方性をもつように交換磁気結合してい
る。磁気結合層142の上下の下部ピン層141および上部ピン層143は、磁化の向き
が互いに反平行になるように強く磁気結合している。
下部ピン層141には、例えばCoFe100−x合金(x=0〜100%)、Ni
Fe100−x合金(x=0〜100%)、またはこれらに非磁性元素を添加したもの
を用いることができる。
下部ピン層141は、磁気膜厚すなわち飽和磁化Bs×膜厚t(Bs・t積)が、上部
ピン層143とほぼ等しくなるように設計することが好ましい。一例として、上部ピン層
143が(Fe50Co50[1nm]/Cu[0.25nm])×2/Fe50Co
[1nm]の場合には、FeCoの飽和磁化が約2.2Tであるため、磁気膜厚は2.
2T×3nm=6.6Tnmとなる。下部ピン層141についてはCo90Fe10の飽
和磁化が約1.8Tなので、上記と等しい磁気膜厚を与える下部ピン層141の膜厚tは
6.6Tnm/1.8T=3.66nmとなる。したがって、膜厚が約3.6nmのCo
90Fe10を用いることが望ましい。
下部ピン層141に用いられる磁性層の膜厚は2〜5nm程度が好ましい。ピニング層
13(例えば、PtMn)による一方向異方性磁界強度およびRuを介した下部ピン層1
41と上部ピン層143との反強磁性結合磁界強度という観点に基づく。下部ピン層14
1が薄すぎるとMR変化率が小さくなる。一方、下部ピン層141が厚すぎるとデバイス
動作に必要な十分な一方向性異方性磁界を得ることが困難になる。
磁気結合層142(例えば、Ru)は上下の磁性層に反強磁性結合を生じさせてシンセ
ティックピン構造を形成する機能を有する。磁気結合層142としてのRu層の膜厚は0
.8〜1nmであることが好ましい。なお、上下の磁性層(下部ピン層141および上部
ピン層143)に十分な反強磁性結合を生じさせる材料であれば、Ru以外の材料を用い
てもよい。
上部ピン層143(Co90Fe10[4nm])は、スピン依存散乱ユニットの一部
をなす。上部ピン層143として、fcc構造をもつCo90Fe10の換わりに、bc
c構造をもつFeCoなどを用いた場合、スピン依存界面散乱効果が大きいため、大きな
MR変化率を実現することができる。bcc構造をもつFeCo系合金としては、Fe
Co100−x(x=30〜100%)や、FeCo100−xに添加元素を加えたも
のが挙げられる。スピンバルブ膜に用いられる金属材料は、fcc構造またはfct構造
であることが多いため、上部ピン層143のみがbcc構造を有することがあり得る。
上部ピン層143の膜厚が薄すぎると、bcc構造を安定に保つことが困難になり、高
いMR変化率が得られなくなるので、上部ピン層143の膜厚は2nm以上であることが
好ましい。一方、大きなピン固着磁界を得るために、上部ピン層143の膜厚は5nm以
下であることが好ましい。
上部ピン層143が高MR変化率を実現しやすいbcc構造をもつ磁性層から形成され
ている場合には、bcc構造をより安定に保つために、bcc構造をもつ層の膜厚は2n
m以上であることが好ましい。
大きなピン固着磁界とbcc構造の安定性とを両立させるには、bcc構造をもつ層の
膜厚は2.5nm〜4nm程度が好ましい。FeCo系の磁性膜に関しては、相図上でよ
り安定なbcc構造が得られる組成範囲として、Fe75Co25〜Fe85Co15
挙げられる。
上部ピン層143には、bcc構造をもつ磁性材料の代わりに、fcc構造のCoFe
合金や、hcp構造をもつコバルト合金も用いることができる。Co、Fe、Niなどの
単体金属、またはこれらのいずれか一つの元素を含む合金材料はすべて用いることができ
る。上部ピン層143の磁性材料として、大きなMR変化率を得るのに有利なものから並
べると、bcc構造をもつ合金材料、50%以上のコバルト組成をもつコバルト合金、5
0%以上のNi組成をもつニッケル合金の順になる。
上部ピン層143中にダンピングファクタ(DF)調整層21を挿入して、STIノイ
ズの抑制を図ることができる。この詳細は後述する。
下部金属層15は、電流パス162を形成するときに用いられ、いわば電流パス162
の供給源である。ただし、電流パス162の形成後にも明確な金属層として残存している
必要はない。
スペーサ層(CCP−NOL)16は、絶縁層161、電流パス162を有する。なお
、スペーサ層16、下部金属層15、および上部金属層17を含めて、スペーサ層として
取り扱うことも可能である。
絶縁層161は、酸化物、窒化物、酸窒化物等から構成され、アモルファスから形成さ
れるAl23もあれば、MgOのような結晶構造を有する場合もある。
絶縁層161に用いる典型的な絶縁材料として、Alをベース材料としたものや
、これに添加元素を加えたものがある。添加元素として、Ti、Hf、Mg、Zr,V,
Mo、Si,Cr,Nb,Ta,W、B,Cなどがある。これらの添加元素の割合は0%
〜50%程度の割合で適宜変えて用いることができる。
絶縁層161には、AlのようなAl酸化物の換わりに、Ti酸化物、Hf酸化
物、Mg酸化物、Zr酸化物、Cr酸化物、V酸化物、Ta酸化物、Nb酸化物、Mo酸
化物、Si酸化物なども用いることができる。これらの酸化物の場合でも、添加元素とし
て上述したような材料を用いることができる。また、添加元素の量としても0%〜50%
程度の割合で適宜変えて用いることができる。
これら酸化物の換わりに、上述したようなAl,Si,Hf,Ti,Mg,Zr,V,
Mo,Nb,Ta,W,B,Cをベースとした酸窒化物や、窒化物を用いても良い。
電流パス162は、電流を狭窄するためのものであり、絶縁層161の層方向に電流を
通過させる導電体として機能し、例えば、Cu等の非磁性金属から構成できる。即ち、ス
ペーサ層16は電流狭窄構造(CCP構造)を有する。電流狭窄効果により素子抵抗およ
びMR変化率を増大させることができる。
電流パス162は絶縁層161と比べて著しく酸素、窒素の含有量が少ない領域であり
(少なくとも2倍以上の酸素や窒素の含有量の差がある)、一般的には結晶相である。結
晶相は非結晶相よりも抵抗が小さいため、電流パス162として機能しやすい。
上部金属層17は、その上に成膜されるフリー層18がスペーサ層16の酸化物に接し
て酸化されないように保護するバリア層としての機能を有する。
なお、フリー層18の酸化はアニール条件の最適化などによって回避可能なので、必ず
しも上部金属層17を設けなくてもよい。しかし、製造上のマージンを考慮すると、スペ
ーサ層16上に上部金属層17を形成することが好ましい。
上部金属層17の構成材料として、Cu以外に、Au、Ag、Ruなどを用いることも
できる。上部金属層17の材料は、スペーサ層16の電流パス162の材料と同一である
ことが好ましい。上部金属層17の材料が電流パス162の材料と異なる場合には界面抵
抗の増大を招くが、両者が同一の材料であれば界面抵抗の増大は生じない。
上部金属層17の膜厚は、0〜1nmが好ましく、0.1〜0.5nmがより好ましい
。上部金属層17が厚すぎると、スペーサ層16で狭窄された電流が上部金属層17で広
がって電流狭窄効果が不十分になり、MR変化率の低下を招く。
フリー層18は、磁化方向が外部磁界によって変化する強磁性体を有する層であり、例
えば、界面にCoFeを挿入してNiFeを用いたCo90Fe10[1nm]/Ni83Fe
17[3.5nm]という3層を用いてもよい。高いMR変化率を得るためには、スペーサ
層16の界面に位置するフリー層18の磁性材料の選択が重要である。この場合、スペー
サ層16との界面には、NiFe合金よりもCoFe合金を設けることが好ましい。なお
、NiFe層を用いない場合には、Co90Fe10[4nm]を用いることができる。
CoFe合金のなかでも、軟磁気特性が安定であることから、Co90Fe10が好ましい
。Co90Fe10近傍のCoFe合金を用いる場合には、膜厚を0.5〜4nmとすること
が好ましい。
また、フリー層18として、1〜2nmのCoFe層またはFe層と、0.1〜0.8
nm程度の極薄Cu層とを、複数層交互に積層したものを用いてもよい。
フリー層18の場合においても、ピン層14の場合と同様に、スペーサ層16がCu層
から形成される場合には、bccのFeCo層をスペーサ層16との界面材料として用い
るとMR変化率が大きくなるので、スペーサ層16との界面材料として、fccのCoF
e合金の換わりにbccのFeCo合金を用いることもできる。この場合にはbcc層が
形成されやすい、FeCo100−x(x=30〜100)や、これに添加元素を加え
た材料も用いることができる。
ここで、これらのフリー層18中にダンピングファクタ(DF)調整層21を挿入して
、STIノイズの抑制を図ることができる。この詳細は後述する。
キャップ層19は、スピンバルブ膜を保護する機能を有する。キャップ層19は、例え
ば、複数の金属層、例えば、Cu層とRu層の2層構造とすることができる。このときC
u層の膜厚は0.5〜10nm程度が好ましい。また、Ru層の膜厚を0.5〜10nm
程度とすることができる。
キャップ層19として、Cu層を用いず、0.5〜10nm程度の厚さのRu層をフリ
ー層18上に直接設けてもよい。また、Ru層の代わりに他の金属層を設けてもよい。キ
ャップ層19の構成は特に限定されず、キャップとしてスピンバルブ膜を保護可能なもの
であれば、他の材料を用いてもよい。
上電極20は、スピンバルブ膜の垂直方向に通電するための電極である。下電極11と
上電極20との間に電圧が印加されることで、スピンバルブ膜内部をその膜垂直方向に沿
って電流が流れる。
(ダンピングファクタ(DF)調整層21の詳細)
ダンピングファクタ調整層21はSTIノイズを低減するための層である。前述したよ
うに、磁化方向を動かそうとするトルクによって、STIノイズが発生する。スピントル
クを持った電子(簡易的な言い方をすると、磁性層の磁化情報をもった電子)がピン層1
4からフリー層18もしくはその逆向きに流れることで、磁化情報を互いに平行に揃える
方向、もしくは反平行の向きに揃えるトルクが発生し、このトルクがノイズの原因となる
。このような磁化方向を動かそうとするトルクを抑制すること(電流通電による磁化トル
クを安定させること)がSTIノイズの低減に有効である。このトルクへのダンピングを
表すパラメータがダンピングファクタである。
本実施形態では、ダンピングファクタを増大させて、STIノイズを低減し、しかもM
R変化率を高い値に維持することが可能である。具体的な手法として、CCP−CPPス
ピンバルブ膜の磁性層中に、ダンピングファクタ調整層21として、例えば、0.5nm
程度の極薄のPt層を挿入する。これによりスピントランスファートルク現象、ひいては
STIノイズが抑制される。
ここで、ダンピングファクタ調整層21として、原子番号が大きな材料、または非磁性
3d遷移金属の極薄層を用いることが、ダンピングファクタを上昇させるために有効であ
る。ダンピングファクタ調整層21は、ピン層14、またはフリー層18に挿入される。
しかしながら、通常のメタルCPPスピンバルブ膜の磁性層に大きな原子番号の材料を
混入させることは、弊害をもたらす危険性がある。具体的には、大きな原子番号を有する
材料を磁性層に混入させると、スピン軌道相互作用によってGMR効果が減少する。特に
、メタルCPPスピンバルブ膜においては、GMR効果への影響が顕著である。これは、
CPP−GMRでは、スピン依存界面散乱効果とスピン依存バルク散乱効果の二つがある
が、通常のメタルCPPスピンバルブ膜ではスピン依存バルク散乱効果の方が顕著である
ことに起因する。
スピン依存界面散乱効果は、スペーサ層16と、ピン層14、もしくはフリー層18の
界面におけるGMR効果であり、界面近傍のみで生じる現象である。それに対し、スピン
依存バルク散乱効果は、ピン層14、もしくはフリー層18の磁性層内部で生じるGMR
効果である。スピン依存バルク散乱効果は磁性層内での現象であるため、磁性層の膜厚が
厚いほうが、スピン依存バルク散乱効果が大きくなり、MR変化率が大きくなる。
通常のメタルCPPスピンバルブ膜においては、スピン依存界面散乱効果によるGMR
現象は小さく、GMR現象のほとんどがスピン依存バルク散乱効果に起因する(非特許文
献3:H. Yuasa et al., J. Appl. Phys. 92 (5), 2646 (2002))。この非特許文献3の
Fig5で、磁性層膜厚がゼロの極限でのAdR(面積抵抗変化量)に比べて(この値が
スピン依存界面散乱効果に相当)、磁性層膜厚が厚いところでのAdRのほうがはるかに
大きいこと(磁性層膜厚が厚いところではスピン依存界面散乱効果とスピン依存バルク散
乱効果の和をみていることになる)から、この事実を理解することができる。
つまり、通常のメタルCPPスピンバルブ膜においては、スピンバルク散乱効果の寄与
が非常に大きい。このため、スピン依存バルク散乱効果を低下させる大きな原子番号の材
料を磁性層に挿入することは、MR変化率の低下、ひいてはヘッド出力の低下、という観
点において好ましくない。即ち、低STIノイズと高出力の両立が困難である。このよう
に、通常のメタルスペーサ層16を有するメタルCPPスピンバルブ膜において、大きな
原子番号の元素をピン層14もしくはフリー層18の磁性層に挿入するのは好ましい手法
とは言いにくい。
一方、CCP−CPPスピンバルブ膜においては、スピン依存バルク散乱効果よりも、
スピン依存界面散乱効果の影響のほうがはるかに大きい(非特許文献4:H. Fukuzawa et
al., Appl. Phys. Lett. 87, 082507 (2005))。これは、スピンバルブ膜のトータル抵
抗に占める、CCP部分の寄与が非常に大きいため、CCP近傍での界面効果の影響が大
きいことに起因する。つまり、CCP−CPPスピンバルブ膜においては、多少のスピン
依存バルク散乱効果の低下があったとしても、スピン依存界面散乱効果の低下が起こらな
ければ、MR変化率およびヘッド出力の低下は生じにくい。このため、低STIノイズと
高いMR変化率の両立を図ることが容易となる。
上記の理由によって、CCP−CPP素子において、ダンピングファクタ調整層21に
よって、MRを事実上低下させることなく、STIノイズを抑制することが可能となる。
ダンピングファクタ調整層21としては、Pt以外にもZr,Nb,Mo,Ru,Rh
,Pd,Ag,La,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Auなどの原子番号が
比較的大きな材料や、非磁性のTi、V、Cr、Mnなどの3d遷移金属も用いることが
できる。
非磁性材料を挿入することで、ピン層14、またはフリー層18内(即ち、ダンピング
ファクタ調整層21を介した上下磁性層間)での磁気結合が分断される可能性がある。ダ
ンピングファクタ調整層21を介した磁気結合を十分大きな値として保つためには、ダン
ピングファクタ調整層21の膜厚として、0.1〜1nm、さらに好ましくは0.1nm
〜0.7nmが好ましい。
ダンピングファクタ調整層21はピン層14、フリー層18のいずれか一方のみに挿入
されていても差し支えない。
スペーサ層16の近傍にダンピングファクタ調整層21を挿入すると、MR変化率の減
少を招き好ましくない。スペーサ層16から少なくとも1nm以上離れた位置に、ダンピ
ングファクタ調整層21を挿入することが好ましい。即ち、MR変化率への影響を考慮し
、スペーサ層16からある程度離れた位置にダンピングファクタ調整層21を配置する。
このように、スペーサ層16との界面近傍から1nm程度離れた位置にダンピングファ
クタ調整層21が配置されることによって、スピン依存界面散乱効果には悪影響を与える
ことなく、ダンピングファクタを抑制することができる。つまり、CCP−CPPの場合
にはMR変化率を犠牲にすることなく、効率的にSTIノイズを抑制することが可能とな
る。
材料によっては、スペーサ層16との界面近傍から1nm以下の領域にダンピングファ
クタ調整層21を挿入することも可能である。具体的には、Ti、Zr、PdやNbなど
をダンピングファクタ調整層21として用いたときには、比較的スピン依存界面散乱効果
の影響を乱すことがないので、スペーサ層16との界面から1nm以下の領域にダンピン
グファクタ調整層21を挿入しても構わない。より具体的には、スペーサ層16との界面
(つまり界面から0nmの距離)から1nmまでの距離における挿入位置でも用いること
ができる。当然のことながら、これらの材料は、それよりも離れた距離など、任意の位置
に挿入することが可能ある。
MR変化率への影響が少ない、という観点において、これらTi、Zr、Pd、Nbな
どの材料はダンピングファクタ調整層21として用いやすい材料である。
ダンピングファクタ調整層21はピン層14、もしくはフリー層18といった磁性層に
複数層挿入しても構わない。この場合には、上記Ti、Zr、Nbなどの材料を用いると
きはスペーサ層16からの距離が1nm以下のところに第一層を挿入し、Pt等他の元素
のときにはスペーサ層16からの距離が1nmよりも離れたところに第一層を挿入する。
そして、第2層、第3層といった積層膜を前記第1層よりもスペーサ層16から離れた
位置に挿入することになる。これら第1層と第2層、もしくは第2層と第3層との間の距
離は、1nmから2nm程度が好ましい範囲である。しかし、厚い磁性層を用いる場合に
はこの範囲よりも厚い間隔で用いることも可能である。
フリー層18、もしくはピン層14内でダンピングファクタ調整層21を複数層用いる
ことのメリットとして、ダンピングファクタ調整の効果、ひいてはノイズ低減の効果がよ
り増大する点がある。ダンピングファクタ調整層21を複数層挿入するのは、フリー層1
8だけの場合でもよいし、ピン層14だけの場合でもよく、またピン層14、フリー層1
8両方を積層構成にしても構わない。
複数層のダンピングファクタ調整層21を用いるデメリットとして、MR変化率が低減
したり、ダンピングファクタ調整層21を介した磁性層間の磁気結合が弱まったりするこ
とで、磁気特性が悪くなる可能性がある。磁気特性を防止するため、フリー層18、もし
くはピン層14内でのダンピングファクタ調整層21の膜厚の総量が、一層の場合と同様
の膜厚範囲であることが好ましい。また、一つの磁性層内での複数のダンピングファクタ
調整層21間の距離としては、上述したように、1〜2nmが好ましい範囲となる。
ここで、本実施形態のような、ダンピングファクタ調整層21を用いる代わりに、磁性
層(ピン層14、フリー層18)の構成材料自体に、ST効果が抑制されるような材料(
例えば、合金材料)を選択することが考えられる。
しかし、この場合にはMR変化率が低下してしまう。CCP構造をもつCPPスピンバ
ルブ膜ではスペーサ層16の界面近傍でのMR効果が大きく、この界面近傍にMR変化率
を低下させるような添加元素が存在することは好ましくない。
スペーサ層16との界面近傍では高MR化を損なわない磁性材料を用い、磁性層(ピン
層14、フリー層18)の内部に極薄の層(ダンピングファクタ調整層21)を挿入する
ことでST効果を抑制できる。このようにすることで、ST効果の抑制と、MR変化率の
維持とを両立することが容易となる。
以下、本実施形態を比較例と対比して説明する。
A.Ptを磁性層全体に添加する場合との比較 比較例として、Ptを磁性層全体に添加
元素として用いた場合を考える。フリー層18として用いる、CoFe/NiFeのよう
な積層磁性層に、Ptを全体的に添加すると、CoFePt/NiFePtのフリー層1
8となる。この場合、ダンピングファクタが上昇し、STIノイズを抑制することができ
る。しかし、その一方では、MR変化率が低下するため、ヘッド出力の低下を招くことに
なる。具体的には、Pt添加しないフリー層においては、9%であったMR変化率が、P
tを添加したフリー層においては、4%となり、MR変化率が大幅に低下してしまう。
一方、本実施形態では、Ptの極薄層をCCPの界面から少し遠ざかったところに挿入
することで、大きなスピン依存界面散乱効果を維持したままで、ダンピングファクタ調整
する効果が発揮される。具体的には、0.5nmの極薄Pt層をNiFe層中に挿入する
ことで、MR変化率は8.5%と若干低下するが、さほど大きな低下ではなく、かつST
Iノイズを大幅に抑制することが可能となる。即ち、本実施形態では、MR変化率が微減
して信号出力が微減する影響よりも、ノイズが低減することでS/N比が向上するメリッ
トの方が大きく、結果的にBER(Bit Error Rate)が低下し、良好な特性を得ることが
可能となる。
B.メタルCPPスピンバルブ膜の場合との比較
CCP構造を有しないメタルCPPスピンバルブ膜の場合には、スピン依存界面散乱効
果が主ではなく、スピン依存バルク散乱効果が非常に大きな寄与となっている。このため
、スペーサ層16の界面から遠ざかったところに極薄のPt層を挿入したとしても、MR
変化率は低下してしまい、ダンピングファクタ調整層21としての機能を発揮することが
できない。
具体的な例を挙げると、CCPスペーサ層を有しない、5nmのCuスペーサ層を有す
る通常のメタルCPPスピンバルブ膜で、標準的なCoFe/NiFeフリー層の場合に
は、MR変化率は2%である。このとき、NiFe層中に0.5nmの極薄Pt層等を挿
入すると、MR変化率は1%になってしまう。単純なメタルCPPスピンバルブ膜の場合
には、もともとのMR変化率が1〜3%とただでさえ小さい値で、磁気ヘッドとして十分
な出力を取りにくい。そして、このメタルCPPスピンバルブ膜にダンピングファクタ調
整層21を挿入することによるMR変化率の劣化量は、CCP−CPPの場合よりも大き
い。このため、トータルパフォーマンスとしては、メタルCPPスピンバルブ膜のダンピ
ングファクタ調整層21として、極薄Pt層を用いることは困難である。
このように、CCPスピンバルブ膜とダンピングファクタ調整層21とを組み合わせる
ことで、大きな効果が発揮される。
C.ダンピングファクタ調整層21を変更することによる影響
基本となるCCP−CPPスピンバルブ膜を固定し、ダンピングファクタ調整層21を
変えたときのMR変化率への影響を検討する。
MR変化率に大きな影響を与えるピン層14、スペーサ層16、フリー層18の構成と
しては以下のような構成を用いて検討した。まず、ピン層143として、2〜3nmのF
50Co50に、0.2nmの極薄Cuを1nmのFeCoごとに積層したものを用い
た。スペーサ層16は、CCP構造を有するAlを絶縁層として用い、Cuをメタ
ルパスとして用いた1.5〜2nmのスペーサ層16とした。フリー層18としては、C
oFe 1nm/NiFe 3.5nmを基本膜構成とした。
このようなCCP−CPPスピンバルブ膜において、ダンピングファクタ調整層21を
用いたときの、ダンピングファクタ調整層21の材料、および挿入位置依存性を示したも
のを以下の表1に示す。
Figure 2012060144

この表1は、ダンピングファクタ調整層21をフリー層18のみに挿入した場合の、材
料、および挿入位置(距離:CCP界面からの距離)へのMR変化率の依存性を表す。な
お、比較例0は、ダンピングファクタ調整層21を有しない場合である。
表1から判るように、Ptのような標準的なダンピングファクタ調整層21をスペーサ
層16の界面に挿入した場合には、MR変化率は大きく減少し、有効とはいえない。通常
は、スペーサ層16の界面から1nm以上離れた位置にダンピングファクタ調整層21を
挿入することが望ましい。
一方、ダンピングファクタ調整層21がTi,Zr,PdやHfの場合には、これをス
ペーサ層16の界面近傍に挿入してもMR変化率の減少の程度は比較的小さく、界面近傍
においても用いることができる。しかしながら、界面よりも磁性層内部に挿入した場合の
ほうが、MR変化率減少への影響が少なくなるので、MR変化率の観点からは望ましい。
具体的なSTIノイズの状況に応じて、界面近傍に設けるか、それとも磁性層内部に設
けるかが最適化される。媒体の磁界に対する磁化応答はフリー層18が担い、ピン層14
は媒体磁界の向きによらず磁化固着されているため、フリー層18にダンピングファクタ
調整層21を挿入することがSTIノイズ低減に有効である。よって、実施例1〜11の
ようにフリー層18に挿入することが、MR変化率と、STIノイズ低減とが両立する構
成として好ましい。
ピン層14のみにダンピングファクタ調整層21を挿入した場合の実施例21〜31を
表2に示す。この場合も材料への依存性は定性的には実施例1〜11と同様である。しか
しながら、ピン層14の場合にはスピン依存界面散乱効果が大きなbcc−FeCoを用
いていることで、スピン依存界面散乱効果の上昇程度が大きい。このため、ダンピングフ
ァクタ調整層21を挿入することによるMR変化率の減少へのダメージはフリー層18の
場合よりも大きくなる。
Figure 2012060144

ピン層14、フリー層18ともに挿入した場合の実施例41〜51を表3に示す。傾向
はこれまでと同様であり、ピン層14のみ、フリー層18のみに挿入した場合と比較する
と、MR変化率の減少度合いは大きくなるが、STIノイズ抑制効果は大きくなる。
Figure 2012060144

(磁気抵抗効果素子の製造方法)
以下、本実施の形態における磁気抵抗効果素子の製造方法についてより詳細に説明する
図2は、本発明の第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の製造工程を表すフロー図で
ある。
図3は、磁気抵抗効果素子の製造に用いられる成膜装置の概略を示す模式図である。ま
た、図4は、この成膜装置中の酸化チャンバー60を表す模式図である。
図3に示すように、搬送チャンバー(TC)50を中心として、ロードロックチャンバ
ー51、プレクリーニングチャンバー52、第1の金属成膜チャンバー(MC1)53、
第2の金属成膜チャンバー(MC2)54、酸化チャンバー(OC)60がそれぞれゲー
トバルブを介して設けられている。この成膜装置では、ゲートバルブを介して接続された
各チャンバーの間で、真空中において基板を搬送することができるので、基板の表面は清
浄に保たれる。
金属成膜チャンバー53,54は多元(5〜10元)のターゲットを有する。成膜方式
は、DCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタ等のスパッタ法や、イオンビ
ームスパッタ法、蒸着法などが挙げられる。
図4に示すように、酸化チャンバー60は真空ポンプ61によって真空引きされ、酸化
チャンバー60にはマスフローコントローラー(MFC)63により流量制御された酸素
ガスが酸素供給管62から導入される。
酸化チャンバー60内にはイオンソース70が設けられている。イオンソースの形式は
、ICP(Inductive coupled plasma)型、Capacitive coupled plasma型、ECR(Ele
ctron-cyclotron resonance)型、カウフマン型などが挙げられる。
イオンソース70に対向するように基板ホルダー80および基板1が配置される。イオ
ンソース70からのイオン放出口には、イオン加速度を調整する3枚のグリッド71、7
2、73が設けられている。イオンソース70の外側にはイオンを中和するニュートララ
イザ74が設けられている。基板ホルダー80は傾斜可能に支持されている。基板1への
イオンの入射角度は広い範囲で変えることができるが、典型的な入射角度の値は15°〜
60°である。
以下、磁気抵抗効果素子の製造工程を説明する。
基板(図示せず)上に、下電極11、下地層12、ピニング層13、ピン層14、下部
金属層15、スペーサ層16、上部金属層17、フリー層18、キャップ層19、上電極
20を順に形成する。なお、形成の順序をこの逆とすることも可能である。
基板をロードロックチャンバー51にセットし、金属の成膜を金属成膜チャンバー53
、54で、酸化を酸化チャンバー60でそれぞれ行う。金属成膜チャンバーの到達真空度
は1×10−8Torr以下とすることが好ましく、5×10−10Torr〜5×10
−9Torr程度が一般的である。搬送チャンバー50の到達真空度は10−9Torr
オーダーである。酸化チャンバー60の到達真空度は8×10−8Torr以下である。
(1)下電極11、下地層12、ピニング層13の形成(ステップS11) 基板(図示
せず)上に、下電極11を形成する。
下電極11上に、下地層12として、例えば、Ta[5nm]/Ru[2nm]を成膜
する。既述のように、Taは下電極の荒れを緩和したりするためのバッファ層12aであ
る。Ruはその上に成膜されるスピンバルブ膜の結晶配向および結晶粒径を制御するシー
ド層12bである。
下地層12上にピニング層13を成膜する。ピニング層13の材料としては、PtMn
、PdPtMn、IrMn、RuRhMnなどの反強磁性材料を用いることができる。
(2)ピン層14(およびダンピングファクタ調整層21)の形成(ステップS12)
ピニング層13上にピン層14を形成する。ピン層14は、例えば、下部ピン層141(
Co90Fe10)、磁気結合層142(Ru)、および上部ピン層143(Co90F
10[4nm])からなるシンセティックピン層とすることができる。
上部ピン層143の成膜の途中で、成膜する材料を切り換えることでダンピングファク
タ調整層21を挿入することができる。具体的には、成膜材料をCo90Fe10からP
tに切り換えて、またCo90Fe10に戻すことで、上部ピン層143中にPtからな
るダンピングファクタ調整層21が挿入される。
(3)スペーサ層16の形成(ステップS13)
次に、電流狭窄構造(CCP構造)を有するスペーサ層16を形成する。スペーサ層1
6を形成するには、酸化チャンバー60を用いる。
スペーサ層16を形成するには、以下のような方法を用いる。ここでは、アモルファス
構造を有するAl23からなる絶縁層161中に金属結晶構造を有するCuからなる電流
パス162を含むスペーサ層16を形成する場合を例に説明する。
1)上部ピン層143上に、電流パスの供給源となる下部金属層15(例えばCu)を
成膜した後、下部金属層15上に絶縁層に変換される被酸化金属層(例えばAlCuやA
l)を成膜する。
被酸化金属層に希ガス(例えばAr)のイオンビームを照射して前処理を行う。この前
処理をPIT(Pre-ion treatmentという)。このPITの結果、被酸化金属層中に下部
金属層の一部が吸い上げられて侵入した状態になる。
2)酸化ガス(例えば酸素)を供給して被酸化金属層を酸化する。この酸化により、被
酸化金属層をAl23からなる絶縁層161に変換するとともに、絶縁層161を貫通す
る電流パス162を形成して、スペーサ層16を形成する。
例えば、希ガス(Ar、Xe、Kr、Heなど)のイオンビームを照射しながら酸化ガ
ス(例えば酸素)を供給して被酸化金属層を酸化する(イオンビームアシスト酸化(IA
O:Ion beam-assisted Oxidation))。この酸化処理により、絶縁層161であるAl2
3と電流パス162であるCuとが分離した形態のスペーサ層16が形成される。Al
が酸化されやすく、Cuが酸化されにくいという、酸化エネルギーの差を利用した処理で
ある。
(4)上部金属層17、フリー層18(およびダンピングファクタ調整層21)の形成(
ステップS14)
スペーサ層16の上に、上部金属層17として、例えば、Cu[0.25nm]を成膜
する。
上部金属層17の上に、フリー層18、例えば、Co90Fe10[1nm]/Ni83Fe
17[3.5nm]を形成する。
フリー層18の成膜の途中で、成膜する材料を切り換えることでダンピングファクタ調
整層21を挿入することができる。具体的には、成膜材料をNi83Fe17からPtに切り
換えて、またNi83Fe17に戻すことで、フリー層18のNi83Fe17中にPtからなる
ダンピングファクタ調整層21が挿入される。
(5)キャップ層19、および上電極20の形成(ステップS15)
フリー層18の上に、キャップ層19として例えば、Cu[1nm]/Ru[10nm
]を積層する。キャップ層19の上にスピンバルブ膜へ垂直通電するための上電極20を
形成する。
(実施例)
本発明の実施例の一例として、以下のような構成を挙げることができる。この実施例で
は、上部ピン層143中、およびフリー層18のFe50Co50層中に、ダンピングフ
ァクタ調整層21として、0.5nmのPt層を配置している。ダンピングファクタ調整
層21を用いることで、RAが300〜1000mmで、MR変化率が8〜15%とい
う高い値を保持しつつ、STIノイズを抑制することが可能となる。
・下電極11
・下地層12:Ta[5nm]/Ru[2nm]
・ピニング層13:Pt50Mn50[15nm]
・ピン層14:Co90Fe10[4nm]/Ru[0.9nm]/Fe50Co50
2nm]/Pt0.5nm/Fe50Co50[2nm]
・下部金属層15:Cu[0.5nm]
・スペーサ層(CCP−NOL)16:Alからなる絶縁層161およびCuから
なる電流パス162(Al90Cu10[0.9nm]を成膜した後、酸化処理)
・上部金属層17:Cu[0.25nm]
・フリー層18:Co90Fe10[1nm]/Ni83Fe17[1nm]/Pt[0
.5nm]/Ni83Fe17[1nm]
・キャップ層19:Cu[1nm]/Ru[10nm]
・ 上電極20
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子(CCP−CPP素子)を
表す斜視図である。
図5に示すように本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜10a、お
よびこれを上下から夾む下電極11および上電極20を有し、図示しない基板上に構成さ
れる。
磁気抵抗効果膜10aは、下地層12、ピニング層13、ピン層14a、下部金属層1
5、スペーサ層(CCP−NOL)16、上部金属層17、フリー層18a、キャップ層
19が順に積層されて構成される。磁気抵抗効果膜10aは、本質的に磁気抵抗効果膜1
0と異なる訳ではないので、これら下地層12〜キャップ層19の詳細な説明は省略する
本実施形態では、フリー層18a上の界面(フリー層18aとキャップ層19の境界)
に電子乱反射層(Diffusive Electron Scattering Layer: DESL)22を配置することで
、STIノイズの低減を図っている。第1の実施形態と異なり、ピン層14aには電子乱
反射層22は配置していない。
電子乱反射層22は、キャップ層19の下に配置され、電子を乱反射させる層である。
電子乱反射層22で電子を乱反射させることで、強磁性層(フリー層18a)の外側界面
(スペーサ層16とは反対側の界面)での電子反射を制限し、ST効果、ひいてはSTI
ノイズを抑制することができる。なお、電子乱反射層22をキャップ層19に含めて考え
ることも可能である。
(1)非磁性アモルファス材料によって、電子乱反射層22を構成できる。非磁性アモ
ルファス材料のアモルファス構造によって、電子を乱反射させ、STIノイズが抑制され
る。
非磁性アモルファス材料として、Ta、Ti、Zr、Hf、Nb、B、Si、Wなどの
単体金属、またはこれらの元素を少なくとも50%以上含む合金材料を用いることができ
る。非磁性アモルファス材料として、AlBや、AlSiB、AlSiなどの合金組成に
よるアモルファス材料を用いても良い。
非磁性アモルファス材料のアモルファス構造による電子の乱反射を利用してSTIノイ
ズを抑制するため、電子乱反射層22が結晶構造を有することは好ましくない。電子乱反
射層22内の結晶化を抑制するために、電子乱反射層22がある程度薄い方が好ましい。
また、狭ギャップという観点からも、電子乱反射層22がある程度薄い方が好ましい。具
体的には、電子乱反射層22の厚さとして0.5〜5nmが好ましく、1〜3nmがより
好ましい。
(2)また、ミキシング層によって、電子乱反射層22を構成できる。ミキシング層に
よって、電子の乱反射を発生させ、STIノイズを抑制できる。
2つの層を積層し、その界面にミキシング層を形成できる。即ち、相互に固溶な関係に
ある少なくとも二種以上の合金材料を2層にわけて積層し、その界面に固溶なミキシング
層を形成できる。相互に固溶な材料の組み合わせとして、CuとAl(CuAl合金を形
成)、CuとNi(CuNi合金を形成)などが挙げられる。
(磁気抵抗効果素子の製造方法)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の製造工程を表すフロー図
である。
図6は、ダンピングファクタ調整層21に換えて電子乱反射層22を形成する点が図2
と異なる。これ以外の点では、図6は図2と本質的に異なる訳ではないので、以下、電子
乱反射層22の形成のみを説明する。
図6のステップS25での電子乱反射層22の形成には次の手法(1)〜(3)のいず
れかを適用できる。
(1)アモルファス層の形成
既述のTaなどの単体金属、これらの元素を少なくとも50%以上含む合金材料、Al
Bなどの合金材料を成膜することで、非磁性アモルファス材料の層が形成される。この成
膜にDCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタ等のスパッタ法や、イオンビ
ームスパッタ法、蒸着法を用いることができる。
なお、これらの材料はアモルファス化し易いことから、冷却等のアモルファス化を促進
する手段を成膜時に適用しなくても差し支えない。
(2)ミキシング層の形成
1)既述のように、相互に固溶な関係にある少なくとも二種以上の合金材料を第1層、
第2層にわけて積層することで、その界面に固溶なミキシング層を形成できる。この積層
にDCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタ等のスパッタ法や、イオンビー
ムスパッタ法、蒸着法を用いることができる。
例えば、フリー層18a上に、第1層としてAlを0.5nm、第2層としてCuを0
.5nm、順に積層する。AlとCuは互いに固溶な関係にあるため、その界面において
ミキシング層が形成され、このミキシング層で電子が乱反射される。
なお、Al[0.5nm]/Cu[0.5nm]に引き続いて、Ruを10nm積層し
、キャップ層19とすることができる(図6のステップS26)。
2)第1層、第2層の界面に表面処理を施して、ミキシング層の形成を促進することも
可能である。
例えば、フリー層18a上に、第1層としてAlを0.5nm成膜し、その後、第2層
としてCuを0.5nm成膜後、プラズマやイオンビーム等の処理をその表面に施す。表
面処理を施すことで、Al層とCu層の界面でのミキシング層の形成をエンハンス(促進
)できる。イオン等の入射エネルギーにより、Al層とCu層の界面の原子が移動し、入
り交じることで、ミキシング層の形成が促進される。
この表面処理は、第1、第2層の成膜後のみならず、成膜中に行っても良い。例えば、
第1層の成膜後、第2層の成膜中に、表面処理を施すことができる。
この表面処理には、Ar,Ne等の不活性ガスをプラズマ化、イオン化して用いること
ができる。このとき、希ガスのイオンの他に、中性原子も、この表面処理に寄与し得る。
界面に入射した際に、ある程度のエネルギーを有していれば、そのイオン化の有無を問わ
ず、界面の原子を移動させることができる。
表面処理によるミキシング層の形成促進は、AlとCuの組み合わせ以外に、他の材料
の組み合わせの場合(例えば、NiとCu)でも有効である。
(実施例)
本発明の実施例の一例として、以下のような構成を挙げることができる。ここではキャ
ップ層19内のTa層が電子乱反射層22として機能する。即ち、ここでは電子乱反射層
22をキャップ層19に含めて考えている。フリー層18の内部にある非磁性層や、スペ
ーサ層16との界面にある非磁性層はダンピングファクタ調整層21として考えるが、フ
リー層18の最上部に積層された非磁性層はキャップ層19の一部とみなすことができる
ここでは、(Fe50Co50/Cu)を2回繰り返し積層して、上部ピン層143a
を形成している。非特許文献3で示したように、FeCoはスピン依存界面散乱効果が大
きいため用いており、Cuを積層するのはスピン依存バルク散乱効果を向上させるためで
ある。
なお、上部ピン層143aをFe50Co50のみから形成しても差し支えない。
・下電極11
・下地層12:Ta[5nm]/Ru[2nm]
・ピニング層13:Pt50Mn50[15nm]
・ピン層14:Co90Fe10[4nm]/Ru[0.9nm]/(Fe50Co50
[1nm]/Cu[0.25nm])×2/Fe50Co50[1nm]
・下部金属層15:Cu[0.5nm]
・スペーサ層(CCP−NOL)16
・上部金属層17:Cu[0.25nm]
・フリー層18:Co90Fe10[1nm]/Ni83Fe17[3.5nm]
・キャップ層19:Ta[1nm]/Cu[10nm]
・上電極20
(磁気ヘッド)
図7および図8は、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を磁気ヘッドに組み込ん
だ状態を示している。図7は、磁気記録媒体(図示せず)に対向する媒体対向面に対して
ほぼ平行な方向に磁気抵抗効果素子を切断した断面図である。図8は、この磁気抵抗効果
素子を媒体対向面ABSに対して垂直な方向に切断した断面図である。
図7および図8に例示した磁気ヘッドは、いわゆるハード・アバッテッド(hard abutt
ed)構造を有する。磁気抵抗効果膜10は上述したCCP−CPP膜である。磁気抵抗効
果膜10の上下には、下電極11と上電極20とがそれぞれ設けられている。図7におい
て、磁気抵抗効果膜10の両側面には、バイアス磁界印加膜41と絶縁膜42とが積層し
て設けられている。図8に示すように、磁気抵抗効果膜10の媒体対向面には保護層43
が設けられている。
磁気抵抗効果膜10に対するセンス電流は、その上下に配置された電極11、20によ
って矢印Aで示したように、膜面に対してほぼ垂直方向に通電される。また、左右に設け
られた一対のバイアス磁界印加膜41、41により、磁気抵抗効果膜10にはバイアス磁
界が印加される。このバイアス磁界により、磁気抵抗効果膜10のフリー層18の磁気異
方性を制御して単磁区化することによりその磁区構造が安定化し、磁壁の移動に伴うバル
クハウゼンノイズ(Barkhausen noise)を抑制することができる。
磁気抵抗効果膜10のS/N比が向上しているので、磁気ヘッドに応用した場合に高感
度の磁気再生が可能となる。
(ハードディスクおよびヘッドジンバルアセンブリー)
図7および図8に示した磁気ヘッドは、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み
込んで、磁気記録再生装置に搭載することができる。
図9は、このような磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわ
ち、本発明の磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置
である。同図において、磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しな
い駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転
する。本発明の磁気記録再生装置150は、複数の磁気ディスク200を備えたものとし
てもよい。
磁気ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状
のサスペンション154の先端に取り付けられている。ヘッドスライダ153は、上述し
たいずれかの実施形態に係る磁気抵抗効果素子を含む磁気ヘッドをその先端付近に搭載し
ている。
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は磁
気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。あるいはスライダが磁気
ディスク200と接触するいわゆる「接触走行型」であってもよい。
サスペンション154はアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチ
ュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156
が設けられている。ボイスコイルモータ156は、ボビン部に巻かれた図示しない駆動コ
イルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークから
なる磁気回路とから構成される。
アクチュエータアーム155は、スピンドル157の上下2箇所に設けられた図示しな
いボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在
にできるようになっている。
図10は、アクチュエータアーム155から先のヘッドジンバルアセンブリーをディス
ク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、アセンブリ160は、アクチュエータアー
ム155を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続さ
れている。サスペンション154の先端には、上述したいずれかの実施形態に係る磁気抵
抗効果素子を含む磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。サ
スペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリ
ード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接
続されている。図中165はアセンブリ160の電極パッドである。
本実施形態によれば、上述の磁気抵抗効果素子を含む磁気ヘッドを具備することにより
、高い記録密度で磁気ディスク200に磁気的に記録された情報を確実に読み取ることが
可能となる。
(磁気メモリ)
次に、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を搭載した磁気メモリについて説明す
る。すなわち、本発明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を用いて、例えばメモリセルが
マトリクス状に配置されたランダムアクセス磁気メモリ(MRAM: magnetic random a
ccess memory)などの磁気メモリを実現できる。
図11は、本発明の実施形態に係る磁気メモリのマトリクス構成の一例を示す図である
。この図は、メモリセルをアレイ状に配置した場合の回路構成を示す。アレイ中の1ビッ
トを選択するために、列デコーダ350、行デコーダ351が備えられており、ビット線
334とワード線332によりスイッチングトランジスタ330がオンになり一意に選択
され、センスアンプ352で検出することにより磁気抵抗効果膜10中の磁気記録層(フ
リー層)に記録されたビット情報を読み出すことができる。ビット情報を書き込むときは
、特定の書き込みワード線323とビット線322に書き込み電流を流して発生する磁場
を印加する。
図12は、本発明の実施形態に係る磁気メモリのマトリクス構成の他の例を示す図であ
る。この場合、マトリクス状に配線されたビット線322とワード線334とが、それぞ
れデコーダ360、361により選択されて、アレイ中の特定のメモリセルが選択される
。それぞれのメモリセルは、磁気抵抗効果素子10とダイオードDとが直列に接続された
構造を有する。ここで、ダイオードDは、選択された磁気抵抗効果素子10以外のメモリ
セルにおいてセンス電流が迂回することを防止する役割を有する。書き込みは、特定のビ
ット線322と書き込みワード線323とにそれぞれに書き込み電流を流して発生する磁
場により行われる。
図13は、本発明の実施形態に係る磁気メモリの要部を示す断面図である。図14は、
図13のA−A’線に沿う断面図である。これらの図に示した構造は、図11または図1
2に示した磁気メモリに含まれる1ビット分のメモリセルに対応する。このメモリセルは
、記憶素子部分311とアドレス選択用トランジスタ部分312とを有する。
記憶素子部分311は、磁気抵抗効果素子10と、これに接続された一対の配線322
、324とを有する。磁気抵抗効果素子10は、上述した実施形態に係る磁気抵抗効果素
子(CCP−CPP素子)である。
一方、選択用トランジスタ部分312には、ビア326および埋め込み配線328を介
して接続されたトランジスタ330が設けられている。このトランジスタ330は、ゲー
ト332に印加される電圧に応じてスイッチング動作をし、磁気抵抗効果素子10と配線
334との電流経路の開閉を制御する。
また、磁気抵抗効果素子10の下方には、書き込み配線323が、配線322とほぼ直
交する方向に設けられている。これら書き込み配線322、323は、例えばアルミニウ
ム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、タンタル(Ta)あるいはこれらいずれ
かを含む合金により形成することができる。
このような構成のメモリセルにおいて、ビット情報を磁気抵抗効果素子10に書き込む
ときは、配線322、323に書き込みパルス電流を流し、それら電流により誘起される
合成磁場を印加することにより磁気抵抗効果素子の記録層の磁化を適宜反転させる。
また、ビット情報を読み出すときは、配線322と、磁気記録層を含む磁気抵抗効果素
子10と、下電極324とを通してセンス電流を流し、磁気抵抗効果素子10の抵抗値ま
たは抵抗値の変化を測定する。
本発明の実施形態に係る磁気メモリは、上述した実施形態に係る磁気抵抗効果素子(C
CP−CPP素子)を用いることにより、セルサイズを微細化しても、記録層の磁区を確
実に制御して確実な書き込みを確保でき、且つ、読み出しも確実に行うことができる。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した
実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
磁気抵抗効果膜の具体的な構造や、その他、電極、バイアス印加膜、絶縁膜などの形状
や材質に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施
し、同様の効果を得ることができる。
例えば、磁気抵抗効果素子を再生用磁気ヘッドに適用する際に、素子の上下に磁気シー
ルドを付与することにより、磁気ヘッドの検出分解能を規定することができる。
また、本発明の実施形態は、長手磁気記録方式のみならず、垂直磁気記録方式の磁気ヘ
ッドあるいは磁気再生装置についても適用できる。
さらに、本発明の磁気再生装置は、特定の記録媒体を定常的に備えたいわゆる固定式の
ものでも良く、一方、記録媒体が差し替え可能ないわゆる「リムーバブル」方式のもので
も良い。
その他、本発明の実施形態として上述した磁気ヘッドおよび磁気記憶再生装置を基にし
て、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気
記憶再生装置および磁気メモリも同様に本発明の範囲に属する。
10…磁気抵抗効果膜(磁気抵抗効果素子)、11…下電極、12…下地層、13…ピ
ニング層、14…ピン層、141…下部ピン層、142…磁気結合層、143…上部ピン
層、15…下部金属層、16…スペーサ層、161…絶縁層、162…電流パス、17…
上部金属層、18…フリー層、19…キャップ層、20…上電極、21…ダンピングファ
クタ調整層、22…電子乱反射層

Claims (8)

  1. 磁化方向が実質的に一方向に固着される磁化固着層と、
    前記磁化固着層上に配置され、かつ絶縁層と、この絶縁層の層方向に電流を通過させる
    導電体と、を有する非磁性層と、
    前記非磁性層上に配置され、かつ磁化方向が外部磁界によって変化する磁化自由層と、
    前記磁化自由層上に配置され、電子を乱反射する電子乱反射層と、
    を具備する磁気抵抗効果素子。
  2. 前記電子乱反射層が、非磁性アモルファス層を含む請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記電子乱反射層が、第1、第2の元素をそれぞれ有する第1、第2の非磁性層、および
    前記第1、第2の非磁性層の境界に配置され、前記第1、第2の元素を有する混合層を含
    む請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記混合層の厚さが0.5nm以上、1.5nm以下である請求項3記載の磁気抵抗効
    果素子。
  5. 前記磁化自由層、または磁化固着層の層平面上での大きさが100nm以下である請求
    項1記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を具備する磁気抵抗効果ヘッ
    ド。
  7. 請求項6記載の磁気抵抗効果ヘッドを具備する磁気記憶装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を具備する磁気メモリ。
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