JP2012058672A - 仮基材付電子ペーパー用部材、電子ペーパー、およびそれらの製造方法 - Google Patents

仮基材付電子ペーパー用部材、電子ペーパー、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電子ペーパーに用いた際に、対向電極基板とカラーフィルタとの位置精度が高く、視差が発生し難く、かつ良好なカラー表示特性を得ることができる電子ペーパー用部材を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明においては、カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタと、表示媒体層、上記表示媒体層の両側に形成された粘着層、および上記表示媒体層の片側に形成された上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材とが積層されてなり、上記仮基材付表示媒体部材の上記仮基材が配置された側と異なる側の上記粘着層と、上記カラーフィルタとが対向するように配置されていることを特徴とする仮基材付電子ペーパー用部材を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子ペーパーに用られる仮基材付電子ペーパー用部材に関するものである。
近年、電子ペーパーと呼ばれる情報媒体の研究がなされている。この媒体は、対向する基板間にマイクロカプセル等の表示媒体を封入し、電気的に表示の切り替えを行うものであり、低消費電力、曲げ可能なフレキシブル性、薄く軽いなどの優れた特性に加えて、書き換え可能という際立った特長を有し、実用化段階に入りつつある。
上述した電子ペーパーでカラー表示を行う手段として、表示媒体自身を着色する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、表示媒体粒子を均一に分散させ、安定して駆動させることが難しく、実用化には至っていない。
一方、別の手段として、液晶ディスプレイと同様にカラーフィルタを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、良好なカラー表示特性を得るための電子ペーパー全体の適切な層構成については言及されておらず、良好なカラー表示特性を得るための電子ペーパー用部材の設計についても明確ではない。
特開2003−280044号公報 特表2010−503895号公報 特開2010−44337号公報
カラーフィルタを用いた電子ペーパーを作製する方法として、例えば、特許文献1では、透明基材上に形成された複数の着色層を有するカラーフィルタ上に、表示媒体層を直接形成する方法が提案されている。しかしながら、上記構成を有する電子ペーパーは、着色層と表示媒体とが接触してしまうため、カラーフィルタが劣化して良好なカラー表示特性を得ることが困難であるといった問題が考えられる。
上記問題に対しては、例えば、カラーフィルタ基材を有する電子ペーパー用部材と、表示媒体層基材を有する表示媒体フィルムと、対向基板とを貼り合わせる方法が考えられるが、カラーフィルタと表示媒体との間に距離があると視差が生じるという問題がある。また、基材数が多くなることから、電子ペーパーの光学特性が低下してしまうといった問題も考えられる。
また例えば特許文献2では、対向基材および対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板と、透明性を有する基材との間に表示媒体層を配置した後、透明性を有する基材の表示媒体層が配置された側とは異なる側の表面に、インクジェット方式により着色層を形成し、透明性を有する基材および着色層をカラーフィルタとして用いる方法も検討されている。しかしながら、この場合は、対向電極基板と、カラーフィルタとの位置精度を十分に高いものとすることが困難であるといった問題が考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電子ペーパーに用いた際に、対向電極基板とカラーフィルタとの位置精度が高く、視差が発生し難く、かつ良好なカラー表示特性を得ることができる電子ペーパー用部材を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタと、表示媒体層、上記表示媒体層の両側に形成された粘着層、および上記表示媒体層の片側に形成された上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材とが積層されてなり、上記仮基材付表示媒体部材の上記仮基材が配置された側と異なる側の上記粘着層と、上記カラーフィルタとが対向するように配置されていることを特徴とする仮基材付電子ペーパー用部材を提供する。
ここで、従来から電子ペーパーにおいては、通常、構成層の基材としてカラーフィルタに用いられるカラーフィルタ基材、表示媒体層に用いられる表示媒体層基材、および対向電極基板に用いられる対向基材が用いられている。しかしながら、電子ペーパーの構成層の基材の数が多い場合は、層界面数が多くなることから、光学特性が低下してしまう場合があり、また薄膜の電子ペーパーとすることが困難になるといった問題があった。
本発明によれば、上記仮基材付電子ペーパー用部材を用いて電子ペーパーを製造するに際しては、上記仮基材付電子ペーパー用部材から、表示媒体層上に配置されている仮基材を剥離して、対向基材および対向電極層を有する対向電極基板と貼り合わせることが可能となる。よって、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を削減することができる。これにより、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、層界面数の減少により、電子ペーパーの光学特性を向上させることができる。
本発明においては、上記カラーフィルタが、上記カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材の片側に直接形成された上記透明電極層、および上記透明電極層上に形成された上記カラーフィルタ層の層構成を有することが好ましい。カラーフィルタ基材の片側に透明電極層を直接形成することにより、カラーフィルタ基材の寸法変化を小さいものとすることができる。よって、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた場合、製造中および動作中の位置ずれを抑制することができる。また、上記構成とすることにより、カラーフィルタ層および表示媒体層の位置が近くなるので、電子ペーパーに用いた際に視差を生じ難いものとすることができる。したがって、上記仮基材付電子ペーパー用部材を用いることにより、優れたカラー表示特性を有する電子ペーパーとすることが可能となる。
本発明においては、上記仮基材が、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する際にロール・ツー・ロール方式を用いて形成することが可能となる程度の屈曲性を有することが好ましい。これにより、生産性の高い仮基材付電子ペーパー用部材とすることができる。
本発明は、カラーフィルタ基材、および上記カラーフィルタ基材の片側に順不同に積層されたカラーフィルタ層および透明電極層を有するカラーフィルタ、表示媒体層、並びに、上記表示媒体層の両側に配置された粘着層を有し、上記表示媒体層の片側に形成された上記粘着層と上記カラーフィルタの上記カラーフィルタ層および上記透明電極層側とが対向するように配置されている電子ペーパー用部材と、対向基材、および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有し、上記表示媒体層の上記カラーフィルタが配置された側と異なる側の上記粘着層と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが対向するように配置されていることを特徴とする電子ペーパーを提供する。
本発明によれば、カラーフィルタのカラーフィルタ層および透明電極層側に表示媒体層が配置されていることから、カラーフィルタ層および表示媒体層の距離を近づけることができるため、視差を生じ難い電子ペーパーとすることができる。
本発明においては、上記カラーフィルタが、上記カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材の片側に直接形成された上記透明電極層、および上記透明電極層上に形成された上記カラーフィルタ層の層構成を有することが好ましい。カラーフィルタ基材の表面上に直に透明電極層が形成されていることから、カラーフィルタ基材の寸法変化を小さなものとすることができる。よって、電子ペーパーの製造中や動作中において、電子ペーパー用部材と対向電極基板との位置ずれを抑制することができる。また、表示媒体層およびカラーフィルタ層の距離をより近づけることができるため、視差の発生をさらに抑制することができる。したがって、優れたカラー表示特性を得ることが可能である。
本発明は、カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程と、表示媒体層、上記表示媒体層の少なくとも片側に形成された粘着層、および上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材を形成する仮基材付表示媒体部材形成工程と、上記仮基材付表示媒体部材の上記仮基材が配置された側とは異なる側と、上記カラーフィルタとが対向するように粘着層を介して貼合することにより、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する貼合工程とを有することを特徴とする仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記製造方法により得られた上記仮基材付電子ペーパー用部材を用いて電子ペーパーを製造した場合、上記仮基材付電子ペーパー用部材から、表示媒体層上に配置されている仮基材を剥離して、対向基材および対向電極層を有する対向電極基板と貼り合わせることが可能となる。よって、従来の電子ペーパーに比べて最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を削減することができる。これにより、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、層界面数の減少により、電子ペーパーの光学特性を向上させることができる。
本発明においては、上記カラーフィルタ基材および上記仮基材がロール・ツー・ロール方式を用いて仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であり、上記貼合工程では、ロール・ツー・ロール方式を用いて上記カラーフィルタおよび上記仮基材付表示媒体部材を貼合することが好ましい。上記カラーフィルタおよび仮基材付表示媒体部材を貼合するに際しては、高い位置精度で貼合する必要がないことから、ロール・ツー・ロール方式を用いることにより、生産性の高い仮基材付電子ペーパー用部材を得ることが可能となる。
本発明は上述した仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法により得られた仮基材付電子ペーパー用部材から、仮基材を剥離する仮基材剥離工程を有し、仮基材付電子ペーパー用部材に用いられるカラーフィルタ基材および上記仮基材がロール・ツー・ロール方式を用いて上記仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であり、上記仮基材剥離工程がロール・ツー・ロール方式を用いて行われることを特徴とする電子ペーパー用部材の製造方法を提供する。
本発明によれば、上述した製造方法により得られた電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いることにより、従来の電子ペーパーに比べて、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を削減することができる。これにより、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、層界面数の減少により、電子ペーパーの光学特性を向上させることができる。また、剥離工程においてロール・ツー・ロール方式を用いることにより、生産性の高い電子ペーパー用部材を得ることが可能となる。
本発明は、上述した電子ペーパー用部材の製造方法により電子ペーパー用部材を形成する電子ペーパー用部材形成工程と、上記電子ペーパー用部材を所定の大きさに切断する切断工程と、上記切断工程で切断された電子ペーパー用部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記電子ペーパー用部材のカラーフィルタが配置された側と異なる側と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが対向するように、上記表示媒体層上の片側に形成された粘着層を介してシート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合するアライメント貼合工程とを有することを特徴とする電子ペーパーの製造方法を提供する。
本発明によれば、精密な位置合わせを必要とする電子ペーパー用部材と対向電極基板との貼り合わせをシート・ツー・シート方式を用いた真空アライメント貼合により行うことで、高精度な位置合わせを行うことができ、また生産性を高めることができる。よって、高精度で生産性の高い電子ペーパーを得ることができる。
本発明においては、電子ペーパーに用いた際に、対向電極基板とカラーフィルタとの位置精度が高く、視差を生じず、かつ良好なカラー表示特性を得ることができるといった効果を奏する。
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の一例を示す概略断面図である。 本発明に用いられるカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる対向電極基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の電子ペーパー用部材の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の電子ペーパーの製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材、電子ペーパー、仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法、電子ペーパー用部材の製造方法、および電子ペーパーの製造方法について詳細に説明する。
A.仮基材付電子ペーパー用部材
まず、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材について説明する。本発明の仮基材付電子ペーパー用部材は、カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタと、表示媒体層、上記表示媒体層の両側に形成された粘着層、および上記表示媒体層の片側に形成された上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材とが積層されてなり、上記仮基材付表示媒体部材の上記仮基材が配置された側と異なる側の上記粘着層と、上記カラーフィルタとが対向するように配置されていることを特徴とするものである。
なお、以下の説明では、仮基材付電子ペーパー用部材において仮基材以外の構成を電子ペーパー用部材と称して説明する場合がある。
ここで、「カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成される」とは、カラーフィルタのいずれか一方の表面上に直接形成される場合だけではなく、カラーフィルタ基材のいずれか一方の表面に他の層を介して形成される場合を含む概念である。
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材について図を用いて説明する。図1は、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、仮基材付電子ペーパー用部材10は、カラーフィルタ基材11、カラーフィルタ基材11上に直接形成された透明電極層12、透明電極層12上に形成された複数の着色層(図1では赤色着色層13R、緑色着色層13G、および青色着色層13B)を備えるカラーフィルタ層13を有するカラーフィルタ1と、表示媒体層21、表示媒体層21の両側に形成された粘着層22、および表示媒体層21の片側に形成された粘着層22上に配置され、粘着層22に対する剥離性を備える仮基材23を有する仮基材付表示媒体部材2とが積層されてなり、仮基材付表示媒体部材2の仮基材23が配置された側と異なる側の粘着層22と、カラーフィルタ1のカラーフィルタ層13および透明電極層12側とが対向するように配置されているものである。
なお、図示しないが、カラーフィルタとしては、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成され、カラーフィルタ層上に透明電極層が形成されているものであってもよい。また、カラーフィルタとしては、カラーフィルタ基材の片側にカラーフィルタ層が形成され、カラーフィルタ基材のカラーフィルタ層が形成された側と異なる側に透明電極層が形成されているものであってもよい。また、カラーフィルタ層および透明電極層は他の層を介して形成されていてもよい。
ここで、従来から電子ペーパーにおいては、通常、構成層の基材としてカラーフィルタに用いられるカラーフィルタ基材、表示媒体層に用いられる表示媒体層基材、および対向電極基板に用いられる対向基材が用いられている。しかしながら、電子ペーパーの構成層の基材の数が多い場合は、層界面数が多くなることから、光学特性が低下してしまう場合があり、また薄膜の電子ペーパーとすることが困難になるといった問題があった。
一方、本発明によれば、上記仮基材付電子ペーパー用部材を用いて電子ペーパーを製造するに際しては、上記仮基材付電子ペーパー用部材から、表示媒体層上に配置されている仮基材を剥離して、対向基材および対向電極層を有する対向電極基板と貼り合わせることが可能となる。よって、従来の電子ペーパーにおける表示媒体層基材を用いなくても済むことから、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を削減することができる。これにより、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、層界面数の減少により、電子ペーパーの光学特性を向上させることができる。
また、本発明においてはカラーフィルタ層および表示媒体層は、粘着層を介して配置されることから、カラーフィルタ層と表示媒体層とが直接接触することにより発生するカラーフィルタ層の劣化についても防止することが可能となる。
以下、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材に用いられる各構成について説明する。
1.仮基材付表示媒体部材
本発明における仮基材付表示媒体部材は、表示媒体層と、上記表示媒体層の両側に形成された粘着層と、上記表示媒体層の片側に形成された上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材とを有するものである。以下、上記仮基材付表示媒体部材に用いられる仮基材、表示媒体層、および粘着層についてそれぞれ説明する。
(1)仮基材
本発明に用いられる仮基材は、後述する粘着層に対する剥離性を備えるものであり、後述する粘着層上に配置されるものである。また、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材を用いて電子ペーパーを形成する場合に、粘着層から剥離されるものである。
なお、「仮基材が粘着層に対する剥離性を備える」とは、具体的には、仮基材を粘着層から剥離する際に、粘着層に欠損部分等が生じず、また粘着層の粘着性を低下させることなく仮基材を剥離することができることを指す。
より具体的には、仮基材の粘着層に対する剥離性とは、JIS Z0237(粘着テープ・粘着シート試験方法)で、試験温度23℃、引きはがし角度180度の条件で試験を行なった際に、0.1N/25mm〜2.0N/25mmの範囲内であることを指す。
上記仮基材の厚みとしては、仮基材上に粘着層および表示媒体層を配置可能な程度の自己支持性を有することが可能な厚みであれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内、なかでも10μm〜80μmの範囲内、特に20μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上記範囲に満たない場合は、もしくは上記厚みが上記範囲を超える場合は、仮基材付表示媒体部材の扱いが困難となるからである。
上記仮基材のガスバリア性の有無については特に限定されるものではないが、ガスバリア性を有するものであることがより好ましい。仮基材上に形成されている粘着層が空気中の水蒸気等と接触して劣化することを防止することができるからである。なお仮基材のガスバリア性としては、酸素透過率が温度23℃、湿度90%の条件下において1cc/m/day/atm以下、水蒸気透過率が温度37.8℃、湿度100%の条件下において1g/m/day以下であることが好ましい。なお、上記酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(モダンコントロール(株)製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール(株)製、PERMATRAN−W 3/31:商品名)を用いて測定した値である。
また、上記仮基材の透明性の有無については、特に限定されるものではない。
このような仮基材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、フッ素樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム等を挙げることができる。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の各種樹脂フィルム基材上に、シリコーンやフッ素系のコーティングを施すことにより上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材として使用することができる。
なお、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材については、仮基材付表示媒体部材および後述するカラーフィルタを貼り合わせるに際して、高い位置精度は必要とされないことから、ロール・ツー・ロール方式を用いて形成することも可能である。
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材をロール・ツー・ロール方式を用いて形成する場合に用いられる仮基材は、ある程度の屈曲性を有する必要がある。なお仮基材の屈曲性とは、仮基材を直径85mmのABS樹脂製の棒に1回巻きつけた後に、目視確認にて基材に割れ・欠けの損傷が無いことを指す。
また、表示媒体層自体はロール・ツー・ロール方式を適用できる程の強度を有していないことが多い。よって、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材をロール・ツー・ロール方式を用いて形成する場合に用いられる仮基材としては、ロール・ツー・ロール方式を行うことが可能な程度の強度を有することが好ましい。
以上から、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材をロール・ツー・ロール方式を用いて形成する場合に用いられる仮基材としては、上述した仮基材の強度および屈曲性を考慮すると、上述した具体例のなかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材上にシリコーンコーティングを施した基材等を好適に用いることができる。
(2)表示媒体層
次に仮基材付表示媒体部材に用いられる表示媒体層について説明する。
上記表示媒体層は、その両側に粘着層が形成され、さらに片側に形成された粘着層上に仮基材が配置されるものである。
本発明に用いられる表示媒体層は、本発明の電子ペーパー用部材が用いられる電子ペーパーの表示方式に応じて適宜選択されるものである。
電子ペーパーの表示方式としては、公知のものを適用することができ、例えば、電気泳動方式、ツイストボール方式、粉体移動方式(電子粉流体方式、帯電トナー型方式)、液晶表示方式、サーマル方式(発色方式、光散乱方式)、エレクトロクロミック方式、エレクトロウェッティング方式、磁気泳動方式などが挙げられる。本発明においては、中でも、電気泳動方式が好適に用いられる。この方式は、実用段階に入っているとともに、粒子移動型であるため、視野角依存性が少なく、かつ応答性に優れた電子ペーパーを得ることができるからである。
電気泳動方式は、溶媒中に分散された帯電粒子が、電界によって電極間を移動する電気泳動現象を利用したものである。電気泳動方式には、例えば、マイクロカプセル方式、マイクロカップ方式等がある。
マイクロカプセル方式では、帯電した白色粒子および黒色粒子と、これらの粒子を分散する透明分散媒とを透明樹脂からなるマイクロカプセル中に封入し、電界を印加することにより、上記白色粒子および上記黒色粒子を上下させることで白黒表示または階調を表現する。
マイクロカップ方式では、カップ状の窪み(マイクロカップ)で仕切られたセルに、染料で着色した分散媒と、帯電した白色粒子とを配置し、電界を印加することにより、上記白色粒子を上下させることで白色または上記分散媒の色を表示させる。
本発明に用いられる表示媒体層の構成、材料および形成方法については、各表示方式の一般的な電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができる。
以下、本発明の電子ペーパー用部材がマイクロカプセル方式の電子ペーパーに用いられる場合の表示媒体層を例に挙げて説明する。このような表示媒体層としては、例えば、白色粒子と黒色粒子と透明分散媒とからなる分散液を内包したマイクロカプセルをバインダー樹脂により固定したものを挙げることができる。
透明分散媒としては、例えば、アルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、またはこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
白色粒子としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料を用いることができ、黒色粒子としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を用いることができる。
さらに必要に応じて、これらの顔料に、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加してもよい。
マイクロカプセルの壁膜を形成する材料としては、例えば、アラビアゴム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物を用いることができる。
バインダー樹脂としては、マイクロカプセルの壁膜に対する親和性が良好で、絶縁性を有するものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
このような表示媒体層は、例えば、マイクロカプセルをバインダー樹脂に分散してインキ化したものを塗布することにより形成することができる。
なお、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材は、上述した仮基材を有することにより、電子ペーパーに用いられた際、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材数を削減することが可能となることから、上記表示媒体層は、単独で用いられることが好ましいが、表示媒体層基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体として用いてもよい。
また上記表示媒体層積層体を後述するカラーフィルタ上に配置する場合、表示媒体層がカラーフィルタ層および透明電極層側に配置されていてもよく、表示媒体層基材がカラーフィルタ層および透明電極層側に配置されていてもよい。
表示媒体層基材としては、後述するカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。表示媒体層基材の厚みとしては、表示媒体層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
(3)粘着層
上記仮基材付表示媒体部材に用いられる粘着層は、表示媒体層の両側に形成されるものであり、粘着材からなるものである。
なお、「表示媒体層の両側に形成される」とは、表示媒体層の両方の表面上に直接形成される場合だけではなく、表示媒体層の両方の表面に他の層を介して形成される場合を含む概念である。
粘着材としては、所望の強度で接着させることができ、かつ、透明性を有するものであればよく、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等を挙げることができ、中でも、アクリル系樹脂が好ましい。
また、上記粘着層の膜厚としては、上記仮基材および表示媒体層を貼り合わせることができ、かつ、後述するカラーフィルタおよび仮基材付表示媒体部材を貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、具体的には、5μm〜50μmの範囲内で設定することができる。
2.カラーフィルタ
本発明におけるカラーフィルタは、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層とを有するものである。以下、カラーフィルタ基材、カラーフィルタ層、および透明電極層について説明する。
(1)カラーフィルタ層
本発明に用いられるカラーフィルタ層は、カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されるものである。またカラーフィルタ層は、通常、複数の着色層を備えるものである。
ここで、「カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成される」とは、カラーフィルタのいずれか一方の表面上に直接形成される場合だけではなく、カラーフィルタ基材のいずれか一方の表面に他の層を介して形成される場合を含む概念である。
カラーフィルタ層の形成位置としては、カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されていればよく、透明電極層が形成されている側の表面側であってもよく、透明電極層が形成されている側と異なる表面側であってもよい。なかでも、本発明においては、カラーフィルタ基材の片側にカラーフィルタ層および透明電極層が順不同に積層されていることが好ましい。
なお、「カラーフィルタ層および透明電極層が順不同に積層されている」とは、カラーフィルタ層および透明電極層が直接積層されている場合だけでなく、カラーフィルタ層および透明電極層が他の層を介して積層されている場合を含む概念である。
またこの場合、カラーフィルタ基材、透明電極層、カラーフィルタ層の積層順であってもよく、カラーフィルタ基材、カラーフィルタ層、透明電極層の積層順であってもよいが、カラーフィルタ基材、透明電極層、カラーフィルタ層の積層順であることがさらに好ましい。上記構成とすることにより、カラーフィルタ層および表示媒体層の距離を近づけることができるので、電子ペーパーに用いた際に視差を生じにくくすることができる。また、カラーフィルタ基材、透明電極層、カラーフィルタ層の積層順である場合は、カラーフィルタ基材上に透明電極層が直接形成されていることが好ましい。この理由については後述する透明電極層の項で説明する。
なお、カラーフィルタ層については、透明電極層上に直接形成されていてもよく、他の層を介して形成されていてもよい。
特に、本発明においては、図1に例示するように、カラーフィルタ基材11上に透明電極層12が直接形成されていることが好ましく、さらに透明電極層12上にカラーフィルタ層13が直接形成されていることが好ましい。カラーフィルタ基材上に透明電極層およびカラーフィルタ層を直接形成することにより、電子ペーパー用部材の層構成を簡素化することができるため、電子ペーパーの薄型化および光学特性の向上を図ることができるからである。
上記カラーフィルタ層に含有される複数の着色層としては、本発明の電子ペーパー用部材を用いて電子ペーパーを作製した際に、所望の色を発色できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられている各色の着色層を用いることができる。中でも、本発明においては、通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色からなる複数の着色層が用いられる。
本発明に用いられる複数の着色層は、通常、複数色が規則的に配置されるようにパターン状に形成されるが、本発明に採用されるパターンとしては特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用部材の用途等に応じて適宜選択することができる。このようなパターンとしては、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、および、4画素配置型等を挙げることができる。また、このとき個々の着色層の面積は特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用部材を用いて製造する電子ペーパーの解像度等に応じて適宜調整される。
上記着色層の材料については、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる着色層の膜厚としては、本発明の電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた場合に、良好な画像表示を行うことができれば特に限定されるものではないが、具体的には、0.5μm〜3.0μmの範囲内で設定することができる。
また、上記着色層の形成方法としては、所望の厚みの着色層を混色無く形成することができる方法であれば、特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等、一般的に公知の方法を用いることができる。
本発明に用いられるカラーフィルタ層は、少なくとも上述した着色層を有するものであるが、必要に応じて上記着色層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用部材の用途等に応じて、任意の機能を備えるものを用いることができる。
このような他の構成としては、画素を区画するために各着色層間に形成される遮光部や、着色層を保護したりカラーフィルタ表面を平坦化したりするために形成されるオーバーコート層等を挙げることができる。なお、上記遮光部およびオーバーコート層については、一般的なカラーフィルタに用いられているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)カラーフィルタ基材
本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、上記カラーフィルタ層等の本発明の電子ペーパー用部材を構成する層を支持するものである。
このようなカラーフィルタ基材としては、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられている透明基材と同様のものを用いることができる。中でも、本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、本発明の電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた場合に、表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、カラーフィルタ基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、ガラス基板等の屈曲性を有さない透明な基材であってもよく、あるいは、樹脂製フィルム等の屈曲性を有する透明な基材であってもよい。
中でも、本発明においては、透明な屈曲性を有する基材を用いることが好ましい。透明な屈曲性を有する基材を用いることにより、本発明の電子ペーパー用部材をロール・ツー・ロール方式によって製造することが可能となるからである。上記樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)等からなるフィルムを挙げることができる。
また、本発明においては、屈曲性を有し、かつガスバリア性を有する薄板ガラスをカラーフィルタ基材として用いてもよい。このような薄板ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等を用いることができ、中でも、無アルカリガラスが好ましい。
本発明に用いられるカラーフィルタ基材の厚みとしては、特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用部材の用途等に応じて適宜調整すればよい。具体的に、カラーフィルタ基材の厚みは、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。カラーフィルタ基材の厚みが薄すぎると、強度に問題があるおそれがあり、カラーフィルタ基材の厚みが厚すぎると、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材が用いられた電子ペーパーを薄型の情報表示パネルとすることが困難となるおそれがあるからである。
(3)透明電極層
本発明に用いられる透明電極層は、カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されるものである。
なお、「カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成される」とは、カラーフィルタのいずれか一方の表面上に直接形成される場合だけではなく、カラーフィルタ基材のいずれか一方の表面に他の層を介して形成される場合を含む概念である。
上記透明電極層の形成位置としては、カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されていればよく、カラーフィルタ層が形成されている側の表面側であってもよいし、カラーフィルタ層が形成されている側と異なる側の表面側であってもよい。なかでも、本発明においては、カラーフィルタ基材の片側にカラーフィルタ層および透明電極層が順不同に形成されていることが好ましく、さらにカラーフィルタ基材、透明電極層、カラーフィルタ層の積層順で形成されていることが好ましい。この理由については、上述した「(1)カラーフィルタ層」の項で説明したので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、カラーフィルタ基材、透明電極層、カラーフィルタ層の積層順とした場合、カラーフィルタ基材上に透明電極層が直接形成されていることが好ましい。
ここで、近年電子ペーパーに用いられるカラーフィルタ基材としては、加工性が高いこと、および耐衝撃性が高いこと等の利点を有することから樹脂製フィルム等が好適に用いられる。しかしながら、上記樹脂製フィルムはガラス基材に比べて寸法安定性に劣るといった問題がある。
本発明においては、上記カラーフィルタ基材上に透明電極層を直接形成することにより、カラーフィルタ基材の寸法変化を小さいものとすることができることから、寸法精度の高いカラーフィルタとすることが可能である。
本発明に用いられる透明電極層の材料としては、透明電極を形成することができる導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物、Au、Ni等の金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を用いることができ、中でも、ITOが好適に用いられる。
本発明に用いられる透明電極層の厚みとしては、透明電極層として機能することができれば特に限定されるものではないが、15nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。透明電極層の厚みが上記範囲に満たない場合は、透明電極層を均一な厚みで形成することが困難であるからであり、透明電極層の厚みが上記範囲を超える場合は、透明電極層の成膜に用いられる時間や材料が多くなるため、製造コストが高くなるからである。
本発明に用いられる透明電極層の形成方法としては、所望の厚みで透明電極層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法、導電ペーストを塗布する方法等が挙げられる。また、上記透明電極層は、下地となる層または基材の表面上に全面に形成されていてもよく、下地となる層または基材の表面上にパターン状に形成されていてもよい。
本発明に用いられる透明電極層は、図1に示されるように、カラーフィルタ基材11上に直接形成されることが好ましいが、図2に示すように、透明電極層基材12’上に透明電極層12が形成された透明電極層積層体として、カラーフィルタ基材11の片側に配置されていてもよい。なお、図2においては、透明電極層積層体の透明電極層基材12’上に粘着層22が形成されてカラーフィルタ基材11と貼り合わされている。なお、図2は本発明に用いられるカラーフィルタの一例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1と同様である。
なお、本発明に用いられる透明電極層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記透明電極層基材の厚みとしては、透明電極層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透明電極層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を形成して貼り合わされる。上記粘着層は、上記透明電極層積層体の透明電極層側に形成されていてもよく、上記透明電極層積層体の透明電極層基材側に形成されていてもよい。粘着層については上述した「1.仮基材付表示媒体部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)その他の構成
上記カラーフィルタは、上述したカラーフィルタ基材、カラーフィルタ層、および透明電極層を有するものであれば特に限定されるものではなく、他にも必要な構成を適宜選択して用いることが可能である。以下、このような構成について説明する。
(a)バリア層
本発明においては、バリア層がカラーフィルタ基材の少なくとも片側に配置されていてもよい。上記バリア層を形成することにより、上記表示媒体層を水分や酸素等から保護することが可能となる。
なお、ここで「カラーフィルタ基材の少なくとも片側に配置される」とは、カラーフィルタ基材の少なくとも一方の表面上に直接配置される場合だけでなく、カラーフィルタ基材の少なくとも一方の表面に他の層を介して配置される場合を含む概念である。
図3(a)、(b)は、本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。図3(a)においては、バリア層14、カラーフィルタ基材11、透明電極層12、カラーフィルタ層13の順に積層されている例について示している。なお、図3において説明していない符号については図1におけるカラーフィルタと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、バリア層は、図3(a)に示すように、単独で用いられてもよく、図3(b)に示すように、バリア層基材14’上にバリア層14が形成されたバリア層積層体として用いられてもよい。なお、図3(b)においては、バリア層14上に粘着層22を形成してカラーフィルタ基材11に貼り合わされている。また、図3(a)、(b)において説明していない符号については図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、中でもバリア層が単独で用いられることが好ましい。本発明の仮基材付電子ペーパー用部材は、電子ペーパーに用いた場合に、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を少ないものとすることができるものである。よって、上記バリア層を単独で用いることで、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材による効果をより大きなものとすることができる。
なお、本発明に用いられるバリア層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記バリア層基材の厚みとしては、バリア層を支持することができれば特に限定されるものではないが、5μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記バリア層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を用いて、上記カラーフィルタ層または上記カラーフィルタ基材に貼り合わされる。上記粘着層は、上記バリア層積層体のバリア層側に形成されていてもよく、上記バリア層積層体のバリア層基材側に形成されていてもよい。粘着層については、上述した「1.仮基材付表示媒体部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられるバリア層の配置位置としては、カラーフィルタ基材のカラーフィルタ層が形成されている表面側に配置されてもよく、カラーフィルタ基材のカラーフィルタ層が形成されている側と異なる表面側に配置されてもよい。
本発明に用いられるバリア層の材料としては、水分や酸素等に対するバリア性を発揮することができ、かつ、透明性を有するものであればよく、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ジルコニウム等を用いることができるが、通常、酸化ケイ素が用いられる。
上記バリア層の厚みとしては、バリア性が発現する厚みであれば特に限定されるものではなく、バリア層の材料や透明性に応じて適宜選択される。具体的に、バリア層の厚みは、10nm〜3000nmの範囲内であることが好ましい。バリア層の厚みが薄すぎると、所望のバリア性が得られにくいからである。一方、バリア層の厚みが厚すぎると、バリア層に割れが生じるおそれがあり、またバリア層の透明性が損なわれる可能性があるからである。
本発明に用いられるバリア層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、プラズマCVD法等を挙げることができる。
本発明においては、上述したカラーフィルタ基材の項で説明した薄板ガラスをバリア層として用いることも可能である。この場合、上記薄板ガラスはカラーフィルタ基材とバリア層との役目を兼ねることができる。
(b)光学機能層
本発明においては、光学機能層が、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の最表面に配置されていることが好ましい。光学機能層を有することにより、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた場合、視認性を向上させることができるからである。なお、本発明においては、光学機能層が後述する表面保護層を兼ねた層であってもよい。
なお、「カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の表面に配置されている」とは、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の層上に直接配置される場合だけではなく、他の層を介して配置される場合を含む概念である。
図4(a)、(b)は、本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。図4(a)においては、光学機能層15、カラーフィルタ基材11、透明電極層12、カラーフィルタ層13の順に積層されている例について示している。また、カラーフィルタ1は、カラーフィルタ層13および透明電極層12側に仮基材付表示媒体部材が配置されるものである。
光学機能層15は図4(a)に示すように、単独で、カラーフィルタ1の仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていてもよく、図4(b)に示すように、光学機能層基材15’上に光学機能層15が形成された光学機能層積層体として、カラーフィルタ1の仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていてもよい。なお図4(b)において光学機能層積層体は、光学機能層基材15’上に粘着層22が形成されて貼り合わされている。また、図4(a)、(b)で説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なかでも、本発明においては、光学機能層が単独で用いられることが好ましい。本発明の仮基材付電子ペーパー用部材は、電子ペーパーに用いた場合に、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を少ないものとすることができるものである。よって、上記光学機能層を単独で用いることで、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材による効果をより大きなものとすることができる。
本発明に用いられる光学機能層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記光学機能層基材の厚みとしては、光学機能層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記光学機能層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を光学機能層基材側に形成して貼り合わされる。粘着層については、上述した「1.仮基材付表示媒体部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
光学機能層の形成位置としては、光学機能層が、上記カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていれば特に限定されるものではない。光学機能層が光学機能層積層体として形成されている場合、通常、光学機能層が最表面に配置される。
本発明に用いられる光学機能層としては、例えば、防眩層、反射防止層、低反射層、のぞき見防止層等を挙げることができ、中でも、防眩層および反射防止層であることが好ましい。以下、防眩層および反射防止層について説明する。
(i)防眩層(アンチグレア層)
本発明に用いられる防眩層は、防眩性を有するものである。防眩層は、例えば、表面に凹凸を有する、または、内部散乱性を有することにより、防眩性を発現し、明所コントラストを向上させることができる。また、防眩層を有することで、本発明の電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた際に、ぎらつき等の発生を抑制することが可能である。このような防眩層としては、公知の防眩層を用いることができ、例えば、特開2010−44311号公報等で説明されているものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
防眩層の平均膜厚は、1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
(ii)反射防止層(アンチリフレクション層)
本発明に用いられる反射防止層は、本発明の電子ペーパー用部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパー表面での外来光の鏡面反射による背景の映り込み、画像の白化および画像のコントラスト低下を防止する機能を有するものである。このような反射防止層としては、公知の反射防止層を用いることができ、例えば、特開2008−249882号公報等で説明されているものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
(c)表面保護層
本発明においては、表面保護層が、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていることが好ましい。表面保護層を有することにより、本発明の電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた場合、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができる。なお、本発明においては、表面保護層が上述した光学機能層を兼ねた層であってもよい。
なお、「カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の表面に配置されている」とは、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の層上に直接配置される場合だけではなく、他の層を介して配置される場合を含む概念である。
図5(a)、(b)は、本発明に用いられるカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。図5(a)においては、表面保護層16、カラーフィルタ基材11、透明電極層12、カラーフィルタ層13の順に積層されている例について示している。また、カラーフィルタ1は、カラーフィルタ層13および透明電極層12側に仮基材付表示媒体部材が配置される。
表面保護層16は図5(a)に示すように、単独で、カラーフィルタ1の仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていてもよく、図5(b)に示すように、表面保護層基材16’上に表面保護層16が形成された表面保護層積層体として、カラーフィルタ1の仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていてもよい。なお図5(b)において表面保護層積層体は、表面保護層基材16’上に粘着層22が形成されて貼り合わされている。また、図5(a)、(b)で説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なかでも、本発明においては、表面保護層が単独で用いられることが好ましい。本発明の仮基材付電子ペーパー用部材は、電子ペーパーに用いた場合に、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を少ないものとすることができるものである。よって、上記表面保護層を単独で用いることで、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材による効果をより大きなものとすることができる。
なお、本発明に用いられる表面保護層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表面保護層基材の厚みとしては、表面保護層を支持することができれば特に限定されるものではなく、具体的には、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表面保護層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表面保護層基材側に形成して貼り合わされる。粘着層については、上述した「1.仮基材付表示媒体部材」の項で説明したものと同様とすることができる。
表面保護層の形成位置としては、表面保護層が、上記カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側の最表面に配置されていれば特に限定されるものではない。表面保護層が表面保護層積層体として形成されている場合、通常、表面保護層が最表面に配置される。
本発明に用いられる表面保護層としては、例えば、ハードコート層、防汚層、帯電防止層、抗菌層等を挙げることができ、中でも、ハードコート層および防汚層が好ましい。以下、ハードコート層および防汚層について説明する。
(i)ハードコート層
本発明に用いられるハードコート層は、本発明の電子ペーパー用部材に耐擦傷性を付与する機能を有する層である。このようなハードコート層としては、公知のハードコート層を用いることができ、例えば、特開2010−44311号公報等で説明されているものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
なお、「ハードコート層」とは、一般にJIS 5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。中でも、ハードコート層表面の硬度が「3H」以上であることが好ましい。
(ii)防汚層
本発明に用いられる防汚層は、ごみや汚れが付着するのを防止し、あるいはごみが付着しても除去しやすくするために設けられる層である。本発明においては、公知の防汚層を用いることができる。
防汚層は、防汚剤をごく薄く塗布し、乾燥させることで形成することができる。防汚剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等が挙げられる。
本発明においては、防汚層は、ハードコート層と別に設けられるものであってもよいが、ハードコート層に上記防汚剤を添加することにより、防汚層としてもよい。中でも、コストを削減できることから、ハードコート層に防汚剤を添加して、防汚層とすることが好ましい。
防汚層の膜厚としては、1nm〜30nmの範囲内であることが好ましい。防汚層の膜厚が上記範囲を超えると、光学的な影響が生じるおそれがあるからである。
(d)タッチパネル層
本発明においては、タッチパネル層が、上記カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側に配置されていてもよい。タッチパネル層を有することで、本発明の電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いた場合に、画面に直接触れることにより情報の入力が可能な利便性の高い電子ペーパーを得ることができる。
なお、「カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の表面に配置されている」とは、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側とは異なる側の層上に直接配置される場合だけではなく、他の層を介して配置される場合を含む概念である。
図6は、タッチパネル層が形成された電子ペーパー用部材の一例を示す概略断面図である。図6においては、光学機能層15(または表面保護層16)、光学機能層基材15’(または表面保護層基材16’)、粘着層22、タッチパネル層17、粘着層22、カラーフィルタ基材11、透明電極層12、カラーフィルタ層13の順に積層されている例について示している。また、図6に例示するカラーフィルタ1の最表面は、光学機能層15であってもよく、表面保護層16であってもよい。なお、図6において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本発明に用いられるタッチパネル層は、通常、粘着材からなる粘着層を用いて貼り合わされる。上記粘着層は、タッチパネル層の片面に形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。粘着層については、上述した「1.仮基材付表示媒体部材」の項で説明したものと同様とすることができる。
本発明に用いられるタッチパネル層としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等の各種の方式を使用することができる。
抵抗膜方式のタッチパネルは、基板上に形成した電極面がギャップを保ち、相対した構造となっている。指またはペンなどの押圧を受けると基板が変形し、電極が接触する。電圧を印加し、接触部の電位勾配を読み取ることにより入力点を検出する。抵抗膜方式のタッチパネル層の構成については、例えば、特開2003-307723号公報等で説明されたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
静電容量方式のタッチパネルは、指などの導電体がパネルに触れることにより電気容量変化することを利用して入力点を検出する方式である。複数の方式があるが、このうち投影型では、誘電体を挟んでマトリックス状にパターニングされた電極の構造となっており、各電極の電気容量に起因した電圧変化から入力点を検出する。静電容量方式のタッチパネル層の構成については、例えば、特表2003-511799号公報等で説明されたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
タッチパネル層の配置位置としては、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側に配置されていれば特に限定されるものではないが、本発明の電子ペーパー用部材が、光学機能層および表面保護層の少なくとも一方を有する場合、タッチパネル層はこれらの層よりも下側に配置される。
(5)カラーフィルタの層構成
本発明に用いられるカラーフィルタの層構成としては、以下のものが挙げられる。なお、左側は電子ペーパーとした際に最表層となる側であり、右側は、上述した仮基材付表示媒体部材が配置される側である。
・カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図1参照)
・カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
また、上記カラーフィルタがバリア層を有する場合、カラーフィルタの層構成としては以下のものが挙げられる。
・バリア層14/カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図3(a)参照)
・カラーフィルタ基材/バリア層/透明電極層/カラーフィルタ層
・カラーフィルタ基材/透明電極層/バリア層/カラーフィルタ層
・カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層/バリア層
・バリア層/カラーフィルタ基材/バリア層/透明電極層/カラーフィルタ層
・バリア層基材14’/バリア層14/粘着層22/カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図3(b)参照)
・バリア層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・カラーフィルタ基材/バリア層/カラーフィルタ層/透明電極層
・カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/バリア層/透明電極層
・カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層/バリア層
・バリア層/カラーフィルタ基材/バリア層/カラーフィルタ層/透明電極層
・バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・バリア層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・バリア層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・カラーフィルタ層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/バリア層/透明電極層
・カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層/バリア層
・バリア層/カラーフィルタ層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・バリア層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
本発明に用いられるカラーフィルタが光学機能層を有する場合、カラーフィルタの層構成としては以下のようなものが挙げられる。
・光学機能層15/カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図4(a))
・光学機能層15/光学機能層基材15’/粘着層22/カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図4(b))
・光学機能層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/カラーフィルタ基材/バリア層/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/バリア層/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
・光学機能層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/バリア層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/カラーフィルタ基材/バリア層/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/バリア層/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ基材/カラーフィルタ層/透明電極層
・光学機能層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/バリア層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/カラーフィルタ層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/カラーフィルタ層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層基材/バリア層/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
・光学機能層/光学機能層基材/粘着層/バリア層/バリア層基材/粘着層/カラーフィルタ層/カラーフィルタ基材/透明電極層
本発明に用いられるカラーフィルタが表面保護層を有する場合のカラーフィルタの層構成としては、上述の層構成において、光学機能層を表面保護層に置き換えることにより例示することができる。
本発明に用いられるカラーフィルタがタッチパネル層を有する場合のカラーフィルタの層構成としては、上述の層構成において、タッチパネル層/粘着層を、光学機能層/光学機能層基材/粘着層とカラーフィルタ基材との間に配置することにより例示することができる。
本発明に用いられるカラーフィルタは、上述したように、種々の層構成を採ることが可能である。中でも、上記カラーフィルタ層の項に記載したように、ガラス基材の片側に透明電極層が直接形成され、かつカラーフィルタ層および透明電極層が直接積層されていることが好ましい。好ましい層構成としては、以下のようなものを挙げることができる。
・カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図1参照)
・バリア層14/カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図3(a)参照)
・光学機能層15/カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13(図4(a))
・光学機能層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層
3.その他
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材は、上述した仮基材付表示媒体部材、およびカラーフィルタを有するものであれば特に限定されるものではない。また、仮基材付電子ペーパー用部材の層構成については、カラーフィルタ、粘着層、表示媒体層、粘着層、仮基材の順であればよい。また、カラーフィルタの層構成については、上述した種々の層構成を採ることができる。
また、上記仮基材付電子ペーパー用部材の用途としては、対向基材および対向電極層を有する対向電極基板とともに電子ペーパーに用いられる。
B.電子ペーパー
次に、本発明の電子ペーパーについて説明する。本発明の電子ペーパーは、カラーフィルタ基材、および上記カラーフィルタ基材の片側に順不同に積層されたカラーフィルタ層および透明電極層を有するカラーフィルタ、表示媒体層、並びに、上記表示媒体層の両側に配置された粘着層を有し、上記表示媒体層の片側に形成された上記粘着層と上記カラーフィルタの上記カラーフィルタ層および上記透明電極層側とが対向するように配置されている電子ペーパー用部材と、対向基材、および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有し、上記表示媒体層の上記カラーフィルタが配置された側と異なる側の上記粘着層と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが対向するように配置されていることを特徴とするものである。
ここで、「カラーフィルタ基材の片側に積層される」とは、カラーフィルタの一方の表面上に直接積層される場合だけではなく、カラーフィルタ基材の一方の表面に他の層を介して積層される場合を含む概念である。また、「カラーフィルタ層および透明電極層が順不同に積層されている」とは、カラーフィルタ層および透明電極層が直接積層されている場合だけでなく、カラーフィルタ層および透明電極層が他の層を介して積層されている場合を含む概念である。
本発明の電子ペーパーについて図を用いて説明する。図7は、本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。図7に説明するように、本発明の電子ペーパー20は、カラーフィルタ基材11、カラーフィルタ基材11上に直接形成された透明電極層12および透明電極層12上に形成され複数の着色層(図7では赤色着色層13R、緑色着色層13G、および青色着色層13B)を備えるカラーフィルタ層13を有するカラーフィルタ1、表示媒体層21、並びに、表示媒体層21の両側に形成された粘着層22を有し、表示媒体層21に形成された一方の粘着層22およびカラーフィルタ1のカラーフィルタ層13が対向するように配置されている電子ペーパー用部材と、対向基材31、および対向基材31上に形成された対向電極層32を有する対向電極基板3とを有し、電子ペーパー用部材のカラーフィルタ1が形成された側と異なる側の粘着層22と、対向電極基板3の対向電極層32とが対向するように配置されているものである。
なお、図示しないが、カラーフィルタとしては、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成され、カラーフィルタ層上に透明電極層が形成されているものであってもよい。また、カラーフィルタ層および透明電極層が他の層を介して積層されていてもよい。
本発明によれば、カラーフィルタのカラーフィルタ層および透明電極層側に表示媒体層が配置されていることから、カラーフィルタ層および表示媒体層の距離を近づけることができるため、視差を生じ難いものとすることができる。
また本発明の電子ペーパーは、例えば、対向電極基板、および電子ペーパー用部材をそれぞれ別々に形成した後、粘着層を介して貼り合わせることにより形成することが可能である。この際、真空下でアライメント貼合により対向電極基板および電子ペーパー用部材を貼り合わせることにより、対向電極基板および電子ペーパー用部材の位置精度が高く、良好なカラー表示特性を有する電子ペーパーとすることができる。なお、上述した製造方法について、詳しくは後述する「E.電子ペーパーの製造方法」の項で説明する。
また、対向電極基板、表示媒体層、およびカラーフィルタの各構成を別々に形成した後、粘着層を用いて貼り合わせることが可能であることから、電子ペーパーの各構成を直接積層させて形成する場合に比べて製造が容易であり、生産性の高い電子ペーパーとすることができる。
以下、本発明の電子ペーパーの各構成について説明する。
1.電子ペーパー用部材
本発明に用いられる電子ペーパー用部材は、カラーフィルタ基材、および上記カラーフィルタ基材の片側に順不同に積層されたカラーフィルタ層および透明電極層を有するカラーフィルタと、表示媒体層と、上記表示媒体層の両側に配置された粘着層とを有し、上記表示媒体層の一方の表面上に形成された上記粘着層と上記カラーフィルタの上記カラーフィルタ層および上記透明電極層側とが対向するように配置されているものである。
本発明に用いられるカラーフィルタは、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の片側に順不同に積層された、カラーフィルタ層および透明電極層とを有するものである。上記カラーフィルタについては、「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本発明においては、なかでも、上記カラーフィルタが、上記カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材の一方の表面上に直接形成された上記透明電極層、および上記透明電極層上に形成された上記カラーフィルタ層の層構成を有することが好ましい。カラーフィルタ基材の表面上に直に透明電極層が形成されていることから、カラーフィルタ基材の寸法変化を小さなものとすることができる。よって、電子ペーパーの製造中や動作中において、電子ペーパー用部材と対向電極基板との位置ずれを抑制することができる。また、表示媒体層およびカラーフィルタ層の距離をより近づけることができるため、視差の発生をさらに抑制することができる。したがって、優れたカラー表示特性を得ることが可能である。
また、上記電子ペーパー用部材に用いられる表示媒体層、粘着層についても上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明における電子ペーパー用部材の層構成については、上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明した仮基材付電子ペーパー用部材の層構成から仮基材を除いたものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.対向電極基板
本発明に用いられる対向電極基板は、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有するものである。
(1)対向電極層
本発明に用いられる対向電極層としては、透明電極層のストライプパターンに直交するように形成された画素電極層であってもよく、複数のTFT素子ならびに上記TFT素子に接続された画素電極を有するTFT電極層であってもよい。前者を用いることにより、パッシブマトリクス型の電子ペーパーとすることができ、後者を用いることにより、アクティブマトリクス型の電子ペーパーとすることができる。中でも、本発明においては、上記TFT電極層を用いることが好ましい。コントラストが高く、応答速度の速いアクティブマトリクス型の電子ペーパーとすることができるからである。
このようなTFT電極層について、図を参照しながら具体的に説明する。図8は、本発明に用いられる対向電極基板の一例を示す概略断面図である。図8に例示する対向電極基板3は、対向基材31および対向基材31上に形成され、複数のTFT素子34ならびにTFT素子34に接続された画素電極35を有するTFT電極層32’を備えている。このようなTFT電極層32’において、TFT素子34は、ゲート電極34aと、ゲート電極34a上に形成されたゲート絶縁膜34bと、ゲート絶縁膜34b上に形成された半導体層34cと、半導体層34c上に一定に間隔を空けて対向するように形成されたソース電極34dおよびドレイン電極34eとを有するものであり、画素電極35はドレイン電極34eと接続するように形成されているものである。
また、図8に例示するように、本発明に用いられるTFT電極層32’は、TFT素子34を覆うように保護膜36が形成され、保護膜36上に画素電極35が形成されたものであってもよい。
TFT素子としては、特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパーの種類に応じて適宜選択され、例えば、a−Si TFT構造を有するものであってよく、p−Si TFT構造を有するものであってもよい。a−Si TFT構造を有するTFT素子の場合、正スタガ型(トップゲート構造)および逆スタガ型(ボトムゲート構造)のいずれであってもよい。また、逆スタガ型の場合、チャネルエッチ型およびチャネルプロテクト型のいずれであってもよい。一方、p−Si TFT構造を有するTFT素子の場合、プレーナ型およびスタガ型のいずれであってもよい。
TFT素子を構成する半導体層としては、TFT基材上に形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、酸化物半導体、有機半導体が用いられる。
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In)、酸化ガリウム(Ga)、酸化スズ(SnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
有機半導体としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
半導体層の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
TFT素子を構成するゲート電極、ソース電極およびドレイン電極としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にTFT素子に用いられる導電性材料を用いることができる。このような材料の例としては、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Mo−Ta合金、W−Mo合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
TFT素子を構成するゲート絶縁膜としては、一般的なTFT素子におけるゲート絶縁膜と同様のものを用いることができ、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の絶縁性無機材料、および、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の絶縁性有機材料等の絶縁性有機材料を用いることができる。
ゲート絶縁膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
TFT素子上には保護膜が形成されていてもよい。保護膜は、TFT素子を保護するために設けられるものである。例えば、半導体層が空気中に含有される水分等に曝露されることを防止することができる。保護膜が形成されていることにより、TFT性能の経時劣化を低減することができるのである。このような保護膜としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素が用いられる。
保護膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
画素電極は、一般的に電子ペーパー等に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム錫(IZO)等が好ましく用いられる。
画素電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
(2)対向基材
本発明に用いられる対向基材は、上記対向電極層を支持するものである。このような対向基材としては、一般的に電子ペーパー等の基板として用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。
3.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーは、上記表示媒体層のカラーフィルタが配置された側と異なる側の上記粘着層と、上記対向電極層とが対向するように配置されているものである。本発明の電子ペーパーの具体的な層構成としては、電子ペーパー用部材、対向電極層、対向基材の順であればよい。
なお、電子ペーパー用部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用部材」の項で説明したので、ここでの記載は省略する。
本発明の電子ペーパーは、上述したように、種々の層構成を採ることが可能である。中でも、本発明においては、好ましい層構成として、以下のようなものを挙げることができる。
・カラーフィルタ基材11/透明電極層12/カラーフィルタ層13/粘着層22/表示媒体層21/粘着層22/対向電極層32/対向基材31(図7参照)
・バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層/粘着層/表示媒体層/粘着層/対向電極層/対向基材
・光学機能層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層/粘着層/表示媒体層/粘着層/対向電極層/対向基材
・光学機能層/バリア層/カラーフィルタ基材/透明電極層/カラーフィルタ層/粘着層/表示媒体層/粘着層/対向電極層/対向基材
本発明の電子ペーパーの用途としては、デジタル機器のディスプレイ、電子ブック、デジタル・サイネージ(電子看板)等に用いられる。
C.仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法
次に、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法について説明する。本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法は、カラーフィルタ基材、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程と、表示媒体層、上記表示媒体層の少なくとも片側に形成された粘着層、および上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材を形成する仮基材付表示媒体部材形成工程と、上記仮基材付表示媒体部材の上記仮基材が配置された側とは異なる側と、上記カラーフィルタとが対向するように粘着層を介して貼合することにより、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する貼合工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法について図を用いて説明する。図9は、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法の一例を示す工程図である。
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法においては、まず、図9(a)に示すように、カラーフィルタ基材11と、カラーフィルタ基材11上に直接形成された透明電極層12と、透明電極層12上に形成された複数の着色層(図9では、赤色着色層13R、緑色着色層13G、青色着色層13B)を備えるカラーフィルタ層13とを有するカラーフィルタ1を形成する(カラーフィルタ形成工程)。また、図9(b)に示すように、表示媒体層21と、表示媒体層21の少なくとも片側(図9では、表示媒体層21の両側)に形成された粘着層22と、粘着層22上に配置された粘着層22に対する剥離性を備える仮基材23とを有する仮基材付表示媒体部材2を形成する(仮基材付表示媒体部材形成工程)。またこの際、表示媒体層21の両側に粘着層22を形成してもよい。次に、図9(c)に示すように、仮基材付表示媒体部材2の仮基材23が配置された側と異なる側と、カラーフィルタ1のカラーフィルタ層13および透明電極層12側とが対向するように粘着層22を介して貼合することにより、仮基材付電子ペーパー用部材10を形成する(貼合工程)。
なお、図示はしないが、貼合工程に用いられるカラーフィルタと仮基材付表示媒体部材を貼合するための粘着層については、カラーフィルタ側に形成されていてもよいし、仮基材付表示媒体部材側およびカラーフィルタ側の両方に形成されていてもよい。
本発明によれば、上記製造方法により得られた上記仮基材付電子ペーパー用部材を用いて電子ペーパーを製造した場合、上記仮基材付電子ペーパー用部材から、表示媒体層上に配置されている仮基材を剥離して、対向基材および対向電極層を有する対向電極基板と貼り合わせることが可能となる。よって、従来の電子ペーパーに比べて最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を削減することができる。これにより、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、層界面数の減少により、電子ペーパーの光学特性を向上させることができる。
以下、本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法の各工程について説明する。
1.カラーフィルタ形成工程
本工程は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層とを有するカラーフィルタを形成する工程である。
本工程により形成されるカラーフィルタ、また、本工程に用いられるカラーフィルタの形成方法については、上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明した方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明においては、後述する上記貼合工程では、ロール・ツー・ロール方式を用いて上記カラーフィルタおよび上記仮基材付表示媒体部材を貼合することが好ましいことから、本工程に用いられるカラーフィルタ基材としては、ロール・ツー・ロール方式を用いて仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であることが好ましい。このようなカラーフィルタ基材としては、具体的には、「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明した樹脂製フィルム基材や薄板ガラスを挙げることができる。
なお、本工程においては、カラーフィルタ基材に対して透明電極層側に、後述する貼合工程で用いられるカラーフィルタと仮基材付表示媒体部材とを貼合するための粘着層を形成してもよい。
2.仮基材付表示媒体部材形成工程
本工程は、表示媒体層と、上記表示媒体層の少なくとも片側に形成された粘着層と、上記粘着層上に配置され、上記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材を形成する工程である。
なお、本工程により製造される仮基材付表示媒体部材としては、上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明したように、表示媒体層の両側に形成された粘着層、および上記表示媒体層の片側に形成された粘着層上に配置された仮基材を有するものも含まれるものである。
本工程においては、予め形成された表示媒体層に粘着層を用いて仮基材を配置してもよいし、仮基材上に粘着層を形成し、さらに粘着層上に表示媒体層を形成してもよい。
本工程に用いられる仮基材、粘着層、表示媒体層については、上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、後述する上記貼合工程では、ロール・ツー・ロール方式を用いて上記カラーフィルタおよび上記仮基材付表示媒体部材を貼合することが好ましいことから、本工程に用いられる仮基材としては、ロール・ツー・ロール方式を用いて仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であることが好ましい。このような仮基材としては、具体的には、「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本工程においては、表示媒体層の仮基材が配置された側と異なる側の表示媒体層上に、後述する貼合工程で用いられるカラーフィルタと仮基材付表示媒体部材とを貼合するための粘着層を形成してもよい。
3.貼合工程
本工程は、上記仮基材付表示媒体部材の上記仮基材が配置された側と異なる側と、上記カラーフィルタが対向するように粘着層を介して貼合することにより、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する工程である。
本工程に用いられる粘着層については、上記仮基材付表示媒体部材またはカラーフィルタの少なくとも一方に形成されていれば、特に限定されるものではなく、上記仮基材付表示媒体部材およびカラーフィルタの両方に形成されていてもよい。
本工程において用いられる仮基材付表示媒体部材およびカラーフィルタの貼合方法としては、仮基材付表示媒体部材およびカラーフィルタを粘着層を介して貼り合わせて所望の仮基材付電子ペーパー用部材を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。
本工程においては、中でも、ロール・ツー・ロール方式を用いて仮基材付表示媒体部材およびカラーフィルタを貼合することが好ましい。本発明の製造方法により製造される仮基材付電子ペーパー用部材は、仮基材付表示媒体部材およびカラーフィルタを貼り合わせる際に高い位置精度を必要としないことから、ロール・ツー・ロール方式を用いて形成することにより、生産性の高い仮基材付電子ペーパー用部材とすることが可能となる。
なお、本工程においては、上記仮基材付表示媒体部材およびカラーフィルタをシート・ツー・シート方式により貼合しても良い。また、カラーフィルタや仮基材付表示媒体部材が長尺の基材に複数形成されている場合は、個々の部材をシート状に切り出した後に貼合しても良い。
4.その他の工程
本発明の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法は、上述したカラーフィルタ形成工程、仮基材付表示媒体部材形成工程、および貼合工程を有する製造方法であれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することができる。このような工程としては、例えば、上記カラーフィルタや仮基材付表示媒体部材が長尺の基材に複数形成されている場合に各部材をシート状に切り出す工程、カラーフィルタ基材の少なくとも片側にバリア層を形成する工程、カラーフィルタの仮基材付表示媒体部材が配置される側と異なる側に光学機能層または表面保護層を形成する工程、もしくはタッチパネル層を配置する工程を挙げることができる。なお、これらの構成の形成方法については、一般的な電子ペーパーの部材を形成方法と同様とすることができる。また、具体的には、上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明した方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、バリア層およびバリア層基材からなるバリア層積層体を用いる場合は、上記バリア層基材がロール・ツー・ロール方式に用いられるものであることが好ましい。これにより、カラーフィルタ基材上にロール・ツー・ロール方式を用いてバリア層積層体およびカラーフィルタ基材を粘着層を介して貼合することができるからである。
また、光学機能層および光学機能層基材からなる光学機能層積層体を用いる場合や、表面保護層および表面保護層基材からなる表面保護積層体を用いる場合も、上記光学機能層基材や表面保護層基材はロール・ツー・ロール方式に用いられるものであることが好ましい。これにより、カラーフィルタのカラーフィルタ層および透明電極層が形成された側と異なる側の最表面にロール・ツー・ロール方式を用いて光学機能層や表面保護層を形成することが可能となるからである。
なお、タッチパネル層をカラーフィルタに配置する工程については、タッチパネル層およびカラーフィルタ層を貼り合わせる際に高い位置精度を必要とすることから、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法、またはシート・ツー・シート方式によりアライメント有りラミネートする方法を用いることが好ましい。
シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空チャンバー内で、枚葉状のカラーフィルタ層を含む部材と枚葉状のタッチパネル層またはタッチパネル層を含む部材との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることにより貼り合わせる方法等を挙げることができる。真空度としては、貼合面での異物および気泡の混入を防ぐことができれば特に限定されるものではなく、例えば、50Pa〜10000Paの範囲内で設定することができる。
シート・ツー・シート方式によりアライメント有りラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、枚葉状のカラーフィルタ層を含む部材と枚葉状のタッチパネル層またはタッチパネル層を含む部材との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることによりラミネートする方法等を挙げることができる。
なお、タッチパネル層をカラーフィルタに配置する工程については、カラーフィルタ形成工程後に行ってもよいし、貼合工程後に行ってもよい。なお、カラーフィルタや仮基材付電子ペーパー用部材が長尺の基材に複数形成されている場合は、通常、個々のカラーフィルタや仮基材付電子ペーパー用部材をシート状に切り出してからタッチパネル層が配置される。
5.仮基材付電子ペーパー用部材
本発明の製造方法により得られる仮基材付電子ペーパー用部材の層構成および用途については、「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項に記載したので、ここでの記載は省略する。
D.電子ペーパー用部材の製造方法
本発明の電子ペーパー用部材の製造方法は、上述した「C.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明した製造方法により得られた仮基材付電子ペーパー用部材から仮基材を剥離する仮基材剥離工程を有し、上記仮基材付電子ペーパー用部材に用いられるカラーフィルタ基材および上記仮基材がロール・ツー・ロール方式を用いて上記仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であり、上記仮基材剥離工程がロール・ツー・ロール方式を用いて行われることを特徴とする製造方法である。
本発明の電子ペーパー用部材の製造方法について図を用いて説明する。図10は、本発明の電子ペーパー用部材の製造方法の一例を示す工程図である。本発明の電子ペーパー用部材の製造方法においては、まず、図10(a)に示すように、仮基材付電子ペーパー用部材10を準備し、仮基材23を剥離して、図10(b)に示すように、電子ペーパー用部材10’を形成する(仮基材剥離工程)。これにより、電子ペーパー用部材10’を得ることができる。なお、本発明においては、仮基材付電子ペーパー10に用いられるカラーフィルタ基材および仮基材は、ロール・ツー・ロール方式を用いて上記仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有するものであり、仮基材剥離工程はロール・ツー・ロール方式を用いて行われるものである。
なお、仮基材付電子ペーパー用部材については、図1で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上述した製造方法により得られた電子ペーパー用部材を電子ペーパーに用いることにより、従来の電子ペーパーに比べて、最終的に得られる電子ペーパーの構成層の基材の数を削減することができる。これにより、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、層界面数の減少により、電子ペーパーの光学特性を向上させることができる。また、剥離工程においてロール・ツー・ロール方式を用いることにより、生産性の高い電子ペーパー用部材を得ることが可能となる。
本発明に用いられる仮基材付電子ペーパー用部材は、上述した「C.仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法」により得られるものであり、より具体的には、「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。なお、上記仮基材付電子ペーパー用部材に用いられるカラーフィルタ基材および仮基材は、ロール・ツー・ロール方式を用いて仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材である。これらの基材については、上述した「A.仮基材付電子ペーパー用部材」の項で記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記仮基材剥離工程において用いられる仮基材の剥離方法としては、ロール・ツー・ロール方式で用いることが可能であり、仮基材を剥離した後の電子ペーパー用部材に形成されている粘着層に欠損部分等を生じさせたり、粘着層の粘着性を低下させることなく仮基材を剥離することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に用いられている剥離方法と同様とすることができる。
E.電子ペーパーの製造方法
本発明の電子ペーパーの製造方法は、上述した「D.電子ペーパー用部材の製造方法」の項で説明した製造方法により電子ペーパー用部材を形成する電子ペーパー用部材形成工程と、上記電子ペーパー用部材を所定の大きさに切断する切断工程と、上記切断工程で切断された電子ペーパー用部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記電子ペーパー用部材のカラーフィルタが配置された側と異なる側と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが対向するように、上記表示媒体層上の片側に形成された粘着層を介してシート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合するアライメント貼合工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本発明の電子ペーパーの製造方法について説明する。図11は、本発明の電子ペーパーの製造方法の一例を示す工程図である。本発明の電子ペーパーにおいては、図11(a)に示すように、まず、電子ペーパー用部材10’を形成し(電子ペーパー用部材形成工程)、形成された電子ペーパー用部材を所定の大きさに切断する(切断工程)。また、図11(b)に示すように、対向基材31および対向基材31上に形成された対向電極層32を有する対向電極基板3を準備する。次に図11(c)に示すように、切断工程で切断された電子ペーパー用部材10’のカラーフィルタ1が配置された側と異なる側と、対向電極基板3の上記対向電極層32とが対向するように、粘着層22を介してシート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する(アライメント貼合工程)。これにより、電子ペーパー20を得ることができる。なお、電子ペーパー用部材の形成方法については、図10で説明した電子ペーパー用部材の製造方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、精密な位置合わせを必要とする電子ペーパー用部材と対向電極基板との貼り合わせをシート・ツー・シート方式を用いた真空アライメント貼合により行うことで、高精度な位置合わせを行うことができ、また生産性を高めることができる。よって、高精度で生産性の高い電子ペーパーを得ることができる。
以下、本発明の電子ペーパーの製造方法における各工程について説明する。
1.電子ペーパー用部材形成工程
本工程は、上述した「D.電子ペーパー用部材の製造方法」により電子ペーパー用部材を形成する工程である。本工程について、詳しくは「D.電子ペーパー用部材の製造方法」で記載したので、ここでの記載は省略する。
なお、本工程においては、より高い生産性で電子ペーパーを形成することができることから、電子ペーパー用部材に用いられる仮基材付電子ペーパー用部材としては以下に示す形成方法で形成されたものを好適に用いることができる。
上記形成方法としては、まず、上述した「C.仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法」の項で説明したように、カラーフィルタ基材および仮基材として、ロール・ツー・ロール方式を用いることが可能な程度の屈曲性を有する基材を用い、カラーフィルタおよび仮基材付表示媒体部材を形成する。次に、これらをロール・ツー・ロール方式を用いて貼合することにより、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する。
なお、本工程において形成される電子ペーパー用部材としては、カラーフィルタ基材、カラーフィルタ基材上に直接形成された透明電極層、および透明電極層上に形成されたカラーフィルタ層を有するカラーフィルタを有するものであることが好ましい。カラーフィルタ基材の表面上に直に透明電極層が形成されていることから、カラーフィルタ基材の寸法変化を小さなものとすることができる。よって、電子ペーパーの製造中や動作中において、電子ペーパー用部材と対向電極基板との位置ずれを抑制することができる。また、表示媒体層およびカラーフィルタ層の距離を近づけることができるため、視差を発生し難いものとすることができる。
2.切断工程
本工程は、上記電子ペーパー用部材を所定の大きさに切断する工程である。
本工程における切断後の電子ペーパー用部材の大きさとしては、後述するアライメント貼合工程で用いられる対向電極基板と貼り合わせて電子ペーパーとすることが可能な大きさであれば特に限定されず、電子ペーパーの用途等により適宜選択されるものである。
なお、上記電子ペーパー用部材形成工程では、ロール・ツー・ロール方式によって電子ペーパー用部材が形成されることから、通常、上記電子ペーパー用部材は、長尺の基材に複数形成されているものである。よって、本工程においては、通常、上記長尺の電子ペーパー用部材から個々の電子ペーパー用部材がシート状に切り出される。
なお、上記電子ペーパー用部材の切断方法としては、上記電子ペーパー用部材を所定の大きさに切断することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な切断方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.アライメント貼合工程
本工程は、上記電子ペーパー用部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記電子ペーパー用部材のカラーフィルタが配置されていない側と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが対向するように、上記表示媒体層上の片側に形成された粘着層を介してシート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する工程である。
本工程に用いられる電子ペーパー用部材、対向電極基板、粘着層については、「B.電子ペーパー」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空チャンバー内で、枚葉状の上記表示部付電子ペーパー用部材と枚葉状の上記対向電極基板との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることにより貼り合わせる方法等を挙げることができる。真空度については、上記「C.電子ペーパー用部材の製造方法」の項に記載したタッチパネル層を配置する方法における真空度と同様である。
4.その他の工程
本発明の電子ペーパーの製造方法は、上述した電子ペーパー用部材形成工程、切断工程およびアライメント貼合工程を有するものであれば特に限定されず、他にも必要な工程を適宜選択して追加することが可能である。例えば、洗浄工程、UV照射などの表面改質工程、脱湿工程、検査工程等を挙げることができる。また、本発明においては、上述したアライメント貼合工程後にタッチパネル層を配置する工程を有していてもよい。
5.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーの製造方法により製造される電子ペーパーの層構成および用途については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したので、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 …カラーフィルタ
2 …仮基材付表示媒体部材
3 …対向電極基板
10 … 仮基材付電子ペーパー用部材
10’ … 電子ペーパー用部材
11 … カラーフィルタ基材
12 … 透明電極層
13 … カラーフィルタ層
20 … 電子ペーパー
21 … 表示媒体層
22 … 粘着層
23 … 仮基材
31 … 対向基材
32 … 対向電極層

Claims (9)

  1. カラーフィルタ基材、前記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および前記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタと、
    表示媒体層、前記表示媒体層の両側に形成された粘着層、および前記表示媒体層の片側に形成された前記粘着層上に配置され、前記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材とが積層されてなり、
    前記仮基材付表示媒体部材の前記仮基材が配置された側と異なる側の前記粘着層と、前記カラーフィルタとが対向するように配置されていることを特徴とする仮基材付電子ペーパー用部材。
  2. 前記カラーフィルタが、前記カラーフィルタ基材、前記カラーフィルタ基材の片側に直接形成された前記透明電極層、および前記透明電極層上に形成された前記カラーフィルタ層の層構成を有することを特徴とする請求項1に記載の仮基材付電子ペーパー用部材。
  3. 前記仮基材が、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する際にロール・ツー・ロール方式を用いて形成することが可能となる程度の屈曲性を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仮基材付電子ペーパー用部材。
  4. カラーフィルタ基材、および前記カラーフィルタ基材の片側に順不同に積層されたカラーフィルタ層および透明電極層を有するカラーフィルタ、表示媒体層、並びに、前記表示媒体層の両側に配置された粘着層を有し、
    前記表示媒体層の片側に形成された前記粘着層と前記カラーフィルタの前記カラーフィルタ層および前記透明電極層側とが対向するように配置されている電子ペーパー用部材と、
    対向基材、および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有し、
    前記表示媒体層の前記カラーフィルタが配置された側と異なる側の前記粘着層と、前記対向電極基板の前記対向電極層とが対向するように配置されていることを特徴とする電子ペーパー。
  5. 前記カラーフィルタが、前記カラーフィルタ基材、前記カラーフィルタ基材の片側に直接形成された前記透明電極層、および前記透明電極層上に形成された前記カラーフィルタ層の層構成を有することを特徴とする請求項4に記載の電子ペーパー。
  6. カラーフィルタ基材、前記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成されたカラーフィルタ層、および前記カラーフィルタ基材のいずれか片側に形成された透明電極層を有するカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程と、
    表示媒体層、前記表示媒体層の少なくとも片側に形成された粘着層、および前記粘着層上に配置され、前記粘着層に対する剥離性を備える仮基材を有する仮基材付表示媒体部材を形成する仮基材付表示媒体部材形成工程と、
    前記仮基材付表示媒体部材の前記仮基材が配置された側とは異なる側と、前記カラーフィルタとが対向するように粘着層を介して貼合することにより、仮基材付電子ペーパー用部材を形成する貼合工程と
    を有することを特徴とする仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法。
  7. 前記カラーフィルタ基材および前記仮基材がロール・ツー・ロール方式を用いて仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であり、
    前記貼合工程では、ロール・ツー・ロール方式を用いて前記カラーフィルタおよび前記仮基材付表示媒体部材を貼合することを特徴とする請求項6に記載の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の仮基材付電子ペーパー用部材の製造方法により得られた仮基材付電子ペーパー用部材から、仮基材を剥離する仮基材剥離工程を有し、
    仮基材付電子ペーパー用部材に用いられるカラーフィルタ基材および前記仮基材がロール・ツー・ロール方式を用いて前記仮基材付電子ペーパー用部材を製造することが可能となる程度の屈曲性を有する基材であり、
    前記仮基材剥離工程がロール・ツー・ロール方式を用いて行われることを特徴とする電子ペーパー用部材の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電子ペーパー用部材の製造方法により電子ペーパー用部材を形成する電子ペーパー用部材形成工程と、
    前記電子ペーパー用部材を所定の大きさに切断する切断工程と、
    前記切断工程で切断された電子ペーパー用部材と、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、前記電子ペーパー用部材のカラーフィルタが配置された側と異なる側と、前記対向電極基板の前記対向電極層とが対向するように、前記表示媒体層上の片側に形成された粘着層を介してシート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合するアライメント貼合工程とを有することを特徴とする電子ペーパーの製造方法。
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