JP2012058556A - 演奏支援装置および演奏支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続して弦を弾く場合、特定の動作ごとに理想の奏法ができているか否かを、ユーザに容易に把握させる。
【解決手段】演奏支援装置200は、楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部202と、取得された楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部204と、検波された包絡線信号の極大値を抽出する極大値抽出部220と、抽出された極大値を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する極大値平均化部224と、平均化された、グループごとの極大値に基づく表示を表示部210に実行させる表示制御部226とを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、撥弦楽器を用いた演奏を支援する演奏支援装置および演奏支援方法に関する。
マンドリン、大正琴、ギター等の撥弦楽器は、指や爪、ピック、義爪、バチ等で弦を弾くことによって、弦が振動し、この振動に基づいて音が発生する楽器である。撥弦楽器の演奏者が、自身の演奏に基づく楽音の音程が、譜面の音程とあっているか否かを確認するために、様々な技術が提案されている。
例えば、楽器や声楽等の音を収音し(音場における音をマイクロフォンで受けて電気信号として捉え)、収音した練習者の音と、予め決められた基準となる音との偏差を表示し、それらの偏差の変化を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−219016号公報
ところで、撥弦楽器の奏法に、トレモロ奏法がある。トレモロ奏法は、演奏者が同一の弦を反復して弾く奏法である。例えば、演奏者が、弦が水平面と平行になるようにして撥弦楽器を保持しているとすると、トレモロ奏法を行う場合、演奏者は、弦を一方の方向、例えば鉛直下方から上方に弾き、続いて他方の方向、例えば鉛直上方から下方に、さらに鉛直下方から上方にと、同一の弦を2方向から反復して弾く。ここで、鉛直下方から上方に弦を弾いた場合と、鉛直上方から下方に弦を弾いた場合とが、等しい間隔、かつ等しい音量であれば、理想的なトレモロ奏法となる。
演奏者(特に初心者)は、演奏しながら、自身が理想的なトレモロ奏法を行えているか否かを把握するのは困難であるため、客観的に(聴衆に聴いてもらって)自身の演奏が理想的なトレモロ奏法であるか否かを把握したいという要望がある。
しかし、上述した特許文献1に記載の技術では、基準となる音との偏差が画一的に表示されるだけなので、トレモロ奏法等、特定の動作ごとの音量や時間間隔を導出することはできない。したがって、特許文献1の技術を利用したとしても、演奏者は、自身が理想的なトレモロ奏法を行えているか否かを把握することができなかった。
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、連続して弦を弾く場合、特定の動作ごとに理想の奏法ができているか否かを、ユーザ(演奏者)に容易に把握させることができる演奏支援装置および演奏支援方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の演奏支援装置は、楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部と、取得された楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部と、検波された包絡線信号の極大値を抽出する極大値抽出部と、抽出された極大値を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する極大値平均化部と、平均化された、グループごとの極大値に基づく表示を表示部に実行させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の演奏支援装置は、楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部と、取得された楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部と、検波された包絡線信号の極大値を抽出し、1つ前の極大値との時間間隔を導出する極大値抽出部と、導出された時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する極大値平均化部と、平均化された、グループごとの時間間隔に基づく表示を表示部に実行させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の演奏支援装置は、楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部と、取得された楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部と、検波された包絡線信号の極大値に隣接する2つの極小値間の包絡線信号の積分値である極大面積を導出する極大値抽出部と、導出された極大面積を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する極大値平均化部と、平均化された、グループごとの極大面積に基づく表示を表示部に実行させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
極大値抽出部が抽出した包絡線信号の極大値の到来数を計数する計数部をさらに備え、極大値平均化部は、計数された値に基づく複数のグループごとに、極大値、極大面積、または極大値の時間間隔を平均化してもよい。
計数された値に基づく複数のグループは、計数された値が奇数である場合における極大値に対応するグループと、計数された値が偶数である場合における極大値に対応するグループであってもよい。
楽音を発生するためのユーザの動作を検知する動作検知センサをさらに備え、複数のグループは、動作検知センサの出力に基づくグループであってもよい。
拍子を報知する拍子報知部をさらに備え、複数のグループは、拍子に基づくグループであってもよい。
表示制御部は、複数のグループ間における、平均化された極大値、平均化された極大面積、または、平均化された極大値の時間間隔の差分をユーザが把握できる態様で表示部に表示させてもよい。
極大値抽出部は、検波された包絡線信号の極大値を抽出し、1つ前の極大値との時間間隔を導出し、極大値平均化部は、導出された時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均化し、表示制御部は、複数のグループ間における、平均化された極大値、および、平均化された極大値の時間間隔の差分を、ユーザが把握できる態様で表示部に表示させてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の演奏支援方法は、楽音を変換した楽音信号を取得し、取得した楽音信号から包絡線信号を検波し、検波した包絡線信号の極大値を抽出し、抽出した極大値を、複数のグループごとにそれぞれ平均化し、平均化した、グループごとの極大値に基づく表示を表示部に実行させること特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の演奏支援方法は、楽音を変換した楽音信号を取得し、取得した楽音信号から包絡線信号を検波し、検波した包絡線信号の極大値を抽出し、1つ前の極大値との時間間隔を導出し、導出した時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均し、平均化した、グループごとの時間間隔に基づく表示を表示部に実行させることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の演奏支援方法は、楽音を変換した楽音信号を取得し、取得した楽音信号から包絡線信号を検波し、検波した包絡線信号の極大値に隣接する2つの極小値間の包絡線信号の積分値である極大面積を導出し、導出した極大面積を、複数のグループごとにそれぞれ平均し、平均化した、グループごとの極大面積に基づく表示を表示部に実行させることを特徴とする。
上述した演奏支援装置の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該演奏支援方法にも適用可能である。
本発明の演奏支援装置および演奏支援方法によれば、連続して弦を弾く場合、特定の動作ごとに理想の奏法ができているか否かを、ユーザに容易に把握させることができる。
第1の実施形態にかかる演奏支援システムを説明するための説明図である。 第1の実施形態にかかる演奏支援装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 包絡線検波部の構成の一例を示すブロック図である。 包絡線検波部の処理を説明するための説明図である。 表示制御部による表示部の表示態様を説明するための説明図である。 表示制御部による表示部の他の表示態様を説明するための説明図である。 第1の実施形態にかかる演奏支援方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態にかかる演奏支援装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 振動検知センサを説明するための説明図である。 動作検知センサを周波数検出部とした場合の、動作検知センサの動作を説明するための説明図である。 第3の実施形態にかかる演奏支援装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる演奏支援システム100を説明するための説明図である。図1に示すように、演奏支援システム100は、撥弦楽器110と、収音装置120と、演奏支援装置200とを含んで構成される。
撥弦楽器110は、指や爪、ピック、義爪、バチ等で弦を弾くことによって、弦が振動し、この振動に基づいて音が発生する、マンドリン、大正琴、ギター等の楽器である。
収音装置120は、マイクロフォン等で構成され、楽器から発生する楽音を収音し、楽音を電気信号である楽音信号に変換する。
演奏支援装置200は、収音装置120に接続され、収音装置120が変換した楽音信号を取得し、解析する。
このような、撥弦楽器110の演奏方法の1つにトレモロ奏法がある。トレモロ奏法は、ユーザ(演奏者)が同一の弦(マンドリンの場合、略同一の音を発生する2本の弦)を反復して小刻みに弾くことで、あかたも音が持続しているかのような印象を聴衆に与えることができる奏法である。
例えば、ユーザが、弦102が水平面と平行になるようにして撥弦楽器110を保持しているとすると、トレモロ奏法を行う場合、ユーザは、撥弦楽器110の弦112aを一方の方向、例えば鉛直上方から下方(図1中、ダウンで示す)に弾き(以下、単にダウンで弾くと称する)、続いて他方の方向、例えば鉛直下方から上方(図1中、アップで示す)に弾き(以下、単にアップで弾くと称する)、さらにダウンでと、同一の弦112aを2方向から反復して弾く。トレモロ奏法では、ダウンで弾く場合とアップで弾く場合とを一連の動作とすると、一連の動作は、例えば、30回〜180回/分で行われる。ここで、ダウンで弾く場合とアップで弾く場合とで、等しい間隔、かつ等しい音量が出れば、理想的なトレモロ奏法となる。しかし、ユーザ(特に初心者)は、トレモロ奏法を行った場合、自分では、アップとダウンとの音量のバランスが偏っているか否かを把握することは難しい。
そこで、本実施形態の演奏支援装置200は、収音装置120に接続され、収音装置120が変換した楽音信号を取得し、解析することで、ユーザが、撥弦楽器110の弦112を連続して弾く際、例えば、ダウンで弾いた場合とアップで弾いた場合等、特定の動作ごとに理想の奏法ができているか否かを、ユーザに容易に把握させることを目的とする。
以下、演奏支援装置200の具体的な構成について説明し、続いて演奏支援装置200を利用した演奏支援方法について詳述する。
(演奏支援装置200)
図2は、第1の実施形態にかかる演奏支援装置200の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図2に示すように、演奏支援装置200は、楽音信号取得部202と、包絡線検波部204と、メモリ206と、中央制御部208と、表示部210とを含んで構成される。
楽音信号取得部202は、収音装置120に接続され、収音装置120が、変換した楽音信号を取得する。
包絡線検波部204は、楽音信号取得部202が取得した楽音信号から包絡線信号(エンベロープ)を検波する。
図3は、包絡線検波部204の構成の一例を示すブロック図であり、図4は、包絡線検波部204の処理を説明するための説明図である。図3に示すように、包絡線検波部204は、例えば、増幅器212と、ダイオード214と、抵抗216と、コンデンサ218とを含んで構成される。図3に示す包絡線検波部204は、楽音信号取得部202が取得した楽音信号を増幅、半波整流して、包絡線信号を検波する。なお、図3において包絡線検波部204の具体的な構成例を示したが、これに限定されず、包絡線信号を検波できれば、既存の様々な技術を利用することができる。
包絡線検波部204は、図4に示すように、楽音信号取得部202が取得した楽音信号(図4(a)参照)から包絡線信号(図4(b)参照)を検波し、包絡線信号を後述する中央制御部208の極大値抽出部220に出力する。
本実施形態において、ユーザが、1の動作に伴って、弦112aを1回弾くことで発生する楽音(以下、単に1音と称する)に基づく包絡線信号を、1音の包絡線信号(図4(b)参照)とする。例えば、楽音信号取得部202が、ユーザがトレモロ奏法を行った場合に発生する楽音に基づく楽音信号を取得すると、包絡線検波部204は、ダウンで弾いたことに基づく1音の包絡線信号と、アップで弾いたことに基づく1音の包絡線信号とが、交互に並んだ包絡線信号を検波することになる。
また、例えば、ユーザが、例えば、マンドリンの様な、略同一の音を発生する1組(2本)の弦が並置された撥弦楽器でトレモロ奏法を行った場合、包絡線検波部204は、楽音信号取得部202が取得する楽音信号(図4(d)参照)から包絡線信号(図4(e)参照)を検波する。
この場合、ユーザが、1組の弦を1回弾くことで発生する楽音を1音とすると、図4(e)に示すように、包絡線検波部204は、ダウンで1組の弦を弾いたことに基づく1音の包絡線信号と、アップで1組の弦を弾いたことに基づく1音の包絡線信号とが、交互に並んだ包絡線信号を検波することになる。また、図4(f)に示すように、1音の包絡線信号は極大値を2つ含むことになる。以下、略同一の音を発生する1組(2本)の弦が並置された撥弦楽器に関して説明する場合、一例として、マンドリンを挙げて説明する。
メモリ206は、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、後述する極大値平均化部224の制御指令に応じて、複数のグループそれぞれに関連付けて、包絡線信号の極大値や、包絡線信号の極大値の時間間隔を保持する。ここで、例えば、複数のグループは、後述する計数部222が計数した値(極大値抽出部220が抽出した包絡線信号の極大値の到来数)に基づくものであり、複数のグループは、計数部222が計数した値が奇数である場合における極大値に対応するグループと、計数部222が計数した値が偶数である場合における極大値に対応するグループの2つのグループであるとする。つまり、奇数番目の極大値に対応するグループと、偶数番目の極大値に対応するグループの2つのグループであるとする。
中央制御部208は、中央処理装置(CPU)や信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)、プログラム等が格納されたROMやメモリ、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路を用いることができ、中央制御部208は、演奏支援装置200全体を管理および制御する。本実施形態において、中央制御部208は、極大値抽出部220、計数部222、極大値平均化部224、表示制御部226としても機能する。
極大値抽出部220は、包絡線検波部204が検波した包絡線信号の極大値(音量の極大値)を抽出する。具体的に、極大値抽出部220は、図4(c)に示すように、1音の包絡線信号ごとに極大値230a、230cを抽出する。ここで、マンドリンの楽音の場合、図4(e)、(f)に示すように、1音の包絡線信号に極大値が2つ含まれる場合があるが、この場合、極大値抽出部220は、2つの極大値である極大値230a、230bの平均値や極大値230c、230dの平均値を抽出する。
また、極大値抽出部220は、図4(b)、(c)に示すように、極大値230aを抽出し、1つ前の極大値230cとの時間間隔tを導出する。なお、マンドリンの楽音の場合、図4(f)に示すように、1音の包絡線信号に極大値が2つ含まれる場合があるが、この場合、2つの極大値230aと極大値230bの時間間隔や、極大値230cと極大値230dの時間間隔は、極大値230aと、極大値230cまたは極大値230dの時間間隔や、極大値230bと、極大値230cまたは極大値230dの時間間隔と比較して、十分に短い。このため、極大値抽出部220は、図4(f)に示すように極大値230aと極大値230cとの時間間隔を時間間隔tとしてもよいし、極大値230aと極大値230dとの時間間隔を時間間隔tとしても、極大値230bと極大値230cとの時間間隔を時間間隔tとしても、極大値230bと極大値230dとの時間間隔を時間間隔tとしてもよい。
計数部222は、極大値抽出部220が抽出した包絡線信号の極大値の到来数を、例えば、1から順に、1、2、3、…nと計数する。
極大値平均化部224は、極大値抽出部220が抽出した極大値を、複数のグループごとにそれぞれ平均化し、極大値抽出部220が導出した時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する。具体的に極大値平均化部224は、抽出された極大値をグループごとに関連付けて一時的にメモリ206に保持させると共に、グループに関連付けてメモリ206に保持された過去所定数個(例えば10個)分を平均化する。
本実施形態において、極大値平均化部224は、計数部222が計数した値(極大値抽出部220が抽出した包絡線信号の極大値の到来数)が、複数のグループに関連付けられた値になったときの極大値および極大値の時間間隔をグループごとに平均化する。ここでは、計数部222が計数した値が奇数になったときの極大値を平均化し、また、計数部222が計数した値が偶数になったときの極大値を平均化する。極大値平均化部224は、計数部222が計数した値が奇数になったときの極大値の時間間隔を平均化し、また、計数部222が計数した値が偶数になったときの極大値の時間間隔を平均化する。
詳細に説明すると、極大値平均化部224は、計数部222が計数した値が奇数であったときの極大値を、計数部222が計数した値が奇数である場合における極大値に対応するグループ(以下、単に奇数グループと称する)の過去の複数の極大値と平均化し、計数部222が計数した値が偶数であったときの極大値を、計数部222が計数した値が偶数である場合における極大値に対応するグループ(以下、単に偶数グループと称する)の過去の複数の極大値と平均化する。ここで、極大値平均化部224による平均化は、グループごとの直近の任意の数の極大値、例えば、10の極大値を用いて行う。
このように、極大値平均化部224が利用する複数のグループを、奇数グループ(包絡線信号の極大値のうち奇数番目に到来した極大値の集合)と、偶数グループ(包絡線信号の極大値のうち偶数番目に到来した極大値の集合)という2つのグループとすることによって、例えば、トレモロ奏法におけるダウンで弾く動作と、アップで弾く動作のように、交互に行われる2つの動作を分類することができる。
したがって、トレモロ奏法に基づく楽音信号を楽音信号取得部202が取得した場合、極大値抽出部220が抽出した奇数番目に到来した極大値(以下、単に奇数番目の極大値と称する)と偶数番目に到来した極大値(以下、単に偶数番目の極大値と称する)とをそれぞれ平均化すると、奇数番目および偶数番目のいずれか一方が、ダウンに基づく楽音信号の音量の極大値の平均値となり、他方がアップに基づく楽音信号の音量の極大値の平均値となる。
また、トレモロ奏法に基づく楽音信号を楽音信号取得部202が取得した場合、極大値抽出部220が抽出した奇数番目の極大値の時間間隔と偶数番目の極大値の時間間隔とをそれぞれ平均化すると、奇数番目および偶数番目のいずれか一方が、ダウンに基づいて発生する、ある1音と、1つ前の1音との時間間隔の平均値となり、他方がアップに基づいて発生する、ある1音と、1つ前の1音との時間間隔の平均値となる。
表示制御部226は、極大値平均化部224が平均化した極大値を、グループごとの極大値に基づく表示を表示部210に実行させ、極大値平均化部224が平均化した極大値の時間間隔を、グループごとの時間間隔に基づく表示を表示部210に実行させる。表示制御部226が表示部216に実行させる表示は、極大値または極大値の時間間隔に基づく、数値の表示、画像の表示または、LED(Light Emitting Diode)によるバーグラフの表示等である。また、表示制御部226は、平均化された極大値のグループ間の差分、または、平均化された極大値の時間間隔のグループ間の差分をユーザが把握できる態様で表示部210に表示させる。
表示部210は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、LED等で構成され、表示制御部226の制御指令に応じて、極大値平均化部224が平均化した極大値をグループごとに、また、平均化した極大値の時間間隔をグループごとに、それぞれ表示する。
図5は、表示制御部226による表示部210の表示態様を説明するための説明図である。例えば、図5(a)に示すように、表示制御部226は、極大値の平均値をグループごとに、7段階に分けられたバーグラフ240a、240bとして表示させ、極大値の時間間隔の平均値をグループごとに、7段階に分けられたバーグラフ242a、242bとして表示させる。
そうすると、奇数番目の極大値の平均値と、偶数番目の極大値の平均値とで、バランスがとれているか否か、すなわち、交互に行われる2つの動作のうち一方の動作に基づいて発生する奇数番目の音量と、他方の動作に基づいて発生する偶数番目の音量とが均一であるか否かを、バーグラフ240aの表示とバーグラフ240bの表示とのバランスで表すことができる。
同様に、極大値の時間間隔についても、交互に行われる2つの動作のうち一方の動作に基づいて発生する奇数番目の音の発生間隔と、他方の動作に基づいて発生する偶数番目の音の発生間隔とが均一であるか否かを、バーグラフ242aの表示とバーグラフ242bの表示とのバランスで表すことができる。
例えば、奇数番目に関する値(奇数グループの値)をバーグラフ240a、242aで、偶数番目に関する値(偶数グループの値)をバーグラフ240b、242bで表示させるとする。そして、バーグラフ240aは、値が大きくなるにしたがって、バーグラフ240bと離隔する方向に、バーグラフ242aは、値が大きくなるにしたがって、バーグラフ242bと離隔する方向に、図5中白色の表示から図5中黒色の表示に変更し、バーグラフ240bは、値が大きくなるにしたがって、バーグラフ240aと離隔する方向に、バーグラフ242bは、値が大きくなるにしたがって、バーグラフ242aと離隔する方向に、図5中白色の表示から図5中黒色の表示に変更するとする。
ユーザがトレモロ奏法を行い、表示部210が図5(a)に示す状態である場合、音量に関する、バーグラフ240aの表示とバーグラフ240bの表示は、両方とも7段階中4段階を示す。この場合、ユーザは、表示部210のバーグラフ240a、240bを視認するだけで、自身が行ったトレモロ奏法において、ダウンで弾いた場合の音量と、アップで弾いた場合の音量に差がない、すなわちダウンで弾いた場合もアップで弾いた場合も均一な音量を出すことができていることを直感的に把握することができる。
また、ユーザは、バーグラフ240a、240bの表示が、7段階中の何段階かで、音量が大きいか否かを直感的に把握することもできる。例えば、7段階中の7段階である場合、音量は大きく、1段階である場合、音量が小さい。
したがって、例えば、図5(a)に示す状態である場合は、音量は中程度であるが、ダウンで弾いたときもアップで弾いたときも均一な音量を出すことができており、図5(b)に示す状態である場合は、ダウンで弾いたときとアップで弾いたときで音量が異なる、つまり下手な演奏であり、図5(c)に示す状態である場合は、音量も大きく、ダウンで弾いたときもアップで弾いたときも均一な音量を出すことができている、つまり上手な演奏であることを、ユーザに直感的に把握させることができる。
また、例えば、ユーザがトレモロ奏法を行い、表示部210が図5(a)に示す状態である場合、時間間隔に関する、バーグラフ242aの表示は、7段階中3段階を示し、バーグラフ242bの表示は、7段階中5段階を示す。この場合、ユーザは、表示部210のバーグラフ242a、242bを視認するだけで、自身が行ったトレモロ奏法において、ダウンで弾いたときの弦を弾く時間間隔と、アップで弾いたときの弦を弾く時間間隔とに差がある、すなわちダウンで弾いた場合とアップで弾いた場合とで弦を弾く時間間隔が異なっていることを即座に把握することが可能となる。
また、ユーザは、バーグラフ242a、242bの表示が、7段階中の何段階かで、時間間隔が短いか否か、すなわち、小刻みに弦を弾けているか否か、を直感的に把握することもできる。例えば、7段階中の7段階である場合、時間間隔は長く、1段階である場合、時間間隔は短い。
したがって、例えば、図5(d)に示す状態の場合は、弦を弾く時間間隔は長いものの、ダウンで弾いたときの弦を弾く時間間隔と、アップで弾いたときの弦を弾く時間間隔とが均一であり、図5(e)に示す状態の場合は、弦を弾く時間間隔も短く、ダウンで弾いたときの弦を弾く時間間隔と、アップで弾いたときの弦を弾く時間間隔とが均一、つまり上手な演奏であることを、ユーザに直感的に把握させることができる。
このように、表示制御部226が、平均化された極大値のグループ間の差分や、平均化された極大値の時間間隔のグループ間の差分を、ユーザが把握できる態様で表示させる構成により、ユーザは表示部210を視認するだけで、複数の特定の動作間で、バランスがとれているか否かを直感的に把握することができる。また、複数の特定の動作間でどの程度、音量または時間間隔が隔たっているかを、直感的に把握することが可能となる。
また、表示制御部226は、複数のグループ間における、平均化された極大値、および、平均化された極大値の時間間隔のグループ間の差分を、ユーザが把握できる態様で表示部210に表示させてもよい。ここでは、表示制御部226が、2つのグループ(奇数グループおよび偶数グループ)間における、平均化された極大値、および、平均化された極大値の時間間隔のグループ間の差分を、ユーザが把握できる態様で表示部210に2次元的に表示させる例を挙げて説明する。
図6は、表示制御部226による表示部210の他の表示態様を説明するための説明図である。例えば、図6に示すように、表示制御部226は、極大値の平均値をグループごとに水平方向(X軸方向)に表示させ、極大値の時間間隔の平均値をグループごとに垂直方向(Y軸方向)に表示させる。図6に示す例において、表示制御部226は、奇数番目(奇数グループ)の極大値の平均値を原点PからX軸の負の方向に表示させ、偶数番目(偶数グループ)の極大値の平均値を原点PからX軸の正の方向に表示させる。また、表示制御部226は、偶数番目の極大値の時間間隔の平均値を原点PからY軸の正の方向に表示させ、奇数番目の極大値の時間間隔の平均値を原点PからY軸の負の方向に表示させる。
そうすると、図6(a)に示す場合、極大値の平均値すなわち音量の平均値は、奇数番目の平均値と偶数番目の平均値とで差がなく、さらに、両方とも音量が大きい。また、極大値の時間間隔の平均値は、奇数番目の平均値と偶数番目の平均値とで差がなく、両方とも時間間隔が短い。したがって、ユーザは、図6(a)に示す表示態様を視認するだけで、自身が行ったトレモロ奏法において、ダウンで弾いた場合とアップで弾いた場合とで音量が均一であり、大きく、さらに、時間間隔が均一で、短い上手な演奏ができていることを、直感的に把握することができる。
また、図6(b)に示す場合、音量の平均値は、奇数番目の平均値と偶数番目の平均値とで差はないものの、極大値の時間間隔の平均値については、偶数番目の平均値が奇数番目の平均値よりも長い。したがって、ユーザは、図6(b)に示す表示態様を視認するだけで、自身が行ったトレモロ奏法において、ダウンで弾いた場合とアップで弾いた場合とで音量は均一に出すことができているが、時間間隔に偏りがあることを即座に把握することができる。
さらに、図6(c)に示す場合、音量の平均値については、奇数番目の平均値が偶数番目の平均値より小さく、極大値の時間間隔の平均値については、偶数番目の平均値が奇数番目の平均値よりも長い。したがって、ユーザは、図6(c)に示す表示態様を視認するだけで、自身が行ったトレモロ奏法において、ダウンで弾いた場合とアップで弾いた場合とで音量にも時間間隔にも偏りがあることを、一度に把握することができる。
このように、表示制御部226が、平均化された極大値、および、平均化された極大値の時間間隔のグループ間の差分をユーザが把握できる態様で表示部210に表示させる構成により、複数のグループ間の音量のバランスと複数のグループ間の時間間隔のバランスを、一度に、かつ、直感的にユーザに把握させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の演奏支援装置200は、ユーザが発生させる楽音の音量(包絡線の極大値)を複数のグループごとにそれぞれ平均化して、表示部210に表示させることで、ユーザに、複数のグループ間で、均一な音量を出すことができているか否か、例えば、ダウンで弦を弾いたときと、アップで弦を弾いたときとの音量のバランスが偏っているか否かを客観的に把握させることができる。
また、演奏支援装置200は、ユーザが発生させる楽音に基づく包絡線信号の、ある1音の極大値と、その1つ前の1音の極大値との時間間隔を、グループごとにそれぞれ平均化して、表示部210に表示させることで、ユーザに、複数のグループ間で均一な時間間隔で、音を発生できているか否か、例えば、ダウンで弾いた場合の弦を弾く時間間隔と、アップで弾いた場合の弦を弾く時間間隔とが均一であるか否かを客観的に把握させることができる。
なお、ここでは、極大値抽出部220は、包絡線信号の極大値を抽出しているが、これに限定されず、図4(c)、または図4(f)に示すように、包絡線信号の極大値230aに隣接する2つの極小値232間の包絡線信号の積分値である極大面積234(図4(c)および図4(f)中ハッチングで示す)を導出してもよい。つまり、極大面積234は、1音の包絡線信号の積分値である。
この場合、極大値平均化部224は、計数された値が、相異なる複数のグループに関連付けられた値になったときの極大面積234を、グループごとにそれぞれ平均化してもよい。
例えば、弦を弾く強さ、すなわち音量と、弦を弾く時間間隔に相関性がある場合、極大面積234の平均値を、複数のグループごとに表示部210に表示させれば、ユーザは、表示部210を視認するだけで、音量に関してバランスがとれているか否か、および時間間隔に関してバランスがとれているか否かを、一度に、直感的に把握することができる。
(演奏支援方法)
また、上述した演奏支援装置200を用いた操作方法も提供される。図7は、第1の実施形態にかかる演奏支援方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザが、例えば撥弦楽器110の弦112を弾いて、トレモロ奏法を行うと、収音装置120は、発生した楽音を収音して、楽音信号に変換する。
そして、楽音信号取得部202は、収音装置120が変換した楽音信号を取得する(S300におけるYES)と、包絡線検波部204は、楽音信号取得ステップS300で取得した楽音信号から包絡線信号を検波し(S302)、極大値抽出部220は、検波ステップS302で検波した包絡線信号の極大値を抽出する(S304)。また、極大値抽出部220は、抽出した極大値と、1つ前に抽出した極大値との時間間隔を導出する(S306)。
計数部222は、極大値抽出ステップS304で抽出した極大値の到来数を計数する(S308)。そして、極大値平均化部224は、計数ステップS308で計数した値が、奇数であるか否かを判定し(S310)、奇数であった場合(S310におけるYES)、その極大値を、奇数グループ(奇数番目に到来した極大値の集合)に関連付けて一時的にメモリ206に保持させると共に、奇数グループに関連付けてメモリ206に保持された過去所定数個(例えば10個)分の極大値を平均化する(S312)。また、極大値平均化部224は、その極大値の時間間隔を奇数グループに関連付けて一時的にメモリ206に保持させると共に、奇数グループに関連付けてメモリ206に保持された過去所定数個(例えば10個)分の極大値の時間間隔を平均化する(S314)。
グループ判定ステップS310で、極大値平均化部224が奇数でないと判定した場合(S310におけるNO)、すなわち計数ステップS308で計数した値が、偶数であった場合、その極大値を、偶数グループ(偶数番目に到来した極大値の集合)に関連付けて一時的にメモリ206に保持させると共に、偶数グループに関連付けてメモリ206に保持された過去所定数個(例えば10個)分の極大値を平均化する(S316)。また、極大値平均化部224は、その極大値の時間間隔を偶数グループに関連付けて一時的にメモリ206に保持させると共に、偶数グループに関連付けてメモリ206に保持された過去所定数個(例えば10個)分の極大値の時間間隔を平均化する(S318)。
そして、表示制御部226は、極大値平均化ステップS312で平均化した、奇数グループの極大値の平均値と、極大値平均化ステップS316で平均化した、偶数グループの極大値の平均値と、時間間隔平均化ステップS314で平均化した、奇数グループの極大値の時間間隔の平均値と、時間間隔平均化ステップS318で平均化した、偶数グループの極大値の時間間隔の平均値とを、それぞれ表示部210に並置して表示させ(S320)、楽音信号取得ステップS300に戻る。
以上説明したように、本実施形態にかかる演奏支援方法においても、連続して弦を弾く場合、複数のグループ間で略等しい音量を出せているか否かを、また、複数のグループ間で略等しい時間間隔で音を発生させることができているか否か(特定の動作ごとに、略等しい時間間隔で弦を弾けているか否か)を、ユーザに容易に把握させることが可能となる。
(第2の実施形態:演奏支援装置400)
図8は、第2の実施形態にかかる演奏支援装置400の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図8に示すように、演奏支援装置400は、楽音信号取得部202と、包絡線検波部204と、メモリ206と、中央制御部408と、表示部210と、動作検知センサ410を含んで構成される。本実施形態において、中央制御部408は、極大値抽出部220、極大値平均化部224、表示制御部226としても機能する。
第1の実施形態における構成要素として既に述べた楽音信号取得部202、包絡線検波部204、メモリ206、表示部210、極大値抽出部220、極大値平均化部224、表示制御部226は、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する、動作検知センサ410を主に説明する。
動作検知センサ410は、楽音を発生するためのユーザの動作を検知する。動作検知センサ410は、例えば、(1)加速度センサ、(2)フォトセンサ、(3)振動検知センサ、(4)周波数検出部、等を用いることができる。以下、動作検知センサ410の具体的な構成について説明する。
(1.加速度センサ)
動作検知センサ410を加速度センサで構成する場合、ユーザが弦を弾く腕の手首等に加速度センサを装着させる。加速度センサは、加速度を検出するセンサであり、静止した状態において、重力に基づく加速度(1G)の検出軸方向の加速度成分の値(以下、単に重力加速度成分値と称する)を把握することができる。したがって、加速度センサの検出値が重力加速度成分値よりも小さくなった場合、ユーザの動作に基づく加速度が重力と反対の方向の加速度である、すなわち、ユーザの動作が鉛直方向上向きの動作であると判断できる。また、加速度センサの検出値が重力加速度成分値よりも大きくなった場合、ユーザの動作に基づく加速度が重力と同じ方向の加速度である、すなわち、ユーザの動作が鉛直方向下向きの動作であると判断できる。このように、動作検知センサ410として加速度センサを利用することにより、加速度のみによってダウンとアップとを容易に検知することができる。
(2.フォトセンサ)
動作検知センサ410をフォトセンサで構成する場合、撥弦楽器110に、複数のフォトセンサを設置する。フォトセンサは、光線を照射する発光素子と、発光素子から照射された光線を受光する受光素子とで構成される。フォトセンサは、発光素子によって照射された光線が、撥弦楽器110の弦と略平行になるように設置され、この光線を受光できる位置に受光素子が配置される。すなわち、フォトセンサは、発光素子と受光素子とを結ぶ結線が、撥弦楽器110の弦と略平行になるように、撥弦楽器110に設置される。ここでは、2つのフォトセンサ(第1のフォトセンサと第2のフォトセンサとする)を撥弦楽器110に設置する例について説明する。
フォトセンサの受光素子は、発光素子によって照射された光線を常時受光しているが、例えば、ユーザが弦を弾くと、ユーザの指や手等によって光線が遮られ、光線を受光できなくなる。そうすると、2つのフォトセンサにおける光線が遮られた順番から、ユーザがダウンで弾いているかと、アップで弾いているかと、を把握することができる。例えば、撥弦楽器110を演奏する状態において、第1のフォトセンサが第2のフォトセンサよりも鉛直方向上方に設置される場合、まず、第1のフォトセンサの受光素子が光線を受光できなくなり、次に第2のフォトセンサの受光素子が光線を受光できなくなると、ユーザがダウンで弾いたと検知する。このように、フォトセンサを鉛直方向に2以上並設することで、光線を遮断するタイミングに応じて、その動作が鉛直方向下向きの動作(ダウン)であるか鉛直方向上向きの動作(アップ)であるかも容易に検知することが可能となる。
(3.振動検知センサ)
撥弦楽器110がマンドリンの場合、動作検知センサ410を振動検知センサで構成することができる。図9は、振動検知センサ410aを説明するための説明図である。例えば、図9(b)に示すように、マンドリンは、略同一の音を発生する1組(2本)の弦(420aと420b、422aと422b、424aと424b、426aと426b)が、4コース(4組)並置された撥弦楽器である。マンドリンを用いたトレモロ奏法では、一般的に、弦を弾いた後、弾いた弦に隣接する弦を、弾いた手で押さえる(触れる)。このように弾いた弦に隣接する弦を押さえる(触れる)ことで、意図しない音が出るのを防ぐことが一般的である。なお、ここでの、弦を押さえる動作は、所望の音程の音を出すために、弦を弾く手と異なる手で、マンドリンの指板上において弦を押さえる動作とは異なる。例えば、図9(a)に示すように、ユーザが、ダウンの方向で、マンドリンの1組の弦を弦422a、弦422bを弾き、その弾いた手で、弾いた方向にある弦424aを押さえる(触れる)。そして、ユーザが、図9(a)に示すアップの方向に折り返し、マンドリンの1組の弦を弦422b、弦422aを弾き、その弾いた手で、弾いた方向にある弦420bを押さえる(触れる)。
そこで、弦420bと弦424aに振動検知センサ410aを接続する。そうすると、例えば、振動検知センサ410aは、弦424aを押止したときの振動と弦420bを押止した(触れた)ときの振動を検出することで、ユーザがダウンで弾いたときと、アップで弾いたときとを検知することができる。なお、ユーザが弦を押した(触れた)際に生じる振動は、弦を弾いたときの弦の振動よりも、極めて低い周波数となる。そのため、振動検知センサ410aは、ユーザが弦を押した(触れた)際に生じる振動を、弦を弾いたときに生じる振動と区別して検出することができる。
(4.周波数検出部)
撥弦楽器110がマンドリンの場合、動作検知センサ410を周波数検出部で構成することができる。この場合、周波数検出部は、楽音信号取得部202の後段に設けられる。上述したように、マンドリンは、略同一の音を発生する1組(2本)の弦(420aと420b、422aと422b、424aと424b、426aと426b)が、4コース並置された撥弦楽器である(図9(b)参照)。
そこで、ユーザが任意の1組の弦を弾くと、可聴範囲の周波数成分と、可聴範囲外の任意の周波数成分とのいずれの周波数成分も含まれる楽音信号が生じるように弦を形成する。さらに、1組の弦におけるそれぞれの弦に含まれる可聴範囲外の周波数成分が互いに異なるように各弦を形成する。
図10は、動作検知センサ410を周波数検出部とした場合の、動作検知センサ410の動作を説明するための説明図である。例えば、ユーザが、図9(b)に示す弦422aを弾くと、図10(a)の周波数スペクトルに示す、可聴範囲外の周波数成分Qを含む楽音信号が生じるように弦422aが形成され、弦422bを弾くと、図10(b)の周波数スペクトルに示す、可聴範囲外の周波数成分Rを含む楽音信号が生じるように弦422bが形成されている。
そして、周波数検出部が、ユーザが弦を弾くことで生じる楽音信号を取得し、フーリエ変換等を介して周波数解析すると、その周波数解析結果が、例えば、解析結果が図10(a)に示されるような周波数スペクトルで表される場合、周波数成分Qが含まれているので、この楽音信号は、弦422aを弾いたことによって得られる楽音信号であると判定する。また、例えば、周波数解析結果が、図10(b)に示されるような周波数スペクトルで表される場合、周波数成分Rが含まれているので、この楽音信号は、弦422bを弾いたことによって得られる楽音信号であると判定する。
したがって、周波数検出部は、周波数成分Qを含む楽音信号と周波数成分Rを含む楽音信号との取得間隔と、取得順番とに基づいて、ユーザがダウンで弾く場合と、アップで弾く場合とを検知することができる。
具体的に周波数検出部は、例えば、周波数成分Qを含む楽音信号と周波数成分Rを含む楽音信号の取得間隔が短く、かつ周波数成分Qを含む楽音信号、周波数成分Rを含む楽音信号の順で楽音信号を取得した場合は、ダウンで弾いたと判定し、周波数成分Qを含む楽音信号と周波数成分Rを含む楽音信号の取得間隔が長い場合、ダウンで弾くときとアップで弾くときとの間であると判定し、周波数成分Qを含む楽音信号と周波数成分Rを含む楽音信号の取得間隔が短く、かつ周波数成分Rを含む楽音信号、周波数成分Qを含む楽音信号の順で楽音信号を取得した場合は、アップで弾いたと判定する。
以上、動作検知センサ410の具体的な構成の例を説明したが、これに限定されず、楽音を発生するためのユーザの動作(例えばダウンで弾いたかアップで弾いたか)を検知できればよく、既存の様々な技術を利用することができる。
そして、中央制御部408の極大値平均化部224は、複数のグループとして、動作検知センサ410に検知されたユーザによる複数の特定の動作ごと、例えば、ダウンで弾く場合と、アップで弾く場合とで、それぞれ極大値を平均化する。また、中央制御部408の極大値平均化部224は、複数のグループとして、動作検知センサ410に検知されたユーザによる複数の特定の動作ごと、例えば、ダウンで弾く場合と、アップで弾く場合とで、それぞれ極大値の時間間隔を平均化する。
動作検知センサ410を備える構成により、特定の動作ごとに音量や時間間隔を、ユーザに客観的に把握させることができる。また、ユーザの動作を特定し、この動作ごとに音量や時間間隔を平均化して表示させることができるため、例えば、トレモロ奏法を行う場合、ダウンで弾いたときの音量とアップで弾いたときの音量のどちらで弾いた場合の音量が小さいか等をユーザに把握させることが可能となる。
(第3の実施形態:演奏支援装置600)
図11は、第3の実施形態にかかる演奏支援装置600の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図11に示すように、演奏支援装置600は、楽音信号取得部202と、包絡線検波部204と、メモリ206と、中央制御部608と、表示部210と、拍子報知部610を含んで構成される。本実施形態において、中央制御部608は、極大値抽出部220、極大値平均化部624、表示制御部226としても機能する。
第1の実施形態における構成要素として既に述べた楽音信号取得部202、包絡線検波部204、メモリ206、表示部210、極大値抽出部220、表示制御部226は、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する、拍子報知部610、極大値平均化部624を主に説明する。
拍子報知部610は、メトロノーム等で構成され、ユーザに拍子を報知する。また、拍子報知部610は、拍子を報知するタイミングを極大値平均化部624に出力する。
ここで、極大値平均化部624は、報知された拍子に基づいて、複数のグループを把握する。本実施形態において極大値平均化部624は、拍子を報知するタイミング付近に抽出された極大値および極大値の時間間隔を、複数のグループのうち1のグループとして平均化する。
例えば、極大値平均化部624は、拍子を報知するタイミング付近に抽出された極大値および極大値の時間間隔を奇数グループとし、この拍子を報知するタイミング付近で抽出された極大値および極大値の時間間隔の次に抽出された極大値および極大値の時間間隔を偶数グループとし、さらにまたその次に抽出された極大値および極大値の時間間隔を奇数グループとする。そして極大値平均化部624は、奇数グループとされた極大値と、極大値の時間間隔をそれぞれ平均化し、偶数グループとされた極大値と、極大値の時間間隔をそれぞれ平均化する。なお、拍子は、複数のグループのうちいずれか1のグループを特定するための基準であって、極大値平均化部624は、拍子の数を参照するわけではない。
そして、表示制御部226は、拍子を報知するタイミング付近に抽出された奇数グループの極大値を含んだ平均値と、偶数グループの極大値の平均値とを別々に表示部210に表示させる。この際、表示制御部226は、拍子を報知するタイミング付近に抽出された極大値を含んだ平均値(ここでは、奇数番目の極大値を含んだ平均値)とともに、その平均値が拍子を報知するタイミング付近のものであることを示すマークを表示させる。
拍子報知部610を備える構成により、拍子報知部610が報知する拍子に、ユーザが特定の動作を同期させることで、拍子付近に発生する極大値を特定の動作に対応付けることができる。例えば、トレモロ奏法を行う場合、拍子報知部610が報知する拍子に合わせて、ユーザがダウンで弾けば、極大値抽出部220が抽出する、奇数番目の極大値は、ダウンに基づく音量となり、偶数番目の極大値は、アップに基づく音量となる。
また、表示制御部226が、拍子を報知するタイミング付近に抽出された極大値を含んだ平均値とともに、その平均値が拍子を報知するタイミング付近のものであることを示すマークを表示させる構成により、ユーザは、表示部210を視認するだけで、拍子に同期させた特定の動作を特定することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、演奏支援装置200、400、600の楽音信号取得部202は、別体の収音装置120が収音した楽音を変換した楽音信号を取得するとしたが、これに限定されず、演奏支援装置自体に収音装置120の機能を設けることもできる。
なお、本明細書の演奏支援方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、撥弦楽器を用いた演奏を支援する演奏支援装置および演奏支援方法に利用することができる。
200、400、600 …演奏支援装置
202 …楽音信号取得部
204 …包絡線検波部
210 …表示部
220 …極大値抽出部
222 …計数部
224、624 …極大値平均化部
226 …表示制御部
410 …動作検知センサ
610 …拍子報知部

Claims (12)

  1. 楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部と、
    取得された前記楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部と、
    検波された前記包絡線信号の極大値を抽出する極大値抽出部と、
    抽出された前記極大値を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する極大値平均化部と、
    平均化された、前記グループごとの極大値に基づく表示を表示部に実行させる表示制御部と、
    を備えることを特徴とする演奏支援装置。
  2. 楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部と、
    取得された前記楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部と、
    検波された前記包絡線信号の極大値を抽出し、1つ前の極大値との時間間隔を導出する極大値抽出部と、
    導出された時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する極大値平均化部と、
    平均化された、前記グループごとの時間間隔に基づく表示を表示部に実行させる表示制御部と、
    を備えることを特徴とする演奏支援装置。
  3. 楽音を変換した楽音信号を取得する楽音信号取得部と、
    取得された前記楽音信号から包絡線信号を検波する包絡線検波部と、
    検波された前記包絡線信号の極大値に隣接する2つの極小値間の包絡線信号の積分値である極大面積を導出する極大値抽出部と、
    導出された前記極大面積を、複数のグループごとにそれぞれ平均化する前記極大値平均化部と、
    平均化された、前記グループごとの極大面積に基づく表示を表示部に実行させる表示制御部と、
    を備えることを特徴とする演奏支援装置。
  4. 前記極大値抽出部が抽出した前記包絡線信号の極大値の到来数を計数する計数部をさらに備え、
    前記極大値平均化部は、計数された値に基づく複数のグループごとに、極大値、極大面積、または極大値の時間間隔を平均化することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の演奏支援装置。
  5. 計数された値に基づく前記複数のグループは、計数された前記値が奇数である場合における極大値に対応するグループと、計数された前記値が偶数である場合における極大値に対応するグループであることを特徴とする請求項4に記載の演奏支援装置。
  6. 前記楽音を発生するためのユーザの動作を検知する動作検知センサをさらに備え、
    前記複数のグループは、前記動作検知センサの出力に基づくグループであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の演奏支援装置。
  7. 拍子を報知する拍子報知部をさらに備え、
    前記複数のグループは、前記拍子に基づくグループであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の演奏支援装置。
  8. 前記表示制御部は、前記複数のグループ間における、前記平均化された極大値、前記平均化された極大面積、または、前記平均化された極大値の時間間隔の差分をユーザが把握できる態様で表示部に表示させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の演奏支援装置。
  9. 前記極大値抽出部は、検波された前記包絡線信号の極大値を抽出し、1つ前の極大値との時間間隔を導出し、
    前記極大値平均化部は、導出された時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均化し、
    前記表示制御部は、前記複数のグループ間における、前記平均化された極大値、および、前記平均化された極大値の時間間隔の差分を、ユーザが把握できる態様で表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の演奏支援装置。
  10. 楽音を変換した楽音信号を取得し、
    取得した前記楽音信号から包絡線信号を検波し、
    検波した前記包絡線信号の極大値を抽出し、
    抽出した極大値を、複数のグループごとにそれぞれ平均化し、
    平均化した、前記グループごとの極大値に基づく表示を表示部に実行させること特徴とする演奏支援方法。
  11. 楽音を変換した楽音信号を取得し、
    取得した前記楽音信号から包絡線信号を検波し、
    検波した前記包絡線信号の極大値を抽出し、1つ前の極大値との時間間隔を導出し、
    導出した時間間隔を、複数のグループごとにそれぞれ平均し、
    平均化した、前記グループごとの時間間隔に基づく表示を表示部に実行させることを特徴とする演奏支援方法。
  12. 楽音を変換した楽音信号を取得し、
    取得した前記楽音信号から包絡線信号を検波し、
    検波した前記包絡線信号の極大値に隣接する2つの極小値間の包絡線信号の積分値である極大面積を導出し、
    導出した極大面積を、複数のグループごとにそれぞれ平均し、
    平均化した、前記グループごとの極大面積に基づく表示を表示部に実行させることを特徴とする演奏支援方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110910712A (zh) * 2019-12-06 2020-03-24 中国美术学院 一种基于ar的古筝辅助教学系统及方法

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