JP2012057565A - 高速増殖炉用1次主循環ポンプ及び対流防止機構の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、腐食に対して留意した、或いは、確実に内側のケーシングの引き抜きおよび差込みが可能な対流防止機構を有する信頼性の高い高速増殖炉用1次主循環ポンプを提供し、また、前記対流防止機構の製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、ポンプ部を覆いさらに上方に伸びる外側円筒ケーシングと、前記外側円筒ケーシングの内側に設けられた内側円筒ケーシングとで構成される二重円筒ケーシングの内部に充満する不活性ガスの対流を防止する対流防止機構を有する高速増殖炉用1次主循環ポンプにおいて、前記対流防止機構は前記二重円筒ケーシングのどちらか一方に固定され格子状に凹凸形状を有する凹凸部と、前記凹凸部と前記二重円筒ケーシングのうち前記凹凸部が固定されていない円筒ケーシングとの間の間隙とを有することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】本発明は、ポンプ部を覆いさらに上方に伸びる外側円筒ケーシングと、前記外側円筒ケーシングの内側に設けられた内側円筒ケーシングとで構成される二重円筒ケーシングの内部に充満する不活性ガスの対流を防止する対流防止機構を有する高速増殖炉用1次主循環ポンプにおいて、前記対流防止機構は前記二重円筒ケーシングのどちらか一方に固定され格子状に凹凸形状を有する凹凸部と、前記凹凸部と前記二重円筒ケーシングのうち前記凹凸部が固定されていない円筒ケーシングとの間の間隙とを有することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、高速増殖炉用1次主循環ポンプに係わり、特に二重円筒ケーシングを備えた高速増殖炉用1次主循環ポンプの対流防止機構に関する。
高速増殖炉プラントは、特開2002−341080号公報(特許文献1)に記載されているように、原子炉容器と中間熱交換器の間で一次系冷却材である1次ナトリウムを循環させる一次冷却系、中間熱交換器と蒸気発生器の間で二次系冷却材である2次ナトリウムを循環させる二次冷却系、蒸気発生器で発生した蒸気を主蒸気配管により高圧タービン及び低圧タービンに供給し、低圧タービンから排出された蒸気を復水器で凝縮することによって生じた給水を給水配管により蒸気発生器に戻す給水・主蒸気系の三系統を備えている。給水配管には、複数の給水加熱器及び給水ポンプが設けられている。高圧タービン及び低圧タービンは蒸気によって回転され、高圧タービン及び低圧タービンに連結された発電機が駆動されて発電される。
特開2002−341080号公報に記載された高速増殖炉プラントは、ループ型の高速増殖炉プラントである。ループ型の高速増殖炉プラントは、炉心を内蔵する原子炉容器、中間熱交換器及び一次主循環ポンプを一次冷却系配管によって接続すると共に、中間熱交換器、蒸気発生器及び二次主循環ポンプを二次冷却系配管によって接続しているので、構造を単純化することができ、各機器間の冷却材の移動及び荷重の伝達が配管を介してのみ行われる。
特公昭61−46672号公報(特許文献2)に記載されたループ型高速増殖炉プラントの1次主循環ポンプの構造は、中央に回転軸が垂直に設置され、その外側に円筒状の内側ケーシングと外側ケーシングで構成される二重ケーシングが設置されている。回転軸は、上部及び下部で軸受により支えられ、軸受の下側に羽根車が取り付けられ、羽根車取り付け部分の下側垂直に吸込口が、横側水平に吐出口が設置されている。吸込口から羽根車に流入したナトリウムが羽根車の回転により昇圧され吐出口に流出し、一次冷却配管を循環する。ナトリウムの一部は軸受の隙間より、ケーシング内部に入り込みケーシング内部に自由液面を形成する。ケーシング内の液体金属の液面より上側の空間には不活性ガスが充満されている。また内側ケーシングと外側ケーシングの間の円筒状空間にも液面と不活性ガスの充満された空間があるが、その円筒状空間を周方向に4つに分割するように自然対流防止板が垂直に設置されている。
さらに特開昭60-8491号公報(特許文献3)によると、液面から上部範囲の不活性ガスによる自然対流を防止し、自然対流によるケーシング周方向温度差の発生を軽減させるため、内側ケーシングの外周には薄板構造の自然対流防止板を上下に間隔をおいて複数段固定されており、各自然対流防止板の先端は外側ケーシングの円周面に接触している。
二重ケーシング内は、下面は高温ナトリウム液面、上面は常温の構造物、側面は断熱材で囲まれた密閉空間になるので、自然対流により温度分布が生じる。軸方向に対する垂直な断面で周方向の温度分布が大きくなると、二重ケーシングが変形する可能性があるため、特許文献2、3のような従来の技術では、薄板構造の自然対流防止板を前記二重ケーシング空間が周方向に4つに分割されるように、また軸方向の上下に間隔をおいて複数段設置することによって大きな自然対流を分割し、温度偏差を低減させ二重ケーシングの熱変形を防止している。
しかしながら、ポンプの運転において流量によって液位が変化する。液位下の高温ナトリウム中に対流防止板が設置されている場合には、高温ナトリウムにより腐食に留意した設計が必要となる。
また内側のケーシングの引き抜きおよび差込みの際に、内側ケーシングに溶接された対流防止板が外側ケーシングと摩耗を引き起こすため、対流防止板と内側ケーシングの溶接部の強度を高める必要がある。
また内側のケーシングの引き抜きおよび差込みの際に、内側ケーシングに溶接された対流防止板が外側ケーシングと摩耗を引き起こすため、対流防止板と内側ケーシングの溶接部の強度を高める必要がある。
本発明はかかる技術的な課題を解決するためになされたもので、本発明の第1の目的は、腐食に対して留意した、或いは、確実に内側のケーシングの引き抜きおよび差込みが可能な対流防止機構を有する信頼性の高い高速増殖炉用1次主循環ポンプを提供することである。
本発明の第2の目的は、第1の目的を達成する対流防止機構の製造方法を提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するために少なくとも以下の特徴を有する。
本発明は、羽根車、吸込口及び吐出口を有するポンプ部と、このポンプ部を覆いさらに上方に伸びる外側円筒ケーシングと、前記外側円筒ケーシングの内側に設けられた内側円筒ケーシングと、前記内外の二重円筒ケーシングの中心軸線上に設けられ前記羽根車を回転させる回転軸と、前記二重円筒ケーシングの内部に充満する不活性ガスの対流を防止する対流防止機構とを有する高速増殖炉用1次主循環ポンプにおいて、前記対流防止機構は、前記二重円筒ケーシングのどちらか一方に固定され、格子状に凹凸形状を有する凹凸部と、前記凹凸部と前記二重円筒ケーシングのうち前記凹凸部が固定されていない円筒ケーシングとの間の間隙と、を有することを第1の特徴とする。
本発明は、羽根車、吸込口及び吐出口を有するポンプ部と、このポンプ部を覆いさらに上方に伸びる外側円筒ケーシングと、前記外側円筒ケーシングの内側に設けられた内側円筒ケーシングと、前記内外の二重円筒ケーシングの中心軸線上に設けられ前記羽根車を回転させる回転軸と、前記二重円筒ケーシングの内部に充満する不活性ガスの対流を防止する対流防止機構とを有する高速増殖炉用1次主循環ポンプにおいて、前記対流防止機構は、前記二重円筒ケーシングのどちらか一方に固定され、格子状に凹凸形状を有する凹凸部と、前記凹凸部と前記二重円筒ケーシングのうち前記凹凸部が固定されていない円筒ケーシングとの間の間隙と、を有することを第1の特徴とする。
また、本発明は、前記凹凸形状は前記二重円筒ケーシングの側面・断面から見て滑らかな曲線を有することを第2の特徴とする。
さらに、本発明は、前記凹凸形状は前記二重円筒ケーシングの側面・断面から見て矩形形状を有することを第3の特徴とする。
さらに、本発明は、前記凹凸形状は前記二重円筒ケーシングの側面・断面から見て矩形形状を有することを第3の特徴とする。
また、本発明は、前記凹凸部は外側ケーシングに固定されていることを第4の特徴とする。
さらに、本発明は、前記凹凸部は内側ケーシングに固定されていることを第5の特徴とする。
さらに、本発明は、前記凹凸部は内側ケーシングに固定されていることを第5の特徴とする。
また、本発明は、前記凹凸部は前記二重円筒ケーシング内部全体に設けられていることを第6の特徴とする。
さらに、本発明は、前記外側ケーシング内のナトリウムの自由液面の上限以上の範囲に設けたことを第7の特徴とする。
また、本発明は、前記二重円筒ケーシングと前記凹凸部をオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)で構成したことを第8の特徴とする。
さらに、本発明は、前記外側ケーシング内のナトリウムの自由液面の上限以上の範囲に設けたことを第7の特徴とする。
また、本発明は、前記二重円筒ケーシングと前記凹凸部をオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)で構成したことを第8の特徴とする。
さらに、本発明は、前記凹凸部は、前記2重ケーシングのうち前記凹凸部を固定しているケーシングと同様な板をプレス加工して、前記凹凸部の表面を形成し、前記凹凸部37の表面と前記ケーシングで構成される中空部分にSUS304を補充して前記凹凸部37を製造することを第9の特徴とする。
本発明によれば、腐食に対して留意した、或いは、確実に内側のケーシングの引き抜きおよび差込みが可能な対流防止機構を有する信頼性の高い高速増殖炉用1次主循環ポンプを提供できる。
また、本発明によれば、上記の対流防止機構の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、上記の対流防止機構の製造方法を提供できる。
本実施形態の高速増殖炉型原子力発電システムは、図1に示すように、原子炉容器2と、原子炉容器2内に収納された核分裂性物質を含む炉心1と、ホットレグ5a及びコールドレグ5bとから成る一次冷却系配管5と、中間熱交換器3と、一次主循環ポンプ4と、中間熱交換器3に2次系冷却材を供給する2次冷却系配管8と、2次冷却系配管8内の2次系冷却材を循環させる2次主循環ポンプ7と、2次冷却系配管8に接続された蒸気発生器6と、蒸気発生器6にて発生した蒸気を高圧タービン10a及び低圧タービン10bに送る主蒸気系配管9aと、仕事を終えた蒸気を復水器12にて凝縮した水を蒸気発生器6に戻す給復水系配管9bと、高圧タービン10a及び低圧タービン10bの軸に連結された発電機11と、復水器12の下流側で給復水系配管9bに連結された給水ポンプ13及び給水加熱器14とから主に構成されている。
また、中間熱交換器3内には、崩壊熱除去系熱交換器15が設置される。原子炉容器1内には、崩壊熱除去系熱交換器16が設置され、これらの各崩壊熱除去系熱交換器15、16からの崩壊熱は、崩壊熱除去系冷却材を封入した崩壊熱除去系配管18に連結されて、自然循環により上部に設置された空気冷却器17から外部へ放熱される。この空気冷却器17はファンを用いた強制冷却方式でもファン無しの自然冷却方式でも良い。
なお、図1には図示を省略しているが、この高速増殖炉型原子力発電システムには、1次冷却系配管5以降の各機器が2系統備えられている。
なお、図1には図示を省略しているが、この高速増殖炉型原子力発電システムには、1次冷却系配管5以降の各機器が2系統備えられている。
本実施形態の高速増殖炉型原子力発電システムは、炉心1にて加熱された1次系冷却材を中間熱交換器3に通して2次系冷却材を加熱すると共に、この2次系冷却材を蒸気発生器6に通して発生した蒸気を、主蒸気系配管9aに供給し、この蒸気を高圧タービン10a及び低圧タービン10bに導いて、発電機11により発電を行う。仕事に使用された蒸気は、復水器12で凝縮されて水となり、その後、給水ポンプ13及び給水加熱器14を通ってそれぞれ加熱及び昇圧され、再び蒸気発生器6に給水される。
以下、実施形態に係る高速増殖炉用1次主循環ポンプについて説明する。図2は従来の高速増殖炉用1次主循環ポンプを示した図である。図2の左図は中央側面図であり、右図は左図におけるAA'断面矢視図である。図2に示すように、1次主循環ポンプ4の構造は、中央に回転軸21が垂直に設置され、その外側に円筒状の内側ケーシング25と外側ケーシング24で構成される二重ケーシングが設置されている。回転軸21は、上部及び下部で軸受により支えられ、モーター19より駆動する。二重ケーシングと回転軸21の間のナトリウム漏れを防止するために軸封装置20が設けられている。下部に用いられている静圧軸受29の下側に羽根車30が取り付けられ、羽根車30取り付け部分の下側垂直に吸込口33が、横側水平に吐出口35が設置されている。ナトリウムの流れ34として、吸込口33から羽根車30に流入したナトリウムが羽根車30の回転により昇圧され吐出口35に流出し、図1に示す一次冷却系配管5を循環する。羽根車30からナトリウ流出入する羽根車周りの流路31とケーシング内部32のナトリウムを区切るためベアリングハウジング28が設置されている。羽根車30から流出入するナトリウムの一部は静圧軸受の隙間27a、27bより、ケーシング内部32に入り込みケーシング内部32に自由液面26を形成する。ケーシング内部32のナトリウムの自由液面26より上側の空間には不活性ガスが充満されている。
ポンプ運転時には二重ケーシング内部22は、下面は高温ナトリウム液面、上面は常温の構造物、側面は断熱材で囲まれた密閉空間になるので、図3の模式図に示されるように、不活性ガスは自然対流を形成し、上昇流36a、下降流36bにより温度分布が生じる。軸方向に対する垂直な断面で周方向の温度分布が大きくなると、二重ケーシングが変形する可能性がある。
本実施形態の係る高速増殖炉用主循環ポンプの対流防止機構は、高速増殖炉型原子力発電システムに使用されるもので、このような大きな自然対流によりケーシング変形を防止するために、図2に示す従来の対流防止機構は、二重ケーシング内部22において、内側ケーシング25に溶接された対流防止板23の先端が外側ケーシング24に接触するようにして設けられた対流防止板23である。
図4は本発明の高速増殖炉用1次主循環ポンプ4の第1の実施例1を示す図である。実施例1の高速増殖炉用1次主循環ポンプ4Aは、対流防止機構40A以外は図2と同じである。それ故、図4では、説明の差し障りの範囲において、図2と同じ機構を有するものの符号の多くは省略している。また、図4の左図及び右図は、図2と同様に、中央側面図及び左図におけるAA'断面矢視図を示す。
本実施例1の対流防止機構40Aは、図4に示すように、外側ケーシング24の二重ケーシング内部22側の表面上に格子状に凹凸形状37a、37bを有する凹凸部37と、凹凸部37の凸部先端と内側ケーシング25の間に設けた間隙39とで構成される。図4の左図に示す外側ケーシング24の内側表面上の凹凸形状37aは側面から見た形状で、図4の右図に示す凹凸形状37bはAA‘断面からの矢視方向に見た形状である。凹凸形状37a、37bは、例えばsinカーブのような滑らかな曲線により構成されている。
また、凹凸部37並びに外側ケーシング24及び内側ケーシング25の材料に、ナトリウムと共存性のよいオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)を用いる。さらに、外側ケーシング24と同様な板をプレス加工して、凹凸部37の表面を形成し、凹凸部37の表面を有する板と外側ケーシング24で構成される中空部分にSUS304を補充し、凹凸部37を製造する。
本実施例1の対流防止機構40Aによれば、形状の表面に沿うコアンダ現象により、大きな自然対流を軸方向の小さな自然対流38aに分割できる。その結果、軸方向に垂直な断面における大きな自然対流に伴う上昇、下降流れを分断できるので、周方向位置の温度偏差は低減でき、二重ケーシングの熱変形を回避できる。
同様に、断面方向から見た前記外側ケーシングの内側表面上に凹凸な形状38bにより、周方向に対する大きな自然対流も分割できるので、温度偏差を低減でき、二重ケーシングの熱変形を回避できる。
また、凹凸形状37a、37bを滑らかな曲線にすることで、さらに形状の表面に沿うコアンダ現象が強まり、さらに温度偏差の低減を促進させ二重ケーシングの熱変形をさらに回避できる。
また、凹凸形状37a、37bを滑らかな曲線にすることで、さらに形状の表面に沿うコアンダ現象が強まり、さらに温度偏差の低減を促進させ二重ケーシングの熱変形をさらに回避できる。
さらに、本実施例1の対流防止機構40Aによれば、ポンプの運転上、流量によって自由液面26が変化する場合においても、内側ケーシング25と対流防止板23の溶接部が無いため、溶接部による腐食の影響をなくし、全体としての腐食の影響を緩和できる。
さらにまた、本実施例1の対流防止機構40Aによれば、対流防止機構は内側ケーシング25との間に間隙39があるため、内側ケーシングの引き抜きおよび差込みが容易になる。
さらにまた、本実施例1の対流防止機構40Aによれば、対流防止機構は内側ケーシング25との間に間隙39があるため、内側ケーシングの引き抜きおよび差込みが容易になる。
従って、本実施例1の対流防止機構40Aよれば、確実に自然対流に伴う温度偏差を低減し二重ケーシングの熱変形を回避でき、内側ケーシングと外側ケーシングと摩耗をなくし、内側ケーシングの引き抜きおよび差込みが容易な、さらに腐食に対して留意した信頼性の高い高速増殖炉用1次主循環ポンプを提供できる。
図5は本発明の高速増殖炉用1次主循環ポンプの第2の実施例2を示す図である。実施例2の高速増殖炉用1次主循環ポンプ4Bは、対流防止機構40B以外は図2と同じである。それ故、図5においても、説明の差し障りの範囲において、図2と同じ機構を有するものの符号の多くは省略している。また、図5の左図及び右図は、図2と同様に、中央側面図及び左図におけるAA'断面矢視図を示す。
本実施例2の対流防止機構40Bが実施例1の対流防止機構40Aと異なる点は、実施例1とは逆に、内側ケーシング25の内側表面上に凹凸部37を設け、凹凸部37の凸部先端と外側ケーシング25の間隙39で構成されている。
なお、凹凸部37の形状、間隔等は実施例1と変えてもよいが、ここでは実施例1と同じとして同じ符号を付している。
なお、凹凸部37の形状、間隔等は実施例1と変えてもよいが、ここでは実施例1と同じとして同じ符号を付している。
本実施例2の対流防止機構40Bにおいても、実施例1の対流防止機構40Aと同様な効果を奏することができる。
図6は本発明の高速増殖炉用1次主循環ポンプの第3の実施例3を示す図である。実施例3の高速増殖炉用1次主循環ポンプ4Cは、対流防止機構40C以外は図2と同じである。それ故、図6においても、説明の差し障りの範囲において、図2と同じ機構を有するものの符号の多くは省略している。また、図6の左図及び右図は図2と同様に、中央側面図及び左図におけるAA'断面矢視図を示す。
本実施例3の対流防止機構40Cが実施例1の対流防止機構40Aと異なる点は、実施例1の凹凸部37が滑らかな曲線の凹凸形状37a、37bを有しているのに対し、凹凸部41の凹凸形状が矩形形状41a、41bを有している点である。
図7は本発明の高速増殖炉用1次主循環ポンプの第4の実施例4を示す図である。実施例4の高速増殖炉用1次主循環ポンプ4Dは、対流防止機構40D以外は図2と同じである。それ故、図7においても、説明の差し障りの範囲において、図2と同じ機構を有するものの符号の多くは省略している。また、図6の左図及び右図は、図2と同様に、中央側面図及び左図におけるAA'断面矢視図を示す。
本実施例4の対流防止機構40Dは、実施例3の対流防止機構40Cと異なる点は、実施例3の対流防止機構40Cは外側ケーシングに矩形形状41a、41bを有する凹凸部41を設けているに対し、内側ケーシング24に矩形形状41a、41bを有する凹凸部41を設けている点である。
実施例3、実施例4のそれぞれの対流防止機構40C、40Dにおいても、滑らかな曲線を有する凹凸部37による温度偏差の低減の促進効果はやや低下するが、その他の効果は実施例1、実施例2の対流防止機構40A、40Bとそれぞれ同様な効果を奏することができる。
以上の対流防止機構の実施例において、凹凸部は、2重ケーシング内部22全体に設けたが、周方向位置の温度偏差の低減効果に差支えない範囲内に設けてもよい。例えば、上下方向に関しては、自由液面26の上限以上の範囲のみに設けたり、周方向に関しては、90度の位置に上下方向に数列ずつ設けたりしてもよい。
1:炉心 2:原子炉容器
3:中間熱交換器
4、4A、4B、4C、4D:1次主循環ポンプ
5:1次系冷却配管 5a:ホットレグ配管
5b:コールドレグ配管 6:蒸気発生器
7:2次主循環ポンプ 8:2次冷却系配管
9:給復水・主蒸気系配管 9a:主蒸気系配管
9b:給復水系配管 10a:高圧タービン
10b:低圧タービン 11:発電機
12:復水器 13:給水ポンプ
14:給水加熱器
15:中間熱交換器内の崩壊熱除去系熱交換器
16:原子炉容器内の崩壊熱除去系熱交換器
17:空気冷却器 18:崩壊熱除去系配管
19:モーター 20:軸封装置
21:回転軸 22:二重ケーシング内部
23:対流防止板 24:外側ケーシング
25:内側ケーシング 26:自由液面
27a、27b:静圧軸受の間隙 28:ベアリングハウジング
29:静圧軸受 30:羽根車
31:羽根車周りの流路 32:ケーシング内部
33:吸込口 34:ナトリウム流れ
35:吐出口 36a:上昇流
36b:下降流
37:実施例1,2における対流防止機構の凹凸部
37a:側面から見た凹凸部の形状 37b:断面から見た凹凸部の形状
38a:側面から見た小さい自然対流
38b:断面から見た小さい自然対流
39:内側ケーシングと凹凸部の凸部との間隙
40A,40B、40C、40D:本発明の実施例である対流防止機構
41:実施例3、4における対流防止機構の凹凸部
41a:側面から見た凹凸部の形状 41b:断面から見た凹凸部の形状。
3:中間熱交換器
4、4A、4B、4C、4D:1次主循環ポンプ
5:1次系冷却配管 5a:ホットレグ配管
5b:コールドレグ配管 6:蒸気発生器
7:2次主循環ポンプ 8:2次冷却系配管
9:給復水・主蒸気系配管 9a:主蒸気系配管
9b:給復水系配管 10a:高圧タービン
10b:低圧タービン 11:発電機
12:復水器 13:給水ポンプ
14:給水加熱器
15:中間熱交換器内の崩壊熱除去系熱交換器
16:原子炉容器内の崩壊熱除去系熱交換器
17:空気冷却器 18:崩壊熱除去系配管
19:モーター 20:軸封装置
21:回転軸 22:二重ケーシング内部
23:対流防止板 24:外側ケーシング
25:内側ケーシング 26:自由液面
27a、27b:静圧軸受の間隙 28:ベアリングハウジング
29:静圧軸受 30:羽根車
31:羽根車周りの流路 32:ケーシング内部
33:吸込口 34:ナトリウム流れ
35:吐出口 36a:上昇流
36b:下降流
37:実施例1,2における対流防止機構の凹凸部
37a:側面から見た凹凸部の形状 37b:断面から見た凹凸部の形状
38a:側面から見た小さい自然対流
38b:断面から見た小さい自然対流
39:内側ケーシングと凹凸部の凸部との間隙
40A,40B、40C、40D:本発明の実施例である対流防止機構
41:実施例3、4における対流防止機構の凹凸部
41a:側面から見た凹凸部の形状 41b:断面から見た凹凸部の形状。
Claims (9)
- 羽根車、吸込口及び吐出口を有するポンプ部と、このポンプ部を覆いさらに上方に伸びる外側円筒ケーシングと、前記外側円筒ケーシングの内側に設けられた内側円筒ケーシングと、前記内外の二重円筒ケーシングの中心軸線上に設けられ前記羽根車を回転させる回転軸と、前記二重円筒ケーシングの内部に充満する不活性ガスの対流を防止する対流防止機構とを有する高速増殖炉用1次主循環ポンプにおいて、
前記対流防止機構は、前記二重円筒ケーシングのどちらか一方に固定され、格子状に凹凸形状を有する凹凸部と、前記凹凸部と前記二重円筒ケーシングのうち前記凹凸部が固定されていない円筒ケーシングとの間の間隙と、を有することを特徴とする高速増殖炉用1次主循環ポンプ。 - 前記凹凸形状は前記二重円筒ケーシングの側面・断面から見て滑らかな曲線を有することを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 前記凹凸形状は前記二重円筒ケーシングの側面・断面から見て矩形形状を有することを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 前記凹凸部は外側ケーシングに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 前記凹凸部は内側ケーシングに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 前記凹凸部は前記二重円筒ケーシング内部全体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 前記凹凸部は、前記外側ケーシング内のナトリウムの自由液面の上限以上の範囲に設けたことを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 前記二重円筒ケーシングと前記凹凸部とをオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)で構成したことを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉用1次主循環ポンプ。
- 請求項8に記載の前記凹凸部は、前記2重ケーシングのうち前記凹凸部を固定しているケーシングと同様な板をプレス加工して、前記凹凸部の表面を形成し、前記凹凸部37の表面と前記ケーシングで構成される中空部分にSUS304を補充して前記凹凸部37を製造することを特徴とする対流防止機構の製造方法。
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JPS59123694U (ja) * | 1983-02-09 | 1984-08-20 | 動力炉・核燃料開発事業団 | 垂直間隙部の対流防止機構 |
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JPS59123694U (ja) * | 1983-02-09 | 1984-08-20 | 動力炉・核燃料開発事業団 | 垂直間隙部の対流防止機構 |
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CN114950327A (zh) * | 2022-06-24 | 2022-08-30 | 江苏博汇纸业有限公司 | 一种纸张用丁苯胶乳制备反应釜 |
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