JP2012054362A - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より効率的な処理により、欠陥箇所にパターンが描画されにくくすることが可能な描画装置を提供する。
【解決手段】描画装置100は、描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、配置されるパターンの面積密度を算出する面積密度算出部64と、試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、試料の配置位置を回転させて、欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる試料の配置方向を探索する探索部65と、探索された欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる試料の配置方向になるように試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する描画部150と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、欠陥を有する基板に電子ビームを用いてパターンを描画する装置および方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図15は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
描画対象となるマスク基板等の試料に存在する欠陥を完全に除去すること(ゼロにすること)は非常に困難であり、数個の欠陥については許容しないと基板コストの観点から成り立たないと言われている。欠陥箇所にパターンが転写されないように、予め欠陥箇所を測定しておいた基板に対して、描画情報と欠陥情報から描画の際に基板の向きを変更する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−8738号公報
上述したように、予め欠陥箇所を測定しておいた基板に対して、描画情報と欠陥情報とから欠陥箇所にパターンが転写されないように基板の向きを変更して描画することは机上の概念として有効かと思われる。しかしながら、昨今のパターンの微細化に伴い、描画情報に定義されるパターン情報は膨大であり(ショット数に換算した場合に例えば1T(テラ)個)になっている。そのため、描画情報からパターンと欠陥箇所との重なり関係を計算する露光シミュレーションをマスク基板全面に対して行うには、その計算時間が膨大となる。よって、実用的な時間内で基板の向きを回転させた例えば4方位すべての露光シミュレーションを描画前に行なうことは困難となっている。
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、より効率的な処理により、欠陥箇所にパターンが描画されにくくすることが可能な描画装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、配置されるパターンの面積密度を算出する面積密度算出部と、
試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、試料の配置位置を回転させて、欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる試料の配置方向を探索する探索部と、
探索された欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる試料の配置方向になるように試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
メッシュ状の小領域毎のパターン面積密度を用いることで、描画情報から得られるパターン情報を用いる場合に比べて計算時間を大幅に短縮できる。
また、試料として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)露光用のEUVマスク基板が用いられ、
EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合におけるEUVマスク基板の表面の歪みに関する歪み情報を記憶する記憶部と、
探索された試料の配置方向に合うように、歪み情報が示す歪みの位置を回転させる歪み位置回転部と、
回転させられた位置での歪みによるパターンの位置ずれを補正する補正部と、
をさらに備えると好適である。
或いは、試料として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)露光用のEUVマスク基板が用いられ、
EUVマスク基板を配置する複数の配置方向の配置方向毎に、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合におけるEUVマスク基板の表面の歪みに関する歪み情報をそれぞれ記憶する記憶部と、
配置方向毎の歪み情報の中から、探索された試料の配置方向の歪み情報を選択する選択部と、
選択された配置方向の歪み情報が示す歪みによるパターンの位置ずれを補正する補正部と、
をさらに備えるように構成しても好適である。
本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、照射量を算出する照射量分布算出部と、
試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、試料の配置位置を回転させて、欠陥箇所と重なる小領域の照射量が最小となる試料の配置方向を探索する探索部と、
探索された欠陥箇所と重なる小領域の照射量が最小となる試料の配置方向になるように試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、配置されるパターンの面積密度を算出する工程と、
試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、試料の配置位置を回転させて、欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる試料の配置方向を探索する工程と、
探索された欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる試料の配置方向になるように試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、より効率的に欠陥箇所にパターンが描画されにくくすることができる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における各基板配置方向における欠陥位置とパターンの位置関係の一例を示す概念図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるIDが形成された基板の一例を示す概念図である。 実施の形態1におけるメッシュ領域と欠陥位置との一例を示す概念図である。 実施の形態1における描画装置内での基板の搬送経路の一例を示す概念図である。 実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態2における欠陥が存在するEUVマスクの一例を示す断面概念図である。 実施の形態1における描画対象となる基板の断面概念図である。 実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態2におけるEUVマスクでの反射の様子を説明するための概念図である。 実施の形態2におけるEUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合におけるEUVマスク基板の表面の歪みを説明するための概念図である。 実施の形態3における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態3における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、可変成形型の描画装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。ここでは、特に、可変成形型の電子ビーム描画装置の一例を示している。描画装置100は、描画部150、制御部160、搬出入口(I/F)120、ロードロック(L/L)チャンバ130、ロボット(R)チャンバ140、アライメント(ALN)チャンバ146、及び真空ポンプ170を備えている。そして、描画装置100は、電子ビーム200を用いて、基板101に所望するパターンを描画する。描画対象となる基板101として、例えば、EUV光を使用して半導体ウェハにパターンを転写するマスク基板のマスクブランクスが含まれる。
描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を有している。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置されている。また、描画室103内には、移動可能に配置されたXYステージ105が配置されている。パターンを描画する際には、XYステージ105上に複数の支持ピン106(保持部の一例)が昇降可能に配置され、支持ピン106上に基板101が載置される。また、搬出入口120内には、基板101を搬送する搬送ロボット122が配置されている。ロボットチャンバ140内には、かかる基板101を搬送する搬送ロボット142が配置されている。また、搬出入口120には、基板101に形成されたID(識別子)を光学的に読取可能な読取装置121が配置されている。
制御部160は、計算機ユニット110、制御回路112、偏向制御回路114、及び磁気ディスク装置等の記憶装置141,143,147を有している。計算機ユニット110、制御回路112、偏向制御回路114、及び磁気ディスク装置等の記憶装置141,143,147は、図示しないバスを介して互いに接続されている。
制御回路112は、描画制御部76によって制御され、制御回路112は、描画部150、搬出入口120、L/Lチャンバ130、ロボットチャンバ140、アライメントチャンバ146内の各機器を制御および駆動させる。また、読取装置121で読み取られたIDは、計算機ユニット110に出力される。
制御計算機ユニット110内には、ID取得部60、メモリ61、欠陥座標・サイズ取得部62、面積密度算出部64、探索部65、設定部70、描画データ処理部72、回転処理部74、及び描画制御部76が配置される。探索部65は、欠陥位置面積密度算出部66、及び最小面積密度方向算出部68を有している。ID取得部60、欠陥座標・サイズ取得部62、面積密度算出部64、探索部65、、設定部70、描画データ処理部72、回転処理部74、及び描画制御部76の各機能は、コンピュータを実行させるプログラム等のソフトウェアで構成しても構わない。或いは、電気機器若しくは電子機器等のハードウェアで構成しても構わない。或いは、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせで構成しても構わない。或いは、ファームウェアとハードウェアの組み合わせで構成しても構わない。ID取得部60、欠陥座標・サイズ取得部62、面積密度算出部64、探索部65、設定部70、描画データ処理部72、回転処理部74、及び描画制御部76の各機能で処理される入力情報および演算処理情報はその都度メモリ61に記憶される。よって、欠陥位置面積密度算出部66、及び最小面積密度方向算出部68の各機能も、コンピュータを実行させるプログラム等のソフトウェアで構成しても構わない。或いは、電気機器若しくは電子機器等のハードウェアで構成しても構わない。或いは、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせで構成しても構わない。或いは、ファームウェアとハードウェアの組み合わせで構成しても構わない。
真空ポンプ170は、バルブ172を介してロボットチャンバ140、及びアライメントチャンバ146内の気体を排気する。これにより、ロボットチャンバ140、及びアライメントチャンバ146内は真空雰囲気に維持される。また、真空ポンプ170は、バルブ174を介して電子鏡筒102内及び描画室103内の気体を排気する。これにより、電子鏡筒102内及び描画室103内は真空雰囲気に維持される。また、真空ポンプ170は、バルブ176を介してロードロックチャンバ130内の気体を排気する。これにより、ロードロックチャンバ130内は必要に応じて真空雰囲気に制御される。また、搬出入口120とロードロックチャンバ130とロボットチャンバ140と描画室103とのそれぞれの境界には、ゲートバルブ132,134,136が配置される。
記憶装置141には、パターンレイアウト情報となる描画データ(パターンデータ)が外部より入力され格納(記憶)されている。記憶装置143には、基板情報が外部から入力され格納(記憶)される。基板情報として、例えば、基板を特定する基板IDとその基板101の欠陥情報とが対応するように定義される。欠陥情報を得るためには、まず、欠陥位置を特定する必要がある。そのために、まずは、描画前に図示しない位相欠陥検査装置で基板101の位相欠陥検査を行う。基板101には、ALN−マークが形成されている。位相欠陥検査装置は、基板上の欠陥の有無を検査し、かかるALN−マークを基準にして欠陥位置および欠陥サイズを測定する。その結果、ユーザは、描画前に事前にALN−マークの位置を基準にした欠陥位置および欠陥サイズの情報を取得できる。例えば、欠陥位置は、ALN−マークの位置の座標を基準にした欠陥の中央部位置の座標(x,y)で示される。また、欠陥サイズは、欠陥位置座標を中心として欠陥の最大外形まで広げた円の直径(D)で示される。かかる欠陥位置および欠陥サイズの情報は、欠陥情報として記憶装置143に格納される。
ここで、パターンデータと基板情報は、図1では2つの異なる記憶装置141,143に格納されているが、これに限るものではない。同じ記憶装置に格納されてもよいことは言うまでもない。また、パターンデータが上述したIDと関連付けされていても好適である。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わない。また、搬送ロボット122,142は、例えば、多軸型のロボットが用いられる。また、搬送ロボット122,142は、エレベータ機構や回転機構など機械的な機構であれば構わない。
図2は、実施の形態1における各基板配置方向における欠陥位置とパターンの位置関係の一例を示す概念図である。図2(a)では、基準方向に対して回転角度が0度に基板101が配置された場合の欠陥32,34とパターン31の位置関係の一例を示す。基準方向は、基板101に形成されるノッチやアライメントマーク等を基準に予め設定しておけばよい。図2(a)の例では、欠陥32,34がパターン31と重なっている場合を示している。図2(b)では、基準方向に対して回転角度が90度に基板101が配置された場合の欠陥32,34とパターン31の位置関係の一例を示す。図2(b)の例では、欠陥32,34のうち、欠陥32がパターン31と重なっている場合を示している。図2(c)では、基準方向に対して回転角度が180度に基板101が配置された場合の欠陥32,34とパターン31の位置関係の一例を示す。図2(c)の例では、欠陥32,34がパターン31の位置から外れた場合を示している。図2(d)では、基準方向に対して回転角度が270度に基板101が配置された場合の欠陥32,34とパターン31の位置関係の一例を示す。図2(d)の例では、欠陥32,34のうち、欠陥34がパターン31と重なっている場合を示している。以上のような配置関係になる場合、図2(c)に示したように基板101を90度回転させた位置でパターン31を描画した場合が最も欠陥とパターンとの重なりを少なくすることができる。よって、かかる配置関係では、基板101を90度回転させた位置で描画することが望ましい。ここで、かかる配置関係を得るために、従来のように描画データ(パターン情報)から直接的に欠陥との重なり具合を求めていたのでは、上述したように膨大な情報を処理する必要があるため計算時間が膨大になる。例えば、ショット数に換算した場合に例えば1T(テラ)個になっている。また、図形データのサイズは、ナノメートル(nm)単位で定義されている。かかるサイズのパターンと欠陥箇所との重なり関係を計算する露光シミュレーションをマスク基板全面に対して行うには、その計算時間が膨大となる。そこで、実施の形態1では、描画領域を、これらの図形サイズに比べて大きなメッシュ状のメッシュ領域に仮想分割して、各メッシュ内のパターン面積密度を利用して欠陥との重なり状況を推定する。
図3は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図3において、実施の形態1における描画方法は、描画レイアウト登録工程(S100)と、面積密度算出工程(S102)と、欠陥情報読み取り工程(S112)と、欠陥座標/サイズ取得工程(S114)と、探索工程(S120)と、基板登録工程(S130)と、描画処理工程(S132)といった一連の工程を実施する。探索工程(S120)は、その内部工程として、各方向の欠陥位置での面積密度算出工程(S122)と、最小面積密度方向算出/設定工程(S124)という一連の工程を実施する。描画処理工程(S132)は、その内部工程として、基板回転処理工程(S134)と、搬送処理工程(S136)と、描画工程(S140)という一連の工程を実施する。
描画レイアウト登録工程(S100)として、ユーザによって、描画装置100に描画する描画レイアウトが登録される。
面積密度算出工程(S102)として、面積密度算出部64は、描画対象となる基板101(試料)の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数のメッシュ領域(小領域)のメッシュ領域毎に、配置されるパターンの面積密度を算出する。ここで、メッシュ領域のサイズは、1μmのサイズで設定されると好適である。電子ビーム描画では、近接効果やかぶりといった寸法変動を引き起こす現象に対応するために寸法補正を行う場合が多い。これらは、かかる現象の影響範囲の例えば1/10のサイズのメッシュに描画領域を仮想分割して各メッシュ領域の面積密度を用いて寸法を補正する。かかる近接効果を補正するための計算用のメッシュサイズとして例えば1μmのサイズで設定されると好適である。そして、メッシュ領域毎に算出された面積密度ρによる面積密度マップを作成し、記憶装置147に記憶し、格納する。
一方、描画データ処理部72は、登録された描画レイアウトに対応する描画データ(パターンレイウアトデータ)を記憶装置141から読み出し、複数段のデータ変換処理を行って装置固有のショットデータを生成する。ここでは、上述した面積密度マップを用いて近接効果を補正した照射時間になるようにショットデータを生成するとより好適である。近接効果補正やかぶり補正の演算方法については、その記載を省略する。
欠陥情報読み取り工程(S112)として、搬出入口120に基板101が配置されると、読取装置121は、基板101からIDを読み取る。ID取得部60は、読み取られたIDを読取装置121から入力し、取得する。読取装置121或いはID取得部60は、読取部の一例となる。
図4は、実施の形態1におけるIDが形成された基板の一例を示す概念図である。基板101の側面には、読取装置121で光学的に読取可能なID33がコード化されて形成されている。かかるID33は、例えば、SEMI規格で規定されているデータマトリックスで形成される。そして、かかるID33に関連付けされた欠陥情報が外部から入力され記憶装置143に格納される。
欠陥座標/サイズ取得工程(S114)として、欠陥座標・サイズ取得部62は、記憶装置143に格納された基板情報を参照し、読み取られたIDに対応付けされた、基板101の欠陥の位置を示す欠陥位置情報と、欠陥のサイズを示す欠陥サイズ情報を読み出す。
探索工程(S120)として、探索部65は、基板101の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、基板101の配置位置を回転させて、欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる基板101の配置方向を探索する。具体的には、以下のように動作する。
各方向の欠陥位置での面積密度算出工程(S122)として、欠陥位置面積密度算出部66は、基板101の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、基板101の配置位置を回転させながら、欠陥箇所と重なるメッシュ領域の面積密度を算出する。ここでは、基準方向に対して、0度、90度、180度、270度の各配置方向に基板101を配置した場合に欠陥箇所と重なるメッシュ領域の面積密度を算出する。面積密度は既に作成された面積密度マップから参照すればよい。
図5は、実施の形態1におけるメッシュ領域と欠陥位置との一例を示す概念図である。図5において、面積密度マップ55のあるメッシュ領域56と重なる位置に欠陥32が位置する場合を示している。欠陥サイズは、例えば、10〜100nm程度の場合が多く、メッシュサイズである1μmよりも小さい。そして、欠陥位置面積密度算出部66は、90°毎に基板の配置位置を回転させて、各方位における欠陥箇所と重なるメッシュ領域の面積密度を算出する。
最小面積密度方向算出/設定工程(S124)として、最小面積密度方向算出部68は、算出された各方位における欠陥箇所と重なるメッシュ領域の面積密度を方位毎に累積加算する。欠陥箇所が1箇所であれば、その欠陥位置での面積密度となるが、複数の欠陥が存在する場合には、それぞれの欠陥箇所での面積密度の合計が、かかる方位における面積密度とする。そして、最小面積密度方向算出部68は、各方位の陥箇所での面積密度の合計値が最小となる方向を算出する。そして、設定部70は、得られた最小の面積密度となる方向を設定する。
基板登録工程(S130)として、描画対象となる基板101を描画装置100に登録する。その際、ユーザにより基板101を回転してよいかどうかが設定される。これにより、例え欠陥と重なったとしてもそのまま基板を描画する選択肢を得ることができる。
描画処理工程(S132)として、描画部150は、探索された欠陥箇所と重なるメッシュ領域の面積密度が最小となる基板101の配置方向になるように基板101を配置した状態で、電子ビーム200を用いて基板101にパターンを描画する。具体的には以下のように動作する。
まず、基板回転処理工程(S134)として、搬出入口120に配置された基板101は、読取装置121によりID33が読み取られた後、回転処理部74によって制御された回転機構によって、設定された方位に回転させられる。搬出入口120内には、基板101を回転させる回転機構が配置されている。例えば、基板101のノッチやALNマーク等を基準に0度を設定し、その基準方位から設定された方位に基板101を回転すればよい。基板101の回転は、上述した基板登録工程(S130)で基板101を回転してよいと設定された場合に回転させればよい。
次に、搬送処理工程(S136)として、搬送系により基板101は、描画室103内へと搬送される。
図6は、実施の形態1における描画装置内での基板の搬送経路の一例を示す概念図である。搬出入口120に配置された基板101は、設定された方向に回転させられた後、ゲートバルブ132を開けた後、搬送ロボット122によりL/Lチャンバ130内の支持部材上に搬送される。そして、ゲートバルブ132を閉めた後、L/Lチャンバ130内は真空ポンプ170で真空雰囲気にされる。次に、L/Lチャンバ130内の支持部材上に配置された基板101は、ゲートバルブ134を開けた後、搬送ロボット142によりロボットチャンバ140を介してアライメントチャンバ146内のステージに搬送される。そして、基板101は、アライメントされる。次に、アライメントチャンバ146内のステージ上に配置された基板101は、ゲートバルブ136を開けた後、搬送ロボット142によりロボットチャンバ140を介して描画室103内に搬入される。このようにして、基板101は描画室103に搬入され、支持ピン106上に載置される。この段階で既に欠陥と重なるメッシュ領域の面積密度が最小となる方位に配置されている。
描画工程(S140)として、描画部150は、描画室103内で基板101にパターンを描画する。描画室103に基板101が搬送された後、制御回路112による制御のもと、描画部150は、以下のように動作する。
描画部150は、描画室103内で支持ピン106に載置された基板101に、電子ビーム200を用いてパターンを描画する。具体的には、以下の動作を行なう。照射部の一例となる電子銃201から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。その結果、電子ビーム200は成形される。このように、電子ビーム200は可変成形される。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向器208により偏向される。偏向器208は、偏向制御回路114に制御され、偏向制御回路114は、生成されたショットデータショットデータに従って偏向器208を偏向することになる。その結果、例えば連続移動するXYステージ105上の基板101の所望する位置に照射される。
描画終了後、基板101は、ゲートバルブ134,136を開けた後、搬送ロボット142によりロボットチャンバ140を介してL/Lチャンバ130内の支持部材上に搬送される。ゲートバルブ134を閉めた後、L/Lチャンバ130内は大気圧の雰囲気に戻される。そして、基板101は、ゲートバルブ132を開けた後、搬送ロボット122により搬出入口120に配置される。
以上のように、基板101の配置位置を回転させることで欠陥との重なりをより少なくすることができる。また、パターンのショットサイズよりも十分大きなサイズのメッシュ領域に分割して、メッシュ領域毎の面積密度の大小から基板の配置位置を決めることで、計算時間を大幅に短縮できる。計算時間はサイズ比の2乗で速くなるので、例えば、0.1nm単位で寸法が定義されるパターンデータから重なり具合を計算する場合に比べて、1μmサイズのメッシュ領域のマップを用いることで、例えば、100万倍速く計算が可能となる。よって、より効率的な処理により、欠陥箇所にパターンが描画されにくくすることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、欠陥がパターンと重ならないように効率的に基板101を回転させる方位を求めて、その方位で描画する構成について説明した。実施の形態2では、さらに、基板の歪み補正も行う場合について説明する。
図7は、実施の形態2における描画装置の構成を示す概念図である。図7において、磁気ディスク等の記憶装置145が追加された点と、計算機ユニット110内に歪み位置回転部80及び係数算出部78を追加した点と、偏向制御回路114内に補正部81と偏向量算出部82が追加された点以外は、図1と同様である。また、以下、特に説明しない内容は実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、基板101として、光を透過してパターンをウェハ等に転写する一般のフォトマスク基板や極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)光を反射してパターンをウェハ等に転写するEUVマスク基板等、いずれの基板についても利用できる。実施の形態2では、かかる基板種のうち、特に、EUVマスク基板を用いる場合について説明する。
図8は、実施の形態2における欠陥が存在するEUVマスクの一例を示す断面概念図である。EUVマスクは、ガラス基板10上に2.9nmの膜厚のモリブデン(Mo)と4.1nmの膜厚のシリコン(Si)が交互に例えば40層積層された多層膜12がガラス基板10表面全面に形成されている。そして、多層膜12上の全面にルテニウム(Ru)等のキャップ膜14が形成される。そして、EUV光を反射する領域では、かかるキャップ膜14が露出している。一方、EUV光を反射しない領域では、キャップ膜14上にEUV光を吸収する吸収体膜16と反射防止膜18が順に形成されている。ここで、図8(a)に示すように吸収体膜16が存在しない領域42内に多層膜12の欠陥40が存在すると反射されるEUV光の位相がずれてしまう。その結果、製造されたEUVマスクで半導体ウェハ上にパターンを転写するとパターンの位置がずれてしまうことになる。そのため、実施の形態2では、図8(b)に示すように、パターニング後に、欠陥40の位置が、吸収体膜16が存在する領域44内にくるように図8(a)に示す位置からEUVマスクを回転させた位置で描画を行う。言い換えれば、レジスト膜20が塗布されたEUVマスクブランクスである基板101に描画装置100で描画し、レジストを現像し、現像後に残ったレジスト膜20で形成されるレジストパターンをマスクとして反射防止膜18と吸収体膜16とをエッチングし、残ったレジスト膜20をアッシングで除去することで基板101のパターニングが行なわれる。かかるパターニングによってEUVマスクが製造される。そして、かかるパターニング後に、欠陥40の位置が、吸収体膜16が存在する領域44内にくるように描画装置100で描画する際に基板101の配置位置を回転させる。
図9は、実施の形態1における描画対象となる基板の断面概念図である。図9において、描画対象となる基板101は以下のように構成される。ガラス基板10上に2.9nmの膜厚のモリブデン(Mo)と4.1nmの膜厚のシリコン(Si)が交互に例えば40層積層された多層膜12がガラス基板10表面全面に形成されている。そして、多層膜12上の全面に例えばルテニウム(Ru)等のキャップ膜14が形成される。そして、キャップ膜14上の表面全面にEUV光を吸収する吸収体膜16と反射防止膜18が順に形成されている。吸収体膜16と反射防止膜18の主たる材料として、例えばタンタル(Ta)用いられる。そして、反射防止膜18上にレジスト膜20が形成される。ポジ型のレジスト材が用いられる場合には、パターニング後に吸収体膜16が残る領域44が電子ビーム200の非照射域(非描画領域)、吸収体膜16が残らない領域42が電子ビーム200の照射域(描画領域)となる。ネガ型のレジスト材が用いられる場合には、パターニング後に吸収体膜16が残る領域44が電子ビーム200の照射域(描画領域)、吸収体膜16が残らない領域42が電子ビーム200の非照射域(非描画領域)となる。言い換えれば、レジストを現像後にレジスト膜20が残る領域が、吸収体膜16が残る領域44となり、そして、レジスト膜20が残らない領域が、吸収体膜16が残らない領域42となる。また、ガラス基板10の裏面には窒化クロム(CrN)等の導電膜22が形成される。
ガラス基板10の側面には、読取装置121で光学的に読取可能なID30がコード化されて形成されている。かかるID30は、例えば、SEMI規格で規定されているデータマトリックスで形成される。そして、かかるID30に関連付けされた欠陥情報が外部から入力され記憶装置143に格納される。欠陥情報の内容は実施の形態1と同様である。描画装置100で描画する際にEUVマスク基板となる基板101の配置位置を回転させる手法は実施の形態1で説明した通りである。
図10は、実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図10において、実施の形態2における描画方法は、探索工程(S120)と基板登録工程(S130)との間に、歪み位置回転処理工程(S125)と、補正係数算出工程(S128)と、補正工程(S129)という一連の工程が追加された点と、搬送工程(S136)と描画工程(S140)との間に偏向量算出工程(S138)が追加された点、以外は、図3と同様である。
図11は、実施の形態2におけるEUVマスクでの反射の様子を説明するための概念図である。EUV光は、波長が13.4nmの軟X線領域に区分される光で多くの物体で透過吸収されるために、もはや投影光学系を形成することが出来ない。そのため、EUV光を用いた露光手法については反射光学系が提案されている。
そのため、使用されるEUVマスクも従来のように透過光を通すために周辺を3点または4点で保持するというような方式ではなくて、裏面のほとんどを平面でチャックする。さらに光の減衰を考慮して、システムそのものが真空チャンバ内に設置されるため、EUV用のマスクの固定には静電チャックの使用を前提としている。そして、露光される基板及び静電チャック自体が、SEMI規格で規定されているように厳しく仕様が定義されている。ここで、図11(a)に示すように基板300の裏面が平面に固定された際に、表面も平らで平坦であれば、EUV光43は所望の反射角度で反射される。しかしながら、図11(b)に示すように基板302の裏面が平面に固定された際に、表面が歪み、凹凸が生じてしまうとEUV光45は所望の反射角度で反射されない。そのため、描画装置100でパターンを描画する際には、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合の表面の歪み量に応じた描画位置補正が必要となる。
図12は、実施の形態2におけるEUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合におけるEUVマスク基板の表面の歪みを説明するための概念図である。図12(a)に示すように、基板101は、表面も裏面も共に歪みを持っている。かかる状態のまま維持されれば、EUV露光での補正は、表面の歪みだけを考慮すれば足りる。しかし、実際には、EUV露光の際、基板101は、基板101の裏面を平面に矯正した状態で配置されるので、図12(b)に示すように、表面の歪み量が裏面矯正前とは異なる。
そこで、記憶装置145には、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合におけるEUVマスク基板の表面の歪みに関する歪み情報が外部から入力され格納(記憶)される。具体的には、基板101の配置方位0度における基板の各位置での歪み量が定義された歪み情報が格納される。しかし、かかる歪み情報は、あくまで基板101の配置方位0度における歪みの向きや大きさを示しているので、描画の際に基板101を回転させる場合には、かかる歪みの向きや大きさが変化してしまう。そこで、実施の形態2では、基板101の回転にあわせて歪み情報も回転させた情報に作成し直す。
描画レイアウト登録工程(S100)から探索工程(S120)までは、実施の形態1と同様である。
歪み位置回転処理工程(S125)として、歪み位置回転部80は、記憶装置147から歪み情報を読み出し、探索された基板101の配置方向に合うように、歪み情報が示す歪みの位置を回転させて、新たな歪み情報(設定方位歪み情報)を作成する。
補正係数算出工程(S128)として、係数算出部78は、基板101の配置方向に合うように歪み位置が回転させられた歪み情報を用いて、描画位置の補正係数を算出する。例えば、描画領域を所定のサイズのメッシュ領域に仮想分割して、各メッシュ領域に歪み情報に定義された歪み方向および歪み量により生じるウェハ等へ転写した際のパターンの位置ずれを補正する補正量を定義した歪み補正量マップを作成する。そしてかかる補正量を多項式で近似してその係数を算出する。算出された各項の係数は、偏向制御回路114に出力される。
補正工程(S129)として、補正部81は、回転させられた位置での歪みによるパターンの位置ずれを補正する。具体的には、以下にようにして補正する。補正部81は、入力された係数を予め保存していた偏向量を演算する際の多項式の係数に項毎に加算する。これにより、各描画位置への偏向量を演算する際に、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合における、回転させられた位置でのEUVマスク基板の表面の歪みによるパターンの位置ずれを補正できる。
そして、基板登録工程(S130)と、描画処理工程(S132)内の基板回転処理工程(S134)と、搬送処理工程(S136)とが行われる。
そして、偏向量算出工程(S138)として、偏向量算出部82は、生成されたショットデータに沿って、各ショットの照射位置へと電子ビーム200を偏向する偏向量を演算する。既に描画位置が補正されているので、ここでの偏向量は、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合における、回転させられた位置でのEUVマスク基板の表面の歪みにより生じるウェハ等へ転写した際のパターンの位置ずれが補正された位置へと偏向する偏向量となる。
描画工程(S140)として、描画部150は、ショット毎に、補正された位置へと可変成形された電子ビーム200を照射する。描画工程(S140)のその他の動作は実施の形態1と同様である。
以上のように、歪み量についても基板の回転方位に合わせて補正することで、実施の形態1の効果に加え、さらに、EUVマスク基板の歪み補正も合わせて可能となる。よって、高精度な描画が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態2では、歪み情報として、基準方位(0度)での歪み情報が外部から入力され、かかる歪み情報を設定された基板配置方位に合わせて作成し直したが、これに限るものではない。
図13は、実施の形態3における描画装置の構成を示す概念図である。図13において、歪み位置回転部80の代わりに、選択部83を配置した点以外は、図7と同様である。
図14は、実施の形態3における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図14において、実施の形態3における描画方法は、歪み位置回転処理工程(S125)の代わりに歪み情報選択工程(S126)を実施する点以外は、図10と同様である。また、以下、特に説明しない内容は実施の形態2と同様である。
実施の形態3では、記憶装置145には、EUVマスク基板を配置する複数の配置方向の配置方向毎に、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合におけるEUVマスク基板の表面の歪みに関する歪み情報がそれぞれ外部から入力され格納(記憶)される。具体的には、基板101の配置方位が基準配置角度に対して、0°、90°、180°、270°の各方位における基板の各位置での歪み量が定義された歪み情報が格納される。そこで、実施の形態3では、基板101の回転にあわせて歪み情報を選択する。
描画レイアウト登録工程(S100)から探索工程(S120)までは、実施の形態1と同様である。
歪み情報選択工程(S126)として、選択部83は、配置方向毎の歪み情報の中から、探索された基板101の配置方向に合うように、基板101の配置方向の歪み情報を選択する。
補正係数算出工程(S128)として、係数算出部78は、基板101の配置方向に合うように選択された歪み情報を用いて、描画位置の補正係数を算出する。例えば、描画領域を所定のサイズのメッシュ領域に仮想分割して、各メッシュ領域に歪み情報に定義された歪み方向および歪み量により生じるウェハ等へ転写した際のパターンの位置ずれを補正する補正量を定義した歪み補正量マップを作成する。そしてかかる補正量を多項式で近似してその係数を算出する。算出された各項の係数は、偏向制御回路114に出力される。
補正工程(S129)として、補正部81は、選択された配置方向の歪み情報が示す歪みによるパターンの位置ずれを補正する。具体的には、以下にようにして補正する。補正部81は、入力された係数を予め保存していた偏向量を演算する際の多項式の係数に項毎に加算する。これにより、各描画位置への偏向量を演算する際に、EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合における、回転させられた位置でのEUVマスク基板の表面の歪みによるパターンの位置ずれを補正できる。
以上のように、予め基板101が配置される各配置方向での歪み情報を外部から入力しておいても実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。上述した各実施の形態では、面積密度マップの面積密度を用いて、欠陥箇所と重なるメッシュ領域の面積密度が最小となる基板101の配置方向(配置方位)を探索していたが、これに限るものではない。例えば、面積密度の代わりに照射量(ドーズ)を用いても好適である。照射量は、近接効果補正を行うため、メッシュ領域毎に算出される。よって、メッシュ領域毎に算出された照射量マップ(ドーズマップ)の照射量を用いて、欠陥箇所と重なるメッシュ領域の照射量が最小となる基板101の配置方向(配置方位)を探索しても好適である。かかる場合に、描画部150が、探索された欠陥箇所と重なるメッシュ領域の照射量が最小となる基板101の配置方向になるように基板101を配置した状態で、電子ビーム200を用いて基板101にパターンを描画すればよい。面積密度の代わりに照射量(ドーズ)を用いる場合の構成は、上述した各実施の形態及び図面中、「面積密度」を「照射量」と読みかえればよい。かかる構成により、欠陥との重なりをより少なくする処理を行いながら、同時に近接効果補正もできる。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法は、本発明の範囲に包含される。
10 ガラス基板
12 多層膜
14 キャップ膜
16 吸収体膜
18 反射防止膜
20 レジスト膜
22 導電膜
30,33 ID
31 パターン
32,34,40 欠陥
42,44 領域
55 面積密度マップ
56 メッシュ領域
60 ID取得部
61 メモリ
62 欠陥座標・サイズ取得部
64 面積密度算出部
65 探索部
66 欠陥位置面積密度算出部
68 最小面積密度方向算出部
70 設定部
72 描画データ処理部
74 回転処理部
76 描画制御部
78 係数算出部
80 歪み位置回転部
81 補正部
82 偏向量算出部
83 選択部
100 描画装置
101 基板
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
106 支持ピン
110 計算機ユニット
112 制御回路
114 偏向制御回路
120 搬出入口
121 読取装置
122,142 搬送ロボット
130 ロードロックチャンバ
132,134,136 ゲートバルブ
140 ロボットチャンバ
141,143,145,147 記憶装置
146 アライメントチャンバ
150 描画部
160 制御部
170 真空ポンプ
172,174,176 バルブ
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
330 電子線
340 試料
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (6)

  1. 描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、配置されるパターンの面積密度を算出する面積密度算出部と、
    前記試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、前記試料の配置位置を回転させて、前記欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる前記試料の配置方向を探索する探索部と、
    探索された前記欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる前記試料の配置方向になるように前記試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて前記試料にパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記試料として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)露光用のEUVマスク基板が用いられ、
    前記EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合における前記EUVマスク基板の表面の歪みに関する歪み情報を記憶する記憶部と、
    探索された前記試料の配置方向に合うように、前記歪み情報が示す歪みの位置を回転させる歪み位置回転部と、
    回転させられた位置での歪みによるパターンの位置ずれを補正する補正部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記試料として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)露光用のEUVマスク基板が用いられ、
    前記EUVマスク基板を配置する複数の配置方向の配置方向毎に、前記EUVマスク基板の裏面を平面に矯正した場合における前記EUVマスク基板の表面の歪みに関する歪み情報をそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記配置方向毎の歪み情報の中から、探索された前記試料の配置方向の歪み情報を選択する選択部と、
    選択された配置方向の歪み情報が示す歪みによるパターンの位置ずれを補正する補正部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、照射量を算出する照射量分布算出部と、
    前記試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、前記試料の配置位置を回転させて、前記欠陥箇所と重なる小領域の照射量が最小となる前記試料の配置方向を探索する探索部と、
    探索された前記欠陥箇所と重なる小領域の照射量が最小となる前記試料の配置方向になるように前記試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて前記試料にパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 描画対象となる試料の描画領域を所定のサイズでメッシュ状に仮想分割した複数の小領域の小領域毎に、配置されるパターンの面積密度を算出する工程と、
    前記試料の欠陥箇所が定義された欠陥情報を入力し、前記試料の配置位置を回転させて、前記欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる前記試料の配置方向を探索する工程と、
    探索された前記欠陥箇所と重なる小領域の面積密度が最小となる前記試料の配置方向になるように前記試料を配置した状態で、荷電粒子ビームを用いて前記試料にパターンを描画する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  6. 前記小領域のサイズは、近接効果を補正するための計算用のメッシュサイズであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の荷電粒子ビーム描画装置。
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