JP2012054320A - リードフレーム、ヒートシンクの取付構造、半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

リードフレーム、ヒートシンクの取付構造、半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートシンクとその上面側に配された端子板及び発熱体とを、モールド樹脂で封止した構成の半導体装置において、ヒートシンクと発熱体や端子板との相対的な位置精度を確保できると同時に、ヒートシンクと発熱体や端子板との電気的な短絡を防止できるようにする。
【解決手段】端子板3,4と、この端子板3,4と共に板状のヒートシンクをその厚さ方向から挟み込む狭持用リード7と、これら端子板3,4及び狭持用リード7を一体に連結する板状の枠体部5とを備え、狭持用リード7が、枠体部5に対して弾性変形可能に形成されると共に、ヒートシンク及び端子板3,4を封止するモールド樹脂の形成予定領域の外側に配されていることを特徴とする半導体装置製造用のリードフレーム1を提供する。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体装置、その製造に使用するリードフレーム、ヒートシンクの取付構造、及び、半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体チップのように通電によって発熱する発熱体をモールド樹脂で封止する半導体装置には、例えば特許文献1のように、銅やアルミニウム等の金属製のヒートシンクを取り付けて構成されたものがある。図19,20に示すように、この半導体装置200はリードフレーム201を用いて製造されている。また、半導体装置200の製造に際しては、リードフレーム201を構成する複数のリードの一部(固定用リード204)をヒートシンク202に形成された突起206(かしめ部)に係合させた上でカシメ加工を施すことにより、突起206に係合した固定用リード204をヒートシンク202に固定させている。
このようにヒートシンク202をリードフレーム201に固定しておくことは、半導体装置200の製造に際して、ヒートシンク202と発熱体203やこれに電気接続される他のリード(端子用リード205)との相対的な位置精度を向上させる上で、非常に有効である。
特開2006−222259号公報
しかしながら、上記従来の半導体装置200には、ヒートシンク202に固定された固定用リード204が残ってしまうことで、この固定用リード204を介してヒートシンク202と端子用リード205やこれに接続された発熱体203との間で電気的な短絡が生じる虞があるため、半導体装置200が固定リードを備えることは好ましくない。なお、この電気的な短絡は、半導体装置200の小型化などに伴って、固定用リード204と端子用リード205との間隔が狭まることに起因して、特に生じ易くなる。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、ヒートシンクと発熱体や端子用リードとの相対的な位置精度を確保できると同時に、ヒートシンクと発熱体や端子用リードとの電気的な短絡を防止することが可能な半導体装置、その製造に使用するリードフレーム、リードフレームに対するヒートシンクの取付構造、及び、半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のリードフレームは、板状のヒートシンクと、当該ヒートシンクの上面側に配される端子板と、当該端子板に電気接続される発熱体と、これらヒートシンク、端子板及び発熱体を封止するモールド樹脂とを備える半導体装置の製造に用いるリードフレームであって、
前記端子板と、当該端子板と共に前記ヒートシンクをその厚さ方向から挟み込む狭持用リードと、これら端子板及び狭持用リードを一体に連結する板状の枠体部とを備え、
前記狭持用リードは、前記枠体部に対して弾性変形可能に形成されると共に、前記モールド樹脂の形成予定領域の外側に配されていることを特徴とする。
そして、本発明の半導体装置の製造方法は、前記リードフレームを用意するフレーム準備工程と、前記端子板と前記狭持用リードとの間に板状のヒートシンクをその厚さ方向から挟み込んで、当該ヒートシンクをリードフレームに取り付ける取付工程と、前記ヒートシンクの上面側において前記リードフレームあるいは前記ヒートシンクに発熱体を搭載し、当該発熱体と前記端子板とを電気接続する接続工程と、前記ヒートシンク、前記端子板及び前記発熱体をモールド樹脂により封止し、かつ、前記狭持用リード及び前記枠体部を前記モールド樹脂の外側に位置させる樹脂封止工程と、前記枠体部及び前記狭持用リードを前記端子板から切り落とす切断工程と、を順番に実施することを特徴とする。
このように半導体装置を製造する場合、モールド樹脂が形成されるまでの間においては、端子板と狭持用リードとによってヒートシンクが挟み込まれていることで、ヒートシンクと端子板や発熱体との位置決めが維持される。また、モールド樹脂の形成後の状態においては、モールド樹脂によってヒートシンクと端子板や発熱体との位置決めが維持されている。したがって、上記のように製造された半導体装置では、ヒートシンクと発熱体や端子板との相対的な位置精度の向上を図ることができる。また、従来のようなカシメ加工も不要となるため、半導体装置の製造効率向上も図ることができる。
さらに、上記のように製造された半導体装置では、狭持用リードが切り落とされているため、狭持用リードに起因するヒートシンクと端子板との電気的な短絡も防止することができる。
なお、前記リードフレームにおいては、前記端子板及び前記狭持用リードが複数形成され、複数の端子板が、平面視した前記ヒートシンクの中央を基準として互いに対称な位置に配され、かつ、複数の狭持用リードが、平面視した前記ヒートシンクの中央を基準とした対称な位置に配されていることがより好ましい。
この構成のリードフレームによれば、半導体装置を製造する際に、ヒートシンクを安定した状態で端子板と狭持用リードとの間に挟み込むことができる。
そして、前記リードフレームにヒートシンクを取り付けた本発明のヒートシンクの取付構造は、前記ヒートシンクに、その下面から窪むと共に当該下面に隣り合う側面に開口し、前記狭持用リードを収容可能な有底の収容孔を形成したことを特徴とする。
この構成では、端子板及び狭持用リードによりヒートシンクを挟み込む際に、ヒートシンクに対して当接する狭持用リードの当接部分(先端部)が収容孔に収容されることになる。なお、狭持用リードは、ヒートシンクの下面と同じ側に向く収容孔の底面に当接するため、端子板及び狭持用リードによりヒートシンクを挟み込むことは可能となである。そして、このようにヒートシンクをリードフレームに取り付ける際には、狭持用リードの当接部分がヒートシンクの収容孔に係合するため、リードフレーム1とヒートシンク8との相対的な位置決めを容易に行うことができる。
そして、ヒートシンクをリードフレームに取り付けた状態においては、狭持用リードがヒートシンクの下面から突出することを防止できるため、リードフレームに取り付けられたヒートシンクは、その下面を下に向けた状態でも安定して載置することができる。したがって、ヒートシンクを取り付けた後に実施する半導体装置の各製造工程において、この取付構造体を容易に取り扱うことができる。
また、収容孔は、狭持用リードと共にモールド樹脂の外側に位置するため、ヒートシンクを下側にして半導体装置を各種装置に装着する際には、この収容孔を各種装置に対する半導体装置の位置決めのリファレンスとして利用することも可能である。
なお、前記取付構造では、前記ヒートシンクの下面に開口する前記収容孔の開口縁に、前記収容孔の底面側から前記ヒートシンクの下面に向かうにしたがって、前記収容孔の外側に広がる傾斜案内面が形成されていると好ましい。
この場合には、ヒートシンクに対する狭持用リードの当接部分(先端部)を収容孔に収容する際に、狭持用リードと収容孔の相対位置がずれていても、狭持用リードの当接部分が収容孔の傾斜案内面に当接することで、収容孔内に導かれるため、容易かつ確実に狭持用リードの当接部分を収容孔に収容することができる。
さらに、前記取付構造では、前記収容孔に、その底面から窪んで前記ヒートシンクの上面まで貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
また、前記製造方法においては、前記接続工程後から前記樹脂封止工程前までの間に、前記ヒートシンクを前記端子板から離間させるように前記狭持用リードの弾性力に抗って前記厚さ方向に移動させ、前記樹脂封止工程においては、前記ヒートシンクと前記端子板との離間状態を保持するとよい。
この製造方法では、樹脂封止工程において形成されるモールド樹脂がヒートシンクと端子板との隙間に入り込むことで、ヒートシンクと端子板とを電気的に絶縁させることができる。言い換えれば、端子板とヒートシンクとの間にこれらを電気的に絶縁させる別個の部材を介在させる必要が無いため、半導体装置の部品点数を減らして、製造コストの削減を図ることができる。
そして、前記製造方法によって製造される本発明の半導体装置は、少なくとも前記ヒートシンクの上面、前記端子板及び前記発熱体が、前記モールド樹脂内に埋設されていることを特徴とする。
本発明によれば、ヒートシンクと発熱体や端子板との相対的な位置精度を確保できると同時に、ヒートシンクと発熱体や端子板との電気的な短絡を防止することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るリードフレームを示す斜視図である。 図1のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を説明する図であり、リードフレームにヒートシンク、半導体チップ及びボンディングワイヤを取り付けた状態を示す斜視図である。 図2の状態を示す上面図である。 図3のA−A矢視断面図である。 図1のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を説明する図であり、モールド樹脂を形成した状態を示す上面図である。 図5のB−B矢視断面図である。 図5のC−C矢視断面図である。 図1のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を説明する図であり、端子板の基端板部を枠体部から切り離した状態を示す上面図である。 図1のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を説明する図であり、端子板の基端板部の屈曲工程を示す上面図である。 本発明の第二実施形態に係るリードフレーム及びヒートシンクの取付構造を示す斜視図である。 図10の取付構造をヒートシンクの下面側から見た状態を示しており、(a)は要部拡大斜視図、(b)は要部拡大断面図である。 図10に示すリードフレーム及びヒートシンクによって製造される半導体装置を示す上面図である。 第二実施形態のヒートシンクの取付構造の変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態に係るリードフレーム及びヒートシンクの取付構造を示す上面図である。 本発明の第四実施形態に係るリードフレーム及びヒートシンクの取付構造を示す斜視図である。 図15のリードフレーム及びヒートシンクの取付構造を示す概略断面図である。 第一〜第四実施形態に係るリードフレームの変形例を示す要部拡大斜視図である。 第一〜第四実施形態に係るリードフレームの変形例を示す要部拡大斜視図である。 従来の半導体装置の一例を示す概略断面図である。 図19の半導体装置の製造段階を示しており、リードフレームにヒートシンクを取り付けた状態を示す概略上面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1〜9を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
この実施形態に係るリードフレームは、図9に示すように、ヒートシンク8、複数の端子板3,4、半導体チップ(発熱体)9及びボンディングワイヤ(接続子)10をモールド樹脂11で封止した構成の半導体装置100の製造に使用するものである。
図1に示すように、リードフレーム1は、銅板をはじめとする導電性板材に、半導体チップ9を搭載する板状のダイパッド2、半導体チップ9に電気接続するための複数の端子板3,4、これらダイパッド2及び複数の端子板3,4の周囲に配されて複数の端子板3,4を一体に連結する枠体部5、及び、ダイパッド2と枠体部5とを連結する連結リード6を形成して大略構成されている。このリードフレーム1は、導電性板材にプレス加工やエッチング加工等を施すことで得られる。
なお、図示例のリードフレーム1には、一つの半導体装置100の製造に要するダイパッド2、端子板3,4及び連結リード6のユニットが一つだけ形成されているが、例えば、枠体部5を介して複数のユニットが連ねて形成されていてもよい。すなわち、リードフレーム1は、複数の半導体装置100を同時に製造できるように構成されていてもよい。
枠体部5は、平面視矩形状の内縁を有する外枠部51、及び、外枠部51の内縁と複数の端子板3,4とを接続する複数のタイバー52を備えて構成されている。この枠体部5は、その全体が平板状に形成されている。
各端子板3,4は、平面視した外枠部51の内縁から内側に延びる平板状に形成されており、タイバー52に接続される基端板部31,41と、基端板部31,41に対して外枠部51内縁の内側に突出した先端板部32,42と備えている。
各端子板3,4の先端板部32,42は、半導体装置100において、ボンディングワイヤ10によって半導体チップ9に電気接続されると共にモールド樹脂11によって封止されるインナーリード部をなす部分である。一方、基端板部31,41は、モールド樹脂11から外側に突出して半導体チップ9を外部に電気接続するためのアウターリード部をなす部分である(図3,9等参照)。なお、枠体部5のタイバー52は、この基端板部31,41の幅方向(導電性板材の面方向に沿って端子板3,4の長手方向に直交する方向)の両側端に接続されており、これによって、各端子板3,4が外枠部51に連結されている。以上のように形成される各端子板3,4は、枠体部5と同一の高さに位置している。
そして、複数の端子板3,4は、一対の端子板3,4がタイバー52側から互いに近づく方向に延びるように配されている。すなわち、一対の端子板3,4はその延在方向に配列されている。
ダイパッド2は、平面視略矩形の板状に形成され、外枠部51の内縁側に間隔をあけて配されている。さらに詳細に説明すれば、ダイパッド2は、一対の端子板3,4の先端板部32,42との間に間隔をあけて配されている。このダイパッド2は、端子板3,4と同一の高さに位置している。
連結リード6は、前述した端子板3,4と同様に、平面視でタイバー52から外枠部51の内縁の内側に向けて突出する帯板状に形成されており、その先端部がダイパッド2に接続されている。なお、本実施形態では、連結リード6が、一対の端子板3,4の一方(第一端子板3)に対して端子板3,4の幅方向に間隔をあけて配され、タイバー52から第一端子板3と同じ方向に延出しているが、例えば、他方の端子板(第二端子板4)に対して端子板3,4の幅方向に間隔をあけて配され、この第二端子板4と同じ方向に延出してもよい。また、連結リード6は、例えば、ダイパッド2から端子板3,4の幅方向に延びて、外枠部51に直接接続されていてもよい。
そして、本実施形態のリードフレーム1では、これら一つのダイパッド2、一つの連結リード6及び一対の端子板3,4からなるユニットが二組形成され、これら二組のユニットによって一つの半導体装置100が製造されるようになっている。これら二組のユニットは、二つのダイパッド2が端子板3,4の幅方向に間隔をあけて隣り合うように、平面視で互いに逆向きに配されている。
より具体的に説明すれば、本実施形態では、一方のユニットの第一端子板3と他方のユニットの第二端子板4とが、端子板3,4の幅方向に間隔をあけて隣り合うように配置されている。また、二つの連結リード6は、枠体部5から互いに逆向きに延びており、それぞれ端子板3,4の幅方向に隣り合う一方のユニットの第一端子板3と他方のユニットの第二端子板4との間に配置されている。
これにより、二組のユニットをなす一対二組の端子板3,4は、平面視したヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配されている(図3参照)。また、二つのダイパッド2も、端子板3,4と同様に、ヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配されている。なお、本実施形態では、二組のユニットが平面視で互いに逆向きに配されているため、二組のユニットをなす二つの第一端子板3、及び、二つの第二端子板4が、それぞれヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配されている。
さらに、本実施形態のリードフレーム1は、端子板3,4と共にヒートシンク8をその厚さ方向から挟み込む狭持用リード7を備えている。
狭持用リード7は、前述した端子板3,4や連結リード6と同様に、平面視でタイバー52から外枠部51の内縁の内側に向けて突出する帯板状に形成されることに加え、その長手方向の中途部分で折り曲げ加工を施すことで、枠体部5に対してその厚さ方向にも突出している。
より詳細に説明すれば、狭持用リード7は、タイバー52に接続されて枠体部5と同一の高さに位置する基端部71と、基端部71に対して枠体部5の厚さ方向にずれて低く位置する先端部72と、枠体部5の厚さ方向に延びて基端部71及び先端部72を相互に連結する段差部73とを一体に形成して構成されている。
この狭持用リード7において、先端部72は平面視矩形状に形成されている。また、基端部71及び先端部72は平面視で互いに離れて位置しており、段差部73はこれら基端部71及び先端部72に対して斜めに折り曲げられている。さらに、枠体部5の厚さ方向に沿って先端部72の上面72aから端子板3,4の先端板部32,42の下面32b,42b(図4参照)に至る隙間の寸法は、ヒートシンク8の厚さ寸法よりも小さくなるように設定されている。
そして、この狭持用リード7は、その先端部72が基端部71に対して枠体部5の厚さ方向に移動するように、枠体部5に対して弾性変形可能とされている。
以上のように構成される狭持用リード7は複数(図示例では二つ)形成され、それぞれ平面視でタイバー52から端子板3,4と同じ方向に突出するように、端子板3,4に対してその幅方向に間隔をあけて配されている。さらに、複数の狭持用リード7は、平面視したヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配され、また、平面視したモールド樹脂11の形成予定領域の外側に配されている(図3参照)。
したがって、図示例のように狭持用リード7が二つ形成されている場合には、一方の狭持用リード7Aが、一つの連結リード6及び一対の端子板3,4からなる二組のユニットのうち一方をなす第一端子板3に隣り合わせて位置し、他方の狭持用リード7Bが、他方のユニットをなす第一端子板3に隣り合わせて位置していればよい。この場合、二つの狭持用リード7A,7Bは平面視した狭持用リード7の突出方向に対向しない。
なお、例えば狭持用リード7が四つ形成されている場合には、各狭持用リード7が、幅方向に配列された第一端子板3及び第二端子板4の配列方向の両端に隣り合うように位置していればよい。
さらに、本実施形態のように、連結リード6が幅方向に配列された第一端子板3及び第二端子板4の間に配置されない場合には、例えば、二つの狭持用リード7が平面視した狭持用リード7の突出方向に対向するように、各狭持用リード7を幅方向に配列された第一端子板3と第二端子板4との間に配置してもよい。
次に、このリードフレーム1を用いて半導体装置100を製造する方法の一例について説明する。
半導体装置100を製造する際には、はじめに上記構成のリードフレーム1を用意する(フレーム準備工程)。次いで、図2〜4に示すように、複数の端子板3,4(及びダイパッド2)と狭持用リード7との間にヒートシンク8をその厚さ方向から挟みこんで、ヒートシンク8をリードフレーム1に取り付ける(取付工程)。この工程においては、複数の端子板3,4及び狭持用リード7が平面視したヒートシンク8の中央を基準として互いに対称に位置するように、ヒートシンク8を取り付ければよい。このようにリードフレーム1にヒートシンク8を取り付けた取付構造の状態では、狭持用リード7が弾性変形して、狭持用リード7の先端部72の上面72aと端子板3,4の下面32b,42bとの間の隙間寸法が取付工程前と比較して大きくなる。このため、狭持用リード7の弾性力によって狭持用リード7の先端部72がヒートシンク8の下面8bに当接し、ヒートシンク8が端子板3,4の先端板部32,42と狭持用リード7の先端部72との間に挟み込まれるように固定されることになる。
なお、ヒートシンク8は、半導体チップ9において生じた熱を効率よく放熱する役割を果たすものである。このヒートシンク8は、少なくとも銅(Cu)、タングステン、モリブデン等の放熱性の高い材料によって形成されていればよいが、例えばこれに加えてNiメッキを施したものでもよい。
その後、ヒートシンク8の上面8a側に位置するダイパッド2の上面2aに板状の半導体チップ9を搭載した上で、ボンディングワイヤ10により半導体チップ9と一対の端子板3,4とを電気接続する(接続工程)。ここで、半導体チップ9は、上面9a及び下面9bに電極を有し、ダイオード等のように通電により発熱するものである。
したがって、この接続工程においては、半田等のように導電性を有する導電性接合剤を介して半導体チップ9の下面9bをダイパッド2の上面2aに接合した上で、ダイパッド2の上面2a及び半導体チップ9の上面9aと端子板3,4をなす先端板部32,42の上面32a,42aとの間にそれぞれボンディングワイヤ10を配することで、半導体チップ9が一対の端子板3,4に電気接続されることになる。
その後、図6,7に示すように、ヒートシンク8を端子板3,4の下面32b,42bから離間させるように狭持用リード7の弾性力に抗って枠体部5の厚さ方向に移動させる(押下工程)。この押下工程においては、ヒートシンク8の上面8aにピン等を押し当てる等して、ヒートシンク8をその上面8a側から下面8b側に移動させればよい。この押下工程後の状態においては、ヒートシンク8の上面8aとダイパッド2や端子板3,4との間に隙間が形成されている。
また、図3,5〜7に示すように、ヒートシンク8の上面8a、複数の端子板3,4の先端板部32,42、複数の連結リード6の先端部、半導体チップ9及びボンディングワイヤ10をモールド樹脂11により封止し、枠体部5、複数の端子板3,4の基端板部31,41、複数の連結リード6の基端部及び狭持用リード7をモールド樹脂11の外側に位置させる(樹脂封止工程)。この樹脂封止工程後の状態では、ヒートシンク8の下面8b及び側面8cが、モールド樹脂11によって封止されずに外方に露出している。
また、樹脂封止工程においては、前述した押下工程において生じたヒートシンク8の上面8aとダイパッド2や端子板3,4との離間状態が保持され、これによって、ヒートシンク8とダイパッド2や端子板3,4との隙間にもモールド樹脂11が充填されることになる。
ここで、前述した離間状態の保持について具体的に説明すれば、樹脂封止工程では、図3,7に示すように、平面視したヒートシンク8の上面8aのうち、ダイパッド2、端子板3,4の先端板部32,42及び連結リード6の先端部が配置された領域(モールド樹脂11の形成予定領域)のみをモールド樹脂11により封止する。そして、この形成予定領域の外側に位置するヒートシンク8の上面8aの残部領域S1は、モールド樹脂11によって覆わずに外方に露出させておく。
したがって、樹脂封止工程におけるヒートシンク8の上面8aとダイパッド2や端子板3,4との離間状態は、樹脂封止工程において封止されないヒートシンク8の上面8aの残部領域S1にピン等を押し付けることで保持することができる。なお、ヒートシンク8を押し下げるピン等の部材は、例えばモールド樹脂11の形成に使用するモールド用金型に形成しておけばよく、前述した押下工程は例えば樹脂封止工程と同時に実施されてもよい。
樹脂封止工程後には、図8に示すように、端子板3,4の基端板部31,41を枠体部5から切り離す(第一切断工程)。そして、この第一切断工程後の状態においては、基端板部31,41に接続されたタイバー52が切り落とされていることで、複数の端子板3,4が互いに電気的に分離されている。一方、連結リード6は、タイバー52を介して外枠部51に接続されている。なお、図示例では、狭持用リード7もタイバー52によって外枠部51に接続されているが、例えばこの第一切断工程において切り落とされていてもよい。
また、この工程においては、図示例のように、端子板3,4と外枠部51や連結リード6とを接続するタイバー52が切り落とされていてもよいが、例えばこのタイバー52を外枠部51から切り落とさずに、端子板3,4の基端板部31,41とタイバー52とを切断により分離するだけでもよい。
その後、図9に示すように、各端子板3,4の基端板部31,41がモールド樹脂11の外面に沿って配されるように、基端板部31,41をモールド樹脂11内に埋設された端子板3,4の先端板部32,42に対して屈曲させる(屈曲工程)。なお、本実施形態では、各基端板部31,41がモールド樹脂の側面(外面)11c及び上面(外面)11aの両方に沿って配されるように、各基端板部31,41を二箇所において屈曲している。
最後に、モールド樹脂11の外側に位置する枠体部5及び連結リード6の基端部を、モールド樹脂11内に埋設された連結リード6の先端部から切り離す(第二切断工程)ことで、半導体装置100の製造が完了する。なお、狭持用リード7は、ヒートシンク8に押し付けられているだけで固定されていないため、第二切断工程を実施することで、枠体部5と共に半導体装置100から離すことができる。
以上のようにして製造される半導体装置100では、ヒートシンク8の上面8aの一部、端子板3,4の先端板部32,42、連結リード6の先端部、半導体チップ9及びボンディングワイヤ10がモールド樹脂11内に埋設されている。そして、アウターリード部をなす端子板3,4の基端板部31,41が、モールド樹脂11の外方に突出し、モールド樹脂11の側面11c及び上面11aに配されている。一方、連結リード6は、モールド樹脂11の外面から外方に露出しているものの、突出していない。
また、この半導体装置100では、ヒートシンク8の上面8aの残部(残部領域S1)がモールド樹脂11の外方に位置している。
さらに、ヒートシンク8とダイパッド2及び端子板3,4との間にモールド樹脂11が介在していることで、ヒートシンク8とダイパッド2及び端子板3,4とが電気的に絶縁されている。また、一体に形成されたダイパッド2及び連結リード6と、端子板3,4の先端板部32,42とが、これらの間に介在するモールド樹脂11によって電気的に絶縁されている。
そして、ヒートシンク8の下面8bがモールド樹脂11の外側に露出しているため、通電によって半導体チップ9において生じた熱は、主にダイパッド2、モールド樹脂11及びヒートシンク8に伝えられて、ヒートシンク8の下面8bから外部に放熱することができる。
以上のように、本実施形態のリードフレーム1を用いて半導体装置100を製造すれば、取付工程後から押下工程や樹脂封止工程の前までの間においては、端子板3,4と狭持用リード7とによってヒートシンク8が挟み込まれているため、ヒートシンク8と端子板3,4やダイパッド2に搭載された半導体チップ9との位置決めが維持される。また、樹脂封止工程後の状態においては、モールド樹脂11によってヒートシンク8と端子板3,4やダイパッド2、半導体チップ9との位置決めが維持されることになる。したがって、本実施形態の製造方法で製造された半導体装置100では、ヒートシンク8と端子板3,4やダイパッド2、半導体チップ9との相対的な位置精度の向上を図ることができる。また、本実施形態の製造方法では、従来のようなカシメ加工も不要となるため、半導体装置100の製造効率向上も図ることができる。
さらに、本実施形態の製造方法で製造された半導体装置100には、狭持用リード7が構成要素として含まれないため、狭持用リード7に起因するヒートシンク8と端子板3,4との電気的な短絡も防止することができる。
また、本実施形態のリードフレーム1では、複数の端子板3,4及び狭持用リード7が、それぞれ平面視したヒートシンク8の中央を基準として対称な位置に配されているため、取付工程において、ヒートシンク8を安定した状態で複数の端子板3,4と複数の狭持用リード7との間に挟み込むことができる。
さらに、本実施形態の製造方法で押下工程を実施することで、製造後の半導体装置100では、モールド樹脂11によってヒートシンク8とダイパッド2及び端子板3,4とを電気的に絶縁させることができる。言い換えれば、ヒートシンク8とダイパッド2及び端子板3,4との間にこれらを電気的に絶縁させる別個の部材を介在させる必要が無いため、半導体装置100の部品点数を減らして、製造コストの削減を図ることができる。
さらに、本実施形態の半導体装置100の製造方法によれば、一つの半導体装置100の製造に要するダイパッド2、連結リード6及び端子板3,4のユニットを同一のリードフレーム1に複数形成した場合に、屈曲工程において複数の半導体装置100が同一の枠体部5に支持された状態で、複数の端子板3,4の屈曲加工を一度にまとめて実施することが可能となる。また、屈曲工程において複数の半導体装置100が同一の枠体部に支持されていることで、複数の半導体装置100を別個の治具等により個別に支持する必要がなくなり、半導体装置100の製造効率の向上を図ることができる。
なお、第一実施形態の製造方法では、第二切断工程が屈曲工程後に実施されるとしたが、例えば屈曲工程よりも前に実施されてもよい。この場合、第一切断工程及び第二切断工程は、これらの工程を同時に実施する一つの切断工程としてもよい。
さらに、第一実施形態の半導体装置100では、モールド樹脂11の外側に突出する基端板部31,41がモールド樹脂11の上面11aに沿うように屈曲されているが、例えばモールド樹脂11の外面から離れるように突出していても構わない。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、例えば屈曲工程を備えていなくても構わない。
〔第二実施形態〕
次に、図10〜12を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態の構成は、図10,11に示すように、第一実施形態の構成と比較して、ヒートシンク8の形状のみが異なっており、リードフレーム1は第一実施形態と同様である。
図10,11に示すように、この実施形態に係るヒートシンク8には、その下面8bから窪む有底の収容孔81が形成されている。この収容孔81は、ヒートシンク8の下面8bに隣り合う側面8cに開口し、狭持用リード7の先端部72(当接部分)をヒートシンク8の下面8b側及び側面8c側から収容できるように形成されている。
すなわち、収容孔81が開口するヒートシンク8の側面8cから見た収容孔81の幅寸法は、狭持用リード7の先端部72の幅寸法と比較して、同等あるいは微小に大きくなるように設定されている。なお、図示例では、ヒートシンク8の下面8bから窪む収容孔81の深さ寸法が、狭持用リード7の先端部72の厚さ寸法よりも大きく設定されているが、少なくとも先端部72の厚さ寸法以上に設定されていればよい。
また、図示例の収容孔81では、狭持用リード7の先端部72を収容できるように、その幅寸法がヒートシンク8の側面8cから窪む方向に向けて所定長さだけ一定とされているが、窪む方向の前方側においては当該幅寸法が漸次小さくなるように形成されている。より具体的に説明すれば、ヒートシンク8の下面8bから見た収容孔81のうち、ヒートシンク8の側面8cから窪む方向の前方側の平面視形状が、丸みを帯びた円弧状に形成されている。
したがって、狭持用リード7の先端部72は、収容孔81のうちヒートシンク8の側面8c側の領域のみに収容されることになる。
そして、ヒートシンク8の下面8bに開口する収容孔81の開口縁には、収容孔81の底面側からヒートシンク8の下面8bに向かうにしたがって、収容孔81の外側に広がる傾斜案内面82が形成されている。
さらに、この収容孔81には、その底面から窪んでヒートシンク8の上面8aまで貫通する貫通孔83が形成されている。なお、貫通孔83は、収容孔81の底面が残るように、平面視で収容孔81よりも小さい相似形状に形成されている。また、図示例において、貫通孔83は収容孔81と同様にヒートシンク8の側面8cに開口しているが、例えば開口していなくてもよい。
以上のように構成されたヒートシンク8を用いて半導体装置を製造する場合には、第一実施形態と同様のフレーム準備工程、取付工程、接続工程、押下工程、樹脂封止工程、第一切断工程、屈曲工程、第二切断工程を適宜実施すればよく、これにより、図12に示す半導体装置101が得られる。
したがって、本実施形態では、第一実施形態と同様の効果を奏する。さらに、半導体装置101の製造方法のうち取付工程においては、狭持用リード7の先端部72が、ヒートシンク8の収容孔81に収容されると共に収容孔81の底面に当接することで、端子板3,4と狭持用リード7によりヒートシンク8を挟み込むことができる。また、取付工程においては、狭持用リード7の先端部72がヒートシンク8の収容孔81に係合するため、リードフレーム1とヒートシンク8との相対的な位置決めを容易に行うことができる。
さらに、取付工程において狭持用リード7の先端部72を収容孔81に収容する際、狭持用リード7と収容孔81の相対位置がずれていたとしても、狭持用リード7の先端部72が収容孔81の傾斜案内面82に当接することで、収容孔81内に導かれるため、容易かつ確実に狭持用リード7の先端部72を収容孔81に収容することができる。
さらに、ヒートシンク8をリードフレーム1に取り付けたヒートシンク8の取付構造では、狭持用リード7がヒートシンク8の下面8bから突出することも防止できるため、リードフレーム1に取り付けられたヒートシンク8は、その下面8bを下に向けた状態でも安定して載置することができる。したがって、取付工程よりも後に実施する製造方法の各工程において、ヒートシンク8の取付構造体を容易に取り扱うことができる。
また、収容孔81は、狭持用リード7と共にモールド樹脂11の外側に位置するため、ヒートシンク8を下側にして半導体装置101を各種装置に装着する際には、この収容孔81を各種装置に対する半導体装置101の位置決めのリファレンスとして利用することも可能である。特に、図12に示すように、製造後の半導体装置101の状態では、貫通孔83によって収容孔81の位置をヒートシンク8の上面8a側から視認できるため、各種装置に対する半導体装置101の装着を容易に行うことができる。
第二実施形態においては、ヒートシンク8の下面8bから見た収容孔81の平面視形状が、狭持用リード7の先端部72と異なる形状に形成されているが、例えば先端部72に対応する形状に形成されていてもよい。この場合には、収容孔81内の領域全体を埋めるように、先端部72を収容孔81に収容することができる。
また、第二実施形態においては、収容孔81に連なる貫通孔83が形成されるとしたが、例えば図13に示すように、有底の収容孔81のみが形成されていてもよい。さらに、傾斜案内面82も特に形成されていなくても構わない。
〔第三実施形態〕
次に、図14を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
この実施形態の構成は、図14に示すように、第一実施形態の構成と比較して、リードフレームの構成のみが異なっており、他の構成は第一実施形態と同様である。
図14に示すように、この実施形態に係るリードフレーム12は、第一実施形態と同様のダイパッド2、端子板3,4、枠体部5及び連結リード6を備えて構成されている。そして、このリードフレーム12に備える狭持用リード7は、平面視した外枠部51の内縁から直接内側に延びて形成されており、その延出方向は端子板3,4の幅方向とされている。この狭持用リード7は、第一実施形態と同様に、複数(図示例では二つ)形成され、これら複数の狭持用リード7は、平面視したヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配されている。
以上のように構成されたリードフレーム12を用いて半導体装置を製造する場合には、第一実施形態と同様のフレーム準備工程、取付工程、接続工程、押下工程、樹脂封止工程、第一切断工程、屈曲工程、第二切断工程を適宜実施すればよい。
したがって、本実施形態では、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、本実施形態の構成であっても、第二実施形態と同様にヒートシンク8に収容孔81や貫通孔83等が形成されていてもよく、この場合には、第二実施形態と同様の効果を奏する。
〔第四実施形態〕
次に、図15,16を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
この実施形態の構成は、図15,16に示すように、第一実施形態の構成と比較して、リードフレームの構成のみが異なっており、他の構成は第一実施形態と同様である。
図15,16に示すように、この実施形態に係るリードフレーム13は、銅板をはじめとする導電性板材に、複数の端子板120,130と、複数の狭持用リード140と、これら端子板120,130及び狭持用リード140を一体に連結する枠体部5とを形成して大略構成されており、枠体部5の構成は第一実施形態と同様である。なお、図示例のリードフレーム13は、一つの半導体装置の製造に要する構成のみ記載されているが、複数の半導体装置を同時に製造できるように構成されていてもよい。
各端子板120,130は、第一実施形態と同様に、平面視した外枠部51の内縁から内側に突出するように形成されており、その長手方向の中途部分で折曲げ加工を施すことにより断面視クランク形状を呈している。
すなわち、各端子板120,130は、枠体部5と同一の高さ位置に配されてタイバー52に接続される平板状の基端板部121,131と、基端板部121,131に対して枠体部5の厚さ方向にずれて低く位置する平板状の先端板部122,132と、枠体部5の厚さ方向に延びて基端板部121,131及び先端板部122,132を相互に連結する平板状の段差板部123,133とを一体に形成して構成されている。なお、タイバー52は、基端板部121,131の両側端に接続されている。
複数の端子板120,130は、一対の端子板120,130が互いに近づくように逆向きに突出し、一対の端子板120,130の先端板部122,132同士が間隔をあけて隣り合うように配列されている。
そして、一対の端子板120,130のうちの一方(第一端子板120)を構成する先端板部122は、他方の端子板(第二端子板130)の先端板部132よりも端子板120,130の突出方向に長く形成され、半導体チップ9を搭載する配置部をなしている。ここで、第一端子板120において半導体チップ9を搭載する先端板部122の面は、枠体部5側に向く上面122aである。したがって、本実施形態の第一端子板120は、第一実施形態のダイパッド2を一つの端子板3,4に一体に形成した構成に相当している。
これら第一端子板120及び第二端子板130は、それぞれ複数(図示例では二つ)形成され、それぞれ端子板120,130の幅方向に間隔をあけて配列されている。なお、第一端子板120及び第二端子板130の配列方向は互いに平行している。そして、本実施形態では、これら複数の端子板120,130が、平面視したヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配されている。
狭持用リード140は、第一実施形態の狭持用リード7と同様に、端子板120,130と共にヒートシンク8をその厚さ方向から挟み込む役割を果たすものであり、枠体部5に対してその厚さ方向に突出している。
より詳細に説明すれば、狭持用リード140は、前述した端子板120,130と同様に、平面視でタイバー52から外枠部51の内縁の内側に向けて突出する帯状に形成され、折曲げ加工を施すことにより断面L字状とされている。すなわち、狭持用リード140は、タイバー52に対して折り曲げられることで端子板120,130の段差板部123,133と同じ方向に延びる段差部143と、段差部143の突出方向の先端に対して折り曲げられた状態で接続され、枠体部5の厚さ方向にずれて低く位置する先端部142とを備えている。
ここで、狭持用リード140の先端部142は、その形状が第一実施形態の狭持用リード7と同様とされ、端子板120,130を構成する先端板部122,132の下面122b,132bよりも下方に離れて位置している。さらに、枠体部5の厚さ方向に沿って先端部142の上面142aから端子板120,130の先端板部122,132の下面122b,132bに至る隙間の寸法は、ヒートシンク8の厚さ寸法よりも小さくなるように設定されている。なお、図示例において、狭持用リード140の段差部143は、タイバー52や先端部142に対して垂直に折り曲げられているが、例えば第一実施形態と同様に、斜めに折り曲げられていてもよい。
そして、この狭持用リード140は、その先端部142が枠体部5に対してその厚さ方向に移動するように、枠体部5に対して弾性変形可能とされている。
以上のように構成される狭持用リード140は、第一実施形態と同様に複数(図示例では二つ)形成され、それぞれ平面視でタイバー52から第一端子板120あるいは第二端子板130と同じ方向に突出するように、第一端子板120や第二端子板130に対してその幅方向に間隔をあけて配されている。
さらに、複数の狭持用リード140は、平面視したヒートシンク8の中央を基準として互いに対称となる位置に配されている。より具体的に説明すれば、図示例のように、第一端子板120とその幅方向に間隔をあけて配される一方の狭持用リード140Aが、複数の第一端子板120の配列方向の一方の端部に位置する場合には、他方の狭持用リード140Bが、複数の第二端子板130の配列方向の他方の端部に位置すればよい。この場合、二つの狭持用リード140A,140Bは平面視した狭持用リード140の突出方向に対向しない。また、例えば、一方の狭持用リード140Aが二つの第一端子板120の間に位置する場合には、他方の狭持用リード140Bを二つの第二端子板130の間に位置させればよい。この場合、二つの狭持用リード140A,140Bは平面視した狭持用リード140の突出方向に対向することになる。
以上のように構成されたリードフレーム13を用いて半導体装置を製造する場合には、第一実施形態と同様のフレーム準備工程、取付工程、接続工程、押下工程、樹脂封止工程、第一切断工程、屈曲工程、第二切断工程を適宜実施すればよい。したがって、本実施形態では、第一実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態の製造方法では、接続工程において半導体チップ9を第一端子板120の先端板部122の上面122aに搭載するだけで、半導体チップ9と第一端子板120とを電気接続できる。また、ボンディングワイヤ10を半導体チップ9と第二端子板130の先端板部132の上面132aとの間に配することで、半導体チップ9と第二端子板130とを電気接続することができる。
さらに、樹脂封止工程においては、複数の端子板120,130の先端板部122,132及び段差板部123,133、半導体チップ9及びボンディングワイヤ10をモールド樹脂により封止し、枠体部5、複数の端子板120,130の基端板部121,131及び狭持用リード140をモールド樹脂の外側に位置させればよい。また、この製造方法で製造される半導体装置では、端子板120,130の基端板部121,131がモールド樹脂の上面及び側面との角部から突出することがある。この場合には、例えば屈曲工程において、端子板120,130の基端板部121,131がモールド樹脂の上面に沿って配されるように基端板部121,131を屈曲すればよい。
なお、本実施形態の構成であっても、第二実施形態と同様にヒートシンク8に収容孔81や貫通孔83等が形成されていてもよいし、また、第三実施形態と同様に狭持用リード140が外枠部51から端子板120,130の幅方向に延びるように形成されていてもよい。これらの場合には、第二、第三実施形態と同様の効果を奏する。
以上、上記実施形態により本発明の詳細を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、リードフレーム1,12,13を構成する狭持用リード7(140)の先端部72(142)は、平面視矩形状に形成されるとしたが、例えば図17に示すように、平面視矩形状のものから角部を落とした平面視多角形状に形成されてもよいし、例えば図18に示すように、その先端に丸みを帯びた平面視円弧状に形成されていてもよい。なお、図18に示す形状の先端部72の場合、図11に示す収容孔81内の領域全体を埋めるように、先端部72を収容孔81に収容することが可能である。
また、全ての実施形態の半導体装置100,101では、モールド樹脂11がヒートシンク8とダイパッド2や端子板3,4,120,130との間に充填されることになるが、少なくともヒートシンク8とダイパッド2や端子板3,4,120,130とが電気的に絶縁されていればよい。例えば、ヒートシンク8とダイパッド2や端子板3,4,120,130との間に、セラミックス等の電気的な絶縁材料からなる絶縁性板材が挟み込まれていてもよい。
そして、絶縁性板材を備える半導体装置を製造する場合には、ヒートシンク8をリードフレーム1,12,13に取り付ける取付工程において、絶縁性板材をヒートシンク8とダイパッド2や端子板3,4,120,130との間に挟み込めばよい。このように半導体装置を製造する場合、ヒートシンク8を端子板3,4,120,130の下面32b,42b,122b,132bから離間させるように枠体部5の厚さ方向に移動させる押下工程は特に実施しなくてもよい。
また、上記実施形態の半導体装置100,101では、ヒートシンク8の上面8aのみがモールド樹脂11によって封止されているが、少なくともヒートシンク8の下面8bが外方に露出していればよく、例えばヒートシンク8の側面8cがモールド樹脂11によって封止されていてもよい。
さらに、半導体チップ9と端子板3,4,120,130との電気接続には、ボンディングワイヤ10を用いるとしたが、例えば導電性を有する帯板状に形成された接続板(接続子)を用いてもよい。
また、全ての実施形態のリードフレーム1,12(13)には、半導体装置100,101の構成要素として一対の端子板3,4(120,130)が二組形成されているが、例えば一組だけ形成されていてもよいし、三組以上形成されていてもよい。
さらに、半導体チップ9は、その上面9a及び下面9bの両方に電極を有するとしたが、少なくともダイパッド2に搭載されればよく、例えば上面9aのみに複数の電極を有してもよい。この場合には、例えばボンディングワイヤ10や接続板等の接続子により複数の端子板3,4,130と半導体チップ9とを電気接続すればよい。また、この場合、半導体チップ9は、リードフレーム1,12,13のダイパッド2や端子板120に搭載されることに限らず、例えばヒートシンク8の上面8aに直接搭載されてもよい。すなわち、リードフレーム1,12,13は、半導体チップ9を搭載するダイパッド2等の搭載部を備えていなくてもよい。
また、上記実施形態の半導体装置100は、発熱体として半導体チップ9を備えるとしたが、リードフレーム1,12,13の端子板3,4,120,130に電気接続できるものであれば、発熱体として他の電子部品・電気部品を備えていてもよい。
1,12,13 リードフレーム
2 ダイパッド
3 第一端子板
4 第二端子板
5 枠体部
6 連結リード
7,7A,7B 狭持用リード
8 ヒートシンク
8a 上面
8b 下面
8c 側面
81 収容孔
82 傾斜案内面
83 貫通孔
9 半導体チップ(発熱体)
10 ボンディングワイヤ(接続子)
11 モールド樹脂
100,101 半導体装置
120 第一端子板
130 第二端子板
140,140A,140B 狭持用リード

Claims (8)

  1. 板状のヒートシンクと、当該ヒートシンクの上面側に配される端子板と、当該端子板に電気接続される発熱体と、これらヒートシンク、端子板及び発熱体を封止するモールド樹脂とを備える半導体装置の製造に用いるリードフレームであって、
    前記端子板と、当該端子板と共に前記ヒートシンクをその厚さ方向から挟み込む狭持用リードと、これら端子板及び狭持用リードを一体に連結する板状の枠体部とを備え、
    前記狭持用リードは、前記枠体部に対して弾性変形可能に形成されると共に、前記モールド樹脂の形成予定領域の外側に配されていることを特徴とするリードフレーム。
  2. 前記端子板及び前記狭持用リードが複数形成され、
    複数の端子板が、平面視した前記ヒートシンクの中央を基準として互いに対称な位置に配され、かつ、複数の狭持用リードが、平面視した前記ヒートシンクの中央を基準とした対称な位置に配されていることを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のリードフレームに前記ヒートシンクを取り付けたヒートシンクの取付構造であって、
    前記ヒートシンクには、その下面から窪むと共に当該下面に隣り合う側面に開口し、前記狭持用リードを収容可能な有底の収容孔が形成されていることを特徴とするヒートシンクの取付構造。
  4. 前記ヒートシンクの下面に開口する前記収容孔の開口縁に、前記収容孔の底面側から前記ヒートシンクの下面に向かうにしたがって、前記収容孔の外側に広がる傾斜案内面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヒートシンクの取付構造。
  5. 前記収容孔に、その底面から窪んで前記ヒートシンクの上面まで貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のヒートシンクの取付構造。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のリードフレームを用意するフレーム準備工程と、
    前記端子板と前記狭持用リードとの間に板状のヒートシンクをその厚さ方向から挟み込んで、当該ヒートシンクをリードフレームに取り付ける取付工程と、
    前記ヒートシンクの上面側において前記リードフレームあるいは前記ヒートシンクに発熱体を搭載し、当該発熱体と前記端子板とを電気接続する接続工程と、
    前記ヒートシンク、前記端子板及び前記発熱体をモールド樹脂により封止し、かつ、前記狭持用リード及び前記枠体部を前記モールド樹脂の外側に位置させる樹脂封止工程と、
    前記枠体部及び前記狭持用リードを前記端子板から切り落とす切断工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記接続工程後から前記樹脂封止工程前までの間に、前記ヒートシンクを前記端子板から離間させるように前記狭持用リードの弾性力に抗って前記厚さ方向に移動させ、
    前記樹脂封止工程においては、前記ヒートシンクと前記端子板との離間状態を保持することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の製造方法によって製造される半導体装置であって、
    少なくとも前記ヒートシンクの上面、前記端子板及び前記発熱体が、前記モールド樹脂内に埋設されていることを特徴とする半導体装置。
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